JP2007317533A - 発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低電圧駆動および高輝度発光が可能な発光素子を提供する。
【解決手段】 第一の電極(12a)と、前記第一の電極上に設けられ、チタニア微粒子の集合体で形成された多孔質層(15)と、前記第一の電極から絶縁された第二の電極(12b)と、前記多孔質層および前記第二の電極に接触して配置された電解質で形成された発光層(13)とを具備する発光素子である。前記電解質は、発光色素とイオン液体と2ppm以上130ppm以下の水とを含有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 第一の電極(12a)と、前記第一の電極上に設けられ、チタニア微粒子の集合体で形成された多孔質層(15)と、前記第一の電極から絶縁された第二の電極(12b)と、前記多孔質層および前記第二の電極に接触して配置された電解質で形成された発光層(13)とを具備する発光素子である。前記電解質は、発光色素とイオン液体と2ppm以上130ppm以下の水とを含有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発光素子に関する。
発光色素の電気化学反応のメカニズムを発光に利用した発光素子が知られている。こうした発光素子においては、電解質中の発光色素の一部がプラス(+)極上で酸化され、残りはマイナス(―)極上で還元される。生じた酸化体と還元体とが電解質層内で衝突して燐光を発生させ、それぞれが元の基底状態の発光材料に戻る。この原理を利用するとともに、多孔質層を導入した発光素子が発表されている(例えば、非特許文献1参照)。
かかる電気化学発光素子においては、ガラス基板上に形成されたSnO2/F透明導電膜が陰極として用いられる。SnO2/F透明導電膜が形成されたガラス基板の外側表面には、反射膜としてのアルミニウム層が形成される。対極としてはSnO2/F透明導電膜が形成されたガラス基板が使用され、アセトニトリルにルテニウム錯体を溶解してなる電解液が用いられる。陰極としてのSnO2/F透明導電膜上にナノチタニア結晶からなる多孔質層を設けることによって、発光輝度の向上を達成している。
電気化学発光素子は、発光輝度をさらに高めるとともに、駆動電圧を低くすることが求められているが、未だ達成されていないのが現状である。
九州工業大学大学院・生命体工学研究科、岡本清一、「チタニアナノ結晶集合体を電極に用いることによる電気化学発光の増大」、2004年度電気化学会(平成16年3月24日〜)要旨集310頁
九州工業大学大学院・生命体工学研究科、岡本清一、「チタニアナノ結晶集合体を電極に用いることによる電気化学発光の増大」、2004年度電気化学会(平成16年3月24日〜)要旨集310頁
本発明は、低電圧駆動および高輝度発光が可能な発光素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる発光素子は、第一の電極と、
前記第一の電極上に設けられ、チタニア微粒子の集合体で形成された多孔質層と、
前記第一の電極から絶縁された第二の電極と、
前記多孔質層および前記第二の電極に接触して配置された電解質で形成された発光層とを具備し、
前記電解質は、発光色素とイオン液体と2ppm以上130ppm以下の水とを含有することを特徴とする。
前記第一の電極上に設けられ、チタニア微粒子の集合体で形成された多孔質層と、
前記第一の電極から絶縁された第二の電極と、
前記多孔質層および前記第二の電極に接触して配置された電解質で形成された発光層とを具備し、
前記電解質は、発光色素とイオン液体と2ppm以上130ppm以下の水とを含有することを特徴とする。
本発明によれば、低電圧駆動および高輝度発光が可能な発光素子が提供される。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる発光素子の構成を表わす断面図である。
図示する発光素子においては、第一の電極12aと第二の電極12bとがスペーサー14を介して離間対向して配置され、2つの電極12aと12bとの間隙には、電解質からなる発光層13が配置される。第一の電極12aおよび第二の電極12bは、それぞれ第一の支持基板11aおよび第二の支持基板11bに支持されている。
第一の電極12aおよび第二の電極12bのうち、少なくとも発光面側に設けられる電極には透明性が要求される。すなわち、発光面側に配置される電極(例えば第一の電極12a)は、透明導電膜を用いて形成することができる。透明導電膜の材料としては、フッ素またはインジウムなどがドープされた酸化スズ膜、フッ素またはインジウムなどがドープされた酸化亜鉛膜などが好ましい。
他方の側に配置される電極(例えば第二の電極12b)も、透明導電膜により構成することができる。この場合には、伝導性を向上させて抵抗の上昇を防ぐ観点から、透明導電膜と併用して低抵抗な金属マトリクスにより配線を形成することが望ましい。あるいは、金属基板や合金基板により第二の電極12bを構成することもできる。こうした材料により第二の電極12bを構成する場合には、この第二の電極12bを支持する第二の支持基板11bは、必ずしも必要とされない。発光面と反対側の面に配置される電極は、カーボンシート、金属または合金により形成してもよい。カーボンシートとしては、炭素材料が導電性成分として機能するものであれば、特に限定されない。
第一の電極12aと第二の電極12bとの絶縁性が保たれていれば、これらの第一の電極12aおよび第二の電極12bは同一の支持基板上に形成してもよい。この場合には、第一の電極12aと第二の電極12bとは、いずれも櫛型電極として、互い違いになるよう、絶縁性の支持基板上に配置される。絶縁性の支持基板としては、例えば、ガラス基板、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの樹脂基板等を用いることができる。
透明導電膜が第一の電極12aおよび第二の電極12bの少なくとも一方として形成される場合には、図1に示すように支持基板が配置されることが好ましい。透明導電膜が設けられた支持基板の外側表面を発光面として機能させるため、支持基板としては、ガラス基板、およびプラスチック基板などの可視光領域の吸収が少ない透明基板を用いることが望まれる。
図示する発光素子においては、第一の電極12a上にチタニア微粒子の集合体からなる多孔質層15が配置されている。チタニア微粒子は光が乱反射しにくいので、この多孔質層15によって、発光輝度を向上させることができる。チタニアとしては、n型半導体であるルチル、アナターゼ、およびブルッカイトなど結晶性チタニアが望ましい。なかでもアナターゼは、導電性が比較的低いことから、より好ましい。
多孔質層15を構成するチタニア微粒子の粒径は、5nm以上300nm以下の範囲内であることが好ましい。チタニア微粒子の粒径は、例えば、SEM、TEMによる観測、BET法により測定することができる。この範囲内であれば、光を乱反射させることなく、発光輝度を十分に高めることができる。しかも、イオン拡散が低下するおそれもない。多孔質層15の厚さは、1μm以上50μm以下程度が望ましい。この範囲内であれば、電解液の拡散の阻害およびセル抵抗の増加という不都合を生じることなく、多孔質層15の効果を十分に得ることができる。
なお、図中、多孔質層15は2段に整列したチタニア微粒子の集合体として表わされているが、これは便宜的なものである。この多孔質層15を形成するチタニア微粒子は、必ずしも段を形成する必要はなく、粒子整列していなくともよい。
上述したような多孔質層15と第二の電極12bとの間隙には、電解質からなる発光層13が配置構成される。電解質には、発光色素とイオン液体と2ppm以上130ppm以下の水とが含有される。
発光色素としては、可逆的な酸化還元構造をとり得る燐光色素を用いることができる。金属−配位子間の遷移が高い系間交差確率を有することから、この燐光色素は重金属の錯体であることが望ましい。用いられる重金属としては、例えば、Ir、Tb、Yb、Nd、Er、Ru、Os、およびReなどが挙げられる。錯体中の重金属の種類は、単一でも2種類以上としてもよい。配位子としては、例えばピリジン誘導体、ビピリジル誘導体、ターピリジル誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、アセチルアセトン誘導体、およびジカルボニル化合物誘導体などが用いられる。金属−配位子間の遷移の効率を考慮すると、ビピリジル誘導体が好ましい。
高い発光強度が得られることから、中心金属にRuを有する錯体が望ましい。具体的には、ルテニウム(II)トリスビピリジル(PF6 -)2、およびルテニウム(II)トリスビピリジル(TFSI-)2などが挙げられる。
イオン液体は、常温(25℃)で液体のイオン液体であり、下記一般式(A)で表わされる構造を有するカチオンを含有することが好ましい。
上記一般式(A)で表わされる構造を有するカチオンとしては、例えば、次のものが挙げられる。N,N,N−トリメチルブチルアンモニウムイオン、N−エチル−N,N−ジメチルプロピルアンモニウムイオン、N−エチル−N,N−ジメチルブチルアンモニウムイオン、N,N−ジメチル−N−プロピルブチルアンモニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N,N−ジメチルエチルアンモニウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3,4−トリメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルイミダゾリウムイオン、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−sec−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムイオン、N−(2−エトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムイオン、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−sec−ブチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピペリジニウムイオン、および、N−(2−エトキシエチル)−N−メチルピペリジニウムイオンなどである。
用いる電位窓が広いことから、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムイオンがカチオンとして特に好ましい。
一方、アニオンとしては、例えば、PF6 -、[PF3(C2F5)3]-、[PF3(CF3)3]-、BF4 -,[BF2(CF3)2]-、[BF2(C2F5)2]-、[BF3(CF3)]-、[BF3(C2F5)]-、(BOB-)、CF3SO3 -(Tf-)、C4F9SO3 -(Nf-)、[(CF3SO2)2N]-(TFSI-)、[(C2F5SO2)2N]-(BETI-)、[(CF3SO2)(C4F9SO2)N]-、[(CN)2N]−(DCA-)、[(CF3SO2)3C]-、および[(CN)3C]-などを用いることができる。イオン液体の粘度を低くすることができることから、BF4 -,[BF3(CF3)]-、[BF3(C2F5)]-、BOB-、TFSI-、およびBETI-が好ましい。
本発明の実施形態においては、発光層13を構成する電解質には、上述したような発光色素およびイオン液体に加えて、所定量の水が含有される。電解質中の水は、第一の電極12a上の多孔質層15を構成しているチタニア微粒子の表面に作用する。チタニア微粒子の表面にはTi−O−Ti結合が存在しており、このTi−O−Ti結合と水(H2O)とが反応して、Ti−OH置換基が生じる。多孔質層15を構成しているチタニア微粒子表面のTi−OH置換基は、第一の電極12aから発光層13を構成している電解質への電子注入サイトとなる。チタニア微粒子の表面にTi−OH置換基が存在することによって、第一の電極12aと発光層13を構成している電解質との界面における抵抗が低下する。その結果、印加電圧を下げることができ、より低い電圧で発光素子を駆動することが可能となる。
こうした効果を得るために、電解質中における水の含有量は2ppm以上130ppm以下に規定される。2ppm未満では、多孔質層15を構成しているチタニア微粒子の表面に、十分な量のTi−OH置換基を形成することができない。一方、130ppmを越えて多量に含有されている場合には、電圧を印加した際に電解質中の水分子が電気分解されてガス化し、H2ガスやO2ガスが発生する。こうして生じたH2ガスやO2ガスは、セル中に気泡を生成することから、発光素子の輝度を低下させ、さらに発光の面内均一性性能が低下する。電解質中における水の含有量は、25ppm以上80ppm以下がより好ましい。
電解質中における水の含有量は、その電解質を調製する工程で決定される。具体的には、常法によりイオン液体に発光色素を加えて電解質を調製した後、フタ付の容器に収容する。ここに、所定の含有量となるように水を加えて、マグネチックスターラー等により攪拌する。加えられた水の量が、電解質中に含有される水の量に相当するので、調製時における水の蒸発は極力防止することが求められる。したがって、水を加えてから攪拌が終了するまでの雰囲気は、極力少ない量の乾燥ガスといった条件にしておくことが望まれる。
乾燥ガスとしては、空気、窒素、およびアルゴン等を用いることができる。密閉された容器内に気体部分が存在していると、この気体中の水分がイオン液体の水分量に影響を及ぼすおそれがある。イオン液体中の水の含有量を所定の範囲に制御するために、気体中の水分は極力少ないことが望まれる。乾燥ガスを用いることによって、これを達成することができる。
フタ付の容器としては、例えば、スクリューバイアル、および栓付きのフラスコ等を用いることができる。また、その他のイオン性不純物を除くために、水としてはイオン交換水、および蒸留水を用いることが好ましい。
攪拌後には、水分測定用カールフィッシャー測定機(例えば、三菱化成製モイスチャーメーターCA−06)で水分量を測定して、電解質中の水の含有量が得られる。
本発明の実施形態にかかる発光素子におけるセルは、例えば図1に示したように、第一の支持基板11aに支持された第一の電極12aと、第二の支持基板11bに支持された第二の電極12bとを、スペーサー14を介して対向配置することによって構成することができる。得られたセルの間隙には、電解質を注入して発光層13を形成し、エポキシ樹脂等の封止材で注入口を封止することによって、本発明の実施形態にかかる発光素子を作製することができる。
本発明の実施形態にかかる発光素子を駆動するに当たっては、直流電流および交流電流のいずれを流してもよい。前述した式(A)で表わされる構造のカチオン成分を含むイオン液体を含有する電解質を使用する場合には、交流電流を選択することが望ましい。これにより、酸化体と還元体との衝突機会を多くすることができ、発光強度を高くすることが可能である。
本発明の実施形態にかかる発光素子においては、発光色素およびイオン液体に加えて、所定の量の水が電解質中に含有されているので、素子の駆動開始電圧を低下させることが可能となった。駆動開始電圧の低下にともなって、所定の電圧(例えば3V)の輝度は高められ、高輝度での発光が可能となった。低電圧駆動によって、発光層を構成している電解質の長寿命化も達成される。
以下、本発明の具体例を示す。
(サンプル1)
まず、第一の支持基板11aとして厚さ1mmのガラス基板上に、透明導電膜としてのふっ素ドープ酸化スズを約1μmの膜厚で堆積して、第一の電極12aを形成した。得られた第一の電極12aのシート抵抗は、6Ω/sqであった。第一の電極12a上には、以下の手法により多孔質層15を設けた。
(サンプル1)
まず、第一の支持基板11aとして厚さ1mmのガラス基板上に、透明導電膜としてのふっ素ドープ酸化スズを約1μmの膜厚で堆積して、第一の電極12aを形成した。得られた第一の電極12aのシート抵抗は、6Ω/sqであった。第一の電極12a上には、以下の手法により多孔質層15を設けた。
多孔質層15の形成に当たっては、まず酸化チタン粒子(日本アエロジル社製P−25)5g、水10g、およびエタノール5gを混合して、ペースト状の多孔質層原料を調製した。5mm×20mmのマスク(厚さ50μm)を介して、このペーストを第一の電極の所定の領域に印刷した。ホットプレートにより乾燥後、電気炉を用いて450℃で30分焼成した。こうした印刷および乾燥の工程を4回繰り返して、厚さ20μmのポーラスチタニア膜を形成し、多孔質層15を得た。
前述と同様のガラス基板を第二の支持基板11bとして用意し、同様の手法により透明導電膜を堆積して第二の電極12bを形成した。第二の電極12bのシート抵抗は、6Ω/sqであった。
厚さ約50μmアイオノマー樹脂を介して第一の電極12aと第二の電極12bとを配置し、120℃で5分間加熱することにより固定した。
一方、イオン液体としての1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド10gと、発光色素としての1.2gのルテニウム(II)トリスビピリジル(PF6 -)2を加えて電解質を調製した。
イオン液体1kgを収容したフタ付瓶に、任意の量の水を加えて、マグネチックスターラーにより攪拌した。ここでは、加える水の量は0.015gとした。その後、水分測定用カールフィッシャー測定機(三菱化成製モイスチャーメーターCA06)で水分量を測定したところ、15ppmであった。
この電解質を注入口から2つの電極の間隙に注入して発光層13を形成し、第一の電極12aおよび第二の電極12bの周辺をエポキシ樹脂で封止して、図1に示すような発光素子を作製した。
得られた発光素子を1週間室温で放置した後、交流電流を流して発光開始電圧を調べた。発光開始電圧は、トプコン社製BM−8輝度計またはこれと同等の機能を有する輝度計を使用した際の最低表示単位である1cd/m2を示した電圧である。発光開始電圧は2Vであった。また、3Vにおける輝度は120cd/m2であった。
(サンプル2〜9)
水の添加量を表1に示した割合で混合した電解質を使用する以外はサンプル1と同様の方法でセルを作製した。上述と同様にして、各発光素子の発光開始電圧および3Vにおける輝度を調べ、その結果を下記表1にまとめる。なお、表1には、サンプル1の結果も併せて示した。
水の添加量を表1に示した割合で混合した電解質を使用する以外はサンプル1と同様の方法でセルを作製した。上述と同様にして、各発光素子の発光開始電圧および3Vにおける輝度を調べ、その結果を下記表1にまとめる。なお、表1には、サンプル1の結果も併せて示した。
サンプルNo.2は、水含有量が2ppm未満であり、サンプルNo.9は、水含有量が130ppmを越えている。水含有量の条件を満たしていないので、これらは比較例の発光素子である。水が含有されないNo.2においては、発光開始電圧が2.7Vと高いため、3Vの輝度は10cd/m2にとどまっている。一方、150ppmの水が含有されたNo.9では、水の電気分解に起因すると思われる気体が発生して消光してしまった。
上記表1の結果から、水が含有されることによって発光開始電圧が低下することがわかる。2ppm以上130ppm以下の量で水が含有されることによって、発光開始電圧は2.6V以下に低減される。水の含有量が、25ppm以上80ppm以下の場合には、発光開始電圧は、1.8V程度まで低減することができる。
発光開始電圧が低下することによって、3Vの輝度が向上することが表1に明確に示されている。すなわち、高輝度化が達成された。
以上説明したように、本発明の実施形態にかかる発光素子においては、発光層を構成する電解質中に所定量の水が含有されるので、発光開始電圧を低下させて発光輝度を高めることが可能となった。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11a…第一の支持基板; 11b…第二の支持基板; 12a…第一の電極
12b…第二の電極; 13…発光層; 14…スペーサー; 15…多孔質層。
12b…第二の電極; 13…発光層; 14…スペーサー; 15…多孔質層。
Claims (4)
- 第一の電極と、
前記第一の電極上に設けられ、チタニア微粒子の集合体で形成された多孔質層と、
前記第一の電極から絶縁された第二の電極と、
前記多孔質層および前記第二の電極に接触して配置された電解質で形成された発光層とを具備し、
前記電解質は、発光色素とイオン液体と2ppm以上130ppm以下の水とを含有することを特徴とする発光素子。 - 前記イオン液体における前記アニオンは、(CF3SO2)(CF3SO2)N-であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。
- 前記電解質中の前記発光色素はRu錯体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光素子。
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