JP4288916B2 - 往復移動体駆動装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクションシーブを使用せずに往復移動体を往復駆動するための装置、例えばエレベータ装置に係り、特に駆動装置の改良に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図３は、最近出願人が提案している方式の駆動機構を備えた駆動装置であり、詳細は国際出願番号第ＰＣＴ／ＪＰ０２／０１２２０号に記載している。
図３はエレベータの駆動装置の要部を示しており、図示省略しているが、主ロープ３の一側にはエレベータ乗かご、他側にはカウンターウエイトが設けられている。駆動装置４０はフレーム４１にシーブ４２を取り付けるとともに、該シーブ４２の上方と両側の３箇所にプーリ４３，４４，４５を配置し、これらのプーリ４３，４４，４５にベルト４６を張設し、このベルト４６によってシーブ４２に巻き付けられた主ロープ３をシーブ４２に押圧する。上方のプーリ４３はフレーム４１の背面に取り付けたモータ（図示省略）に連結されており、ベルト４６の周回移動により、シーブ４２と主ロープ３を移動させて乗かごを昇降させる構成になっている。また両側のプーリ４４，４５はそれぞれ位置調節機構４７によって、フレーム４１に対して高さ位置の調節が可能に取り付けられており、これら高さ位置を調節することによってベルト４６の張力を調節することができる。４８は非常時等に主ロープ３を挟持するロープグリッパーで油圧等によって動作する。４９はモータの回動状態を検出する検出装置、例えばロータリーエンコーダ、５０はモータのブレーキである。
【０００３】
図４は駆動装置４０の概略正面図で、図３と同一符号は同一のものを示している。図において、６０はプーリ４４，４５の支持体４４ａ，４５ａに固定されフレーム４１を貫通して下方に伸長したねじ棒であり、フレーム４１との間にばね６１が設けられている。これにより支持体４４ａ，４５ａは下方に引っ張られベルト４６に張力を与えている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記装置においては、プーリ４３とシーブ４２が同一のフレーム４１に取り付けられているため、プーリ４３に連結されているモータからの振動がフレーム４１，シーブ４２を介して、主ロープ３から乗かごに伝わり、乗り心地を悪化させる要因の一つになっていた。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、モータが取り付けられた部材とシーブが取り付けられた部材とを弾性体を介して連結することにより、乗かごへの振動の伝達を抑制するものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図により説明する。図１は概略正面図、図２は図１の要部説明図であり、図４と同一符号は同一のものを示している。
各プーリ４３，４４，４５は上部ベース７０に取り付けられている。またシーブ４２は下部ベース７１に取り付けられている。そして両ベース７０，７１は上下の防振ゴム７２，７３を挟んで、ボルト７４，ナット７５で連結されている。このボルト７４，ナット７５の螺合量を調整することにより、ベルト４６の張力、即ち主ロープ３の押付力を調整することができる。
【０００７】
上記のように本実施の形態は上下のベース７０，７１が防振ゴム７２，７３を挟んで連結される構成であるため、上部ベース７０に取り付けられているモータの振動のシーブ４２への伝達を抑制することができる。
【０００８】
次に他の実施の形態として、図３，図４のフレーム４１の構成を変更することもできる。図４に示すように、フレーム４１を上部フレーム４１ａと下部フレーム４１ｂとに分割し、両者の間に防振ゴムを挿入する。これにより、モータが取り付けられている上部フレーム４１ａの振動が、シーブ４２が取り付けられている下部フレーム４１ｂに伝わることを抑制することができる。
【０００９】
上記のように、本発明はモータとシーブとの間に弾性体を設けているため、モータの振動が乗かごに伝わることを抑制し、乗かごの乗心地を向上させることができる。
上記の各実施形態では駆動装置４０はエレベータの昇降路内の上部に設置しているが、主ロープ等がシーブ４２の下方へ伸びる構成であれば昇降路内の中間部や下部に設置することも可能である。更に、上記の実施形態の駆動装置４０を上下逆にして主ロープ等が上に伸びるように設置することも、また９０度回転して主ロープ等が横方向に伸びるように設置することも可能である。更にまた、機械室を有するエレベータの場合には、機械室内に設置することができる。
【００１０】
また本発明の往復移動体駆動装置は、上述の昇降移動型のエレベータ装置に限らず水平移動型のエレベータ装置や、両側に乗かごを備えたエレベータ、ケーブルカー、ロープウェイ等に適用することもできる。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、モータからの振動の伝達を抑え、乗心地のよいエレベータ乗かご等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す図である。
【図２】図１の要部説明図である。
【図３】本発明が適用される駆動装置を示す図である。
【図４】図３の駆動装置の概略正面図である。
【符号の説明】
３ 主ロープ
４０ 駆動装置
４１ フレーム
４１ａ 上部フレーム
４１ｂ 下部フレーム
４２ シーブ
４３，４４，４５ プーリ
４６ ベルト
７０ 上部ベース
７１ 下部ベース
７２，７３ 防振ゴム

Claims (1)

1. 往復移動体を往復駆動させるためのロープ状又はベルト状の張力部材と、前記張力部材が巻き付けられたシーブと、前記張力部材の前記シーブに巻き付いている部分を押圧して前記張力部材をその長手方向に駆動するベルト伝動機構とを備えた駆動装置において、
   前記ベルト伝動機構は、モータに連結されたプーリと、モータに連結されていないプーリと、これらプーリに巻き付けられて周回移動するベルトとを有し、前記各プーリは第１の部材に取り付けられており、前記シーブは第２の部材に取り付けられており、前記第１の部材と第２の部材とは弾性体を介して連結されていることを特徴とする往復移動体駆動装置。

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