JP2006150512A - 素材把持装置、素材ガイド装置及び自動旋盤 - Google Patents

素材把持装置、素材ガイド装置及び自動旋盤 Download PDF

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Abstract

【課題】 工作機械に組み込まれる素材把持装置又は素材ガイド装置において、チャック作動機構又はガイドブッシュ調整機構の構成を、容易に変更できるようにする。
【解決手段】 素材把持装置10は、開閉動作可能な把持部16を有する筒状のチャック14と、把持部を開閉動作させる作動部材18と、作動部材を、押圧力の下で把持部に被加工素材Wを把持させる閉動位置と押圧力を解除して把持部に被加工素材を解放させる開動位置との間で移動させる駆動機構20とを備える。駆動機構は、作動部材を開動位置から閉動位置へ移動させる正方向駆動力F1と、作動部材を閉動位置から開動位置へ移動させる逆方向駆動力F2とを、択一的に作動部材に加える双方向駆動部材62を備える。それにより、静止型のチャック14Aを装備する作動部材押出型の構成と、移動型のチャックを装備する作動部材引込型の構成とを、択一的に実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械に組み込まれ、被加工素材を把持する素材把持装置に関する。本発明はまた、工作機械に組み込まれ、加工中の被加工素材をその加工部位近傍で支持する素材ガイド装置に関する。さらに本発明は、素材把持装置又は素材ガイド装置を備えた自動旋盤に関する。
工作機械において、加工工程中に被加工素材を固定的に保持するために、開閉動作可能な把持部を有するチャックと、チャックの把持部を開閉動作させる作動機構とを有する素材把持装置を組み込んだものは知られている。例えば、NC旋盤等の、自動旋削加工を実施可能な工作機械(本出願で自動旋盤と総称する)では、中空の筒状胴体に弾性変形可能なすり割り構造の把持部を付設してなるチャック(一般にコレットチャックと称する)を、自動旋盤の主軸の内部前端領域に同心状に設置するとともに、駆動部の自動制御下でチャックの把持部を弾性変形させる作動機構を、同主軸に組み込んで備える素材把持装置が周知である。
自動旋盤の主軸に組み込まれる従来の素材把持装置において、作動機構は一般に、主軸に軸線方向移動可能に内設される中空筒状の作動部材と、駆動部の出力を作動部材に軸線方向推力として伝達して、作動部材を、チャックの把持部を開かせる開動位置からチャックの把持部を閉じさせる閉動位置へと移動させる駆動機構と、作動部材を閉動位置から開動位置に向けて弾性的に付勢する戻りばねとを備えて構成される(例えば特許文献1参照)。この構成では、主軸の後方から主軸及び作動部材の内部に棒状の被加工素材を送給した状態で、駆動機構の駆動により作動部材が主軸に沿って軸線方向へ移動する。それに伴い、チャックの把持部が、その外周に設けた円錐台状の圧力受け面に押圧力を受けて、内径寸法を縮小(すなわち縮径)するように弾性変形(すなわち閉動)し、被加工素材を強固に把持する。この状態から、駆動機構の駆動力を反転又は解除すれば、戻りばねの弾性的付勢力により、作動部材が主軸に沿って逆方向へ移動する。それに伴い、チャックの把持部への押圧力が解除されて、把持部が内径寸法を拡大(すなわち拡径)するように弾性復元(すなわち開動)し、被加工素材を解放する。
上記した主軸内設型の素材把持装置では、従来、主軸内に静止配置されたチャックに対して作動部材が軸線方向移動する構成と、作動部材がチャックに連結されてチャックと共に主軸内で軸線方向移動する構成とのいずれかが、適宜採用されている(例えば特許文献2参照)。前者の構成では、主軸に同心状に収容支持された作動部材が、それ自体の前端領域にチャックを同心状に収容支持し、チャックを囲繞する作動部材の前端環状部分に、把持部外周の圧力受け面に係合可能な円錐台状の作用面が形成される。そして、被加工素材を把持する際には、作動部材をチャックに対し主軸から押し出す方向へ変位させて作用面を圧力受け面に押し付けることにより、把持力を得ている。また後者の構成では、主軸の前端領域にチャックが同心状に収容支持されるとともに主軸のチャック後方領域に作動部材が同心状に収容支持され、チャックを囲繞する主軸の前端環状部分に、把持部外周の圧力受け面に係合可能な円錐台状の作用面が形成される。そして、被加工素材を把持する際には、作動部材をチャックと共に主軸内へ引き込む方向へ変位させて圧力受け面を作用面に押し付けることにより、把持力を得ている。なお本出願では、作動部材を主軸内で押出方向へ変位させてチャックの把持力を得る形式を「作動部材押出型」と称し、作動部材を主軸内で引込方向へ変位させてチャックの把持力を得る形式を「作動部材引込型」と称する。
上記した作動部材押出型の素材把持装置では、チャックは通常、その軸線方向前方部分に、主軸の前端に取り付けたキャップに当接される当接面を有し、キャップにより、作動部材の作用面から受ける押圧力の軸線方向成分に抗して主軸内で静止保持されるようになっている。他方、上記した作動部材引込型の素材把持装置では、チャックは通常、その軸線方向後方部分に、作動部材の前端に脱離可能に連結される連結構造(例えばねじ構造)を有する。このように、従来の素材把持装置では、作動部材の動作方式に応じて、チャックの構造も自ずと異なるものになっている。本出願では、作動部材押出型の素材把持装置に装備されるチャックを「静止型のチャック」と称し、作動部材引込型の素材把持装置に装備されるチャックを「移動型のチャック」と称する。
ところで、自動旋盤においては、工具による加工作業位置の近傍で旋盤機台上に設置され、主軸の素材把持装置に把持された棒状の被加工素材を、その先端の加工部位の近傍で支持する補助支持装置としての素材ガイド装置を備えたものが知られている(例えば特許文献3参照)。素材ガイド装置は、一般に、開閉動作可能な中空筒状の素材支持部を有する筒状のガイドブッシュと、ガイドブッシュの素材支持部の径方向寸法を調整する調整機構とを備えて構成される。
従来の素材ガイド装置では、高速回転する被加工素材に対してガイドブッシュが固定的に配置される固定型の構成と、ガイドブッシュが被加工素材と共に高速回転する回転型の構成とのいずれかが、適宜採用されている。いずれの構成でも、素材ガイド装置はガイドブッシュの素材支持部によって、旋削加工中に被加工素材をその加工部位に振れが生じないように支持し、それにより製品を高精度に加工成形することを可能にする。また、被加工素材を把持した主軸が軸線方向送り動作できる構成を有する自動旋盤において、素材ガイド装置は、固定型及び回転型のいずれの構成においても、ガイドブッシュの素材支持部に被加工素材を心出し支持(すなわち被加工素材軸線を回転軸線に合致させるように支持)した状態で、主軸の軸線方向移動により送られる被加工素材を軸線方向へ正確に案内しつつ支持できるようになっている。
この種の素材ガイド装置においては、被加工素材の心出し支持と軸線方向案内支持との双方を所要水準で達成できるようにするために、被加工素材を加工作業開始前にガイドブッシュに挿入し、調整機構を操作することにより、ガイドブッシュの素材支持部を弾性変位させてその内径寸法を被加工素材(丸棒、角棒)の外径寸法に合わせて調整している。従来の素材ガイド装置における調整機構としては、特許文献3に記載されるように、前述した素材把持装置の作動機構と同様の構成を有したものが知られている。つまり、この調整機構は、ガイドブッシュの素材支持部を開閉動作させる作動部材と、作動部材を開動位置から閉動位置へ移動させる駆動機構と、作動部材を閉動位置から開動位置に向けて弾性的に付勢する戻りばねとを備えて構成される。また、素材把持装置と同様に、静止型のガイドブッシュを有する作動部材押出型の素材ガイド装置(特許文献3参照)と、移動型のガイドブッシュを有する作動部材引込型の素材ガイド装置(特許文献1参照)とが知られている。
特許第2566570号公報 特開2000−246522号公報 特許第2750356号公報
前述した作動部材押出型の素材把持装置は、チャックがその開閉動作中に軸線方向へ移動しない構成であるから、チャックに把持される被加工素材が、チャックの把持部の閉動動作に引きずられて軸線方向へ移動することも確実に防止される。したがって、作動部材押出型の素材把持装置を備えた自動旋盤では、被加工素材の軸線方向へ高水準の加工寸法精度が確保される。その結果、例えば、棒状の被加工素材の突切面をそのまま製品の一端面とすることができるので、端面仕上工程が不要になり、加工工程のサイクルタイムを短縮できるとともに、被加工素材の切削量を削減することができる。
その反面、作動部材押出型の素材把持装置を自動旋盤の主軸に組み込む構成では、主軸の前端領域に作動部材の一部分とチャックとが相対摺動可能に入れ子式に収容されるので、摺動用の微小隙間の存在に起因して主軸前端領域における剛性が低下する傾向がある。その結果、主軸の回転精度が悪化して、被加工素材の加工精度が低下することが懸念される。なお、素材ガイド装置を備えた自動旋盤の主軸に作動部材押出型の素材把持装置を組み込む場合には、主軸の剛性や回転精度が被加工素材の加工精度に及ぼす影響は、素材ガイド装置によって排除される。
他方、前述した作動部材引込型の素材把持装置は、自動旋盤の主軸に組み込む場合、主軸の前端領域にはチャックのみが相対摺動可能に収容される構成であるから、主軸前端領域における剛性を確保し、回転精度の悪化及びそれに伴う加工精度の低下を防止することができる。その反面、チャックがその開閉動作中に軸線方向へ僅かに移動するので、チャックに把持される被加工素材が、チャックの把持部の閉動動作に引きずられて軸線方向へ移動してしまい、結果として、被加工素材の軸線方向への加工寸法精度が低下する傾向がある。したがって、作動部材引込型の素材把持装置を自動旋盤の主軸に組み込む構成では、例えば、長さ方向の寸法精度を必要とする場合に棒状の被加工素材の突切面をそのまま製品の一端面とすることは不都合であり、端面仕上工程が必要となって、加工工程のサイクルタイム及び被加工素材の切削量が増加することが懸念される。
上記したように、従来の素材把持装置は、作動部材の動作方式(押出型及び引込型)に対応したそれぞれの長所及び短所を有しており、搭載される工作機械(例えば自動旋盤)の機械構成、加工対象となる被加工素材の材質、要求される加工精度等を勘案して、予め選択したいずれか一方の動作方式が採用されている。したがって従来、被加工素材に対し異なる条件の下に種々の加工を実施しようとする場合には、作動部材の動作方式が異なる素材把持装置をそれぞれに搭載した2台の工作機械を用意するか、或いは、1台の工作機械において、素材把持装置を組み込んでいる機械要素(例えば自動旋盤の主軸台)を、他方式の素材把持装置を組み込んだ別の機械要素にそっくり交換することで対処している。このような対処法では、工作機械に係る設備コストが高騰し、また、機械要素の交換に関連して作業者の負担が増大することが危惧される。
さらに、上記した従来の素材把持装置の作動機構と同様の構成を、素材ガイド装置の調整機構に適用した場合には、素材把持装置と同様の問題が顕現する。例えば、特に回転型の素材ガイド装置に作動部材押出型の構成を適用したときには、自動旋盤の主軸に相当する素材ガイド装置の筒状支持部材の剛性が低下し、ガイドブッシュの心出し支持精度が悪化する懸念がある。また、作動部材引込型の素材ガイド装置では、ガイドブッシュの開閉動作時の軸線方向移動が心出し支持精度に何らかの影響を及ぼす懸念もある。そして、両方の動作方式の素材ガイド装置を用意しようとすれば、工作機械に係る設備コストが高騰し、また、機械要素の交換に関連して作業者の負担が増大することが危惧される。
本発明の目的は、工作機械に組み込まれる素材把持装置において、工作機械の機械構成、加工対象となる被加工素材の材質、要求される加工精度等を勘案して、チャック作動機構の構成を適宜、容易に変更でき、設備コストの高騰や作業者の負担増を防止できる多用途型の素材把持装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、工作機械に組み込まれる素材ガイド装置において、工作機械の機械構成、加工対象となる被加工素材の材質、要求される加工精度等を勘案して、ガイドブッシュ調整機構の構成を適宜、容易に変更でき、設備コストの高騰や作業者の負担増を防止できる多用途型の素材ガイド装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、素材把持装置又は素材ガイド装置を備えた自動旋盤において、素材把持装置又は素材ガイド装置の開閉動作方式を容易に変更できる自動旋盤を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、開閉動作可能な把持部を有する筒状のチャックと、把持部を開閉動作させる作動部材と、作動部材を、押圧力の下で把持部に被加工素材を把持させる閉動位置と押圧力を解除して把持部に被加工素材を解放させる開動位置との間で移動させる駆動機構とを具備する素材把持装置において、駆動機構は、作動部材を開動位置から閉動位置へ移動させる正方向駆動力と、作動部材を閉動位置から開動位置へ移動させる逆方向駆動力とを、択一的に作動部材に加える双方向駆動部材を備えること、を特徴とする素材把持装置を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の素材把持装置において、作動部材が開動位置から閉動位置へ移動する間に、静止して押圧力を把持部に受ける静止型のチャックと、作動部材が開動位置から閉動位置へ移動する間に、作動部材と共に移動して押圧力を把持部に受ける移動型のチャックとを、互いに交換可能に具備する素材把持装置を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の素材把持装置において、作動部材は、駆動機構の双方向駆動部材から正方向駆動力及び逆方向駆動力を択一的に受ける第1筒状要素であって、移動型のチャックを脱離可能に取り付けることができる第1筒状要素と、移動型のチャックと交換して、第1筒状要素に軸線方向へ整列して脱離可能に取り付けることができ、静止型のチャックを軸線方向相対移動可能に支持する第2筒状要素とを備える素材把持装置を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の素材把持装置において、作動部材を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材をさらに具備し、移動型のチャックを第1筒状要素に取り付けたときに、正方向駆動力の下で第1筒状要素と移動型のチャックとが一体的に支持部材に対して軸線方向移動することにより、移動型のチャックの把持部が支持部材から押圧力を受け、静止型のチャックを支持した第2筒状要素を第1筒状要素に取り付けたときに、正方向駆動力の下で第1筒状要素と第2筒状要素とが一体的に静止型のチャックに対して軸線方向移動することにより、静止型のチャックの把持部が、支持部材に同心支持された第2筒状要素から押圧力を受ける素材把持装置を提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の素材把持装置において、静止型のチャックの把持部を閉動させるための駆動機構の正方向駆動力と、移動型のチャックの把持部を閉動させるための駆動機構の正方向駆動力とが、互いに反対の方向へ作動部材に加えられる推力である素材把持装置を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の素材把持装置において、駆動機構は、作動部材を閉動位置と開動位置との間の中間位置に位置決めでき、作動部材が中間位置にあるときに、チャックの把持部は、把持部に被加工素材を把持させる押圧力よりも小さい第2押圧力の下で被加工素材を保持する素材把持装置を提供する。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の素材把持装置において、作動部材を閉動位置に向けて弾性的に付勢する付勢部材をさらに具備し、作動部材が中間位置にあるときに、付勢部材の弾性的付勢力によって第2押圧力が生じる素材把持装置を提供する。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の素材把持装置において、駆動機構は、双方向駆動部材に対して直動動作することにより双方向駆動部材に正方向駆動力と逆方向駆動力とを択一的に発揮させる直動部材をさらに備え、双方向駆動部材は、直動部材の直動動作を揺動動作に変換して、梃子の作用により作動部材に正方向駆動力と逆方向駆動力とを択一的に加える素材把持装置を提供する。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の素材把持装置を主軸に組み込んだことを特徴とする自動旋盤を提供する。
請求項10に記載の発明は、開閉動作可能な素材支持部を有する筒状のガイドブッシュと、素材支持部を開閉動作させる作動部材と、作動部材を、押圧力の下で素材支持部に被加工素材を心出し支持させる閉動位置と押圧力を解除して素材支持部に被加工素材を解放させる開動位置との間で移動させる駆動機構とを具備する素材ガイド装置において、駆動機構は、作動部材を開動位置から閉動位置へ移動させる正方向駆動力と、作動部材を閉動位置から開動位置へ移動させる逆方向駆動力とを、択一的に作動部材に加える双方向駆動部材を備えること、を特徴とする素材ガイド装置を提供する。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の素材ガイド装置において、作動部材が開動位置から閉動位置へ移動する間に、静止して押圧力を素材支持部に受ける静止型のガイドブッシュと、作動部材が開動位置から閉動位置へ移動する間に、作動部材と共に移動して押圧力を素材支持部に受ける移動型のガイドブッシュとを、互いに交換可能に具備する素材ガイド装置を提供する。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の素材ガイド装置において、作動部材は、駆動機構の双方向駆動部材から正方向駆動力及び逆方向駆動力を択一的に受ける第1筒状要素であって、移動型のガイドブッシュを脱離可能に取り付けることができる第1筒状要素と、移動型のガイドブッシュと交換して、第1筒状要素に軸線方向へ整列して脱離可能に取り付けることができ、静止型のガイドブッシュを軸線方向相対移動可能に支持する第2筒状要素とを備える素材ガイド装置を提供する。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の素材ガイド装置において、作動部材を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材をさらに具備し、移動型のガイドブッシュを第1筒状要素に取り付けたときに、正方向駆動力の下で第1筒状要素と移動型のガイドブッシュとが一体的に支持部材に対して軸線方向移動することにより、移動型のガイドブッシュの素材支持部が支持部材から押圧力を受け、静止型のガイドブッシュを支持した第2筒状要素を第1筒状要素に取り付けたときに、正方向駆動力の下で第1筒状要素と第2筒状要素とが一体的に静止型のガイドブッシュに対して軸線方向移動することにより、静止型のガイドブッシュの素材支持部が、支持部材に同心支持された第2筒状要素から押圧力を受ける素材ガイド装置を提供する。
請求項14に記載の発明は、請求項11〜13のいずれか1項に記載の素材ガイド装置において、静止型のガイドブッシュの素材支持部を閉動させるための駆動機構の正方向駆動力と、移動型のガイドブッシュの素材支持部を閉動させるための駆動機構の正方向駆動力とが、互いに反対の方向へ作動部材に加えられる推力である素材ガイド装置を提供する。
請求項15に記載の発明は、請求項10〜14のいずれか1項に記載の素材ガイド装置において、駆動機構は、作動部材を閉動位置よりもさらに開動位置から離れた第2閉動位置に位置決めでき、作動部材が第2閉動位置にあるときに、ガイドブッシュの素材支持部は、素材支持部に被加工素材を心出し支持させる押圧力よりも大きい第2押圧力の下で被加工素材を固定的に把持する素材ガイド装置を提供する。
請求項16に記載の発明は、請求項10〜15のいずれか1項に記載の素材ガイド装置において、作動部材を閉動位置に向けて弾性的に付勢する付勢部材をさらに具備し、作動部材が閉動位置にあるときに、付勢部材の弾性的付勢力によって押圧力が生じる素材ガイド装置を提供する。
請求項17に記載の発明は、請求項10〜16のいずれか1項に記載の素材ガイド装置において、駆動機構は、双方向駆動部材に対して直動動作することにより双方向駆動部材に正方向駆動力と逆方向駆動力とを択一的に発揮させる直動部材をさらに備え、双方向駆動部材は、直動部材の直動動作を揺動動作に変換して、梃子の作用により作動部材に正方向駆動力と逆方向駆動力とを択一的に加える素材ガイド装置を提供する。
請求項18に記載の発明は、請求項10〜17のいずれか1項に記載の素材ガイド装置を被加工素材の加工作業位置近傍に設置したことを特徴とする自動旋盤を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、チャックの把持部を閉じるための正方向駆動力とチャックの把持部を開くための逆方向駆動力とが、駆動機構によって択一的に得られる。したがって例えば、一方のチャックにおいては正方向駆動力となる駆動機構の駆動力が、他方のチャックにおいては逆方向駆動力となるような、2種類のチャックを、互いに交換可能に素材把持装置に装備することができる。したがって、工作機械の機械構成、加工対象となる被加工素材の材質、要求される加工精度等を勘案して、チャック作動機構の構成を適宜、容易に変更でき、その結果、設備コストの高騰や作業者の負担増を防止しつつ、素材把持装置の多用途化が実現される。
請求項2に記載の発明によれば、駆動機構は、静止型のチャックと移動型のチャックとのいずれに対しても、それぞれのチャックに関して互いに逆方向の駆動力となる正方向駆動力を確実に発揮できる。その結果、それらチャックを互いに交換したときに、いずれのチャックにおいても、必要な把持力を安定して得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、駆動機構と、駆動機構からの駆動力を受ける作動部材の第1筒状要素とを残したままの状態で、静止型のチャック及び第2筒状要素と、移動型のチャックとを入れ換えるだけで、静止型のチャックを用いる作動部材押出型の構成と、移動型のチャックを用いる作動部材引込型の構成とを、択一的に実現することができる。
請求項4に記載の発明によれば、静止型及び移動型のいずれのチャックを装備した場合にも、チャックの把持部に所要の押圧力を正確に加えることができる。
請求項5に記載の発明によれば、駆動機構の双方向駆動部材の構成を簡略化できる。
請求項6に記載の発明によれば、チャックに、ガイドブッシュと同様の案内支持機能が付加される。
請求項7に記載の発明によれば、作動部材の中間位置を付勢部材の弾性的付勢力下で受動的に変更可能にすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、簡易構造の駆動機構により、正方向駆動力と逆方向駆動力とを正確に発揮することができる。
請求項9に記載の発明によれば、自動旋盤における素材把持装置の開閉動作方式を容易に変更できる。
請求項10に記載の発明によれば、ガイドブッシュの素材支持部を閉じるための正方向駆動力とガイドブッシュの素材支持部を開くための逆方向駆動力とが、駆動機構によって択一的に得られる。したがって例えば、一方のガイドブッシュにおいては正方向駆動力となる駆動機構の駆動力が、他方のガイドブッシュにおいては逆方向駆動力となるような、2種類のガイドブッシュを、互いに交換可能に素材ガイド装置に装備することができる。したがって、工作機械の機械構成、加工対象となる被加工素材の材質、要求される加工精度等を勘案して、ガイドブッシュ作動機構の構成を適宜、容易に変更でき、その結果、設備コストの高騰や作業者の負担増を防止しつつ、素材ガイド装置の多用途化が実現される。
請求項11に記載の発明によれば、駆動機構は、静止型のガイドブッシュと移動型のガイドブッシュとのいずれに対しても、それぞれのガイドブッシュに関して互いに逆方向の駆動力となる正方向駆動力を確実に発揮できる。その結果、それらガイドブッシュを互いに交換したときに、いずれのガイドブッシュにおいても、必要な把持力を安定して得ることができる。
請求項12に記載の発明によれば、駆動機構と、駆動機構からの駆動力を受ける作動部材の第1筒状要素とを残したままの状態で、静止型のガイドブッシュ及び第2筒状要素と、移動型のガイドブッシュとを入れ換えるだけで、静止型のガイドブッシュを用いる作動部材押出型の構成と、移動型のガイドブッシュを用いる作動部材引込型の構成とを、択一的に実現することができる。
請求項13に記載の発明によれば、静止型及び移動型のいずれのガイドブッシュを装備した場合にも、ガイドブッシュの素材支持部に所要の押圧力を正確に加えることができる。
請求項14に記載の発明によれば、駆動機構の双方向駆動部材の構成を簡略化できる。
請求項15に記載の発明によれば、ガイドブッシュに、チャックと同様の素材把持機能が付加される。
請求項16に記載の発明によれば、作動部材の中間位置を付勢部材の弾性的付勢力下で受動的に変更可能とすることができる。
請求項17に記載の発明によれば、簡易構造の駆動機構により、正方向駆動力と逆方向駆動力とを正確に発揮することができる。
請求項18に記載の発明によれば、自動旋盤における素材ガイド装置の開閉動作方式を容易に変更できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1〜図4は、本発明の第1の実施形態による素材把持装置10を、自動旋盤の主軸12に組み込んだ状態で示す図で、図1及び図2は、静止型のチャック14Aを装備した素材把持装置10を示し、図3及び図4は、移動型のチャック14Bを装備した素材把持装置10を示す。素材把持装置10は、開閉動作可能な把持部16を有する筒状のチャック14(チャック14A及び14Bを総称する)と、チャック14の把持部16を開閉動作させる作動部材18と、作動部材18を、押圧力の下で把持部16に被加工素材Wを把持させる閉動位置(図2及び図4)と押圧力を解除して把持部16に被加工素材Wを解放させる開動位置(図1及び図3)との間で移動させる駆動機構20とを備えて構成される。
駆動機構20は、作動部材18を開動位置から閉動位置へ移動させる正方向駆動力F1と、作動部材18を閉動位置から開動位置へ移動させる逆方向駆動力F2との双方を生成できるとともに、正方向駆動力F1と逆方向駆動力F2とのいずれか一方を選択して作動部材18に加えることができるようになっている。それにより、素材把持装置10では、作動部材18が開動位置から閉動位置へ移動する間に、静止して押圧力を把持部16に受ける静止型のチャック14A(図5(a))と、作動部材18が開動位置から閉動位置へ移動する間に、作動部材18と共に移動して押圧力を把持部16に受ける移動型のチャック14B(図5(b))とを、互いに交換可能に備えることができる。駆動機構20の構成及びそれによるチャック14A、14Bの交換可能性については、後に詳述する。
主軸12は、中心軸線12aを有する中空筒状体であり、自動旋盤の主軸台22に軸受装置24を介して回転可能に搭載されて、サーボモータ等の回転駆動源(図示せず)に接続される(図1、図3)。旋削工程に際しては、主軸12の後端(図で右端)から棒状の被加工素材W(以下、棒材Wと称する)が主軸内部に軸線方向へ送給され、後述する作動部材18の作動によりチャック14に棒材Wを強固に把持した状態で、主軸12が軸線12aを中心に回転駆動源により回転駆動される。なお、主軸12は、素材把持装置10の作動部材18を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材(素材把持装置10の一構成要素)として機能する。
チャック14(14A及び14B)は、主軸12に供給された棒材Wを内部に受容可能な中空筒状体であり、中心軸線26aを有する筒状胴体26と、筒状胴体26に軸線方向へ同軸状に隣接して設けられる弾性変形可能な把持部16とを一体に備える(図5)。チャック14の把持部16には、その軸線方向前端面16aから所望長さに渡って軸線方向に延びる複数(図示実施形態では3個)のスリット28が形成され、それにより把持部16に、筒状胴体26の中心軸線26aを基準として内径寸法を弾性的に変更可能なすり割り構造が付与される。また、チャック14の把持部16には、すり割り構造の内周面として、筒状胴体26の内周面よりも小径の略円筒状の棒材把持面30が形成されるとともに、すり割り構造の外周面として、筒状胴体26の外周面から徐々に拡径して延びる円錐台状の圧力受け面32が形成される。把持部16は、圧力受け面32に一様に径方向内方への押圧力を受けることにより、初期の開位置から弾性的に撓んで棒材把持面30が縮径し、棒材把持面30により棒材Wを強固に固定的に把持する。圧力受け面32への押圧力が解除されると、把持部16が開位置へ弾性的に復元して棒材把持面30が拡径し、棒材Wが把持部16から解放される。
静止型のチャック14A(図5(a))は、作動部材18を主軸12内で押出方向(図1で左方)へ変位させることにより把持力を発揮するものであり、把持部16の圧力受け面32の大径端(図で左端)に隣接して、筒状胴体26の中心軸線26aに略直交して環状に延びる当接面34が形成される。さらにチャック14Aには、当接面34から軸線方向に延長される延長部分の外周面に沿って、環状溝36が凹設される。
素材把持装置10に静止型のチャック14Aを装備する際には、主軸12の前端(図1で左端)に、チャック14Aの当接面34に係合可能な係止面38を内側に有する環状のキャップ40が、脱着可能に取り付けられる。またチャック14Aは、環状溝36に嵌入した環状ストッパ42を介して、キャップ40に軸線方向相対移動不能かつ径方向相対移動可能に連結される。後述するように、主軸12にチャック14Aを適正に収容してキャップ40を主軸12の前端に取り付けると、チャック14Aの当接面34とキャップ40の係止面38とが密接衝合し、それにより、作動部材18が開動位置から閉動位置へ移動する間に、チャック14Aが主軸12から押し出されて脱落することが防止される。また、環状ストッパ42は、作動部材18が閉動位置から開動位置へ移動する間に、チャック14Aが作動部材18と共に主軸12内に引き込まれて開放不良が生じることを防止する。このような引き込み動作は、作動部材18が閉動位置にあるときに、チャック14Aが棒材Wと作動部材18との間であたかも楔状に作用していることに起因して、生じ得るものであって、環状ストッパ42が、この望ましくない引き込み動作を確実に阻止する。
移動型のチャック14B(図5(b))は、作動部材18を主軸12内で引込方向(図3で右方)へ変位させることにより把持力を発揮するものであり、筒状胴体26の軸線方向後端(図で右端)の開口に隣接して、外周面に雄ねじ44が形成される。素材把持装置10に移動型のチャック14Bを装備する際には、雄ねじ44を、作動部材18に設けた後述する雌ねじ46(図3)に螺着することにより、チャック14Bが作動部材18に脱離可能に取り付けられる。後述するように、チャック14Bを主軸12に適正に収容して作動部材18に連結すると、チャック14Bは、作動部材18の軸線方向移動に一体的に追従して、主軸12内で軸線方向へ移動する。
作動部材18は、駆動機構20から正方向駆動力F1及び逆方向駆動力F2を択一的に受ける第1筒状要素48を備える(図1、図3)。第1筒状要素48は、主軸12に供給された棒材Wを非接触に受容可能な中空筒状体であり、その軸線方向前端(図で左端)に、移動型のチャック14Bの雄ねじ44に螺合可能な前述した雌ねじ46が形成される。第1筒状要素48は、主軸12に軸線方向移動可能に同心配置で収容されるとともに、軸線方向後方(図で右方)の所定長さ部分50が、主軸12の後端開口から外部に突出して配置される。
作動部材18はさらに、静止型のチャック14Aを軸線方向相対移動可能に受容して支持する第2筒状要素52を備える(図1)。第2筒状要素52は、第1筒状要素48に受容された棒材Wを同様に非接触に受容可能な中空筒状体であり、その軸線方向後端(図で右端)に、第1筒状要素48の雌ねじ46に螺合可能な雄ねじ54が形成される。つまり、第2筒状要素52の雄ねじ54は、移動型のチャック14Bの雄ねじ44と同一の構成を有する。それにより、第2筒状要素52は、移動型のチャック14Bと交換して、第1筒状要素48に軸線方向へ整列して脱離可能に取り付けることができる。
第2筒状要素52は、その軸線方向前方(図で左方)領域に、静止型のチャック14Aの筒状胴体26を軸線方向摺動可能に同心配置で収容する。第2筒状要素50の前端開口を画定する内周面の環状領域には、チャック14Aの把持部16に設けた圧力受け面32に係合可能な円錐台状の作用面56が形成される(図1)。作用面56は、第2筒状要素52の前端から軸線方向後方へ徐々に縮径して延びる。作用面56の大径端の内径寸法は、チャック14Aの開状態の把持部16における圧力受け面32の大径端の外径寸法よりも若干小さくなっており、それにより作用面56は、圧力受け面32に少なくとも環状に当接される加圧面を構成する。
素材把持装置10に静止型のチャック14Aを装備する際には、作動部材18の第1筒状要素48に、第2筒状要素52を、雄ねじ54を雌ねじ46に螺着することにより取り付け、次いで、環状ストッパ42を介してキャップ40に連結したチャック14Aの筒状胴体26を、第2筒状要素52の内腔に挿入する。そして、キャップ40を、例えば主軸12の前端に設けた雄ねじ58とキャップ40の後端に設けた雌ねじ59との螺合(図2)により、主軸12に取り付ける。
このようにして、静止型のチャック14Aが素材把持装置10に適正に装着された状態では、チャック14A及び作動部材18(第1筒状要素48及び第2筒状要素52)が主軸12に対して同心に配置され、作動部材18が主軸12内で軸線方向移動する間、チャック14Aが主軸12内で軸線方向へ静止保持される。なお、主軸12と第2筒状要素52との間、及び第2筒状要素52とチャック14Aとの間には、周知構造の回り止めが設けられ、チャック14A及び作動部材18が主軸12と一体的に回転するようになっている。
他方、素材把持装置10に移動型のチャック14Bを装備する際には、作動部材18の第1筒状要素48に、チャック14Bを、雄ねじ44を雌ねじ46に螺着することにより取り付けるだけでよい。つまり、移動型のチャック14Bを装備する場合は、作動部材18の第2筒状要素52を使用せず、主軸(すなわち支持部材)12の軸線方向前方(図で左方)領域に、移動型のチャック14Bの筒状胴体26を軸線方向摺動可能に同心配置で収容する。そして、主軸12の前端開口を画定する内周面の環状領域には、チャック14Bの把持部16に設けた圧力受け面32に係合可能な円錐台状の作用面60が形成される(図3)。作用面60は、主軸12の前端から軸線方向後方へ徐々に縮径して延びる。作用面60の大径端の内径寸法は、チャック14Bの開状態の把持部16における圧力受け面32の大径端の外径寸法よりも若干小さくなっており、それにより作用面60は、圧力受け面32に少なくとも環状に当接される加圧面を構成する。
このようにして、移動型のチャック14Bが素材把持装置10に適正に装着された状態では、チャック14B及び作動部材18(第1筒状要素48)が主軸12に対して同心に配置され、作動部材18が主軸12内で軸線方向移動する間、チャック14Bも作動部材18と共に軸線方向へ移動する。なお、主軸12とチャック14Bとの間には、周知構造の回り止めが設けられ、チャック14B及び作動部材18が主軸12と一体的に回転するようになっている。
上記した作動部材18の構成により、素材把持装置10は、静止型のチャック14Aと移動型のチャック14Bとを適宜交換して装備することができる。ここで、前述したように、静止型のチャック14Aは作動部材押出型の構成に対応するものであり、移動型のチャック14Bは作動部材引込型の構成に対応するものである。これに関し、例えば既述の特許文献1に記載される素材把持装置におけるチャック作動機構のように、チャックを開くための作動部材の動作を戻りばねの弾性的付勢力によって実現する構成を採用した場合には、チャック作動機構を変更せずに静止型のチャックと移動型のチャックとを交換したときに、いずれか一方のチャックに対し、チャックを閉じるための作動部材の駆動力が戻りばねの弾性的付勢力に依存するものとなり、必要な把持力を安定して得ることが困難になる。
そこで、本発明に係る素材把持装置10では、前述したように駆動機構20を、作動部材18を開動位置(すなわちチャック14による素材把持位置)から閉動位置(すなわちチャック14による素材解放位置)へ移動させる正方向駆動力F1と、作動部材18を閉動位置から開動位置へ移動させる逆方向駆動力F2との双方を生成できるとともに、正方向駆動力F1と逆方向駆動力F2とのいずれか一方を選択して作動部材18に加えることができるように構成している。つまり、一方向への駆動力が生じている間、常時その駆動力に抗する反力を生じる戻りばねを用いた駆動機構とは異なり、正方向駆動力F1と逆方向駆動力F2とを作動部材18に択一的に加える駆動機構20は、静止型のチャック14Aと移動型のチャック14Bとのいずれに対しても、作動部材18を開動位置から閉動位置へ移動させる正方向駆動力F1(チャック14A、14Bのそれぞれに関して互いに逆方向の駆動力となる)を確実に発揮できる。その結果、駆動機構20を変更することなくチャック14A、14Bを交換したときに、いずれのチャック14A、14Bにおいても、必要な把持力を安定して得ることができる。
次に、図1を参照して、駆動機構20の構成を詳述する。
駆動機構20は、作動部材18の第1筒状要素48に正方向駆動力F1と逆方向駆動力F2とを択一的に加える揺動可能な双方向駆動部材62と、双方向駆動部材62に対して直動動作することにより双方向駆動部材62に正方向駆動力F1と逆方向駆動力F2とを択一的に発揮させる直動部材64と、直動部材64を第1筒状要素48の軸線(主軸12の軸線12aに合致)に沿った方向へ往復動作させる駆動源66とを備える。主軸12の後端には、作動部材18の第1筒状要素48の突出長部分50を囲繞するようにして、筒状の取付部材68が固定的に設置され、取付部材68に、双方向駆動部材62及び直動部材64がそれぞれ揺動及び直動可能に担持される。また、作動部材18の第1筒状要素48の突出長部分50には、取付部材68に部分的に囲繞される位置に、双方向駆動部材62に係合してその駆動力を第1筒状要素48に伝達する筒状の伝達部材70が固定的に設置される。
双方向駆動部材62は、両端72a、72bに力点を形成する腕72と、腕72の略中央で一側方に突設され、一対の突端74a、74bに作用点を形成する突子74とを有する略Y字状のレバー要素であり、腕72の中心に設置される支軸76を支点として、取付部材68に回転可能に取り付けられる。主軸12に固定された取付部材68には、径方向に貫通する複数(図示実施形態では2個)の空洞部78が形成され、それら空洞部78のそれぞれに1個ずつ、双方向駆動部材62が揺動自在に収容される。各双方向駆動部材62は、腕72を第1筒状要素48の軸線(すなわち主軸12の軸線12a)に平行に向け、かつ突子74を第1筒状要素48に近接する側に向けて配置される。また、各双方向駆動部材62は、その揺動動作に応じて、腕72の少なくとも一端72a、72bが取付部材68の空洞部78から径方向外方へ突出するとともに、いずれか一端72a、72bが空洞部78に完全に引き込まれるようになっている。
また、第1筒状要素48の突出長部分50に固定された伝達部材70には、取付部材68の空洞部78に対応する位置に、径方向外方へ開口する凹所80がそれぞれ形成される。伝達部材70の各凹所80には、対応の空洞部78に収容された双方向駆動部材62の突子74が変位可能に受容される。双方向駆動部材62が空洞部78内で揺動すると、突子74のいずれか一方の突端74a、74bが、伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、それにより伝達部材70に、揺動力に比例した駆動力(正方向駆動力F1及び逆方向駆動力F2)が、主軸12の軸線12aに沿った方向へ択一的に加えられる。
直動部材64は、取付部材68の外面に沿って軸線方向へ往復移動自在に支持される中空筒状部材であり、その内周面に、軸線方向に沿って内径寸法を変化させる筒状のカム面82が形成される。すなわちカム面82は、軸線方向中間の所定長さに渡って同一内径寸法を維持する平滑な主面部分82aと、軸線方向前端(図で左端)に向かって主面部分82aから徐々に拡径する平滑な第1テーパ面部分82bと、軸線方向後端(図で右端)に向かって主面部分82aから徐々に拡径する平滑な第2テーパ面部分82cとを有する。直動部材64のカム面82は、取付部材68を環状に囲繞して全ての空洞部78に一様に対向し、個々の双方向駆動部材62の腕72の少なくとも一端72a、72bに、摺動係合可能に配置される。
直動部材64は、軸受装置84を介して、駆動源66に相対回転可能に接続される。駆動源66は、油圧装置、カム装置、サーボモータ等から構成され、図示しない制御装置の制御下で、直動部材64を、主軸12に固定した取付部材68の外周面に沿って、所定の往復移動範囲内で軸線方向へ移動させる。直動部材64が取付部材68上で直動すると、カム面82と個々の双方向駆動部材62の腕72の両端72a、72bとの係合位置が軸線方向へ変位し、それにより各双方向駆動部材62は、直動部材64の直動動作を前述した揺動動作に変換して、梃子の作用により伝達部材70(すなわち作動部材18)に正方向駆動力F1と逆方向駆動力F2とを択一的に加える。なお、上記構成を有する駆動機構20は、駆動源66を除いて主軸12と共に高速回転するから、双方向駆動部材62、直動部材64、取付部材68及び伝達部材70は、主軸12の軸線12を中心にバランス良く配置されることが好ましい。
次に、図1〜図4を参照して、上記構成を有する素材把持装置10の棒材把持/解放操作を説明する。
素材把持装置10に静止型のチャック14Aを装備しているとき(図1及び図2)には、棒材Wを主軸12に供給する前に、まず、駆動機構20の直動部材64を取付部材68上で往復移動範囲の前端(図で左端)に配置する。この状態で、個々の双方向駆動部材62は、それぞれの腕72の前端72aを、直動部材64のカム面82の主面部分82aに係合させるとともに、腕72の後端72bをカム面82から後方に離隔させて配置される(図1)。この揺動位置で、各双方向駆動部材62の突子74は、その後側の突端74bが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、それにより伝達部材70に、軸線方向後方への駆動力(逆方向駆動力F2)を加える。伝達部材70は、逆方向駆動力F2を作動部材18の第1筒状要素48に伝達し、それにより、第1筒状要素48が第2筒状要素52と一体的に、主軸12内で軸線方向移動範囲の後端に配置される。その結果、作動部材18が開動位置に配置され、チャック14Aの把持部16が開かれる。
チャック14Aが開いた状態(図1)で、主軸12の後方から作動部材18の内部に棒材Wを送給し、棒材Wの先端の所望長さをチャック14Aの把持部16の前端開口から突出させる。この状態から、駆動機構20の駆動源66を起動し、直動部材64を取付部材68の外周面に沿って軸線方向後方へ移動させる。すると、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aが、カム面82の主面部分82aから離脱する一方で、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bが、カム面82の第2テーパ面部分82cを経て主面部分82aに係合する。それに伴い、個々の双方向駆動部材62は互いに同期して、図1の揺動位置から、腕72の後端72bが取付部材68の空洞部78に引き込まれる方向へ揺動する。この揺動動作により、各双方向駆動部材62は、突子74の前側の突端74aが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向前方への駆動力(正方向駆動力F1)を加える。伝達部材70は、正方向駆動力F1を作動部材18の第1筒状要素48にそのまま伝達し、それにより、第1筒状要素48が第2筒状要素52と一体的に、主軸12内で軸線方向前方へ移動する。
このようにして、作動部材18が開動位置から閉動位置に向けて移動すると、チャック14Aは、前述したようにキャップ40によって主軸12に対し軸線方向移動不能に配置されているので、作動部材18の第2筒状要素52の作用面56がチャック14Aの圧力受け面32に正確に押し付けられ、所要の押圧力が圧力受け面32に加えられる。それにより、チャック14Aの把持部16が前述したように弾性的に縮径し、作動部材18が閉動位置に到達した時点で、チャック14Aがその棒材把持面30(図5(a))で所要の把持力により棒材Wを強固に把持する(図2)。この状態で、主軸12が回転して、棒材Wに対する所望の旋削加工が実施される。
チャック14Aを開いて棒材Wを解放する際には、再び駆動源66を起動して、直動部材64を取付部材68の外周面に沿って軸線方向前方へ移動させる。すると、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bが、カム面82の主面部分82aから離脱する一方で、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aが、カム面82の第1テーパ面部分82bを経て主面部分82aに係合する。それに伴い、個々の双方向駆動部材62は互いに同期して、図2の揺動位置から、腕72の前端72aが取付部材68の空洞部78に引き込まれる方向へ揺動する。この揺動動作により、各双方向駆動部材62は、突子74の後側の突端74bが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向後方への駆動力(逆方向駆動力F2)を加える。伝達部材70は、逆方向駆動力F2を作動部材18の第1筒状要素48にそのまま伝達し、それにより、第1筒状要素48が第2筒状要素52と一体的に、主軸12内で軸線方向後方へ移動する。
このようにして、作動部材18が閉動位置から開動位置に向けて移動すると、チャック14Aは、前述したようにキャップ40に係合する環状ストッパ42によって主軸12に対し軸線方向移動不能に配置されているので、作動部材18の第2筒状要素52の作用面56がチャック14Aの圧力受け面32から確実に離脱する。それにより、作動部材18の作用面56からチャック14Aの圧力受け面32への押圧力が解除されて、チャック14Aの把持部16が前述したように弾性的に拡径し、作動部材18が開動位置に到達した時点で、チャック14Aが棒材Wを完全に解放する(図1)。
他方、素材把持装置10に移動型のチャック14Bを装備しているとき(図3及び図4)には、棒材Wを主軸12に供給する前に、まず、駆動機構20の直動部材64を取付部材68上で往復移動範囲の後端(図で右端)に配置する。この状態で、個々の双方向駆動部材62は、それぞれの腕72の後端72bを、直動部材64のカム面82の主面部分82aに係合させるとともに、腕72の前端72aをカム面82から前方に離隔させて配置される(図3)。この揺動位置で、各双方向駆動部材62の突子74は、その前側の突端74aが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、それにより伝達部材70に、軸線方向前方への駆動力(逆方向駆動力F2)を加える。伝達部材70は、逆方向駆動力F2を作動部材18の第1筒状要素48に伝達し、それにより、第1筒状要素48がチャック14Bと一体的に、主軸12内で軸線方向移動範囲の前端に配置される。その結果、作動部材18が開動位置に配置され、チャック14Bの把持部16が開かれる。
チャック14Bが開いた状態(図3)で、主軸12の後方から主軸12及び作動部材18の内部に棒材Wを送給し、棒材Wの先端の所望長さをチャック14Bの把持部16の前端開口から突出させる。この状態から、駆動機構20の駆動源66を起動し、直動部材64を取付部材68の外周面に沿って軸線方向前方へ移動させる。すると、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bが、カム面82の主面部分82aから離脱する一方で、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aが、カム面82の第1テーパ面部分82bを経て主面部分82aに係合する。それに伴い、個々の双方向駆動部材62は互いに同期して、図3の揺動位置から、腕72の前端72bが取付部材68の空洞部78に引き込まれる方向へ揺動する。この揺動動作により、各双方向駆動部材62は、突子74の後側の突端74bが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向後方への駆動力(正方向駆動力F1)を加える。伝達部材70は、正方向駆動力F1を作動部材18の第1筒状要素48にそのまま伝達し、それにより、第1筒状要素48がチャック14Bと一体的に、主軸12内で軸線方向後方へ移動する。
このようにして、作動部材18が開動位置から閉動位置に向けて移動すると、チャック14Bは作動部材18によって主軸12内に引き込まれ、チャック14Bの圧力受け面32が主軸12の作用面60に正確に押し付けられて、所要の押圧力が圧力受け面32に加えられる。それにより、チャック14Bの把持部16が前述したように弾性的に縮径し、作動部材18が閉動位置に到達した時点で、チャック14Bがその棒材把持面30(図5(b))で所要の把持力により棒材Wを強固に把持する(図4)。この状態で、主軸12が回転して、棒材Wに対する所望の旋削加工が実施される。
チャック14Bを開いて棒材Wを解放する際には、再び駆動源66を起動して、直動部材64を取付部材68の外周面に沿って軸線方向後方へ移動させる。すると、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aが、カム面82の主面部分82aから離脱する一方で、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bが、カム面82の第2テーパ面部分82cを経て主面部分82aに係合する。それに伴い、個々の双方向駆動部材62は互いに同期して、図4の揺動位置から、腕72の後端72bが取付部材68の空洞部78に引き込まれる方向へ揺動する。この揺動動作により、各双方向駆動部材62は、突子74の前側の突端74aが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向前方への駆動力(逆方向駆動力F2)を加える。伝達部材70は、逆方向駆動力F2を作動部材18の第1筒状要素48にそのまま伝達し、それにより、第1筒状要素48がチャック14Bと一体的に、主軸12内で軸線方向前方へ移動する。
このようにして、作動部材18が閉動位置から開動位置に向けて移動すると、チャック14Bは作動部材18によって主軸12から押し出され、チャック14Bの圧力受け面32が主軸12の作用面60から確実に離脱する。それにより、主軸12の作用面60からチャック14Bの圧力受け面32への押圧力が解除されて、チャック14Bの把持部16が前述したように弾性的に拡径し、作動部材18が開動位置に到達した時点で、チャック14Bが棒材Wを完全に解放する(図3)。
このように、素材把持装置10においては、静止型のチャック14Aの把持部16を閉動させるための駆動機構20の正方向駆動力F1と、移動型のチャック14Bの把持部16を閉動させるための駆動機構20の正方向駆動力F1とは、互いに反対の方向へ作動部材18に加えられる推力である。また、静止型のチャック14Aの把持部16を閉動させるための駆動機構20の正方向駆動力F1と、移動型のチャック14Bの把持部16を開動させるための駆動機構20の逆方向駆動力F2とが、互いに同一の第1方向(軸線方向前方)へ作動部材18に加えられる推力であり、静止型のチャック14Aの把持部16を開動させるための駆動機構20の逆方向駆動力F2と、移動型のチャック14Bの把持部16を閉動させるための駆動機構20の正方向駆動力F1とが、互いに同一の第2方向(軸線方向後方)へ作動部材18に加えられる推力である。駆動機構20が有するこのような双方向駆動特性により、素材把持装置10においては、静止型のチャック14A及び移動型のチャック14Bのいずれに対しても、必要な把持力を安定して得ることができる。
さらに、素材把持装置10においては、駆動機構20と、駆動機構20からの駆動力を受ける作動部材18の第1筒状要素48とを、主軸12に設置したままの状態で、チャック14A、キャップ40及び第2筒状要素52と、チャック14Bとを入れ換えるだけで、静止型のチャック14Aを用いる作動部材押出型の構成と、移動型のチャック14Bを用いる作動部材引込型の構成とを、択一的に実現することができる。したがって、素材把持装置10では、工作機械(自動旋盤)の機械構成、加工対象となる被加工素材(棒材W)の材質、要求される加工精度等を勘案して、チャック作動機構の構成を適宜、容易に変更でき、その結果、設備コストの高騰や作業者の負担増を防止しつつ、素材把持装置10の多用途化が実現される。
なお、自動旋盤に搭載した素材把持装置10を、静止型のチャック14Aを有する作動部材押出型の構成で使用する場合は、記述の通り、棒材Wの軸線方向へ高水準の加工寸法精度が確保される利点がある。また、自動旋盤に搭載した素材把持装置10を、移動型のチャック14Bを有する作動部材引込型の構成で使用する場合は、記述の通り、主軸12の前端領域における剛性を確保して、回転精度の悪化及びそれに伴う加工精度の低下を防止できる利点がある。
本発明に係る素材把持装置10においては、駆動機構20が、作動部材18を閉動位置と開動位置との間の中間位置に位置決めできるように構成することもできる。この構成では、駆動機構20の駆動源66を制御して、直動部材64を取付部材68上で往復移動範囲の適当な中間位置に配置し、各双方向駆動部材62の腕72のいずれか一端72a、72bを、直動部材64のカム面82の第1及び第2テーパ面部分82b、82cのいずれか一方に係合させることにより、作動部材18の中間位置を確保することができる。
例えば、素材把持装置10に静止型のチャック14Aを装備しているときには、作動部材18を開動位置(図1)から閉動位置(図2)へ移動させる間に、図6に示すように、直動部材64は、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aがカム面82から離脱する一方で、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bがカム面82の第2テーパ面部分82cに係合する位置を通る。そこで、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bがカム面82の第2テーパ面部分82c上を僅かに摺動して、個々の双方向駆動部材62が互いに同期して僅かに揺動した位置に、直動部材64を保持する。この僅かな揺動動作により、各双方向駆動部材62は、前述した梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向前方への駆動力を加え、それにより作動部材18(第1筒状要素48及び第2筒状要素52)がチャック14Aに対し、主軸12内で軸線方向前方へ僅かに移動して中間位置に到達する。作動部材18が中間位置にあるときには、第2筒状要素52の作用面56がチャック14Aの圧力受け面32に幾分軽く押し付けられ、それによりチャック14Aの把持部16は、把持部16に棒材Wを強固に把持させるための前述した所要の押圧力よりも小さい第2押圧力の下で、棒材Wを保持する。
上記構成においては、例えば、作動部材18が閉動位置にあるときの押圧力下でチャック14Aの把持部16に生じる把持力が、中実の剛性体からなる棒材Wを強固に把持し得る一方で、中空の管状体や軟質素材からなる棒材Wを変形させてしまうような力であるときに、作動部材18を中間位置に配置して、より小さな第2押圧力下でチャック14Aの把持部16に生じる把持力によって、中空の管状体や軟質素材からなる棒材Wを変形させることなく把持することができる。
このような作用効果は、素材把持装置10に移動型のチャック14Bを装備しているとき(図7)にも、同様に奏される。この場合には、作動部材18を開動位置(図3)から閉動位置(図4)へ移動させる間に、図7に示すように、直動部材64は、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bがカム面82から離脱する一方で、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aがカム面82の第1テーパ面部分82bに係合する位置を通る。そこで、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aがカム面82の第1テーパ面部分82b上を僅かに摺動して、個々の双方向駆動部材62が互いに同期して僅かに揺動した位置に、直動部材64を保持する。この僅かな揺動動作により、各双方向駆動部材62は、前述した梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向後方への駆動力を加え、それにより作動部材18(第1筒状要素48)がチャック14Bと共に、主軸12内で軸線方向後方へ僅かに移動して中間位置に到達する。作動部材18が中間位置にあるときには、チャック14Bの圧力受け面32が主軸12の作用面60に幾分軽く押し付けられ、それによりチャック14Bの把持部16は、把持部16に棒材Wを強固に把持させるための前述した所要の押圧力よりも小さい第2押圧力の下で、棒材Wを保持する。
図8〜図11は、本発明の第2の実施形態による素材把持装置90を、自動旋盤の主軸12に組み込んだ状態で示す図で、図8及び図9は、静止型のチャック14Aを装備した素材把持装置90を示し、図10及び図11は、移動型のチャック14Bを装備した素材把持装置90を示す。素材把持装置90は、静止型のチャック14Aに関連して設けられる付勢部材と、駆動機構20に関連して設けられる付勢部材とを追加で備えた点以外は、前述した第1実施形態による素材把持装置10と実質的同一の構成を有する。したがって、対応する構成要素には共通の参照符号を付して、その説明を省略する。
素材把持装置90では、静止型のチャック14Aを装備したときに、前述した環状ストッパ42に代えて、チャック14Aと作動部材18の第2筒状要素52との双方を、前者の圧力受け面32が後者の作用面56から離脱するように相互に弾性的に付勢する付勢部材92が設置される。付勢部材92は、例えば図示のように、チャック14Aの後端面と第2筒状要素52の後端壁との間に介在する圧縮コイルばねから形成できる。付勢部材92は、駆動機構20の逆方向駆動力F2により作動部材18(第1筒状要素48及び第2筒状要素52)を閉動位置(図9)から開動位置(図8)へ移動させるときに、チャック14Aが第2筒状要素52に引き摺られて軸線方向後方へ移動してしまうことを、弾性的付勢力により阻止するように作用する。このような引き摺り動作は、作動部材18が閉動位置にあるときに、チャック14Aが棒材Wと第2筒状要素52との間であたかも楔状に作用していることに起因して、生じ得るものである。この望ましくない引き摺り動作を阻止することにより、環状ストッパ42を用いることなく、第2筒状要素52の作用面56をチャック14Aの圧力受け面32から確実に離脱させることができ、以って、チャック14Aの開放不良を防止できる。
素材把持装置90ではさらに、チャック14A、14Bの構成に関わらず、駆動機構20に、主軸12に固定した取付部材68に対し、作動部材18の第1筒状要素48に固定した伝達部材70を、軸線方向後方(図で右方)へ弾性的に付勢する付勢部材94が設置される。付勢部材94は、例えば図示のように、取付部材68と作動部材18の第1筒状要素48との間に形成される空所内で取付部材68と伝達部材70との間に介在する圧縮コイルばねから形成できる。
素材把持装置90に静止型のチャック14Aを装備したとき(図8、図9)には、作動部材18を主軸12に対し軸線方向後方へ付勢する付勢部材94は、駆動機構20による逆方向駆動力F2を補助するように作用する。これに対し、素材把持装置90に移動型のチャック14Bを装備したとき(図10、図11)には、作動部材18を主軸12に対し軸線方向後方へ付勢する付勢部材94は、駆動機構20による正方向駆動力F1を補助するように作用する。いずれの場合も、従来の素材把持装置に設置された戻りばねとは異なり、付勢部材94は、その付勢力のみで作動部材18を移動させるためのものではなく、駆動機構20における構成部材間のがたつきを排除する(例えば各双方向駆動部材62の腕72の各端72a、72bをカム面82に沿って安定的に摺動させる)程度の機能を有すれば良い。
素材把持装置90において、駆動機構20が、作動部材18を閉動位置と開動位置との間の中間位置に位置決めできるように構成した場合には、付勢部材94は、チャック14A、14Bの形式に応じて異なる機能を有する。例えば、素材把持装置10に静止型のチャック14Aを装備しているときには、作動部材18を開動位置(図8)から閉動位置(図9)へ移動させる間に、付勢部材94の弾性的付勢力は、駆動機構20の正方向駆動力F1に抗する方向へ作用する。したがって、作動部材18が中間位置にあるときには、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bがカム面82の第2テーパ面部分82cに、付勢部材94の付勢力下で安定して係合し、チャック14Aの把持部16が第2押圧力の下で棒材Wを安定して保持する(図12)。
これに対し、素材把持装置10に移動型のチャック14Bを装備しているときには、作動部材18を開動位置(図10)から閉動位置(図11)へ移動させる間に、付勢部材94の弾性的付勢力は、駆動機構20の正方向駆動力F1と同一の方向へ作用する。したがって、作動部材18が中間位置にあるときに、チャック14Bの把持部16に加わる第2押圧力が、付勢部材94の弾性的付勢力によって生じるように構成できる。具体的には、作動部材18が中間位置にあるときに、チャック14Bの把持部16が第2押圧力下で棒材Wを保持する一方、駆動機構20の各双方向駆動部材62は、腕72の両端72a、72bの双方を、直動部材64のカム面82から離隔させた揺動位置に配置される(図13)。この状態では、チャック14Bの把持部16が棒材Wを把持する把持力は、付勢部材94の弾性的付勢力のみによって生じている。
このような構成によれば、例えば、棒材W(例えば加工残材)を交換のために主軸12から取り出そうとするときに、素材把持装置90のチャック14Bを完全には開かず、作動部材18を中間位置に配置して、付勢部材94の弾性的付勢力下でチャック14Bに棒材Wを弾性的に保持させておけば、主軸12を回転させたままの状態で棒材Wを主軸12から押し出すことができる。その結果、主軸12を回転させたままチャック14Bを開いて棒材Wを取り出す場合に生じ得る有害な振動やチャック14Bの偏磨耗等を防止できるとともに、主軸12を停止させて棒材Wを取り出す場合の主軸12の加減速に要する時間を短縮できる利点がある。
なお、図示の素材把持装置90は、静止型のチャック14Aに関連して設けられる付勢部材92と、駆動機構20に関連して設けられる付勢部材94との双方を備えているが、いずれか一方の付勢部材92、94を省略することもできる。また、特に駆動機構20に関連して設けられる付勢部材94については、圧縮コイルばねに代えて、油圧装置等の他の公知の弾性的付勢手段を使用することもできる。
図14〜図17は、本発明の一実施形態による素材ガイド装置100を、自動旋盤における棒材Wの加工作業位置近傍に設置した状態で示す図で、図14及び図15は、静止型のガイドブッシュ102Aを装備した素材ガイド装置100を示し、図16及び図17は、移動型のガイドブッシュ102Bを装備した素材ガイド装置100を示す。図示の素材ガイド装置100は、基本的に前述した第2実施形態による素材把持装置90と実質的同一の構成を有する。したがって、対応する構成要素には共通の参照符号を付して、その説明を省略する。
素材ガイド装置100は、自動旋盤において、主軸12のチャック14に把持された棒材Wをその先端の加工部位(工具Tを示す)の近傍で心出し支持する補助支持装置である。なお、素材ガイド装置100は、自動旋盤での旋削加工工程中に、主軸12に把持した棒材Wと共にガイドブッシュ102(ガイドブッシュ102A、102Bを総称する)が高速回転する回転型の構成を有する。しかし本発明は、これに限定されず、高速回転する棒材Wに対してガイドブッシュ102が固定的に配置される固定型の素材ガイド装置にも適用できるものである。
素材ガイド装置100は、開閉動作可能な中空筒状の素材支持部104を有する筒状のガイドブッシュ102と、ガイドブッシュ102の素材支持部104の径方向寸法を調整する調整機構とを備える。この調整機構は、ガイドブッシュ102の素材支持部104を開閉動作させる作動部材18と、作動部材18を、押圧力の下で素材支持部104に棒材Wを心出し支持させる閉動位置(図15及び図17)と押圧力を解除して素材支持部104に棒材Wを解放させる開動位置(図14及び図16)との間で移動させる駆動機構20とを備えて構成される。
作動部材18及び駆動機構20は、前述した素材把持装置10、90における作動部材18及び駆動機構20と実質的同一の構成を有する。すなわち駆動機構20は、作動部材18を開動位置から閉動位置へ移動させる正方向駆動力F1と、作動部材18を閉動位置から開動位置へ移動させる逆方向駆動力F2とを、択一的に作動部材18に加える双方向駆動部材62を備える。それにより、素材ガイド装置100では、作動部材18が開動位置から閉動位置へ移動する間に、静止して押圧力を素材支持部104に受ける静止型のガイドブッシュ102Aと、作動部材18が開動位置から閉動位置へ移動する間に、作動部材18と共に移動して押圧力を素材支持部104に受ける移動型のガイドブッシュ102Bとを、互いに交換可能に備えることができる。
素材ガイド装置100はさらに、作動部材18を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材106を備える。支持部材106は、前述した素材把持装置10、90における主軸12と同様に、中心軸線106aを有する中空筒状体であり、自動旋盤の主軸12の前方に立設されたコラム108に軸受装置110を介して回転可能に搭載されて、サーボモータ等の回転駆動源(図示せず)に接続される(図14、図16)。
ガイドブッシュ102(102A及び102B)は、前述した素材把持装置10、90におけるチャック14(14A及び14B)と実質的同一の構成を有する。すなわち、ガイドブッシュ102の素材支持部104は、すり割り構造を備え、その外周面に円錐台状の圧力受け面32が形成される。素材支持部104は、圧力受け面32に一様に径方向内方への押圧力を受けることにより、初期の開位置から弾性的に撓んで縮径し、棒材Wを心出し支持する。圧力受け面32への押圧力が解除されると、素材支持部104が開位置へ弾性的に復元して拡径し、棒材Wが素材支持部104から解放される。このようにガイドブッシュ102では、素材支持部104に加える外力を調節することによって、素材支持部104の内径寸法を調整することができる。
静止型のガイドブッシュ102Aは、作動部材18(第1筒状要素48及び第2筒状要素52)を支持部材106内で押出方向(図14で左方)へ変位させることにより、素材支持部104による心出し機能を発揮するものである。また、移動型のガイドブッシュ102Bは、作動部材18(第1筒状要素48)を支持部材106内で引込方向(図16で右方)へ変位させることにより、素材支持部104による心出し機能を発揮するものである。
素材ガイド装置100に静止型のガイドブッシュ102Aを装備する際には、支持部材106の前端(図14で左端)に、ガイドブッシュ102Aの当接面34に係合可能な係止面38を内側に有する環状のキャップ40が、脱着可能に取り付けられる。支持部材106にガイドブッシュ102Aを適正に収容してキャップ40を支持部材106の前端に取り付けると、付勢部材92の弾性的付勢力下で、ガイドブッシュ102Aの当接面34とキャップ40の係止面38とが密接衝合し、それにより、作動部材18が開動位置から閉動位置へ移動する間に、ガイドブッシュ102Aが支持部材106から押し出されて脱落することが防止される。また、付勢部材92は、作動部材18が閉動位置から開動位置へ移動する間に、ガイドブッシュ102Aが作動部材18と共に支持部材106内に引き込まれて開放不良が生じることを防止する。
素材ガイド装置100に移動型のガイドブッシュ102Bを装備する際には、ガイドブッシュ102Bの後端の雄ねじ44を、第1筒状要素48に設けた雌ねじ46(図16)に螺着することにより、ガイドブッシュ102Bが作動部材18に脱離可能に取り付けられる。ガイドブッシュ102Bを支持部材106に適正に収容して作動部材18に連結すると、ガイドブッシュ102Bは、作動部材18の軸線方向移動に一体的に追従して、支持部材106内で軸線方向へ移動することができる。
素材ガイド装置100において、静止型のガイドブッシュ102Aを移動型のガイドブッシュ102Bと交換する際には、キャップ40を支持部材106から取り外し、ガイドブッシュ102Aを作動部材18の第2筒状要素52から取り出した後、第2筒状要素52を第1筒状要素48から取り外す。そして、作動部材18の第1筒状要素48に、ガイドブッシュ102Bを取り付けるだけでよい。
次に、上記構成を有する素材ガイド装置100の棒材支持/解放操作を説明する。
素材ガイド装置100に静止型のガイドブッシュ102Aを装備しているとき(図14及び図15)には、棒材Wをガイドブッシュ102Aに挿入する前に、まず、駆動機構20の直動部材64を取付部材68上で往復移動範囲の前端(図で左端)に配置する。この状態で、個々の双方向駆動部材62は、それぞれの腕72の前端72aを、直動部材64のカム面82の主面部分82aに係合させるとともに、腕72の後端72bをカム面82から後方に離隔させて配置される(図14)。この揺動位置で、各双方向駆動部材62の突子74は、その後側の突端74bが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、それにより伝達部材70に、軸線方向後方への駆動力(逆方向駆動力F2)を加える。伝達部材70は、逆方向駆動力F2を作動部材18の第1筒状要素48に伝達し、それにより、第1筒状要素48が第2筒状要素52と一体的に、支持部材106内で軸線方向移動範囲の後端に配置される。その結果、作動部材18が開動位置に配置され、ガイドブッシュ102Aの素材支持部104が開かれる。
ガイドブッシュ102Aが開いた状態(図14)で、支持部材106の後方から作動部材18の内部に棒材Wを送給し、棒材Wの先端の所望長さをガイドブッシュ102Aの素材支持部104の前端開口から突出させる。この状態から、駆動機構20の駆動源66を起動し、直動部材64を取付部材68の外周面に沿って軸線方向後方へ移動させる。すると、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aが、カム面82の主面部分82aから離脱する一方で、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bが、カム面82の第2テーパ面部分82cに係合する。それに伴い、個々の双方向駆動部材62は互いに同期して、図14の揺動位置から、腕72の後端72bが取付部材68の空洞部78に引き込まれる方向へ僅かに揺動する。この僅かな揺動動作により、各双方向駆動部材62は、突子74の前側の突端74aが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向前方への駆動力(正方向駆動力F1)を加える。それにより、作動部材18(第1筒状要素48及び第2筒状要素52)は、ガイドブッシュ102Aに対し、支持部材106内で軸線方向前方へ僅かに移動して閉動位置に到達する。
作動部材18が閉動位置にあるときには、第2筒状要素52の作用面56がガイドブッシュ102Aの圧力受け面32に正確に押し付けられ、所要の押圧力が圧力受け面32に加えられる。それにより、ガイドブッシュ102Aの素材支持部104が、前述したように弾性的に縮径して所要の内径寸法を維持しつつ、棒材Wを軸線方向案内可能に心出し支持する(図15)。このようにして素材ガイド装置100が棒材Wを心出し支持した状態で、自動旋盤の主軸12と同期して支持部材106が高速回転し、工具Tにより棒材Wに対する所望の旋削加工が実施される。なお、この間、駆動機構20に設置した付勢部材94は、その弾性的付勢力により、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bを直動部材64のカム面82の第2テーパ面部分82cに押し付けるように作用するので、双方向駆動部材62のがたつきが排除される。
ガイドブッシュ102Aを開いて棒材Wを解放する際には、再び駆動源66を起動して、直動部材64を取付部材68の外周面に沿って軸線方向前方へ移動させる。すると、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bが、カム面82の第2テーパ面部分82cから離脱する一方で、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aが、カム面82の主面部分82aに係合する。それに伴い、個々の双方向駆動部材62は互いに同期して、図15の揺動位置から、腕72の前端72aが取付部材68の空洞部78に引き込まれる方向へ僅かに揺動する。この僅かな揺動動作により、各双方向駆動部材62は、突子74の後側の突端74bが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向後方への駆動力(逆方向駆動力F2)を加える。それにより、作動部材18(第1筒状要素48及び第2筒状要素52)は、ガイドブッシュ102Aに対し、支持部材106内で軸線方向後方へ僅かに移動して開動位置に到達する。
他方、素材ガイド装置100に移動型のガイドブッシュ102Bを装備しているとき(図16及び図17)には、棒材Wをガイドブッシュ102Bに挿入する前に、まず、駆動機構20の直動部材64を取付部材68上で往復移動範囲の後端(図で右端)に配置する。この状態で、個々の双方向駆動部材62は、それぞれの腕72の後端72bを、直動部材64のカム面82の主面部分82aに係合させるとともに、腕72の前端72aをカム面82から前方に離隔させて配置される(図16)。この揺動位置で、各双方向駆動部材62の突子74は、その前側の突端74aが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、それにより伝達部材70に、軸線方向前方への駆動力(逆方向駆動力F2)を加える。伝達部材70は、逆方向駆動力F2を作動部材18の第1筒状要素48に伝達し、それにより、第1筒状要素48がガイドブッシュ102Bと一体的に、支持部材106内で軸線方向移動範囲の前端に配置される。その結果、作動部材18が開動位置に配置され、ガイドブッシュ102Bの素材支持部104が開かれる。
ガイドブッシュ102Bが開いた状態(図16)で、支持部材106の後方から作動部材18の内部に棒材Wを送給し、棒材Wの先端の所望長さをガイドブッシュ102Bの素材支持部104の前端開口から突出させる。この状態から、駆動機構20の駆動源66を起動し、直動部材64を取付部材68の外周面に沿って軸線方向前方へ移動させる。そして、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bが、カム面82の主面部分82aから離脱するとともに、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aもカム面82に係合しない位置に、直動部材64を配置する。この位置では、駆動機構20の正方向駆動力F1と同一の方向へ作用する付勢部材94の弾性的付勢力により、作動部材18を介して、ガイドブッシュ102Bの圧力受け面32が支持部材106の作用面60に正確に押し付けられて、所要の押圧力が圧力受け面32に加えられる。すなわちこのとき、作動部材18が閉動位置に配置される。
このように、素材ガイド装置100に移動型のガイドブッシュ102Bを搭載した場合は、作動部材18が閉動位置にあるときに、付勢部材94の弾性的付勢力が駆動機構20の正方向駆動力F1として作用して、ガイドブッシュ102Bの素材支持部104が、前述したように弾性的に縮径して棒材Wを軸線方向案内可能に心出し支持する(図17)。したがって、例えば引き抜き材のような外径寸法の安定しない棒材Wを旋削加工する際に、閉位置にあるガイドブッシュ102Bが棒材Wを案内支持する間、棒材の軸線方向移動に伴う外径寸法の変動に対応して、ガイドブッシュ102Bの素材支持部104を付勢部材94の弾性的付勢力下で受動的に開閉させる(すなわち作動部材18を受動的に移動させる)ことができる。
ガイドブッシュ102Bを開いて棒材Wを解放する際には、再び駆動源66を起動して、直動部材64を取付部材68の外周面に沿って軸線方向後方へ移動させる。すると、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bが、カム面82の第2テーパ面部分82cを経て主面部分82aに係合する。それに伴い、個々の双方向駆動部材62は互いに同期して、図17の揺動位置から、腕72の後端72bが取付部材68の空洞部78に引き込まれる方向へ僅かに揺動する。この僅かな揺動動作により、各双方向駆動部材62は、突子74の前側の突端74aが伝達部材70の凹所80の壁面に当接され、梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向前方への駆動力(逆方向駆動力F2)を加える。それにより、作動部材18(第1筒状要素48)は、ガイドブッシュ102Bと一体的に、付勢部材94の付勢力に抗して、支持部材106内で軸線方向前方へ僅かに移動して開動位置に到達する。
本発明に係る素材ガイド装置100においては、駆動機構20が、作動部材18を閉動位置よりもさらに開動位置から離れた第2閉動位置に位置決めできるように構成することもできる。この構成では、駆動機構20の駆動源66を制御して、直動部材64を取付部材68上で往復移動範囲の他端位置に配置し、各双方向駆動部材62の腕72のいずれか一端72a、72bを、直動部材64のカム面82の主面部分82aに係合させることにより、作動部材18の第2閉動位置を確保することができる。
例えば、素材ガイド装置100に静止型のガイドブッシュ102Aを装備しているときには、作動部材18を開動位置(図14)から閉動位置(図15)へ移動させた後、図18に示すように、直動部材64をさらに軸線方向後方へ移動させて、各双方向駆動部材62の腕72の後端72bをカム面82の主面部分82aに係合させる。このときの揺動動作により、各双方向駆動部材62は、前述した梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向前方への駆動力を加え、それにより作動部材18(第1筒状要素48及び第2筒状要素52)がガイドブッシュ102Aに対し、支持部材106内で軸線方向前方へ移動して第2閉動位置に到達する。作動部材18が第2閉動位置にあるときには、第2筒状要素52の作用面56がガイドブッシュ102Aの圧力受け面32に強く押し付けられ、それによりガイドブッシュ102Aの素材支持部104は、素材支持部104に棒材Wを心出し支持させるための前述した所要の押圧力よりも大きい第2押圧力の下で、棒材Wを固定的に把持する。
上記構成においては、例えば、自動旋盤による加工作業中に、棒材Wを軸線方向へ移動させる代わりに、工具Tを同方向へ移動させて棒材Wを加工するプログラムにおいて、主軸12のチャック14に加えて、素材ガイド装置100のガイドブッシュ102が棒材Wを強固に把持することにより、高精度の加工を実施することができる。ただしこの場合、素材ガイド装置100が図示の回転型であることを前提とする。なお、本発明においては、作動部材が第2閉動位置にあるときにも、ガイドブッシュが棒材を把持することなく心出し支持するように構成することもできる。
このような作用効果は、素材ガイド装置100に移動型のガイドブッシュ102Bを装備しているときにも、同様に奏される。この場合には、作動部材18を開動位置(図16)から閉動位置(図17)へ移動させた後、図19に示すように、直動部材64をさらに軸線方向前方へ移動させて、各双方向駆動部材62の腕72の前端72aをカム面82の主面部分82aに係合させる。このときの揺動動作により、各双方向駆動部材62は、前述した梃子の作用下で、伝達部材70に軸線方向後方への駆動力を加え、それにより作動部材18(第1筒状要素48)がガイドブッシュ102Bと共に、支持部材106内で軸線方向後方へ移動して第2閉動位置に到達する。作動部材18が第2閉動位置にあるときには、ガイドブッシュ102Bの圧力受け面32が支持部材106の作用面60に強く押し付けられ、それによりガイドブッシュ102Bの素材支持部104は、素材支持部104に棒材Wを心出し支持させるための前述した所要の押圧力よりも大きい第2押圧力の下で、棒材Wを固定的に把持する。
上記した素材ガイド装置100は、静止型のガイドブッシュ102Aに関連して設けられる付勢部材92と、駆動機構20に関連して設けられる付勢部材94とを備えているが、これら付勢部材92、94のうち少なくとも一方を省略することもできる。両付勢部材92、94を備えない素材ガイド装置100は、前述した素材把持装置10と同様の構成を有し、同等の作用効果を奏するものとなる。
以上、本発明の幾つかの好適な実施形態を説明したが、本発明は、特許請求の範囲の記載内で様々な修正を施すことができる。例えば、前述した各実施形態において、伝達部材70は、作動部材18の第1筒状要素48に対し、伝達部材70の雌ねじと第1筒状要素48の雄ねじとの相互螺着構造を用いて取り付けられることができる。このような構成によれば、第1筒状要素48上での伝達部材70の螺着位置を適当に選択して、双方向駆動部材62の駆動力下でのチャック14A、14B又はガイドブッシュ102A、102Bの内径寸法を所望量だけ微調整することができる。
静止型のチャックを装備した本発明の第1の実施形態による素材把持装置を、自動旋盤の主軸に組み込んで示す断面図で、作動部材が開動位置にある状態を示す。 静止型のチャックを装備した図1の素材把持装置の断面図で、作動部材が閉動位置にある状態を示す。 移動型のチャックを装備した図1の素材把持装置の断面図で、作動部材が開動位置にある状態を示す。 移動型のチャックを装備した図1の素材把持装置の断面図で、作動部材が閉動位置にある状態を示す。 図1の素材把持装置に装備されるチャックの断面図で、(a)静止型のチャック、及び(b)移動型のチャックを示す。 静止型のチャックを装備した図1の素材把持装置の断面図で、作動部材が中間位置にある状態を示す。 移動型のチャックを装備した図1の素材把持装置の断面図で、作動部材が中間位置にある状態を示す。 静止型のチャックを装備した本発明の第2の実施形態による素材把持装置を、自動旋盤の主軸に組み込んで示す断面図で、作動部材が開動位置にある状態を示す。 静止型のチャックを装備した図8の素材把持装置の断面図で、作動部材が閉動位置にある状態を示す。 移動型のチャックを装備した図8の素材把持装置の断面図で、作動部材が開動位置にある状態を示す。 移動型のチャックを装備した図8の素材把持装置の断面図で、作動部材が閉動位置にある状態を示す。 静止型のチャックを装備した図8の素材把持装置の断面図で、作動部材が中間位置にある状態を示す。 移動型のチャックを装備した図8の素材把持装置の断面図で、作動部材が中間位置にある状態を示す。 静止型のガイドブッシュを装備した本発明の一実施形態による素材ガイド装置を、自動旋盤の主軸に組み込んで示す断面図で、作動部材が開動位置にある状態を示す。 静止型のガイドブッシュを装備した図14の素材ガイド装置の断面図で、作動部材が閉動位置にある状態を示す。 移動型のガイドブッシュを装備した図14の素材ガイド装置の断面図で、作動部材が開動位置にある状態を示す。 移動型のガイドブッシュを装備した図14の素材ガイド装置の断面図で、作動部材が閉動位置にある状態を示す。 静止型のガイドブッシュを装備した図14の素材ガイド装置の断面図で、作動部材が第2閉動位置にある状態を示す。 移動型のガイドブッシュを装備した図14の素材ガイド装置の断面図で、作動部材が第2閉動位置にある状態を示す。
符号の説明
10、90 素材把持装置
12 主軸
14A、14B チャック
16 把持部
18 作動部材
20 駆動機構
32 圧力受け面
40 キャップ
48 第1筒状要素
52 第2筒状要素
56、60 作用面
62 双方向駆動部材
64 直動部材
66 駆動源
68 取付部材
70 伝達部材
72 腕
74 突子
80 凹所
82 カム面
92、94 付勢部材
100 素材ガイド装置
102A、102B ガイドブッシュ
104 素材支持部
106 支持部材

Claims (18)

  1. 開閉動作可能な把持部を有する筒状のチャックと、該把持部を開閉動作させる作動部材と、該作動部材を、押圧力の下で該把持部に被加工素材を把持させる閉動位置と該押圧力を解除して該把持部に被加工素材を解放させる開動位置との間で移動させる駆動機構とを具備する素材把持装置において、
    前記駆動機構は、前記作動部材を前記開動位置から前記閉動位置へ移動させる正方向駆動力と、該作動部材を該閉動位置から該開動位置へ移動させる逆方向駆動力とを、択一的に該作動部材に加える双方向駆動部材を備えること、を特徴とする素材把持装置。
  2. 前記作動部材が前記開動位置から前記閉動位置へ移動する間に、静止して前記押圧力を前記把持部に受ける静止型の前記チャックと、前記作動部材が前記開動位置から前記閉動位置へ移動する間に、該作動部材と共に移動して前記押圧力を前記把持部に受ける移動型の前記チャックとを、互いに交換可能に具備する、請求項1に記載の素材把持装置。
  3. 前記作動部材は、前記駆動機構の前記双方向駆動部材から前記正方向駆動力及び前記逆方向駆動力を択一的に受ける第1筒状要素であって、前記移動型のチャックを脱離可能に取り付けることができる第1筒状要素と、該移動型のチャックと交換して、該第1筒状要素に軸線方向へ整列して脱離可能に取り付けることができ、前記静止型のチャックを軸線方向相対移動可能に支持する第2筒状要素とを備える、請求項2に記載の素材把持装置。
  4. 前記作動部材を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材をさらに具備し、前記移動型のチャックを前記第1筒状要素に取り付けたときに、前記正方向駆動力の下で該第1筒状要素と該移動型のチャックとが一体的に前記支持部材に対して軸線方向移動することにより、該移動型のチャックの前記把持部が該支持部材から前記押圧力を受け、前記静止型のチャックを支持した前記第2筒状要素を前記第1筒状要素に取り付けたときに、前記正方向駆動力の下で該第1筒状要素と該第2筒状要素とが一体的に該静止型のチャックに対して軸線方向移動することにより、該静止型のチャックの前記把持部が、前記支持部材に同心支持された該第2筒状要素から前記押圧力を受ける、請求項3に記載の素材把持装置。
  5. 前記静止型のチャックの前記把持部を閉動させるための前記駆動機構の前記正方向駆動力と、前記移動型のチャックの前記把持部を閉動させるための前記駆動機構の前記正方向駆動力とが、互いに反対の方向へ前記作動部材に加えられる推力である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の素材把持装置。
  6. 前記駆動機構は、前記作動部材を前記閉動位置と前記開動位置との間の中間位置に位置決めでき、該作動部材が該中間位置にあるときに、前記チャックの前記把持部は、該把持部に被加工素材を把持させる前記押圧力よりも小さい第2押圧力の下で被加工素材を保持する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の素材把持装置。
  7. 前記作動部材を前記閉動位置に向けて弾性的に付勢する付勢部材をさらに具備し、該作動部材が前記中間位置にあるときに、該付勢部材の弾性的付勢力によって前記第2押圧力が生じる、請求項6に記載の素材把持装置。
  8. 前記駆動機構は、前記双方向駆動部材に対して直動動作することにより該双方向駆動部材に前記正方向駆動力と前記逆方向駆動力とを択一的に発揮させる直動部材をさらに備え、該双方向駆動部材は、該直動部材の該直動動作を揺動動作に変換して、梃子の作用により前記作動部材に該正方向駆動力と該逆方向駆動力とを択一的に加える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の素材把持装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の素材把持装置を主軸に組み込んだことを特徴とする自動旋盤。
  10. 開閉動作可能な素材支持部を有する筒状のガイドブッシュと、該素材支持部を開閉動作させる作動部材と、該作動部材を、押圧力の下で該素材支持部に被加工素材を心出し支持させる閉動位置と該押圧力を解除して該素材支持部に被加工素材を解放させる開動位置との間で移動させる駆動機構とを具備する素材ガイド装置において、
    前記駆動機構は、前記作動部材を前記開動位置から前記閉動位置へ移動させる正方向駆動力と、該作動部材を該閉動位置から該開動位置へ移動させる逆方向駆動力とを、択一的に該作動部材に加える双方向駆動部材を備えること、を特徴とする素材ガイド装置。
  11. 前記作動部材が前記開動位置から前記閉動位置へ移動する間に、静止して前記押圧力を前記素材支持部に受ける静止型の前記ガイドブッシュと、前記作動部材が前記開動位置から前記閉動位置へ移動する間に、該作動部材と共に移動して前記押圧力を前記素材支持部に受ける移動型の前記ガイドブッシュとを、互いに交換可能に具備する、請求項10に記載の素材ガイド装置。
  12. 前記作動部材は、前記駆動機構の前記双方向駆動部材から前記正方向駆動力及び前記逆方向駆動力を択一的に受ける第1筒状要素であって、前記移動型のガイドブッシュを脱離可能に取り付けることができる第1筒状要素と、該移動型のガイドブッシュと交換して、該第1筒状要素に軸線方向へ整列して脱離可能に取り付けることができ、前記静止型のガイドブッシュを軸線方向相対移動可能に支持する第2筒状要素とを備える、請求項11に記載の素材ガイド装置。
  13. 前記作動部材を軸線方向相対移動可能に収容して支持する筒状の支持部材をさらに具備し、前記移動型のガイドブッシュを前記第1筒状要素に取り付けたときに、前記正方向駆動力の下で該第1筒状要素と該移動型のガイドブッシュとが一体的に前記支持部材に対して軸線方向移動することにより、該移動型のガイドブッシュの前記素材支持部が該支持部材から前記押圧力を受け、前記静止型のガイドブッシュを支持した前記第2筒状要素を前記第1筒状要素に取り付けたときに、前記正方向駆動力の下で該第1筒状要素と該第2筒状要素とが一体的に該静止型のガイドブッシュに対して軸線方向移動することにより、該静止型のガイドブッシュの前記素材支持部が、前記支持部材に同心支持された該第2筒状要素から前記押圧力を受ける、請求項12に記載の素材ガイド装置。
  14. 前記静止型のガイドブッシュの前記素材支持部を閉動させるための前記駆動機構の前記正方向駆動力と、前記移動型のガイドブッシュの前記素材支持部を閉動させるための前記駆動機構の前記正方向駆動力とが、互いに反対の方向へ前記作動部材に加えられる推力である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の素材ガイド装置。
  15. 前記駆動機構は、前記作動部材を前記閉動位置よりもさらに前記開動位置から離れた第2閉動位置に位置決めでき、該作動部材が該第2閉動位置にあるときに、前記ガイドブッシュの前記素材支持部は、該素材支持部に被加工素材を心出し支持させる前記押圧力よりも大きい第2押圧力の下で被加工素材を固定的に把持する、請求項10〜14のいずれか1項に記載の素材ガイド装置。
  16. 前記作動部材を前記閉動位置に向けて弾性的に付勢する付勢部材をさらに具備し、該作動部材が前記閉動位置にあるときに、該付勢部材の弾性的付勢力によって前記押圧力が生じる、請求項10〜15のいずれか1項に記載の素材ガイド装置。
  17. 前記駆動機構は、前記双方向駆動部材に対して直動動作することにより該双方向駆動部材に前記正方向駆動力と前記逆方向駆動力とを択一的に発揮させる直動部材をさらに備え、該双方向駆動部材は、該直動部材の該直動動作を揺動動作に変換して、梃子の作用により前記作動部材に該正方向駆動力と該逆方向駆動力とを択一的に加える、請求項10〜16のいずれか1項に記載の素材ガイド装置。
  18. 請求項10〜17のいずれか1項に記載の素材ガイド装置を被加工素材の加工作業位置近傍に設置したことを特徴とする自動旋盤。
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