JP4282779B2 - ブロー成形用スチレン系樹脂組成物及びそのブロー成形品 - Google Patents

ブロー成形用スチレン系樹脂組成物及びそのブロー成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロー成形用スチレン系樹脂組成物及びそのブロー成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ブロー成形(吹込成形)は、ボトル等の成形品を得る方法として、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及びポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を用いて実施されている。また最近では、熱的性質及び機械的性質に優れたいわゆるエンジニアリングプラスチックを用い、エアダクト及び照明用器具等の電気・電子部品、エアスポイラー及びコンソール等の自動車用部品、机の天板等の家具等を製造する方法として実施されている。
【0003】
しかしながら、ブロー成形機の樹脂流路には死角があり、その部分で樹脂が滞留して熱劣化を惹き起こしたり、また滞留した樹脂の溶融粘度の上昇が起こり、焼け、小さなヘコミ等として成形品表面に表れ、成形品の外観を劣化させるという問題がある。また、成形を一時中断した後再開した場合、良好な成形品を得るまでに長い時間がかかるという問題がある。
これらの問題を解決するため、使用する樹脂に滑剤及び安定剤を多量に添加することが試みられているが、成形品の表面性不良を起こす等、満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ブロー成形機の樹脂流路の死角に滞留し難く、且つ滞留時の樹脂の溶融粘度の上昇を抑制し、ブロー成形を一時中断した後再開した場合においても短時間で良好なブロー成形品を得ることができ、しかも表面性に優れたブロー成形品を得ることができる、スチレン系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するため本発明者らは鋭意検討した結果、熱変形温度が80℃以上であるスチレン系樹脂に、アルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩、又は、アルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩及び酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を配合することにより、ブロー成形機の樹脂流路の死角に樹脂が滞留し難く、且つ滞留時の樹脂の溶融粘度の上昇を抑制でき、ブロー成形を一時中断した後再開した場合にも短時間で良好な成形品を得ることができ、表面性の優れた成形品を得ることができることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明の第1は、(A)熱変形温度が80℃以上であるスチレン系樹脂100重量部に対し、(B)アルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩、又は、アルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩及び酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を0.01〜10重量部添加し、更に、(C)フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を添加してなり、酸化防止剤の添加量が上記(A)100重量部に対して1.1重量部以下であるブロー成形用スチレン系樹脂組成を、
本発明の第2は、上記スチレン系樹脂組成物をブロー成形してなるスチレン系樹脂ブロー成形品を、それぞれ内容とする。
【0007】
【発明の実施の形成】
本発明に用いられる(A)スチレン系樹脂としては、成形品使用時の熱による変形や塗装ラインでの成形品乾燥時の変形が少ないという点から熱変形温度が80℃以上(ASTM D−648−56:4.6kg/cm 2 荷重)のものが用いられ、一般用(GP)ポリスチレン、耐衝撃性(HI)ポリスチレン、スチレンとアクリロニトリルとの共重合体であるAS樹脂、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリルからなるABS樹脂、前記ABS樹脂のスチレンの一部又は大部分をα−メチルスチレン又はマレイミド等に置き換えた耐熱ABS樹脂、前記ブタジエンをエチレン−プロピレン系ゴムやポリブチルアクリレート等に置き換えた(耐熱)AES樹脂及び(耐熱)AAS樹脂等のABS系樹脂、前記ブタジエンをシリコンゴム、シリコン−アクリル複合ゴムに置き換えた(耐熱)ABS系樹脂等が挙げられる。これらのスチレン系樹脂は、それぞれ単独で又は2種以上の組み合わせで用いられる。更に、前記スチレン系樹脂とポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい
【0008】
ABS樹脂又はABS系樹脂の製造法としては特に限定されず、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法等が適用できるが、乳化重合がゴム粒子の粒子径をコントロールしやすく、成形体の耐衝撃性、光沢の向上の点から特に好ましく用いられる。例えば、ゴムの存在下に、ビニル系単量体をグラフト共重合させ、必要によりビニル系単量体を共重合させたものを、塩析凝固させて製造される。
【0009】
本発明に用いられる(B)成分であるアルカリ金属の水酸化物あるいは炭酸塩としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウムが挙げられ、また、(B)成分であるアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩あるいは酸化物としては、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム;炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム;酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムが挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられるが、就中、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウムが、効果、安全性及び経済性の点から特に好ましい。
また、アルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩、又は、アルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩及び酸化物の平均粒径(重量平均粒径)は、4μm以下が好ましく、0.001μm以上4μm以下がより好ましく、0.001μm以上2μm以下が更に好ましい。4μmを越えると衝撃強度が低下する傾向がある。
また、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、酸化物は、ステアリン酸、シラン系カップリング剤等で表面処理して用いてもよい。
(B)成分の使用量は、(A)ポリスチレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量部未満では効果が不十分であり、一方、10重量部を越えると効果が飽和し却って不経済となり、また衝撃強度の低下の原因となる。
【0010】
上記樹脂組成物には、更に、滑剤、酸化防止剤及びタルク等を配合することにより、ブロー成形した場合の成形品の表面性及び耐衝撃性を向上させることも可能である。
【0011】
前記滑剤としては、アミド系滑剤として、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等のアルキレンビス脂肪酸アミド;炭化水素系滑剤として、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等;脂肪酸系滑剤として、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコール系として、ステアリルアルコール等;エステル系滑剤として、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ひまし油、ステアリルステアレート等;金属石鹸として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
滑剤の配合量は、(A)スチレン系樹脂100重量部に対し、3重量部以下が好ましい。3重量部を越えると耐熱変形性が低下したり、表面不良が生じたりして好ましくない。
【0012】
本発明に用いられる(C)成分である前記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤及びチオエーテル系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
【0013】
フェノール系酸化防止剤は、融点が75℃以上のものが好ましく、150℃以上のものがより好ましい。融点が75℃未満のものは揮発性が高く、ブロー成形時に容易に揮発したりブリードしたりして十分な効果が得られにくい。フェノール系酸化防止剤の好ましい具体例としては、フェノール性水酸基の両オルト位又は一方が嵩高い第3級ブチル基で置換されたレスヒンダード型のフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
【0014】
更に好ましい具体例としては、旭電化株式会社製アデカスタブAO−20(mp=221℃)、アデカスタブAO−30(mp=186℃)、アデカスタブAO−40(mp=210℃)、アデカスタブAO−60(mp=115℃)、アデカスタブAO−80(mp=125℃)、アデカスタブ330(mp=244℃);チバガイギー社製イルガノックス245(mp=79℃)、イルガノックス1010(mp=125℃);ICI社製トパノールCA(mp>200℃);住友化学株式会社製スミライザーWX−R(mp=160℃)、スミライザーBBM(mp=209℃)、スミライザーGM(mp=128℃)、スミライザーGS(mp=127℃)が挙げられる。最も好ましくは、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−80及びイルガノックス245で例示されるレスヒンダード型のフェノール系酸化防止剤が挙げられる。尚、上記はいずれも登録商標である。
【0015】
ホスファイト系酸化防止剤は、融点が100℃以上のものが好ましい。融点が100℃未満では揮発性が高すぎ、ブロー成形時にパリソンやシートが高温の状態で樹脂組成物が大気にさらされるため、酸化防止剤が揮発したりブリードしたりして、十分な効果が得られにくい。また、金型汚染を引き起こす場合もある。
【0016】
ホスファイト系酸化防止剤の具体例としては、旭電化株式会社製アデカスタブPEP−2(mp=110℃)、アデカスタブPEP−24G(mp=165℃)、アデカスタブPEP−36(mp=237℃)、アデカスタブHP−10(mp=148℃)、及びアデカスタブ2112(mp=183℃)が挙げられる。尚、上記はいずれも登録商標である。
【0017】
チオエーテル系酸化防止剤は、融点が35℃以上のものであり、より好ましくは40℃以上のものである。融点が35℃未満では、揮発性が高すぎ、ブロー成形時にパリソンやシートが高温の状態で樹脂組成物が大気にさらされるため、酸化防止剤が揮発したりブリードしたりして、有効な効果が得られなくなる。また、金型汚染を引き起こす場合もある。
【0018】
チオエーテル系酸化防止剤の具体例としては、住友化学株式会社製スミライザーTPL−R(mp=37℃)、スミライザーTPM(mp=48℃)、スミライザーTPS(mp=63℃)、スミライザーTPD(mp=46℃)及びスミライザーMB(mp=285℃)が挙げられる。尚、上記はいずれも登録商標である。
酸化防止剤の配合量は、スチレン系樹脂100重量部に対し、1.1重量部以下、好ましくは1重量部以下である。1重量部を越えると効果が飽和したり、コストが不必要に上昇する。フェノール系酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤とチオエーテル系酸化防止剤とを併用することにより、相乗的効果が発揮され、少ない添加量でも効果が得られる。
【0019】
前記タルクは、含水ケイ酸マグネシウム(4SiO2 ・3MgO・H2 O)で、SiO2 :約60%、MgO:約30%の主成分より成る鉱物であり、このタルクの粉末は重量平均粒径が5μm以下が好ましく、5μmを越えると衝撃強度が低下する傾向がある。なお、タルク粉末は重量平均粒径の異なるものを併用してもよい。また、タルク粉末を、シランカップリング剤等で表面処理してもよい。タルクの配合量は、スチレン系樹脂100重量部に対し、5重量部以下が好ましい。5重量部を越えると耐衝撃性が低下する傾向があり、また溶融混練時の滑性が強過ぎ成形品の表面性が低下する。
タルク粉末の具体例としては、日本タルク社製ミクロエースK−1(平均粒径:3.2μm)、ミクロエースL−1(平均粒径:1.8μm)が挙げられる。尚、上記はいずれも登録商標である。
【0020】
本発明のスチレン系樹脂組成物には、更に、必要に応じて、顔料、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を1種又は2種以上混合してもよい。
【0021】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、例えば、パウダー、フレーク又はペレット状の(A)スチレン系樹脂と(B)アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と(C)フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤から選ばれる酸化防止剤をヘンシェルミキサーで混合し、単軸又は多軸の押出機で溶融押出ししてペレット化して製造される。また、(B)成分をより均一に混合させる目的で水溶液や懸濁液で混合することもできる。
【0022】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、ブロー成形用樹脂組成物として好適に使用することができる。ブロー成形方法としては、通常のブロー成形の他、シートパリソン法、コールドパリソン法、ボトルパック法、インジェクションブロー成形法、延伸ブロー成形法など各種の方法があるが、いずれの方法も採用できる。このブロー成形工程では、ブローアップ性、表面性等の点から、得られた樹脂組成物を200℃以上のパリソン又はシートでブロー成形することが好ましい。更に、より良い効果を得るために、パリソン及びシートを膨らませる際に、空気に代えて、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の不活性ガスを用いてもよい
【0023】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示すが、これらは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下に示す「部」は、いずれも「重量部」を意味する。
【0024】
実施例1〜、比較例1〜
(A)スチレン系樹脂の製造
I)スチレン系樹脂1:
i)共重合体A
攪拌機付き重合機に、水250部及びアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部を仕込み、窒素置換後70℃に昇温した。更に過硫酸カリウム0.2部を添加し、α−メチルスチレン65部、アクリロニトリル30部、スチレン5部、t−ドデシルメルカプタン0.25部からなる単量体混合物を、重合温度70℃で連続的に7時間かけて滴下した。滴下終了後、重合温度を75℃にし、1時間攪拌を続けて重合を終了させた。重合転化率は98%、極限粘度は0.70dl/g(DMF溶液、30℃:以下同じ)であった。
ii)グラフト重合体B
攪拌機付き重合機に、水280部及び重量平均粒子径0.30μmのポリブタジエンラテックス60部(固形分換算)を仕込み、窒素置換後70℃に昇温した。過硫酸カリウム0.1部を添加し、アクリロニトリル12部及びスチレン28部からなる単量体混合物を重合温度70℃で5時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、75℃で1時間攪拌を続けた後、重合を終了させた。重合転化率は98%、グラフト率は40%であった。
前記共重合体Aと共重合体Bを2:1(重量比、固形分)でラテックス状に混合した。得られた混合物を塩化カルシウムで塩析し、洗浄、濾過及び乾燥工程を経てパウダーを得た。
HDT〔Heat Distortion Temperature :ブロー成形品を切り出してテストピースを作成し、ASTM D−648(4.6kg/cm2 荷重)で測定した〕は、119℃であった。
【0025】
II)スチレン系樹脂2:
前記スチレン系樹脂1の共重合体Aの単量体混合物をフェニルマレイミド23部、アクリロニトリル20部及びスチレン60部に変更した以外はスチレン系樹脂1と同様にして、パウダーを得た。共重合体Aの重合転化率は99%、極限粘度は0.68dl/gであった。HDTは127℃であった。
【0026】
III)スチレン系樹脂3:
前記スチレン系樹脂1のグラフト共重合体Bのポリブタジエンラテックスを重量平均粒子径0.5μmのエチレン−プロピレンゴムラテックスに変更した以外は、スチレン系樹脂1と同様にして、パウダーを得た。グラフト共重合体Bの重合転化率は99%、グラフト率は38%であった。HDTは118℃であった。
【0027】
IV)スチレン系樹脂4:
前記スチレン系樹脂1、50部と、粘度平均分子量3000のポリカーボネート樹脂(出光石油株式会社製FN−3000)50部とを混合し、スチレン系樹脂4を得た。HDTは129℃であった。
【0028】
(B)アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、酸化物
(B)成分として、下記のものを使用した。
a:水酸化カルシウム:丸尾カルシウム株式会社製スーパーミクロスター
(商品名、平均粒径:1.5μm)
b:水酸化マグネシウム:協和化学工業株式会社製キスマ5
(商品名、平均粒径:0.8μm)
c:酸化マグネシウム:協和化学工業株式会社製ミクロマグ3−30
(商品名、平均粒径:0.6μm)
d:炭酸ナトリウム:和光純薬株式会社製試薬一級
(平均粒径:0.9μm)
e:水酸化カルシウム:丸尾カルシウム株式会社製工業用消石灰
(平均粒径:72μm)
上記の平均粒径の測定には、島津製作所製の遠心沈降式粒度分布測定装置:SA−CP2−20型を用いた。
【0029】
(C)滑剤
滑剤としては、エチレンビスステアリン酸アミドを使用した。
【0030】
(D)酸化防止剤
酸化防止剤として、下記のものを使用した。
a:旭電化株式会社製アデカスタブAO−30(商品名、mp=186℃)
b:旭電化株式会社製アデカスタブPEP−36(商品名、mp=237℃)
c:住友化学株式会社製スミライザーTPS(商品名、mp=63℃)
【0031】
(E)スチレン系樹脂組成物の製造
上記(A)〜(D)成分を表1に示す割合で、ヘンシェルミキサーを用い混合し、ベント付き単軸押出機を用いて設定温度270℃で押出し、ペレット化し実施例1〜10及び比較例1〜5のスチレン系樹脂組成物を得た。得られたスチレン系樹脂組成物をメルトインデキサー(東洋精機株式会社製P101タイプ)を用い温度240℃、荷重10kgfで5分後及び120分後のメルトフローレート(MI値)を測定した。
【0032】
(F)ブロー成形
上記(E)のようにして得られたペレット状スチレン系樹脂組成物を用い、パリソン温度が約240℃の条件で、外径70mm、平均肉厚3.2mm及び長さ400mmの円筒状のブロー成形品を得た。なお、ブロー成形機はプラコー株式会社製のDA−50型ブロー成形機を用いた。ブロー成形条件は、射出速度(指数)が150、スクリュー回転数が60rpm 、ブロー圧力が6kg/cm2 ・ゲージ圧(エアー)、冷却時間が100秒であった。
【0033】
上記(F)のブロー成形により得られたスチレン系樹脂ブロー成形品について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(1)表面外観
ブロー成形機を成形温度で3時間停止(滞留)させた後、成形を再開し、得られた成形品の表面を目視で観察し、以下の基準により評価した。
〇:成形再開後10ショットの成形で、焼け及び異物等の不良がほとんど観察されず、表面が均一である。
×:成形再開後30ショットの成形で、焼け、異物及びブリード等の不良が観察されるか、又は表面が不均一(凹凸や艶むら)である。
(2)落錘強度:−30℃での半数破壊高さ(m)×錘の重量(kg)である。
【0034】
【表1】
Figure 0004282779
【0035】
表1の結果から明らかなように、所定量のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩又はアルカリ土類金属の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を添加した本発明のスチレン系樹脂組成物によれば、ブロー成形を一時中断後、再開した場合にも短時間で良好な成形品を得ることができ、また、特に表面外観に優れたブロー成形品を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明のブロー成形用スチレン系樹脂組成物によれば、表面外観に優れたブロー成形品が得られるとともに、ブロー成形を一時中断した後再開した場合においても短時間で良好なブロー成形品を得ることができる

Claims (4)

  1. (A)熱変形温度が80℃以上であるスチレン系樹脂100重量部に対し、(B)アルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩、又は、アルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩及び酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を0.01〜10重量部添加し、更に、(C)フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤を添加してなり、酸化防止剤の添加量が上記(A)100重量部に対して1.1重量部以下であるブロー成形用スチレン系樹脂組成物。
  2. (A)スチレン系樹脂がABS系樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (B)アルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩、又は、アルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩及び酸化物の平均粒径が0.001μm以上4μm以下である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物をブロー成形してなるスチレン系樹脂ブロー成形品。
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