JP4282189B2 - 電子ビューファインダ付き電子カメラ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビューファインダ付き電子カメラに関する。
【０００２】
【従来の技術】
被写体像を撮影光学系によりＣＣＤ二次元イメージセンサのような固体撮像素子上に結像して電気信号に変換し、これにより得られた主として静止画の画像信号をディジタル化して半導体メモリなどの記憶媒体に記録する、いわゆる電子カメラが広く普及している。
【０００３】
このような電子カメラにおいては、一般に撮影した記録画像を再生表示するための電子カメラ背面部に設けられた背面液晶パネルと覗き込み型の光学ビューファインダ（以下、ＯＶＦという）を備えたものが多い。覗き込み型のＯＶＦは、撮影者が電子カメラをしっかりと構え、手ぶれ等を防止しつつ撮影条件を決定するために用いられる。しかし、ＯＶＦを設ける場合には、撮影光学系とは別途に専用の光学系を設ける必要があるため、その分スペースを必要とし、電子カメラの小型化には不利である。また、いわゆる一眼レフタイプの電子カメラでない場合には、パララックスが生じることがある。
【０００４】
また、電子カメラにおいては固体撮像素子により得られた画像信号をスルー画像データとして背面液晶パネルに出力して表示することが可能であるため、この背面液晶パネルを電子ビューファインダ（以下、ＥＶＦという）として利用する構成も可能である。しかし、背面液晶パネルを利用したＥＶＦはそれなりに便利ではあるが、しっかりと構図を決めるのが難しく、手ぶれを生じる可能性もあるため、撮影条件を決定するには必ずしも適切でない場合がある。
【０００５】
このような問題を考慮して、最近の電子カメラでは覗き込み型ビューファインダとして、ＯＶＦに代えて小型液晶パネルによるＥＶＦを設ける場合がある。この場合、背面液晶パネルにもＥＶＦの機能を持たせると、電子カメラは２つのＥＶＦを有することになり、また覗き込み型ＥＶＦの液晶パネルによっても記録された画像の再生表示を行うことが可能である。
【０００６】
【発明の解決しようとする課題】
背面液晶パネルに加えて、小型液晶パネルによる覗き込み型のＥＶＦを設けた従来の電子カメラでは通常、節電のために一方をオンしているときには他方をオフしている。従って、背面液晶パネル及びＥＶＦ用液晶パネルでは、撮影モードにおいても再生モードにおいても常に同一の表示がなされるのみであり、二つの液晶パネルが有効に活用されているとはいえない。
【０００７】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、小型液晶パネル等による覗き込み型の電子ビューファインダを設ける場合に、再生画像表示用の背面ディスプレイを有効に活用し、撮影者の利便性を高めることができる電子ビューファインダ付き電子カメラを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明に係る電子ビューファインダ付き電子カメラは、固体撮像素子により画像を撮影して記録媒体に記録する電子カメラにおいて、少なくとも撮影モード時には、前記固体撮像素子により出力された画像をスルー画像として表示する覗き込み型の第１の電子ビューファインダと、前記第１の電子ビューファインダよりも大きな表示画面を有し、前記撮影モード時に前記スルー画像を表示する第２の電子ビューファインダと、前記第１の電子ビューファインダに前記スルー画像とともに表示される電子カメラの状態を示す情報として、電子カメラの状態を示す簡略な情報を作成する簡略情報作成部と、前記第２の電子ビューファインダに前記スルー画像とともに表示される電子カメラの状態を示す情報として、前記簡略な情報を含む電子カメラの状態の詳細な情報を作成する詳細情報作成部とを備えたことを特徴とする。
【００１４】
このように覗き込み型の第１の電子ビューファインダ及び表示画面の大きな第２の電子ビューファインダを設けた構成において、第１の電子ビューファインダは表示画面が小さいため、ここに電子カメラの状態を詳細に示す情報を表示させたのでは煩雑で、かえって撮影者が撮影に集中しにくい。そこで、第１の電子ビューファインダでは電子カメラの状態を示す情報として最小必要限の情報のみを表示し、大画面の第２の電子ビューファインダ上で詳細な情報を表示することにより、このような弊害を伴うことなく電子カメラの状態を撮影者に知らしめることが可能となる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図１は、本発明の一実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラを背面側から見た外観図を示している。電子カメラ本体の背面部に、覗き込み型ＥＶＦ（電子ビューファインダ）１、再生用液晶パネル２、撮影／再生モード切替スイッチ３及び各種の操作キー（十字キー）４等が設けられ、上面部にレリーズボタン（シャッタボタン）５が設けられている。ここで、覗き込み型ＥＶＦ１は内部に小型液晶パネルを備えられており、以後はＥＶＦ用液晶パネルという。再生用液晶パネル１は、本発明では撮影モードにおいては再生された記録画像（再生画像）以外の表示を行うので、以後は背面液晶パネルという。
【００１６】
本発明においては、ＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２の使用法、特に背面液晶パネル２の使用法に特徴を有する。以下、この使用法に着目した具体的な幾つかの実施形態について説明する。
【００１７】
（第１の実施形態）
図２は、本発明の第１の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図である。被写体からの光は撮影レンズ系１１、絞り１３及びシャッタ１４を経てＣＣＤ二次元イメージセンサを用いた固体撮像素子（以下、単にＣＣＤという）１５に入射し、これによりＣＣＤ１５の撮像面上に被写体の画像が結像される。撮影レンズ系１１は、ＡＦ（自動焦点調節）機構１２によって光軸方向に移動制御される。
【００１８】
ＣＣＤ１５は、画素と呼ばれる光電変換素子（例えばフォトダイオード）を二次元のマトリクス状に配列して撮像面を構成し、さらに撮像面上にカラーフィルタを配置したものであり、図示しないＣＣＤドライバによって駆動されることより、撮像面に結像された被写体画像に対応した信号電荷を蓄積する。撮像面に蓄積された信号電荷は、シャッタ１４が閉じられた状態でＣＣＤ１５から電気信号として読み出される。
【００１９】
ＣＣＤ１５からの出力信号はＡＥ（自動露光制御）、読み出し、素子シャッタ制御及びｓＣＣＤ電力供給オン・オフ制御等の処理を行う撮像回路１６に入力され、この撮像回路１６から画像信号として出力される。この画像信号は、Ａ／Ｄ変換器１７及び写真用の静止画像データへの変換（ガンマ変換、色変換）等を行う画像処理部１８を経てバッファメモリ１９に入力され、このバッファメモリ１９に一画面分の画像データが一旦格納される。
【００２０】
バッファメモリ１９に格納された画像データを保存するときには、バッファメモリ１９から読み出された画像データが圧縮／伸長部２０によって例えばＪＰＥＧ方式で圧縮された後、光磁気ディスクドライブ装置２１に入力され、記録媒体である光磁気ディスク２２に記録画像データとして書き込まれる。また、この記録画像データを再生する時には、光磁気ディスクドライブ装置２１により光磁気ディスク２２から読み出された画像データが圧縮／伸長部２０によって伸長された後、バッファメモリ１９に一旦格納され、背面液晶パネル２によって表示される。
【００２１】
表示画面作成部２３は、ＥＶＦ用液晶パネル１のための表示画面データを作成するものであり、この表示画面作成部２３からの出力はＶＲＡＭ（ビデオＲＡＭ）２４及び液晶制御部２５を経てＥＶＦ用液晶パネル１に供給される。
【００２２】
同様に表示画面作成部２７は、背面液晶パネル２のための表示画面データを作成するものであり、この表示画面作成部２７からの出力はＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を経て背面液晶パネル２に供給される。画像切替部２６は、表示画面作成部２７に入力する画像データを画像処理部１８からのスルー画像データとバッファメモリ１９からの再生画像データとに切り替えるものである。
【００２３】
システムコントローラ３０は、各種の操作信号、すなわち操作キー３、撮影／再生モード切替スイッチ４及びレリーズボタン５等からの操作信号を受け付け、電子カメラ内の各部、すなわちＡＦ機構１２、絞り１３、シャッタ１４、撮像回路１６、画像処理部１８、表示画面作成部２３、液晶制御部２５、画像切替部２６、表示画面作成部２７及び液晶制御部２９その他の制御を行う。
【００２４】
このシステムコントローラ３０には、本発明に関係する要素として機能切替部３１と表示情報作成部３２が備えられる。機能切替部３１は、操作キー３や撮影／再生モード切替スイッチ４から各種の入力を受けたときに電子カメラの状態、例えば撮影／再生モードや撮影画質（ＳＱ＝標準画質、ＨＱ＝高画質、ＳＨＱ＝超高画質）の切替を行う。
【００２５】
表示情報作成部３２は、図３（ａ）に示すようなＥＶＦ用液晶パネル１で画像と共に表示する情報（簡略情報）を作成する簡略情報作成部３３と、図３（ｂ）に示すような背面液晶パネル２で画像と共に表示する情報（詳細情報）を作成する詳細情報作成部３４とから構成される。
次に、ＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２での表示に関する撮影モード時及び再生モード時の動作を説明する。
【００２６】
［撮影モード時の動作］
撮影モードにおいて、画像処理部１８から出力される画像データはスルー画像データであり、この画像データは表示画面作成部２３、ＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を経てＥＶＦ用液晶パネル１に入力され、このＥＶＦ用液晶パネル１でスルー画像が表示される。
【００２７】
また、画像処理部１８から出力されるスルー画像データは、画像切替部２６により表示画面作成部２７に入力され、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を経て背面液晶パネル２に入力されることにより、背面液晶パネル２でもスルー画像が表示される。すなわち、撮影モード時には画像切替部２６は画像処理部１８から出力されるスルー画像データを表示画面作成部２７に出力する。
こうしてＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２は、共にスルー画像を表示するＥＶＦとして機能する。
【００２８】
ここで、表示画面作成部２３では簡略情報作成部３３で作成される電子カメラの状態を示す各種の簡略情報、例えば図３（ａ）に示されるように画質モード、電池残量及び撮影可能枚数などの情報がスルー画像データに組み込まれる。
【００２９】
一方、表示画像作成部２７では詳細情報作成部３４で作成される電子カメラの状態を示す各種の詳細情報、例えば図３（ｂ）に示されるように、図３（ａ）の画質モード、電池残量、撮影可能枚数の情報に加えて、さらに細かな情報（図の例では、マクロ、連写などの撮影モードの情報、書き込み中である旨の情報、ディスク警告、ディスク機能の情報など）がスルー画像データに組み込まれる。
【００３０】
このようにしてＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２では、スルー画像と共に電子カメラの状態を示す情報が表示される。これらの情報のスルー画像への組み込み方式としては、予めＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２にこれらの情報の表示領域を設けるようにしてもよく、またスーパーインポーズでスルー画像にこれらの情報を重ねて表示させるようにしてもよい。さらに、ＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２で表示されるべき情報の内容は、表示情報作成部２３，２７において操作キー３等の入力により電子カメラの状態に合せて変更される。
【００３１】
このようにＥＶＦ用液晶パネル１と背面液晶パネル２とで電子カメラの状態に関する表示情報量を異ならせ、後者でより詳細な情報を表示するのは、背面液晶パネル２の方が表示画面が大型で、多くの情報を表示しやすいためであり、また覗き込み型ＥＶＦであるＥＶＦ用液晶パネル１は、撮影モードにおいて特に本格的な撮影をするときに使用されるものである関係で、撮影に邪魔な表示を極力少なくすることが望まれるからである。
【００３２】
［再生モード時の動作］
再生モードにおいても、ＥＶＦ用液晶パネル１における表示は撮影モード時と同じくスルー画像である。一方、背面液晶パネル２においては、特に記録画像の表示指示がない間はスルー画像が表示されているが、再生画像の表示指示がなされたときには、画像切替部２６によって表示画面作成部２７の入力が画像処理部１８側からバッファメモリ１９側へと切り替えられる。
【００３３】
再生モードでは、バッファメモリ１９には光磁気ディスク２２から光磁気ディスクドライブ装置２１によって再生され、かつ圧縮／伸長部２０によって伸長された再生画像データが格納されているため、背面液晶パネル２では再生画像、つまり光磁気ディスク２２上の記録画像が表示されることになる。なお、電子カメラの状態に関する各種の情報については、撮影モード時と同様に表示される。
【００３４】
このように本実施形態では、撮影モードにおいてＥＶＦ用液晶パネル１でスルー画像及び電子カメラの状態を示す簡略情報を表示することに加えて、背面液晶パネル２でもスルー画像と共に、表示画面の小さいＥＶＦ用液晶パネル１では表示しにくい電子カメラの状態を示す詳細情報を表示することにより、撮影者の利便性が大きく向上する。
【００３５】
（第２の実施形態）
図４は、本発明の第２の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示している。図４において図２と相対応する部分には同一符号を付して、第１の実施形態との相違点について述べる。
【００３６】
本実施形態では撮影モード時に画像処理部１８から出力されるスルー画像データは、ＥＶＦ用液晶パネル１に対しては、図２の表示画面作成部２３を介さずにＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を介して入力され、また背面液晶パネル２に対しては、図２と同様に表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を介して入力される。
【００３７】
さらに、本実施形態では撮影モード時にはバッファメモリ１９から直前に撮影された画像の画像データであるＲＥＣレビュー画像データが取り出され、これが表示画面２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を介して背面液晶パネル２に入力される。
【００３８】
次に、図５及び図６〜図８を用いて本実施形態の動作を具体的に説明する。
図５は、本実施形態における動作手順を示し、図６（ａ）（ｂ）、図７（ａ）（ｂ）及び図８（ａ）（ｂ）は、撮影モード時におけるＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２の種々の表示例を示している。
まず、撮影モードか否かが判断され（ステップＳ１）、撮影モードの場合は以下の処理が行われる。
【００３９】
［撮影モード時の動作］
撮影モードにおいてＥＶＦ用液晶パネル１では、画像処理部１８から出力されるスルー画像データがＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を経てＥＶＦ用液晶パネル１に供給されることにより、図６（ａ）、図７（ａ）あるいは図８（ａ）に示されるようにスルー画像が表示される（ステップＳ２）。
【００４０】
次に、レリーズボタン５が押されると（ステップＳ３でＹＥＳ）、背面液晶パネル２では図６（ｂ）に示されるようにＲＥＣレビュー用画像が表示される。ここで、ＲＥＣレビューとは撮影した画像を撮影直後に確認することであり、これはＣＣＤ１５により得られた画像信号を撮影回路１６及びＡ／Ｄ変換器１７を経て画像処理部１８で処理し、バッファメモリ１９に一旦格納した画像データを表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を経て背面液晶パネル２に供給して表示することで実現される。
【００４１】
これに対して、再生モードにおける再生画像は、光磁気ディスクドライブ装置２１により光磁気ディスク２２から読み出され、かつ圧縮／伸長部２０で伸長処理された画像データをバッファメモリ１９に格納し、このバッファメモリ１９から読み出された画像データを表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を経て背面液晶パネル２に供給して表示することで得られる。
【００４２】
本実施形態では、背面液晶パネル２での表示モードとして全画面表示モードと分割表示モードがあり、その表示モードがステップＳ４で判断される。全画面表示モード（ステップＳ４でＮＯ）の場合は、図６（ｂ）に示されるようにＲＥＣレビュー画像が背面液晶パネル２の画面全体に表示される（ステップＳ５）。一方、分割表示モード（ステップＳ４でＹＥＳ）の場合は、図７（ｂ）または図８（ｂ）に示されるように背面液晶パネル２で一つまたは複数の分割領域にＲＥＣレビュー画像が表示される（ステップＳ６）。
【００４３】
さらに詳しく説明すると、図７（ｂ）は背面液晶パネル２において４つの分割領域で連続的に、つまり撮影順にＲＥＣビュー画像を表示する例である。分割領域が全てＲＥＣビュー画像で埋まった場合には、最新のＲＥＣビュー画像の表示は最初の分割領域に戻る。このようにすれば、連続撮影（連写）を行うときなどに、撮影した一連の画像を同時に確認することができ、ユーザにとって非常に便利である。
【００４４】
一方、図８（ｂ）は背面液晶パネル２においてＲＥＣビュー画像を一部の分割領域（この例では１つの分割領域）のみで表示し、他の領域（この例では３つの分割領域）にはスルー画像を表示する例である。すなわち、背面液晶パネル２でスルー画像とＲＥＣレビュー画像を同時に表示している。
【００４５】
［再生モード時の動作］
本実施形態における再生モード時の動作については、第１の実施形態と全く同様であるので、説明を省略する。
【００４６】
このように本実施形態によると、撮影モードにおいてＥＶＦ用液晶パネル１と背面液晶パネル２とで表示画像を変え、背面液晶パネル２でＲＥＣビュー画像を表示しているので、撮影者は撮影直後に覗き込み型であるＥＶＦ用液晶パネル１から目を離し、背面液晶パネル２において直ちに直前に撮影された画像をＲＥＣビュー画像として確認することができ、利便性が高い。なお、連続的に撮影を行うときには、ＥＶＦ用液晶パネル１に目を当てたまま撮影を継続すればよく、何ら支障を来すことはない。
【００４７】
（第３の実施形態）
図９は、本発明の第３の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示している。図９において、図２及び図４と相対応する部分に同一符号を付して第１及び第２の実施形態との相違点について述べる。
【００４８】
本実施形態では第２の実施形態と同様に、撮影モード時に画像処理部１８から出力されるスルー画像データは、ＥＶＦ用液晶パネル１に対しては、図２の表示画面作成部２３を介さずにＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を介して入力されるが、背面液晶パネル２に対しては、図２と同様に表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を介して入力される。
【００４９】
さらに、本実施形態においては、システムコントローラ３０内にメニュー画面作成部３５が新たに設けられており、このメニュー画面作成部３５からの出力は背面液晶パネル２のための表示画面作成部２７に供給される。このメニュー画面作成部３５で作成されるメニュー画面（メニュー画像）は、電子カメラの機能を表示しかつ電子カメラの機能選択を行うためのものであり、その内容は操作キー３からの入力により変更が可能となっている。
【００５０】
次に、図１０〜図１１を用いて本実施形態の動作を具体的に説明する。
図１０（ａ）（ｂ）、図１１（ａ）（ｂ）及び図１２（ａ）（ｂ）は、撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２の種々の表示例を示している。
【００５１】
［撮影モード時の動作］
撮影モードにおいて、ＥＶＦ用液晶パネル１では図１０（ａ）、図１１（ａ）あるいは図１２（ａ）に示されるように、画像処理部１８から出力されるスルー画像データがＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を経て表示される
一方、背面液晶パネル２ではメニュー画面作成部３５からのメニュー画像情報が表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を介して供給されることにより、図１０（ｂ）、図１１（ｂ）あるいは図１２（ｂ）に示されるようにメニュー画面やメニュー画像が表示される。
【００５２】
図１０（ｂ）は、背面液晶パネル２においてメニュー画像のみを表示させる例であり、背面液晶パネル２の表示画面は全体がメニュー画面となる。このようなメニュー画像の表示を行うと、撮影者は撮影中であっても図１０（ａ）に示すようなスルー画像が表示されている覗き込み型であるＥＶＦ用液晶パネル１からちょっと目を離せば、背面表示パネル２に表示されたメニュー画面からすぐに電子カメラの持つ機能や状態を把握できるので、撮影状況に応じたすばやい機能選択（条件変更等）が可能である。
【００５３】
図１１（ｂ）は、背面表示パネル２でメニュー画像のみでなく、スルー画像をも表示する例である。この場合、メニュー画像は表示画面の隅に小さく表示される。従って、撮影対象の状態が気になるときでも、当該対象に気を配りつつ条件変更を行うことができる。
【００５４】
図１２（ｂ）は、やはり背面表示パネル２でメニュー画像とスルー画像の両方を表示する例である。この場合、メニュー画像はスーパーインポーズで、つまりスルー画像上に重畳されて大きく表示されている。
【００５５】
［再生モード時の動作］
本実施形態における再生モード時の動作については、第１の実施形態と全く同様であるので、説明を省略する。なお、再生モードにおいてもメニュー画像を表示するようにしても構わない。
【００５６】
本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することが可能である。例えば、記録媒体としては光磁気ディスクに代えて、磁気ディスク（フロッピーディスク、ハードディスク）、相変化ディスク、半導体メモリ（フラッシュメモリ）等を用いることもできる。また、ＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルに代えて、プラズマディスプレイ、小型ブラウン管その他の各種の平面型ディスプレイ装置を用いてもよい。
【００５７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば撮影モードにおいて、本来は再生画像の表示用である背面液晶パネルのような比較的大型の背面ディスプレイを再生画像以外の画像、電子カメラの状態を示す情報、ＲＥＣビュー画像、あるいはメニュー画像等の表示に用いることによって背面ディスプレイの有効活用を図り、撮影者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る電子ビューファインダ付き電子カメラの背面側から見た外観の例を示す図
【図２】本発明の第１の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図
【図３】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの表示例を示す図
【図４】本発明の第２の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図
【図５】同実施形態における処理手順を示すフローチャート
【図６】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの表示例を示す図
【図７】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの他の表示例を示す図
【図８】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの別の表示例を示す図
【図９】本発明の第３の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図
【図１０】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの表示例を示す図
【図１１】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの他の表示例を示す図
【図１２】同実施形態におけるＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの別の表示例を示す図
【符号の説明】
１…覗き込み型電子ビューファインダ（ＥＶＦ用液晶パネル）
２…再生用液晶パネル（背面液晶パネル）
３…操作キー
４…撮影／再生モード切替スイッチ
５…レリーズボタン
１１…撮影レンズ系
１２…ＡＦ機構
１３…絞り
１４…シャッタ
１５…ＣＣＤ（固体撮像素子）
１６…撮像回路
１７…Ａ／Ｄ変換器
１８…画像処理部
１９…バッファメモリ
２０…圧縮／伸長部
２１…光磁気ディスクドライブ装置
２２…光磁気ディスク（記録媒体）
２３，２７…表示画面作成部
２４，２８…ＶＲＡＭ
２５，２９…液晶制御部
２６…画像切替部
３０…システムコントローラ
３１…機能切替部
３２…表示情報作成部
３３…簡略情報作成部
３４…詳細情報作成部
３５…メニュー画面作成部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビューファインダ付き電子カメラに関する。
【０００２】
【従来の技術】
被写体像を撮影光学系によりＣＣＤ二次元イメージセンサのような固体撮像素子上に結像して電気信号に変換し、これにより得られた主として静止画の画像信号をディジタル化して半導体メモリなどの記憶媒体に記録する、いわゆる電子カメラが広く普及している。
【０００３】
このような電子カメラにおいては、一般に撮影した記録画像を再生表示するための電子カメラ背面部に設けられた背面液晶パネルと覗き込み型の光学ビューファインダ（以下、ＯＶＦという）を備えたものが多い。覗き込み型のＯＶＦは、撮影者が電子カメラをしっかりと構え、手ぶれ等を防止しつつ撮影条件を決定するために用いられる。しかし、ＯＶＦを設ける場合には、撮影光学系とは別途に専用の光学系を設ける必要があるため、その分スペースを必要とし、電子カメラの小型化には不利である。また、いわゆる一眼レフタイプの電子カメラでない場合には、パララックスが生じることがある。
【０００４】
また、電子カメラにおいては固体撮像素子により得られた画像信号をスルー画像データとして背面液晶パネルに出力して表示することが可能であるため、この背面液晶パネルを電子ビューファインダ（以下、ＥＶＦという）として利用する構成も可能である。しかし、背面液晶パネルを利用したＥＶＦはそれなりに便利ではあるが、しっかりと構図を決めるのが難しく、手ぶれを生じる可能性もあるため、撮影条件を決定するには必ずしも適切でない場合がある。
【０００５】
このような問題を考慮して、最近の電子カメラでは覗き込み型ビューファインダとして、ＯＶＦに代えて小型液晶パネルによるＥＶＦを設ける場合がある。この場合、背面液晶パネルにもＥＶＦの機能を持たせると、電子カメラは２つのＥＶＦを有することになり、また覗き込み型ＥＶＦの液晶パネルによっても記録された画像の再生表示を行うことが可能である。
【０００６】
【発明の解決しようとする課題】
背面液晶パネルに加えて、小型液晶パネルによる覗き込み型のＥＶＦを設けた従来の電子カメラでは通常、節電のために一方をオンしているときには他方をオフしている。従って、背面液晶パネル及びＥＶＦ用液晶パネルでは、撮影モードにおいても再生モードにおいても常に同一の表示がなされるのみであり、二つの液晶パネルが有効に活用されているとはいえない。
【０００７】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、小型液晶パネル等による覗き込み型の電子ビューファインダを設ける場合に、再生画像表示用の背面ディスプレイを有効に活用し、撮影者の利便性を高めることができる電子ビューファインダ付き電子カメラを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明に係る電子ビューファインダ付き電子カメラは、固体撮像素子により画像を撮影して記録媒体に記録する電子カメラにおいて、少なくとも撮影モード時には、前記固体撮像素子により出力された画像をスルー画像として表示する覗き込み型の第１の電子ビューファインダと、前記第１の電子ビューファインダよりも大きな表示画面を有し、前記撮影モード時に前記スルー画像を表示する第２の電子ビューファインダと、前記第１の電子ビューファインダに前記スルー画像とともに表示される電子カメラの状態を示す情報として、電子カメラの状態を示す簡略な情報を作成する簡略情報作成部と、前記第２の電子ビューファインダに前記スルー画像とともに表示される電子カメラの状態を示す情報として、前記簡略な情報を含む電子カメラの状態の詳細な情報を作成する詳細情報作成部とを備えたことを特徴とする。
【００１４】
このように覗き込み型の第１の電子ビューファインダ及び表示画面の大きな第２の電子ビューファインダを設けた構成において、第１の電子ビューファインダは表示画面が小さいため、ここに電子カメラの状態を詳細に示す情報を表示させたのでは煩雑で、かえって撮影者が撮影に集中しにくい。そこで、第１の電子ビューファインダでは電子カメラの状態を示す情報として最小必要限の情報のみを表示し、大画面の第２の電子ビューファインダ上で詳細な情報を表示することにより、このような弊害を伴うことなく電子カメラの状態を撮影者に知らしめることが可能となる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図１は、本発明の一実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラを背面側から見た外観図を示している。電子カメラ本体の背面部に、覗き込み型ＥＶＦ（電子ビューファインダ）１、再生用液晶パネル２、撮影／再生モード切替スイッチ３及び各種の操作キー（十字キー）４等が設けられ、上面部にレリーズボタン（シャッタボタン）５が設けられている。ここで、覗き込み型ＥＶＦ１は内部に小型液晶パネルを備えられており、以後はＥＶＦ用液晶パネルという。再生用液晶パネル１は、本発明では撮影モードにおいては再生された記録画像（再生画像）以外の表示を行うので、以後は背面液晶パネルという。
【００１６】
本発明においては、ＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２の使用法、特に背面液晶パネル２の使用法に特徴を有する。以下、この使用法に着目した具体的な幾つかの実施形態について説明する。
【００１７】
（第１の実施形態）
図２は、本発明の第１の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図である。被写体からの光は撮影レンズ系１１、絞り１３及びシャッタ１４を経てＣＣＤ二次元イメージセンサを用いた固体撮像素子（以下、単にＣＣＤという）１５に入射し、これによりＣＣＤ１５の撮像面上に被写体の画像が結像される。撮影レンズ系１１は、ＡＦ（自動焦点調節）機構１２によって光軸方向に移動制御される。
【００１８】
ＣＣＤ１５は、画素と呼ばれる光電変換素子（例えばフォトダイオード）を二次元のマトリクス状に配列して撮像面を構成し、さらに撮像面上にカラーフィルタを配置したものであり、図示しないＣＣＤドライバによって駆動されることより、撮像面に結像された被写体画像に対応した信号電荷を蓄積する。撮像面に蓄積された信号電荷は、シャッタ１４が閉じられた状態でＣＣＤ１５から電気信号として読み出される。
【００１９】
ＣＣＤ１５からの出力信号はＡＥ（自動露光制御）、読み出し、素子シャッタ制御及びｓＣＣＤ電力供給オン・オフ制御等の処理を行う撮像回路１６に入力され、この撮像回路１６から画像信号として出力される。この画像信号は、Ａ／Ｄ変換器１７及び写真用の静止画像データへの変換（ガンマ変換、色変換）等を行う画像処理部１８を経てバッファメモリ１９に入力され、このバッファメモリ１９に一画面分の画像データが一旦格納される。
【００２０】
バッファメモリ１９に格納された画像データを保存するときには、バッファメモリ１９から読み出された画像データが圧縮／伸長部２０によって例えばＪＰＥＧ方式で圧縮された後、光磁気ディスクドライブ装置２１に入力され、記録媒体である光磁気ディスク２２に記録画像データとして書き込まれる。また、この記録画像データを再生する時には、光磁気ディスクドライブ装置２１により光磁気ディスク２２から読み出された画像データが圧縮／伸長部２０によって伸長された後、バッファメモリ１９に一旦格納され、背面液晶パネル２によって表示される。
【００２１】
表示画面作成部２３は、ＥＶＦ用液晶パネル１のための表示画面データを作成するものであり、この表示画面作成部２３からの出力はＶＲＡＭ（ビデオＲＡＭ）２４及び液晶制御部２５を経てＥＶＦ用液晶パネル１に供給される。
【００２２】
同様に表示画面作成部２７は、背面液晶パネル２のための表示画面データを作成するものであり、この表示画面作成部２７からの出力はＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を経て背面液晶パネル２に供給される。画像切替部２６は、表示画面作成部２７に入力する画像データを画像処理部１８からのスルー画像データとバッファメモリ１９からの再生画像データとに切り替えるものである。
【００２３】
システムコントローラ３０は、各種の操作信号、すなわち操作キー３、撮影／再生モード切替スイッチ４及びレリーズボタン５等からの操作信号を受け付け、電子カメラ内の各部、すなわちＡＦ機構１２、絞り１３、シャッタ１４、撮像回路１６、画像処理部１８、表示画面作成部２３、液晶制御部２５、画像切替部２６、表示画面作成部２７及び液晶制御部２９その他の制御を行う。
【００２４】
このシステムコントローラ３０には、本発明に関係する要素として機能切替部３１と表示情報作成部３２が備えられる。機能切替部３１は、操作キー３や撮影／再生モード切替スイッチ４から各種の入力を受けたときに電子カメラの状態、例えば撮影／再生モードや撮影画質（ＳＱ＝標準画質、ＨＱ＝高画質、ＳＨＱ＝超高画質）の切替を行う。
【００２５】
表示情報作成部３２は、図３（ａ）に示すようなＥＶＦ用液晶パネル１で画像と共に表示する情報（簡略情報）を作成する簡略情報作成部３３と、図３（ｂ）に示すような背面液晶パネル２で画像と共に表示する情報（詳細情報）を作成する詳細情報作成部３４とから構成される。
次に、ＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２での表示に関する撮影モード時及び再生モード時の動作を説明する。
【００２６】
［撮影モード時の動作］
撮影モードにおいて、画像処理部１８から出力される画像データはスルー画像データであり、この画像データは表示画面作成部２３、ＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を経てＥＶＦ用液晶パネル１に入力され、このＥＶＦ用液晶パネル１でスルー画像が表示される。
【００２７】
また、画像処理部１８から出力されるスルー画像データは、画像切替部２６により表示画面作成部２７に入力され、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を経て背面液晶パネル２に入力されることにより、背面液晶パネル２でもスルー画像が表示される。すなわち、撮影モード時には画像切替部２６は画像処理部１８から出力されるスルー画像データを表示画面作成部２７に出力する。
こうしてＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２は、共にスルー画像を表示するＥＶＦとして機能する。
【００２８】
ここで、表示画面作成部２３では簡略情報作成部３３で作成される電子カメラの状態を示す各種の簡略情報、例えば図３（ａ）に示されるように画質モード、電池残量及び撮影可能枚数などの情報がスルー画像データに組み込まれる。
【００２９】
一方、表示画像作成部２７では詳細情報作成部３４で作成される電子カメラの状態を示す各種の詳細情報、例えば図３（ｂ）に示されるように、図３（ａ）の画質モード、電池残量、撮影可能枚数の情報に加えて、さらに細かな情報（図の例では、マクロ、連写などの撮影モードの情報、書き込み中である旨の情報、ディスク警告、ディスク機能の情報など）がスルー画像データに組み込まれる。
【００３０】
このようにしてＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２では、スルー画像と共に電子カメラの状態を示す情報が表示される。これらの情報のスルー画像への組み込み方式としては、予めＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２にこれらの情報の表示領域を設けるようにしてもよく、またスーパーインポーズでスルー画像にこれらの情報を重ねて表示させるようにしてもよい。さらに、ＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２で表示されるべき情報の内容は、表示情報作成部２３，２７において操作キー３等の入力により電子カメラの状態に合せて変更される。
【００３１】
このようにＥＶＦ用液晶パネル１と背面液晶パネル２とで電子カメラの状態に関する表示情報量を異ならせ、後者でより詳細な情報を表示するのは、背面液晶パネル２の方が表示画面が大型で、多くの情報を表示しやすいためであり、また覗き込み型ＥＶＦであるＥＶＦ用液晶パネル１は、撮影モードにおいて特に本格的な撮影をするときに使用されるものである関係で、撮影に邪魔な表示を極力少なくすることが望まれるからである。
【００３２】
［再生モード時の動作］
再生モードにおいても、ＥＶＦ用液晶パネル１における表示は撮影モード時と同じくスルー画像である。一方、背面液晶パネル２においては、特に記録画像の表示指示がない間はスルー画像が表示されているが、再生画像の表示指示がなされたときには、画像切替部２６によって表示画面作成部２７の入力が画像処理部１８側からバッファメモリ１９側へと切り替えられる。
【００３３】
再生モードでは、バッファメモリ１９には光磁気ディスク２２から光磁気ディスクドライブ装置２１によって再生され、かつ圧縮／伸長部２０によって伸長された再生画像データが格納されているため、背面液晶パネル２では再生画像、つまり光磁気ディスク２２上の記録画像が表示されることになる。なお、電子カメラの状態に関する各種の情報については、撮影モード時と同様に表示される。
【００３４】
このように本実施形態では、撮影モードにおいてＥＶＦ用液晶パネル１でスルー画像及び電子カメラの状態を示す簡略情報を表示することに加えて、背面液晶パネル２でもスルー画像と共に、表示画面の小さいＥＶＦ用液晶パネル１では表示しにくい電子カメラの状態を示す詳細情報を表示することにより、撮影者の利便性が大きく向上する。
【００３５】
（第２の実施形態）
図４は、本発明の第２の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示している。図４において図２と相対応する部分には同一符号を付して、第１の実施形態との相違点について述べる。
【００３６】
本実施形態では撮影モード時に画像処理部１８から出力されるスルー画像データは、ＥＶＦ用液晶パネル１に対しては、図２の表示画面作成部２３を介さずにＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を介して入力され、また背面液晶パネル２に対しては、図２と同様に表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を介して入力される。
【００３７】
さらに、本実施形態では撮影モード時にはバッファメモリ１９から直前に撮影された画像の画像データであるＲＥＣレビュー画像データが取り出され、これが表示画面２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を介して背面液晶パネル２に入力される。
【００３８】
次に、図５及び図６〜図８を用いて本実施形態の動作を具体的に説明する。
図５は、本実施形態における動作手順を示し、図６（ａ）（ｂ）、図７（ａ）（ｂ）及び図８（ａ）（ｂ）は、撮影モード時におけるＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２の種々の表示例を示している。
まず、撮影モードか否かが判断され（ステップＳ１）、撮影モードの場合は以下の処理が行われる。
【００３９】
［撮影モード時の動作］
撮影モードにおいてＥＶＦ用液晶パネル１では、画像処理部１８から出力されるスルー画像データがＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を経てＥＶＦ用液晶パネル１に供給されることにより、図６（ａ）、図７（ａ）あるいは図８（ａ）に示されるようにスルー画像が表示される（ステップＳ２）。
【００４０】
次に、レリーズボタン５が押されると（ステップＳ３でＹＥＳ）、背面液晶パネル２では図６（ｂ）に示されるようにＲＥＣレビュー用画像が表示される。ここで、ＲＥＣレビューとは撮影した画像を撮影直後に確認することであり、これはＣＣＤ１５により得られた画像信号を撮影回路１６及びＡ／Ｄ変換器１７を経て画像処理部１８で処理し、バッファメモリ１９に一旦格納した画像データを表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を経て背面液晶パネル２に供給して表示することで実現される。
【００４１】
これに対して、再生モードにおける再生画像は、光磁気ディスクドライブ装置２１により光磁気ディスク２２から読み出され、かつ圧縮／伸長部２０で伸長処理された画像データをバッファメモリ１９に格納し、このバッファメモリ１９から読み出された画像データを表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を経て背面液晶パネル２に供給して表示することで得られる。
【００４２】
本実施形態では、背面液晶パネル２での表示モードとして全画面表示モードと分割表示モードがあり、その表示モードがステップＳ４で判断される。全画面表示モード（ステップＳ４でＮＯ）の場合は、図６（ｂ）に示されるようにＲＥＣレビュー画像が背面液晶パネル２の画面全体に表示される（ステップＳ５）。一方、分割表示モード（ステップＳ４でＹＥＳ）の場合は、図７（ｂ）または図８（ｂ）に示されるように背面液晶パネル２で一つまたは複数の分割領域にＲＥＣレビュー画像が表示される（ステップＳ６）。
【００４３】
さらに詳しく説明すると、図７（ｂ）は背面液晶パネル２において４つの分割領域で連続的に、つまり撮影順にＲＥＣビュー画像を表示する例である。分割領域が全てＲＥＣビュー画像で埋まった場合には、最新のＲＥＣビュー画像の表示は最初の分割領域に戻る。このようにすれば、連続撮影（連写）を行うときなどに、撮影した一連の画像を同時に確認することができ、ユーザにとって非常に便利である。
【００４４】
一方、図８（ｂ）は背面液晶パネル２においてＲＥＣビュー画像を一部の分割領域（この例では１つの分割領域）のみで表示し、他の領域（この例では３つの分割領域）にはスルー画像を表示する例である。すなわち、背面液晶パネル２でスルー画像とＲＥＣレビュー画像を同時に表示している。
【００４５】
［再生モード時の動作］
本実施形態における再生モード時の動作については、第１の実施形態と全く同様であるので、説明を省略する。
【００４６】
このように本実施形態によると、撮影モードにおいてＥＶＦ用液晶パネル１と背面液晶パネル２とで表示画像を変え、背面液晶パネル２でＲＥＣビュー画像を表示しているので、撮影者は撮影直後に覗き込み型であるＥＶＦ用液晶パネル１から目を離し、背面液晶パネル２において直ちに直前に撮影された画像をＲＥＣビュー画像として確認することができ、利便性が高い。なお、連続的に撮影を行うときには、ＥＶＦ用液晶パネル１に目を当てたまま撮影を継続すればよく、何ら支障を来すことはない。
【００４７】
（第３の実施形態）
図９は、本発明の第３の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示している。図９において、図２及び図４と相対応する部分に同一符号を付して第１及び第２の実施形態との相違点について述べる。
【００４８】
本実施形態では第２の実施形態と同様に、撮影モード時に画像処理部１８から出力されるスルー画像データは、ＥＶＦ用液晶パネル１に対しては、図２の表示画面作成部２３を介さずにＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を介して入力されるが、背面液晶パネル２に対しては、図２と同様に表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を介して入力される。
【００４９】
さらに、本実施形態においては、システムコントローラ３０内にメニュー画面作成部３５が新たに設けられており、このメニュー画面作成部３５からの出力は背面液晶パネル２のための表示画面作成部２７に供給される。このメニュー画面作成部３５で作成されるメニュー画面（メニュー画像）は、電子カメラの機能を表示しかつ電子カメラの機能選択を行うためのものであり、その内容は操作キー３からの入力により変更が可能となっている。
【００５０】
次に、図１０〜図１１を用いて本実施形態の動作を具体的に説明する。
図１０（ａ）（ｂ）、図１１（ａ）（ｂ）及び図１２（ａ）（ｂ）は、撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル１及び背面液晶パネル２の種々の表示例を示している。
【００５１】
［撮影モード時の動作］
撮影モードにおいて、ＥＶＦ用液晶パネル１では図１０（ａ）、図１１（ａ）あるいは図１２（ａ）に示されるように、画像処理部１８から出力されるスルー画像データがＶＲＡＭ２４及び液晶制御部２５を経て表示される
一方、背面液晶パネル２ではメニュー画面作成部３５からのメニュー画像情報が表示画面作成部２７、ＶＲＡＭ２８及び液晶制御部２９を介して供給されることにより、図１０（ｂ）、図１１（ｂ）あるいは図１２（ｂ）に示されるようにメニュー画面やメニュー画像が表示される。
【００５２】
図１０（ｂ）は、背面液晶パネル２においてメニュー画像のみを表示させる例であり、背面液晶パネル２の表示画面は全体がメニュー画面となる。このようなメニュー画像の表示を行うと、撮影者は撮影中であっても図１０（ａ）に示すようなスルー画像が表示されている覗き込み型であるＥＶＦ用液晶パネル１からちょっと目を離せば、背面表示パネル２に表示されたメニュー画面からすぐに電子カメラの持つ機能や状態を把握できるので、撮影状況に応じたすばやい機能選択（条件変更等）が可能である。
【００５３】
図１１（ｂ）は、背面表示パネル２でメニュー画像のみでなく、スルー画像をも表示する例である。この場合、メニュー画像は表示画面の隅に小さく表示される。従って、撮影対象の状態が気になるときでも、当該対象に気を配りつつ条件変更を行うことができる。
【００５４】
図１２（ｂ）は、やはり背面表示パネル２でメニュー画像とスルー画像の両方を表示する例である。この場合、メニュー画像はスーパーインポーズで、つまりスルー画像上に重畳されて大きく表示されている。
【００５５】
［再生モード時の動作］
本実施形態における再生モード時の動作については、第１の実施形態と全く同様であるので、説明を省略する。なお、再生モードにおいてもメニュー画像を表示するようにしても構わない。
【００５６】
本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することが可能である。例えば、記録媒体としては光磁気ディスクに代えて、磁気ディスク（フロッピーディスク、ハードディスク）、相変化ディスク、半導体メモリ（フラッシュメモリ）等を用いることもできる。また、ＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルに代えて、プラズマディスプレイ、小型ブラウン管その他の各種の平面型ディスプレイ装置を用いてもよい。
【００５７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば撮影モードにおいて、本来は再生画像の表示用である背面液晶パネルのような比較的大型の背面ディスプレイを再生画像以外の画像、電子カメラの状態を示す情報、ＲＥＣビュー画像、あるいはメニュー画像等の表示に用いることによって背面ディスプレイの有効活用を図り、撮影者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る電子ビューファインダ付き電子カメラの背面側から見た外観の例を示す図
【図２】本発明の第１の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図
【図３】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの表示例を示す図
【図４】本発明の第２の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図
【図５】同実施形態における処理手順を示すフローチャート
【図６】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの表示例を示す図
【図７】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの他の表示例を示す図
【図８】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの別の表示例を示す図
【図９】本発明の第３の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図
【図１０】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの表示例を示す図
【図１１】同実施形態における撮影モード時のＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの他の表示例を示す図
【図１２】同実施形態におけるＥＶＦ用液晶パネル及び背面液晶パネルでの別の表示例を示す図
【符号の説明】
１…覗き込み型電子ビューファインダ（ＥＶＦ用液晶パネル）
２…再生用液晶パネル（背面液晶パネル）
３…操作キー
４…撮影／再生モード切替スイッチ
５…レリーズボタン
１１…撮影レンズ系
１２…ＡＦ機構
１３…絞り
１４…シャッタ
１５…ＣＣＤ（固体撮像素子）
１６…撮像回路
１７…Ａ／Ｄ変換器
１８…画像処理部
１９…バッファメモリ
２０…圧縮／伸長部
２１…光磁気ディスクドライブ装置
２２…光磁気ディスク（記録媒体）
２３，２７…表示画面作成部
２４，２８…ＶＲＡＭ
２５，２９…液晶制御部
２６…画像切替部
３０…システムコントローラ
３１…機能切替部
３２…表示情報作成部
３３…簡略情報作成部
３４…詳細情報作成部
３５…メニュー画面作成部
Claims (1)
- 固体撮像素子により画像を撮影して記録媒体に記録する電子カメラにおいて、
少なくとも撮影モード時には、前記固体撮像素子により出力された画像をスルー画像として表示する覗き込み型の第１の電子ビューファインダと、
前記第１の電子ビューファインダよりも大きな表示画面を有し、前記撮影モード時に前記スルー画像を表示する第２の電子ビューファインダと、
前記第１の電子ビューファインダに前記スルー画像とともに表示される電子カメラの状態を示す情報として、電子カメラの状態を示す簡略な情報を作成する簡略情報作成部と、
前記第２の電子ビューファインダに前記スルー画像とともに表示される電子カメラの状態を示す情報として、前記簡略な情報を含む電子カメラの状態を示す詳細な情報を作成する詳細情報作成部とを備えた
ことを特徴とする電子ビューファインダ付き電子カメラ。
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