JP4290318B2 - 多段洗浄方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶剤等を用いた多段階の洗浄過程を有する多段洗浄方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
あらゆる産業分野において、様々な部品、製品等の洗浄が行われている。例えば、金属製プレス部品や機械加工部品は、加工時に表面に付着するプレス油やタップ油、グリース等の加工油の脱脂洗浄が行われている。
【0003】
一方、環境汚染が深刻な問題となっている現在、産業廃棄物をそのままの状態で廃棄することはできず、有害物質を含有する産業廃棄物に対しては、洗浄等による有害物質の除去作業を行わなければならない。例えば、ポリ塩化ビフェニール(PCB)は、電気絶縁性が良好で、水には不溶であるが有機溶媒・油にはよく溶けるので、電気機器のトランス、コンデンサーの絶縁油、接着剤、ワックス、潤滑油等に使用されてきた。しかし、PCBは、肝臓、消化器、神経系統の障害を引き起こすとともに、分解されにくく、代謝されずに脂肪に蓄積されるという性質が明らかにされ、現在は生産が禁止されている。このため、PCBの使用が認められていた時期に生産され、PCBが使われている電気機器等の廃棄物に対しては、洗浄によるPCBの除去作業が有効である。
【0004】
従来、このような洗浄対象物を洗浄する場合、複数段の洗浄過程を用いる方法が多く行われていた。通常、洗浄液で満たされた複数段の洗浄槽が設けられ、これらの洗浄槽に洗浄対象物を逐次移動して浸漬し、加熱、揺動等によって洗浄するということが行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の洗浄装置では、洗浄対象物が大型、或いは重量物である場合、洗浄対象物を複数段の洗浄槽間で移動することは困難であった。また、洗浄対象物を洗浄槽間で移動しなければならないため、多段洗浄装置は開放系の構造となっていた。このため、従来の洗浄装置では、可燃性の溶剤や、毒性の強い溶剤を洗浄液として用いたり、有害物質を含有する洗浄対象物を安全に洗浄することは困難であった。また、洗浄対象物を洗浄槽間で移動する多段洗浄装置を密閉系にすると、装置の構造が複雑となり、作業効率が低下してしまうという問題があった。
【0006】
また、洗浄に用いる溶剤の再利用は、廃棄物処理コストの低減等の経済的な観点からだけでなく、溶剤の排出による環境への悪影響を低減する上でも必要不可欠である。しかしながら、従来の多段洗浄装置は、その構造が開放系であるため、洗浄蒸気の発散が起きてしまっていた。このため、従来の多段洗浄装置では、溶剤を効率よく再利用することができず、また、環境への溶剤の排出を充分に防止することは困難であった。
【0007】
本発明の目的は、簡単な構造で、洗浄対象物を移動することなく密閉系で多段洗浄を行うことができ、溶剤の再利用が可能な多段洗浄方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、洗浄対象物を収納する洗浄槽と、前記洗浄対象物を前記洗浄槽で浸漬する第1の洗浄液を収納する第1の洗浄液槽と、前記第1の洗浄液を前記洗浄槽に移動する第1の注液手段と、前記洗浄槽内の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に移動する第1の排液手段と、前記洗浄対象物を前記洗浄槽で浸漬する第2の洗浄液を収納する第2の洗浄液槽と、前記第2の洗浄液を前記洗浄槽に移動する第2の注液手段と、前記洗浄槽内の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に移動する第2の排液手段と、前記第2の洗浄液槽内の前記第2の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に移し、前記第1の洗浄液槽及び前記第2の洗浄液槽の液量を制御する洗浄液液量制御手段と、前記洗浄槽と、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽とを減圧する減圧手段と、前記洗浄槽へ導入する洗浄蒸気を発生する蒸気発生手段とを有し、前記洗浄槽は、前記第1の洗浄液槽及び前記第2の洗浄液槽よりも高い位置にあり、前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽への注液は、前記減圧手段により、前記洗浄槽を前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽よりも低圧にすることにより行い、前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽からの排液は、前記減圧手段により、前記第1の洗浄液槽及び/又は第2の洗浄液槽を前記洗浄槽と同じ圧力又は前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行うことを特徴とする多段洗浄装置により達成される。
【0009】
また、上記目的は、洗浄対象物を収納する洗浄槽と、前記洗浄対象物を前記洗浄槽で浸漬する第1の洗浄液を収納する第1の洗浄液槽と、前記第1の洗浄液を前記洗浄槽に移動する第1の注液手段と、前記洗浄槽内の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に移動する第1の排液手段と、前記洗浄対象物を前記洗浄槽で浸漬する第2の洗浄液を収納する第2の洗浄液槽と、前記第2の洗浄液を前記洗浄槽に移動する第2の注液手段と、前記洗浄槽内の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に移動する第2の排液手段と、前記第2の洗浄液槽内の前記第2の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に移し、前記第1の洗浄液槽及び前記第2の洗浄液槽の液量を制御する洗浄液液量制御手段と、前記洗浄槽と、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽とを減圧する減圧手段と、前記洗浄槽へ導入する洗浄蒸気を発生する蒸気発生手段とを有し、前記洗浄槽は、前記第1の洗浄液槽及び前記第2の洗浄液槽よりも低い位置にあり、前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽への注液は、前記減圧手段により、前記洗浄槽を前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽と同じ圧力、或いは前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行い、前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽からの排液は、前記減圧手段により、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽を前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行うことを特徴とする多段洗浄装置により達成される。
【0011】
た、上記の多段洗浄装置において、前記第1の洗浄液の一部を取り出し蒸留再生し、前記第2の洗浄液槽に導入する再生手段を更に有するようにしてもよい。
【0012】
また、上記の目的は、洗浄対象物を洗浄槽に収納し、前記洗浄対象物を浸漬する第1の洗浄液を第1の洗浄液槽から前記洗浄槽に注液し、前記第1の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、前記洗浄対象物を浸漬していた前記第1の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に排液し、前記洗浄対象物を浸漬する第2の洗浄液を第2の洗浄液槽から前記洗浄槽に注液し、前記第2の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、前記洗浄対象物を浸漬していた前記第2の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に排液し、前記洗浄対象物を浸漬していた前記第2の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に排液した後、前記洗浄槽に洗浄蒸気を導入し、前記洗浄蒸気によって前記洗浄対象物を洗浄する多段洗浄方法であって、前記洗浄槽を、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽よりも高い位置に配置し、前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽への注液は、減圧手段により、前記洗浄槽を前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽よりも低圧にすることにより行い、前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽からの排液は、前記減圧手段により、前記第1の洗浄液槽及び/又は第2の洗浄液槽を前記洗浄槽と同じ圧力又は前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行うことを特徴とする多段洗浄方法により達成される。
【0013】
また、上記目的は、洗浄対象物を洗浄槽に収納し、前記洗浄対象物を浸漬する第1の洗浄液を第1の洗浄液槽から前記洗浄槽に注液し、前記第1の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、前記洗浄対象物を浸漬していた前記第1の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に排液し、前記洗浄対象物を浸漬する第2の洗浄液を第2の洗浄液槽から前記洗浄槽に注液し、前記第2の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、前記洗浄対象物を浸漬していた前記第2の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に排液し、前記洗浄対象物を浸漬していた前記第2の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に排液した後、前記洗浄槽に洗浄蒸気を導入し、前記洗浄蒸気によって前記洗浄対象物を洗浄する多段洗浄方法であって、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽を前記洗浄槽よりも高い位置に配置し、前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽への注液は、減圧手段により、前記洗浄槽を前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽と同じ圧力、或いは前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行い、前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽からの排液は、前記減圧手段により、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽を前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行うことを特徴とする多段洗浄方法により達成される。
【0014】
また、上記の多段洗浄方法において、前記洗浄対象物の洗浄蒸気による洗浄の終了後、続いて前記洗浄槽を減圧し、前記洗浄対象物を乾燥するようにしてもよい。
【0015】
また、上記の多段洗浄方法において、前記第1の洗浄液の一部を取り出して蒸留再生し、前記第2の洗浄液として前記第2の洗浄液槽に注液するようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による多段洗浄方法及び装置について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態による多段洗浄装置の構成を示すブロック図であり、図2は多段洗浄方法の洗浄工程を示す図である。
【0019】
〔1〕多段洗浄装置の全体構成
はじめに、本実施形態による多段洗浄装置の構成について図1を用いて説明する。
【0020】
本実施形態による多段洗浄装置では、洗浄対象物10を収容し、洗浄対象物10の洗浄が行われる洗浄槽12が設けられている。洗浄槽12よりも低位置に、第1の洗浄液14を貯蔵する第1の洗浄液槽16と、第2の洗浄液18を貯蔵する第2の洗浄液槽20とが設置されている。洗浄槽12と第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20とは、注液配管系22及び排液配管系24によって接続されている。第1の洗浄液槽16と第2の洗浄液槽20とは、配管28により接続されている。
【0021】
注液配管系22には、第1の洗浄液14の洗浄槽12への流入を制御するバルブ26aと、第2の洗浄液18の洗浄槽12への流入を制御するバルブ26bが設けられている。
【0022】
排液配管系24には、洗浄槽12からの第1の洗浄液槽16への排液を制御するバルブ26cと、洗浄槽12からの第2の洗浄液槽20への排液を制御するバルブ26dが設けられている。
【0023】
第1の洗浄液槽16には、第1の洗浄液14の一部を取り出し蒸留再生する再生装置30が配管32を介して接続されている。更に、再生装置30は、第2の洗浄液槽20に配管34を介して接続されている。
【0024】
第2の洗浄液槽20には、蒸気発生装置36が配管38を介して接続されている。配管38には、蒸気発生装置36への洗浄液の注液を制御するバルブ26eが設けられている。また、蒸気発生装置36は、配管40を介して洗浄槽12に接続されている。
【0025】
上述した洗浄槽12、第1の洗浄液槽16、第2の洗浄液槽20には、減圧配管系42を介してそれぞれ減圧手段44に接続されている。洗浄槽12、第1の洗浄液槽16、第2の洗浄液槽20それぞれと減圧手段44との間の減圧配管系42の配管には、減圧の制御を行うバルブ26g、バルブ26h、バルブ26iがそれぞれ設けられている。
【0026】
減圧手段44には、洗浄槽12、第1の洗浄液槽16、第2の洗浄液槽20を減圧する真空ポンプ46が設けられている。真空ポンプ46の前段と後段には、真空ポンプ46の排気中に含まれる洗浄蒸気を液化するための冷却器48a及び冷却器48bが設けられている。
【0027】
次に本実施形態による多段洗浄装置の各構成部材について詳述する。
【0028】
(a)洗浄槽12、注液配管系22、排液配管系24
洗浄槽12は、洗浄対象物10を収容するものであり、この中で洗浄対象物10の洗浄が行われる。洗浄槽12の構造は、洗浄対象物10を充分収容し、内部を減圧することができるものとなっている。また、ヒータ、スチームジャケット等の加熱手段(図示せず)及び超音波発生装置(図示せず)を備え、高温洗浄、超音波洗浄を行うことができる。
【0029】
洗浄槽12に接続されている注液配管系22は途中で分岐し、第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20の底部へと接続されている。これにより第1の洗浄液14或いは第2の洗浄液18を洗浄槽12に注入することができる。第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20に接続する注液配管系22の分岐した部分それぞれにバルブ26a、バルブ26bが設けられ、これらの開閉によって、洗浄槽12に注入する洗浄液を制御することが可能となっている。
【0030】
洗浄槽12底部に接続した排液配管系24は途中で分岐し、第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20に接続されている。これにより洗浄槽12の洗浄液を第1の洗浄液槽18、或いは第2の洗浄液槽20へと排液することができる。第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20に接続する排液配管系24の分岐した部分それぞれにバルブ26c、バルブ26dが設けられ、これらの開閉によって、洗浄槽12からの排液を制御することが可能となっている。
【0031】
(b)第1の洗浄液14、第2の洗浄液18
第1の洗浄液14と第2の洗浄液18には、実質的に同じ組成の洗浄液を用いる。これらの洗浄液としては、例えば、炭化水素系溶剤を用いることができ、特に、沸点が150℃、更には、200℃を越えるパラフィン系溶剤であることが好ましい。更には、直鎖状パラフィン(ノルマルパラフィン)系溶剤であることが望ましい。
【0032】
また、イソパラフィン系溶剤やナフテン系溶剤等の炭化水素系溶剤や、毒性を有するトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン等の塩素系溶剤等も洗浄液として用いることができる。
【0033】
本実施形態による多段洗浄装置では、まず、第1の洗浄液による洗浄対象物10の洗浄を行い、続いて第2の洗浄液による洗浄、洗浄蒸気による洗浄を行う。従って、第2の洗浄液18は、第1の洗浄液14よりも清浄に保たれている。
【0034】
(c)第1の洗浄液槽16、第2の洗浄液槽20
第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20はそれぞれ減圧可能な構造であり、更に洗浄液を一定の温度に保つための温度調節手段(図示せず)を備えている。また、それぞれの洗浄液槽には、蓄えている洗浄液を循環する循環機構(図示せず)とフィルタ(図示せず)とが設けられている。循環機構により洗浄液を循環することにより、フィルタで塵等の異物を除去することができる。
【0035】
また、第1の洗浄液槽16と第2の洗浄液槽20とは、配管28により接続されている。これにより、第2の洗浄液18の余剰分を、第1の洗浄液14として第1の洗浄液槽16に補充することが可能である。このような洗浄液のオーバーフロー対策機構により、第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20における洗浄液の液量が一定に保たれる。
【0036】
(d)再生装置30
再生装置30は、第1の洗浄液槽16から第1の洗浄液14の一部を取り出し蒸留再生する。蒸留再生の際の残滓は回収・廃棄される。
【0037】
再生装置30による蒸留再生の効率を上げるために、使用する洗浄液は、その沸点範囲が狭いことが望ましい。例えば、5%留出温度と95%留出温度の差が5℃以下であることが望ましい。
【0038】
再生装置30により蒸留再生された洗浄液は、第2の洗浄液18として配管34を介して第2の洗浄液槽20に注液される。
【0039】
(e)蒸気発生装置36
蒸気発生装置36は、第2の洗浄液槽20から配管38を介して注入される第2の洗浄液18を加熱し洗浄蒸気を発生する。発生した洗浄蒸気は、配管40を介して洗浄槽12に導入される。第2の洗浄液18の蒸気発生装置36への注入は、配管38に設けられたバルブ26eの開閉により制御する。
【0040】
低温で洗浄蒸気が発生するように、蒸気発生装置36は、洗浄槽12を介して真空ポンプ46により減圧されることが望ましい。
【0041】
(f)減圧手段44(真空ポンプ46、冷却器48a、冷却器48b)、減圧配管系42
減圧手段44に接続した減圧配管系42は、途中で分岐して洗浄槽12、第1の洗浄液槽16、第2の洗浄液槽20へと接続している。減圧配管系42の分岐して洗浄槽12に接続している配管部分にはバルブ26gが設けられている。第1の洗浄液槽16に接続している配管部分にはバルブ26hが設けられている。第2の洗浄液槽20に接続している配管部分にはバルブ26iが設けられている。
【0042】
真空ポンプ46は、洗浄槽12、第1の洗浄液槽16、第2の洗浄液槽20の内部を減圧することができる。上記の減圧配管系42に設けられたバルブ26g、バルブ26h、バルブ26iを開閉することにより、洗浄槽12、第1の洗浄液槽16、第2の洗浄液槽20の真空ポンプ46による減圧を制御することができる。
【0043】
本実施形態による多段洗浄装置は、真空ポンプ46によって洗浄槽12と第1の洗浄液槽16及び/又は第2の洗浄液槽20との間に静圧差をつくりだすことにより、洗浄槽12への洗浄液の導入を行うことに特徴がある。
【0044】
洗浄液を洗浄槽12に注液する場合、第1の洗浄液槽14及び/又は第2の洗浄液槽20を常圧に保ったまま、真空ポンプ46により洗浄槽12を減圧する。洗浄槽12内部を減圧することで、第1の洗浄液槽16及び/又は第2の洗浄液槽20との間に静圧差が生まれ、第1の洗浄液14及び/又は第2の洗浄液18を洗浄槽12内に注液することが可能となる。洗浄液の選択及び流量の制御は、注液配管系22に設けられたバルブ26a及びバルブ26bの開閉によって行う。
【0045】
一方、洗浄槽12から洗浄液を排液する場合、第1の洗浄液槽16及び/又は第2の洗浄液槽20を減圧し、洗浄槽12とほぼ同じ圧力にする。洗浄槽12が第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20よりも高い位置に配置されているため、ポンプ等の駆動機構を用いずに、洗浄槽12から第1の洗浄液槽16及び/又は第2の洗浄液槽20へと洗浄液を排液することができる。
【0046】
このように本実施形態による多段洗浄装置では、装置の構造を複雑化することなく、装置全体を密閉したままの状態で、第1の洗浄液14及び第2の洗浄液18の注排液が可能である。このため、装置の外部に洗浄蒸気が発散することがない。従って、可燃性の溶剤や、毒性の強い溶剤を洗浄液として用いたり、有毒物質を含有する洗浄対象物を安全に洗浄することが可能である。
【0047】
また、真空ポンプ46は、蒸気発生装置36において低温で洗浄蒸気が発生するように、蒸気発生装置36を減圧することが可能である。蒸気発生装置36によって発生した洗浄蒸気は、真空ポンプ46により洗浄槽12を減圧し、蒸気発生装置36よりも洗浄槽12を低圧にすることにより導入される。
【0048】
更に、真空ポンプ46は、蒸気洗浄を終了した洗浄対象物10を乾燥するために洗浄槽12を減圧することが可能である。
【0049】
冷却器48a及び冷却器48bは、真空ポンプ46の前段及び後段に設けられ、洗浄蒸気を冷却し液化する。真空ポンプ46による排気中に含まれる洗浄蒸気を冷却器48a及び冷却器48bにより液化して捕集・回収し、再び洗浄液として使用することが可能となっている。なお、冷却性能の高い冷却器を使用する場合、真空ポンプ46の前段及び後段の両方に設ける必要はなく、どちらかに設ければよい。
【0050】
〔2〕多段洗浄方法
次に、本実施形態による多段洗浄方法について図1及び図2を用いて説明する。
【0051】
(工程1:洗浄対象物10の投入)
まず、全てのバルブが閉じていることを確認し、洗浄対象物10を洗浄槽12に収納し、洗浄槽12を密閉する。
【0052】
また、真空ポンプ46及び再生装置30を作動させる。
【0053】
(工程2:第1の洗浄液14の注液)
続いて、バルブ26gを開き、真空ポンプ46により洗浄槽12内を減圧状態にする。このとき、洗浄槽12内を−700mmHg以下まで減圧することが望ましい。一方、第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20内は、大気圧であるので、これらと洗浄槽12との間に静圧差が生じる。
【0054】
次に、第1の洗浄液槽14に接続している注液配管系22に設けられたバルブ26aを開き、上述の静圧差を利用して第1の洗浄液槽16から洗浄槽12に第1の洗浄液14を注液する。洗浄液は洗浄液槽内で所定の温度に設定されており洗浄液槽内部で循環している。洗浄液が洗浄槽12内に移動した状態でも、この洗浄液の循環が継続するように洗浄液の液量は設定されている。
【0055】
第1の洗浄液14に洗浄対象物10を浸漬したら、バルブ26aを閉めて第1の洗浄液14の注液を終わる。
【0056】
(工程3:洗浄槽12の減圧)
洗浄槽12内については、引き続き真空ポンプ46によりさらに減圧し、真空状態にする。このとき、洗浄槽12内を−700mmHg以下まで減圧することが望ましい。所望の真空度に洗浄槽12内が到達した後、バルブ26gを閉めて洗浄槽12の減圧を終了する。
【0057】
(工程4:第1の洗浄)
続いて、洗浄槽12の超音波発装置により超音波を発生しながら洗浄対象物10を洗浄する。このとき、洗浄槽12は減圧されているため、第1の洗浄液14に溶解している空気が除去される。従って、空気の泡沫によって妨げられることなく超音波が第1の洗浄液14内を伝搬し、効果的に洗浄対象物10が洗浄される。
【0058】
同時にバルブ26hを開き、真空ポンプ46による第1の洗浄液槽16の減圧を開始する。
【0059】
(工程5:第1の洗浄液14の排液)
第1の洗浄液14による洗浄終了後、真空ポンプ46により第1の洗浄液槽16を更に減圧し、洗浄槽12と第1の洗浄液槽16との圧力をほぼ同じにする。
【0060】
洗浄槽12と第1の洗浄液槽16とがほほ同じ圧力になった後、排液配管系24のバルブ26cを開いて第1の洗浄液14を洗浄槽12から第1の洗浄液槽16に排液する。洗浄槽12が第1の洗浄液槽16よりも高い位置に配置されているため、ポンプ等の駆動機構を用いることなく第1の洗浄液14を排液することができる。第1の洗浄液14を排液した後、排液配管系24のバルブ26cを閉める。
【0061】
続いて、バルブ26hを閉め、第1の洗浄液槽16の減圧を終了し、第1の洗浄液槽14内を大気圧に戻す。ここで、バルブ26gを再び開け、真空ポンプ46により洗浄槽12をさらに減圧する。
【0062】
(工程6:第2の洗浄液18の注液)
次に、第2の洗浄液槽20に接続している注液配管系22に設けられたバルブ26bを開き、第1の洗浄液14と同様に、静圧差を利用して第2の洗浄液槽20から洗浄槽12に第2の洗浄液18を注液する。
【0063】
第2の洗浄液18に洗浄対象物10を浸漬したら、バルブ26bを閉めて第2の洗浄液18の注液を終わる。
【0064】
(工程7:洗浄槽12の減圧)
洗浄槽12内については、第1の洗浄液14の注液後と同様に、引き続き真空ポンプ46によりさらに減圧し、真空状態にする。所望の真空度に洗浄槽12内が到達した後、バルブ26gを閉めて洗浄槽12の減圧を終了する。
【0065】
(工程8:第2の洗浄)
続いて第1の洗浄液14の場合と同様にして、第2の洗浄液18による洗浄を行う。
【0066】
同時にバルブ26iを開き、真空ポンプ46による第2の洗浄液槽20の減圧を開始する。
【0067】
(工程9:第2の洗浄液18の排液)
第2の洗浄液18による洗浄終了後、真空ポンプ46により第2の洗浄液槽20を更に減圧し、洗浄槽12と第2の洗浄液槽20との圧力をほぼ同じにする。
【0068】
洗浄槽12と第2の洗浄液槽20との圧力をほぼ同じにした後、排液配管系24のバルブ26dを開いて、第2の洗浄液18を洗浄槽12から第2の洗浄液槽20に排液する。第1の洗浄液14の排液と同様に、ポンプ等の駆動機構を用いることなく第2の洗浄液18を排液することができる。第2の洗浄液18を排液した後、バルブ26dを閉める。ここで、バルブ26iを閉めて第2の洗浄液槽20の減圧を終了し、第2の洗浄液槽20内を大気圧に戻す。
【0069】
(工程10:蒸気洗浄)
続いて、洗浄液の蒸気による洗浄対象物10の洗浄を行う。洗浄槽12は、引き続き真空状態に保っておく。
【0070】
洗浄槽12が真空に保たれた状態で、配管38のバルブ26eを開き、第2の洗浄液槽20より第2の洗浄液18を蒸気発生装置36に導入する。
【0071】
蒸気発生装置36により、洗浄蒸気を発生する。
【0072】
続いて、配管40を介して洗浄蒸気を洗浄槽12に導入し、この洗浄蒸気により洗浄対象物10を洗浄する。このとき必要に応じて洗浄槽12を加熱してもよい。
【0073】
所望の洗浄時間の経過後、配管38のバルブ26eを閉め、第2の洗浄液18の蒸気発生装置36への導入を停止し、洗浄蒸気の発生を停止し洗浄蒸気による洗浄を終了する。
【0074】
(工程11:真空乾燥)
ここで、バルブ26gを開き、真空ポンプ46により洗浄槽12を更に減圧し、洗浄対象物10を乾燥する。このとき、洗浄槽12内を−760mmHg程度まで減圧することが望ましい。このような減圧乾燥により、乾燥しにくい溶剤を洗浄液として用いた場合でも、洗浄対象物10を迅速に乾燥することができる。
【0075】
(工程12:復圧・洗浄対象物10の搬出)
洗浄対象物10の乾燥終了後、洗浄槽12内に窒素等の気体を導入して大気圧に戻す。続いて、洗浄槽12を開放し洗浄対象物10を取り出す。こうして、多段洗浄を終了する。
【0076】
(洗浄液の再生)
上記の多段洗浄法において、第1の洗浄液14は、第2の洗浄液18よりもはやく汚れる。そこで、多段洗浄装置の運転中に再生装置30を常時運転し、汚れにより洗浄力の低下した第1の洗浄液14の一部を再生装置30に導入し、洗浄液を蒸留再生する。蒸留再生した洗浄液は、第1の洗浄液14よりも汚れの進行の遅い第2の洗浄液18が貯蔵されている第2の洗浄液槽20に戻し、第2の洗浄液18として再利用する。再生装置30による洗浄液の蒸留再生の際に生じた残滓は回収・廃棄する。なお、多段洗浄装置の運転中だけでなく、アイドリング中に再生装置30の運転を行い、洗浄液を再生してもよい。
【0077】
また、真空ポンプ46による排気中に含まれる洗浄蒸気は、冷却器48a及び冷却器48bにより冷却され液体となり回収することが可能である。回収した洗浄液は、第1の洗浄液14或いは第2の洗浄液18として再利用することができる。
【0078】
なお、洗浄槽12に、洗浄槽12を回転する機構及び/又は揺動する機構を設けて、洗浄液に浸漬した洗浄対象物10を回転及び/又は揺動することにより洗浄してもよい。
【0079】
また、制御装置等によって、上述したバルブの開閉や、真空ポンプ46の作動等の一連の動作を集中制御することが可能である。
【0080】
このように本実施形態によれば、洗浄対象物を移動することなく密閉系で多段洗浄を行うことができ、洗浄液の蒸気の発散を防ぐことができる。このため、洗浄液を効率よく再利用することができる。
【0081】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による多段洗浄方法及び装置について図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施形態による多段洗浄装置の構成を示すブロック図であり、図4は多段洗浄方法の洗浄工程を示す図である。なお、第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を付与し、説明を省略或いは簡略にする。
【0082】
本実施形態による多段洗浄装置の基本構成は、第1実施形態によるものと同一であるが、図2に示すように、洗浄槽12と第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20との位置関係が第1実施形態とは異なっている。すなわち、洗浄槽12が、第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20よりも低い位置に配置されている。このため、第1の洗浄液14及び第2の洗浄液18の注排液が、第1実施形態とは異なっている。
【0083】
洗浄液の注排液を第1の洗浄液14の場合を例に説明する。
【0084】
まず、洗浄槽12に第1の洗浄液14を注液する場合、洗浄槽12と第1の洗浄液槽16の高低差を利用する。すなわち、第1の洗浄液槽16が洗浄槽12よりも高い位置にあるため、注液配管系22のバルブ26aを開くことで、洗浄液が洗浄槽12に導入される。
【0085】
一方、洗浄槽12から第1の洗浄液槽16に洗浄液を排液する場合、洗浄槽12と第1の洗浄液槽16との間の静圧差を利用する。すなわち、洗浄槽12は大気圧の状態で、第1の洗浄液槽16は、排気配管系42のバルブhを開いて、真空ポンプ46により減圧する。この状態で排液配管系24のバルブ26cを開くと、洗浄槽12と第1の洗浄液槽16との間の静圧差のために、洗浄液は第1の洗浄液槽16へと排液される。
【0086】
第2の洗浄液18の注排液も、第1の洗浄液14の場合と同様に行うことができる。
【0087】
次に、上述した第1の洗浄液14及び第2の洗浄液18の注排液を中心に、本実施形態による多段洗浄方法を図3及び図4を用いて説明する。
【0088】
(工程1:洗浄対象物10の投入)
まず、全てのバルブが閉じていることを確認し、洗浄対象物10を洗浄槽12に収納し、洗浄槽12を密閉する。
【0089】
また、真空ポンプ46及び再生装置30を作動させる。
【0090】
(工程2:第1の洗浄液14の注液)
次に、第1の洗浄液槽16に接続している注液配管系22に設けられたバルブ26aを開き、上述の位置の高低差を利用して第1の洗浄液槽16から洗浄槽12に第1の洗浄液14を注液する。
【0091】
同時にバルブ26gも開き、真空ポンプ46により洗浄槽12内の減圧を開始する。
【0092】
第1の洗浄液14に洗浄対象物10を浸漬したら、バルブ26aを閉めて第1の洗浄液14の注液を終わる。
【0093】
(工程3:洗浄槽12の減圧)
洗浄槽12内については、引き続き真空ポンプ46によりさらに減圧し、真空状態にする。このとき、洗浄槽12内を−700mmHg以下まで減圧することが望ましい。所望の真空度に洗浄槽12内が到達した後、バルブ26gを閉めて洗浄槽12の減圧を終了する。
【0094】
(工程4:第1の洗浄)
続いて、第1実施形態と同様にして洗浄対象物10を洗浄する。
【0095】
(工程5:第1の洗浄液14の排液)
第1の洗浄液14による洗浄中又は終了後、バルブ26hを開き、真空ポンプ46により第1の洗浄液槽16を減圧する。一方、洗浄槽12内に窒素等の気体を導入して大気圧に戻す。
【0096】
この状態で排液配管系24のバルブ26cを開くと、第1の洗浄液槽16と洗浄槽12との静圧差のために、洗浄槽12から第1の洗浄液槽16に第1の洗浄液14は排液される。
第1の洗浄液14を排液した後、排液配管系24のバルブ26cを閉める。また、バルブ26hを閉め、第1の洗浄液槽16の減圧を終了し、第1の洗浄液槽16内を大気圧に戻す。
【0097】
(工程6:第2の洗浄液18の注液)
次に、第2の洗浄液槽20に接続している注液配管系22に設けられたバルブ26bを開き、高低差を利用して第2の洗浄液槽20から洗浄槽12に第2の洗浄液18を注液する。
【0098】
同時にバルブ26gも開き、真空ポンプ46により洗浄槽12内の減圧を開始する。
【0099】
第2の洗浄液18に洗浄対象物10を浸漬したら、バルブ26bを閉めて第2の洗浄液18の注液を終わる。
【0100】
(工程7:洗浄槽12の減圧)
洗浄槽12内については、第1の洗浄液14の注液後と同様に、引き続き真空ポンプ46によりさらに減圧し、真空状態にする。所望の真空度に洗浄槽12内が到達した後、バルブ26gを閉めて洗浄槽12の減圧を終了する。
【0101】
(工程8:第2の洗浄)
続いて第1の洗浄液14の場合と同様に、第2の洗浄液18による洗浄を行う。
【0102】
(工程9:第2の洗浄液18の排液)
第2の洗浄液18による洗浄中又は終了後、バルブ26iを開き、真空ポンプ46により第2の洗浄液槽20を減圧する。一方、洗浄槽12内に窒素等の気体を導入して大気圧に戻す。
【0103】
この状態で排液配管系24のバルブ26dを開くと、第2の洗浄液槽20と洗浄槽12との静圧差のために、洗浄槽12から第2の洗浄液槽20に第2の洗浄液18は排液される。
第2の洗浄液18を排液した後、排液配管系24のバルブ26dを閉める。また、バルブ26iを閉め、第2の洗浄液槽20の減圧を終了し、第2の洗浄液槽20内を大気圧に戻す。
【0104】
これ以後の、工程10の蒸気洗浄、工程11の真空乾燥、工程12の復圧・洗浄対象物10の搬出については、第1実施形態と同様に行うことができる。また、洗浄液の再生についても、多段洗浄装置の運転中だけでなく、アイドリング中にも行うことが可能である。
【0105】
上述したように、本実施形態による多段洗浄装置は、洗浄液の注排液に利用するメカニズムが第1実施形態の場合とは逆になっている。これらの点を除けば、第1実施形態と同様にして洗浄対象物10の洗浄を行うことができる。
【0106】
このように本実施形態によれば、洗浄対象物を移動することなく密閉系で多段洗浄を行うことができ、洗浄液の蒸気の発散を防ぐことができる。このため、洗浄液を効率よく再利用することができる。
【0107】
[変形実施形態]
本発明の上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0108】
例えば、上記実施形態では、第1の洗浄液槽16及び第2の洗浄液槽20の2槽の洗浄槽が設けられていたが、洗浄槽の数はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態における洗浄液槽と同様の注排液の機構を備えた第3の洗浄液槽、第4の洗浄液槽を設けてもよい。この場合、上記実施形態における第2の洗浄液18による洗浄後、第3の洗浄液槽から洗浄液を洗浄槽12に注液して洗浄を行い、この洗浄液を第3の洗浄液槽に排液する。続いて、第4の洗浄液槽の洗浄液を洗浄槽12に注液して洗浄を行い、この洗浄液を第4の洗浄液槽に排液する。最後に第4の洗浄液槽の洗浄液の蒸気による洗浄を行う。
【0109】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、洗浄対象物を洗浄槽に収納し、洗浄対象物を浸漬する第1の洗浄液を第1の洗浄液槽から洗浄槽に注液し、第1の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、洗浄対象物を浸漬していた第1の洗浄液を第1の洗浄液槽に排液し、洗浄対象物を浸漬する第2の洗浄液を第2の洗浄液槽から洗浄槽に注液し、第2の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、洗浄対象物を浸漬していた第2の洗浄液を第2の洗浄液槽に排液するので、洗浄対象物を移動することなく密閉系で多段洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による多段洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態による多段洗浄方法の洗浄工程を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態による多段洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2実施形態による多段洗浄方法の洗浄工程を示す図である。
【符号の説明】
10…洗浄対象物
12…洗浄槽
14…第1の洗浄液
16…第1の洗浄液槽
18…第2の洗浄液
20…第2の洗浄液槽
22…注液配管系
24…排液配管系
26a、26b、26c、26d、
26e、26g、26h、26i…バルブ
28…配管
30…再生装置
32…配管
34…配管
36…蒸気発生装置
38…配管
40…配管
42…排気配管系
44…減圧手段
46…真空ポンプ
48a、48b…冷却器

Claims (7)

  1. 洗浄対象物を収納する洗浄槽と、
    前記洗浄対象物を前記洗浄槽で浸漬する第1の洗浄液を収納する第1の洗浄液槽と、
    前記第1の洗浄液を前記洗浄槽に移動する第1の注液手段と、
    前記洗浄槽内の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に移動する第1の排液手段と、
    前記洗浄対象物を前記洗浄槽で浸漬する第2の洗浄液を収納する第2の洗浄液槽と、
    前記第2の洗浄液を前記洗浄槽に移動する第2の注液手段と、
    前記洗浄槽内の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に移動する第2の排液手段と、
    前記第2の洗浄液槽内の前記第2の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に移し、前記第1の洗浄液槽及び前記第2の洗浄液槽の液量を制御する洗浄液液量制御手段と
    前記洗浄槽と、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽とを減圧する減圧手段と、
    前記洗浄槽へ導入する洗浄蒸気を発生する蒸気発生手段とを有し、
    前記洗浄槽は、前記第1の洗浄液槽及び前記第2の洗浄液槽よりも高い位置にあり、
    前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽への注液は、前記減圧手段により、前記洗浄槽を前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽よりも低圧にすることにより行い、
    前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽からの排液は、前記減圧手段により、前記第1の洗浄液槽及び/又は第2の洗浄液槽を前記洗浄槽と同じ圧力又は前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行う
    とを特徴とする多段洗浄装置。
  2. 洗浄対象物を収納する洗浄槽と、
    前記洗浄対象物を前記洗浄槽で浸漬する第1の洗浄液を収納する第1の洗浄液槽と、
    前記第1の洗浄液を前記洗浄槽に移動する第1の注液手段と、
    前記洗浄槽内の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に移動する第1の排液手段と、
    前記洗浄対象物を前記洗浄槽で浸漬する第2の洗浄液を収納する第2の洗浄液槽と、
    前記第2の洗浄液を前記洗浄槽に移動する第2の注液手段と、
    前記洗浄槽内の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に移動する第2の排液手段と、
    前記第2の洗浄液槽内の前記第2の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に移し、前記第1の洗浄液槽及び前記第2の洗浄液槽の液量を制御する洗浄液液量制御手段と、
    前記洗浄槽と、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽とを減圧する減圧手段と、
    前記洗浄槽へ導入する洗浄蒸気を発生する蒸気発生手段とを有し、
    前記洗浄槽は、前記第1の洗浄液槽及び前記第2の洗浄液槽よりも低い位置にあり、
    前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽への注液は、前記減圧手段により、前記洗浄槽を前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽と同じ圧力、或いは前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行い、
    前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽からの排液は、前記減圧手段により、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽を前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行う
    ことを特徴とする多段洗浄装置。
  3. 請求項1又は2記載の多段洗浄装置において、
    前記第1の洗浄液の一部を取り出し蒸留再生し、前記第2の洗浄液槽に導入する再生手段を更に有する
    ことを特徴とする多段洗浄装置。
  4. 洗浄対象物を洗浄槽に収納し、
    前記洗浄対象物を浸漬する第1の洗浄液を第1の洗浄液槽から前記洗浄槽に注液し、
    前記第1の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、
    前記洗浄対象物を浸漬していた前記第1の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に排液し、
    前記洗浄対象物を浸漬する第2の洗浄液を第2の洗浄液槽から前記洗浄槽に注液し、
    前記第2の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、
    前記洗浄対象物を浸漬していた前記第2の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に排液し、
    前記洗浄対象物を浸漬していた前記第2の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に排液した後、前記洗浄槽に洗浄蒸気を導入し、前記洗浄蒸気によって前記洗浄対象物を洗浄する多段洗浄方法であって、
    前記洗浄槽を、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽よりも高い位置に配置し、
    前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽への注液は、減圧手段により、前記洗浄槽を前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽よりも低圧にすることにより行い、
    前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽からの排液は、前記減圧手段により、前記第1の洗浄液槽及び/又は第2の洗浄液槽を前記洗浄槽と同じ圧力又は前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行う
    ことを特徴とする多段洗浄方法。
  5. 洗浄対象物を洗浄槽に収納し、
    前記洗浄対象物を浸漬する第1の洗浄液を第1の洗浄液槽から前記洗浄槽に注液し、
    前記第1の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、
    前記洗浄対象物を浸漬していた前記第1の洗浄液を前記第1の洗浄液槽に排液し、
    前記洗浄対象物を浸漬する第2の洗浄液を第2の洗浄液槽から前記洗浄槽に注液し、
    前記第2の洗浄液によって前記洗浄対象物を洗浄し、
    前記洗浄対象物を浸漬していた前記第2の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に排液し、
    前記洗浄対象物を浸漬していた前記第2の洗浄液を前記第2の洗浄液槽に排液した後、前記洗浄槽に洗浄蒸気を導入し、前記洗浄蒸気によって前記洗浄対象物を洗浄する多段洗浄方法であって、
    前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽を前記洗浄槽よりも高い位置に配置し、
    前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽への注液は、減圧手段により、前記洗浄槽を前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽と同じ圧力、或いは前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行い、
    前記第1の洗浄液及び/又は前記第2の洗浄液の前記洗浄槽からの排液は、前記減圧手段により、前記第1の洗浄液槽及び/又は前記第2の洗浄液槽を前記洗浄槽よりも低圧にすることにより行う
    ことを特徴とする多段洗浄方法。
  6. 請求項4又は5記載の多段洗浄方法において、
    前記洗浄対象物の洗浄蒸気による洗浄の終了後、続いて前記洗浄槽を減圧し、前記洗浄対象物を乾燥する
    ことを特徴とする多段洗浄方法。
  7. 請求項乃至のいずれか1項に記載の多段洗浄方法において、
    前記第1の洗浄液の一部を取り出して蒸留再生し、前記第2の洗浄液として前記第2の洗浄液槽に注液する
    ことを特徴とする多段洗浄方法。
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