JP4285767B2 - 熱安定性キシラナーゼ - Google Patents
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Description
本発明は、新規な微生物及び新規な酵素、特に熱安定性キシラナーゼに関する。
これらのキシラナーゼは、嫌気性好熱性バクテリアから得られ、紙・パルプ工業で使用される条件、即ちpH9以上、温度70℃以上の条件下で使用出来、この酵素は特に温度80℃で活性である。
発明の背景
キシランは、植物ヘミセルロースの一構成成分であり、キシランは、1,4−グルコシド結合のβ−D−キシロース基質から成る。普通、キシランは、キシロース及び他のペントース、ヘキソース、ウロン酸及びアセチル基を含む側鎖又は基を有する。
紙の製造方法において、パルプの漂白は最も重要な工程である。紙・パルプ工業においてパルプ処理に使用される方法は、図式的には次の様に行われる。
パルプは、所謂酸素脱リグニン工程で、大部分のリグニンを除去する為に、pH10〜12で、温度80℃で処理される。処理後のパルプは、2〜5%のリグニンを含む。このリグニンは、パルプを褐色にする。次いで、このパルプは、多段漂白方法で漂白される。この漂白方法で、塩素、二酸化塩素、過酸化水素及び/又はオゾンの様な化学物質が使用され、高品質紙の白色パルプが得られる。
塩素及び塩素含有化学物質は、この漂白方法でよく使用される。然しながら、これら化学物質の使用は、ダイオキシン及びその他の塩素化有機化合物を形成する事となり、それらは環境への脅威となる。それ故、この種の廃棄生成物を発生する化学物質の使用を制限する傾向が出てきている。
これは、無塩素方法、つまり完全無塩素(TCF)及び基本的無塩素(ECF)の方法の開発傾向を促進した。これらの方法では、過酸化水素又はオゾンが漂白の為に使用される。然しながら、これらの酸化化学物質の使用は、紙の品質、特に紙の強度においてマイナス効果を持つ可能性がある。
或る種の酵素は、漂白剤をより一層受容可能なパルプとし、それにより漂白量を減少させる事が分かっている。特に、キシラナーゼは、紙・パルプ処理において非常に有用である事が分かっている。キシラナーゼがパルプからのリグニンの抽出性を増大する事は報告されている。現在の方法では、キシラナーゼは、それらが酸素脱リグニンの際に使用される条件下では活性ではなく、生存しないので、酸素脱リグニン工程の後で使用されるのが殆どである。
キシラナーゼは、リグニンのセルロースの網目構造への密着に関与するヘミセルロース鎖を開裂する。キシラナーゼ処理後、リグニンは、次工程において一層容易に除去される。
それ故、キシラナーゼの使用は、25〜30%の予備漂白で、活性塩素の消費の減少につながる。塩素のこの減少は、得られる紙の品質係数に影響しない(Viikari et al., 1986. Proc. of the third Int. Conf. Biotechnology in Pulp and Paper Ind., Stockholm, p.67-69 and Bajpai and Bajpai. 1992. Process Biochemistry. 27: 319-325)。
又、キシラナーゼ処理は、漂白方法での他の化学物質、例えば過酸化水素の必要性を減少する。
クラフトパルプの漂白での菌源由来のキシラナーゼの使用が報告されている。それらは酸性キシラナーゼであり、この酵素の最適pH及び温度は、pH=3〜5、温度=30〜50℃である。これらの値は、効果的な条件が、pH≧9で温度≧70℃である漂白方法での使用には理想的ではない。
最適な高いpH及び/又は温度を持つバクテリア源由来のキシラナーゼが、漂白方法に使用される事は報告されている。これらの幾つかは、次の種由来のものである(括弧内は報告されたキシラナーゼ活性の最適pHと温度である):
バチルス・ピュミラス(Bacillus pumilus)(pH=7〜9、温度=40℃,Nissen et al., 1992. Progress in Biotechnology 7: 325-337)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)(pH=7、温度=65℃、国際特許出願WO 91/10724)、ディクトボグロマス・サーモフィリウム(Dictvoglomus thermophirium)(pH=6〜8、温度=70℃、ヨーロッパ特許出願EPO 511933)、ロードサーマス(Rhodothermus)(pH=5.5〜6.5、温度=80〜100℃、ヨーロッパ特許出願EPO 538177)、サーモトーガ(Thermotoga)(pH=5〜6、温度=90℃、国際特許出願WO 93/19171)及びサーモアナエロバクテル・エタノリカス(Thermoanaerobacter ethanolicus(温度=68℃、Deblois and Wiegel. 1992. Progress in Biotechnology 7: 487-490)。
漂白用としてこれらのキシラナーゼの幾つかの使用が請求されているが、≧80℃の温度で、顕著な脱リグニン活性として望ましい特性を有する事は、今日まで報告されていない。
発明の要約
本発明は、ニュージーランドの温泉から純粋培養で単離された嫌気性好熱性微生物から得られるキシラナーゼを開示する。この微生物は、1994年4月14日付けで、オランダ国のバルン(Baarn)の中央微生物寄託所(Centraal Bureau voor Schimmelcultures)(CBS)に寄託された。
また、本発明は、少なくとも80℃の温度で相当なキシラナーゼ活性を有する酵素を開示する。更に、本発明は、前記キシラナーゼが、少なくとも80℃の温度で顕著な脱リグニン活性を有する事を開示する。前記酵素は寄託された株から得られる。
更に、本発明は、80℃の温度で活性なキシラナーゼの調製方法を開示する。この方法は、適当な培地での本発明の寄託微生物の培養と、次いで表示した活性を有するこの酵素の回収を含む。
又、本発明は、上記キシラナーゼをコードする遺伝子のクローニングを開示する。また、宿主細胞でのこれら遺伝子の発現が開示される。この酵素は、この方法で得られた時は略純粋である。この様に、また本発明は、キシラナーゼを得る為のその他の方法、即ち組み換えDNAの発現を開示する。
更に、本発明は、高温で、高いpHを使用する工業的適用条件に等しい条件下でのキシラナーゼの適用を開示する。
【図面の簡単な説明】
図1は、6つのエクストレモフィル株(extremophilic strains)の内部共通配列(internal consensus sequence)の系統分析を示す。配列は、次の順に命名される:微生物/前進プライマー/組み換え数。表示された枝番は、この配列のブーツストラップ分析(boot-strap analysis)から得た値である。
図2は、ファミリーGの内部共通配列の順次配列を示す。
図3は、pJLA602中のSphl-BamHlフラグメントとして挿入されたTG456由来のxynDのキシラナーゼドメインを示す。
図4は、実施例15で開示されている漂白された広葉樹パルプTCFから調製された紙の紙質を示す。Refは酵素無し、715はTG456 xynD、716はTG53 xynDである。ショッペン−リーグラー値(Schoppen-Riegler values)に関する引っ張り係数(A)、空隙率(B)、引き裂き(C)及び破裂(D)が与えられる。
図5は、実施例15で開示されている漂白された広葉樹パルプECFから調製された紙の紙質を示す。Refは酵素無し、715はTG456 xynD、716はTG53 xynDである。ショッペン-リーグラー値(Schoppen-Riegler values)に関する引っ張り係数(A)、空隙率(B)、引き裂き(C)及び破裂(D)が与えられる。
図6は、実施例15で開示されている漂白された針葉樹パルプTCFから調製された紙の紙質を示す。Refは酵素無し、715はTG456 xynD、716はTG53 xynDである。ショッペン-リーグラー値(Schoppen-Riegler values)に関する引っ張り係数(A)、空隙率(B)、引き裂き(C)及び破裂(D)が与えられる。
図7は、実施例15で開示されている漂白された針葉樹パルプECFから調製された紙の紙質を示す。Refは酵素無し、715はTG456 xynD、716はTG53 xynDである。ショッペン-リーグラー値(Schoppen-Riegler values)に関する引っ張り係数(A)、空隙率(B)、引き裂き(C)及び破裂(D)が与えられる。
図8は、TCF(A)及びECF(B)漂白広葉樹パルプ及びTCF(C)及びECF(D)漂白針葉樹パルプの、実施例15で決定される精製曲線を示す。Refは酵素無し、715はTG456 xynD、716はTG53 xynDである。
図9は、TG456 xynDキシラナーゼと、パルプチームHB(Pulpzyme HB)(ノボノルディスク社)の最適pH(A)と最適温度(B)との比較を示す。
図10は、80℃、pH7.0(A)と65℃、pH9.0(B)での、TG456 xynDキシラナーゼと、パルプチームHB(Pulpzyme HB)(ノボノルディスク社)の熱安定性の比較を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、ニュージーランドの温泉から単離された微生物を開示する。これら微生物は、嫌気性好熱性バクテリアとしての特徴を持ち、レイニイ(Rainey)(1992. PhD thesis, University of Waikato, Hamilton, New Zealand)によって分類された。
この微生物は、キシラン−アガー分散アッセイを使用して順次スクリーンされた。このテストで透明帯を示した株は潜在的キシラナーゼ産生株として選択された。この株は、pH7.0と、微生物による温度75又は80℃の嫌気性条件下で増殖した。限外ろ過で濃縮後、培養ブロスのキシラナーゼ活性を、pH=6.5及び9、温度=80℃でのアッセイで分析した(実施例1)。
6つの異なる株が、表示された条件下でキシラナーゼ活性を産生する事が分かった。これら微生物は、1994年4月14日付で、寄託番号CBS211.94、CBS212.94、CBS213.94、CBS214.94、CBS215.94及びCBS216.94で寄託された。
又、本発明は、キシラナーゼ活性を有する酵素、特に少なくとも80℃の温度で、且つpH6以上で顕著なキシラナーゼ活性を有する酵素を開示する。前記酵素は、寄託株の突然変異株及び変種からも得られる。
「顕著な活性」なる表現は、本発明の酵素が、少なくとも80℃で、少なくとも40%の活性を有する事を意味するので、これらは、70℃では、好ましくはこれは少なくとも60%であり、より好ましくは約少なくとも80%であり、より一層好ましくは約200%である。
更に、本発明は、約80℃の温度で活性であるか、又はこれらの条件下で顕著な活性を有するキシラナーゼの調製方法を開示する。この方法は、適当な培地で本発明の寄託された微生物の培養、次いで表示の活性を有する酵素の回収を含む。キシラナーゼの単離及び精製は、常法に従って行う事が出来る。
酵素の部分的精製は、実施例2で例示される。この実施例では、細胞は、まず始めに中空繊維ろ過(hollow fiber filtration)で除去される。次いで、タンパク質が、1Mの最終濃度までの硫酸アンモニウムの添加によって更に精製される。この溶液を、次いでフェニルセファロースカラムに入れ、タンパク質が、1M塩化ナトリウムで溶出される。最後に、このタンパク質が、限外ろ過で濃縮され、塩は隔膜ろ過(diafiltration)で除去される。
アルカリpHでのキシラナーゼのキシラン分解能を確認するため、pH7及び9で、表示の株から単離したキシラナーゼの活性の比較を、異なる基質を使用して、70℃で行った(実施例3)。このキシラナーゼは、アルカリpHで著しい活性を有する事を示した。基質及びアッセイによって、pH9では、このキシラナーゼは、pH7でそれらが有する活性の約20%以上を有する。或るキシラナーゼは、pH9で、pH7での活性の80%を保持する事を示した。
表示の株から単離されたキシラナーゼの熱安定性は、著しく変化する。幾つかのキシラナーゼは、非常に熱安定性である。それらは、pH=9で、温度80℃で2時間以上の半減期を有する(実施例4参照)。本発明のキシラナーゼのpH=9で、温度80℃での半減期は、少なくとも10分、好ましくはこれらの条件下で20分以上、より好ましくは30分以上、なお一層好ましくは60分以上で、最も好ましくは、半減期は120分以上である。
又、本発明は、嫌気性好熱性株から得られるキシラナーゼをコードする事を特徴とするDNA配列のクローン化及び発現を開示する。本発明は、本発明のキシラナーゼをコードするDNA配列を含む事を特徴とする発現ベクターを含むベクターを開示する。それらのベクターの一つで形質転換される事を特徴とする微生物宿主細胞も開示される。
本発明のキシラナーゼをコードするDNA配列の配列分析は、得られる配列が二つの酵素類、即ちギルケス等(Gilkes et al.)(1991、Microbiol. Rev. 55: 303-315)によって以前に定義されたF-型及びG-型に分類される事を示した。
本発明の微生物から得られるxynA、xynB及びxynC配列は、F-型キシラナーゼに属する。これらの微生物から得られるxynD配列は、G-型キシラナーゼに属する(実施例6、7、8及び9参照)。好熱性微生物由来のG-型キシラナーゼが、今までで最上のものである事を既に開示したものはない。本発明のキシラナーゼの源であるこの好熱性微生物は、ここにおいて、65℃より高い最適増殖温度を持つ微生物と定義される。好ましくは、この最適増殖温度は68℃より高く、より好ましくはこの最適増殖温度は70℃より高く、最も好ましくはこの最適増殖温度は75℃以上である。大腸菌での本発明の、F-型及びG-型二つのキシラナーゼDNA配列の発現は、活性タンパク質を与える事が示される(実施例10及び11参照)。このタンパク質は、80℃の温度で活性である。
本発明開示の実施例で証明されたクローン化及び発現は、相同性微生物での遺伝子の発現を可能とする。また、発現は、適切な発現と分泌調節配列(secretion regulating sequences)を使用して、他の微生物において行う事も出来る。使用される微生物としては、酵母、菌及びバクテリアが挙げられる。特定の微生物としては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)及びバチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)から選ばれた株が挙げられる。
本発明の酵素は、オートスペルト(oat spelt)キシラン及びカンバ材キシランに関して著しい活性を有する事を示した。更に、本発明の酵素は、それらの漂白能力が試験された。この漂白能力は本発明の酵素の脱リグニン化活性によって決定される。本発明は、幾つかの木材パルプで測定された様な、顕著な脱リグニン化活性を有する酵素を開示する。酵素調製物、キシラナーゼは、少なくとも80℃の温度で、木材パルプの脱リグニン化を可能とする。「木材パルプ」なる表現は、広い意味で理解されるべきもので、一切のリグノセルロース物質を含む事を意図するものである。
この酵素は、広葉樹及び針葉樹パルプの両方について、それらの漂白能力が試験された。リグニン除去は、二種類の方法で測定された(実施例5)。培地でのリグニンは、A300試験で決定された。この試験で、全ての調製物が、広葉樹、針葉樹のいずれについても、80℃で顕著な脱リグニン化活性を示した。pH9で、80℃で針葉樹についての活性は、pH6での活性の少なくとも43%であり、広葉樹については、3つの株が、pH9で、pH6での活性に比べて50%以上の活性を示し、他の3つが18〜30%の活性を示した。又、針葉樹パルプの漂白は、カッパ(kappa)試験を使用して、パルプのリグニン含量の減少を決定する事によって測定された。カッパ値(kappa number)は、キシラナーゼ調製物で以て、pH9の80℃でのパルプ培養後に、0.5〜0.4単位減少した。
更に、本発明の酵素の漂白能力は、例えば、常法で処理されたパルプで造られた紙、更に前記の酵素で培養したパルプで造られた紙と、酵素無しの培養で造られた紙とを比較して、そのISO白色度の増加でもって測定出来る。前記の常法処理は、従来技術により過酸化水素、オゾン、塩素ガス或いは二酸化塩素の如き漂白剤への曝露を含む。
大腸菌で発現される本発明のクローン化F-型及びG-型キシラナーゼは、針葉樹及び広葉樹パルプ両方についてのECF漂白実験で、それらの性能が試験された(実施例12参照)。驚くべきことに、G-型キシラナーゼ(xynD遺伝子でコード化された)は、最上のF-型キシラナーゼで、せいぜい1.2%ISO白色度増加に比べて、酵素無しの対照より6.8%ISOデルタ白色度までの、F-型キシラナーゼと比較して、針葉樹及び広葉樹の両方の漂白処理において一層良好な性能を示す事が観察された。更に、熱安定性G-型キシラナーゼの試験は、これらが、針葉樹及び広葉樹パルプ双方についてのTCF漂白実験でも優れた結果を生む事を示した(実施例14及び15参照)。この様にして漂白されたパルプから造られた紙の性質の検証は、酵素無しの対照の紙と殆ど変わらない事を示した。
クローン化G-型キシラナーゼは、高いpHにおいても極めて熱安定性である。80℃、pH7.0で、30分以上の半減期が測定された。65℃、pH9.0では、この酵素の半減期は、120分の培養後でも顕著に減少しない(実施例16参照)。
本発明のG-型キシラナーゼの、pH9.0で65℃での半減期は、少なくとも10分であり、好ましくはこれらの条件下での半減期は、20分以上、より好ましくは30分以上、なお一層好ましくは60分以上で、最も好ましくは半減期は120分以上である。
本発明は、その内部共通フラグメント(internal consensus fragment)(ICF)が、配列番号12のICFと80%以上の同一性を示す熱安定性G-型キシラナーゼをコード化するDNA配列を開示する。このG-型ICFは、ここにおいて、配列番号12において、配列番号4及び配列番号5に相当する配列の間(ヌクレオチド位置295〜623)に在るフラグメント、と定義される。好ましくは、このG-型ICFとの同一性は、87%以上、より好ましくはこの同一性は95%以上、最も好ましくは、この同一性は99%以上である。
更に、その他の実施態様において、本発明は、配列番号13のアミノ酸配列で、少なくとも70%の同一性を共有するG-型キシラナーゼを開示する。好ましくは、このアミノ酸同一性は、80%以上、より好ましくは、このアミノ酸同一性は90%以上、なお一層好ましくはこのアミノ酸同一性は95%以上、最も好ましくはこのアミノ酸同一性は99%以上である。
本発明の酵素は、上に述べたパルプ調製方法での酸素脱リグニン工程後に直ちに使用出来る。この酵素の温度並びにpH特性の結果として、高価な冷却及びpH調節が避けられる。本発明のまた別の実施態様では、この酵素は酸素脱リグニン工程の前又は工程中で使用される。この工程前ではリグニン濃度が高く、従ってキシラナーゼの適用効果は一層大きい。
更に、本発明の酵素調製物の適用として、特に、木材が本発明による前記酵素調製物で処理される方法が開示される。
同様に、フラッフパルプ(fluff pulp)が、本発明の酵素調製物で処理出来る。
更に、本発明は、本発明の酵素調製物で処理された木材パルプから作られる紙、ボード及びフラッフパルプに関する。
実施例1
熱安定性キシラナーゼ活性産生株の単離
キシラナーゼ産生微生物を、ニュージーランドの様々な高温地域にある温泉から得た。この株は、70℃以上の温度で、6.0〜8.5の間のpHの温泉から、基質としてオートスペルトキシランを使用して、現場での濃縮で単離された。株の培養物は、サンプルが採取された現場の温度に相当する温度(70°、75°又は85℃)で、2/1培地+キシランの実験室での、更なる嫌気性培養で得られた。
2/1培地+キシランの組成は次の通りである。
株の純粋培養物は、アガー・ロールチューブの単一コロニーから得た。限外ろ過で得た培養濃縮物を、染色キシラン法(dyed xylan method)(以下で参照)及びPAHBAH法(実施例3参照)を使用して、70℃及び80℃で、pH6.5及び9.0でのキシラナーゼ活性について試験した。
CBS(Centraal Bureau voor Schimmelcultures)に寄託した6つの株は、表1に示される。
レマゾールブリリアントブルーR(Remazol Brilliant Blue R)(シグマ)に結合したカラマツ樹キシランから成る染色キシランを、ビーリイ等(Biely et al.)(1985. Anal. Biochem 144, 142-146)により開示された方法に従って調製した。
カラマツ樹キシラン(6.7g)を、250mlの水に入れ、数時間、室温で攪拌して溶解した。レマゾールブリリアントブルーR(10.0g)をこの混合物に添加した。溶解後、20mlの酢酸ナトリウム溶液(20mlの蒸留水中に2.7gの酢酸ナトリウム)滴状で添加した。次いで、水70ml中の水酸化ナトリウム6gの溶液を添加し、攪拌を18時間続けた。形成された染色キシランを、96%エタノール700mlを添加して沈殿させた。6時間静置した後、沈殿物をろ過(Whatman GF/A)で分離した。フィルターケークを、96%エタノール/0.05M酢酸ナトリウムの2:1の混合物の3lで、次いで96%エタノール1l及びアセトン3lで、ろ液が透明になるまで洗浄した。収量は10.5g染色キシランであった。
酵素アッセイの為、5.1gの染色キシランを、150mlの0.1M MOPSバッファー、pH6.8に溶解した。混合物を、70℃で、4時間攪拌して溶解した。室温まで冷却後、不溶解物を、10,000x gで、遠心分離機で除去した。活性アッセイの為、3.34% w/v染色キシランを含む貯蔵溶液を、0.1M MOPSバッファー、pH6.8で希釈して、0.5%染色キシラン作業溶液を得た。
染色キシランを使用する酵素アッセイは、混合しながら、適当なバッファーで、0.9ml染色キシラン溶液(0.5%)を、0.6ml酵素調製物に添加して行った。この混合物の一部(0.4ml)を、対照(ブランク)として96%エタノールの0.8ml中に移した。残りの溶液を、70℃で、90分間培養した。この試験混合物の0.4mlを、96%エタノールの0.8mlに移す事によって、反応を停止させた。この溶液を、未開裂染色キシランを沈殿させる為に、室温で、30分間放置した。この試験サンプルを、ベックマンマイクロフュージE(Beckman Microfuge E)で、全速力で5分間遠心分離に掛け、上澄み液の吸光度を、分光光度計で、595nmで測定した。
実施例2
酵素調製物の単離
嫌気性醗酵を、75又は80℃のいづれかの温度(培養される微生物による)で、24時間、静置培養で、2/1+キシラン培地の1800mlを含む2lのスコット瓶(Schott bottle)中で行った。ウエル増殖培養物の10lから、0.01%トリトンX100(Amicon DC 10 LA及びAmicon 0.1μm H5MP01-43フィルター)を使用して、中空繊維ろ過で、細胞を除去した。最終濃度の1Mまで、硫酸アンモニウムを、細胞無しの培養培地に添加した。得られた溶液を、1M硫酸アンモニウムで平衡にされたフェニルセファロース(Pharmacia-Fast Flow-low置換)の1lを含む9x15cmのカラムにポンプで送った。流速は150-200ml/分であった。カラムを、5lの1M硫酸アンモニウムで洗浄した。キシラナーゼを5lの1M塩化ナトリウムで溶出した。画分を、500-1000ml容量で収集した。キシラナーゼ活性をその画分で決定し(実施例3で開示されるPAHBAH法で)、活性画分をプールし、少容量まで限外ろ過し、YM2膜を備えたアミコン攪拌セル(Amicon Stirred Cell)(Model 2000A又は8400)を使用して、塩濃度を低下させる為に隔膜ろ過した。
実施例3
部分的精製酵素調製物のキシラナーゼ活性の特徴
分析方法
キシラナーゼ活性のアッセイは、サムナーアッセイ(Sumner assay)(Sumner et al., 1921. J. Biol. Chem. 47: 5-9)を変更した方法を使用して行った。別に、キシラナーゼ活性を、レバー(Lever)(1973. Biol. Med. 1: 274-281)の方法を基本とした、変更PAHBAHアッセイを使用して決定した。
方法1
オートスペルトキシランについてのキシラナーゼ活性のサムナーアッセイ
オートスペルトキシラン基質溶液を、次の様にして調製した。
4gのオートスペルトキシランを、100mlの蒸留水に懸濁し、この懸濁液を6分間、超音波処理し(超音波装置:ソニックアンドマテリアルス、ビブラセル タイプVC250B)、100℃で、10分間培養し、ソーバルRC−5B遠心分離機で、10,000rpmで10分間遠心分離に掛けた。この上澄み液を基質溶液として使用した。約2%のオートスペルトキシランを含有する。
アッセイは、次の様にして行った。
試験管を、200μlのオートスペルトキシラン溶液、適当なバッファーで希釈した酵素調製物(実施例2)の600μl液で充たした。この試験管を、水浴中で、15分間、測定条件下で培養した。培養後、7.2mlのDNS(dinitrosalicylic acid、ジニトロサリチル酸)試薬を添加した。この混合物を、水浴中、100℃で10分間加熱し、その後、この試験管を氷上で冷却した。吸光度は、575nmで測定した。この酵素試料のバックグラウンド吸光度を取り除く為、対照実験を次の様にして行った。
酵素調製物無しの基質を含む試験管を、前記試験試料と同様の条件下で培養した。15分の培養後、7.2mlのDNSと酵素試料を、この順序で添加した。
一単位のキシラナーゼ活性(xU)とは、還元糖として測定される、1μモルのキシロース当量を産生する酵素の量と定義される。
実際の測定条件は、pH7.0、9.0及び70℃であった。pH7では、50mMリン酸塩バッファーを使用し、pH9では、50mNほう酸塩/KOHバッファーを使用した。
方法2
カバ材キシランについてのキシラナーゼ活性のサムナーアッセイ
方法1で開示の方法と殆ど同じ方法を使用した。オートスペルトキシラン溶液に代えて、カバ材キシラン懸濁液を使用した。カバ材キシラン基質溶液は、次の様にして調製した。
4gのカバ材キシランを、0.2NNaOH50mlに懸濁し、明らかに溶解するまで震盪した。溶液のpHを氷酢酸で7.0に調整し、水を加えて100mlとし、この溶液を、ソーバルRC−5B遠心分離機で、10,000rpmで遠心分離に掛けた。この上澄み液を基質溶液として使用した。約3%のカバ材キシランを含有する。試験条件は、pH7及び9で、70℃であった。結果を表3に示す。
方法3
オートスペルトキシランについてのキシラナーゼ活性のPAHBAHアッセイ
PAHBAH法(Lever, 1973)の変更は、PAHBAH試薬に対して行い、次の通りである:
0.05Mクエン酸三ナトリウム、0.1M亜硫酸ナトリウム、0.02M塩化カルシウム、0.5M水酸化ナトリウム及び0.1Mp−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド(PAHBAH)。
酵素調製物のアッセイの為、0.05ml又は0.1mlの酵素調製物を、0.3mlの基質バッファー(50mMビス−トリス−プロパン、必要とされるpH、+0.2%オートスペルトキシラン懸濁液)と混合した。適当量の水を、最終容量が0.5mlになるまで添加した。培養は、通常通り、70℃、30分間で行った。反応停止の為、1.0mlのPAHBAH試薬を培養後に添加し、この試料を、100℃で6分間加熱した。ブランクは、酵素がPAHBAH試薬の後に添加される試料と同じに培養した基質バッファーから成る。420nmでの吸光度を決定する前に、上澄み液から、懸濁したキシランを除去する為に、全ての試料をベックマンマイクロフュージE(Beckman Microfuge E)で、全速力で1分間遠心分離に掛けた。結果を表4に示す。この表から、pH9.0、80℃で、全ての株は、pH6.0、70℃に比較して、尚顕著な活性を有する事が結論付けられる。
実施例4
キシラナーゼ活性の熱安定性
酵素調製物のキシラナーゼ活性の半減期は、次の様にして決定した。
酵素調製物を、100mMTAPSバッファー(80℃でpH9.0)中で、1/10に希釈し、80℃で培養した。試料を、0、10、20、40、60及び120分で取り出し、この最終アッセイに都合のよい1/20〜1/100の最終希釈まで、氷上の100mM MOPSバッファー(70℃でpH6.0)に添加した。この試料を、それらが実施例3の方法3に記載されたPAHBAHアッセイ法を使用して、70℃、pH6.0でアッセイされるまで氷上に保持した。結果を表5に示す。
実施例5
脱リグニン活性
キシラナーゼの脱リグニン性能は、二種類の方法で決定した。A300法を使用して、酵素処理後にパルプから放出されたリグニン量を推定した。カッパアッセイ(kappa assay)を使用して、処理後のパルプの残留リグニン含有量を測定した。
方法1:A300試験
A300アッセイで脱リグニンを測定する為、酵素調製物を、針葉樹又は広葉樹パルプと一緒に、湿潤パルプのグラム当たり2PAHBAH単位の濃度(乾燥パルプのグラム当たり約6PAHBAH単位)で培養した。培養は、80℃で、MOPSバッファーで、pH6.0とTAPSバッファーで、pH9.0の両方で2時間行った。培養でのパルプ濃度は、0.1g湿潤重量/mlであった。二種類のパルプを使用した。即ち、酸素脱リグニン後のクラフト針葉樹パルプ及び酸素脱リグニン後のクラフト広葉樹パルプである。これらパルプの性質を表6に示す。
パルプから除去されたリグニンの量は、焼結ガラスフィルターの上に支持されたワットマンGF/Cフィルターでの吸引ろ過でパルプから上澄み液を分離した後、300nmでのその上澄み液の吸光度を測定して決定した。A300試験の結果を表7に示す。このアッセイで、≧0.2のデルタA300値は、バックグラウンド水準より著しく高かった。それ故、この試料は、酵素が、80℃で著しい脱リグニン化活性を持つ事を示す。
方法2:カッパ試験
カッパ試験は、TAPPIプロトコルT236(TAPPI、Technology Park, Atranta, USA、から入手可能)に依り、幾らかの変更を加えて行った。酵素調製物を、10xU/gパルプ(乾燥重量)の投与量で添加し、pH9、80℃で2時間培養した。対照として、パルプを、同じ時間、同じ条件下で、酵素添加無しで培養した。表6で示した性質の酸素脱リグニン化針葉樹パルプを使用した。
酵素添加のカッパ値と、酵素添加無しのカッパ値の間の相違は、カッパ減少と呼び、脱リグニンの値である。カッパ減少は、表8に示される。このアッセイで、≧0.5の値は、バックグラウンド水準より著しく高い値である。それ故、前の実施例同様に、この試料は、酵素が、80℃で著しい脱リグニン化活性を持つ事を示す。
実施例6
熱安定性F-型キシラナーゼをコード化する遺伝子の内部一致フラグメントのコローニング及び配列決定
6.1 キシラナーゼ遺伝子の内部フラグメントのPCR増幅
3つのPCRプライマーを、キシラナーゼ遺伝子の内部共通フラグメントを増幅するのに使用した。即ち、2種類の前進プライマー(xynFA、{5′CAC ACK CTK GTK TGG CA 3′、配列番号1}及びxynFB、{5′CAT ACK TTK GTT TGG CA 3′、配列番号2})及び1種類の復帰プライマー(xynR、{TMG TTK ACM ACR TCC CA、配列番号3})。xynFA及びxynFBプライマーは、同じ場所に結合しているが、前進共通領域でのキシラナーゼ遺伝子の配列における僅かな相違で配列において僅かに相違する。PCR条件は、次の通りであった:(94℃で1分、50℃で1分、72℃で1分)x30。全てのファミリーF内部共通フラグメントは、略350bpであった。
6.2 PCR生成物の配列決定
全ての内部キシラナーゼPCR−生成物(約350bp)は、M13mp10配列ベクターのSmal(ホスファターゼ化)部位にクローニングする前に、以下に記述の様に、末端修復(逆充填)された。
ステップ1−酢酸アンモニウム沈殿:
(a)50μlPCR混合物を、TEバッファー(10mMTris-Cl、1mMEDTA、pH8.0)で100μlとする。(b)100μlの4M酢酸アンモニウムと250μlの100%エタノールを添加する。(c)氷上で15分間(又は−20℃で一昼夜)培養する。(d)16,000rpmで15分間遠心分離に掛け、上澄み液を棄てる。(e)500μlの冷い70%エタノール中でペレットを洗浄する。再遠心分離(16,000rpmで5分間)に掛け、上澄み液を棄てる。(f)ペレットを、真空下で5分間乾燥し、20μlのTEバッファーに再懸濁する。
ステップ2−PCRフラグメントの末端修復:
(a)20μlの沈殿DNAに、3μlの10xリガーゼバッファー(ベーリンガーマンハイム)、1μlの12.5mMdNTP’s(ファーマシアDNA重合混合物)、0.5μl(5U)の大腸菌DNAポリメラーゼラージ(クレノウ(Klenow))フラグメント(BRLテクノロジーLtd.)、0.25μl(2.5U)のT4DNAポリメラーゼ(ベーリンガーマンハイム)、0.25μl(2.5U)のT4ポリヌクレオチドキナーゼ(ベーリンガーマンハイム)及び水を、30μlまで添加する。(b)37℃で30分間培養し、70℃、10分間の培養で酵素を熱的に死滅させる。
ステップ3−末端修復されたキシラナーゼフラグメントのゲル精製:
(a)DNAを、1xトリス−アセテートバッファー(pH7.8)の2%LMPアガロースに通す。(b)アガロースから、350bpキシラナーゼバンドを削除する。(c)ジェンクリーン方法(GeneClean procedure)(Bio 101 Inc.)を使用して、アガローススライスからDNAを精製する。
ステップ4−M13mp10(Smal-ホスファターゼ化)中への連結反応:
(a)1μlのM13mp10ベクターDNA(約10ng/μlまで適当に希釈した)、20〜50ngのインサートDNA(キシラナーゼ共通プライマーフラグメント)、1μlの10xリガーゼバッファー(ベーリンガーマンハイム)、1μlのT4DNAリガーゼ(ベーリンガーマンハイム)及び水を10μlまで混合する。(b)室温で、一昼夜培養する。
ステップ5−大腸菌株JM101への連結反応混合物の形質転換:
(a)チュン等(Chung et al.)(1989. Proc. Natl. Acad. Sci. 86: 2172-2175.)のDMSO−仲介形質転換技術を使用して、全体で10μlの連結反応混合物でJM101を形質転換する。(b)M13/JM101をプレートにして、標準方法(サムブルック等(Sambrook et al.)、1989. Cold Spring Harbour Laboratory Press)を使用して、組み換えM13プラスミドを単離する。
内部キシラナーゼ共通フラグメントを含む組み換えM13ファージを、染色−プライマー化学を使用して(使用されたシークエンスプライマーは、一般的なM13前進(染色標識化)プライマー(ABI Ltd.)であった)、アプライドバイオシステム373A自動化DNAシークエンサーで、ssDNA(Sambrook et al. 1989)から配列した。全てのDNA配列データは、シリコングラフィックパーソナルイリスワークステーション(Silicon Graphics Personal Iris Workstation)で作動するG C G配列分析ソフト(イリスに装着されている)を使用して分析、処理された。
ファミリーFキシラナーゼ内部フラグメント配列結果:
キシラナーゼ共通プライマーを使用して、表1に示される6つの株から増幅されたPCRフラグメントを基にして、各微生物は、ファミリーFキシラナーゼ遺伝子を1〜3の間で含む事が予測された。この結果は、公知のブートストラップ分析(boot-strap analysis)(Wisconsin Molecular Biology Pakage, Devereux, 1984, Nucleic Acids Res. 12, 387-394)で分析された。図1において、種々のキシラナーゼ及び株の系統樹が示される。ファミリーF共通フラグメントのヌクレオチド配列から、各微生物は3つの異なるファミリーF遺伝子を含む事が明らかである。各微生物のファミリーFキシラナーゼ遺伝子の各々は、クラスターA、クラスターB及びクラスターCと表示される別々のキシラナーゼクラスター(ヌクレオチドと1級アミノ酸配列相同性を基とした)に属する。TG456から増幅された完全な長さのキシラナーゼは、クラスターAに属し、後にTG456 xynAと命名された。更に、TG456クラスターBキシラナーゼ(TG456 xynB)とクラスターCキシラナーゼ(TG456 xynC)から内部共通フラグメントが同定された。
実施例7
熱安定性G-型キシラナーゼをコード化する遺伝子の内部共通フラグメントのクローニング及び配列決定
7.1 G−型キシラナーゼ遺伝子の内部フラグメントのPCR増幅
ファミリーGの内部共通フラグメント(ICFs)を、前進及び復帰ファミリーG共通プライマー(GF及びGR)を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で単離した。このPCRの内容は次の通りであった。注:℃は摂氏度を表し、xはサイクルの数を表す(即ち、x1は1サイクルに等しい)。
(94℃で4分)x1
(94℃で1分、45℃で1分、72℃で1分)x35
(94℃で1分、45℃で1分、72℃で6分)x1
PCRは、50μlの反応中で、次の成分を使用して行った:100ngのGFプライマー、100ngのGRプライマー、0.25mMdNTPs、1単位のタックポリメラーゼ(Taq Polymerase)、0.25mM塩化マグネシウム、10mMトリス−塩酸、pH8.8、50mM塩化カリ、0.001%ゼラチン、1〜10ngの鋳型DNA。
2つのPCRプライマーを、キシラナーゼ遺伝子の共通フラグメントを増幅するのに使用した:
6つの株全てで、PCRフラグメントは、共通プライマーでの増幅によって見出された。
2種類のPCR生成物(DNAフラグメント)が増幅された:予想通りのサイズの300bpフラグメントと、予想外の600bpPCR生成物−この600bpフラグメントは300bpPCR−生成物の頭−尾ディマーであった:多分、この600bp種は、GFとGRプライマーの間の相同の結果として、PCR反応中での自己プライミング(self-priming)の結果である。
7.2 PCR生成物の配列決定
各微生物から増幅された300bpフラグメントが末端修復された(実施例6参照)。
末端修復されたフラグメントを、次いでジェンクリーン方法(GeneClean procedure)(Bio 101、La Jolla、Calif.)を使用して、1%低溶融温度アガロースゲルから精製した(トリス−アセテート実行バッファー中で実行する)。凡そ10ngの末端修復された、ゲル精製300ICFsが、10μlの反応中で、BM T4 DNAリガーゼを使用して、M13mp10のSmal部位に連結された。
7.3 PCR生成物の配列決定
株TG457とTG53由来の6つの独立ファージを配列した。これらの株の各々には、一本鎖のG−型キシラナーゼ遺伝子のみが存在する事が、この配列(図2)から明らかである。更に、TG453、TG456、TG479及びTG631由来のファミリーG−ICFsから成るM13mp10組み換え体を配列した。これらの微生物は、DNA配列での変化は13%までであるが、殆ど同じキシラナーゼをコード化する全てのファミリーGキシラナーゼ遺伝子から成っていた。
実施例8
完全な長さのF−型キシラナーゼの配列
内部PCRフラグメントの基体につき、3つの異なるタイプのF−キシラナーゼ遺伝子が同定された:xynA、xynB及びxynC。
ゲノムウオーキングPCR(Genome Walking PCR)(GWPRCR)を使用して、完全な長さのキシラナーゼ遺伝子が、殆どの株から単離された。
TG456xynA遺伝子の完全に長い配列が決定された。xynA遺伝子の完全な配列は、配列番号6で与えられる。TG456キシラナーゼAのコード化アミノ酸配列は、配列番号7で与えられる。
xynB及びxynCに対しては、遺伝子が、1つのキシラナーゼドメインで複数ドメイン酵素をコード化する事が発見された。これらのキシラナーゼドメインは、キシラナーゼドメインの境界にある配列上で設計されたPCRプライマーを使用してサブクローン化された。
TG456由来のxynB及びxynCの為の部分配列情報は、配列番号8及び配列番号10のそれぞれで与えられる。TG456キシラナーゼB及びCのコード化されたアミノ酸配列は、配列番号9及び配列番号11のそれぞれで与えられる。
実施例9
G−型キシラナーゼ遺伝子の完全な配列
ゲノムウオーキングPCR(Genome Walking PCR)(GWPRCR)を使用して、完全な長さのxynD遺伝子が、殆どの株から単離された。
TG456のxynD遺伝子の完全な配列は、配列番号12で与えられ、コード化TG456キシラナーゼDアミノ酸配列は配列番号13で与えられる。
実施例10
クローン化遺伝子からのキシラナーゼ産生の為の発現ベクターと宿主の構築
共通PCRプライマーにおいて、適当な発現ベクターでキシラナーゼ遺伝子のサブクローニングを許す適当な制限部位が設計された。
xynA及びxynC遺伝子は、フレーム融合(in-flame fusion)の為に、ランブダL及びRプロモーター(lambda L and R promorters)[Gibbs, M. G. Saul D. J, Luthi, E., and Bergquist, P. L.(1992).「カルドセラムサッカロリチカム」(Caldocellum saccharolyticum)由来のβ-マンナナースは、複数ドメイン酵素の一部である。Appl. Environ. Microbiol. 58(12): 3864-3867]で以て、pJLA602の発現ベクターのNcol-BamHIの中に挿入される[Schauder, B., Bluker, H., Frank R., and McCarthy, J. E. G.(1987). Inducible Expression Vectors Incorporating the Escherichia coli atpE Transcriptional Initiation Region. Gene 52: 279-283]。
xynB及びxynD遺伝子は、pJLA602の非反復Sphl-BamHI部位に挿入された。
構築物は、標準の形質転換技術を使用して、大腸菌JM101及び大腸菌DH5α中に転移された。
図3は、Sphl-BamHIフラグメントのpJLA602に挿入されたTG456由来のxynDのキシラナーゼドメインの配列を示す。
実施例11
クローン化キシラナーゼの産生及び回収
クローン化F-型キシラナーゼ由来のタンパク質試料を得る為に、大腸菌クローンを、10.0リットル容量のLH醗酵器(シリーズ210)で醗酵させた。この培養物を、通気(4.8l/分)、震盪(500rpm)、及びpH調節(pH7.1)を続けながら、誘導(42℃)まで30℃に維持した。使用した培地及びその他の添加物は以下の通りである。
ルリアブロス(接種培養用):
トリプトン 10g
酵母抽出物 5g
塩化ナトリウム 10g
水 1000mlまで
醗酵器実行用BGM2バルク増殖培地(量は最終培地用、即ち8.5lの2バッチ):
塩化アンモニウム 3.22g
リン酸二水素カリウム 1.05g
硫酸マグネシウム・7水和物 0.135g
硫酸カリウム 0.043g
硫酸第一鉄・7水和物 0.003g
SL−10微量元素 1ml
トリプトン 10g
酵母抽出物 4.7g
グリセロール 34ml
水 1000mlまで
その中に水約6リットルの入った醗酵容器を121℃で30分間、加圧加熱処理で殺菌した後、30℃に冷却した。培地濃縮物(8.5折り畳み濃縮物(fold concentrate))を、殺菌した0.2μmカートリッジフィルター(Sartorius)を通して汲み上げた。培養前に、次の様な添加を行った。
消泡剤(ベバロイド5901) 10ml(加圧加熱処理)
塩化カルシウム 1ml(加圧加熱処理)
アンピシリン 850mg(フィルター殺菌処理)
チアミン(JM101培養物のみ) 8.7mg(フィルター殺菌処理)
液容量を、次いで8.5lに調整した。培地のpHを7.1に調整した。4.8l/分の流速で、醗酵器を通してフィルター殺菌した空気を散布した。フィンガープローブを通して、温冷水循環で醗酵器温度を30℃に保持した。pH調節は、オートクレーブ下の水酸化ナトリウム(5M)又は硫酸(2M)の添加によって行った。醗酵器の攪拌速度は500rpmであった。
培養は、0.2〜0.4のOD650の100μg/mlのアンピシリンと、ルリアブロスで増殖した大腸菌クローンの新鮮な培養物の液(約10.0ml)で開始した。この細胞を、30℃で11〜13の間のOD650に増殖し、次いで、培地濃縮物で回分飼育(fed-batced)し、回収し、14〜16の間のOD650に増殖した。これらは、温度を42℃に上昇する事によって、続いて誘発された。
細胞は、最大OD650が達成された後4時間で採取された。この細胞を、中空繊維ろ過(0.1μm、アミコン)で回収し、50mMトリス−塩酸(pH8.0)、7.5mMEDTA、7.5mMβ−メルカプトエタノール、0.02%PMSF、1.0μMペプスタチンA、0.02%DNアーゼ及び0.02%リゾチーム中に再懸濁し、4℃で1時間培養した(全容量約1l)。この細胞を、溶解するまで(顕微鏡で観察される)1分ブラストで4〜6分間、160mlバッチで、氷上で超音波処理した。56mMPMSFの液(イソプロパノール中)を、それぞれ2分の超音波処理に対して、1mMPMSF未満の最終濃度まで添加した(それぞれの添加は160μMに相当)。溶解が完結後、細胞の残骸を遠心分離で除去した。上澄み液を、タンパク質の明らかな沈殿が生起するまで(普通約20〜30分)70℃で加熱処理し、この変性タンパク質を遠心分離で除去した。フェニル−セファロースクロマトグラフィーの前に、硫酸アンモニウムを、この加熱処理した上澄み液に、1.0Mの最終濃度まで添加した(これを、1°加熱処理抽出物と名付ける)。超音波処理細胞からの細胞ペレットを、50mMトリス−塩酸(pH8.0)、5mMEDTA、7mMβ−メルカプトエタノールの1リットル懸濁液で再抽出し、次いで70℃で15分間の第二加熱処理し、沈殿したタンパク質を遠心分離で再度除去した。これは、更に20〜40%のキシラナーゼを抽出した事が分かった。これを2°加熱処理抽出物と名付けた。硫酸アンモニウムを、この2°加熱処理抽出物に、1.0Mまで添加し、1°及び2°加熱処理抽出物をフェニル−セファロース分離前にプールした。キシラナーゼ活性を、1.0M塩化ナトリウムを使用して、1100mlベッド容量フェニル−セファロースカラムから段階的に溶出し(1.0M硫酸アンモニウムでの多量な洗浄後に、ベースラインへ戻す)、この溶出タンパク質を濃縮して、YM3隔膜(アミコン)の限外ろ過で塩分除去した。調製物の最終濃度は、25mMトリス−塩酸(pH8.0)、5mMEDTA、7mMβ−メルカプトエタノール、約250mM塩化ナトリウム、20%グリセロール及び0.05%ナトリウムアジドである。
G−型キシラナーゼの産生の為のこの方法は、抽出(pH8.0)及び脱塩(pH7.3)工程の為のトリス−塩酸に代えてHEPESバッファーが使用された以外は上述の方法と殆ど同じである。最終の調製物は、50mMHEPES、pH7.3、1mMEDTA、7mMβ−メルカプトエタノール、0.05%ナトリウムアジド、20.0%グリセロール及び±250mM塩化ナトリウムのバッファー組成を有した。
全部で、6つのF−型調製物(5つのxynA及び1つのxynB)と、2つのG−型調製物の十分な純度のものが得られた。F−型及びG−型調製物のタンパク質濃度は、標準BCA法(Pierce,Rockford, IIIinois, USA)で決定した。試料の純度は、SDS-PADEゲル(Phast-system, Pharmacia, 20% gel)を使用して、F-型の約40kDa、及びG-型の約25kDaでのバンドの厚さを、不純物のバンドの厚さと比較する事によって概算で推定した。試料の純度は、20〜70%の間で変化した(表9)。
実施例12
クローン化F−及びG−型キシラナーゼでのECF漂白結果
ECF漂白を、スウェーデンのパルプ工場からの酸素脱リグニン化クラフトパルプを使用して行った。この針葉樹パルプ(SW)は、16.0のカッパ値を有し、広葉樹パルプ(HW)は10.6のカッパ値を有していた。表10で示される条件下で、XDEDの順序が使用された。
これらの実験結果は、表11に示される。酵素タンパク質の基体について比較すると、G−型キシラナーゼは、F−型キシラナーゼに比べて極めて良好に作用する事が分かる。
実施例13
クローン化G−型キシラナーゼでのECF投与−応答曲線
実施例12に記載されたものと同じXDED漂白順序を使用して、2つのG−型キシラナーゼの投与量を変えた。結果を表12に示す。1〜3μg/gパルプの投与量は、少なくとも2点のISO白色度で増加を示す。
実施例14
クローン化G−型キシラナーゼでのTCF漂白結果
2つのG−型キシラナーゼを、以下の実施例15で記載されるXQPP順序を使用して、TCF漂白順序で試験した。酸素脱リグニン化広葉樹クラフトパルプを使用した(30g o.d./試料)。G−型キシラナーゼの投与量は表13で示した様に変化させた。X、P1及びP2段階後に各試料に対して得られたISO白色度値は、表13に示される。この値は、2つの試料の平均値を表す。
この実験を、3及び6μgタンパク質/gパルプの投与量を使用して繰り返した。P2段階後に得られた白色度値のみを決定した。結果を表14に示す。
実施例15
ECF及びTCFの結果と紙の性質
スウエーデンのパルプ工場から供給されたクラフトH/WとクラフトS/WパルプのECF及びTCFでの漂白効果について、キシラナーゼ試料を試験した。TG456xynDとTG53xynD(実施例中では、それぞれ715及び716と呼ぶ)を、「酵素無し」の参考例(Ref)と比較した。ランペンボールミル(Lampen ball mill)での精製試験は、715が、引き裂き係数で顕著な改善を、そして引っ張り及び破裂係数で著しい低下なしに、全体にわたって最高の効果を与える事を示した。
スクリーニングプロトコル
上記実験で得られた結果を、表15(広葉樹)及び表16(針葉樹)に示す。
紙の性質の検証
全ての順序が完全に漂白された後、30gの試料を取り、ランペンボールミルで、10,000、20.000及び30,000回転で精製した。ショッパーリーグラー(Schopper-Rieglers)を測定し、その後、引っ張り係数、空隙率、引き裂き係数及び破裂係数測定の為に、約2gのシートを作製した。このシートを、23℃で、50%相対湿度で24時間の条件に置いた。得られた結果を図4〜8に示す。
実施例16
TG456xynDの最適pH、最適温度及び熱安定性
基質としてオートスペルトキシランを用いて、実施例2の方法1で活性を測定した。全てのアッセイは、50mMリン酸バッファー中で、pH及び温度は指示の通りにして行った。結果を図9及び10に示す。
TG456キシラナーゼDは、参考の酵素パルプチーム(Pulpzyme HB)(ノボノルディスク社)と比較して、より一層熱安定性であり、僅かに高い最適pHを有する。
配列表
(1) 配列番号:1の情報
配列特性
配列の長さ:17塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源
個体・単離クローン名:xynFA
配列:配列番号:1:
(2) 配列番号:2の情報
配列特性
配列の長さ:17塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源
個体・単離クローン名:xynFB
配列:配列番号:2:
(3) 配列番号:3の情報
配列特性
配列の長さ:17塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:Yes
起源
個体・単離クローン名:xynR
配列:配列番号:3:
(4) 配列番号:4の情報
配列特性
配列の長さ:21塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源
個体・単離クローン名:GF
配列:配列番号:4:
(5) 配列番号:5の情報
配列特性
配列の長さ:20塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:Yes
起源
個体・単離クローン名:GR
配列:配列番号:5:
(6) 配列番号:6の情報
配列特性
配列の長さ:1065塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源
生物名:エクストレモフィル(Extremophile)
個体・単離クローン名:TG456
配列の特徴
特徴を表す記号:CDS
存在位置:3..1058
他の情報:産物=キシラナーゼ A、遺伝子:xynA
配列:配列番号:6:
(7) 配列番号:7の情報
配列特性
配列の長さ:351アミノ酸
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直線状
配列の種類:タンパク質
配列:配列番号:7:
(8) 配列番号:8の情報
配列の特徴
配列の長さ:1633塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源
生物名:エクストレモフィル(Extremophile)
個体・単離クローン名:TG456
配列の特徴
特徴を表す記号:CDS
存在位置:1..1632
他の情報:部分的、産物=キシラナーゼ B、遺伝子=xynB
配列:配列番号:8:
(9) 配列番号:9の情報
配列特性
配列の長さ:544アミノ酸
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直線状
配列の種類:タンパク質
配列:配列番号:9:
(10) 配列番号:10の情報
配列の特徴
配列の長さ:1125塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源
生物名:エクストレモフィル(Extremophile)
個体・単離クローン名:TG456
配列の特徴
特徴を表す記号:CDS
存在位置:1..1125
他の情報:部分的、産物=キシラナーゼ C、遺伝子=xynC
配列:配列番号:10:
(11) 配列番号:11の情報
配列特性
配列の長さ:375アミノ酸
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直線状
配列の種類:タンパク質
配列:配列番号:11:
(12) 配列番号:12の情報
配列の特徴
配列の長さ:1244塩基対
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直線状
配列の種類:Genomic DNA
ハイポセティカル配列:No
アンチセンス:No
起源
生物名:エクストレモフィル(Extremophile)
個体・単離クローン名:TG456
配列の特徴
特徴を表す記号:CDS
存在位置:1..1107
他の情報:部分的、産物=キシラナーゼ D、遺伝子=xynD
配列:配列番号:12:
(13) 配列番号:13の情報
配列特性
配列の長さ:368アミノ酸
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直線状
配列の種類:タンパク質
配列:配列番号:13:
Claims (18)
- 80℃以上の温度及びpH9.0で、顕著な脱リグニン化活性を有する事を特徴とするキシラナーゼであって、前記キシラナーゼのアミノ酸配列が配列番号13の全配列と少なくとも95%の同一性を有する事を特徴とするキシラナーゼ。
- 80℃及びpH9.0で、10分より長い半減期を持つ、請求項1記載のキシラナーゼ。
- a)キシラナーゼがG−型キシラナーゼであり、そしてb)キシラナーゼが、65℃を越える最適増殖温度を持つ好熱性微生物由来のものである事を特徴とする、請求項1又は2記載のキシラナーゼ。
- 好熱性微生物が嫌気性である事を特徴とする、請求項3記載のキシラナーゼ。
- キシラナーゼが、80℃及びpH7.0で、10分より長い半減期を持つ事を特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のキシラナーゼ。
- キシラナーゼが、65℃及びpH9.0で、10分より長い半減期を持つ事を特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキシラナーゼ。
- キシラナーゼが、寄託番号CBS211.94、212.94、213.94、214.94、215.94及び216.94で寄託された株からなる群から選ばれる株由来のものである事を特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載のキシラナーゼ。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のキシラナーゼをコードする、単離され精製されたDNA。
- 請求項8記載のDNAを含むベクター。
- 請求項9記載のベクターで形質転換され、または請求項8記載のDNAを外来DNAとして含む事を特徴とする、微生物宿主細胞。
- 嫌気性及び好熱性バクテリアであり、寄託番号CBS211.94、212.94、213.94、214.94215.94又は216.94を有する事を特徴とする、単離された微生物。
- 適当な培地で、請求項10記載の宿主細胞又は請求項11記載の微生物を培養し、キシラナーゼを回収する事を特徴とする、キシラナーゼの調製方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のキシラナーゼを、キシランを含有する組成物と接触させることを特徴とする、キシランの分解方法。
- キシラナーゼが、80℃以上の温度で使用される、請求項13記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のキシラナーゼを、キシラナーゼが活性となる条件下、80℃以上の温度で木材パルプと接触させることを特徴とする、木材パルプの脱リグニン化方法。
- キシラナーゼが、酸素脱リグニン工程の前又は工程中又は工程後に使用される事を特徴とする、請求項15記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のキシラナーゼを含む、キシランの分解用又は木材パルプの処理用の組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のキシラナーゼ、又は請求項10記載の微生物宿主細胞の、キシランの分解又は木材パルプの脱リグニンのための、使用方法。
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