JP4289082B2 - 樹脂成形物の製造方法 - Google Patents

樹脂成形物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4289082B2
JP4289082B2 JP2003299846A JP2003299846A JP4289082B2 JP 4289082 B2 JP4289082 B2 JP 4289082B2 JP 2003299846 A JP2003299846 A JP 2003299846A JP 2003299846 A JP2003299846 A JP 2003299846A JP 4289082 B2 JP4289082 B2 JP 4289082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
impregnated
resin molded
molded product
substrate
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003299846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005068290A (ja
Inventor
勉 小林
和彦 橋阪
邦恭 城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2003299846A priority Critical patent/JP4289082B2/ja
Publication of JP2005068290A publication Critical patent/JP2005068290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4289082B2 publication Critical patent/JP4289082B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、例えば電子材料や光学材料等の精密加工用部材の材料として好適に用いられる均質な樹脂成形物の製造方法に関するものである。
樹脂成形物は家庭用電気製品の筐体、自動車の部品、工業用資材、食器や容器など様々な用途で使用されている。近年、技術の高度化により工業用資材用樹脂成形物の中でも、特に精密加工用部材の材料として使用される樹脂成形物には高性能、高品質そして安定した品質が求められている。
現在、精密加工用部材に広く使用されている樹脂成形物としては、特許文献1に記載されているように、イソシアネート末端のウレタンプレポリマーと4,4’−メチレン−ビス2−クロロアニリン(MOCA)を反応させ、さらに独立気泡を有する構造とするためにマイクロバルーンを混合して製造されている硬質発泡ポリウレタンが挙げられる。
特表平8−500622号公報
しかしながら、このタイプの樹脂成形物は、硬化反応の制御が難しく、密度ばらつきが大きくなるので、大量生産のために厚さのあるブロックを作製し、それをスライスして精密加工用部材として使用したとき、各精密加工用部材間で密度や構造など品質にばらつきが生じてしまい、その結果、製品ロット間で加工精度にばらつきが生じてしまうという問題点があった。
本発明の目的は、均質性があり厚さのある樹脂成形物のブロックの製造方法を提供するものであり、該樹脂成形物を使用することにより、均質性のある精密加工用部材の大量生産を可能せしめるものである。
上記課題の解決のために、本発明は以下の構成からなる。
(1)重合開始剤を含むモノマーを被含浸基材に含浸させる工程を含む樹脂成形物の製造方法であって、重合開始剤を含むモノマーおよび被含浸基材を同一の容器内に入れ、該容器はガスバリア性の材料からなり、該容器を298.15K、1気圧における定圧モル熱容量が30J/mol・K以上であり、かつ、(該重合開始剤分解温度−50)K以下の媒体中に浸漬させ、重合開始剤を含むモノマーを被含浸基材に含浸させる工程を行うことを特徴とする樹脂成形物の製造方法、
)容器の形態が袋状であることを特徴とする上記()記載の樹脂成形物の製造方法、
)媒体が液体であることを特徴とする上記(1)記載の樹脂成形物の製造方法、
)媒体が水であることを特徴とする上記()記載の樹脂成形物の製造方法、
)被含浸基材がポリウレタンを主成分とすることを特徴とする上記(1)〜()のいずれか記載の樹脂成形物の製造方法、
)モノマーがビニル化合物であることを特徴とする上記(1)〜()いずれか記載の樹脂成形物の製造方法、
)該重合開始剤を含むモノマーを被含浸基材に含浸させた後、加熱により該モノマーを重合せしめることを特徴とする上記(1)〜()いずれか記載の樹脂成形物の製造方法、である。
本発明により、均質性で厚さのある樹脂成形物(好適にブロック状)の製造方法を提供することが可能となる。該樹脂成形物を電子材料や光学材料等の精密加工用部材の材料として使用すると、均質性のある精密加工用部材の大量生産が可能となり、加工特性の安定した精密加工用部材の大量供給が可能となる。
本発明で製造した樹脂成形物を精密加工用部材として使用する場合、内部に独立気泡を有していることが望ましい。平均気泡径としては500μm以下であり、かつ、見かけ密度が0.6〜0.9の範囲であることが、本発明で製造した樹脂成形物を電子材料や光学材料用精密加工用部材として使用したとき、高い加工速度の確保、スクラッチ傷の防止、均一な加工精度の確保ができる点で好ましい。見かけ密度が0.9より大きいと精密加工用部材表面での加工時に使用する薬液の保液性に劣るため加工速度が低下し、またスクラッチ傷が多くはいる可能性がある。平均気泡径が500μmより大きいか、または見かけ密度が0.6より小さいと結果的に連続気泡となる傾向があるため、精密加工用部材の弾性特性が低下し、その結果、加工精度の均一性の確保が困難となる傾向がある。平均気泡径が200μm以下で、かつ見かけ密度が0.65から0.85の範囲であることがより好ましい。なお、本発明における平均気泡径は、樹脂成形物断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を使用し200倍で観察し、次に、記録されたSEM写真の気泡径を画像処理装置で測定し、その平均値をとることにより求めた。また、見かけ密度は日本工業規格(JIS)K7112記載の方法により求められる。
本発明における被含浸基材として用いる材料は、20℃における含浸剤(重合開始剤を含むモノマーをいう。以下同じ。)の被含浸基材への含浸率が1.05以上の材料のものが好適に用いられる。この、含浸率とは含浸剤に浸漬する前の被含浸基材の重量と、24時間浸漬させて含浸剤が含浸された被含浸基材との重量比を言い、すなわち、
含浸率=(含浸剤が含浸された被含浸基材の重量)÷(含浸剤に浸漬する前の被含浸基材の重量)
で表される。被含浸基材として具体的には、ポリウレタン、ポリウレア、軟質塩化ビニル、天然ゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の各種ゴム等を主成分とした高分子成形体を挙げられる。これらの中でも、独立気泡の形成の容易性や気泡径制御の容易性からポリウレタンを主成分とする素材が好ましい。ポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子である。ポリイソシアネートの1成分として用いられる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のポリヒドロキシ化合物、あるいはアミノ基含有化合物である。ポリヒドロキシ化合物としてはポリオールが代表的であるが、ポリオールとしてポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。もう1つの成分としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど挙げることができる。ポリイソシアネートとポリオールから得られるポリウレタンを主成分とした被含浸基材は、気泡径を比較的自由にコントロールでき、構造制御が容易であるので被含浸基材として用いるのに好ましい。なお、主成分とは概ね60モル%以上、好ましく70モル%以上を占めることをいう。
本発明に用いるモノマーとしては、付加重合、重縮合、重付加などの重合可能な化合物であれば特に制限はないが、特に付加重合用モノマーとして使用されるビニル化合物が反応の容易さから好ましく使用できる。ビニル化合物とは、ビニル基を有する化合物である。具体的にはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、アクリロニトリル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
また、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソプロピルパーオキシジカーボネート等のラジカル開始剤を使用することができる。また、酸化還元系の重合開始剤、例えばパーオキサイドとアミン類の組合せを使用することもできる。これらの重合開始剤は、単独のみならず、2種以上を混合しても使用できる。
モノマーには、製造される樹脂成形物の特性改良を目的として、帯電防止剤、潤滑剤、安定剤、染料等の各種添加剤が添加されていても良い。
被含浸基材にモノマーを含浸する方法としては、容器内に被含浸基材および重合開始剤を含むモノマーを加える方法を採用する。この方法であれば、系内に必要量のモノマーを入れることにより、所望の量のモノマーを被含浸基材に含浸することができる。容器ガスバリア性の材料から構成されている容器を通じてモノマーが揮発して外に漏れ出したり、容器内に媒体が浸入するのを防ぐことができる。また、容器は袋状の形状を有している。ガスバリア性の材料としては、無機ガラス、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス鋼等の金属、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル等のガスバリア性を有する樹脂、フィルム、多層押出成形やラミネート、コーティング等の方法により作製された、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル等のガスバリア性を有する樹脂とポリオレフィン系樹脂の積層樹脂、フィルム、さらには、上記樹脂、フィルムにアルミナやシリカ等の無機物を蒸着したフィルム、樹脂等が挙げられる。
含浸速度を速める目的で、系を加熱することも好ましい。このとき系を媒体中で加熱することは均一かつ効率の良い加熱ができるので、より均質に被含浸基材にモノマーを含浸させることができる。媒体の温度は、モノマーに添加した重合開始剤が分解して重合が開始しないように、モノマーに添加した重合開始剤の分解温度をTdとしたとき、(Td−50)K以下の温度であることとする。
媒体の定圧モル熱容量が大きいと熱の変化が急激に起きにくいため、系の一部が蓄熱して含浸が完了する前に重合が開始してしまうことを防ぐことができる。媒体の298.15K、1気圧における定圧モル熱容量が30J/mol・K以上である。より好ましくは60J/mol・K以上である。媒体は298.15K、1気圧における定圧モル熱容量が30J/mol・K以上であれば気体、液体または固体など状態は特に限定されない。固体の場合、形状は平板状、粉末状、ビーズ状など特に限定されるものではなく、任意の形状で使用できる。例えば、平板状であれば系を挟み込む形で使用でき、粉末状やビーズ状であれば系を媒体中に埋め込む形で使用できる。媒体が系に密着する方がより均一かつ効率よく系に温度を与えることができ、より均一に含浸できるので、媒体としては液体が好ましい。媒体が液体の場合、浴槽を用意し、中に例えば水や各種油などを入れ水浴や油浴を作り、所定の温度の該浴中に系を浸けて含浸することができる。媒体の密度が含浸させるモノマーの密度よりも大きすぎる場合は、系内のモノマーが上部へ移動してしまい、均一な含浸の妨げとなる。媒体の密度が含浸させるモノマーの密度よりも小さすぎる場合は、系内のモノマーが下に沈んでしまうため、均質な含浸の妨げとなる。従って使用する媒体密度は、含浸に使用するモノマーの密度と近い方が良く、モノマーの密度値(g/cm3)の50%以上200%以下であることが好ましく、さらに好ましくは70%以上150%以下である。
また、含浸を促進するため加熱の他、加圧、減圧、攪拌、超音波振動等の処理を施すこともできる。
均一に含浸された状態とは、例えばモノマーにビニル化合物、被含浸基材にポリウレタンを使用した場合、重合硬化後の樹脂成形物において、ビニル化合物から得られる重合体の相とポリウレタンの相が分離された状態ではないという意味であるが、定量的に表現すると、研磨層の中で研磨機能を本質的に有する層の色々な箇所をスポットの大きさが50μmの顕微赤外分光装置で観察した赤外スペクトルが、ビニル化合物から得られる重合体の赤外吸収ピークとポリウレタンの赤外吸収ピークを有しており、色々な箇所の赤外スペクトルがほぼ同一であることである。ここで使用される顕微赤外分光装置としては、“IRμs”(SPECTRA−TECH社製)を挙げることができる。
含浸工程の終了した系を加熱することにより硬化し、必要とする硬さのある樹脂成形物を得ることができる。加熱方法は特に限定されるものではない。具体的には、熱風オーブン等の空気浴中での加熱、水浴、油浴中での加熱、ジャケット、ホットプレスによる加熱等が挙げられる。中でも、熱媒体の熱容量が大きく、加熱、硬化時の重合発熱の速やかな放散が可能な点で、水浴、油浴中での加熱が好ましい。
加熱温度、時間は、モノマー、重合開始剤の種類、量等により定められるべきものであるが、例えば、モノマーにメチルメタクリレート、重合開始剤にアゾビスイソブチロニトリルを使用した場合においては、70℃、5時間程度加熱後、100℃、3時間程度加熱することにより、樹脂成形物を重合硬化することができる。
本発明の製造方法によって得た樹脂成形物を電子材料や光学材料等の精密加工用部材として使用する場合、必要な厚さに成形後、加工時に使用する薬液の保持性、流動性の向上、樹脂成形物表面からの加工屑除去効率の向上等を目的として、樹脂成形物表面には溝、孔等の加工を施すことが好ましい。樹脂成形物表面への溝と孔の形成方法は特に限定されるものではない。具体的には、樹脂成形物表面をルーター等の装置を使用して切削加工する事により溝を形成する方法、樹脂成形物表面に加熱された金型、熱線等を接触させ、接触部を溶解させることにより溝を形成する方法、およびドリルやトムソン刃等で坑を形成する方法等が挙げられる。また、溝や穴の形状、径も特に限定されるものではない。具体的には、碁盤目状、ディンプル状、スパイラル状、および同心円状等が挙げられる。
本発明によって得た樹脂成形物を電子材料や光学材料等の精密加工用部材として使用する場合、樹脂成形物は、単層でも複数の層と組み合わせても好ましく使用されるが、電子材料や光学材料等の精密加工による加工対象物の平坦化に使用する場合は、硬度の異なる少なくとも二つの層から構成されてなることが、加工対象物のうねりへの追随性に優れるため好ましい。
本発明によって得た樹脂成形物を使用した電子材料や光学材料等の精密加工用部材は、マイクロゴムA硬度が70度以上であることが好ましい。この値に満たない場合は、加工対象物表面の凹凸を加工した際の局所加工精度が不良となるため好ましくない。好ましくは80度以上、さらに好ましくは90度以上であることが加工精度の観点から好ましい。
なお、本発明におけるマイクロゴムA硬度とは、高分子計器(株)製マイクロゴム硬度計“MD−1”で測定した値をいう。マイクロゴム硬度計“MD−1”は、従来の硬度計では測定が困難であった薄物,小物の試料の硬度測定をしたものである。また、スプリング式ゴム硬度計(デュロメータ)A型の約1/5の縮小モデルとして設計,製作されているため、その測定値は、スプリング式ゴム硬度計A型での測定値と同一のものとして考えることができる。
本発明によって得た樹脂成形物に組み合わせて好ましく使用できる材料としては、例えば、現在一般的に使用されているポリウレタン含浸不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニル等の各種プラスチックの発泡体、ネオプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムおよびフッ素ゴム等の各種ゴムおよびその発泡体等を使用することができる。また、これら層が発泡体である場合、その気泡は連続気泡と独立気泡のどちらでも良い。形態は布帛や板状物やシート状などの形態などを取りうる。
気泡の形成方法としては特に限定されるものではない。具体的には、材質中に発泡体を混合した後加熱発泡させる方法、材質中に熱膨張性の微粒子を混合したのち加熱し微粒子を発泡させる方法、材質中に中空微粒子を混合したのち硬化する方法、材質中に気泡を機械的に混合したのち硬化させる方法、および材質を良溶媒中に溶解した溶液を貧溶媒中に浸漬し、湿式凝固する方法などが挙げられる。
本発明における樹脂成形物に組み合わせて好ましく使用できる層の好ましい厚みは、0.1〜10mmである。厚みが0.1mmより小さい場合は、加工精度が悪化する傾向がある。より好ましい厚みは0.2〜5mmであり、さらに好ましくは0.5〜2mmである。
本発明で用いられる両面粘着テープとしては、例えば、紙、不織布、布、ガラスクロス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリイミド等の樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリウレタンおよびポリアクリルなどの発泡体、アルミニウムおよび銅等の金属箔を挙げることができる。また、両面粘着テープの粘着剤として、具体的にはゴム系、アクリル系およびシリコーン系の各種粘着剤を挙げることができる。また、基材を使用せず、粘着剤のみを均一なフィルム状にしたものについても、両面粘着テープに含まれる。また、両面粘着テープの粘着面の粘着力は、表裏面で同じであっても異なっていても良い。
本発明の樹脂成形物を使用した精密加工用部材の加工対象物は特に限定されるものではないが、電子材料の加工に好ましく使用することができる。また、電子材料以外に、各種レンズ、磁気ヘッド、ハードディスク、液晶ディスプレイ用カラーフィルターおよびプラズマディスプレイ用背面板等の光学部材、セラミックスおよびサファイア等の精密加工にも好ましく使用することができる。
以下、実施例によって、さらに本発明を詳細を説明する。しかし、本実施例により本発明が限定して解釈される訳ではない。なお、樹脂成形物の各種評価は、以下のようにして行った。
a.樹脂成形物のマイクロゴムA硬度
マイクロゴムA硬度計“MD−1”(高分子計器(株)製)により測定した。
b.樹脂成形物の密度
JIS K 7222記載の方法により測定した。
c.樹脂成形物の動的弾性率
樹脂成形物を厚さ1.25mm、幅3mm、長さ26mmに加工し、測定用試料とする。該試料を純水中に24時間浸漬した後、“DVE-V4 FTレオスペクトラー”((株)レオロジー製)で測定した。測定試料長さ20mm、振動周波数10Hz、変位3μm、測定温度範囲40〜80℃、昇温速度2℃/minの条件で純水中で測定し、60℃のときの動的弾性率の値を求めた。
実施例1
液温を40℃に保った、ポリエーテルポリオール:“サンニックス FA−909”(三洋化成工業(株)製)100重量部,鎖伸長剤:モノエチレングリコール8重量部,アミン触媒:“Dabco 33LV”(エアープロダクツジャパン(株)製)1.95重量部,アミン触媒:“Toyocat ET”(東ソー(株)製)0.14重量部,シリコーン整泡剤:“TEGOSTAB B8462”(Th.Goldschmidt AG社製)1重量部,発泡剤:水0.55重量部を混合してなるA液と、液温を40℃に保ったイソシアネート:“サンフォーム NC−703”96.2重量部からなるB液を、RIM成型機により、吐出圧16MPaで衝突混合した後、40℃に保った金型内に吐出量800g/secで吐出し、10分間放置することで、厚み40mmの発泡ポリウレタンブロック(マイクロゴムA硬度:47度,密度:0.73g/cm3、平均気泡径:35μm)を作製した。次いで、該発泡ポリウレタンブロックの表面をスライサーでスライスし厚み30mmのブロックとした。
次に該発泡ポリウレタンブロックを大きさ100mm×100mmに切り取り、アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚み12μm)/ポリアミド(厚み:15μm)/ポリプロピレン(厚み:60μm)の3層で構成された袋(カウパック(株)製、商品名:“EACF”、内寸:150mm×150mm)に入れた後、その中にメチルメタクリレート(三菱ガス化学製(株)製)にアゾビスイソブチロニトリル(ナカイライテスク(株)製)0.1重量部を溶解した含浸剤を該発泡ポリウレタンブロック重量の1.1倍の重量分加えた。該袋内の空気を真空ポンプで吸い出した後、ヒートシーラーで該袋の口を融着した。ついで、この発泡ポリウレタンシートと含浸剤の入った該袋を35℃の水浴中に2日間浸した。該袋内の含浸剤は該発泡ポリウレタンブロック中に完全に含浸されていた。
次に含浸剤が含浸された該発泡ポリウレタンブロックを、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込んで、70℃で10時間、120℃で3時間加熱して重合硬化を行った。室温まで冷却した後、ガラス板間から硬化した発泡ポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物の入った袋を離型し、袋の中からポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物を取り出した。このようにして得られたポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物ブロックの表層部を取り除いた後、該ブロックを厚み1.25mmにスライスして21枚のシート状樹脂成形物を作製した。該ブロックの厚さ方向に見て最下部、中央部、最上部から得られた3枚のシート状樹脂成形物のマイクロゴムA硬度、密度、動的弾性率を測定し、結果を表1に示す。該ブロックの最下部、中央部、最上部から得られたシートのマイクロゴムA硬度、密度、動的弾性率はほぼ同じ値を示したことから、均質性があり厚みのある樹脂成型物を得ることができた。
実施例2
実施例1で作製した発泡ポリウレタンブロックを大きさ100mm×100mmに切り取り、ポリアミドとエチレン−ビニルアルコール共重合体の共押出フィルム(厚み:15μm)/ポリエチレン(厚み:70μm)の2層で構成された袋(カウパック(株)製、商品名:“NEH”、内寸:150mm×150mm)に入れた後、その中にメチルメタクリレート(三菱ガス化学製(株)製)にアゾビスイソブチロニトリル(ナカイライテスク(株)製)0.1重量部を溶解した含浸剤を該発泡ポリウレタンブロック重量の1.1倍の重量分加えた。該袋内の空気を真空ポンプで吸い出した後、ヒートシーラーで該袋の口を融着した。ついで、この発泡ポリウレタンシートと含浸剤の入った該袋を35℃のシリコーンオイル(信越化学工業(株)製、商品名:“KF96”)中に2日間浸漬した。該袋内の含浸剤は該発泡ポリウレタンブロック中に完全に含浸されていた。
次に含浸剤が含浸された該発泡ポリウレタンブロックを、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込んで、70℃で10時間、120℃で3時間加熱することにより重合硬化させた。室温まで冷却した後、ガラス板間から硬化した発泡ポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物の入った袋を離型し、袋の中からポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物を取り出した。このようにして得られたポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物ブロックの表層部を取り除いた後、該ブロックを厚み1.25mmにスライスして21枚のシート状樹脂成形物を作製した。該ブロックの厚さ方向に見て最下部、中央部、最上部から得られた3枚のシート状樹脂成形物のマイクロゴムA硬度、密度、動的弾性率を測定し、結果を表1に示す。該ブロックの最下部、中央部、最上部から得られたシートのマイクロゴムA硬度、密度、動的弾性率はほぼ同じ値を示したことから、均質性があり厚みのある樹脂成型物を得ることができた。
比較例1
実施例1で作製した発泡ポリウレタンブロックを大きさ100mm×100mmに切り取り、アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚み12μm)/ポリアミド(厚み:15μm)/ポリプロピレン(厚み:60μm)の3層で構成された袋(カウパック(株)製、商品名:“EACF”、内寸:150mm×150mm)に入れた後、その中にメチルメタクリレート(三菱ガス化学製(株)製)にアゾビスイソブチロニトリル(ナカイライテスク(株)製)0.1重量部を溶解した含浸剤を該発泡ポリウレタンブロック重量の1.1倍の重量分加えた。該袋内の空気を真空ポンプで吸い出した後、ヒートシーラーで該袋の口を融着した。ついで、この発泡ポリウレタンシートと含浸剤の入った該袋を23℃の恒温室に2日間放置した。該袋内の含浸剤は該発泡ポリウレタンブロック中に完全に含浸されていた。
次に含浸剤が含浸された該発泡ポリウレタンブロックを、塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み込んで、70℃で10時間、120℃で3時間加熱することにより重合硬化させた。室温まで冷却した後、ガラス板間から硬化した発泡ポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物の入った袋を離型し、袋の中からポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物を取り出した。このようにして得られたポリウレタン/ポリメチルメタクリレート成型物ブロックの表層部を取り除いた後、該ブロックを厚み1.25mmにスライスして21枚のシート状樹脂成形物を作製した。該ブロックの厚さ方向に見て最下部、中央部、最上部から得られた3枚のシート状樹脂成形物のマイクロゴムA硬度、密度、動的弾性率を測定し、結果を表1に示す。該ブロックの最下部、中央部、最上部から得られたシートのマイクロゴムA硬度、密度、動的弾性率の値には大きなばらつきが見られ、均質性があり厚みのある樹脂成型物は作製することができなかった。
比較例2
実施例1で作製した発泡ポリウレタンブロックを大きさ120mm×120mmに切り取り、アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚み12μm)/ポリアミド(厚み:15μm)/ポリプロピレン(厚み:60μm)の3層で構成された袋(カウパック(株)製、商品名:“EACF”、内寸:150mm×150mm)に入れた後、その中にメチルメタクリレート(三菱ガス化学製(株)製)にアゾビスイソブチロニトリル(ナカイライテスク(株)製)0.1重量部を溶解した含浸剤を該発泡ポリウレタンブロック重量の1.1倍の重量分加えた。該袋内の空気を真空ポンプで吸い出した後、ヒートシーラーで該袋の口を融着した。ついで、この発泡ポリウレタンシートと含浸剤の入った該袋を65℃の温水浴中に2日間浸した。該袋内の含浸剤は該発泡ポリウレタンブロック中に完全には含浸されておらず、含浸されていなかった含浸剤が重合硬化していた。また、含浸剤が含浸した該発泡ポリウレタンの一部で重合が起こっており、部分的に硬化していた。そのために、該発泡ポリウレタンは形状に歪みが発生しており、製品としては使えない物になっていた。
Figure 0004289082

Claims (7)

  1. 重合開始剤を含むモノマーを被含浸基材に含浸させる工程を含む樹脂成形物の製造方法であって、重合開始剤を含むモノマーおよび被含浸基材を同一の容器内に入れ、該容器はガスバリア性の材料からなり、該容器を298.15K、1気圧における定圧モル熱容量が30J/mol・K以上であり、かつ、(該重合開始剤分解温度−50)K以下の媒体中に浸漬させ、重合開始剤を含むモノマーを被含浸基材に含浸させる工程を行うことを特徴とする樹脂成形物の製造方法。
  2. 容器の形態が袋状であることを特徴とする請求項記載の樹脂成形物の製造方法。
  3. 媒体が液体であることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形物の製造方法。
  4. 媒体が水であることを特徴とする請求項記載の樹脂成形物の製造方法。
  5. 被含浸基材がポリウレタンを主成分とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか記載の樹脂成形物の製造方法。
  6. モノマーがビニル化合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか記載の樹脂成形物の製造方法。
  7. 該重合開始剤を含むモノマーを被含浸基材に含浸させた後、加熱により該モノマーを重合せしめることを特徴とする請求項1〜のいずれか記載の樹脂成形物の製造方法。
JP2003299846A 2003-08-25 2003-08-25 樹脂成形物の製造方法 Expired - Fee Related JP4289082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003299846A JP4289082B2 (ja) 2003-08-25 2003-08-25 樹脂成形物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003299846A JP4289082B2 (ja) 2003-08-25 2003-08-25 樹脂成形物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005068290A JP2005068290A (ja) 2005-03-17
JP4289082B2 true JP4289082B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=34404958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003299846A Expired - Fee Related JP4289082B2 (ja) 2003-08-25 2003-08-25 樹脂成形物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4289082B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4933875B2 (ja) * 2006-10-31 2012-05-16 三菱レイヨン株式会社 光学材料用重合体の製造方法および製造装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE59800682D1 (de) * 1997-04-14 2001-06-13 Degussa Verfahren zur Modifizierung der Oberfläche von Polymersubstraten durch Pfropfpolymerisation
JP2000218551A (ja) * 1999-02-03 2000-08-08 Toray Ind Inc 研磨パッドの製造方法
JP4296655B2 (ja) * 1999-10-12 2009-07-15 東レ株式会社 半導体基板用研磨パッド
JP2001230226A (ja) * 1999-12-07 2001-08-24 Toray Ind Inc 研磨パッドの製造方法
JP2002348394A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Nippon Valqua Ind Ltd 表面改質含フッ素系エラストマーの製造方法、表面改質含フッ素系エラストマーおよびその用途
JP2002371146A (ja) * 2001-06-15 2002-12-26 Nippon Valqua Ind Ltd 表面改質ゴムの製造方法およびシール材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005068290A (ja) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1138438B1 (en) Polishing pad and polishing device
TW200916518A (en) Thermoplastic resin foam and process for producing the same
JP3649385B2 (ja) 熱可塑性エラストマー微孔質発泡体、その製造方法および研磨シート
JP2006339570A (ja) 研磨パッドおよび研磨装置
JPS63283857A (ja) 研磨布
WO2011082155A2 (en) Polishing pads including phase-separated polymer blend and method of making and using the same
WO2007010766A1 (ja) 積層シート及びその製造方法
JP4338150B2 (ja) 発泡ポリウレタンおよびその製造方法
JP2005227392A (ja) シール部材およびその製造方法
JP2013018056A (ja) 研磨パッド
JP4296655B2 (ja) 半導体基板用研磨パッド
TW201109375A (en) Method for manufacturing porous sheet and porous sheet manufactured by the method
JP2006210657A (ja) 研磨パッド、研磨装置、および半導体デバイスの製造方法
JP4289082B2 (ja) 樹脂成形物の製造方法
JP5145683B2 (ja) 研磨方法、研磨パッド、研磨パッドの製造方法
JP2004119657A (ja) 研磨パッド、研磨装置、およびそれを用いた研磨方法
JP2013151052A (ja) 研磨パッド用材料の製造方法
JP2005056920A (ja) 研磨パッド
JP5292958B2 (ja) 研磨パッド
JP2000218551A (ja) 研磨パッドの製造方法
JP2004259728A (ja) 研磨パッド
JP4419207B2 (ja) 研磨パッドの製造方法
JP7431590B2 (ja) 粘着テープ及び表示部材の固定・接合方法
JP2008133403A (ja) 発泡体の製造方法
JP2005239205A (ja) 樹脂成形物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090310

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090323

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140410

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees