JP4284673B2 - 帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオレフィン系樹脂組成物の製造方法に関する。詳しくは、特定の官能基を有する有機化合物を、オレフィン系樹脂製造時に特定量共存させることにより重合活性を向上させ、かつ得られる重合体組成物に帯電防止効果を付与する方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィンはそのままでは電気絶縁体であるため、成型加工を行う段階においては、帯電を防止するための改質技術が必要となる場合が多い。帯電を防止する処方の一つに表面を導電化する技術があり、一般的には界面活性剤などを表面に塗布するか練り込んで表面電導度を向上させる手法がとられる。
帯電防止を目的とした添加剤は数多く知られており、市販品の入手も可能である。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキシドアルキルエーテル等の非イオンタイプの化合物、アルキルスルホン酸塩、アルキルホスフェート等のアニオンタイプの化合物、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオンタイプの化合物、および、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン等の両性タイプの化合物が知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
これらの添加剤を重合後に添加することは、成形までの行程が増加することから、特定の添加剤を重合プロセスの中で適用し同様の効果が得られれば、プロセス簡略の観点から望ましい。また、重合プロセスの中で適用する場合は分散性の向上が図られ、重合後の添加よりも少量の添加量で同一の性能が発揮されることが期待される。
通常、帯電防止剤として機能する化合物の多くは、分子内に水酸基やアミノ基といった極性基を含有しているのが多い。しかしながら、一般的にこれら化合物は触媒を被毒するため、重合時に帯電防止機能を有する化合物を添加した場合は重合活性を低下させてしまうという問題点がある。従って重合活性を著しく低下させない化合物を選択することも重要となる。
【0004】
一方、オレフィン重合触媒の成分として、特定のアミン化合物を用いる方法が知られている(特許文献1参照)。この方法においては、触媒調製時の処理剤として特定アミン化合物が添加されるが、添加後、アミン化合物が可溶な溶媒による洗浄工程があるため遊離したアミン化合物が触媒中にほとんど存在しない。したがって添加された特定のアミン化合物がポリマーに取り込まれることはなく、その帯電防止効果は期待できない。また、オレフィン重合触媒の成分として、窒素やリンを含有する化合物を用いる方法も提案されている(特許文献2参照)。この方法は、主に得られるポリマーの分子量の向上を目的とした技術であるが、重合活性は大きく低下しているためポリマー生産の立場からみると、実用的ではない。
【特許文献1】
特開平10−231312号公報
【特許文献2】
特開平11―140111号公報
【非特許文献1】
静電気学会誌、21巻、5月号(1997)、212−219頁
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するため、活性水素基を含有する特定の有機化合物を、特定の重合方法において使用し、また、充分な帯電防止効果を維持させるため、その使用量をポリオレフィンの製造量に対して特定範囲とすることにより、触媒の重合活性を低下させるのではなく、逆にこれを向上させ、しかも得られた重合体組成物の帯電防止効果を同時に達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、重合用触媒の存在下、オレフィンを重合する方法において、下記成分[A]を気相重合系に、連続的に、又は間欠的に添加して生成するポリオレフィン中に成分[A]を取り込ませ、該成分[A]の官能基含有量を該ポリオレフィンに対して、0.07〜1.0(mmol/kg)となるようにエチレンの単独重合又はランダム共重合を行なうことを特徴とする帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法に存する。
成分[A]:[A1]又は[A2]で示される化合物
[A1]: 少なくとも1個の活性水素を有する周期表第16族原子が、5〜14個の炭素原子により構成される環のうちの1個の炭素原子に直接結合し、かつ該環構造を形成する他の炭素原子に炭素数1〜30の炭化水素基が少なくとも1個結合した有機化合物。
[A2]:少なくとも1個の活性水素を有する周期表第15族原子が、5〜14個の炭素原子により構成される環のうちの1個の炭素原子に直接結合し、かつ該環構造を形成する他の炭素原子に炭素数1〜30の炭化水素基が少なくとも1個結合した有機化合物。
(ただし、[A1]及び[A2]の環構造は、(1)単環式飽和炭化水素構造、(2)単環式不飽和炭化水素構造、(3)縮合多環式炭化水素構造、(4)縮合多環式炭化水素の部分水素化化合物構造、(5)架橋環式炭化水素構造、(6)スピロ炭化水素構造、又は(7)上記(1)〜(6)に対応する構造であって、該構造において炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子で置換されたヘテロ環化合物構造から選択されるものとする。)
【0007】
尚、本発明における原子の周期律は、1989年にIUPACにより推奨された18族方式に基づくものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
成分[A] <活性水素を有する特定の有機化合物>
本発明に用いられる成分[A]は、[A1]又は[A2]で示される化合物である。
[A1]: 少なくとも1個の活性水素を有する周期表第16族原子が、5〜14個の炭素原子により構成される環のうちの1個の炭素原子に直接結合し、かつ該環構造を形成する他の炭素原子に炭素数1〜30の炭化水素基が少なくとも1個結合した有機化合物。
[A2]:少なくとも1個の活性水素を有する周期表第15族原子が、5〜14個の炭素原子により構成される環のうちの1個の炭素原子に直接結合し、かつ該環構造を形成する他の炭素原子に炭素数1〜30の炭化水素基が少なくとも1個結合した有機化合物。
ここで、活性水素とは、玉虫等編集の「理化学辞典第3版増補版」岩波書店1982年発行、248ページの「活性水素」の項に記載されるように、有機化合物中の水素原子を、炭素に直接結合しているものと、酸素、窒素などと結合しているものとに分けて、後者を反応性が強いということから呼ぶものである。
【0009】
本発明においては、周期表第16族の原子、具体的には酸素、イオウ、セレン、テルル、ポロニウムのいずれかの原子に活性水素が結合した化合物が用いられる。酸素原子に結合した化合物としてはアルコール類、フェノール類、イオウ原子に結合した化合物としてはチオール類、チオフェノール類、セレン原子に結合した化合物としてはセレノール(selenol)類、テルル原子に結合した化合物としてはテルロール(tellurol)類、ポロニウム原子に結合した化合物としてはポロノール(polonol)類などを挙げることが出来る。
本発明において、活性水素とこれらの原子とが結合した部分、例えば、−OH、−SH、−NH2などの活性水素含有基を、総称して単に官能基ということがある。
【0010】
ここで、5〜14個の炭素原子により構成される環とは具体的には次の6種に分類できる。
(1)単環式飽和炭化水素構造
(2)単環式不飽和炭化水素構造
(3)縮合多環式炭化水素構造
(4)縮合多環式炭化水素の部分水素化化合物構造
(5)架橋環式炭化水素構造
(6)スピロ炭化水素構造
この他にも(7)として、(1)〜(6)に対応する構造であって、該構造において炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子で置換されたヘテロ環化合物構造を有する化合物も、本発明と同様の効果が期待できる。
IUPAC有機化学命名法委員会1979年発行、平山健三訳、訳書南江堂1988年発行の「有機化学・生化学命名法 改訂第2版」18ページから64ページに、上記の分類が詳しく記載されている。更に具体的に例示すると、次の通りである。以下、環構造を炭化水素の基の名称で表示する。
【0011】
(1)単環式飽和炭化水素構造
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノナニル基、シクロデカニル基、シクロウンデカニル基、シクロドデカニル基、シクロトリデカニル基、シクロテトラデカニル基、
【0012】
(2)単環式不飽和炭化水素構造
2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イル基、シクロペンチリデン基、シクロヘキセニル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、2,4−シクロヘキサジエン−1−イリデン基、1−シクロデセン−4−イニル基、1−シクロテトラデセン−4−イニル基、フェニル基
【0013】
(3)縮合多環式炭化水素構造
ペンタレニル基、インデニル基、ナフタレニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、1H−シクロペンタシクロオクテニル基、ベンゾシクロオクテニル基、
【0014】
(4)縮合多環式炭化水素基の部分水素化化合物構造
1,4−ジヒドロナフタレニル基、テトラデカヒドロアントラセニル基、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテニル基、4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタシクロオクテニル基、インダニル基
【0015】
(5)架橋環式炭化水素構造
ビシクロ[3.2.1]オクタニル基、ビシクロ[5.2.0]ノナニル基、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エニル基、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタニル基、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカニル基、トリシクロ[5.4.0.0]ウンデカニル基、トリシクロ[7.3.2.0]テトラデカニル基、1,4−ジヒドロ−1,4−メタノペンタレニル基、
【0016】
(6)スピロ炭化水素構造
スピロ[3.4]オクタニル基、スピロ[4.5]デカ−1,6−ジエニル基、スピロ[シクロペンタン−1,1’−インデニル]基、
【0017】
(7)上記(1)〜(6)に対応する構造であって、該構造において炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子で置換されたヘテロ環化合物構造
チアントレニル基、ピラニル基、クロメニル基、フェノキサチイニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、モルフォリニル基、1−オキサスピロ[4.5]デカニル基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−スピロ−4’−ピペリジニル基、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基、2,6−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ−7−イル基
【0018】
5〜14個の炭素原子により構成される環として上記のような構造を挙げることができるが、(2)単環式不飽和炭化水素構造、(3)縮合多環式炭化水素構造および(4)縮合多環式炭化水素の部分水素化化合物構造が好ましく、これらの中でも(2)に属する芳香族環構造を有する化合物が更に好ましい。
【0019】
周期表第16族原子又は周期表15族原子が結合する炭素原子以外の炭素原子に結合する炭素数1〜30の炭化水素基とは、直鎖状でも分岐状でも環状でもよい炭化水素基であり、また、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でも良い。更に、ここでいう炭素数1〜30の炭化水素基とは、該炭化水素基の水素原子をハロゲン原子や、トリメチルシリル基やトリエチルシリル基等のトリアルキルシリル基に置換した炭化水素誘導基も含む。好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、更に好ましくはメチル基である。置換炭化水素基のうち、該炭化水素基の直鎖状部分または分岐状部分に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等で形成されるルイス塩基部位を含む構造のものは好ましくない。
【0020】
成分[A1]としては、周期表第16族の原子、具体的には酸素、硫黄、セレニウム、テルリウム、ポロニウムのいずれかの原子に活性水素が結合した化合物が用いられる。これらの中では、酸素原子、硫黄原子に活性水素が結合した化合物が好ましい。
成分[A1]においては、少なくとも1個の活性水素を有する周期表第16族原子が直接結合している5〜14個の炭素原子により構成される環の中の炭素原子を基準として、環上のα位、α’位、β位、β’位いずれかの位置に、上記炭素数1〜30の炭化水素基が少なくとも1個結合していることが好ましい。また、該炭素数1〜30の炭化水素基は2個以上存在しても良い。この場合、上記環上のα位とα’位に同時に2個有していても良く、α位とβ位1個ずつでも良い。
また、上述した化合物のうち、好ましくは(2)に属する芳香族環構造を有する化合物であって、少なくとも1個の活性水素を有する周期表第16族原子が結合する炭素原子以外の炭素原子に結合する炭化水素置換基が炭素数1〜4のアルキル基である化合物が好ましい。
より好ましくはこれらの化合物のうち、当該置換基が当該環状のα位とα’位に同時に2個存在する場合あるいは、α位とβ位1個ずつ存在する場合である。当該第16族元素が酸素原子である場合が特に好ましい。
【0021】
先に述べた、5〜14個の炭素原子により構成された環構造の分類に従い 先に述べた、5〜14個の炭素原子により構成された環構造の分類に従って、[A1]について、周期表第16族原子が酸素である化合物の場合を例として具体例を示すと、(1)単環式飽和炭化水素構造に属する化合物として、
2−メチルシクロペンタン−1−オール、2−エチルシクロペンタン−1−オール、2−プロピルシクロペンタン−1−オール、3−メチルシクロペンタン−1−オール、4−メチルシクロペンタン−1−オール、2−メチルシクロヘキサン−1−オール、2,3−ジメチルシクロヘキサン−1−オール、2,4−ジメチルシクロヘキサン−1−オール、2,5−ジメチルシクロヘキサン−1−オール、2,6−ジメチルシクロヘキサン−1−オール、3,4−ジメチルシクロヘキサン−1−オール、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1−オール、2−エチル−3−メチルシクロヘキサン−1−オール、2,3,4−トリメチルシクロヘキサン−1−オール、2,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1−オール、2,4−ジメチルシクロオクタン−1−オール、2,3,4−トリメチルシクロオクタン−1−オール、2,5−ジメチルヘキサン−1,3−ジオール、等
【0022】
(2)単環式不飽和炭化水素構造に属する化合物として、
2−メチル−2−シクロペンテン−1−オール、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オール、4−メチル−2−シクロペンテン−1−オール、5−メチル−2−シクロペンテン−1−オール、2−n−ブチル−2−シクロペンテン−1−オール、2,3−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オール、2,4−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オール、2,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オール、3,4−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オール、3,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オール、4,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オール、2−メチル−2,4−シクロペンタジエン−1−オール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、2−n−ブチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,6−ジイソプロピルフェノール、3−エチル−4−メチルフェノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,5−ジメチル−1,3−ベンゼンジオール、3,3’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェニルジオール、等
【0023】
(3)縮合多環式炭化水素構造に属する化合物として、
ペンタレン−1−オール、2−メチルペンタレン−1−オール、3−メチルペンタレン−1−オール、インデン−1−オール、2−メチルインデン−1−オール、3−メチルインデン1−1オール、インデン−2−オール、1−メチルナフトール、3−メチルナフトール、1,4−ジメチルナフトール、2−メチルアズレン−1−オール、1−メチルアズレン−2−オール、8−メチルアズレン−7−オール、1−メチルアントロール、等
【0024】
(4)縮合多環式炭化水素の部分水素化化合物構造に属する化合物として、
2−メチル−1,4−ジヒドロナフタレン−1−オール、2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロナフタレン−1−オール、2,4−ジメチル−1,4−ジヒドロナフタレン−1−オール、1−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフトール、2−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−1−オール、3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−1−オール、3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−2−オール、3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−4−オール、8−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−9−オール、等
【0025】
(5)架橋環式炭化水素構造に属する化合物として、
1−メチル−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−オール、3−メチル−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−オール、4−メチル−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−オール、1−メチル−トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタン−2−オール、1−メチル−トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタン−7−オール、
1,3−ジメチル−トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタン−2−オール、等
【0026】
(6)スピロ炭化水素構造に属する化合物として、
1−メチル−スピロ[3.4]オクタン−2−オール、1,3−ジメチル−スピロ[3.4]オクタン−2−オール、1,1,3−トリメチル−スピロ[3.4]オクタン−2−オール、1,1,3,3−テトラメチル−スピロ[3.4]オクタン−2−オール、等
【0027】
(7)ヘテロ環化合物構造に属する化合物として、
1−メチルチアントレノール、2−メチルピラノール、2−メチルクロメノール、1−メチルフェノキサチイノール、1−メチルカルバゾロール、3,4,5−トリメチルアクリジノール、2,4,5,6−テトラメチルモルフォリノール、2,6−ジメチル−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−オール、1,2’,6’−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−スピロ−4’−ピペリジン−2−オール、2,4−ジメチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−オール、1,5,7−トリメチル−2,6−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オール
などが挙げられる。
【0028】
以上に具体的な化合物名を挙げたが、これらは例示であって、本発明がこれらの化合物に限定されるものでない。上記はアルコール類又はフェノール類の例示であるが、チオール類、チオフェノール類、セレノール類、テルロール類、ポロノール類などについても同様である。また、成分[A]は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
成分[A2]としては、周期表第15族の原子、具体的には窒素、リン、砒素、アンチモン、ビスマスのいずれかの原子に活性水素が結合した化合物が用いられる。これらの中では、窒素原子、リン原子に活性水素が結合した化合物が好ましい。
【0030】
成分[A2]においては、少なくとも1個の活性水素を有する周期表第15族原子が直接結合している5〜14個の炭素原子により構成される環の中の炭素原子を基準として、環上のα位、α’位、γ位、γ’位いずれかの位置に、上記炭素数1〜30の炭化水素基が少なくとも1個結合していることが好ましい。この中でも該炭素数1〜30の炭化水素基が2個以上存在することが好ましく、この場合上記環上のα位とα’位に同時に2個有しないことが好ましい。また上述した化合物のうち好ましくは、(2)単環式不飽和炭化水素構造が芳香族環構造を有する化合物であって、少なくとも1個の活性水素を有する周期表第15族原子が結合する炭素原子以外の炭素原子に結合する炭化水素置換基が炭素数1〜4のアルキル基である化合物が好ましい。
より好ましくはこれらの化合物のうち、当該環上のα位、α’位、γ位、γ’位いずれかの位置に、炭素数1〜4のアルキル基が少なくとも1個結合していることが好ましい。当該第15族元素が窒素原子である場合が特に好ましい。
【0031】
先に述べた、5〜14個の炭素原子により構成された環構造の分類に従い、[A2]について、周期表第16族原子が窒素である化合物の場合を例として具体例を示すと、
(1)単環式飽和炭化水素構造に属する化合物として、
(2−メチルシクロペンチル)アミン、(2−エチルシクロペンチル)アミン、(2−プロピルシクロペンチル)アミン、(3−メチルシクロペンチル)アミン、
(4−メチルシクロペンチル)アミン、(2−メチルシクロヘキシル)アミン、(2,3−ジメチルシクロヘキシル)アミン、(2,4−ジメチルシクロヘキシル)アミン、(2,5−ジメチルシクロヘキシル)アミン、(2,6−ジメチルシクロヘキシル)アミン、(3,4−ジメチルシクロヘキシル)アミン、(3,5−ジメチルシクロヘキシル)アミン、(2−エチル−3−メチルシクロヘキシル)アミン、(2,3,4−トリメチルシクロヘキシル)アミン、(2,3,5−トリメチルシクロヘキシル)アミン、(2,4−ジメチルシクロオクチル)アミン、(2,3,4−トリメチルシクロオクチル)アミン、ジ(2−メチルシクロペンチル)アミン、1,3−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、等
【0032】
(2)単環式不飽和炭化水素構造に属する化合物として、
(2−メチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(3−メチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(4−メチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(5−メチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(2−n−ブチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(2,3−ジメチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(2,4−ジメチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(2,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(3,4−ジメチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(3,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(4,5−ジメチル−2−シクロペンテン−1−イル)アミン、(2−メチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)アミン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−n−ブチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、3−エチル−4−メチルアニリン、N,N−ジ(2−メチルフェニル)アミン、N,N−ジ(2,5−ジメチルフェニル)アミン、N−メチル−N−ジ(2,5−ジメチルフェニル)アミン、2,3,4−トリメチルアニリン、1,3−ジアミノ−2,5−ジメチルベンゼン、4,4’−ジアミノ−3,3’,6,6’−テトラメチルビフェニル、等
【0033】
(3)縮合多環式炭化水素構造に属する化合物として
1−(ペンタレニル)アミン、1−(2−メチルペンタレニル)アミン、1−(3−メチルペンタレニル)アミン、1−(インデニル)アミン、1−(2−メチルインデニル)アミン、1−(3−メチルインデニル)アミン、2−(インデニル)アミン、(1−メチルナフチル)アミン、(3−メチルナフチル)アミン、(1,4−ジメチルナフチル)アミン、1−(2−メチルアズレニル)アミン、2−(1−メチルアズレニル)アミン、7−(8−メチルアズレニル)アミン、(1−メチルアントリル)アミン、等
【0034】
(4)縮合多環式炭化水素の部分水素化化合物構造に属する化合物として
(2−メチル−1,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)アミン、(2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)アミン、(2,4−ジメチル−1,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)アミン、(1−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)アミン、(2−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−1−イル)アミン、(3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−1−イル)アミン、(3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−2−イル)アミン、(3−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−4−イル)アミン、(8−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−9−イル)アミン、等
【0035】
(5)架橋環式炭化水素構造に属する化合物として
(1−メチル−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル)アミン、(3−メチル−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル)アミン、(4−メチル−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル)アミン、(1−メチル−トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタン−2−イル)アミン、(1−メチル−トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタン−7−イル)アミン、(1,3−ジメチル−トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタン−2−イル)アミン、等
【0036】
(6)スピロ炭化水素構造に属する化合物として
(1−メチル−スピロ[3.4]オクタン−2−イル)アミン、(1,3−ジメチル−スピロ[3.4]オクタン−2−イル)アミン、(1,1,3−トリメチル−スピロ[3.4]オクタン−2−イル)アミン、(1,1,3,3−テトラメチル−スピロ[3.4]オクタン−2−イル)アミン、等
【0037】
(7)ヘテロ環化合物構造に属する化合物として
(1−メチルチアントレニル)アミン、(2−メチルピラニル)アミン、(2−メチルクロメニル)アミン、(1−メチルフェノキサチイニル)アミン、(1−メチルカルバゾリル)アミン、(3,4,5−トリメチルアクリジニル)アミン、
(2,4,5,6−テトラメチルモルフォリニル)アミン、(2,6−ジメチル−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−イル)アミン、(1,2’,6’−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−スピロ−4’−ピペリジン−2−イル)アミン、(2,4−ジメチル−7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)アミン、(1,5,7−トリメチル−2,6−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ−7−イル)アミンなどが挙げられる。
【0038】
以上に具体的な化合物名を挙げたが、これらは例示であって、本発明がこれらの化合物に限定されるものでない。上記はアミン類の例示であるが、アルシン(arsine)類、スチビン(stibine)類、ビスマシン(bismuthine)類などについても同様である。また、成分[A2]は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0039】
成分[B]は、成分[B1]、成分[B2]及び成分[B3]の接触混合物である。
【0040】
成分[B1]
<共役五員環配位子を有する周期表第4〜6族の遷移金属化合物>
成分[B1]は、下記一般式[1]、[2]、[3]又は[4]で表される化合物である。
Figure 0004284673
【0041】
[式中、A及びA’は、同一又は異なる共役五員環構造を有する配位子を、Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を、Mは周期表第4〜6族の遷移金属原子を、ZはMと結合している窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を、Q’は共役五員環配位子の任意の位置とZを架橋する結合性基を、そしてXおよびYはMと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を、それぞれ示す。]
【0042】
A及びA’は共役五員環配位子であり、これらは同一化合物内において同一でも異なっていてもよいことは前記したとおりである。この共役五員環配位子の典型例としては、共役炭素五員環配位子、すなわちシクロペンタジエニル基を挙げることができる。このシクロペンタジエニル基は水素原子を4個有するものであってもよく、また、その誘導体、すなわちその水素原子のいくつかが置換基で置換されているものであってもよい。
【0043】
この置換基の一つの具体例は、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基であるが、この炭化水素基は一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、またこれが複数存在するときにそのうちの2個がそれぞれ他端(ω−端)で結合してシクロペンタジエニル基の一部とともに環を形成していてもよい。後者の代表例として、2個の置換基がそれぞれのω−端で結合して当該シクロペンタジエニル基中の隣接した2個の炭素原子を共有して縮合六員環を形成しているもの、すなわちインデニル基が挙げられる。また、縮合六員環がシクロペンタジエニル基の共役位置に2個結合したフルオレニル基、及び縮合七員環を形成しているアズレニル基が挙げられる。
従って、共役五員環配位子の典型例は、置換又は非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基またはフルオレニル基、アズレニル基ということができる。
【0044】
シクロペンタジエニル基の置換基としては、前記の炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基の他に、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルコキシ基(例えばC1〜C12のもの)、ケイ素含有炭化水素基(例えばケイ素原子を−Si(R1)(R2)(R3)の形で含む炭素数1〜24程度の基)、リン含有炭化水素基(例えば、リン原子を−P(R1)(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の基)、窒素含有炭化水素基(例えば、窒素原子を−N(R1)(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の基)あるいはホウ素含有炭化水素基(例えば、ホウ素原子を−B(R1)(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の基)である。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0045】
Qは、二つの共役五員環配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を、Q’は共役五員環配位子の任意の位置とZ基を架橋する結合性基を表す。
【0046】
詳しくは、QおよびQ’は、
(イ)メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数1〜20のアルキレン基、
(ロ)シリレン基、ジメチルシリレン基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基等のシリレン基、
(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基、具体的には(CH32Ge基、(C652Ge基、(CH3)P基、(C65)P基、(C49)N基、(C65)N基、(CH3)B基、(C49)B基、(C65)B基、(C65)Al基、(CH3O)Al基等である。好ましいものは、アルキレン基およびシリレン基である。
【0047】
Zは、Mと結合している窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。Zとして好ましいものの具体例としては、酸素(−O−)、イオウ(−S−)、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のチオアルコキシ基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素基、水素原子、塩素、臭素、炭素数1〜20の炭化水素基である。
【0048】
XおよびYは、各々水素、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(具体的には、例えばジフェニルホスフィン基)、あるいは炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化水素基(具体的には、例えばトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基)である。XとYとは同一であっても異なってもよい。これらのうちハロゲン原子、炭化水素基(特に炭素数1〜8のもの)およびアミノ基が好ましい。
【0049】
従って、本発明によるオレフィン重合用触媒において、成分[B1]として好ましい一般式[1]、[2]、[3]又は[4]で表される化合物のうち、特に好ましいものは下記内容のそれぞれの置換基を有するものである。
A、A’=シクロペンタジエニル、n−ブチル−シクロペンタジエニル、ジメチル−シクロペンタジエニル、ジエチル−シクロペンタジエニル、エチル−n−ブチル−シクロペンタジエニル、エチル−メチル−シクロペンタジエニル、n−ブチル−メチル−シクロペンタジエニル、インデニル、2−メチル−インデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロインデニル、2−メチル−テトラヒドロインデニル、2−メチル−ベンゾインデニル、4−ヒドロアズレニル、2,4−ジメチルヘキサヒドロアズレニル、2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル、2−メチル−4−フェニル−ヘキサヒドロアズレニル(上記において、置換基の位置としては、1位及び又は3位が好ましい。)
Q、Q’=エチレン、ジメチルシリレン、イソプロピリデン、
Z=t−ブチルアミド、フェニルアミド、シクロヘキシルアミド、
X、Y=塩素原子、メチル、ジエチルアミノ。
【0050】
本発明において、成分[B1]は、同一の一般式で表される化合物群内において、および(または)異なる一般式で表される化合物間において二種以上の化合物の混合物として用いることができる。以下、MがHf(ハフニウム)原子の場合について、具体的に化合物を例示する。
【0051】
(イ)一般式[1]で表される化合物、すなわち結合性基Qを有せず共役五員環配位子を2個有するハフニウム化合物:
(1)ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(2)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(3)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(4)ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(5)ビス(エチル−n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
【0052】
(6)(シクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(7)ビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(8)ビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、
(9)ビス(2−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、
(10)ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、
(11)ビス(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
【0053】
(12)ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムモノクロリドモノハイドライド、
(13)ビス(シクロペンタジエニル)メチルハフニウムモノクロリド、
(14)ビス(シクロペンタジエニル)エチルハフニウムモノクロリド、
(15)ビス(シクロペンタジエニル)フェニルハフニウムモノクロリド、
(16)ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、
(17)ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフェニル、
(18)ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジネオペンチル、
(19)ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジハイドライド、
(20)(シクロペンタジエニル)(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(21)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(22)(シクロペンタジエニル)(アズレニル)ハフニウムジクロリド等、
【0054】
(ロ)一般式[2]で表される化合物、すなわち結合性基Q、例えば(ロ−1)Q=アルキレン基のハフニウム化合物:
(1)メチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(2)エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(3)エチレンビス(インデニル)ハフニウムモノメトキシドモノクロリド、
(4)エチレンビス(インデニル)ハフニウムジエトキシド、
(5)エチレンビス(インデニル)ハフニウムジメチル、
(6)エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、
(7)エチレンビス(2−エチルインデニル)ハフニウムジクロリド、
【0055】
(8)エチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ハフニウムジクロリド、
(9)エチレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(10)エチレンビス(4−インデニル)ハフニウムジクロリド、
(11)エチレンビス(4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、
(12)イソプロピリデンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(13)イソプロピリデン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
【0056】
(14)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(15)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
【0057】
(16)イソプロピリデン(2−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(17)イソプロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(18)エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(19)ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(20)シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(21)ジメチルメチレンビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(22)トリメチレンビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
【0058】
(ロ−2)Q=シリレン基の化合物:、
(1)ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ハフニウムジクロリド、
(4)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、
(5)ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(6)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ハフニウムジクロリド、
(7)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、
(8)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,4−ジメチル−5,6,7−トリヒドロ−4−シラインデニル)ハフニウムジクロリド、
(9)ジメチルシリレンビス[4−(2−フェニルインデニル)]ハフニウムジクロリド、
【0059】
(10)ジメチルシリレンビス[4−(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)]ハフニウムジクロリド、
(11)フェニルメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(12)フェニルメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、
(13)フェニルメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、
(14)テトラメチルジシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
【0060】
(15)テトラメチルジシリレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(16)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
【0061】
(17)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(18)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(19)ジメチルシリレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(20)ジエチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(2’,7’−ジ−t−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
【0062】
(21)ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(22)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ハフニウムジクロリド、
(23)ジメチルシリレンビス[2−i−プロピル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(24)ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(25)ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(26)ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(27)ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(2’,6’−ジメチル−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウムジクロリド、
【0063】
(28)ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(29)ジメチルシリレンビス[2−i−プロピル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(30)ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(31)ジメチルシリレンビス[2−i−プロピル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(32)ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(9−アントリル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
(33)ジメチルシリレン[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル][2−メチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル]ハフニウムジクロリド、
(34)ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル]ハフニウムジクロリド等、
【0064】
(ロ−3)Q=ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基の化合物:
(1)ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(2)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(3)メチルアルミニウムビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(4)フェニルアルミニウムビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(5)フェニルホスフィノビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(6)エチルホラノビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(7)フェニルアミノビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、
(8)フェニルアミノ(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、
(9)ジメチルゲルミレンビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]ハフニウムジクロリド、
【0065】
(ハ)一般式[3]で表される化合物、すなわち結合性基Q’を有せず共役五員環配位子を1個有するハフニウム化合物:
(1)ペンタメチルシクロペンタジエニル−ビス(フェニル)アミドハフニウムジクロリド、
(2)インデニル−ビス(フェニル)アミドハフニウムジクロリド、
(3)ペンタメチルシクロペンタジエニル−ビス(トリメチルシリル)アミドハフニウムジクロリド、
(4)ペンタメチルシクロペンタジエニルフェノキシハフニウムジクロリド、
(5)シクロペンタジエニルハフニウムトリクロリド、
(6)ペンタメチルシクロペンタジエニルハフニウムトリクロリド、
(7)シクロペンタジエニルハフニウムベンジルジクロリド、
(8)シクロペンタジエニルハフニウムジクロロハイドライド、
(9)シクロペンタジエニルハフニウムトリエトキシド、等。
【0066】
(ニ)一般式[4]で表される化合物、すなわち結合性基Q’で架橋した共役五員環配位子を一個有するハフニウム化合物:
(1)ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニルアミドハフニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)−t−ブチルアミドハフニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレン(インデニル)シクロヘキシルアミドハフニウムジクロリド、
(4)ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)デシルアミドハフニウムジクロリド、
(5)ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)(トリメチルシリルアミド)ハフニウムジクロリド、
(6)ジメチルゲルミレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フェニル)アミドハフニウムジクロリド等、
が例示される。
【0067】
また、上記(イ)〜(ニ)の化合物の塩素を臭素、ヨウ素、ヒドリド、メチル、フェニル、ジエチルアミド基等に置き換えたものも使用可能である。
なお、上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2−及び1,3−置換体を含み、三置換体は1,2,3−および1,2,4−置換体を含む。これらのうちで好ましいものは、(イ)、(ロ)に例示した化合物である。なお、これらのメタロセン系遷移金属化合物に不斉炭素が生じる場合には、特に記載が無い場合、立体異性体の1つまたはその混合物(ラセミ体を含む)を示す。
【0068】
以上、成分[B1]として、一般式[1]、[2]、[3]又は[4]で表されるハフニウム化合物(MがHf原子の場合)を多数例示した。以下例示は省略するが、Mがジルコニウム、チタニウム、クロミウム等周期表第4〜6族の遷移金属である場合も同様に使用することができる。成分[B1]は2種類以上を使用してもよい。上記のハフニウム化合物の中から、(イ)、(ロ)、(ハ)等の化合物を2種類以上組み合わせてもよく、また、ハフニウム化合物とジルコニウム化合物を組み合わせることもできる。
【0069】
成分[B2] <層状珪酸塩>
本発明に用いられる成分[B2]は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
層状珪酸塩とは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物でる。
大部分の層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、層状珪酸塩は特に天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
【0070】
層状珪酸塩の具体例としては、例えば、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)、等に記載される公知の層状珪酸塩であって、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、テニオライト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
【0071】
これらの中では、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族が好ましい。
スメクタイト族の代表的なものとしては、一般にはモンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントライト、ヘクトライト、ソーコナイト等である。「ベンクレイSL」(水澤化学工業社製)、「クニピア」、「スメクトン」(いずれもクニミネ工業社製)、「モンモリロナイトK10」(アルドリッチ社製、ジュートヘミー社製)、「K−Catalystsシリーズ」(ジュートヘミー社製)等の市販品を利用することもできる。雲母族の代表的なものとしては、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト等がある。市販品の「合成雲母ソマシフ」(コープケミカル社製)、「フッ素金雲母」、「フッ素四ケイ素雲母」、「テニオライト」(いずれもトピー工業社製)等の市販品を利用することもできる。更に好ましいのは「ベンクレイSL」等のスメクタイト族である。
【0072】
一般に、天然品は、非イオン交換性(非膨潤性)であることが多く、その場合は好ましいイオン交換性(ないし膨潤性)を有するものとするために、イオン交換性(ないし膨潤性)を付与するための処理を行うことが好ましい。そのような処理のうちで特に好ましいものとしては次のような化学処理があげられる。
すなわち、これらの珪酸塩は化学処理を施したものであることが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と層状珪酸塩の結晶構造、化学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。具体的には、(イ)酸処理、(ロ)アルカリ処理、(ハ)塩類処理、(ニ)有機物処理等が挙げられる。
【0073】
これらの処理は、表面の不純物を取り除く、層間の陽イオンを交換する、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させる等の作用をし、その結果、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離、固体酸性度等を変えることができる。これらの処理は単独で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよい。
化学処理に用いられる(イ)酸としては、合目的的な無機酸あるいは有機酸、好ましくは例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等があげられ、(ロ)アルカリとしては、NaOH、KOH、NH3等があげられる。(ハ)塩類としては、2族から14族原子からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子または無機酸もしくは有機酸由来の陰イオンからなる群より選ばれた少なくとも1種の陰イオン、とからなる化合物が好ましい。
【0074】
更に好ましいものは、Li、Mg、Ca、Al、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mn、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、B、Al、GeまたはSn由来のイオンを陽イオンとするもの、Cl、SO4、NO3、OH、C24およびPO4由来のイオンを陰イオンとするもの、である。
(ニ)有機物としては、アルコール(炭素数1〜4の脂肪族アルコール、好ましくは例えばメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、炭素数6〜8の芳香族アルコール、好ましくは例えばフェノール)、高級炭化水素(炭素数5〜10、好ましくは5〜8、のもの、好ましくは例えばヘキサン、ヘプタン等)があげられる。 また、ホルムアミド、ヒドラジン、ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアニリン等が好ましくあげられる。塩類及び酸は、2種以上であってもよい。
【0075】
塩類処理と酸処理を組み合わせる場合においては、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を行った後、塩類処理を行う方法、及び塩類処理と酸処理を同時に行う方法がある。塩類及び酸による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜50重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択して、層状珪酸塩を構成している物質の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類及び酸は、トルエン、n−ヘプタン、エタノール等の有機溶媒中、または塩類、酸が処理温度において液体状であれば、無溶媒で用いることもできるが、好ましくは水溶液として用いられる。
【0076】
本発明の成分[B2]は、全ての工程の前、間、後のいずれの時点においても、粉砕、造粒、分粒、分別等によって粒子性状を制御することができる。その方法は合目的的な任意のものであり得る。特に造粒法について示せば、例えば噴霧造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、ブリケッティング法、コンパクティング法、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法および液中造粒法等が挙げられる。特に好ましい造粒法は、上記の内、噴霧造粒法、転動造粒法および圧縮造粒法である。
【0077】
成分[B3] <有機アルミニウム化合物>
成分[B3]として用いられる有機アルミニウム化合物の例は、次の一般式で示される化合物である。
AlR8 3-j
(式中、R8はC1〜C20の炭化水素基、Xは水素、ハロゲン、アルコキシ基、jは0<j≦3の数を示す。)具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムまたはジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムメトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウムである。またこの他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン等も使用できる。これらのうち、アルコキシ含有アルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリアルキルアルミニウムが好ましい。成分[B3]として複数の化合物を組み合わせて用いることもできる。
成分[B1]、成分[B2]、成分[B3]の接触は特に限定されないが、以下のような接触順序で接触させることができる。
a1.成分[B1]と成分[B2]を接触させた後に成分[B3]を添加する。
a2.成分[B1]と成分[B3]を接触させた後に成分[B2]に添加する。
b1.成分[B2]と成分[B3]を接触させた後に成分[B1]を添加する。
その他、三成分を同時に接触してもよい。
【0078】
成分[C]<有機アルミニウム化合物>
ここで用いられる成分[C]は、前述の成分[B3]と同様な例示で示される化合物である。成分[B3]と同様に、複数の化合物を組み合わせて用いることも可能である。
【0079】
触媒成分として更にホウ素化合物、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素に代表されるルイス酸、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートに代表されるアニオン性化合物等を使用することもできる。
【0080】
成分[A]、成分[B]、成分[C]の接触はオレフィンの存在下接触させてもよいし、成分[B]とオレフィンが接触する前に成分[A]、成分[B]、成分[C]を接触させてもよく、以下のような接触順序が例示出来る。
c1.成分[B]と成分[A]を接触させた後に成分[C]を添加し、次いでオレフィンを導入する。
c2.成分[B]と成分[C]を接触させた後に成分[A]を添加し、次いでオレフィンを導入する。
c3.成分[B]と成分[A]を接触させた後、オレフィンを導入し、次いで成分[C]を添加する。
c4.成分[B]と成分[C]を接触させた後、オレフィンを導入し、次いで成分[A]を添加する。
c5.成分[B]とオレフィンを接触させた後に、成分[A]を添加し、次いで成分[C]を添加する。
c6.成分[B]とオレフィンを接触させた後に、成分[C]を添加し、次いで成分[A]を添加する。
【0081】
成分[B1]の使用量は、成分[B2]1g当たり、各々0.001〜10000mmol、好ましくは0.01〜100mmolである。
成分[B3]の使用量は、成分[B2]1g当たり、0.01〜10000mmol、好ましくは0.1〜100mmolである。また、成分[B1]中の遷移金属と成分[B3]中のアルミニウムの原子比が1:0.01〜10000、好ましくは0.1〜1000である。
成分[A]の使用量は、成分[B2]1g当たり、0.001〜2.0mmol、好ましくは0.005〜1.0mmolである。また、成分[B1]中の遷移金属と成分[A]の原子比は1:0.001〜1000、好ましくは0.1〜100である。
成分[A]に対する成分[C]の添加割合は、アルミニウム原子比(モル比)で成分[C]/成分[A]=15〜1000、好ましくは20〜500、更に好ましくは20〜200である。
成分[C]の使用量は、成分[B3]の使用量と同様である。
これらの使用比率は、通常の割合例を示すものであって、触媒が合目的的なものとなっておれば、上に述べた使用比率の範囲によって、本発明が限定されることにはならないことは当然である。
【0082】
成分[A]を添加剤として含有し、成分[B]及び成分[C]からなる触媒をオレフィン重合用(本重合)の触媒として使用する前に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等のオレフィンを予備的に少量重合する(予備重合)することができる。
【0083】
このエチレン等による予備的な重合は、その効果が失われない限りにおいて、触媒製造における全工程の、前、間、後、いずれにおいても実施可能であり、不活性溶媒中または無溶媒中(あるいは液状α−オレフィンを予備重合に使用する場合は該α−オレフィン中でもよい)、上記各成分の接触下、エチレン、プロピレン等を供し、触媒成分1g当たり0.01〜1000g、好ましくは0.1〜100gの重合体が生成するように行うことが望ましい。予備重合温度は−100〜100℃、好ましくは−60〜100℃、であり、予備重合時間は0.1〜100時間、好ましくは0.1〜20時間である。
【0084】
成分[A]の使用量は、生成ポリオレフィンに対して、成分[A]の活性水素含有官能基(−OH、−SH、−NH2など)の量が0.07〜1.0(mmol/kg)となるようにオレフィン重合を制御することが必要である。例えば、次のような方法を用いることができる。
連続重合の場合は、ポリマー生成量に対して一定比率の成分[A]を連続的に添加する方法、または、添加された成分[A]の官能基の量が反応器内に滞留しているポリマー量に対して所定の濃度範囲を維持できるように成分[A]を間欠的に添加する方法が挙げられる。
バッチ重合の場合は、最終的なポリマー製造量に対して重合終了までに添加した成分[A]の量が所定の範囲となることが必要である。そのための成分[A]の導入方法としては、連続的に導入する方法、間欠に導入する方法、重合終了時に一部不足量を追加する方法等が挙げられる。
これらの添加方法の中で、成分[A]のポリマー中への分散性と重合活性への影響の観点から、連続重合、バッチ重合いずれの場合においても成分[A]は連続的に、または間欠に添加することが好ましい。
【0085】
成分[A]は、活性水素を含有する官能基を有しているので、本発明のように気相重合の反応系に添加する場合、過剰な活性水素基含有化合物は重合活性を著しく低下させる。また、製品中に過剰に活性水素基含有化合物が存在する場合は、得られたポリマーを製品とした場合の外観や臭いなどを悪化させることがある。これらの観点から、成分[A]の重合系への添加量が、製造されるポリマー量1kgに対して当該成分[A]中の活性水素含有基の量として0.07〜1.0mmolの範囲となるように、オレフィン系樹脂組成物の製造をおこなう。さらには、他の性能を損なうことなく帯電防止効果を十分発揮させるためには0.10〜0.5molの範囲が好ましい。このような特定少量を用いることにより重合活性を低下させるのではなく、逆に活性を向上させることができるものである。
【0086】
本発明のオレフィン重合用触媒により重合できるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ビニルシクロアルカン、ブタジエン等の共役ジエン、1,5−ヘキサジエン等の非共役ジエン、スチレンあるいはこれらの誘導体等が挙げられる。また、重合は単独重合の他通常公知のランダム共重合にも好適に適用できる。
重合反応は、実質的に溶媒や単量体の液相が存在しない状態で気相重合により行なわれる。気相重合は、例えば流動床、撹拌床、撹拌・混合機を備えた撹拌流動床等の反応装置を用いて行うことができる。重合温度、重合圧力等の条件は特に限定されないが、重合温度は、一般に−50〜250℃、好ましくは0〜100℃であり、また、重合圧力は通常、常圧〜約2000kgf/cm2、好ましくは常圧〜200kgf/cm2、更に好ましくは常圧〜50kgf/cm2の範囲である。また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。
【0087】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、物性値の測定は下記の方法に従った。
(1)メルトフローレート(MFR)は、JIS−K6922:1977付属書(190 ℃、21.18N)に準拠して測定した。
(2)重合体嵩密度(BD)は、重合体粒子を5mmφ流出孔径を有するステンレス製ロ ートから100ccの容器に流したときの重さを測定し、1ccあたりの重さで表 示した。
(3)帯電防止能は、下記の配合及び成形条件で製造したフィルムについての帯電減衰率(%)で表示した。
<配合条件>
得られた重合体1kgに添加剤として、以下の酸化防止剤及び中和剤を配合し、これを口径20mmの単軸押出機を用いて、混練・造粒した。
酸化防止剤:
(1)オクタデシル−3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ ネート(チバスペシャリティーケミカルズ社製、イルガノックス1076)1000p pm
(2)テトラキス−(2,4−ジ−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジフォス ファイト(クラリアント社製、PEPQ)700ppm
中和剤:カルシウムステアレート(日東化成工業製Ca-St(B.K))300ppm
<フィルム成形条件>
口径30mmの単軸押出機を用いて、以下の運転条件においてインフレーション成形を行った。
スクリュ:口径30mm、L/D=25、フルフライトタイプ
スクリュ回転数:約27rpm
ダイ:スパイラルマンドレルダイ、口径25mm、リップ幅2.0mm
樹脂温度:180℃
フィルムサイズ:折り径78mm、厚み20μm
<帯電性試験>
試験装置:スタティックオネストメータ(宍戸商会株式会社製、TYPE S-5109)
評価サンプルサイズ:40mm×40mm、厚み20μm
測定条件:
(1)試験片セット部回転盤の回転数155rpm、
(2)放電部と受電部の間隔20mm、印加電圧10kV、印加時間2分
評価方法:下式により算出した。
帯電減衰率(%)=(Va−Vb)/Va×100
但し、Va:電圧印加終了直後の帯電圧
Vb:印加終了から20分後の帯電圧
この値が大きい方が、帯電防止効果が大きいと判断出来る。特に帯電減衰率が50%以上となることが好ましい。
【0088】
[実施例1]
(1)粘土鉱物の酸処理
市販の膨潤性モンモリロナイトの造粒分級品37kgを25%硫酸148kg中に分散させ、90℃で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した。
(2)粘土鉱物の塩処理
市販の硫酸チタニル(堺化学工業(株)製、TiO2として7.5%含有、SO4として25.6%含有)236kgの中に上記(1)で得られた硫酸処理モンモリロナイトのケーキを全量分散させ、30℃で3時間攪拌した。これを脱塩水にてpH3.5まで濾過・洗浄した後、得られた含水固体ケーキを110℃で10時間予備的に乾燥してチタニウム塩処理モンモリロナイトを得た。この予備乾燥モンモリロナイトのうち、目開き150メッシュの篩を通過した粒子を更に、ロータリーキルンを用いて、温度200℃、向流窒素気流下(窒素流量49Nm3/h)で、3kg/hrの速さ(滞留時間10分)で連続乾燥し、乾燥窒素下で回収した。
【0089】
(3)触媒調製および予備重合
窒素雰囲気下、容量0.92m3の誘導攪拌装置付き反応器に、上記(2)で製造した塩処理モンモリロナイト粒子の200℃乾燥品5.0kgとn−ヘプタン392Lを導入し、温度を13℃とした。ここへ、温度を保持したまま、撹拌下、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド1.20mol(590g)を添加して15分間攪拌した。引き続き温度を保持したままトリエチルアルミニウム4.90mol(560g)を添加して、更に20分間攪拌を続けた。次に系の温度を約1時間かけて80℃とした後、エチレンガスを2時間供給して予備重合を行った。この時のエチレンガス供給速度は、開始から15分間は36kg/hrであり、以後は17kg/hrであった。エチレンの供給を停止し、反応器内のエチレンガスを窒素で置換した。この予備重合触媒スラリーを、濃度1mmol/Lのトリエチルアルミニウム(TEA)を含むn−ヘプタンで洗浄率1/127まで洗浄した後、窒素雰囲気下において、伝導受熱のためのスチームジャケットを装備した槽型振動式減圧乾燥機に抜き出して、70℃に加熱しながら減圧乾燥を行って溶媒を除去した。その結果、予備重合触媒粉末43.1kgを回収した。
【0090】
(4)エチレン・1−ヘキセン共重合
実施例1(3)で得た予備重合触媒粉末を使用してエチレン・1−ヘキセン気相共重合を行った。即ちエチレンとヘキセンと水素の混合ガス(ヘキセン/エチレン=1.8重量%、水素/エチレン=0.041重量%)が循環する連続式気相重合反応器に実施例1(3)で得た予備重合触媒のスラリー(4g予備重合触媒/L・nヘプタン)を成分[B2]として45mg/hr、2,5−ジメチルフェノールを0.015mmol/hr(0.34mmol成分[A]/g成分[B2]に相当)、トリイソブチルアルミニウムを100mg/hr(0.51mmol/hrに相当)およびジエチルアルミニウムエトキシドを68mg/hr(0.52mmol/hrに相当)の割合で間欠的に供給した。したがって成分[A]に対する成分[C]の添加割合はモル比で69となる。重合反応の条件は重合温度90℃、エチレン分圧18kg/cm2とし、連続して20時間重合を行った。得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体生成量は4010gPE/g成分[B2]/hr、MFRは2.6g/10分、ポリマーBD(嵩密度)は0.46g/ccであった。また、ポリマー1kgに対する成分[A]中のOH基量は、0.085mmol/kgPEであった。
【0091】
(5)評価フィルムの成形
実施例1(4)で得られたポリマー1kgを用いて、前記の配合及び成形条件でフィルムを製造した。
(6)帯電減衰率の測定
実施例1(5)で得られたフィルムの帯電減衰率は67.5%であった。
以上、成分[A]の添加量、ポリマー生成量、重合活性、ポリマー組成物の物性を表1及び表2に示した。
【0092】
[実施例2]〜[実施例
(1)粘土鉱物の酸処理、(2)粘土鉱物の塩処理、(3)触媒調製及び予備重合は、実施例1と同様に行った。
(4)エチレン・1−ヘキセン共重合
成分[A]として、2,5−ジメチルフェノールを0.015mmol/hr用いる代わりに、表1に記載の条件に変更した以外は実施例1(4)と同様に行った。
(5)評価フィルムの成形、(6)帯電減衰率の測定
対応する実施例により得られたポリマーを用いる以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表2に示した。いずれの実施例においても重合活性の向上が認められ、かつ55%以上の帯電減衰率が達成された。
【0093】
[比較例1]
(1)粘土鉱物の酸処理、(2)粘土鉱物の塩処理、(3)触媒調製及び予備重合は、実施例1と同様に行った。
(4)エチレン・1−ヘキセン共重合
成分[A]を使用しない以外は実施例1(4)と同様に行った
(5)評価フィルムの成形、(6)帯電減衰率の測定
比較例により得られたポリマーを用いる以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表4に示した。
【0094】
[比較例2]〜[比較例3]
(1)粘土鉱物の酸処理、(2)粘土鉱物の塩処理、(3)触媒調製及び予備重合は、実施例1と同様に行った。
(4)エチレン・1−ヘキセン共重合
成分[A]として、2,5−ジメチルフェノールを0.015mmol/hr用いる代わりに、0.007mmol/hr又は0.093mmol/hrに変更した以外は実施例1(4)と同様に行った。条件を表3にまとめた。
(5)評価フィルムの成形、(6)帯電減衰率の測定
対応する比較例により得られたポリマーを用いる以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表4に示した。表4から成分[A]の添加量が少ない場合、重合活性の向上は期待できるものの帯電減衰率が不足することが分かる。逆に多い場合は重合活性が落ちることが分かる。
【0095】
[比較例4]〜[比較例6]
(1)粘土鉱物の酸処理、(2)粘土鉱物の塩処理、(3)触媒調製及び予備重合は、実施例1と同様に行った。
(4)エチレン・1−ヘキセン共重合
成分[A]として、2,5−ジメチルフェノールの代わりに、フェノール、アニリン、又はN,N−ジメチルアニリンを使用した以外は実施例1(4)と同様に行った。条件を表3にまとめた。
(5)評価フィルムの成形、(6)帯電減衰率の測定
対応する比較例により得られたポリマーを用いる以外は、実施例1と同様に行った。以上の結果を表4に示した。表4からこれらの成分は重合活性を低下させるだけではなく、帯電減衰率についてもほとんど効果を示さないことが分かる。
【0096】
【表1】
Figure 0004284673
【0097】
【表2】
Figure 0004284673
【0098】
【表3】
Figure 0004284673
【0099】
【表4】
Figure 0004284673
【0100】
【発明の効果】
本発明の添加剤は、重合活性を低下させることなく、逆に活性向上に寄与し、使用した添加剤はポリマー中に全量取り込まれ、しかも重合系に添加された化合物が生成するポリマー中に高度に分散しているので、ポリマー成形後には帯電防止剤としても有効である。そのため、成形時に別途添加する必要がなく、成形プロセスが簡略化出来る。また、オレフィン重合体をより高い活性で得ることが出来るため、より経済性と生産性に優れている。ポリマー中に高分散させることにより表面電導度を向上させ、帯電減衰率を大きくすることができる。

Claims (16)

  1. 重合用触媒の存在下、オレフィンを重合する方法において、下記成分[A]を気相重合系に、連続的に、又は間欠的に添加して生成するポリオレフィン中に成分[A]を取り込ませ、該成分[A]の官能基含有量を該ポリオレフィンに対して、0.07〜1.0(mmol/kg)となるようにエチレンの単独重合又はランダム共重合を行なうことを特徴とする帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
    成分[A]:[A1]又は[A2]で示される化合物
    [A1]: 少なくとも1個の活性水素を有する周期表第16族原子が、5〜14個の炭素原子により構成される環のうちの1個の炭素原子に直接結合し、かつ該環構造を形成する他の炭素原子に炭素数1〜30の炭化水素基が少なくとも1個結合した有機化合物
    [A2]:少なくとも1個の活性水素を有する周期表第15族原子が、5〜14個の炭素原子により構成される環のうちの1個の炭素原子に直接結合し、かつ該環構造を形成する他の炭素原子に炭素数1〜30の炭化水素基が少なくとも1個結合した有機化合物
    (ただし、[A1]及び[A2]の環構造は、(1)単環式飽和炭化水素構造、(2)単環式不飽和炭化水素構造、(3)縮合多環式炭化水素構造、(4)縮合多環式炭化水素の部分水素化化合物構造、(5)架橋環式炭化水素構造、(6)スピロ炭化水素構造、又は(7)上記(1)〜(6)に対応する構造であって、該構造において炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子で置換されたヘテロ環化合物構造から選択されるものとする。)
  2. 重合用触媒が、下記の成分[B]及び成分[C]からなることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
    成分[B]:成分[B1]、成分[B2]及び成分[B3]の接触生成物
    成分[B1]:共役五員環配位子を有する周期表第4〜6族の遷移金属化合物
    成分[B2]:層状珪酸塩
    成分[B3]:有機アルミニウム化合物
    成分[C]:有機アルミニウム化合物
  3. 成分[A]が単環式不飽和炭化水素構造に属する芳香環部位を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法
  4. 成分[A1]において、環に結合している炭化水素基の位置が周期表第16族原子を基準として環上のα位、α'位、β位、β'位のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  5. 成分[A1]において、環に結合している炭化水素基が1個又は2個であることを特徴とする請求項4に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  6. 成分[A1]において、周期表第16族原子が酸素原子又はイオウ原子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  7. 成分[A1]において、環に結合している炭化水素基が炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  8. 成分[A1]が、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール及び2−メチルフェノールから選ばれた少なくとも1種のフェノール化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  9. 成分[A2]において、環に結合している炭化水素基の位置が周期表第15族原子を基準として環上のα位、α'位、γ位、γ'位のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  10. 成分[A2]において、環に結合している炭化水素基の位置が周期表第15族原子を基準として環上のα位、α'位、γ位、γ'位のいずれかであり、かつα位とα'位に同時に2個は結合していないことを特徴とする請求項9に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  11. 成分[A2]において、環に結合している炭化水素基の位置が周期表第15族原子を基準として環上のα位、α'位、γ位、γ'位のいずれかの位置に少なくとも2個の炭化水素基が結合し、かつα位とα'位に同時に2個は結合していないことを特徴とする請求項10に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  12. 成分[A2]において、周期表第15族原子が窒素原子又はリン原子であることを特徴とする請求項1〜3及び請求項9〜11のいずれか1項に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  13. 成分[A2]において、環に結合している炭化水素基が、炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1〜3及び請求項9〜12のいずれか1項に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  14. 成分[A2]が、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン及び3,5−ジメチルアニリンから選ばれた少なくとも1種のジメチルアニリンであることを特徴とする請求項1〜3及び請求項9〜13のいずれか1項に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  15. 成分[A]に対する成分[C]の添加割合がモル比で、成分[C]/成分[A]=15〜1000の範囲である請求項2に記載の帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  16. 帯電防止性オレフィン系樹脂組成物の帯電減衰率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のオレフィン系樹脂組成物の製造方法(ただし、帯電減衰率は樹脂組成物から成形した40mm×40mm×20μmのフィルムについて、スタティックオネストメータを用いて、印加電圧10kV、印加時間2分で印加した時の20分後の電位に基づき算出する)。
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