JP4282807B2 - 溶湯材凝固成形法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は溶湯材凝固成形法に関する。本発明は、例えば、注入鋳込みが困難な難鋳込み材の凝固成形に適する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素粒子などの強化材をアルミ系溶湯に含ませた溶湯材を例にとって説明する。この溶湯材は流動性が低く、注入鋳込み成形が容易ではない。
【0003】
この溶湯材から凝固成形品を得るにあたっては、従来、成形キャビティと、成形キャビティに連通する湯道と、湯口とをもつ金型を用いる。そして溶湯材を湯口から注入することにより、湯道を経て成形キャビティに溶湯材を充填し、それから溶湯材を凝固させるようにしている。
【0004】
上記した方法では、注入の際に、溶湯材に空気が巻き込まれるおそれがある。殊に、炭化珪素粒子などの強化材をアルミ系溶湯に含ませた溶湯材は、流動性が悪いため、空気が巻き込まれ易い。そのため、空気の巻き込みに起因する凝固欠陥を低減させることは必ずしも容易ではなく、鋳巣や引け巣等の凝固欠陥が凝固成形品に生じることが多い。
【0005】
また特開昭63−317235号公報には、成形キャビティをもつ金型にスライド可能な複数個の分割型を設け、成形キャビティ内に注入した金属溶湯の凝固を待って、分割型を後退させることにより、凝固部分と分割型との間に隙間を形成し、隙間により凝固成形品の冷却速度を低減させ、無チル化を図る技術が開示されている。この公報技術は、分割型を後退させることにより凝固成形品の冷却を遅らせるものであり、促進させるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した方式とは異なり、型締め完了前に、下型に貯留されている溶湯材に上型の一部を積極的に接触させて接触部分の溶湯材の凝固を促進させ、その後に、上型と下型とを型締めすることにより、凝固成形品における凝固欠陥を低減するのに有利な溶湯材凝固成形法を提供することを課題とするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る溶湯材凝固成形法は、成形キャビティを区画する第1型面をもつ下型と、前記成形キャビティを前記第1型面と共に区画する第2型面と下方に突出する突出型部とをもつ上型とを用い、前記上型と前記下型とを型開きした状態で、溶湯材を前記下型の第1型面に貯留する工程と、前記上型を前記下型に向けて相対的に下降させて前記上型と前記下型とを型締めし、前記成形キャビティで凝固成形品を得る工程とを実施する溶湯材凝固成形法であって、前記上型と前記下型との型締め完了に先立ち、前記上型の突出型部を前記溶湯材に優先的に接触させ、前記溶湯材のうち前記突出型部に接触している溶湯材部分の凝固を促進させ、その後、前記上型と前記下型との型締めを完了するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
上記した本発明に係る凝固成形法によれば、上型と下型とを型開きした状態で、溶湯材を下型の第1型面に貯留するため、ダイカスト法や重力鋳造法とは異なり、型締めされた型の成形キャビティに速い注入速度で溶湯材を注入せずとも良い。そのため溶湯材への空気の巻き込みの低減を図り得る。
【0009】
本発明に係る凝固成形法によれば、上型と下型との型締め完了に先立ち、上型の突出型部を溶湯材に優先的に接触させ、溶湯材のうち突出型部に接触している溶湯材部分の凝固を促進させる。このように溶湯材のうち、突出型部に接触している溶湯材部分の凝固を優先的に促進させるため、凝固成形品のうち強度が要請される部位付近に上型の突出型部を配置しておけば、凝固成形品のうち強度が要請される部位付近の凝固欠陥の低減を図り得る。
【0010】
本発明に係る溶湯材凝固成形方法の実施に使用できる成型装置は、成形キャビティを区画する第1型面をもつ下型と、成形キャビティを第1型面と共に区画する第2型面と下方に突出する入子式の突出型部とをもつ上型とで構成され、上型は、上型本体と、上型本体に設けられ突出型部を進退可能に収容する収容室と、突出型部が収容室から突出する第1形態と突出型部を収容室に引き込ませる第2形態とに切替可能な作動部とを備えていることができる
【0011】
上記した凝固成形装置によれば、突出型部が上型の収容室から突出する第1形態に設定した状態では、上型と下型との型締めが完了する前であっても、下型に貯留されている溶湯材に上型の突出型部を接触させ易い。そのため、上記した凝固成形方法を実施するのに有利となる。また上型と下型との型締めが完了するときには、上型の突出型部を上型の収容室に引き込ませる第2形態に維持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明方法で用いる溶湯材としては、液相と固相とが混在するものを採用できるし、あるいは、実質的に液相からなるものも採用できる。前者の溶湯材としては、例えば、金属溶湯に強化材を分散させたものを採用できる。
【0013】
金属溶湯としては、鉄系溶湯でも良いし、軽金属系溶湯でも良い。鉄系溶湯としては、鋳鉄系、鋳鋼系を採用できる。軽金属系溶湯としてはアルミ系、亜鉛系、スズ系、銅系等を採用できるが、これらに限定されるものではない。強化材としては、粒子状でも繊維状でも良い。強化材の材質としては特に限定されず、例えば炭化珪素、アルミナ、シリカ、初晶シリコン等を適宜選択できる。強化材の配合割合も特に限定されず、適宜選択できる。
【0014】
本発明方法によれば、まず、流動性をもつ高温の溶湯材を下型の第1型面に貯留する。この場合には、溶湯材の量を予め測定しておき、測定した溶湯材を下型に貯留することが好ましい。材料歩留まりの向上を図るのに有利となる。
【0015】
本発明方法によれば、上型と下型との型締めの完了に先立ち、上型の突出型部を溶湯材に優先的に接触させる。これにより溶湯材のうち上型の突出型部に接触している溶湯材部分の凝固を促進させる。溶湯材のうち上型の突出型部に接触している溶湯材部分の凝固をある程度進行させた後に、上型と下型との型締めを完了する。型締め完了前では溶湯材にはまだ液相部分が残っているため、型締め完了後に、貯留されている溶湯材の凝固が完了し、上型の第2型面と下型の第1型面とで形成された目標形状をもつ凝固成形品が得られる。
【0016】
本発明方法では、上型は、上型本体と、上型本体に設けられ入子式の突出型部を進退可能に収容する収容室と、突出型部が収容室から突出する第1形態と突出型部を収容室に引き込ませる第2形態とに切替可能な作動部とを備えた構成にすることが好ましい。
【0017】
上記した作動部は、突出型部を下型に向けて付勢する付勢バネで形成することができるが、場合によっては、空圧シリンダや液圧シリンダなどのシリンダ装置で形成しても良い。
【0018】
本発明方法によれば、好ましくは、下型は、上向きに突出する案内突部をもち、上型の突出型部は、案内突部が嵌合する嵌合凹部と、この嵌合凹部を包囲する環状突部とを備えている構成を採用することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照して説明する。
【0020】
本実施例に係る凝固成形品1はアルミ系の円盤状部品である。図1,図2はこの凝固成形品1を示す。凝固成形品1は車両のブレーキ部品(ディスクブレーキ部品)に使用される。図1,図2に示すように、円盤状部品である凝固成形品1は、ハット部10と、ハット部10から半径方向外方に延設されたリング形状の摺動盤部15とを備えている。
【0021】
ハット部10は、円盤部12と、円盤部12から立設された筒壁部13とをもつ。円盤部12は、厚み方向に貫通する円形状の中央孔11aと、中央孔11aの周囲に形成された複数個の取付孔11bとをもつ。筒壁部13は、軸芯に沿った内壁面13s及び外壁面13tをもつ。ハット部10は、使用状況を考慮すれば、特に強度が要請される強度要請部位である。
【0022】
摺動盤部15は、実質的に互いに平行なリング形状の摩擦摺動面15a,15bをもつ。
【0023】
図3〜図7は、使用する凝固成形装置を示す。図3〜図7に示すように、下型2は耐熱鋼系で形成されている金型であり、固定型として機能する。下型2は成形キャビティPを区画する第1型面20をもつ。下型2の成形キャビティPの中央域には、ほぼ円柱状をなす上向きの案内突部21が立設されている。案内突部21の上端部は、下型2に貯留された後述する溶湯材9の液面よりも上方に位置している。案内突部21は、後述する入子型40を型締め時に案内する機能をもつ。案内突部21の回りに第1リング溝22が同軸的に形成され、第1リング溝22の外側に浅底状の第2リング溝23が同軸的に形成され、第2リング溝23の外側に上向きに突出するリング状突部24が同軸的に形成され、リング状突部24の外側にオーバフロー溝25が同軸的に形成されている。オーバフロー溝25は、溶湯材が過剰であったとき、オーバフローした溶湯材を溜める空間である。
【0024】
下型2の第1型面20は、案内突部21の外周面である型面部分20a、第1リング溝22を形成する型面部分20b、第2リング溝23を形成する型面部分20c、リング状突部24の内周面である型面部分20eを備えている。図8は下型2の平面図を示す。図8に示すように下型2には、離型用の押し出しピン2kが搭載され、前記取付孔11bの位置に対応するようになっている。
【0025】
図3〜図7に示すように、上型3は耐熱鋼系で形成されている金型であり、油圧シリンダ等で構成された上型駆動源31で矢印Y2,Y1方向に昇降する可動型として機能する。上型3は、成形キャビティPを第1型面20とともに区画する第2型面30と、リング状の位置決め孔36とをもつ。位置決め孔36は、下型2のリング突部24と嵌合して下型2と上型3とを位置決めする。
【0026】
本実施例では、型締め全体力をFとし、成形キャビティPの投影面積をSとすれば、型締め力(F/S)は10〜15MPa程度であり、溶湯鍛造法に比較してかなり小さい。
【0027】
上型3の主体をなす上型本体3aには、これを厚み方向に貫通する収容室33が設けられている。収容室33には、突出型部としての入子型40が矢印Y1,Y2方向に進退可能に収容されている。入子型40は金属特に耐熱鋼で形成されており、下型2の案内突部21が嵌合する嵌合凹部41と、嵌合凹部41を包囲する下向きの環状突部42とを備えている。
【0028】
図3に示すように、上型本体3aには閉鎖体50が取付られている。閉鎖体50により収容室33の上部は閉鎖されている。閉鎖体50には、入子型40を加圧可能なストッパ突起54、入子型40を下型2に向けてつまり矢印Y1方向に付勢する付勢手段として機能する付勢バネ52が下向きに取り付けられている。付勢バネ52は作動部として機能するものであり、常時に入子型40を下型2に向けてつまり矢印Y1方向に付勢する。
【0029】
図3から理解できるように、付勢された入子型40の係合部40sが上型本体3aの被係合部3sに係合するため、矢印Y1方向への入子型40の脱落が防止されている。この状態では、入子型40が付勢バネ52で付勢されているため、入子型40は収容室33から下方につまり矢印Y1方向に突出する第1形態M1とされている。
【0030】
使用の際には、高温の溶湯材9を予め所要量計量しておく。そして図3に示すように、計量済みの溶湯材9を下型2の第1型面20の上に貯留する。殊に図3に示すように、溶湯材9を第1リング溝22と第2リング溝23とに貯留する。
【0031】
本実施例で用いた溶湯材9は、アルミ合金(JIS−AC4A相当材)の溶湯に粒子状の強化材(平均粒径:約5〜50μm)を分散させたものである。強化材は炭化珪素(SiC)の粒子である。炭化珪素の粒子は硬質粒子であり、凝固成形品1の耐摩耗性を高めるのに寄与する。本実施例では、溶湯材9における配合割合は、一般的には、強化材が約17〜22体積%であり、溶湯が78〜83体積%である。この溶湯材9は強化材を含むため、流動性がかなり低く、難鋳込み材料の1種である。
【0032】
本実施例においては溶湯材9を成形キャビティPに速い注入速度で注入する方式ではなく、型締め前に、予め、下型2に溶湯材9を貯留する方式である。そのため、溶湯材9の流動性がかなり低いときであっても、貯留の際における溶湯材9への空気巻き込み等を抑えるのに有利となり、空気の巻き込みに起因する凝固欠陥を抑制するのに有利である。
【0033】
上記したように貯留操作を終えたら、上型駆動源31を駆動させることにより、上型3を下型2に向けて矢印Y1方向に下降させる。下降に伴い、図4から理解できるように、入子型40の嵌合凹部41が下型2の案内突部21に嵌合するため、下型2と上型3との位置合わせが確実となる。位置合わせ後に、入子型40の環状突部42が溶湯材9に接触する。
【0034】
本実施例においては、上型3と下型2との型締めが完了するに先立ち、図5から理解できるように、上型3の入子型40の環状突部42の先端部が優先的に溶湯材9に接触して押し込められる。よって、下型2に貯留されている溶湯材9のうち、入子型40の環状突部42の先端部付近の溶湯材部分9xは早期に凝固する。
【0035】
溶湯材部分9xが凝固したときでも、第2リング溝23付近の他の溶湯材部分9yは凝固があまり、あるいは、ほとんど進行していない。
【0036】
その後、上型3が更に下降するため、図6から理解できるように、下型2のリング状突部24が上型2の位置決め孔36に嵌合して位置決めされるとともに、上型3の型合わせ面3eと下型2の型合わせ面2eとが合わさり、上型3と下型2との型締めが完了する。
【0037】
このように上型3と下型2との型締めが完了しているときには、図6,図7から理解できるように、付勢バネ52を弾性収縮させつつ入子型40が第2形態M2となり、入子型40は上型本体3aに対して矢印Y2方向に後退して引き込まれている。つまり収容室33への入子型40の後退量が増加している。また図7から理解できるように、入子型40の上端部40uがストッパ突起54に当接し、入子型40は矢印Y2方向にそれ以上後退して引き込まれることはない。
【0038】
このように矢印Y1,Y2方向における入子型40の位置が規定されているため、下型2の型面部分20bと入子型40の先端面との距離LMが実質的に一定値に規定される。従って凝固成形品1のハット部10の円盤部12の肉厚を規定することができる。
【0039】
本実施例によれば、前記したように、下型2の第1型面20に貯留されている溶湯材9は、上型3の中央域に装備されている入子型40により凝固が促進されるため、溶湯材9の凝固が成形キャビティPの中央側から外周側に進行する凝固指行性が得られ易い。
【0040】
以上説明したように本実施例によれば、溶湯材9を成形キャビティPに速い注入速度で注入する方式ではなく、型締め前の下型2の第1型面20に溶湯材9を予め貯留する方式である。そのため溶湯材9の流動性がかなり低いときであっても、溶湯材9への空気巻き込み等を抑えるのに有利となる。故に、空気の巻き込みに起因する凝固欠陥を抑制するのに有利である。
【0041】
また、本実施例によれば、下型2と上型3との型締め完了に先立ち、下型2の第1型面20に貯留されている溶湯材9のうち、入子型40の環状突部42の先端部付近の溶湯材部分9xの熱は、入子型40に触れて入子型40に伝達されるため、溶湯材部分9xは早期に凝固する。早期に凝固した部分では、冶金上、鋳巣や引け巣等の凝固欠陥を低減できる。そのため本実施例においては、円盤状の凝固成形品1のうち強度要請部位の一つであるハット部10付近における凝固欠陥を効果的に低減でき、ハット部10付近における強度確保に有利となる。
【0042】
更に本実施例によれば、溶湯鍛造法に比較してかなり小さい型締め力で凝固成形品1を製造することができる。
【0043】
(他の実施例)
図9は他の実施例を示す。この実施例は前記した実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。ただし、この実施例では、上型3には、付勢バネ52に替えてシリンダ装置8が装備されている。シリンダ装置8は、図略の流体室をもつシリンダ本体80と、シリンダ本体80に対して前進後退可能なシリンダロッド82とをもつ。シリンダ本体80は固定部80cにより上型3に固定されている。シリンダロッド82の先端部は入子型40に連結されている。シリンダ本体80の流体室に作動油または空気等の流体が供給されると、シリンダ装置8のシリンダロッド82が矢印Y1方向に前進する。シリンダロッド82が矢印Y1方向に前進したときには、入子型40が収容室33から大きく突出する第1形態M1とされる。シリンダ装置8のシリンダロッド82が矢印Y2方向に後退したときには、入子型40を収容室33に後退させて引き込ませる第2形態に切替られる。
【0044】
図10は更に他の実施例を示す。この実施例は前記した実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。ただし、この実施例では、下型本体2aと別体をなす案内突部21Bを設け、案内突部21Bを下型本体2aの取付孔29に立設状態に固定している。この場合には、案内突部21Bは、下型本体2aよりも耐摩耗性が良い材料で形成されている。そのため案内突部21Bと入子型40との嵌合が多数回にわたっても、案内突部21Bの耐久性を確保できる。また、案内突部21Bの交換も容易に行うことができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明方法によれば、溶湯材を成形キャビティに速い注入速度で注入する方式ではなく、型締め前の下型に溶湯材を予め貯留する方式であるため、溶湯材の流動性がかなり低いときであっても、溶湯材への空気巻き込み等を抑えるのに有利となり、空気の巻き込みに起因する凝固欠陥を抑制するのに有利である。
【0046】
更に本発明方法によれば、下型と上型との型締め完了に先立ち、下型に貯留されている溶湯材のうち、上型の突出型部の先端部付近の溶湯材部分は早期に凝固する。早期に凝固した部分では、鋳巣や引け巣等の凝固欠陥を低減できる。そのため本発明方法によれば、凝固成形品のうち入子型が接触した部位付近における強度確保に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】凝固成形品の平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】下型に溶湯材を貯留した状態を示す断面図である。
【図4】下型に貯留した溶湯材に向けて上型を接近させた状態を示す断面図である。
【図5】下型に貯留した溶湯材に上型の入子型を接触させた状態を示す断面図である。
【図6】下型と上型との型締めを完了した状態を示す断面図である。
【図7】下型と上型との型締めを完了した状態において入子型付近を拡大して示す拡大断面図である。
【図8】下型の平面図である。
【図9】他の実施例に係り、型締めする前における下型と上型とを示す断面図である。
【図10】他の実施例に係り、型締めした後における下型と上型とを示す断面図である。
【符号の説明】
図中、1は凝固成形品、10はハット部、2は下型、20は第1型面、3は上型、30は第2型面、40は入子型(突出型部)、52は付勢バネ(作動部)を示す。

Claims (4)

  1. 成形キャビティを区画する第1型面をもつ下型と、
    前記成形キャビティを前記第1型面と共に区画する第2型面と下方に突出する突出型部とをもつ上型とを用い、
    前記上型と前記下型とを型開きした状態で、溶湯材を前記下型の第1型面に貯留する工程と、
    前記上型を前記下型に向けて相対的に下降させて前記上型と前記下型とを型締めし、前記成形キャビティで凝固成形品を得る工程とを実施する溶湯材凝固成形法であって、
    前記上型と前記下型との型締め完了に先立ち、前記上型の突出型部を前記溶湯材に優先的に接触させ、前記溶湯材のうち前記突出型部に接触している溶湯材部分の凝固を促進させ、
    その後、前記上型と前記下型との型締めを完了するようにしたことを特徴とする溶湯材凝固成形法。
  2. 請求項1において、前記突出型部は前記上型に対して入子式に設けられており、前記上型は、上型本体と、前記上型本体に設けられ前記突出型部を進退可能に収容する収容室と、前記突出型部が前記収容室から突出する第1形態と前記突出型部を前記収容室に引き込ませる第2形態とに切替可能な作動部とを備えていることを特徴とする溶湯材凝固成形法。
  3. 請求項2において、前記作動部は、前記収容室から突出するように前記突出型部を付勢する付勢バネであることを特徴とする溶湯材凝固成形法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記下型は、上向きに突出する案内突部をもち、前記突出型部は、前記下型の案内突部が嵌合する嵌合凹部と前記嵌合凹部を包囲する環状突部とを備えていることを特徴とする溶湯材凝固成形法。
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