JP4287412B2 - 発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、発光素子に係り、特に電気化学発光素子およびその製造方法に関する。
発光素子として、電気化学反応を利用したものが知られている。こうした発光素子においては、電解質中の発光色素は、その一部がプラス(+)極上で酸化され、残りはマイナス(―)極上で還元される。生成された酸化体と還元体とが電解質層内で衝突し、燐光を発生させるとともに、それぞれが元の基底状態の発光材料に戻る。この原理を利用し、デバイス中に多孔質層を導入することにより発光効率を向上させ、直流駆動したデバイスが発表されている(例えば、非特許文献1参照)。これにおいては、アセトニトリルにルテニウム錯体を溶解して電解質として用いられている。
かかる電気化学発光素子は、多孔質層であるナノチタニア層を有するので、発光輝度が大きく向上するものの、光強度の半減期が短いために寿命が短い。
また、発光照度の高い発光素子も提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにおいては、固体高分子電解質層と発光層を用いることによって高い発光照度が得られる。しかしながら、光の色はオレンジ色であり、照明として使用するには適切ではない。
照明としては、白色光あるいは擬似白色光が求められるものの、こうした光を高い照度で発する発光素子は未だ得られていないのが現状である。
九州工業大学大学院・生命体工学研究科、岡本清一、「チタニアナノ結晶集合体を電極に用いることによる電気化学発光の増大」、2004年度電気化学会(平成16年3月24日〜)要旨集310頁 特開2004−265620号公報
本発明は、擬似白色を発する発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる発光素子は、互いに絶縁された一対の透明な第1の電極と、これらに挟持され下記一般式(A)で表わされる構造を有する溶融塩電解質と第1の発光色素とを含有する第1の発光層と、前記第1の発光層内に設けられた第1の多孔質層とを有する第1の発光セルと、
前記第1の発光セルに積層して配置され、互いに絶縁された一対の第2の電極と、これらに挟持され下記一般式(A)で表わされる構造を有する溶融塩電解質と前記第1の発光セルにおける前記第1の発光色素と補色の関係にある第2の発光色素とを含有する第2の発光層と、前記第2の発光層内に設けられた第2の多孔質層とを有する第2の発光セルとを具備することを特徴とする。
Figure 0004287412
本発明の一態様にかかる発光素子の製造方法は、透明基板の両面に透明な第1の電極を形成する工程と、
前記透明な第1の電極の一方の上に、微粒子を含むペーストを塗布し、焼成して多孔質層を形成して、多孔質層を有する両面透明電極基板を得る工程と、
基板上に第2の電極を形成する工程と、
前記第2の電極上に微粒子を含むペーストを塗布し、焼成して多孔質層を形成して、多孔質層を有する片面電極基板を得る工程と、
透明基板上に透明な第1の電極を形成して片面透明電極基板を得る工程と、
片面電極基板上に、両面透明電極基板と片面透明電極基板とを、間隙をもって積層する工程と、
前記両面透明電極基板と片面透明電極基板との間隙に、溶融塩電解質と第1の発光色素とを含有する第1の発光層を形成する工程と、
前記片面電極基板と両面透明電極基板との間隙に、溶融塩電解質と第2の発光色素とを含有する第2の発光層を形成する工程と、
側面に封止剤を配置する工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、擬似白色を発光する発光素子およびその製造方法が提供される。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる発光素子の構成を表わす断面図である。
図示する発光素子10は、第1の発光セル15と第2の発光セル22とが積層され、側面に封止剤24および25が設けられた構造である。
第1の発光セル15においては、透明電極12aおよび12bが離間対向して配置され、この間隙に第1の発光層13が配置される。第1の発光層13には、溶融塩電解質と第1の発光色素とが含有され、この発光層13中には多孔質層14が設けられる。なお、図中、多孔質層14、21を2段に整列した粒子として表わしているが、これは便宜的なものである。多孔質層14、21を形成する粒子は、必ずしも段を形成する必要はなく、粒子整列していなくともよい。後述する図面においても、同様である。
透明電極12aおよび12bとしては、例えば、ITO、ふっ素化SnO2などを用いることができる。こうした材料からな透明電極の膜厚は、膜の抵抗と透過度等に応じて決定され、例えば100〜50000nm程度とすることができる。図示するように、これらの透明電極12aおよび12bは、透明基板11aおよび11bにより支持することができる。透明基板は、例えば、ガラス基板、およびプラスチック基板などの可視光領域の吸収が少ない材料により構成することが望まれる。透明基板11aの厚さは、デバイスの強度と重量等に応じて決定することができ、通常0.5〜10mm程度である。
上述したような透明電極12aおよび12bの間隙に配置される第1の発光層13には、下記一般式(A)で表わされる構造を有する溶融塩電解質が含有される。
Figure 0004287412
カチオン成分としては、例えば、次のものを用いることができる。N,N,N−トリメチルブチルアンモニウムイオン、N−エチル−N,N−ジメチルプロピルアンモニウムイオン、N−エチル−N,N−ジメチルブチルアンモニウムイオン、N,N−ジメチル−N−プロピルブチルアンモニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N,N−ジメチルエチルアンモニウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3,4−トリメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルイミダゾリウムイオン、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−sec−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムイオン、N−(2−エトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムイオン、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−sec−ブチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピペリジニウムイオン、および、N−(2−エトキシエチル)−N−メチルピペリジニウムイオンなどである。
一方、アニオン成分としては、例えば、PF6 -,[PF3(C253-、[PF3(CF33-、BF4 -,[BF2(CF32-、[BF2(C252-、[BF3(CF3)]-、[BF3(C25)]-、[B(COOCOO)2 -](BOB-)、CF3SO3 -(Tf-)、C49SO3 -(Nf-)、[(CF3SO22N]-(TFSI-)、[(C25SO22N]-(BETI-)、[(CF3SO2)(C49SO2)N]-、[(CN)2N](DCA-)、[(CF3SO23C]-、および[(CN)3C]-などを用いることができる。なかでも、BF4 -,[BF3(CF3)]-、[BF3(C25)]-、BOB-、TFSI-、およびBETI-が好ましい。
発光色素は特に限定されないが、燐光色素であることが望ましい。燐光色素は重金属の錯体であることが望ましい。用いられる重金属としては、例えば、Ir、Tb、Yb、Nd、Er、Ru、Os、およびReなどが挙げられる。錯体中の重金属の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。配位子としては、例えばピリジン誘導体、ビピリジル誘導体、ターピリジル誘導体、フェナントロリン誘導体キノリン誘導体、アセチルアセトン誘導体、ジカルボニル化合物誘導体などが用いられる。なかでも、中心金属にRuを有する錯体が望ましい。これにより高い発光強度を得ることができる。
第1の発光層に含有される発光色素(第1の発光色素)は、後述する第2の発光セルの第2の発光色素(第2の発光色素)と補色の関係となるように組み合わせて用いられる。例えば、トリス(ビピリジル)ルテニウム(PF62とトリス(フェニルピリジル)イリジウムの組み合わせ、トリス(2−メチル,8−ヒドロキシキノラト)アルミニウムとトリス(ビピリジル)ルテニウム(PF62とルブレンとの組み合わせ、およびトリス(ビピリジル)ルテニウム(PF62とルブレンとの組み合わせが挙げられる。
また、電解質には、非プロトン性の有機溶媒を添加してもよい。有機溶媒を添加することによって粘度が低下し、さらに発光強度を向上させることが可能になる。有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、メチルプロピルカーボネートなどの炭酸エステル類や、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなどのエステル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類、およびこれら化合物にフッ素などの置換基を導入した各種溶媒からなる群より選択される溶媒を用いることができる。有機溶媒は、単独でも2種類以上を組み合わせて使用することができるが、なかでも、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートまたはビニレンカーボネートが好ましい。
有機溶媒が過剰に配合された場合には、酸化還元反応の可逆性が損なわれるおそれがあるため、有機溶媒の配合量は、電解質の20体積%以下とすることが望まれる。
第1の発光層13中には、多孔質層14が設けられる。図示する発光素子10においては、多孔質層14は、透明電極12aに接して設けられているが、他方の透明電極12bに接して設けることもできる。多孔質層14の材料としては、例えば、金属、半導体、および絶縁体が挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、シリコン、チタン、ニッケル、鉄、銅、金、銀、白金等を挙げることができる。また、合金としては、上記種類の金属を含むものやステンレスを挙げることができる。
半導体としては、例えば、可視光領域の吸収が少ない透明な半導体から構成することが望ましい。かかる半導体としては、金属酸化物半導体が好ましい。具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、インジウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンあるいはタングステンなどの遷移金属の酸化物、SrTiO3、CaTiO3、BaTiO3、MgTiO3、SrNb26のようなペロブスカイト型酸化物、ふっ素あるいはインジウムがドープされた酸化スズ、あるいはこれらの複合酸化物またはこれらの酸化物の混合物、GaNなどを挙げることができる。
絶縁体としては、例えば、アルミナおよびシリカなどを挙げることができる。
第1の多孔質層14を設けることによって、生成した色素の酸化体および還元体は拡散することを抑制されて、この多孔質層の微細孔内にとどまる。こうした効果は、多孔質層の材質の導電性に関らず得られる。通常、発光色素は2つの電極のみとの間で、電子のやり取りが行なわれる。導体あるいは半導体により多孔質層を形成した場合には、発光色素は表面積の大きな多孔質層表面とも電子のやりとりが可能になる。その結果、色素の酸化還元反応が促進されて、輝度が高められる。金属やチタニアなどの半導体を用いた場合、こうした効果は十分に発揮される
第1の多孔質層14は、光が乱反射しにくい材質の粒子を用いて形成することが望まれる。ここで用いられる粒子の粒径は、5nm以上20nm以下の範囲内であることが好ましい。粒子の粒径は、例えば、SEM、TEMによる観測、BET法により測定することができる。5nm未満の場合には、電解質中のイオン拡散が低下して輝度が弱くなるおそれがある。一方、20nmを越えると、多孔質層が光を乱反射させてしまうために、第2の発光層20からの光が透過せず、光の混色が十分に起こらないという問題が生じる。第1の多孔質層14の厚さは、0.5μm以上20μm以下程度が望ましい。この範囲内であれば、第2の発光セルからの光透過性を低下させることなく、多孔質層の効果を十分に得ることができる。
上述したような構成の第1の発光セル15の下方には、第2の発光セル22が設けられる。
第2の発光セル22においては、一対の電極18および19が離間対向して配置され、この間隙には第2の発光層20が設けられる。第2の発光層20中には、溶融塩電解質と第2の発光色素とが含有され、この発光層20中には多孔質層21が設けられる。
一対の電極18および19のうち、第1の発光セル15側である電極19は、透明電極により構成される。透明電極としては、第1の発光セルにおいて説明したものを用いることができる。他方の電極18は、ITOのみならず、金属基板、あるいはカーボン電極などを用いて構成することができる。電極18は、支持基板17により支持されている。支持基板17としては、例えば、ガラスやポリカーボネート、エポキシ樹脂などの有機基板等を用いることができる。
こうした一対の電極18および19の間隙に配置される第2の発光層20には、上述したような溶融塩電解質および第2の発光色素が含有される。すでに説明したように、第2の発光セル22における第2の発光色素は、第1の発光セルにおける第1の発光色素と補色の関係になるよう、適宜選択して決定される。
第2の発光層20中には、多孔質層21が設けられる。図示する発光素子10においては、多孔質層20は、電極18に接して設けられているが、対向する透明電極19に接して設けることもできる。多孔質層20の材料としては、上述したものを用いることができる。第2の発光セル22においては、多孔質層20は透過性が必要とされないため、使用し得る材質の範囲が広がる。ここで用いられる粒径は、5nm以上100nm以下程度が好ましく、5nm以上40nm以下の範囲がより好ましい。5nm未満の場合には、電解質中イオン拡散が低下して、発光強度が弱くなる問題が生じる。一方、100nmを越えると表面積が低下して、多孔質層が有効に働かないおそれがある。多孔質層21の厚みは0.5μm以上50μm以下程度が望ましい。0.5μm未満の場合には多孔質層の効果を十分に得ることができない。一方、50μmを越えると電極間距離が大きくなり、セル抵抗が上昇して輝度の低下が起こるおそれがある。
第2の発光セル22と第1の発光セル15とは図示するように積層して、側面に封止剤24および25が設けられる。封止剤24,25としては、例えば、エポキシ樹脂、アイオノマー、ポリエチレン、および低融点ガラス等を用いることができる。
以下に、図2乃至6を参照して、本発明の実施形態にかかる発光素子の製造方法を説明する。
まず、透明基板11aの両面に、例えばCVDによりふっ素化SnO2膜を堆積して透明な第1の電極12aおよび19を形成する。透明な第1の電極12a上には、粒子を含有するペーストを所定の膜厚で塗布し、焼成することによって図2に示すように多孔質層14を形成する。ペーストとしては、例えば、スイスソラロニクスSA社TiNanoxide HTペースト(チタニア粒径約10nm)を用いることができる。この場合の焼成条件は、400〜500℃で10〜60分程度とすることができる。
こうして、多孔質層14を有する両面透明電極基板が作製される。
次に、基板17としてのガラス上に、例えばスパッタリング法により金を堆積して第2の電極18を形成する。得られた第2の電極18上には、上述したような手法を採用して、図3に示すように多孔質層21を形成する。多孔質層21の形成には、例えば、日本アエロジル社製酸化チタン微粒子P25を水に分散したペーストを用いることができる。これによって、多孔質層21を有する片面電極基板が作製される。
別途、透明基板11b上に透明な第1の電極12bを形成して、片面透明電極基板を準備しておく。図4に示すように、片面電極基板上に、両面透明電極基板、および片面透明電極基板を順次積層する。各基板間には、スペーサー(図示せず)を配置して、所定の間隔を確保する。
一方、所定の組成で溶融塩電解質と発光色素とを組み合わせて、第1および第2の発光層材料を調製する。分散媒を用いる場合には、例えばプロピレンカーボネート、アセトニトリル等を用いることができる。溶融塩添加による十分な寿命改善効果を得るには、電解質中の溶融塩の含有量は、体積比で80%以上であることが好ましい。さらに好ましい範囲は、体積比で90%以上である。発光色素の濃度は、溶解度等に応じて決定することができる。得られた発光層材料を各基板の間隙に注入して、図5に示すように第1の発光層13および第2の発光層20を形成する。
最後に、図6に示すようにエポキシ樹脂などの封止剤を配置して、発光素子10が完成する。封止剤として熱可塑性樹脂であるアイオノマー系樹脂などを用いた場合には、この封止材が電解質へ溶出して色素の発光が阻害されるのを回避することができる。
図7には、本発明の他の実施形態にかかる発光素子の断面図を示す。
図示する発光素子は、第2の発光セルにおける一対の電極として、くし型電極28,29を用いた以外は、図1に示したものと同様の構成である。こうした電極は、例えばペースト状の導電性微粒子含有液を塗布する形成することができる。微粒子により形成された電極は、電極中の抵抗、電解液との界面抵抗、および配線上に形成されたポーラス層への電気的コンタクトが良好になる。また、印刷方法により形成できるため、従来のエッチング法を用いる場合よりも安価に発光素子が得られる。
以下、本発明の具体例を示す。
(実施例1)
まず、透明基板としての厚さ1mm厚のガラス基板の両面に、CVDによりふっ素化SnO2膜を10000nmの膜厚で堆積して透明な第1の電極を形成した。一方の透明な第1の電極上には、スイスソラロニクスSA社TiNanoxide HTペースト(チタニア粒径約10nm)を、厚さ50μmのメタルマスクを使用して印刷した。その後、450℃で30分間焼成することによって、第1の多孔質層として酸化チタン層が7μmの厚さで形成された。こうして、多孔質層を有する両面透明電極基板が得られた。
次に、厚さ1mmのガラス基板の片面に、前述と同様の手法によりふっ素化SnO2膜を10000nmの膜厚で堆積して、第2の電極としての透明電極を形成した。この上には、日本アエロジル社製酸化チタン微粒子P25を水に分散したペーストを、50μmのメタルマスクを使用して印刷した。その後、450℃で30分間焼成することによって、第2の多孔質層として酸化チタン層が7μmの厚さで形成された。こうして、多孔質層を有する片面電極基板が得られた。
別途、同様のガラス基板に透明な第1の電極を形成して、片面透明電極基板を得、これらを図4に示したように積層した。
第1の発光色素としてのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド10mLに、トリス(フェニルピリジル)イリジウムを沈殿が残るまで添加し、過飽和状態の溶液を5時間攪拌した。その後、静置し、沈殿をデカンテーションにより除去し、トリス(フェニルピリジル)イリジウムのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド飽和溶液を調製した。この溶液を、第1の発光層材料とした。一方、第2の発光層材料は、エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド10mLに、トリス(ビピリジル)ピリジウムヘキサフルオロホスフェートを沈殿が残るまで添加し、過飽和状態の溶液を5時間攪拌した。その後、静置し、沈殿をデカンテーションにより除去し、トリス(ビピリジル)ピリジウムヘキサフルオロホスフェートのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド飽和溶液を調製した。この溶液を、第2の発光層材料とした。各発光層材料を、図5に示したように基板の間隙に注入して、第1の発光層および第2の発光層を形成した。
最後に、封止剤としての三井デュポン社製ハイミラン1702により注入口を封止して、本実施例の発光素子が完成した。
得られた発光素子を3Vで駆動したところ、ほぼ白色の光が400cd/m2の輝度で観測された。
(実施例2)
第1の多孔質層および第2の多孔質層の構成、および、各発光層原料を次のように変更した以外は、前述の実施例1と同様にして本実施例の発光素子を作製した。
第1の多孔質層は、粒径20nmのチタニア粒子を用いて7μmの厚さで形成し、第2の多孔質層は、粒径40nmのチタニア粒子を用いて7μmの厚さで形成した。第1の発光色素としてのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド10mLに、トリス(2−メチル,8−ヒドロキシキノラト)アルミニウムを沈殿が残るまで添加し、過飽和状態の溶液を5時間攪拌した。その後、静置し、沈殿をデカンテーションにより除去し、トリス(2−メチル,8−ヒドロキシキノラト)アルミニウムのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド飽和溶液を調製した。この溶液を、第1の発光層材料とした。一方、第2の発光層材料は、エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド10mLに、トリス(ビピリジル)ピリジウムヘキサフルオロホスフェートを沈殿が残るまで添加し、過飽和状態の溶液を5時間攪拌した。その後、静置し、沈殿をデカンテーションにより除去し、トリス(ビピリジル)ピリジウムヘキサフルオロホスフェートのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド飽和溶液を調製した。この溶液を、第2の発光層材料とした。各発光層材料を、図5に示したように基板の間隙に注入して、第1の発光層および第2の発光層を形成した。
得られた発光素子を3Vで駆動したところ、ほぼ白色の光が350cd/m2の輝度で観測された。
(実施例3)
まず、透明基板としての厚さ1mmのガラス基板の片面に、実施例1と同様の手法によりふっ素化SnO2膜を1000nmの膜厚で堆積して透明な第1の電極を形成した。透明電極上には、実施例1と同様にして第1の多孔質層を7μmの厚さで形成して、両面透明電極基板を得た。
一方、ガラス基板上に、配線幅10μm、配線間隔5μmのくし型金電極を第2の電極として形成し、この上に、実施例1と同様の手法により第2の多孔質層を7μmの厚さで形成した。
別途、同様のガラス基板に透明な第1の電極を形成して、片面透明電極基板を得、これらを用いて図7に示したようにセル化した。
第1の発光色素としてのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド10mLに、トリス(フェニルピリジル)イリジウムを沈殿が残るまで添加し、過飽和状態の溶液を5時間攪拌した。その後、静置し、沈殿をデカンテーションにより除去し、トリス(フェニルピリジル)イリジウムのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド飽和溶液を調製した。この溶液を、第1の発光層材料とした。一方、第2の発光層材料は、エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド10mLに、トリス(ビピリジル)ピリジウムヘキサフルオロホスフェートを沈殿が残るまで添加し、過飽和状態の溶液を5時間攪拌した。その後、静置し、沈殿をデカンテーションにより除去し、トリス(ビピリジル)ピリジウムヘキサフルオロホスフェートのエチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド飽和溶液を調製した。この溶液を、第2の発光層材料とした。各発光層材料を、所定の間隙に注入して、第1および第2の発光層を形成した。
最後に、封止剤としてのポリエチレン樹脂により注入口を封止して、本実施例の発光素子が完成した。
得られた発酵素子を3Vで駆動したところ、ほぼ白色の光が420cd/m2の輝度で観測された。
(比較例)
多孔質層を設けない以外は実施例1と同様の材質、材料を用いて、図8に示すような構造の発光素子を作製した。
得られた発酵素子を3Vで駆動したところ、ほぼ白色の光が5cd/m2の輝度で観測された。
本発明の一実施形態にかかる発光素子の断面図。 本発明の一実施形態にかかる発光素子の製造方法の一工程を表わす断面図。 図2に続く工程を表わす断面図。 図3に続く工程を表わす断面図。 図4に続く工程を表わす断面図。 図5に続く工程を表わす断面図。 本発明の他の実施形態にかかる発光素子の断面図。 比較例の発光素子の断面図。
符号の説明
10…発光素子; 11a,11b…透明基板; 12a,12b…透明電極
13…第1の発光層; 14…多孔質層; 15…第1の発光セル; 17…基板
18…電極; 19…透明電極; 20…第2の発光層; 21…多孔質層
22…第2の発光セル; 24,25…封止剤; 27…発光素子
28,29…くし型電極; 30…第2の発光セル; 40…発光素子
41…第1の発光セル; 42…第2の発光セル。

Claims (5)

  1. 互いに絶縁された一対の透明な第1の電極と、これらに挟持され下記一般式(A)で表わされる構造を有する溶融塩電解質と第1の発光色素とを含有する第1の発光層と、前記第1の発光層内に設けられた第1の多孔質層とを有する第1の発光セルと、
    前記第1の発光セルに積層して配置され、互いに絶縁された一対の第2の電極と、これらに挟持され下記一般式(A)で表わされる構造を有する溶融塩電解質と前記第1の発光セルにおける前記第1の発光色素と補色の関係にある第2の発光色素とを含有する第2の発光層と、前記第2の発光層内に設けられた第2の多孔質層とを有する第2の発光セルとを具備することを特徴とする発光素子。
    Figure 0004287412
  2. 前記第1の発光セルにおける前記第1の多孔質層は、0.5μm以上20μm以下の厚さを有し、粒径5nm以上20nm以下の粒子から形成されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第2の発光セルにおける前記第2の多孔質層は、0.5μm以上50μm以下の厚さを有し、粒径5nm以上100nm以下の粒子から形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 前記第2の発光セルにおける前記一対の第2の電極は、積層方向に離間対向して配置され、これら一対の第2の電極のうち、前記第1の発光セル側は透明電極からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 透明基板の両面に透明な第1の電極を形成する工程と、
    前記透明な第1の電極の一方の上に、微粒子を含むペーストを塗布し、焼成して多孔質層を形成して、多孔質層を有する両面透明電極基板を得る工程と、
    基板上に第2の電極を形成する工程と、
    前記第2の電極上に微粒子を含むペーストを塗布し、焼成して多孔質層を形成して、多孔質層を有する片面電極基板を得る工程と、
    透明基板上に透明な第1の電極を形成して片面透明電極基板を得る工程と、
    片面電極基板上に、両面透明電極基板と片面透明電極基板とを、間隙をもって積層する工程と、
    前記両面透明電極基板と片面透明電極基板との間隙に、溶融塩電解質と第1の発光色素とを含有する第1の発光層を形成する工程と、
    前記片面電極基板と両面透明電極基板との間隙に、溶融塩電解質と第2の発光色素とを含有する第2の発光層を形成する工程と、
    側面に封止剤を配置する工程と
    を具備することを特徴とする発光素子の製造方法。
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