JP4274665B2 - 電子ビューファインダ付き電子カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子により被写体を撮影して画像を記録媒体に記録する電子カメラに係り、特に電子ビューファインダ付き電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
被写体像を撮影光学系によりCCD二次元イメージセンサのような固体撮像素子上に結像して電気信号に変換し、これにより得られた主として静止画の画像信号をディジタル化して半導体メモリなどの記憶媒体に記録する、いわゆる電子カメラが広く普及している。
【0003】
このような電子カメラにおいては、一般に撮影した記録画像を再生表示するための電子カメラ背面部に設けられた背面液晶パネルとは別に、覗き込み型の光学ビューファインダ(以下、OVFという)を備えたものが多い。覗き込み型のOVFは、撮影者が電子カメラをしっかりと構え、手ぶれ等を防止しつつ撮影条件を決定するために用いられる。しかし、OVFを設ける場合には、撮影光学系とは別途に専用の光学系を設ける必要があるため、その分スペースを必要とし、電子カメラの小型化には不利である。また、いわゆる一眼レフタイプの電子カメラでない場合には、パララックスが生じることがある。
【0004】
一方、この種の電子カメラでは固体撮像素子の出力画像や記録画像を背面液晶パネルに出力することが可能であるため、この背面液晶パネルを利用して電子ビューファインダ(以下、EVFという)を構成とする場合がある。しかし、背面液晶パネルをEVFとして用いて撮影を行う際には、カメラをしっかりと構えにくく、手ぶれを生じる可能性があり、撮影条件を決定するには必ずしも適切でない場合がある。
【0005】
このような事情から、近年の電子カメラにおいては、従来一般的に設けられていた覗き込み型のOVFを廃し、OVFの表示部分に相当する位置に小型の液晶パネルを配置して覗き込み型のEVFとすることが検討されている。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
一般に、OVFは基本的に外部から取り込まれた画像をほとんどそのまま表示させるものであるのに対して、EVFは固体撮像素子により一旦取り込まれたディジタル画像をスルー画像として表示させるものである。このようにEVFの表示画像は、元画像がディジタルデータであるため、データ加工や修正が容易である。このようなEVFの特徴を利用して、電子カメラをさらに使い易くすることが要望されている。
【0007】
例えば、EVFにおけるデータ加工の容易さを利用し、フォーカス領域を拡大表示させる技術が特開平11−55560号公報に開示されている。コントラスト方式のオートフォーカス(AF)では、縦縞模様、低コントラストや低輝度の被写体に対してはうまく合焦できない場合が多いが、特開平11−55560号ではマニュアルフォーカス(MF)時の撮影者の合焦を助けるために、フォーカス領域の拡大表示を行っている。
【0008】
撮影者の目によるMF時には、縦縞模様や低コントラストでもある程度は合焦可能であるが、MFでもAFでも低輝度の場合に合焦状態にしづらい点はかわりはない。また、撮影者はシャッタチャンスに被写体をしっかり確認しつつ迅速に撮影したいと考えるため、本来はMFによる合焦を助けるはずのEVF上の各種表示が、かえって撮影の邪魔となる場合があり得る。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その主たる目的はマニュアルフォーカスをEVF表示を見ながら行う場合に、より合焦のし易いEVF表示を提供することができる電子ビューファインダ付き電子カメラを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、合焦のし易いEVF表示を行いつつ、被写体を容易かつ迅速に確認することができる電子ビューファインダ付き電子カメラを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は固体撮像素子により被写体を撮影して画像を記録媒体に記録するとともに、撮影を行う際に手動合焦が可能な電子カメラにおいて、前記固体撮像素子からの出力をスルー画像として表示する電子ビューファインダと、前記手動合焦時に、前記電子ビューファインダで表示されるスルー画像の表示感度を増大させる増感処理手段と、前記手動合焦時に、前記電子ビューファインダの表示領域のうち合焦対象領域に対応する部分を拡大表示させる処理を行う合焦領域拡大処理手段と、第1の方向及びこれと逆の第2の方向に回動操作が可能な回動入力手段と、前記回動入力手段からの入力により前記増感処理手段及び前記合焦領域拡大処理手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記手動合焦時に前記回動入力手段の第1の方向の回動操作により、前記増感処理手段に対して前記スルー画像の表示感度を増大させる制御を行い、前記回動入力手段の第2の方向の回動操作により、前記合焦領域拡大処理手段に対して合焦対象領域を拡大表示させる制御を行うことを特徴とする。
【0014】
これにより、増感処理及び拡大表示処理を実行させるための操作性が向上する。
【0015】
さらに、本発明では手動合焦が可能な状態に移行させる第1の入力手段と、第1段入力操作により電子ビューファインダの表示を被写体の撮影状態に対応した画像状態に移行させ、第2段入力操作により被写体の撮影を実行させる第2の入力手段とを備えることにより、使い勝手がさらに向上する。
【0016】
この電子カメラでは、第1の入力手段(MFボタン)を押すことにより手動合焦モードに移行するが、電子ビューファインダにおいては上述したように合焦対象領域に対応する部分の拡大表示がされたり、増感処理により画面が明るくなった状態となる。ここで、第1の入力手段を例えば軽く押すなどによって第1段入力操作、いわゆるファーストレリーズを行うと、これらの拡大表示や増感処理を瞬時に解除し、撮影記録されるべき画像に相当する画角及び明るさのスルー画像を瞬時に表示することができるので、撮影者は電子ビューファインダの表示を手動合焦のし易い表示から、実際の被写体の状態を容易かつ迅速に確認できる表示に切り替えることが可能となり、またこの状態から第2の入力手段をさらに押し込んで第2段入力操作、いわゆるセカンドレリーズを行えば、そのまま撮影状態に移行することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラの上面図を示す。電子カメラは大きく分けて、カメラ本体1とレンズ部2からなる。カメラ本体1の前面には、覗き込み型電子ビューファインダ(以下、覗き込み型EVFという)3が設けられ、さらに上面またはその近傍に、操作キー4、操作ダイヤル5、パワーボタン6、モードダイヤル7、レリーズボタン8、コントロールパネル9及びストロボ収納部10等が設けられている。カメラ本体1内部のシステム構成については、後述する。
一方、レンズ部2には撮影レンズ系11、ズームリング12、MFリング13、MFボタン14、さらに図示しない絞り及びシャッタ等が設けられている。
【0020】
この電子カメラは、AF(自動合焦:オートフォーカス)モードとMF(手動合焦:マニュアルフォーカス)モードを有する。AF−MF間のモード切替は、MFボタン14をある程度の時間(0.5〜1秒程度)連続して押すことにより行われる。MFリング13は、MFモード時に撮影レンズ系11に含まれるフォーカスレンズを動かすためのものである。
【0021】
操作キー4は、各種の操作入力を行うためのものであり、本実施形態では十字式の入力キーからなる。回転式の操作ダイヤル5も操作入力を行うためのものであるが、撮影者がEVF3を覗き込みながら、つまり撮影時にのみ、ある程度限定された種類の入力を特に行うために設けられている。
【0022】
AFモードでは、レリーズボタン8の1stレリーズ(第1段入力操作)によりフォーカスロックがなされ、2ndレリーズ(第2段入力操作)により撮影が行われる。MFモードでは、後述するようにレリーズボタン8の1stレリーズによりEVF3の拡大表示や増感状態が解除されて撮影されるべき状態の画像に戻り、また2ndレリーズにより撮影が行われる。
【0023】
パワーボタン6は電子カメラの電源オン/オフを行うためのものであり、モードダイヤル7は電子カメラの動作モードを選択するためのものである。レリーズボタン8は、上記のような2段構成のスイッチからなる。コントロールパネル9は、図1では示されていない後述するシステムコントローラによって制御され、撮影モードや条件、残撮影可能枚数その他の情報を表示する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのうち特に本発明に係る部分のシステム構成を詳細に示すブロック図である。図示しない被写体からの光は、フォーカスレンズ及びズームレンズ等を含む撮影レンズ系11と図示しない絞り及びシャッタを経て、CCD二次元イメージセンサを用いた固体撮像素子(以下、単にCCDという)23に入射し、これによりCCD23の撮像面上に被写体の画像が結像される。撮影レンズ系11にはMF時にフォーカスレンズを駆動するフォーカスモータ21が接続され、またMFリング13にはその回転量に応じてパルス信号を出力するエンコーダ22が接続されている。
【0025】
CCD23は、画素と呼ばれる光電変換素子(例えばフォトダイオード)を二次元のマトリクス状に配列して撮像面を構成し、さらに撮像面上にカラーフィルタを配置したものであり、図示しないCCDドライバによって駆動されることより、撮像面に結像された被写体画像に対応した信号電荷を蓄積する。撮像面に蓄積された信号電荷は、シャッタが閉じられた状態でCCD23から電気信号として読み出される。
【0026】
CCD23からの出力信号はAE(自動露光制御)、読み出し、素子シャッタ制御、電力供給、ゲイン調整等の制御等の処理を行う撮像回路24に入力され、この撮像回路24から画像信号として出力される。この画像信号は、A/D変換器25によりディジタルデータ(以下、画像データという)に変換された後、DRAM26を経て画像処理部27に入力され、ここで写真用の静止画像データへの変換処理(静止画処理)を受けて、バッファメモリ28に一旦格納される。
【0027】
バッファメモリ28に格納された画像データを保存するときには、バッファメモリ28から読み出された画像データが圧縮/伸長部29により例えばJPEG方式で圧縮された後、インタフェース30を介して記録媒体31に記録画像データとして書き込まれる。記録媒体31としては、例えば光磁気ディスクや磁気ディスク、あるいはフラッシュメモリ等が用いられる。
【0028】
この記録画像データを再生する時には、記録媒体31から読み出された画像データが圧縮/伸長部29によって伸長された後、バッファメモリ28に一旦格納され、バッファメモリ28から表示制御部32を経て背面液晶パネル33に供給されることにより、背面液晶パネル33によって再生画像が表示される。また、背面液晶パネル33には撮影時に画像処理部27から出力されるスルー画像データも表示制御部32を介して供給され、これにより記録媒体31に保存する前のスルー画像を背面液晶パネル33で表示することが可能となっている。
【0029】
一方、A/D変換器25から出力される画像データはEVF用画像処理部34にも入力され、ここで動画像表示可能な状態に処理された後、表示制御部37を介してEVF用液晶パネル38によりスルー画像(動画像)として表示される。EVF用液晶パネル38は、図1における覗き込み型EVF3を構成する液晶パネル(TFTパネル)であり、このEVF用液晶パネル38にレンズを組み合わせて覗き込み型EVF3が構成される。
【0030】
EVF用画像処理部34は、MF操作を助ける表示画面作成のためにフォーカス領域拡大処理部35を備えている。このフォーカス領域拡大処理部35は、システムコントローラ40内の後述するMF表示制御部42からの指令に基づき、MFモード時に電子ズーム処理によって覗き込み型EVF3でのフォーカス領域(合焦対象領域)に対応する部分(以下、単にフォーカス領域という)の拡大表示(例えば、2倍若しくは4倍)処理を行う。
【0031】
システムコントローラ40は各種の操作信号、つまり図1中の操作キー4、操作ダイヤル5、パワーボタン6、モードダイヤル7、レリーズボタン8及びMFボタン14等からの操作信号を受け付け、電子カメラ内の各部、すなわちフォーカスモータ21、図示しない絞り及びシャッタ、撮像回路24、画像処理部27、圧縮/伸長部29、表示制御部32,37及びその他の制御を行い、また図1中のコントロールパネル9に各種情報を表示させる。
【0032】
このシステムコントローラ40には、本発明に関する要素としては特にMF制御部41及びMF表示制御部42が設けられている。このシステムコントローラ40は、図1中のMFボタン14からの入力によりAFモードとMFモードを切り替える。MFボタン14の操作には、押してすぐ離すシングルクリックと、続けて押し離すダブルクリックと、ボタンを押した状態を例えば0.5〜1秒程度の間保持した後に離すモード切替押しとがある。モード切替押しにより、AF−MF間のモード切り替えが行われる。
【0033】
MF制御部41は、MFモード時にMFリング13の操作に応じて出力されるるエンコーダ22からのパルス信号に基づいてフォーカスモータ21を駆動制御することにより、フォーカスレンズを移動させる。本実施形態では、このようにMF方式としてMFリング13の操作に対応してモータ駆動で合焦動作を行うパワーフォーカスを採用している。なお、他の例としてMFリング13の動きがフォーカスレンズの移動に直結する、一般的なMF方式を用いてもよい。
【0034】
MF表示制御部42は、MFボタン14またはレリーズボタン8の1stレリーズ(第1段入力操作)に対応して、覗き込み型EVF3のEVF表示を変更するように撮像回路24及びEVF画像処理部34を制御する。EVF表示の変更項目としては、フォーカス領域拡大処理部35に対するフォーカス領域の拡大表示制御(×2,×4)、撮像回路24に対するCCD23からの出力(結果としてEVF表示される)のゲインアップ(+3dB,+6dB)(表示感度アップ、すなわち増感処理)制御、といった特殊表示の制御、そして、これらの特殊表示の解除である。拡大表示及びゲインアップを行わせるための操作入力は、各実施形態によって形態が異なるが、これらについては後述する。また、レリーズボタン8の1stレリーズは拡大表示やゲインアップの解除入力であり、この解除入力により実際に撮影される静止画と同様な画面がEVF表示される。
【0035】
次に、図3に示すフローチャート及び図4〜図6に示す覗き込み型EVF3の表示例を用いて本実施形態の動作を説明する。
まず、ステップS101でMFボタン14が一定時間以上(長く)押されたと判定されるとMFモードへ移行し(ステップS102)、次いでMFリング13が操作されたかどうかを判定する(ステップS103)。
【0036】
ここで、MFリング13が操作されない場合は、さらにMFボタン14がシングルクリックされたかどうかを判定し(ステップS104)、シングルクリックであれば、フォーカス領域拡大処理部35により覗き込み型EVF3上のフォーカス領域拡大処理を行う(ステップS105)。この場合、シングルクリックを行う毎に、フォーカス領域の拡大表示の倍率を通常→2倍→4倍→通常→2倍…と循環的に変化させ、撮影者が好みの倍率を選ぶようにすることができる。
【0037】
図4は、このフォーカス領域拡大処理の様子を示す図であり、図4(a)に示すように覗き込み型EVF3の画面中央部に比較的小さく設定されたフォーカス領域が図4(b)に示すように拡大表示される。図4(a)は拡大表示倍率が2倍の例である。このようにすることにより、MF時の合焦確認を容易に行うことができる。
【0038】
MFボタン14がシングルクリックされない場合は、ダブルクリックされたかどうかを判定し(ステップS106)、ダブルクリックであればMF表示制御部42により撮像回路24を制御することによって、覗き込み型EVF3の表示をゲインアップする(ステップS107)。この場合も、ダブルクリックを行う毎に、覗き込み型EVF3の表示ゲインを通常ゲイン→3dBアップ→6dBアップ→通常ゲイン→3dBアップ…と循環的に変化させて、撮影者が好みの表示ゲインを選ぶようにすることができる。
【0039】
図5は、この覗き込み型EVF3の表示ゲイン制御の様子を示す図であり、図5(a)では低輝度であるため、覗き込み型EVF3の表示ゲインが不足し、被写体を確認しにくい状態となっているが、表示ゲインを例えば6dBアップにすると図5(b)に示すように被写体の輝度が向上し、MF時の合焦確認が容易となる。
【0040】
MFボタン14がダブルクリックされない場合、あるいはMFボタン14がダブルクリックされ、覗き込み型EVF3の表示ゲインアップがなされた場合は、再びステップS103でMFリング13が操作されたかどうかを判定し、MFリング13が操作されない場合はステップS104〜S107の処理を繰り返す。
【0041】
一方、MFリング13が操作されると、フォーカスレンズを移動させ(ステップS109)、次いでレリーズボタン8の1stレリーズ(第1段入力操作)がなされたかどうかを判定する(ステップS110)。ここで、1stレリーズがなされなければステップS103に戻り、1stレリーズがなされると、ステップS105において覗き込み型EVF3でのフォーカス領域拡大処理が行われていたり、あるいはステップS107で覗き込み型EVF3の表示ゲインアップが行われていた場合、これらフォーカス領域拡大処理や表示ゲインアップを解除して撮影画像の表示を行う(ステップS111)。
【0042】
この後、レリーズボタン8の2ndレリーズ(第2段入力操作)がなされたかどうかを判定する(ステップS112)。ここで、2ndレリーズがなされなければステップS103に戻り、2ndレリーズがなされると撮影及び撮影画像の記録処理を実行し(ステップS113)、一連の処理を終了する。
【0043】
図6は、覗き込み型EVF3上のフォーカス領域を拡大し、かつ表示ゲインアップを行った場合の例であり、図6(a)ではフォーカス領域が小さく、また低輝度で表示ゲインが不足していて、被写体を確認しにくい状態となっているが、フォーカス領域を拡大した後、さらに表示ゲインをアップにすると図6(b)に示すようになり、MF時の合焦確認がより容易となる。
【0044】
このように本実施形態によると、AFでは合焦が難しいような場合に覗き込み型EVF3上のフォーカス領域を拡大表示することで、撮影者によるMFでの合焦が容易となる。また、被写体が低輝度で合焦状態を確認し難い場合でも、覗き込み型EVF3の表示ゲインアップを行うことで画面を明るくし、これにより撮影者によるMFによる合焦が容易となる。さらに、1stレリーズでフォーカス領域の拡大表示や表示ゲインアップといった各種のMF用表示が瞬時に解除されるので、容易かつ短時間に撮影したい画像を確認することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、電子カメラの構成そのものは第1の実施形態と同様であり、以下のように拡大表示及びゲインアップを行わせるための操作入力の形態が第1の実施形態と異なる。
【0046】
図7は、本実施形態における処理手順を示すフローチャートであり、ステップS201〜S203、S209〜S213の処理は、それぞれ第1の実施形態における図3中のステップS101〜S103、S109〜S113の処理と全く同様である。
【0047】
本実施形態では、MFボタン14のシングルクリックの繰り返しにより、覗き込み型EVF3のフォーカス領域拡大→表示ゲインアップ+フォーカス領域拡大→解除の一連の状態が繰り返される点が第1の実施形態と異なる。
【0048】
すなわち、ステップS203でMFリング13が操作されない場合は、MFボタン14が短くオンされた(シングルクリックされた)かどうかを判定し(ステップS204)、そうでない場合はステップS203に戻るが、MFボタン14が短くオンされた場合は、覗き込み型EVF3の表示状態を調べる(ステップS205)。
【0049】
ここで、EVF3の表示状態が拡大表示もゲインアップもなしの場合は、フォーカス領域の拡大表示のみを行う(ステップS206)。また、EVF3の表示状態が拡大表示のみで、ゲインアップなしの場合は、ゲインアップを行う(ステップS207)。さらに、EVF3の表示状態が拡大表示ありで、かつゲインアップもありの場合は、拡大表示とゲインアップをいずれも解除する(ステップS208)。なお、拡大表示の表示倍率は例えば×2、ゲインアップ率は例えば+3dBのそれぞれ一種類のみである。
【0050】
そして、ステップ204でMFボタン14が短くオンされなかった場合、及びステップS206,S207,S208のいずれかの処理が終了した場合は、ステップS203に戻る。
【0051】
ステップS203でMFリング13が操作されたとき、フォーカスレンズを移動させ(ステップS209)、次いでレリーズボタン8の1stレリーズ(第1段入力)がなされたかどうかを判定して(ステップS210)。1stレリーズがなされると、覗き込み型EVF3のフォーカス領域拡大や表示ゲインアップを全て解除して撮影画像の表示を行い(ステップS211)、次いでレリーズボタン8の2ndレリーズ(第2段入力)がなされたかどうかを判定し(ステップS212)、2ndレリーズがなされた場合に撮影及び撮影画像の記録処理を行う(ステップS213)点については、第1の実施形態と同様である。
【0052】
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示す図である。図1と同一部分に同一符号を付して、第1の実施形態との相違点を説明すると、本実施形態は覗き込み型EVF3の拡大表示及びゲインアップを行わせるための操作入力の形態が第1の実施形態と異なる。
【0053】
すなわち、本実施形態ではシステムコントローラ40内のMF表示制御部42に対し、新たに図1中の回転式操作ダイヤル5からの出力が入力されており、覗き込み型EVF3上のフォーカス領域の拡大表示及びゲインアップのために操作ダイヤル5が用いられる。さらに、EVF用画像処理部34内に新たに表示ゲイン制御部36が設けられており、この表示ゲイン制御部36にはMF表示制御部42からの表示ゲイン制御信号が入力される。
【0054】
次に、図9に示すフローチャートを参照して本実施形態の動作を説明する。図9において、ステップS301〜S303、S309〜S313の処理は、それぞれ第1の実施形態における図3中のステップS101〜S103、S109〜S113の処理と全く同様である。
【0055】
本実施形態では、操作ダイヤル5の回転方向に応じてフォーカス領域拡大、表示ゲインアップが選択的に行われる。すなわち、ステップS303でMFリング13が操作されない場合は、次に撮影者により操作ダイヤル5が左向きに回転されたかどうかを判定し(ステップS304)、左向きに回転された場合は、その回転量に応じて覗き込み型EVF3のフォーカス領域を拡大して表示する(ステップS305)。具体的には、操作ダイヤル5を左方向に回転させてゆくと、フォーカス領域の拡大表示の倍率は通常→2倍→4倍→と順次変化するので、撮影者は好みの表示倍率を選ぶことができる。。
【0056】
一方、ステップS304で操作ダイヤル5が左向きに回転されなかったと判定された場合は、今度は右向きに回転されたかどうかを判定し(ステップS306)、そうでない場合はステップS303に戻るが、右向きに回転された場合は、その回転量に応じて覗き込み型EVF3の表示ゲインをアップする(ステップS307)。具体的には、操作ダイヤル5を右向きに回転させてゆくと、覗き込み型EVF3の表示ゲインは通常ゲイン→3dBアップ→6dBアップ→と順次変化し、撮影者は好みの表示ゲインを選ぶことができる。この後、ステップS303に戻る。
【0057】
操作ダイヤル5の回転操作中に撮影者が手を離すと、覗き込み型EVF3ではそのとき表示されている拡大表示倍率や表示ゲインが固定される。なお、拡大表示倍率や表示ゲインを確定させるための変形例として、ある拡大表示倍率や表示ゲインのときに、MFボタン14またはレリーズボタン8の1stレリーズでその表示状態を確定させるようにしてもよい。
【0058】
ステップS303でMFリング13が操作されたとき、フォーカスレンズを移動させ(ステップS309)、次いでレリーズボタン8の1stレリーズ(第1段入力)がなされたかどうかを判定して(ステップS310)。1stレリーズがなされると、覗き込み型EVF3のフォーカス領域拡大や表示ゲインアップを全て解除して撮影画像の表示を行い(ステップS311)、次いでレリーズボタン8の2ndレリーズ(第2段入力)がなされたかどうかを判定し(ステップS312)、2ndレリーズがなされた場合に撮影及び撮影画像の記録処理を行う(ステップS313)点については、第1の実施形態と同様である。
【0059】
ただし、上記変形例で述べたように覗き込み型EVF3で表示される拡大表示倍率や表示ゲインをレリーズボタン8の1stレリーズで固定する場合には、操作ダイヤル5が回転操作されていないときに1stレリーズを行うことが必要である。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本実施形態は種々変形が可能である。例えば、上記の各実施形態では、覗き込み型EVF3での拡大表示を図4(b)、図6(b)に示したようにフォーカス領域の部分のみとしたが、そのフォーカス領域を拡大させる目的で、覗き込み型EVF3の表示画像全体を拡大させるようにしてもよい。このようにすると、フォーカス領域の部分のみが不自然に拡大されることがなく、自然な表示が得られる
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による電子ビューファインダ付き電子カメラによれば手動合焦時に覗き込み型EVFでの増感処理及び拡大表示処理を実行させるための操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラの上面図
【図2】同実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラの電子カメラのシステム構成を示すブロック図
【図3】同実施形態の動作を説明するためのフローチャート
【図4】同実施形態における覗き込み型EVFのMFモードにおける通常時及び拡大表示時の表示画面例を示す図
【図5】同実施形態における覗き込み型EVFのMFモードにおける通常時及び表示ゲインアップ時の表示画面例を示す図
【図6】同実施形態における覗き込み型EVFのMFモードにおける通常時及び拡大表示と表示ゲインアップ時の表示画面例を示す図
【図7】本発明の第2の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラの動作を説明するためのフローチャート
【図8】本発明の第3の実施形態に係る電子ビューファインダ付き電子カメラのシステム構成を示すブロック図
【図9】同実施形態の動作を説明するためのフローチャート
【符号の説明】
1…カメラ本体
2…レンズ部
3…覗き込み型EVF
4…操作キー
5…操作ダイヤル
8…レリーズボタン(第2の入力手段)
13…MFリング(回転式入力手段)
14…MFボタン(第1の入力手段)
11…撮影レンズ系
24…CCD(固体撮像素子)
25…A/D変換器
26…DRAM
27…画像処理部
28…バッファメモリ
29…圧縮/伸長部
31…記録媒体
32…表示制御部
33…再生用液晶パネル
34…EVF用画像処理部
35…フォーカス領域拡大処理部
36…表示ゲイン調整部
37…表示制御部
38…EVF用液晶パネル
40…コントローラ
41…MF制御部
42…MF表示制御部
Claims (4)
- 固体撮像素子により被写体を撮影して画像を記録媒体に記録するとともに、撮影を行う際に手動合焦が可能な電子カメラにおいて、
前記固体撮像素子からの出力をスルー画像として表示する電子ビューファインダと、
前記手動合焦時に、前記電子ビューファインダで表示されるスルー画像の表示感度を増大させる増感処理手段と、
前記手動合焦時に、前記電子ビューファインダの表示領域のうち合焦対象領域に対応する部分を拡大表示させる処理を行う合焦領域拡大処理手段と、
第1の方向及びこれと逆の第2の方向に回動操作が可能な回動入力手段と、
前記回動入力手段からの入力により前記増感処理手段及び前記合焦領域拡大処理手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記手動合焦時に前記回動入力手段の第1の方向の回動操作により、前記増感処理手段に対して前記スルー画像の表示感度を増大させる制御を行い、前記回動入力手段の第2の方向の回動操作により、前記合焦領域拡大処理手段に対して合焦対象領域を拡大表示させる制御を行う
ことを特徴とする電子ビューファインダ付き電子カメラ。 - 固体撮像素子により被写体を撮影して画像を記録媒体に記録するとともに、撮影を行う際に手動合焦が可能な電子カメラにおいて、
前記固体撮像素子からの出力をスルー画像として表示する電子ビューファインダと、
前記手動合焦時に、前記電子ビューファインダで表示されるスルー画像の表示感度を増大させる増感処理手段と、
前記手動合焦時に、前記電子ビューファインダの表示領域のうち合焦対象領域に対応する部分を拡大表示させる処理を行う合焦領域拡大処理手段と、
第1のクリック操作及び第2のクリック操作が可能な押圧入力手段と、
前記押圧入力手段からの入力により前記増感処理手段及び前記合焦領域拡大処理手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記手動合焦時に前記押圧入力手段の第1のクリック操作により、前記合焦領域拡大処理手段に対して合焦対象領域を拡大表示させる制御を行い、前記押圧入力手段の第2のクリック操作により、前記増感処理手段に対して前記スルー画像の表示感度を増大させる制御を行う
ことを特徴とする電子ビューファインダ付き電子カメラ。 - 固体撮像素子により被写体を撮影して画像を記録媒体に記録するとともに、撮影を行う際に手動合焦が可能な電子カメラにおいて、
前記固体撮像素子からの出力をスルー画像として表示する電子ビューファインダと、
前記手動合焦時に、前記電子ビューファインダで表示されるスルー画像の表示感度を増大させる増感処理手段と、
前記手動合焦時に、前記電子ビューファインダの表示領域のうち合焦対象領域に対応する部分を拡大表示させる処理を行う合焦領域拡大処理手段と、
押圧入力手段と、
前記押圧入力手段からの入力により前記増感処理手段及び前記合焦領域拡大処理手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記手動合焦時に前記押圧入力手段の第1回目の操作により、前記合焦領域拡大処理手段に対して合焦対象領域を拡大表示させる制御を行い、続いて前記押圧入力手段の第2回目の操作により、前記合焦対象領域の拡大表示に加えて前記増感処理手段に対して前記スルー画像の表示感度を増大させる制御を行い、続いて前記押圧入力手段の第3回目の操作により、前記合焦対象領域の拡大表示及び前記表示感度の増大をそれぞれ解除する制御を行う、
ことを特徴とする電子ビューファインダ付き電子カメラ。 - 前記手動合焦が可能な状態に移行させる第1の入力手段と、
第1段入力操作により前記電子ビューファインダの表示を被写体の撮影状態に対応した画像状態に移行させ、第2段入力操作により被写体の撮影を実行させる第2の入力手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子ビューファインダ付き電子カメラ。
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