JP2006061949A - 鋳造装置用ラドル - Google Patents

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Abstract

【課題】溶湯落し込み部が崩壊せず、酸化膜等を生じさせないようにする。
【解決手段】椀状の形態からなるものであって本鋳造装置を形成する型5の一部に連続して設けられるラドルベース1と、ラドルベース1の内面側に設けられるものであってセラミック材にて形成されるラドル内張り2、2’と、セラミック製のラドル内張り2、2’を上記ラドルベース1の内面側の所定の位置に貼り付ける役目を果たすとともに、上記ラドル内張り2、2’とラドルベース1との間の隙間等を埋める役目を果たすパテ状の耐火性補修材3と、からなる。ラドルベース1の内面側に貼り付けられたこれら2つのラドル内張り2、2’間の隙間、あるいはラドル内張り2、2’の外周部であってラドルベース1の内面側のラドル内張りの存在しないところに、耐火性補修材3を充填するとともに、全体を平滑な面に仕上げる。全体の表面側に離型材4を塗布する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム合金製溶湯を鋳造装置の型内へ注入する際に用いられるラドルに関するものであり、特に、ラドル表面の滑り性を良くして、ラドル内に残留溶湯を生じさせないようにした鋳造装置に用いられるラドルに関するものである。
一般に、傾動型の重力式鋳造装置等においては、例えば、特公平7−12538号公報記載のものの如く、製品形状に対応したキャビティ空間を形成する各型が設置されるとともに、当該キャビティ空間内へ所定の溶湯を注入するに当たって、予め所定量の溶湯を溜めておくラドル(ポット)が、上記各型のいずれかのところに設けられるようになっているものである。そして、このラドル(ポット)は、上記従来のものにおいては、ベースが鋳鉄等の金属材にて形成されるとともに、その表面側には耐火材が貼り付けられるようになっているものである。
特公平7−12538号公報
ところで、上記従来のものにおいては、上記ラドルへの溶湯の注入が繰返し行なわれると、溶湯の注入されるラドル表面、特に、耐火材の表面が部分的に破損をし、当該ラドルに注入された溶湯の一部が、上記キャビティ空間内への溶湯注入作業の際に、上記ラドル表面の破損部等に残留してしまい、これが、酸化膜としてラドルの内面側に残ってしまうこととなる。従って、作業者等は、次のラドルへの溶湯注入工程の前に、上記ラドル表面にへばりついた酸化膜からなるバリ等を逐一取り除く作業をしなければならなかった。その結果、上記溶湯のラドルへの注入に始まる鋳造工程において、その作業効率を低下させてしまうと言う問題点があった。このような問題点を解決するために、ラドル表面に、溶湯の滑り性に優れた、かつ、耐久性に優れたセラミック製の内張り材を設け、これによって酸化膜からなるバリ等を生成させないようにしたラドルを提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。まず、請求項1記載の発明である第一の発明においては、鋳造装置の各型内に形成されるキャビティ空間内へ溶湯を注入する役目を果たすラドルに関して、鋳造装置を形成する各型のうちの一部のものに連続して設けられるものであって椀型の形態からなるラドルベースと、当該ラドルベースの内面側に貼り付けられるものであってセラミック材にて形成されるラドル内張りと、当該ラドル内張りを上記ラドルベースの内面側へ貼り付ける役目を果たすとともに、上記ラドルベース内面側であってラドル内張りの存在しない部分を平滑な状態に仕上げる役目を果たすパテ状の耐火性補修材と、からなるようにした構成を採ることとした。
次に、請求項2記載の発明である第二の発明においては、請求項1記載の鋳造装置用ラドルに関して、上記ラドル内張りを、ラドルベースの中央部に設置されるものであって凹面状の形態からなる受け部と、上記ラドルベースにおけるキャビティ空間内への溶湯導入口側に設置されるものであって樋状の形態からなる導入部と、からなるようにした構成を採ることとした。
第一の発明によれば、上記構成を採ることにより、ラドル内に注がれた溶湯は、セラミック製の内張りにて保温されるようになり、溶湯は酸化膜等を形成させずに、キャビティ空間内へと円滑に流動して行くようになる。その結果、セラミック製内張りのところには、残留溶湯がほとんど存在しないようになり、酸化膜等が生じないようになる。特に、本発明のものにおいては、本ラドル内へ溶湯が注入されるに当たって、溶湯の投入される、すなわち、溶湯の落し込まれる部分には、強度的に優れたセラミック製の内張りが設けられるようになっていることより、この落し込みの部分におけるラドル面の崩壊等が未然に防がれるようになる。このような落し込み部分の強度向上によって、従来のものにおいて懸念されていた、落し込み部分の崩壊によって生ずる凹陥部等に溶湯が残留することによって生ずる酸化膜の発生等を未然に防止することができるようになる。その結果、酸化膜の除去等の作業が不要となり、作業性の向上、延いては生産性の向上を図ることができるようになる。
また、第二の発明によれば、セラミック材からなる本ラドル内張りが、中央部にあって溶湯の落とし込まれるところに設置される凹面状の受け部と、当該受け部に落とし込まれた溶湯をキャビティ空間内へと導く役目を果たす樋状の導入部との二部品構成からなるようにし、これらをパテ状の耐火性補修材をもってつなぎ合わせるようにしたので、成形加工の難しいセラミック製ラドル内張りを単純な形状の二部品にて形成することができるようになり、それぞれの部品の生産性の向上を図ることができるようになる。その結果、ラドル内張り全体の製造コストの低減化を図ることができるようになる。
本発明を実施するための最良の形態について、図1ないし図3を基に説明する。本実施の形態にかかるものは、図1に示す如く、椀状の形態からなるものであって本鋳造装置を形成する型5の一部に連続して設けられるラドルベース1と、当該ラドルベース1の内面側に設けられるものであってセラミック材にて形成されるラドル内張り2、2’と、当該セラミック製のラドル内張り2、2’を上記ラドルベース1の内面側の所定の位置に貼り付ける役目を果たすとともに、上記ラドル内張り2、2’とラドルベース1との間の隙間等を埋める役目を果たすパテ状の耐火性補修材3と、からなることを基本とするものである。
このような基本構成からなるものにおいて、上記ラドルベース1は、主に鉄板あるいは鋳物等の鉄系の金属にて形成されるようになっているものである。そして、一方の端部15側はキャビティ空間形成に寄与する型5の一部に連結されるとともに、当該一方の端部15側には、上記型5等にて形成されるキャビティ空間に連通するように形成された溶湯導入口55(図3参照)が設けられるようになっているものである。
このようなラドルベース1の内面側に設けられるラドル内張り2は、耐火性に優れたセラミック材からなるものであり、本実施の形態においてはチタン酸アルミニウムを主に形成されるものが採用されるようになっている。なお、本実施の形態においては、本ラドル内張りは、図2の(A)に示す如く、ラドルベース1の底のところに設置される凹面状のもの(2)と、型5への取付部側の端部15側に設置される樋状のもの(2’)との二部品構成からなるものが採用されるようになっている。このような二分割された単純な形態のものを採用することによって、本ラドル内張り2、2’の成形加工が簡単になり、結果的に、その製造コストの低減化を図ることができるようになる。
このような二部品構成からなるセラミック製のラドル内張り2、2’をラドルベース1の内面側に取り付ける役目を果たすものとして、本実施の形態においては、アルミナ系の素材を主に形成されるものであって、これらがパテ状の性状を有するように形成された耐火性補修材3が用いられるようになっている。次に、このような耐火性補修材3を用いての上記ラドル内張り2、2’のラドルベース1内面側への取付け工程等について説明する。
まず、図1に示す如く、ラドル内張り2、2’を、その裏面側に上記耐火性補修材3を介在させた状態で上記ラドルベース1の内面側に貼り付ける。具体的には、図2の(A)、(B)に示すように、2つのラドル内張り2、2’の裏面側に上記耐火性補修材3を塗布した状態で、これらのラドル内張り2、2’をラドルベース1の内面側に設置して、上側からこれら2、2’をラドルベース1の内面側へ押付ける。次に、ラドルベース1の内面側に貼り付けられたこれら2つのラドル内張り2、2’間の隙間、あるいはラドル内張り2、2’の外周部であってラドルベース1の内面側のラドル内張りの存在しないところに、図2の(C)に示す如く、耐火性補修材3を充填する。
これによって、ラドルベース1の内面側は、すべてセラミック素材にて覆われるようになり、ラドルベース1全体の保温性が高められるようになる。また、これによって、セラミック性のラドル内張り2、2’はラドルベース1の内面側に確実に固定されるようになるとともに、その表面側も上記耐火性補修材3にて比較的平滑な面に仕上げられることとなる。このような状態において、更に、このような平滑な状態に仕上げられた面の、その表面側に、溶湯、例えばアルミニウム合金製溶湯の流動に当たって滑り性を向上させるための離型材4が、刷毛等にて塗布されることとなる(図1参照)。
次に、このような構成からなる本鋳造装置用ラドルの作用・効果等について、図3を主に説明する。まず、るつぼ等から取出されたアルミニウム合金製の溶湯9が本ラドル内へと注がれる。このとき、本実施の形態のものにおいては、例えば図3に示す如く、上記溶湯9の落し込まれるところ、すなわち落とし込み部22には、セラミック製のラドル内張り2が設置されていることより、この部分の強度が高められている。従って、当該ラドル内張り2のところに溶湯9が繰返し落とし込まれたとしても、この部分(落し込み部)22のラドル内張り2が崩壊するようなことがない。その結果、本ラドル内に溜められた溶湯9が溶湯導入口55を経由してキャビティ空間内へと注がれた後において、ラドル内面側に残留溶湯等がへばりつくようなことがない。
また、ラドルベース1の内面側にセラミック製のラドル内張り2、2’が設置された状態において、ラドルベース1の内面側であってラドル内張り2、2’の存在しない部分には、図2の(C)に示すように、アルミナ系のセラミック材からなるものであってパテ状に形成された耐火性補修材3が塗り込められている。このようにしてラドルベース1の内面側は、ラドル内張り2、2’の表面とほぼ同一の面を形成するように、かつ、全体的に平滑な面を形成するように仕上げられている。従って、上記ラドルベース1は全体的に保温性に優れた状態となっており、このようなラドル内に注がれた溶湯は簡単には冷えないようになる。また、このように保温性に優れた、かつ、平滑な面に仕上げられた面の、その表面側にはアルミニウム合金製溶湯との間において滑り性に優れた離型材4が塗布されるようになっている(図1参照)。このようなラドル内に注がれた溶湯は、本ラドル等が傾けられることによって、溶湯導入口55を経由してキャビティ空間内へと円滑に流動して行くこととなる(図3参照)。従って、ラドル内には残留溶湯が存在しないようになり、残留溶湯に基因する酸化膜等が発生しないようになる。その結果、酸化膜の除去作業等が不要となり、鋳造工程全体の短縮化、延いては生産性の向上を図ることができるようになる。
なお、このような機能を発揮することとなる上記セラミック製のラドル内張りは、単純な形状の部品2、2’を基礎に、これらをつなぎ合わせることによって形成されるようになっていることより、各部品2、2’を、容易に、かつ、効率良く成形加工することができるようになる。その結果、セラミック製ラドル内張り2、2’を比較的低コストにて製造することができるようになる。
本発明の全体構成を示す縦断面図である。 本発明の主要部をなすラドルベース及びラドル内張りの全体構成を示す展開斜視図である。 本発明にかかるラドル内に溶湯が注がれた状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 ラドルベース
15 一方の端部
2 ラドル内張り(中央部側)
2’ ラドル内張り(端部側)
22 落し込み部
3 耐火性補修材
4 離型材
5 型
55 溶湯導入口
9 溶湯





















Claims (2)

  1. 鋳造装置を形成する各型のうちの一部のものに連続して設けられるものであって椀型の形態からなるラドルベースと、当該ラドルベースの内面側に貼り付けられるものであってセラミック材にて形成されるラドル内張りと、当該ラドル内張りを上記ラドルベースの内面側へ貼り付ける役目を果たすとともに、上記ラドルベース内面側であってラドル内張りの存在しない部分を平滑な状態に仕上げる役目を果たすパテ状の耐火性補修材と、からなることを特徴とする鋳造装置用ラドル。
  2. 請求項1記載の鋳造装置用ラドルにおいて、上記ラドル内張りを、ラドルベースの中央部に設置されるものであって凹面状の形態からなる受け部と、上記ラドルベースにおけるキャビティ空間内への溶湯導入口側に設置されるものであって樋状の形態からなる導入部と、からなるようにしたことを特徴とする鋳造装置用ラドル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20170036264A1 (en) * 2014-04-08 2017-02-09 Asesorias Y Servicios Innovaxxion Spa Process of forming copper anodes
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