JP4285365B2 - 感熱記録体および新規な顕色剤化合物 - Google Patents

感熱記録体および新規な顕色剤化合物 Download PDF

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Description

本発明は、加熱によって発色画像を形成する感熱記録体に関するものである。さらに詳しくは、白色度が高く、一旦発色した画像の消失の無い、記録の保存安定性に優れ、かつ記録感度の高い感熱記録体に関するものである。本発明の感熱記録体は、記録の長期保存性が良好であって、同時に記録画像の耐熱性、耐湿性等の耐環境性、さらに耐油性、耐可塑剤性に優れ、かつ記録感度と白色度が高く、画像記録紙、キャッシュディスペンサー用紙、乗車券、定期券、POSラベル等のラベル、プリペイドカード等のカードおよび通行券などに有用な感熱記録体に関するものである。
感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラスチックフィルム等の支持体上に電子供与性ロイコ染料のような発色性物質と電子受容性のフェノール性化合物等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とする感熱発色層を設けてなり、それらを熱エネルギーによって反応させて記録画像を得ることができる。このような感熱記録体は、特公昭43−4160号公報、特公昭45−14039号公報、及び特公昭48−27736号公報などに開示されており、広く実用化されている。
感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安価でかつ保守が容易であることから、電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器のプリンター、あるいはCRT医療計測用のプリンター等に広範囲に使用されている。しかし、支持体上に発色性染料物質、顕色性物質および結着剤を有効成分とする感熱発色層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色することが知られている。この消色は曝光、高湿、高温雰囲気下に加速され、さらに水中での長時間の放置、サラダオイルのような油、可塑剤との接触によって著しく進行し、画像は読み取り不可能なレベルまで消色してしまう。
一方、前記の染料型感熱記録体は、加熱により発色反応が起きるため、高温・高湿雰囲気下に保持されると自発的な発色(これを地発色と呼ぶ)が生じて、コントラストが悪化し、記録画像が判別しにくくなることも知られている。また、特に、夏季炎天下の自動車中に放置された感熱記録型の駐車券や通行券、あるいはスーパーマーケットやコンビニエンス・ストアの惣菜や弁当と共に電子レンジにより加熱された感熱記録型のPOSラベルは、激しく地発色を起こし、記録画像が読み取り不可能なほどになる。
通常無色ないし淡色のラクトン環化合物を主とする染料を使用する発色系を用いつつ、この消色現象を抑制するために数多くの技術が開示されてきた。例えば特開昭60−78782号公報、特開昭59−167292号公報、特開昭59−114096号公報、特開昭59−93387号公報に見られるようなフェノール系酸化防止剤を感熱発色層中に配合したもの、また、特開昭56−146796号公報に見られるような疎水性高分子化合物エマルジョン等を保護層に使用したもの、あるいは、特開昭58−199189号公報に見られるように感熱発色層上に水溶性高分子化合物または、疎水性高分子化合物エマルジョンを中間層として設け、その上に疎水性高分子化合物を樹脂成分とする油性塗料による表面層を設けたもの、また特開昭62−164579号公報に見られるようなフェノール系顕色剤にエポキシ化合物を併用したもの、さらには特開昭62−169681号公報に見られる特定のサリチル酸誘導体の金属塩を顕色剤として用いるもの等が開示されている。しかし、どれも改良の効果がほとんど認められなかったり、あるいは、改良の効果はある程度認められるものの、それが発現するまでに長時間を要したり、その効果が長時間持続しないなど、多くの場合、満足できる性能ではない。また、その改良操作により高温・高湿地発色を生じる、記録感度が低下するなどの弊害を避けられない場合もあり、実用的な提案が長い間待たれてきた。
また、上記とは全く異なる施策として、スルホニルウレア化合物を従来のフェノールに代表される有機酸性化合物に代えて、顕色剤に使用するという技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。顕色剤としてスルホニルウレア化合物を使用するという提案は、非常に画期的であって、新規な発色官能基を創出しただけでなく、高温・高湿などの各環境条件下においてばかりではなく、従来では、不可能とされてきた油や可塑剤との接触における感熱記録体の記録画像消色現象までも完全に抑制することに成功し、記録画像の保存安定性が極めて高い感熱記録体を完成させた。
しかし、上記スルホニルウレア顕色剤でも感熱記録体の記録画像保存安定性が飛躍的に向上したことで、感熱記録体のもう一つの欠点である高温・高湿下での保持されると地発色が生じて、コントラストが悪化し、記録画像が判読しにくくなるという現象もこれを早期に改善することが強く望まれるようになった。つまり前記のスルホニルウレア化合物を顕色剤に使用するという提案は記録画像の保存安定性の向上に効果はあっても、昨今に求められるような、より過酷な環境条件下での地発色を抑えることまでには、必ずしも至らなかった。
また、本発明の化学構造に類似したスルホニルウレア系顕色剤(例えば、特許文献3参照)が提案されているが、これも記録画像保存安定性の向上に効果はあっても、昨今に求められるような過酷な環境条件下での地発色を抑えることでは、充分であるとは言えない。
感熱記録体は加熱により発色するというシステム上、高温環境下での地発色を避けられないが、顕色剤や増感剤の改良により、その程度をより低レベルに抑え込むことが出来るようになってきている(例えば、特許文献4参照。)。しかし近年では、これまで以上の厳しい環境下において、例えば、感熱記録型の駐車券や通行券を夏季炎天下の車中に放置した場合でも、あるいはスーパーマーケットやコンビニエンス・ストアの惣菜や弁当に貼付された感熱記録型POSラベルが電子レンジにより加熱された場合でも、地発色を起こすことなく記録画像がコントラスト良く読み取ることのできる性能が感熱紙には求められており、感熱記録体にとっての一大転機を迎えたと言える。
このような要求に応えようとする一つの提案として比較的分子量の大きな化合物を顕色剤に使用する方法があるが、この提案も、ある程度記録画像が低く、実用には耐えない(例えば、特許文献5参照。)。
このように、記録画像の保存安定性と、より過酷な環境下での地発色抑制能とを兼ね備え、しかも実用上、充分な基本性能を有した感熱記録体の提案はまだなされていない。
特開平5−147357号公報(第2頁) 特開平5−32601号公報(第2−4頁) 特開2000−355578号公報(第2−8頁) 特開平6−1069号公報(第2頁) 特開平8−333329号公報(第2頁)
本発明はこれらの問題点を解決し、感熱紙の白色度が高く、耐環境性試験において、特に夏季炎天下の自動車中や、電子レンジによる加熱調理を想定したような高温環境下においても白紙部の発色が抑制され、記録画像の消色がなく、かつ耐油性、耐可塑剤性等の発色画像の長期保存性に優れた感度の高い感熱記録体を提供しようとするものである。本発明は、例えば高速道路などの通行券や自動券売機用感熱記録型の乗車券、駐車券入場券として使用できるのみならず、保存性を必要とする回数券や定期券などへの使用、可塑剤、油脂と接触が避けられないポリ塩化フィルムで包装した食品の包装面に貼付けるPOS用バーコードシステム用のラベルとして適する感熱記録体を提供する。
上記課題を解決する為、本発明は下記の構成を採用する。
[1]シート状基体と、このシート状基体の少なくとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前駆体、およびこの染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤を含む感熱発色層とを有し、前記顕色剤が下記一般式(I)
Figure 0004285365
(ただし、式(I)において、R1は無置換の芳香族基、あるいは、メチル基及び塩素原子から選ばれた少なくとも一員により置換された芳香族基を表し、R2−(CH 2 m −基及び−(CH 2 CH 2 O) n −CH 2 CH 2 −基(但し、mは、1〜30の整数を表し、nは1〜20の整数を表す)、ならびに1−メチル−1,3−トリメチレン基、2,3−ジメチル−1,4−テトラメチレン基、1,4−シクロヘキシル基、α,α’−(1,4−シクロヘキサンジメチレン)基、α,α’−(p−キシリレン)基、α,α’−(m−キシリレン)基およびβ,β’−(1,4−ジ(ジメチレン)ベンゼン)基から選ばれる2価の有機基を表す。)により表される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする感熱記録体。
]下記化学式(II)
Figure 0004285365
により表される1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)。
]下記化学式(III)
Figure 0004285365
により表される1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)。
]下記化学式(IV)
Figure 0004285365
により表される1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3'−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)。
本発明の感熱記録体は、その感熱発色層中に、顕色剤として、一般式(I)で表わされる芳香族化合物を用いる為、高い白色度と高い発色性能を示す。また、高温高湿雰囲気下、特に夏季炎天下の自動車内、あるいは電子レンジによる加熱調理に相当する過酷な環境下においても地発色を殆ど起こすことがなく、かつ、高い発色画像保存性を示す。
感熱発色層中に顕色剤として一般式(I)で表される芳香族化合物を用いる本発明の感熱記録体は、可塑剤や塩化ビニルフィルムと接触した場合でも、非常に高い発色画像保存性を示す。
本発明において用いられる式(I)の化合物は、顕色剤として作用するものである。すなわち式(I)の化合物は、フェノール性の水酸基、あるいはカルボキシル基などの酸性官能基を有しないが、塩基性のロイコ染料に対し、強い顕色能力を有するのである。これは式(I)の化合物中の尿素基が、それに隣接するスルホニル基により活性化されているためと理解される。
上記一般式(I)におけるR1基については、無置換の芳香族基、あるいは、メチル基及び塩素原子から選ばれた少なくとも一員により置換された芳香族基を表し、具体的には、フェニル基、2−ナフチル基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基、p−クロロフェニル基等を挙げることができる。
また、上記一般式(I)におけるR2基については、2価の有機基であれば特に制限はないが、以下のグループ(a),(b),(c)から選ばれる一員が望ましい。
(a)鎖状または環状脂肪族炭化水素より2つの水素を取り去って作る2価の基、特に−(CH2)m−基(m=1〜30)。
具体的には、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基あるいは、側鎖に置換基のある1−メチル−1,3−トリメチレン基、2,3−ジメチル−1,4−テトラメチレン基、1,4−シクロヘキシル基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基などを挙げることができる。
(b)鎖状または環状脂肪族炭化水素の一部がヘテロ原子により置換されてなる化合物より2つの水素を取り去って作る2価の基、特に−(CH2CH2O)n−CH2CH2−基(n=1〜20)。
具体的には、1,5−(3−オキサペンチレン)基、1,5−(3−チオペンチレン)基、1,8−(3,6−ジオキサオクチレン)基、2,5−(1−オキサシクロヘキシレン)基、1−オキサシクロヘキサン−2,5−ジメチレン基などを挙げることができる。
(c)アルキル基または、一部がヘテロ原子により置換されたアルキル基によって置換された芳香族化合物より、アルキル基または、一部がヘテロ原子により置換されたアルキル基から2つの水素を取り去って作る2価の基。
具体的には、α,α’−(p−キシリレン)基、α,α’−(m−キシリレン)基、β,β’−(1,4−ジ(ジメチレン)ベンゼン)基、γ,γ’−(1,4−ジ(ジメチレン)ベンゼン)基などを挙げることができる。
本発明に関わる顕色剤の具体的な化合物として以下の通りである。式(I)の化合物の例として、メチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、メチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、メチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,2−ジメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,2−ジメチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,2−ジメチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,3−トリメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,3−トリメチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,3−トリメチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,4−テトラメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,4−テトラメチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,4−テトラメチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,7−ヘプタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,7−ヘプタメチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,7−ヘプタメチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,8−オクタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,8−オクタメチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,8−オクタメチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,9−ノナメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,9−ノナメチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,9−ノナメチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1−メチルエチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1−メチルエチレン ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1−メチルエチレン ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,8−(3,6−ジオキサオクチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,8−(3,6−ジオキサオクチレン) ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,8−(3,6−ジオキサオクチレン) ビス(3−(3’−(o−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、α,α’−(1,4−シクロヘキサンジメチレン) ビス(3−(3’−(p− トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、α,α’−(1,4−シクロヘキサンジメチレン) ビス(3−(3’−(o− トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、α,α’−(p−キシリレン) ビス(3−(3’−(p− トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、α,α’−(p−キシリレン) ビス(3−(3’−(m−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)。その中でも、優れた顕色性を示しながら、特に優れた画像保存性をも示すという観点から、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)、1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)および1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3'−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)が特に好ましい。
これらの化合物は、単独で用いられても良く、あるいはその2種以上を混合しても良い。
本発明で染料前駆体として使用されるロイコ染料はトリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系化合物等が挙げられ、従来公知のものから選ぶことができる。例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、および3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等から選ばれた一種以上を用いることができる。
また、本発明においては、所望の効果を阻害しない範囲でフェノール類、一分子中にひとつのスルホニルウレア基を有する顕色剤、又は、有機酸からなる従来公知の顕色剤を本発明の式(I)の化合物と併用することができる。これら従来の顕色剤は、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、1,3ービス(1−メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフェニルエーテル(特開平1−180382号公報)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(特開昭52−140483号公報)、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ―4’−イソプロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭60−13852号公報)、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開昭59−52694号公報)、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(特開昭60−208286号公報)、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール(特開平8−269000号公報)などが挙げられる。
また、フェノール以外の顕色剤として、特開平5−32601号公報に開示されている。例えば、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニル尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−メトキシフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(o−トリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(m−トリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−トリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(o−クロロフェニル)尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−N’−フェニル尿素、N−(p−クロロベンゼンスルホニル)−N’−フェニル尿素などである。
更に本発明において、所望の効果を損なわない範囲内で従来公知の熱可融性物質(増感剤)を併用することもできる。それらの代表的な例としては、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル(特開昭57−191089号公報)、p−ベンジルビフェニル(特開昭60−82382号公報)、ベンジルナフチルエーテル(特開昭58−87094号公報)、ジベンジルテレフタレート(特開昭58−98285号公報)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開昭57−201691号公報)、炭酸ジフェニル、炭酸ジトリル(特開昭58−136489号公報)、m−ターフェニル(特開昭57−89994号公報)、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開昭60−56588号公報)、1,5−ビス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン(特開昭62−181183号公報)、シュウ酸ジエステル類(特開昭64−1583号公報)、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼン(特開平2−153783号公報)などが挙げられる。
本発明の感熱記録体の感熱発色層は、さらにワックス類を含むことができ、また、有機又は無機顔料類を含んでいることが好ましい。感熱発色層は、更に、これらの成分を支持体に固着するためのバインダーを含むものである。
感熱発色層における上記ロイコ染料の感熱発色層中の含有率は、一般に感熱発色層の乾燥質量の5〜20質量%であることが好ましく、本発明の新規顕色剤の含有率は一般に5〜50質量%であることが好ましい。含有率が5質量%未満では顕色能力が不足することがあり、50質量%を越えて入れても顕色能力が飽和して格別の改善は見られず、経済的に不利となることがある。また、増感剤を用いる場合5%未満の添加では増感効果が不十分なことがあり、50質量%を越えて添加しても増感効果は飽和し、さらなる感度の上昇は望めない。
感熱発色層に従来公知のフェノール系あるいは有機酸系顕色剤が含まれる場合、その含有率は、5〜40質量%であることが好ましく、また増感剤を用いる場合、その含有率は10〜40質量%が好ましい。ワックス類、白色顔料が感熱発色層に含まれる場合、その含有率はそれぞれ2〜20質量%、2〜50質量%であることが好ましく、またバインダーの含有率は一般に5〜20質量%である。
上記の有機又は無機の顔料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などを挙げることができる。
またワックス類としては、例えば、パラフィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができる。
前記バインダーについては、種々の分子量のポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラテックスを用いることができる。
本発明の感熱記録体に用いられるシート状基体は、紙(酸性抄紙紙、中性抄紙紙を含む)、表面に顔料、ラテックスなどを塗工したコーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系樹脂から作られた合成紙、プラスチックフィルムなどから選ぶことができる。このようなシート状基体の少なくとも一面上に、上記所要成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾燥して感熱記録体を製造する。塗布量は、塗布液層が乾燥した状態で1〜15g/m2が好ましく、2〜10g/m2が特に好ましい。
本発明の感熱記録体においてその感熱発色層上に更に保護層、印刷層などのような被覆層を形成することもできる。また支持体として上記被覆層の間に顔料(好ましくは吸油性顔料)と接着剤を含有する下塗り層を設けることもできる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
特に断らない限り、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
<合成例1> 1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)
(1)原料1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−アミノベンゾエート)の合成
温度計、還流管、滴下ロートを付けた三ツ口フラスコに、9.84gの3−アミノ安息香酸と120mlのN,N−ジメチルホルムアミド(脱水)を入れ、その溶液中に9.96gの炭酸カリウム(無水)を加えた。この混合物をマグネティックスターラーで攪拌しつつ、室温で5.16gのビス(2−クロロエチル)エーテルを加えた。この反応懸濁液を室温にて攪拌後、130℃で4時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、水300mlに反応懸濁液を加え、激しく攪拌すると白色固体が析出した。この懸濁水溶液を濾過することにより、10.5gの1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−アミノベンゾエート)の白色固体が得られた。
得られた白色固体は、DSC、NMR、IR分析などを含む各種機器分析により目的物であることを確認した。
(2)1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の合成
滴下ロート、温度計および還流器を装備した三ツ口フラスコに、10.5gの1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−アミノベンゾエート)を入れ、これに200mlのアセトニトリルを加えて攪拌し、溶解した。この混合溶液をマグネティックスターラーで攪拌しつつ、滴下ロートより、13.8gのp−トルエンスルホニルイソシアナートを室温で滴下した。反応混合物の攪拌を継続すると、大量の白色固体が沈殿した。この反応混合物を80℃で4時間加熱し、冷却し、濾過することにより、19.5gの白色結晶を得た。
この白色結晶の分析値は、以下の通り。
融点(DSCより):139.8℃
NMR測定(DMSO中)の結果(数字はppm)
δ=2.36(s、6H)、3.77(t、4H)、4.36(t、4H)、7.32(t、2H)、7.41(d、4H)、7.52−7.54(m、4H)、7.83(d、4H)、7.98(t、2H)
その他、N−Hに起因すると思われるピークがδ=9.07、10.85付近に現われた。
<合成例2> 1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート
(1)原料1,5−ペンタメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)の合成
温度計、還流管、滴下ロートを付けた三ツ口フラスコに、8.20gの3−アミノ安息香酸と100mlのN,N−ジメチルホルムアミド(脱水)を入れ、その溶液中に8.30gの炭酸カリウム(無水)を加えた。この混合物をマグネティックスターラーで攪拌しつつ、室温で6.85gの1,5−ジブロモペンタンを加えた。この反応懸濁液を室温にて攪拌後、130℃で4時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、水300mlに反応懸濁液を加え、激しく攪拌した。この懸濁水溶液を酢酸エチル150mlで抽出し、溶媒を留去することにより9.75gの1,5−ペンタメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)をオイル状物で得られた。得られたオイル状物は、NMR、IR分析などを含む各種機器分析により目的物であることを確認した。
(2)1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の合成
滴下ロート、温度計および還流器を装備した三ツ口フラスコに、9.75gの1,5−ペンタメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)を入れ、これに200mlのアセトニトリルを加えて攪拌し、溶解した。この混合溶液をマグネティックスターラーで攪拌しつつ、滴下ロートより、12.7gのp−トルエンスルホニルイソシアナートを室温で滴下した。反応混合物の攪拌を継続すると、大量の白色固体が沈殿した。この反応混合物を80℃で4時間加熱し、冷却し、濾過することにより、19.8gの白色結晶を得た。
この白色結晶の分析値は、以下の通り。
融点:116−124℃
NMR測定(DMSO中)の結果(数字はppm)
δ=1.50(d、2H)、1.74(t、4H)、2.36(s、6H)、4.26(t、4H)、7.36(t、4H)、7.40(d、2H)、7.56(t、4H)、7.84(d、4H)、7.99(d、2H)
その他、N−Hに起因すると思われるピークが、δ=9.08、10.74付近に現れた。
<合成例3> 1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート
(1)原料1,6−ヘキサメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)の合成
温度計、還流管、滴下ロートを付けた三ツ口フラスコに、9.67gの3−アミノ安息香酸と100mlのN,N−ジメチルホルムアミド(脱水)を入れ、その溶液中に9.74gの炭酸カリウム(無水)を加えた。この混合物をマグネティックスターラーで攪拌しつつ、室温で8.61gの1,6−ジブロモへキサンを加えた。この反応懸濁液を室温にて攪拌後、130℃で4時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、水300mlに反応懸濁液を加え、激しく攪拌した。この懸濁水溶液を酢酸エチル150mlで抽出し、溶媒を留去することにより10.7gの1,6−ヘキサメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)を白色固体で得られた。得られた白色固体は、DSC、NMR、IR分析などを含む各種機器分析により目的物であることを確認した。
(2)1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の合成
滴下ロート、温度計および還流器を装備した三ツ口フラスコに、10.70gの1,6−ヘキサメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)を入れ、これに200mlのアセトニトリルを加えて攪拌し、溶解した。この混合溶液をマグネティックスターラーで攪拌しつつ、滴下ロートより、13.8gのp−トルエンスルホニルイソシアナートを室温で滴下した。反応混合物の攪拌を継続すると、大量の白色固体が沈殿した。この反応混合物を80℃で4時間加熱し、冷却し、濾過することにより、20.24gの白色結晶を得た。
この白色結晶の分析値は、以下の通り。
融点:125℃
NMR測定(DMSO中)の結果(数字はppm)
δ=1.45(s、4H)、1.72(s、4H)、2.39(s、6H)、4.26(t、4H)、7.38(t、4H)、7.43(d、2H)、7.86(d、4H)、8.02(d、2H)
その他、N−Hに起因すると思われるピークが、δ=9.08、10.78付近に現れた。
<合成例4> 1,4−テトラメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート
(1)原料1,4−テトラメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)の合成
温度計、還流管、滴下ロートを付けた三ツ口フラスコに、9.64gの3−アミノ安息香酸と100mlのN,N−ジメチルホルムアミド(脱水)を入れ、その溶液中に9.71gの炭酸カリウム(無水)を加えた。この混合物をマグネティックスターラーで攪拌しつつ、室温で7.60gの1,4−ジブロモブタンを加えた。この反応懸濁液を室温にて攪拌後、130℃で4時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、水300mlに反応懸濁液を加え、激しく攪拌した。この懸濁水溶液を酢酸エチル150mlで抽出し、溶媒を留去することにより9.60gの1,4−テトラメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)を白色固体で得られた。得られた白色固体は、DSC、NMR、IR分析などを含む各種機器分析により目的物であることを確認した。
(2)1,4−テトラメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の合成
滴下ロート、温度計および還流器を装備した三ツ口フラスコに、9.60gの1,4−テトラメチレン ビス(3−アミノベンゾエート)を入れ、これに200mlのアセトニトリルを加えて攪拌し、溶解した。この混合溶液をマグネティックスターラーで攪拌しつつ、滴下ロートより、13.6gのp−トルエンスルホニルイソシアナートを室温で滴下した。反応混合物の攪拌を継続すると、大量の白色固体が沈殿した。この反応混合物を80℃で4時間加熱し、冷却し、濾過することにより、20.1gの白色結晶を得た。
この白色結晶の分析値は、以下の通り。
融点:159℃
NMR測定(DMSO中)の結果(数字はppm)
δ=1.83(s、4H)、2.38(s、6H)、4.31(t、4H)、7.39(d、4H)、7.42(d、2H)、7.57(t、4H)、7.85(d、4)、8.00(d、2H)
その他、N−Hに起因すると思われるピークが、δ=9.07、10.76付近に現れた。
実施例1
下記操作により感熱記録紙を作成した。
(1)顔料下塗り紙の調製
焼成クレイ(商品名アンシレックス:Engerhard社製)85部を水320部に分散して得られた分散物に、スチレン−ブタジエン共重合物エマルジョン(固形分50%)を40部、10%酸化でんぷん水溶液を50部混合して得た塗液を、48g/m2の原紙の上に乾燥後の塗布量が7.0g/m2になるように塗工して、顔料下塗り紙を得た。
(2)分散液Aの調製
成 分 部
3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 20
ポリビニルアルコール10%水溶液 10
水 70
上記組成物を、サンドグラインダーを用い、平均粒径が1μm以下になるまで粉砕した。
(3)分散液Bの調製
成 分 部
1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)
ウレイド)ベンゾエート) 20
ポリビニルアルコール10%水溶液 10
水 70
上記組成物を、サンドグラインダーを用い、平均粒径が1μm以下になるまで粉砕した。
(4)分散液Cの調製
成 分 部
シュウ酸ジp−メチルベンジルエステル 20
ポリビニルアルコール10%水溶液 10
水 70
上記組成物を、サンドグラインダーを用い、平均粒径が1μm以下になるまで粉砕した。
(5)発色層の形成
上記A液60部、B液120部、C液120部、カオリナイト顔料(商品名:HGクレー、Huber社製)23部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、30%パラフィン分散液15部、および10%ポリビニルアルコ―ル水溶液120部を混合、撹拌し、塗布液とした。この塗布液を、顔料下塗り紙の片面に、乾燥後の塗布量が5.0g/m2となるように塗布乾燥して感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。
(6)スーパーカレンダー処理
上記のようにして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダーによって処理し、その表面の平滑を800〜1000秒とした。
(7)各種試験
(a)白色度
上記感熱記録紙試料について、ハンター白色度計(東洋精機製作所製)を用いて白色度を測定した。
(b)発色試験
こうして得られた感熱記録体について、大倉電機製動的感熱発色シミュレーターTHPMD(印字電圧21.7V)を用い、印加パルス幅0.7msと1.0msの印字条件で試料を市松模様状に発色させた。発色濃度はマクベス反射濃度計RD−914で測定し、これを記録感度を代表する値とした。
(c)白紙部耐湿地発色試験
上記感熱記録紙試料を40℃、90%に調湿した恒温恒湿器に、24時間入れ、白紙部分の濃度を上記(b)と同様に測定した。
(d)白紙部耐熱地発色試験
上記感熱記録紙試料を60℃の恒温器に、24時間入れ、白紙部分の濃度を上記(b)と同様に測定した。
実施例2
実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調製にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表1に示す。
実施例3
実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調製にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,3−トリメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表1に示す。
実施例4
実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調整にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,8−(3,6−ジオキサオクチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表1に示す。
実施例5
実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調整にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表1に示す。
実施例6
実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調整にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,4−テトラメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調製にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエートの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を用いた。テスト結果を表1に示す。
Figure 0004285365
表1から明らかなように、本発明の感熱記録体は、高い白色度および高い発色性能を示し、高温高湿雰囲気下での白紙部地発色が抑えられていて、優れた感熱性能を示す。
実施例7
下記操作により感熱記録紙を作成した。
(1)顔料下塗り紙の調製
顔料下塗り紙は実施例1の(1)と同じ方法で作製した。
(2)分散液Aの調製
成 分 部
3−(N,N−ジペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
10
シュウ酸 ジ−p−メチルベンジルエステル 8
シュウ酸 ジ−p−クロロベンジルエステル 2
ポリビニルアルコール10%水溶液 10
水 70
上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1μm以下になるまで粉砕した。
(3)分散液Bの調製
成 分 部
1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)
ウレイド)ベンゾエート) 20
ポリビニルアルコール10%水溶液 10
水 70
上記組成物を、サンドグラインダーを用い、平均粒径が1μm以下になるまで粉砕した。
(4)発色層の形成
上記A液20部、B液30部、50%カオリナイト顔料(商品名:HGクレー、Huber社製)40部、35%ステアリン酸亜鉛分散液3部、および10%ポリビニルアルコール水溶液8部を混合、撹拌し、塗布液とした。この塗布液を、顔料下塗り紙の片面に、乾燥後の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布乾燥して感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。
(5)スーパーカレンダー処理
上記のようにして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダーによって処理し、その表面の平滑を800〜1000秒とした。
(6)各種試験
(e)高耐熱地発色試験
上記のようにして得られた感熱記録紙を大倉電機製動的感熱発色シミュレーターTHPMD(印字電圧21.7V)を用い、印加パルス幅1.0msの印字条件で市松模様状に発色させ、100℃の恒温器に1時間入れた後、地肌部の濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定した。
(f)耐可塑剤性試験
高耐熱地発色試験(e)で用いた感熱記録紙と同じように1.0msで発色させた試料を塩化ビニルフィルム(商品名:ハイラップKMA-W、三井化学製、塩化ビニルフィルムは包装用プラスチックフィルムの中でも可塑剤の含有量がもっとも多いグループに属する)で上下から挟み、10gf/cm2となるように荷重をかけて40℃の恒温器に17時間放置後、塩化ビニルフィルムを剥離して残存画像濃度をマクベス反射濃度計で測定し、画像保存率を下記式に従い算出した。
画像保存率(%)=(耐可塑剤試験後の濃度/元濃度)×100
高耐熱地発色試験(e)および耐可塑性試験(f)のテスト結果を表2に示す。
実施例8
実施例7と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調製にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)のかわりに、1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表2に示す。
実施例9
実施例7と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調製にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,3−トリメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表2に示す。
実施例10
実施例7と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調整にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,8−(3,6−ジオキサオクチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表2に示す。
実施例11
実施例7と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調整にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表2に示す。
実施例12
実施例7と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調整にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)の代わりに、1,4−テトラメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)を用いた。テスト結果を表2に示す。
比較例2
実施例7と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調製にあたり、1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエートの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を用いた。テスト結果を表2に示す。
Figure 0004285365
表2に示すように、夏季炎天下の自動車内に相当する高温環境下において比較例2が激しく地発色を起こし、記録画像が判別不能になるのに対して、本発明の顕色剤を用いた実施例7、8、9、10、11および12は、記録画像を良好に読み取ることが出来る。また、比較例2は塩ビラップフィルムと接触することで記録画像が消色し、読み取り不能となるのに対し、本発明の顕色剤を用いた実施例7、8、9、10、11および12は記録画像が保持され、良好に判読できる。
本発明は、一旦発色した画像の消失の無い、記録保存安定性に優れ、かつ記録感度の高い感熱記録体である。本発明の感熱記録体は、記録の長期保存性が良好であって、同時に記録画像の耐熱性、特に夏季炎天下の自動車内、あるいは、電子レンジによる加熱調理を想定したような、より高い温度条件下での耐熱性、耐湿性等の耐環境性、さらに耐油性、耐可塑剤性などの耐薬品性に優れ、かつ記録感度と白色度が高く、キャッシュディスペンサー用紙、乗車券、通行券、駐車券、入場券、定期券、並びに、POSラベルに代表されるラベルやプリペイドカードに代表されるカードなどに有用である。

Claims (4)

  1. シート状基体と、このシート状基体の少なくとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前駆体、およびこの染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤を含む感熱発色層とを有し、前記顕色剤が下記一般式(I)
    Figure 0004285365
    (ただし、式(I)において、R1は無置換の芳香族基、あるいは、メチル基及び塩素原子から選ばれた少なくとも一員により置換された芳香族基を表し、R2−(CH 2 m −基及び−(CH 2 CH 2 O) n −CH 2 CH 2 −基(但し、mは、1〜30の整数を表し、nは1〜20の整数を表す)、ならびに1−メチル−1,3−トリメチレン基、2,3−ジメチル−1,4−テトラメチレン基、1,4−シクロヘキシル基、α,α’−(1,4−シクロヘキサンジメチレン)基、α,α’−(p−キシリレン)基、α,α’−(m−キシリレン)基およびβ,β’−(1,4−ジ(ジメチレン)ベンゼン)基から選ばれる2価の有機基を表す。)により表される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする感熱記録体。
  2. 下記化学式(II)
    Figure 0004285365
    により表される1,5−(3−オキソペンチレン) ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)。
  3. 下記化学式(III)
    Figure 0004285365
    により表される1,5−ペンタメチレン ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)。
  4. 下記化学式(IV)
    Figure 0004285365
    により表される1,6−ヘキサメチレン ビス(3−(3'−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート)。
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