JP4591027B2 - エレベータ等の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シーブに巻き付けられてかご等を往復移動させる主ロープ等と、該主ロープ等を拘束するロープブレーキとを備えた駆動装置、例えばエレベータの駆動装置の改良に関するものである。
図3は、出願人が提案している方式の駆動機構を備えた駆動装置であり(特許文献1参照)、図4はこの駆動装置を使用したエレベータの例である。図において、10は昇降路であり、かご1、その案内シーブ11,12、カウンターウェイト2、その吊りシーブ21、駆動装置40、シーブ42などが配置されている。3は主ロープで、各シーブ21,42,11,12を経由して、ロープエンド31,32が昇降路の固定側に固定されている。13は乗場ドア、14は駆動装置40を設置したビーム、15はカウンターウェイト2のガイドレールであり、かご1のガイドレールは図示省略している。
駆動装置40はフレーム41にシーブ42を取り付けるとともに、該シーブ42の上方と両側の3箇所にプーリ43,44,45を配置し、これらのプーリ43,44,45にベルト46を張設してベルト伝動機構70を構成し、このベルト46によってシーブ42に巻き付けられた主ロープ3をシーブ42に押圧する。上方のプーリ43はフレーム41の背面に取り付けられたモータ(図示省略)に連結されており、ベルト46の周回移動により、シーブ42と主ロープ3を移動させてかご1を昇降させる構成になっている。また両側のプーリ44,45はそれぞれ位置調節機構47によって、フレーム41に対して高さ位置の調節が可能に取り付けられており、これら高さ位置を調節することによってベルト46の張力を調節することができる。48は非常時等に主ロープ3を挟持するロープブレーキで油圧等によって動作する。49はモータの回動状態を検出する検出装置、例えばロータリーエンコーダ、71はモータの回転を停止させるモータブレーキである。
この駆動装置40では、ベルト46が弛緩又は切断した場合、かご1とカウンターウェイト2とのアンバランスが大きいと、かご1又はカウンターウェイト2が落下(他方は上昇)する可能性がある。そのため異常を検出するとロープブレーキ48を作動させて主ロープ3を挟持するようにしている。ロープブレーキ48の挟持力が十分あればかご1とカウンターウェイト2のアンバランスが大きくても確実に停止させることができる。
国際公開第02/064482号パンフレット
前記ロープブレーキ48は、シーブ42よりかご1側に設置する場合と、シーブ42よりカウンターウェイト2側に設置する場合があるが、これらの設置方法には次の問題があった。
ロープブレーキ48をカウンターウェイト2側へ設置すると、図4に示すように、カウンターウェイト2の上部には吊りシーブ21があるため、カウンターウェイト2の上昇可能位置が低くなる。即ちカウンターウェイト2の昇降行程が短くなる。そのため、昇降行程を確保するために、駆動装置40の設置位置を上げたり、昇降路底を下げる必要があるが、そうすると昇降路10の寸法を大きくしなければならなくなるという問題が生じる。
一方、ロープブレーキ48をかご1側へ設置すると、ロープドローの問題が生じる。図4の要部平面図である図5に示すように、かご1の案内シーブ11とシーブ42はほぼ90度の角度を持って配置されている。そのため主ロープ3の配列は90度捻られることになり、図6のようにロープブレーキ48の位置では主ロープ3は斜めに配列される。この現象はかご1が上昇位置にあるときは特に顕著になる。
この状態でロープブレーキ48を作動させると、可動部48aが図6の左方へ移動し、可動部48a側のブレーキシュー60で主ロープ3を固定部48b側のブレーキシュー61に押し付けて挟持する。このとき主ロープ3(3a,3b,3c)は、固定部48b側のブレーキシュー61から遠い主ロープ3aの移動量が最も多く強い挟時力が作用するため傷み易く、他の主ロープ3b,3cに比べて寿命が短くなる虞があった。
また、主ロープ3a,3b,3cの並びがブレーキシュー60,61と平行でないため、ブレーキシュー60,61の間隔(クリアランス)を大きくしなければならない。そうすると可動部48aの移動距離が長くなるため,油圧機構を使用する必要がある。しかし油圧機構を使用すると油漏れの可能性が出てくるという問題がある。
ロープブレーキ48をカウンターウェイト2側へ設置した場合でも、カウンターウェイト2の昇降により主ロープ3が振れるためブレーキシューの間隔はある程度広くしなければならない。そのため油圧機構を使用する必要があるので、同じ問題が発生する。
本発明は、シーブに巻き付けられてかご等を往復移動させるためのロープ状又はベルト状の張力部材と、前記シーブに巻き付けられた張力部材の円弧領域を前記シーブに向かって押圧して駆動するベルト伝動機構と、前記ベルト伝動機構とは独立して設けられ前記ベルト伝動機構のベルトを介することなく前記張力部材の円弧領域を前記シーブに向かって押圧するロープブレーキを設けたものにおいて、前記張力部材は複数設けられており、その一部は前記ベルト伝動機構によって駆動され、他部は前記ロープブレーキに対向して配置されていることを特徴とするエレベータ等の駆動装置である。
本発明によれば、独立したロープブレーキが不要なので、その分だけコンパクトになり、昇降路寸法の拡大を防止することができる。
またブレーキシューに対向する部分のロープ等はシーブに押圧されていて振れることがないため、従来に比べブレーキシューとロープ等との間隔を小さくすることができる。そのためロープブレーキの作動機構は電磁ソレノイドで良いため、油圧機構を使用する必要がない。
本発明の実施の形態を図1により説明すると、図3の従来装置からプーリ45を廃止して、プーリ43と44とに短いベルト50を張設したものをベルト伝動機構51としたものである。そして従来と同様に、ベルト50を周回移動させて主ロープ3を駆動している。
また、シーブ42に巻き付けられた主ロープ3と対向する位置にロープブレーキ52を設置しており、このロープブレーキ52は、作動すると主ロープ3をシーブ42に押圧して主ロープ3の動きを停止させる。図1に示すように、ロープブレーキ52とベルト伝動機構51とは、主ロープ3の長手方向に直列に配置される。
本実施の形態によれば、従来のようなロープブレーキ48が不要になるので、昇降路10の寸法を大きくする必要がない。またロープブレーキ52に対向する部分の主ロープ3はシーブ42に押圧されていて振れることがないため、従来に比べブレーキシューと主ロープ3との間隔を小さくすることができる。そのためロープブレーキ52の作動機構として電磁ソレノイドを使用することができる。
図2は本発明の他の実施の形態を示す図で、図1に相当する正面図とその右側面図であり、図1,図3と同一符号は同一部分を示している。主ロープ3は6本ありシーブ42に巻き付けられているが、そのうちの4本(3A)を駆動用とし、2本(3B)をブレーキ用としている。通常の運転時には、ベルト46で主ロープ3Aを駆動する。そしてブレーキを掛けるときは、ロープブレーキ52が主ロープ3Bをシーブ42に押圧するものである。
本実施の形態によれば、前記実施の形態と同様に、ロープブレーキ48が不要になるので、昇降路10の寸法を大きくする必要がなく、またロープブレーキ52のブレーキシューと主ロープ3Bとの間隔を小さくすることができるためロープブレーキ52の作動機構として電磁ソレノイドを使用することができる。
前記の各実施の形態では、かご1とカウンターウェイト2とを主ロープ3で連結したエレベータについて説明しているが、主ロープ3の代りにベルト等他の張力部材を使用した場合も同様に実施できる。この場合、図1の実施の形態ではベルト張力部材は1本でもよいが、図2の実施の形態では、1本でもよく又ベルト46側とロープブレーキ52側とに分けてベルト張力部材を設けてもよい。
本発明の実施の形態を示す図である。 本発明の他の実施の形態を示す図である。 従来の駆動装置を示す図である。 図3の駆動装置を使用したエレベータの例である。 図4の要部平面図である。 ロープブレーキの平面図である。
符号の説明
1 かご
2 カウンターウェイト
3,3a,3b,3c,3A,3B 主ロープ
40 駆動装置
42 シーブ
46,50 ベルト
48,52 ロープブレーキ
51,70 ベルト伝動機構

Claims (1)

  1. シーブに巻き付けられてかご等を往復移動させるためのロープ状又はベルト状の張力部材と、前記シーブに巻き付けられた張力部材の円弧領域を前記シーブに向かって押圧して駆動するベルト伝動機構と、前記ベルト伝動機構とは独立して設けられ前記ベルト伝動機構のベルトを介することなく前記張力部材の円弧領域を前記シーブに向かって押圧するロープブレーキを設けたものにおいて、
    前記張力部材は複数設けられており、その一部は前記ベルト伝動機構によって駆動され、他部は前記ロープブレーキに対向して配置されていることを特徴とするエレベータ等の駆動装置。
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