JP4283983B2 - シート状記録媒体の清掃方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理装置内でシート状記録媒体に所定の処理を施す前に、前記シート状記録媒体を清掃するシート状記録媒体の清掃方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報を一旦記録し、この放射線画像情報を写真フイルム等の写真感光材料等に再生し、あるいはCRT等に可視像として出力させるシステムが知られている。
【0003】
蓄積性蛍光体は、放射線(X線、α線、γ線、電子線、紫外線等)の照射によりこの放射線エネルギの一部を蓄積し、後に可視光等の励起光の照射によって、蓄積されたエネルギに応じて輝尽発光を示す蛍光体をいう。この蓄積性蛍光体は、取り扱いの容易性等から、通常、シート状である蓄積性蛍光体シート(シート状記録媒体)として使用されている。
【0004】
上記システムでは、例えば、蓄積性蛍光体シートに被写体の放射線画像情報を一旦記録する撮影部と、前記放射線画像情報が記録された前記蓄積性蛍光体シートに励起光を照射して前記放射線画像情報を光電的に読み取る読み取り部と、読み取り後に前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する消去部とを一体的に組み込み、該蓄積性蛍光体シートを装置内で循環または往復させる、所謂、ビルトイン方式の画像情報読取装置が使用されている。
【0005】
また、上記システムでは、予め放射線画像情報が記録された蓄積性蛍光体シートが収容されたカセッテを装填するカセッテ装填部と、前記カセッテから取り出された前記蓄積性蛍光体シートに担持された放射線画像情報を読み取る読み取り部と、前記蓄積性蛍光体シートに残存する放射線画像情報を消去する消去部とを組み込むカセット方式の画像情報読取装置が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、放射線画像情報の読み取り時に蓄積性蛍光体シート上に塵埃等が付着していると、読み取り画像の読み取り時に読み取り不良が発生してしまい、高品質な読み取り処理が遂行されないおそれがある。このため、蓄積性蛍光体シートの清掃作業を頻繁に行う必要があるが、画像情報読取装置内で前記蓄積性蛍光体シートに付着する塵埃等を確実に除去することができないという問題が指摘されている。
【0007】
また、この種の問題は、写真フイルム等のシート状記録媒体に放射線画像情報を直接記録する際にも発生しており、これによって高品質な記録画像が遂行されないおそれがある。
【0008】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、シート状記録媒体の清掃作業を確実かつ効率的に遂行可能なシート状記録媒体の清掃方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシート状記録媒体の清掃方法および装置では、互いに離間して配置されている第1および第2除塵部材の間にシート状記録媒体の搬送方向先端が進入すると、前記第1または第2除塵部材の少なくとも一方が変位して該第1および第2除塵部材により前記シート状記録媒体の両面が挟持され、前記シート状記録媒体の清掃作業が行われる。
【0010】
このため、処理装置内でシート状記録媒体の清掃作業が容易かつ確実に遂行され、前記シート状記録媒体の処理が高精度に行われる。しかも、シート状記録媒体が第1除塵部材と第2除塵部材との間に進入する際の衝撃が緩和され、前記第1および第2除塵部材の耐久性が向上するとともに、駆動源の小型化が容易に図られる。さらに、シート状記録媒体を高速搬送しながら清掃作業が遂行されるため、サイクルタイムの低下を惹起することがない。
【0011】
その際、第2除塵部材は、前記支持手段が有するカム板に揺動可能に支持されており、揺動支点に対する前記第2除塵部材上の最短点と前記シート状記録媒体の清掃時導入側にある前記第2除塵部材の一方の屈曲部との長さが、前記第2除塵部材上の最短点と該シート状記録媒体の清掃時導出側にある前記第2除塵部材の他方の屈曲部との長さよりも長尺に構成されるとともに、前記揺動支点を前記シート状記録媒体側に付勢するばね部材が配設される。従って、支持手段および駆動源を備えた駆動機構全体の構成が有効に簡素化される。
【0012】
また、第1および第2除塵部材によりシート状記録媒体の先端を挟持する挟持力が、該第1および第2除塵部材の挟持面が前記シート状記録媒体の面方向に略一致する挟持状態の挟持力に比べて小さくなるように設定されている。これにより、シート状記録媒体が第1および第2除塵部材に当接する際の衝撃が有効に吸収され、前記第1および第2除塵部材の耐久性を向上させるとともに、前記シート状記録媒体の搬送負荷の軽減が図られる。
【0013】
さらにまた、第2除塵部材は、シート状記録媒体を挟持した状態で前記カム板に対して揺動可能である。このため、第1および第2除塵部材は、シート状記録媒体の面に確実に密着することができ、このシート状記録媒体の清掃性を確保するとともに、該シート状記録媒体の搬送時に負荷が発生することがない。
【0014】
また、第1および第2除塵部材は、少なくともシート状記録媒体を挟持する側の面に緩衝部材が設けられ、このシート状記録媒体に損傷等を与えることを阻止することが可能になる。さらに、シート状記録媒体の記録面に当接する面には、緩衝部材とスポンジ部材とが積層されるため、この記録面を一層確実に保護することができる。
【0015】
さらにまた、シート状記録媒体が蓄積性蛍光体シートであり、読み取り前の前記蓄積性蛍光体シートに第1および第2除塵部材を接触させることにより、前記蓄積性蛍光体シートに付着している塵埃等が確実に除去される。これにより、放射線画像情報の読み取り時に塵埃等による読み取り不良が発生することがなく、高品質な読み取り処理が効率的に遂行される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るシート状記録媒体の清掃装置が組み込まれる画像情報読取装置(処理装置)10の内部構成説明図である。
【0017】
画像情報読取装置10を構成する装置本体12の前面(操作面)上部には、操作部およびモニタの機能を有するタッチパネル14が設けられ、このタッチパネル14の下方には、カセッテ18を着脱自在なカセッテ装填部20が設けられる。
【0018】
カセッテ18は、蓄積性蛍光体シート22を収容する筐体24と、この筐体24の開口部26を開閉自在な蓋体28とを有している。蓄積性蛍光体シート22は、透明なベース面上に記録面が設けられ、励起光の照射によって両面側から輝尽発光光を発する両面読み取り型シート体を構成している。
【0019】
カセッテ装填部20には、カセッテ18を載置するための支持台30が設けられるとともに、装置本体12の内部を遮光するためのシャッター部材32が開閉自在に配置される。カセッテ装填部20の内部には、カセッテ18から蓄積性蛍光体シート22を取り出す一方、後述する読み取り処理および消去処理後の前記蓄積性蛍光体シート22を前記カセッテ18内に戻す枚葉部36が装着される。枚葉部36は、カセッテ装填部20で蓋体28が開放されたカセッテ18内に進入自在な吸着盤40a、40bを備える。
【0020】
枚葉部36の下方には、搬送系42を介して消去部44および読み取り部46が配設される。搬送系42は、複数の互いに対をなすローラ対48を備えており、このローラ対48により構成される鉛直搬送路に消去部44が配置される。この消去部44は、蓄積性蛍光体シート22の記録面側に配置される消去ユニット50を備えており、この消去ユニット50内には、複数の消去用光源52が鉛直方向に配列されている。
【0021】
ローラ対48により構成される水平搬送路に沿って読み取り部46が配置される。この読み取り部46は、カセッテ18から取り出された蓄積性蛍光体シート22を副走査方向(矢印A方向)に搬送する副走査搬送機構54と、副走査方向に搬送される前記蓄積性蛍光体シート22に主走査方向(副走査方向と略直交する方向)にレーザ光Lを照射するレーザ光照射手段(励起光照射手段)56と、このレーザ光Lの照射によって蓄積性蛍光体シート22から生ずる輝尽発光光を光電的に読み取る第1および第2集光系(集光手段)58a、58bとを備えている。
【0022】
副走査搬送機構54は、互いに同期して回転駆動される第1および第2ローラ対60、62を備え、この第1および第2ローラ対60、62は、駆動ローラ60a、62aと、前記駆動ローラ60a、62aに対して開閉自在なニップローラ60b、62bとを設ける。
【0023】
第1集光系58aは、蓄積性蛍光体シート22の記録面上のレーザ光Lの照射位置に主走査線に沿って配置される第1集光ガイド64aと、この第1集光ガイド64aの上部に装着される第1フォトマルチプライヤ66aとを備える。第2集光系58bは、蓄積性蛍光体シート22の裏面側に配置されており、前記蓄積性蛍光体シート22の裏面側で主走査線に沿って配置される第2集光ガイド64bと、この第2集光ガイド64bの端部に装着される第2フォトマルチプライヤ66bとを備える。
【0024】
読み取り部46の近傍には、搬送系42を構成する鉛直搬送路の下端縁部に近接して本実施形態に係る清掃装置70が配置される。図2および図3に示すように、清掃装置70は、蓄積性蛍光体シート22の裏面(一方の面)側に配置される固定型の第1除塵部材72と、前記蓄積性蛍光体シート22の記録面(他方の面)側に配置される可動型の第2除塵部材74と、前記第2除塵部材74を変位させ、該第1および第2除塵部材72、74により前記蓄積性蛍光体シート22の両面を挟持して該蓄積性蛍光体シート22を清掃するための駆動機構76とを備える。
【0025】
第1除塵部材72は板状に構成されており、その側部に設けられている取り付け部78を介して装置本体12内に鉛直方向に向かって固定される。この第1除塵部材72の少なくとも蓄積性蛍光体シート22側の面には、緩衝部材80が設けられている。
【0026】
駆動機構76は、モータ(駆動源)82と、このモータ82に連結されるとともに、第2除塵部材74を支持して蓄積性蛍光体シート22に対し進退可能な支持手段84とを備える。モータ82は、フレーム86に固着されており、このモータ82の回転駆動軸88に駆動歯車90が固着される。この駆動歯車90に従動歯車92が噛合しており、前記従動歯車92が回転軸94の一端部に固着される。
【0027】
回転軸94は、フレーム86に回転自在に支持されるとともに、この回転軸94には、従動歯車92の近傍および該回転軸94の他端部に位置してそれぞれ支持手段84を構成する旋回レバー96が固着される。各旋回レバー96には、カム板98の一端が係合するとともに、前記カム板98には、第2除塵部材74の進退方向(矢印B方向)に長尺なガイド穴100が形成される。
【0028】
第2除塵部材74は板状に構成されており、その表面には、蓄積性蛍光体シート22の記録面側に向かってスポンジ部材102と緩衝部材104とが積層されている。第2除塵部材74には、揺動支点となる支軸106が設けられており、この支軸106に対して蓄積性蛍光体シート22の清掃時導入側(上部側)の挟持面長さH1が、前記蓄積性蛍光体シート22の清掃時導出側(下部側)の挟持面長さH2よりも長尺に構成されている。
【0029】
支軸106には、それぞれスプリング108の一端が係合し、前記スプリング108の他端が装置本体12内に固定されている。スプリング108は、矢印B方向に沿って配設されており、支軸106が支持手段84を構成するカム板98のガイド穴100に移動可能に挿入されている。第2除塵部材74は、支持手段84に支持されて矢印B方向に進退するものであり、蓄積性蛍光体シート22を挟持する際に、それぞれの挟持面が前記蓄積性蛍光体シート22の面方向に略一致するように配置される。一方、第1および第2除塵部材72、74により蓄積性蛍光体シート22を挟持した状態では、前記第2除塵部材74がカム板98に対して揺動可能である。
【0030】
駆動機構76には、第2除塵部材74が所定の退避位置、すなわち、蓄積性蛍光体シート22から離間する位置に配置されたことを検出する開状態検出手段110が設けられる。この開状態検出手段110は、回転軸94に固着されて旋回可能なドグ部材112と、フレーム86に固着されて前記ドグ部材112を検出するセンサ114とを備える。第1および第2除塵部材72、74の上方には、蓄積性蛍光体シート22を検出するためのセンサ116が配置されている。
【0031】
このように構成される画像情報読取装置10の動作について、本発明に係る清掃方法との関連で以下に説明する。
【0032】
まず、図示しない撮影装置により人体等の被写体の撮影画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート22を収容するカセッテ18が、画像情報読取装置10のカセッテ装填部20を構成する支持台30に沿って装置本体12の内方に導入される。このカセッテ18は、その先端部でシャター部材32を押し開いて該カセッテ18の先端部が装置本体12の内部に挿入されるとともに、蓋体28が所定の位置まで開動される。
【0033】
そこで、枚葉部36を構成する吸着盤40a、40bが、カセッテ18内の蓄積性蛍光体シート22のベース面に対して上方から斜め下方に傾斜する軌跡に沿って移動する。このため、吸着盤40a、40bが蓄積性蛍光体シート22のベース面を吸着保持した状態で、カセッテ18内から搬送系42側に移動し、前記蓄積性蛍光体シート22の先端をローラ対48に挟持させる。蓄積性蛍光体シート22は、搬送系42を構成する複数のローラ対48の回転作用下に水平方向から鉛直下方向に向かって搬送され、消去部44を一旦通過した後、清掃装置70に送られる。
【0034】
図3に示すように、清掃装置70では、第2除塵部材74が第1除塵部材72から離間する位置に配置されており、蓄積性蛍光体シート22の搬送方向先端がセンサ116により検出される。このセンサ116からの検出信号に基づいて、蓄積性蛍光体シート22の搬送方向先端が第1および第2除塵部材72、74の間に進入するタイミングが検出され、このタイミングに沿って駆動機構76を構成するモータ82が駆動される。
【0035】
このため、モータ82の回転駆動軸88に固着されている駆動歯車90が矢印C方向に回転し、この駆動歯車90に噛合する従動歯車92が矢印D方向に回転する。従動歯車92は、回転軸94に固着されるとともに、この回転軸94には支持手段84を構成する一対の旋回レバー96が固着されており、前記旋回レバー96が矢印D方向に旋回する。旋回レバー96に係合するカム板98が矢印B1方向に移動し、前記カム板98のガイド穴100に挿入されている支軸106が、スプリング108の弾性力を介して矢印B1方向に引張される。
【0036】
これにより、第2除塵部材74は、カム板98と一体的に矢印B1方向に移動し、この第2除塵部材74は、図4に示すように、蓄積性蛍光体シート22の搬送方向先端を上部側の挟持面で第1除塵部材72側に押圧し、前記蓄積性蛍光体シート22の挟持が開始される。
【0037】
その際、第2除塵部材74の挟持面は、支軸106に対してその上部側の挟持面長さH1が下部側の挟持面長さH2よりも長尺に構成されている(図3参照)。従って、蓄積性蛍光体シート22の挟持を開始する際には、第2除塵部材74による蓄積性蛍光体シート22の挟持力が相当に小さな値になる。次いで、蓄積性蛍光体シート22が鉛直下方向に搬送されることにより、第1および第2除塵部材72、74を介して前記蓄積性蛍光体シート22の両面が規定の挟持力で挟持され(図5参照)、該蓄積性蛍光体シート22の清掃作業が確実に行われる。
【0038】
このように、本実施形態では、第1および第2除塵部材72、74で蓄積性蛍光体シート22の挟持を開始する際には、規定の挟持状態の挟持力よりも小さな挟持力に設定されている。このため、蓄積性蛍光体シート22の搬送方向先端が、第2除塵部材74に衝突する際の衝撃力を有効に吸収することができ、前記第2除塵部材74の耐久性を有効に向上させるとともに、該蓄積性蛍光体シート22の搬送負荷を軽減することが可能になるという効果が得られる。しかも、駆動機構76を構成するモータ82の小型化が容易に図られる他、蓄積性蛍光体シート22を高速搬送しながら清掃作業が遂行されるため、サイクルタイムの低下を惹起することがない。
【0039】
さらに、第2除塵部材74が蓄積性蛍光体シート22側に移動する際に、この第2除塵部材74の挟持面が前記蓄積性蛍光体シート22の記録面の面方向に略一致するように保持されている。従って、第1および第2除塵部材72、74で蓄積性蛍光体シート22の搬送方向先端の挟持を開始する際には、この蓄積性蛍光体シート22と、第1および第2除塵部材72、74の挟持面とのなす角度が浅くなり、前記第2除塵部材74への衝撃が有効に緩和されて該第2除塵部材74の耐久性の向上と、該蓄積性蛍光体シート22の搬送負荷の軽減が確実に図られる。
【0040】
図5に示すように、第1および第2除塵部材72、74を介して蓄積性蛍光体シート22の両面が挟持された状態で、この蓄積性蛍光体シート22が読み取り部46側に向かって搬送される。これにより、蓄積性蛍光体シート22の両面に付着している塵埃等が確実に除去され、該蓄積性蛍光体シート22の清掃作業が遂行される。ここで、第2除塵部材74は、支持手段84に対して支軸106を支点に揺動可能である。従って、第2除塵部材74の挟持面を蓄積性蛍光体シート22の記録面に確実に密着させることができ、この記録面の清掃性を確保するとともに、前記蓄積性蛍光体シート22の搬送負荷を有効に軽減することが可能になる。
【0041】
さらにまた、第1および第2除塵部材72、74の表面側には、それぞれ緩衝部材80、104が設けられており、蓄積性蛍光体シート22の表面に損傷等を与えることがない。その際、特に、蓄積性蛍光体シート22の記録面側に配置されている第2除塵部材74は、スポンジ部材102と緩衝部材104とが積層されており、該記録面の保護が一層確実になされるという利点がある。
【0042】
蓄積性蛍光体シート22は、清掃装置70によってその両面に付着している塵埃等が確実に除去された後、読み取り部46に送られる。この読み取り部46では、図1に示すように、蓄積性蛍光体シート22が副走査搬送機構54を構成する第1および第2ローラ対60、62の作用下に矢印A方向に副走査搬送されながら、この蓄積性蛍光体シート22の記録面側にレーザ光照射手段56からレーザ光Lが主走査される。
【0043】
これにより、蓄積性蛍光体シート22の記録面側から発せられる輝尽発光光が第1集光系58aにより光電的に読み取られるとともに、透明なベース面を透過して前記蓄積性蛍光体シート22の裏面側から発せられる輝尽発光光が第2集光系58bにより光電的に読み取られる。従って、読み取り精度が向上し、特に、マンモ撮影等のような高画質が望まれる際にも有効に適応可能になる。
【0044】
読み取り処理後の蓄積性蛍光体シート22は、副走査搬送機構54によりスイッチバックされ、清掃装置70に送られる。この清掃装置70では、図3に示すように、第2除塵部材74が蓄積性蛍光体シート22の搬送路上から退避しており、第1および第2除塵部材72、74がこの蓄積性蛍光体シート22の搬送時の補助ガイドとしての機能を有している。このため、読み取り処理後の蓄積性蛍光体シート22は、特に、記録面が第2除塵部材74に接触して塵埃等が再付着することを確実に阻止することができる。
【0045】
清掃装置70を通過した蓄積性蛍光体シート22は、鉛直上方向に搬送されて消去部44を構成する消去ユニット50を通って枚葉部36側に搬送される。その際、消去ユニットを構成する消去用光源52を介して蓄積性蛍光体シート22に消去光が照射され、前記蓄積性蛍光体シート22に残存する放射線画像情報の消去処理が行われる。消去処理後の蓄積性蛍光体シート22は、枚葉部36を構成する吸着板40a、40bの吸着作用下に空のカセッテ18内に送り込まれる。
【0046】
これにより、本実施形態では、蓄積性蛍光体シート22に記録された放射線画像情報の読み取り時に、塵埃等による読み取り不良が発生することを阻止し、高品質な読み取り処理が遂行される。一方、この蓄積性蛍光体シート22に放射線画像情報を記録(撮影)する際に、撮影画像に塵埃等による不良が惹起されることがなく、高精度な撮影処理が遂行されるという効果が得られる。
【0047】
なお、本実施形態では、蓄積性蛍光体シート22がカセッテ18を介して着脱される画像情報読取装置10を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、装置内で蓄積性蛍光体シート22が循環または往復されるビルトイン方式の画像情報読取装置を用いることもできる。また、シート状記録媒体としては、蓄積性蛍光体シート22に代替して、写真フイルム等の他、各種のシート状記録媒体が使用可能である。
【0048】
さらにまた、本実施形態では、第1除塵部材72を固定型とし、第2除塵部材74を駆動機構76の作用下に進退可能に構成しているが、前記第1除塵部材72を進退可能に構成する一方、前記第2除塵部材74を固定型として構成してもよく、また、前記第1および第2除塵部材72、74を可動型として構成することもできる。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係るシート状記録媒体の清掃方法および装置では、シート状記録媒体の搬送方向先端が、互いに離間配置されている第1および第2除塵部材間に進入する際、前記第1および第2除塵部材を相対的に近接変位させて前記シート状記録媒体を挟持することにより、該シート状記録媒体を円滑かつ確実に清掃することができる。
【0050】
これにより、簡単な構成で、シート状記録媒体の清掃作業が効率的に遂行され、前記シート状記録媒体に対し所望の処理が高精度に遂行されることになる。しかも、シート状記録媒体が第1および第2除塵部材間に進入する際の衝撃が緩和され、前記第1および第2除塵部材の耐久性が向上するとともに、駆動源の小型化が容易に図られる。さらに、シート状記録媒体を高速搬送しながら清掃作業が遂行されるため、サイクルタイムの低下を惹起することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る清掃装置が組み込まれる画像情報読取装置の内部構成説明図である。
【図2】前記清掃装置の要部斜視説明図である。
【図3】前記清掃装置の正面説明図である。
【図4】前記清掃装置により蓄積性蛍光体シートの先端が挟持される際の動作説明図である。
【図5】前記清掃装置で前記蓄積性蛍光体シートを規定の挟持力で挟持した状態の動作説明図である。
【符号の説明】
10…画像情報読取装置 12…装置本体
18…カセッテ 20…カセッテ装填部
22…蓄積性蛍光体シート 36…枚葉部
42…搬送系 44…消去部
46…読み取り部 70…清掃装置
72、74…除塵部材 76…駆動機構
80、104…緩衝部材 82…モータ
84…支持手段 90…駆動歯車
92…従動歯車 94…回転軸
96…旋回レバー 98…カム板
100…ガイド穴 102…スポンジ部材
106…支軸 108…スプリング
110…開状態検出手段 112…ドグ部材
114…センサ
Claims (7)
- 処理装置内でシート状記録媒体に所定の処理を施す前に、前記シート状記録媒体を清掃するシート状記録媒体の清掃方法であって、
前記シート状記録媒体の両面側に配置される第1および第2除塵部材を互いに離間させる工程と、
前記シート状記録媒体の搬送方向先端が前記第1および第2除塵部材間に進入する際に、前記第1または第2除塵部材の少なくとも一方を変位させ、該第1および第2除塵部材により前記シート状記録媒体の両面を挟持して該シート状記録媒体を清掃する工程と、
を有し、
前記第1および第2除塵部材により前記シート状記録媒体の先端を挟持する挟持力が、該第1および第2除塵部材の挟持面が前記シート状記録媒体の面方向に略一致する挟持状態の挟持力に比べて小さくなるように設定されることを特徴とするシート状記録媒体の清掃方法。 - 処理装置内でシート状記録媒体に所定の処理を施す前に、前記シート状記録媒体を清掃するシート状記録媒体の清掃装置であって、
前記シート状記録媒体の一方の面側に配置される第1除塵部材と、
前記シート状記録媒体の他方の面側に配置される第2除塵部材と、
前記第1または第2除塵部材の少なくとも一方を変位させ、該第1および第2除塵部材により前記シート状記録媒体の両面を挟持して該シート状記録媒体を清掃するための駆動機構と、
を備え、
前記駆動機構は、駆動源と、前記駆動源に連結されるとともに、前記第2除塵部材を支持して前記シート状記録媒体に対し進退可能な支持手段とを有し、
前記第2除塵部材は、前記支持手段が有するカム板に揺動可能に支持されており、
揺動支点に対する前記第2除塵部材上の最短点と前記シート状記録媒体の清掃時導入側にある前記第2除塵部材の一方の屈曲部との長さが、前記第2除塵部材上の最短点と該シート状記録媒体の清掃時導出側にある前記第2除塵部材の他方の屈曲部との長さよりも長尺に構成されるとともに、
前記揺動支点を前記シート状記録媒体側に付勢するばね部材が配設されることを特徴とするシート状記録媒体の清掃装置。 - 請求項2記載の清掃装置において、前記第2除塵部材は、前記シート状記録媒体を挟持した状態で、前記カム板に対して揺動可能であることを特徴とするシート状記録媒体の清掃装置。
- 請求項2または3記載の清掃装置において、前記第1および第2除塵部材は、前記シート状記録媒体を挟持する際に、該第1および第2除塵部材の挟持面が前記シート状記録媒体の面方向に略一致するように配置されることを特徴とするシート状記録媒体の清掃装置。
- 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の清掃装置において、前記第1および第2除塵部材は、少なくとも前記シート状記録媒体を挟持する側の面に緩衝部材が設けられることを特徴とするシート状記録媒体の清掃装置。
- 請求項5記載の清掃装置において、前記第1または第2除塵部材は、前記シート状記録媒体の記録面に当接する面にスポンジ部材と前記緩衝部材とが積層されることを特徴とするシート状記録媒体の清掃装置。
- 請求項2乃至6のいずれか1項に記載の清掃装置において、前記シート状記録媒体は蓄積性蛍光体シートであることを特徴とするシート状記録媒体の清掃装置。
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