JP4284868B2 - 非可逆回路素子及び通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非可逆回路素子、特に、マイクロ波帯で使用されるアイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子及び通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話等の移動用通信装置に採用される集中定数型アイソレータとして、図11及び図12に示すものが提案されている。図11は、アイソレータ151の外観斜視図であり、図12はアイソレータ151の底面図である。
【0003】
図11に示すように、アイソレータ151は、概略、樹脂製端子ケース153と金属製下側ケース154と金属製上側ケース158とを備え、これらの内部に図示しない永久磁石や中心電極組立体が収容されている。金属製上側ケース158と金属製下側ケース154は、両者の接合部(図11において斜線で表示)を接合用はんだではんだ付けすることにより一体的に接合され、金属ケースとなる。この金属ケースは、アイソレータ151のケースとしての機能の他に、磁性ヨークの機能も兼ねている。
【0004】
図12に示すように、樹脂製端子ケース153の右左の側壁153aには、それぞれ入力端子164、出力端子165及び四つのアース端子166が配設されている。アース端子166は、下側ケース154の左右の辺から延在している。アース端子166の根元部は、下側ケース154の実装面154bから突出するように曲げ加工されている。一方、入力端子164及び出力端子165は、樹脂製端子ケース153にインサートモールドされている。そして、これらの端子164〜166は、アイソレータ151をプリント基板等に実装する際には、図12において斜線で表示した部分が、実装用はんだにてプリント基板上に設けられた電極パターンに接合される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアイソレータ151の構造では、金属製上側ケース158と金属製下側ケース154を接合用はんだで接合する際に、図11に矢印K1で示す方向に、接合用はんだが必要以上に漏れ広がることがあった。このため、上側ケース158と下側ケース154の接合部において、適切なはんだの量が確保できず、上側ケース158と下側ケース154の接合強度が低下するという問題があった。
【0006】
また、従来のアイソレータ151は、アース端子166の根元部を、下側ケース154の実装面154bから突出するように曲げ加工しているだけであるため、プリント基板等に実装する際、図12に矢印K2で示す方向に、アース端子166上の実装用はんだが漏れ広がってしまう。従って、アース端子166の接合部分(図12において斜線で表示した部分)の実装用はんだが少なくなり、アース端子166とプリント基板の電極パターンとの接合強度が低くなって、耐落下性能が悪化するおそれもある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、適切なはんだ量を確保して接合強度の低下を防止し、信頼性の高い非可逆回路素子及び通信装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】
前記目的を達成するため、本発明の非可逆回路素子は、少なくとも永久磁石と、永久磁石により直流磁界が印加される中心電極組立体と、中心電極組立体を収容する樹脂製端子ケースと、永久磁石及び中心電極組立体を収容する金属ケースとを備えた非可逆回路素子である。そして、金属ケースを上側ケースと下側ケースにて構成し、下側ケースを樹脂製端子ケースにインサートモールドし、金属ケースからアース端子を延在させるとともに、該アース端子の根元部近傍にはんだ流れ防止部を設けたことを特徴とする。はんだ流れ防止部は、例えば、熱硬化材や紫外線硬化材などの絶縁体被膜で形成される。
【0009】
以上の構成により、非可逆回路素子をプリント基板等に実装する際に、アース端子上の実装用はんだが、はんだ流れ防止部によって堰き止められ、金属ケースに漏れ広がらない。
【0010】
また、本発明に係る非可逆回路素子は、金属ケースを上側ケースと下側ケースにて構成し、下側ケースを樹脂製端子ケースにインサートモールドし、上側ケースの下側ケースとの接合部近傍にはんだ流れ防止部を設けたことを特徴とする。
【0011】
以上の構成により、上側ケースと下側ケースを接合する際に、接合用はんだが、はんだ流れ防止部によって堰き止められ、上側ケースに必要以上漏れ広がらない。
【0012】
本発明に係る非可逆回路素子は、下側ケースを樹脂製端子ケースにインサートモールドしているため、樹脂製端子ケースの一部の樹脂に、はんだ流れ防止部と協働してはんだの漏れ広がりを防止する機能を持たせることができる。
【0013】
また、金属ケースから延在したアース端子の根元部を金属ケースの実装面から突出するように曲げ加工し、はんだ流れ防止部の厚み寸法をアース端子の根元部と金属ケースの実装面との段差より小さく設定することが好ましい。これにより、非可逆回路素子をプリント基板等に実装する際に、アース端子が確実にプリント基板の電極パターンと電気的に接合する。
【0014】
また、本発明に係る非可逆回路素子は、レーザを金属ケースの所望の位置に照射し、金属ケースの母材や金属ケースの表面に設けた金属被膜を少なくとも酸化又は除去してはんだ流れ防止部を形成したことを特徴とする。これにより、任意の形状のはんだ流れ防止部が、短時間に確実に形成される。
【0015】
また、金属ケースの表面に設けた金属被膜の最表層が銀被膜であってもよい。最表層が銀被膜であることにより、非可逆回路素子の挿入損失が低くなる。さらに、金属ケースの表面に設けた金属被膜の少なくとも一つの層を、ニッケル被膜にすることにより、レーザ照射の際にニッケル被膜がバリアとなり、金属ケースの母材の露出が防止される。
【0016】
また、本発明に係る通信装置は、前述の特徴を有する非可逆回路素子を備えることにより、高信頼性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る非可逆回路素子及び通信装置の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。
【0018】
[第1実施形態、図1〜図4]
本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態の構成を示す分解斜視図を図1に示す。該非可逆回路素子1は、集中定数型アイソレータである。
【0019】
図1に示すように、集中定数型アイソレータ1は、概略、下側ケース4と、樹脂製端子ケース3と、中心電極組立体13と、上側ケース8と、永久磁石9と、絶縁性部材7と、抵抗素子Rと、整合用コンデンサ素子C1〜C3等を備えている。
【0020】
中心電極組立体13は、矩形板状のマイクロ波フェライト20の上面に、中心電極21〜23を電気的絶縁状態で、それぞれの交差角が略120度になるように交差させて配置している。これら中心電極21〜23は、各々の一端側のポート部P1,P2を垂直に、ポート部P3を水平に、それぞれ導出するとともに、他端側の中心電極21〜23共通のシールド部26をフェライト20の下面に当接させている。共通シールド部26は、フェライト20の下面を略覆っている。
【0021】
アース板27は、フェライト20の下面側に配置され、中心電極21〜23の共通シールド部26に面接触して(必要があれば、はんだや導電性接着剤等を利用して)電気的に接続されている。アース板27の端部からは、三つのコンデンサ接続部27a(整合用コンデンサ素子C3に接続するコンデンサ接続部は図示せず)が延在し、そのうち二つのコンデンサ接続部27aは、中心電極21,22のポート部P1,P2と平行になるように立ち上がっている。アース板27は、下側ケース4の底壁4bにはんだ付け等の方法により接続され、接地される。
【0022】
整合用コンデンサ素子C1〜C3は、ホット側コンデンサ電極がポート部P1〜P3にそれぞれはんだ付けされ、コールド側コンデンサ電極がアース板27のコンデンサ接続部27aにそれぞれはんだ付けされている。
【0023】
抵抗素子Rは回路基板28上にはんだ付けされている。抵抗素子Rの一方は、回路基板28に設けられた信号パターンを介して、整合用コンデンサ素子C3のホット側コンデンサ電極に電気的に接続され、他方はアース端子16に電気的に接続される。つまり、整合用コンデンサ素子C3と抵抗素子Rとは、中心電極23のポート部P3とアース端子16との間に電気的に並列に接続される。
【0024】
下側ケース4は、鉄を主成分とする磁性体金属からなり、左右の側壁4aと底壁4bとを有している。図2に示すように、底壁4bの左右の辺からは、それぞれ二つのアース端子16が延在している。この下側ケース4は、インサートモールド法によって、樹脂製端子ケース3と一体成形されている。これにより、下側ケース4の底壁4bの底面と端子14〜16の段差H2(図3参照)が精度良く仕上がり、アイソレータ1の低背化が可能になる。
【0025】
下側ケース4の底壁4bの底面(すなわち、金属ケースの実装面)には、各アース端子16の根元部周辺に、はんだ流れ防止部11が設けられている。該はんだ流れ防止部11は絶縁体被膜からなり、例えば樹脂やインクからなる。はんだ流れ防止部11が樹脂からなる場合には、樹脂製端子ケース3をインサートモールド法によって成形する際に、同時に、はんだ流れ防止部11を成形することができる。従って、はんだ流れ防止部11の形成工程を特別に加える必要がなく、製造コストを抑えることができる。一方、はんだ流れ防止部11がインクからなる場合には、インク自体が安価でかつ加工もし易いため、はんだ流れ防止部11の加工費を抑えることができる。
【0026】
また、はんだ流れ防止部11が熱硬化タイプの絶縁体被膜、例えばエポキシ樹脂被膜や熱硬化性インク被膜の場合には、温度槽などに入れて硬化させることで、はんだ流れ防止部11を容易に形成することができる。一方、はんだ流れ防止部11が紫外線硬化タイプの絶縁体被膜、例えば紫外線硬化型エポキシ樹脂被膜や紫外線硬化性インク被膜の場合には、紫外線を照射して硬化させるだけで、はんだ流れ防止部11を容易に形成することができる。特に、紫外線硬化タイプの絶縁体被膜の場合、温度を上げる必要がないため、アイソレータ1に対する熱的ストレスを最小限に抑えることができる。
【0027】
図3に示すように、各アース端子16は、その根元部が下側ケース4の底壁4bの底面から突出するように曲げ加工されている。はんだ流れ防止部11の厚み寸法H1は、アース端子16の根元部と底壁4bの底面との段差H2(代表値:0.02〜0.2mm程度)より小さく設定されている。これにより、アイソレータ1をプリント基板等に実装した際、はんだ流れ防止部11によって端子14〜16がプリント基板の電極パターンから浮き上がるおそれがなくなり、実装不良の発生を抑えることができる。
【0028】
図1に示すように、樹脂製端子ケース3は、それぞれ対向する二組の側壁3a,3bを有している。樹脂製端子ケース3の底部には下側ケース4の底壁4bが露出している。さらに、樹脂製端子ケース3には、入力端子14及び出力端子15がインサートモールドされている。入力端子14、出力端子15は一端が樹脂製端子ケース3の側壁3aの外側面に露出し、他端が樹脂製端子ケース3の側壁3aの内側面に露出して入力引出電極部14a、出力引出電極部15aを形成している。同様に、下側ケース4から延在している四つのアース端子16はそれぞれ、樹脂製端子ケース3の対向する側壁3aの外側面に露出している。この下側ケース4と一体成形している樹脂製端子ケース3内に、中心電極組立体13や整合用コンデンサ素子C1〜C3等を収容する。中心電極21,22のポート部P1,P2のそれぞれは、はんだ付け等の方法により入力引出電極部14a、出力引出電極部15aに接続される。
【0029】
上側ケース8は、鉄を主成分とする磁性体金属からなり、左右の側壁8aと上壁8bとを有している。それぞれの側壁8aは下側ケース4の側壁4aとの接合部であり、はんだ流れ防止部12が側壁8aに並走するように形成されている。該はんだ流れ防止部12は絶縁体被膜からなり、例えば樹脂やインクからなる。上側ケース8の上壁8bの下側には永久磁石9が配置され、この永久磁石9により中心電極組立体13に直流磁界を印加するようになっている。接合された下側ケース4と上側ケース8は、磁気回路を構成しており、ヨークとしても機能している。下側ケース4及び上側ケース8は、例えば鉄やケイ素鋼などの高透磁率からなる板材を打ち抜き、曲げ加工した後、表面に銅や銀をめっきしてなるものである。
【0030】
こうして、図4に示すアイソレータ1が得られる。このアイソレータ1をプリント基板等に実装する際には、端子14〜16(特に、図2において斜線で表示した部分)が実装用はんだにてプリント基板上に設けられた電極パターンに接合される。このとき、アース端子16上の実装用はんだは、図2に矢印K3で示す方向に若干漏れ広がるが、アース端子16の根元部周辺に設けたはんだ流れ防止部11によって堰き止められ、下側ケース4に広範囲に漏れ広がらない。この結果、アース端子16とプリント基板の接合部におけるはんだ量を適切に確保することができ、アイソレータ1とプリント基板の接合強度の低下を防止することができる。
【0031】
また、上側ケース8と下側ケース4を接合する際には、上側ケース8の側壁8aと下側ケース4の側壁4aとの接合部(図4において斜線で表示した部分)が接合用はんだにて接合される。このとき、接合用はんだは、上側ケース8の側壁8aに並走するように形成されているはんだ流れ防止部12によって堰き止められ、上側ケース8の上壁8bに漏れ広がらない。この結果、側壁8aと側壁4aの接合部におけるはんだ量を適切に確保することができ、側壁8aと側壁4aの隙間に接合用はんだを充分に充填することができる。
【0032】
[第2実施形態、図5及び図6]
第2実施形態は、金属被膜を表面に設けた金属ケースにレーザを照射し、金属被膜を酸化あるいは除去してはんだ流れ防止部を形成したアイソレータについて説明する。図5は、第2実施形態のアイソレータ41の底面図である。該アイソレータ41は、はんだ流れ防止部51を残して前記第1実施形態のアイソレータ1と同様の構造を有している。
【0033】
このアイソレータ41の下側ケース4及び上側ケース8は、図6に示すように、鉄を主成分とする金属(母材)45からなり、その表面に銅被膜42を下地として銀被膜43が形成されている。そして、この下側ケース4の所望の位置にCO2レーザやYAGレーザを照射し、その熱エネルギーにより銀被膜43の一部や銅被膜42の一部を酸化させて、はんだ漏れ性の悪い酸化銀や酸化銅にする。この酸化銀や酸化銅が、図5に示したはんだ流れ防止部51になる。あるいは、CO2レーザやYAGレーザを照射し、銀被膜43の一部や銅被膜42の一部を除去し、あるいは除去とともに酸化させて、下層金属、つまり、はんだ漏れ性の悪い母材45や酸化された銅被膜42を露出させる。このはんだ漏れ性の悪い母材45や酸化された銅被膜42の露出部が、図5に示したはんだ流れ防止部51になる。これにより、任意の形状のはんだ流れ防止部51を短時間に確実に形成することができる。凹部があっても問題なく形成することができる。
【0034】
YAGレーザは、光ファイバが使用可能であり、加工ヘッドの軽量・小型化が可能である。また、波長が短いため、スポット径を小さく絞ることができ、細かな形状でも加工可能である。従って、小型のアイソレータ41の加工に向いている。一方、CO2レーザは設備が安価であるため、製造コストを抑えることができる。
【0035】
はんだ流れ防止部51は、各アース端子16の根元部周辺に形成されており、前記第1実施形態と同様に、アイソレータ41をプリント基板等に実装する際には、アース端子16上の実装用はんだは、はんだ流れ防止部51によって堰き止められ、下側ケース4に広範囲に漏れ広がらない。この結果、アース端子16とプリント基板の接合部におけるはんだ量を適切に確保することができ、アイソレータ41とプリント基板の接合強度の低下を防止することができる。
【0036】
また、レーザを、上側ケース8の側壁8aに対して並走させるように照射し、金属被膜を酸化あるいは除去して、図4に示すはんだ流れ防止部12と同様のはんだ流れ防止部を形成する。これにより、上側ケース8の側壁8aと下側ケース4の側壁4aとを接合するための接合用はんだが、はんだ流れ防止部によって堰き止められ、上側ケース8の上壁8bに漏れ広がらない。この結果、側壁8aと側壁4aの接合部におけるはんだ量を適切に確保することができ、側壁8aと側壁4aの接合強度の低下を防止することができる。
【0037】
また、はんだ流れ防止部を全てレーザにて形成する必要はなく、例えば、図7に示すアイソレータ41aのように、アース端子16の側部には樹脂からなるはんだ流れ防止部60を形成し、アース端子16の端部にはレーザによってはんだ流れ防止部61を形成するものであってもよい。樹脂からなるはんだ流れ防止部60は、樹脂製端子ケース3をインサートモールド法によって成形する際に、同時に成形される。
【0038】
また、下側ケース4及び上側ケース8は、鉄を主成分とする金属(母材)の表面に、ニッケル被膜を下地にして銀被膜が形成されたものであってもよい。あるいは、図8に示すように、母材45の表面に、ニッケル被膜44及び銅被膜42を下地にして銀被膜43が形成されたものであってもよい。あるいは、図9に示すように、母材45の表面に、銅被膜42を下地にしてニッケル被膜44及び銀被膜43が形成されたものであってもよい。
【0039】
このように、金属被膜の最表層を銀被膜43にすることにより、アイソレータの挿入損失を低くすることができる。電流は高周波になればなるほど、金属の表面付近に集中する性質がある(表皮効果)。従って、その部分にはできるだけ損失の小さい材質を選択する必要がある。一般に、表皮深さの3倍程度が設定され、例えば図6に示すように銅被膜42を下地として銀被膜43を形成した場合、1GHzの周波数ではトータルで5〜6μm程度の厚みが必要となる。銀は銅の上には良好に密着でき、かつ、電気的な損失が小さいことから、高周波帯では一般にこの組み合わせが採用されることが多い。
【0040】
また、金属被膜の下地としてニッケル被膜44を採用することにより、ニッケル被膜44での安定したレーザ加工が可能となり、レーザ照射の際にニッケル被膜44がバリアとなって母材45の露出を防止する。なぜなら、ニッケル被膜44はレーザの反射率が低い(例えば、波長が1.06μmのYAGレーザの場合、ニッケル被膜の反射率は約50%であるのに対して、銀被膜の反射率は約96%である)ため、レーザ照射により発生する熱を効率良く吸収するからである。
【0041】
また、下側ケース4及び上側ケース8は、鉄を主成分とする金属(母材)の表面に、ニッケル被膜を最表層とする金属被膜が形成されたものであってもよい。ニッケル被膜はレーザの反射率が低いので、低出力のレーザ照射でも安定して酸化あるいは除去され、はんだ流れ防止部を形成することができる。
【0042】
さらに、金属被膜を表面に形成しない下側ケース4及び上側ケース8にレーザを照射し、その熱エネルギーでこれらケース4,8の母材の表面を溶融、蒸発させることにより、酸化膜やはんだ付け性の悪い金属表面を露出させて、はんだ流れ防止部を形成してもよい。
【0043】
[第3実施形態、図10]
第3実施形態は、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして説明する。
【0044】
図10は携帯電話120のRF部分の電気回路ブロック図である。図10において、122はアンテナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間用帯域通過フィルタ、134は送信側ミキサ、135は受信側増幅器、136は受信側段間用帯域通過フィルタ、137受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(VCO)、139はローカル用帯域通過フィルタである。
【0045】
ここに、送信側アイソレータ131として、前記第1実施形態及び第2実施形態の集中定数型アイソレータ1,41,41aを使用することができる。このアイソレータ1,41,41aを実装することにより、高信頼性を有する携帯電話を実現することができる。
【0046】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の構成に変更することができる。例えば、中心電極組立体の形状は、矩形状の他に、円柱形状や変形角形状等任意である。また、永久磁石の形状は、矩形状の他に、例えば、円形状や、角が丸い三角形状等であってもよい。
【0047】
また、中心電極は、金属板を打ち抜き、曲げ加工して形成するものの他に、基板(誘電体基板や磁性体基板や積層基板等)にパターン電極を設けることによっても形成することができる。また、それぞれの中心電極の交差角は、110〜140度の範囲であればよい。
【0048】
また、前記実施形態ではアイソレータに適用したが、本発明は、サーキュレータにも適用できるとともに、他の高周波部品にも適用できる。さらに、はんだ流れ防止部11は、絶縁体被膜をゴム印、パッド印刷、スクリーン印刷あるいはインクジェットの方法で印刷又は転写することにより形成してもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、金属ケースから延在したアース端子の根元部近傍にはんだ流れ防止部を設けているので、非可逆回路素子をプリント基板等に実装する際に、アース端子上の実装用はんだが、はんだ流れ防止部によって堰き止められ、金属ケースに漏れ広がらない。従って、アース端子とプリント基板の接合部におけるはんだ量を適切に確保することができ、非可逆回路素子とプリント基板の接合強度の低下を防止することができる。
【0050】
また、金属ケースを構成している上側ケースの下側ケースとの接合部近傍に、はんだ流れ防止部を設けることにより、上側ケースと下側ケースを接合する際に、接合用はんだが、はんだ流れ防止部によって堰き止められ、上側ケースに必要以上漏れ広がらない。従って、上側ケースと下側ケースの接合部におけるはんだ量を適切に確保することができ、上側ケースと下側ケースの接合強度の低下を防止することができる。以上の結果から、信頼性の高い非可逆回路素子及び通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】図1に示した樹脂製端子ケースを底面側から見た平面図。
【図3】図2に示した樹脂製端子ケースをA方向から見た側面図。
【図4】図1に示した非可逆回路素子の外観斜視図。
【図5】本発明に係る非可逆回路素子の別の実施形態を示す底面図。
【図6】図5に示した金属ケースの金属被膜構成を示す断面図。
【図7】図5に示した非可逆回路素子の変形例を示す底面図。
【図8】図6に示した金属ケースの金属被膜構成の変形例を示す断面図。
【図9】図6に示した金属ケースの金属被膜構成の別の変形例を示す断面図。
【図10】本発明に係る通信装置の一実施形態を示すブロック図。
【図11】従来の非可逆回路素子を示す外観斜視図。
【図12】図11に示した非可逆回路素子を底面側から見た平面図。
【符号の説明】
1,41,41a…アイソレータ
3…樹脂製端子ケース
4…金属製下側ケース
8…金属製上側ケース
9…永久磁石
11,12,51,60,61…はんだ流れ防止部
13…中心電極組立体
16…アース端子
42…銅被膜
43…銀被膜
44…ニッケル被膜
45…母材
120…携帯電話
H1…はんだ流れ防止部の厚み寸法
H2…段差

Claims (11)

  1. 少なくとも永久磁石と、前記永久磁石により直流磁界が印加される中心電極組立体と、前記中心電極組立体を収容する樹脂製端子ケースと、前記永久磁石及び前記中心電極組立体を収容する金属ケースとを備えた非可逆回路素子において、
    前記金属ケースが上側ケースと下側ケースにて構成され、前記下側ケースが前記樹脂製端子ケースにインサートモールドされており、
    前記金属ケースからアース端子を延在させるとともに、該アース端子の根元部近傍にはんだ流れ防止部を設けたこと
    を特徴とする非可逆回路素子。
  2. 少なくとも永久磁石と、前記永久磁石により直流磁界が印加される中心電極組立体と、前記中心電極組立体を収容する樹脂製端子ケースと、前記永久磁石及び前記中心電極組立体を収容する金属ケースとを備えた非可逆回路素子において、
    前記金属ケースが上側ケースと下側ケースにて構成され、前記下側ケースが前記樹脂製端子ケースにインサートモールドされており、
    前記上側ケースの前記下側ケースとの接合部近傍にはんだ流れ防止部を設けたこと
    を特徴とする非可逆回路素子。
  3. 前記はんだ流れ防止部が絶縁体被膜であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記絶縁体被膜が、熱硬化材又は紫外線硬化材のいずれか一つであることを特徴とする請求項3に記載の非可逆回路素子。
  5. 前記金属ケースから延在したアース端子の根元部が前記金属ケースの実装面から突出するように曲げ加工され、前記はんだ流れ防止部の厚み寸法が前記アース端子の根元部と前記金属ケースの実装面との段差より小さいことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の非可逆回路素子。
  6. レーザを前記金属ケースの所望の位置に照射し、金属ケースの表面を少なくとも酸化又は除去して前記はんだ流れ防止部を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  7. 前記金属ケースの表面に金属被膜を設け、レーザを前記金属ケースの所望の位置に照射し、前記金属被膜を少なくとも酸化又は除去して前記はんだ流れ防止部を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  8. 前記金属ケースの表面に設けた金属被膜の最表層が銀被膜であることを特徴とする請求項7に記載の非可逆回路素子。
  9. 前記金属ケースの表面に設けた金属被膜の少なくとも一つの層がニッケル被膜であることを特徴とする請求項7に記載の非可逆回路素子。
  10. 前記金属ケースが鉄を主成分とする金属からなることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の非可逆回路素子の少なくともいずれか一つを備えたことを特徴とする通信装置。
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