JP2002217609A - 非可逆回路素子及び通信装置 - Google Patents

非可逆回路素子及び通信装置

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JP2002217609A
JP2002217609A JP2001012282A JP2001012282A JP2002217609A JP 2002217609 A JP2002217609 A JP 2002217609A JP 2001012282 A JP2001012282 A JP 2001012282A JP 2001012282 A JP2001012282 A JP 2001012282A JP 2002217609 A JP2002217609 A JP 2002217609A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切なはんだ量を確保して接合強度の低下を
防止し、信頼性の高い非可逆回路素子及び通信装置を提
供する。 【解決手段】 下側ケース4の底壁4bの底面(すなわ
ち、金属ケースの実装面)には、各アース端子16の根
元部周辺にはんだ流れ防止部11が設けられている。該
はんだ流れ防止部11は、樹脂やインクにて形成され
る。あるいは、下側ケース4の表面に銅被膜を下地とし
て銀被膜を形成し、下側ケース4の所望の位置にCO2
レーザやYAGレーザを照射し、その熱エネルギーによ
り銀被膜の一部や銅被膜の一部を酸化又は除去させて、
はんだ流れ防止部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非可逆回路素子、
特に、マイクロ波帯で使用されるアイソレータやサーキ
ュレータ等の非可逆回路素子及び通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、携帯電話等の移動用通信装置
に採用される集中定数型アイソレータとして、図11及
び図12に示すものが提案されている。図11は、アイ
ソレータ151の外観斜視図であり、図12はアイソレ
ータ151の底面図である。
【0003】図11に示すように、アイソレータ151
は、概略、樹脂製端子ケース153と金属製下側ケース
154と金属製上側ケース158とを備え、これらの内
部に図示しない永久磁石や中心電極組立体が収容されて
いる。金属製上側ケース158と金属製下側ケース15
4は、両者の接合部(図11において斜線で表示)を接
合用はんだではんだ付けすることにより一体的に接合さ
れ、金属ケースとなる。この金属ケースは、アイソレー
タ151のケースとしての機能の他に、磁性ヨークの機
能も兼ねている。
【0004】図12に示すように、樹脂製端子ケース1
53の右左の側壁153aには、それぞれ入力端子16
4、出力端子165及び四つのアース端子166が配設
されている。アース端子166は、下側ケース154の
左右の辺から延在している。アース端子166の根元部
は、下側ケース154の実装面154bから突出するよ
うに曲げ加工されている。一方、入力端子164及び出
力端子165は、樹脂製端子ケース153にインサート
モールドされている。そして、これらの端子164〜1
66は、アイソレータ151をプリント基板等に実装す
る際には、図12において斜線で表示した部分が、実装
用はんだにてプリント基板上に設けられた電極パターン
に接合される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アイソレータ151の構造では、金属製上側ケース15
8と金属製下側ケース154を接合用はんだで接合する
際に、図11に矢印K1で示す方向に、接合用はんだが
必要以上に漏れ広がることがあった。このため、上側ケ
ース158と下側ケース154の接合部において、適切
なはんだの量が確保できず、上側ケース158と下側ケ
ース154の接合強度が低下するという問題があった。
【0006】また、従来のアイソレータ151は、アー
ス端子166の根元部を、下側ケース154の実装面1
54bから突出するように曲げ加工しているだけである
ため、プリント基板等に実装する際、図12に矢印K2
で示す方向に、アース端子166上の実装用はんだが漏
れ広がってしまう。従って、アース端子166の接合部
分(図12において斜線で表示した部分)の実装用はん
だが少なくなり、アース端子166とプリント基板の電
極パターンとの接合強度が低くなって、耐落下性能が悪
化するおそれもある。
【0007】そこで、本発明の目的は、適切なはんだ量
を確保して接合強度の低下を防止し、信頼性の高い非可
逆回路素子及び通信装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】前記目的を達成
するため、本発明の非可逆回路素子は、少なくとも永久
磁石と、永久磁石により直流磁界が印加される中心電極
組立体と、中心電極組立体を収容する樹脂製端子ケース
と、永久磁石及び中心電極組立体を収容する金属ケース
とを備えた非可逆回路素子である。そして、金属ケース
からアース端子を延在させるとともに、該アース端子の
根元部近傍にはんだ流れ防止部を設けたことを特徴とす
る。はんだ流れ防止部は、例えば、熱硬化材や紫外線硬
化材などの絶縁体被膜で形成される。
【0009】以上の構成により、非可逆回路素子をプリ
ント基板等に実装する際に、アース端子上の実装用はん
だが、はんだ流れ防止部によって堰き止められ、金属ケ
ースに漏れ広がらない。
【0010】また、本発明に係る非可逆回路素子は、金
属ケースを上側ケースと下側ケースにて構成し、上側ケ
ースの下側ケースとの接合部近傍にはんだ流れ防止部を
設けたことを特徴とする。
【0011】以上の構成により、上側ケースと下側ケー
スを接合する際に、接合用はんだが、はんだ流れ防止部
によって堰き止められ、上側ケースに必要以上漏れ広が
らない。
【0012】また、下側ケースを樹脂製端子ケースにイ
ンサートモールドしてもよい。これにより、樹脂製端子
ケースの一部の樹脂に、はんだ流れ防止部と協働しては
んだの漏れ広がりを防止する機能を持たせることができ
る。
【0013】また、金属ケースから延在したアース端子
の根元部を金属ケースの実装面から突出するように曲げ
加工し、はんだ流れ防止部の厚み寸法をアース端子の根
元部と金属ケースの実装面との段差より小さく設定する
ことが好ましい。これにより、非可逆回路素子をプリン
ト基板等に実装する際に、アース端子が確実にプリント
基板の電極パターンと電気的に接合する。
【0014】また、本発明に係る非可逆回路素子は、レ
ーザを金属ケースの所望の位置に照射し、金属ケースの
母材や金属ケースの表面に設けた金属被膜を少なくとも
酸化又は除去してはんだ流れ防止部を形成したことを特
徴とする。これにより、任意の形状のはんだ流れ防止部
が、短時間に確実に形成される。
【0015】また、金属ケースの表面に設けた金属被膜
の最表層が銀被膜であってもよい。最表層が銀被膜であ
ることにより、非可逆回路素子の挿入損失が低くなる。
さらに、金属ケースの表面に設けた金属被膜の少なくと
も一つの層を、ニッケル被膜にすることにより、レーザ
照射の際にニッケル被膜がバリアとなり、金属ケースの
母材の露出が防止される。
【0016】また、本発明に係る通信装置は、前述の特
徴を有する非可逆回路素子を備えることにより、高信頼
性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る非可逆回路
素子及び通信装置の実施の形態について添付の図面を参
照して説明する。
【0018】[第1実施形態、図1〜図4]本発明に係
る非可逆回路素子の一実施形態の構成を示す分解斜視図
を図1に示す。該非可逆回路素子1は、集中定数型アイ
ソレータである。
【0019】図1に示すように、集中定数型アイソレー
タ1は、概略、下側ケース4と、樹脂製端子ケース3
と、中心電極組立体13と、上側ケース8と、永久磁石
9と、絶縁性部材7と、抵抗素子Rと、整合用コンデン
サ素子C1〜C3等を備えている。
【0020】中心電極組立体13は、矩形板状のマイク
ロ波フェライト20の上面に、中心電極21〜23を電
気的絶縁状態で、それぞれの交差角が略120度になる
ように交差させて配置している。これら中心電極21〜
23は、各々の一端側のポート部P1,P2を垂直に、
ポート部P3を水平に、それぞれ導出するとともに、他
端側の中心電極21〜23共通のシールド部26をフェ
ライト20の下面に当接させている。共通シールド部2
6は、フェライト20の下面を略覆っている。
【0021】アース板27は、フェライト20の下面側
に配置され、中心電極21〜23の共通シールド部26
に面接触して(必要があれば、はんだや導電性接着剤等
を利用して)電気的に接続されている。アース板27の
端部からは、三つのコンデンサ接続部27a(整合用コ
ンデンサ素子C3に接続するコンデンサ接続部は図示せ
ず)が延在し、そのうち二つのコンデンサ接続部27a
は、中心電極21,22のポート部P1,P2と平行に
なるように立ち上がっている。アース板27は、下側ケ
ース4の底壁4bにはんだ付け等の方法により接続さ
れ、接地される。
【0022】整合用コンデンサ素子C1〜C3は、ホッ
ト側コンデンサ電極がポート部P1〜P3にそれぞれは
んだ付けされ、コールド側コンデンサ電極がアース板2
7のコンデンサ接続部27aにそれぞれはんだ付けされ
ている。
【0023】抵抗素子Rは回路基板28上にはんだ付け
されている。抵抗素子Rの一方は、回路基板28に設け
られた信号パターンを介して、整合用コンデンサ素子C
3のホット側コンデンサ電極に電気的に接続され、他方
はアース端子16に電気的に接続される。つまり、整合
用コンデンサ素子C3と抵抗素子Rとは、中心電極23
のポート部P3とアース端子16との間に電気的に並列
に接続される。
【0024】下側ケース4は、鉄を主成分とする磁性体
金属からなり、左右の側壁4aと底壁4bとを有してい
る。図2に示すように、底壁4bの左右の辺からは、そ
れぞれ二つのアース端子16が延在している。この下側
ケース4は、インサートモールド法によって、樹脂製端
子ケース3と一体成形されている。これにより、下側ケ
ース4の底壁4bの底面と端子14〜16の段差H2
(図3参照)が精度良く仕上がり、アイソレータ1の低
背化が可能になる。
【0025】下側ケース4の底壁4bの底面(すなわ
ち、金属ケースの実装面)には、各アース端子16の根
元部周辺に、はんだ流れ防止部11が設けられている。
該はんだ流れ防止部11は絶縁体被膜からなり、例えば
樹脂やインクからなる。はんだ流れ防止部11が樹脂か
らなる場合には、樹脂製端子ケース3をインサートモー
ルド法によって成形する際に、同時に、はんだ流れ防止
部11を成形することができる。従って、はんだ流れ防
止部11の形成工程を特別に加える必要がなく、製造コ
ストを抑えることができる。一方、はんだ流れ防止部1
1がインクからなる場合には、インク自体が安価でかつ
加工もし易いため、はんだ流れ防止部11の加工費を抑
えることができる。
【0026】また、はんだ流れ防止部11が熱硬化タイ
プの絶縁体被膜、例えばエポキシ樹脂被膜や熱硬化性イ
ンク被膜の場合には、温度槽などに入れて硬化させるこ
とで、はんだ流れ防止部11を容易に形成することがで
きる。一方、はんだ流れ防止部11が紫外線硬化タイプ
の絶縁体被膜、例えば紫外線硬化型エポキシ樹脂被膜や
紫外線硬化性インク被膜の場合には、紫外線を照射して
硬化させるだけで、はんだ流れ防止部11を容易に形成
することができる。特に、紫外線硬化タイプの絶縁体被
膜の場合、温度を上げる必要がないため、アイソレータ
1に対する熱的ストレスを最小限に抑えることができ
る。
【0027】図3に示すように、各アース端子16は、
その根元部が下側ケース4の底壁4bの底面から突出す
るように曲げ加工されている。はんだ流れ防止部11の
厚み寸法H1は、アース端子16の根元部と底壁4bの
底面との段差H2(代表値:0.02〜0.2mm程
度)より小さく設定されている。これにより、アイソレ
ータ1をプリント基板等に実装した際、はんだ流れ防止
部11によって端子14〜16がプリント基板の電極パ
ターンから浮き上がるおそれがなくなり、実装不良の発
生を抑えることができる。
【0028】図1に示すように、樹脂製端子ケース3
は、それぞれ対向する二組の側壁3a,3bを有してい
る。樹脂製端子ケース3の底部には下側ケース4の底壁
4bが露出している。さらに、樹脂製端子ケース3に
は、入力端子14及び出力端子15がインサートモール
ドされている。入力端子14、出力端子15は一端が樹
脂製端子ケース3の側壁3aの外側面に露出し、他端が
樹脂製端子ケース3の側壁3aの内側面に露出して入力
引出電極部14a、出力引出電極部15aを形成してい
る。同様に、下側ケース4から延在している四つのアー
ス端子16はそれぞれ、樹脂製端子ケース3の対向する
側壁3aの外側面に露出している。この下側ケース4と
一体成形している樹脂製端子ケース3内に、中心電極組
立体13や整合用コンデンサ素子C1〜C3等を収容す
る。中心電極21,22のポート部P1,P2のそれぞ
れは、はんだ付け等の方法により入力引出電極部14
a、出力引出電極部15aに接続される。
【0029】上側ケース8は、鉄を主成分とする磁性体
金属からなり、左右の側壁8aと上壁8bとを有してい
る。それぞれの側壁8aは下側ケース4の側壁4aとの
接合部であり、はんだ流れ防止部12が側壁8aに並走
するように形成されている。該はんだ流れ防止部12は
絶縁体被膜からなり、例えば樹脂やインクからなる。上
側ケース8の上壁8bの下側には永久磁石9が配置さ
れ、この永久磁石9により中心電極組立体13に直流磁
界を印加するようになっている。接合された下側ケース
4と上側ケース8は、磁気回路を構成しており、ヨーク
としても機能している。下側ケース4及び上側ケース8
は、例えば鉄やケイ素鋼などの高透磁率からなる板材を
打ち抜き、曲げ加工した後、表面に銅や銀をめっきして
なるものである。
【0030】こうして、図4に示すアイソレータ1が得
られる。このアイソレータ1をプリント基板等に実装す
る際には、端子14〜16(特に、図2において斜線で
表示した部分)が実装用はんだにてプリント基板上に設
けられた電極パターンに接合される。このとき、アース
端子16上の実装用はんだは、図2に矢印K3で示す方
向に若干漏れ広がるが、アース端子16の根元部周辺に
設けたはんだ流れ防止部11によって堰き止められ、下
側ケース4に広範囲に漏れ広がらない。この結果、アー
ス端子16とプリント基板の接合部におけるはんだ量を
適切に確保することができ、アイソレータ1とプリント
基板の接合強度の低下を防止することができる。
【0031】また、上側ケース8と下側ケース4を接合
する際には、上側ケース8の側壁8aと下側ケース4の
側壁4aとの接合部(図4において斜線で表示した部
分)が接合用はんだにて接合される。このとき、接合用
はんだは、上側ケース8の側壁8aに並走するように形
成されているはんだ流れ防止部12によって堰き止めら
れ、上側ケース8の上壁8bに漏れ広がらない。この結
果、側壁8aと側壁4aの接合部におけるはんだ量を適
切に確保することができ、側壁8aと側壁4aの隙間に
接合用はんだを充分に充填することができる。
【0032】[第2実施形態、図5及び図6]第2実施
形態は、金属被膜を表面に設けた金属ケースにレーザを
照射し、金属被膜を酸化あるいは除去してはんだ流れ防
止部を形成したアイソレータについて説明する。図5
は、第2実施形態のアイソレータ41の底面図である。
該アイソレータ41は、はんだ流れ防止部51を残して
前記第1実施形態のアイソレータ1と同様の構造を有し
ている。
【0033】このアイソレータ41の下側ケース4及び
上側ケース8は、図6に示すように、鉄を主成分とする
金属(母材)45からなり、その表面に銅被膜42を下
地として銀被膜43が形成されている。そして、この下
側ケース4の所望の位置にCO2レーザやYAGレーザ
を照射し、その熱エネルギーにより銀被膜43の一部や
銅被膜42の一部を酸化させて、はんだ漏れ性の悪い酸
化銀や酸化銅にする。この酸化銀や酸化銅が、図5に示
したはんだ流れ防止部51になる。あるいは、CO2
ーザやYAGレーザを照射し、銀被膜43の一部や銅被
膜42の一部を除去し、あるいは除去とともに酸化させ
て、下層金属、つまり、はんだ漏れ性の悪い母材45や
酸化された銅被膜42を露出させる。このはんだ漏れ性
の悪い母材45や酸化された銅被膜42の露出部が、図
5に示したはんだ流れ防止部51になる。これにより、
任意の形状のはんだ流れ防止部51を短時間に確実に形
成することができる。凹部があっても問題なく形成する
ことができる。
【0034】YAGレーザは、光ファイバが使用可能で
あり、加工ヘッドの軽量・小型化が可能である。また、
波長が短いため、スポット径を小さく絞ることができ、
細かな形状でも加工可能である。従って、小型のアイソ
レータ41の加工に向いている。一方、CO2レーザは
設備が安価であるため、製造コストを抑えることができ
る。
【0035】はんだ流れ防止部51は、各アース端子1
6の根元部周辺に形成されており、前記第1実施形態と
同様に、アイソレータ41をプリント基板等に実装する
際には、アース端子16上の実装用はんだは、はんだ流
れ防止部51によって堰き止められ、下側ケース4に広
範囲に漏れ広がらない。この結果、アース端子16とプ
リント基板の接合部におけるはんだ量を適切に確保する
ことができ、アイソレータ41とプリント基板の接合強
度の低下を防止することができる。
【0036】また、レーザを、上側ケース8の側壁8a
に対して並走させるように照射し、金属被膜を酸化ある
いは除去して、図4に示すはんだ流れ防止部12と同様
のはんだ流れ防止部を形成する。これにより、上側ケー
ス8の側壁8aと下側ケース4の側壁4aとを接合する
ための接合用はんだが、はんだ流れ防止部によって堰き
止められ、上側ケース8の上壁8bに漏れ広がらない。
この結果、側壁8aと側壁4aの接合部におけるはんだ
量を適切に確保することができ、側壁8aと側壁4aの
接合強度の低下を防止することができる。
【0037】また、はんだ流れ防止部を全てレーザにて
形成する必要はなく、例えば、図7に示すアイソレータ
41aのように、アース端子16の側部には樹脂からな
るはんだ流れ防止部60を形成し、アース端子16の端
部にはレーザによってはんだ流れ防止部61を形成する
ものであってもよい。樹脂からなるはんだ流れ防止部6
0は、樹脂製端子ケース3をインサートモールド法によ
って成形する際に、同時に成形される。
【0038】また、下側ケース4及び上側ケース8は、
鉄を主成分とする金属(母材)の表面に、ニッケル被膜
を下地にして銀被膜が形成されたものであってもよい。
あるいは、図8に示すように、母材45の表面に、ニッ
ケル被膜44及び銅被膜42を下地にして銀被膜43が
形成されたものであってもよい。あるいは、図9に示す
ように、母材45の表面に、銅被膜42を下地にしてニ
ッケル被膜44及び銀被膜43が形成されたものであっ
てもよい。
【0039】このように、金属被膜の最表層を銀被膜4
3にすることにより、アイソレータの挿入損失を低くす
ることができる。電流は高周波になればなるほど、金属
の表面付近に集中する性質がある(表皮効果)。従っ
て、その部分にはできるだけ損失の小さい材質を選択す
る必要がある。一般に、表皮深さの3倍程度が設定さ
れ、例えば図6に示すように銅被膜42を下地として銀
被膜43を形成した場合、1GHzの周波数ではトータ
ルで5〜6μm程度の厚みが必要となる。銀は銅の上に
は良好に密着でき、かつ、電気的な損失が小さいことか
ら、高周波帯では一般にこの組み合わせが採用されるこ
とが多い。
【0040】また、金属被膜の下地としてニッケル被膜
44を採用することにより、ニッケル被膜44での安定
したレーザ加工が可能となり、レーザ照射の際にニッケ
ル被膜44がバリアとなって母材45の露出を防止す
る。なぜなら、ニッケル被膜44はレーザの反射率が低
い(例えば、波長が1.06μmのYAGレーザの場
合、ニッケル被膜の反射率は約50%であるのに対し
て、銀被膜の反射率は約96%である)ため、レーザ照
射により発生する熱を効率良く吸収するからである。
【0041】また、下側ケース4及び上側ケース8は、
鉄を主成分とする金属(母材)の表面に、ニッケル被膜
を最表層とする金属被膜が形成されたものであってもよ
い。ニッケル被膜はレーザの反射率が低いので、低出力
のレーザ照射でも安定して酸化あるいは除去され、はん
だ流れ防止部を形成することができる。
【0042】さらに、金属被膜を表面に形成しない下側
ケース4及び上側ケース8にレーザを照射し、その熱エ
ネルギーでこれらケース4,8の母材の表面を溶融、蒸
発させることにより、酸化膜やはんだ付け性の悪い金属
表面を露出させて、はんだ流れ防止部を形成してもよ
い。
【0043】[第3実施形態、図10]第3実施形態
は、本発明に係る通信装置として、携帯電話を例にして
説明する。
【0044】図10は携帯電話120のRF部分の電気
回路ブロック図である。図10において、122はアン
テナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイ
ソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間
用帯域通過フィルタ、134は送信側ミキサ、135は
受信側増幅器、136は受信側段間用帯域通過フィル
タ、137受信側ミキサ、138は電圧制御発振器(V
CO)、139はローカル用帯域通過フィルタである。
【0045】ここに、送信側アイソレータ131とし
て、前記第1実施形態及び第2実施形態の集中定数型ア
イソレータ1,41,41aを使用することができる。
このアイソレータ1,41,41aを実装することによ
り、高信頼性を有する携帯電話を実現することができ
る。
【0046】[他の実施形態]本発明は、前記実施形態
に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種
々の構成に変更することができる。例えば、中心電極組
立体の形状は、矩形状の他に、円柱形状や変形角形状等
任意である。また、永久磁石の形状は、矩形状の他に、
例えば、円形状や、角が丸い三角形状等であってもよ
い。
【0047】また、中心電極は、金属板を打ち抜き、曲
げ加工して形成するものの他に、基板(誘電体基板や磁
性体基板や積層基板等)にパターン電極を設けることに
よっても形成することができる。また、それぞれの中心
電極の交差角は、110〜140度の範囲であればよ
い。
【0048】また、前記実施形態ではアイソレータに適
用したが、本発明は、サーキュレータにも適用できると
ともに、他の高周波部品にも適用できる。さらに、はん
だ流れ防止部11は、絶縁体被膜をゴム印、パッド印
刷、スクリーン印刷あるいはインクジェットの方法で印
刷又は転写することにより形成してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、金属ケースから延在したアース端子の根元部
近傍にはんだ流れ防止部を設けているので、非可逆回路
素子をプリント基板等に実装する際に、アース端子上の
実装用はんだが、はんだ流れ防止部によって堰き止めら
れ、金属ケースに漏れ広がらない。従って、アース端子
とプリント基板の接合部におけるはんだ量を適切に確保
することができ、非可逆回路素子とプリント基板の接合
強度の低下を防止することができる。
【0050】また、金属ケースを構成している上側ケー
スの下側ケースとの接合部近傍に、はんだ流れ防止部を
設けることにより、上側ケースと下側ケースを接合する
際に、接合用はんだが、はんだ流れ防止部によって堰き
止められ、上側ケースに必要以上漏れ広がらない。従っ
て、上側ケースと下側ケースの接合部におけるはんだ量
を適切に確保することができ、上側ケースと下側ケース
の接合強度の低下を防止することができる。以上の結果
から、信頼性の高い非可逆回路素子及び通信装置を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態を示
す分解斜視図。
【図2】図1に示した樹脂製端子ケースを底面側から見
た平面図。
【図3】図2に示した樹脂製端子ケースをA方向から見
た側面図。
【図4】図1に示した非可逆回路素子の外観斜視図。
【図5】本発明に係る非可逆回路素子の別の実施形態を
示す底面図。
【図6】図5に示した金属ケースの金属被膜構成を示す
断面図。
【図7】図5に示した非可逆回路素子の変形例を示す底
面図。
【図8】図6に示した金属ケースの金属被膜構成の変形
例を示す断面図。
【図9】図6に示した金属ケースの金属被膜構成の別の
変形例を示す断面図。
【図10】本発明に係る通信装置の一実施形態を示すブ
ロック図。
【図11】従来の非可逆回路素子を示す外観斜視図。
【図12】図11に示した非可逆回路素子を底面側から
見た平面図。
【符号の説明】
1,41,41a…アイソレータ 3…樹脂製端子ケース 4…金属製下側ケース 8…金属製上側ケース 9…永久磁石 11,12,51,60,61…はんだ流れ防止部 13…中心電極組立体 16…アース端子 42…銅被膜 43…銀被膜 44…ニッケル被膜 45…母材 120…携帯電話 H1…はんだ流れ防止部の厚み寸法 H2…段差

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも永久磁石と、前記永久磁石に
    より直流磁界が印加される中心電極組立体と、前記中心
    電極組立体を収容する樹脂製端子ケースと、前記永久磁
    石及び前記中心電極組立体を収容する金属ケースとを備
    えた非可逆回路素子において、 前記金属ケースからアース端子を延在させるとともに、
    該アース端子の根元部近傍にはんだ流れ防止部を設けた
    ことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも永久磁石と、前記永久磁石に
    より直流磁界が印加される中心電極組立体と、前記中心
    電極組立体を収容する樹脂製端子ケースと、前記永久磁
    石及び前記中心電極組立体を収容する金属ケースとを備
    えた非可逆回路素子において、 前記金属ケースが上側ケースと下側ケースにて構成さ
    れ、前記上側ケースの前記下側ケースとの接合部近傍に
    はんだ流れ防止部を設けたことを特徴とする非可逆回路
    素子。
  3. 【請求項3】 前記金属ケースが上側ケースと下側ケー
    スにて構成され、前記下側ケースが前記樹脂製端子ケー
    スにインサートモールドされていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 【請求項4】 前記はんだ流れ防止部が絶縁体被膜であ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の非可逆回路素子。
  5. 【請求項5】 前記絶縁体被膜が、熱硬化材又は紫外線
    硬化材のいずれか一つであることを特徴とする請求項4
    に記載の非可逆回路素子。
  6. 【請求項6】 前記金属ケースから延在したアース端子
    の根元部が前記金属ケースの実装面から突出するように
    曲げ加工され、前記はんだ流れ防止部の厚み寸法が前記
    アース端子の根元部と前記金属ケースの実装面との段差
    より小さいことを特徴とする請求項1,請求項3,請求
    項4または請求項5に記載の非可逆回路素子。
  7. 【請求項7】 レーザを前記金属ケースの所望の位置に
    照射し、金属ケースの表面を少なくとも酸化又は除去し
    て前記はんだ流れ防止部を形成したことを特徴とする請
    求項1〜請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  8. 【請求項8】 前記金属ケースの表面に金属被膜を設
    け、レーザを前記金属ケースの所望の位置に照射し、前
    記金属被膜を少なくとも酸化又は除去して前記はんだ流
    れ防止部を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  9. 【請求項9】 前記金属ケースの表面に設けた金属被膜
    の最表層が銀被膜であることを特徴とする請求項8に記
    載の非可逆回路素子。
  10. 【請求項10】 前記金属ケースの表面に設けた金属被
    膜の少なくとも一つの層がニッケル被膜であることを特
    徴とする請求項8に記載の非可逆回路素子。
  11. 【請求項11】 前記金属ケースが鉄を主成分とする金
    属からなることを特徴とする請求項1〜請求項10のい
    ずれかに記載の非可逆回路素子。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項11に記載の非可逆
    回路素子の少なくともいずれか一つを備えたことを特徴
    とする通信装置。
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