JP4280428B2 - 周波数選択性検波器およびそれを用いたウェーブレット変換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は被検波信号の周波数帯域及びその中心周波数を設定でき、例えば入力信号のウェーブレット変換に用いて好適な周波数選択性検波器、およびその検波器を用いたウェーブレット変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の検波器は例えば検波用ダイオードの出力側にコンデンサ及び抵抗素子(負荷抵抗を含む)が接続されている。このため実際の検波出力は入力波形が減少しているのに、その入力波形の減少に直ちに追従しなかったり、時定数を小さくすると、入力波形のピークの後に出力が減少するが、次のピークですぐ出力が上り、また下るというように出力にリップルが生じるなどの好ましくない点があった。
【0003】
また何時発生するか不明の波形信号を検出(監視)するために、その検出したい波形信号をウェーブレット変換して、周波数軸、時間軸のグリッドに記録し、これを基準ウェーブレット変換グリッドとし、目的とする波形信号が入力される可能性のある被監視信号を連続的にウェーブレット変換して、グリッドを作り、そのグリッドと基準ウェーブレット変換グリッドとを比較して、一致した時に、その入力被監視信号に目的の波形信号が生じたとする検出方法が考えられる。この場合、ウェーブレット変換グリッドを作るために、入力信号を各周波数帯域ごとに取出してその周波数軸上のウェーブレットの有無を正しく、かつ実時間で検出することが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の第1の目的は入力信号中の設定した周波数帯の成分を選択的に検波でき、かつ時定数回路をもたず、不要な時間遅れを伴なわず、入力信号に忠実な検波出力を得ることができる周波数選択性検波器を提供することにある。
この発明の第2の目的は入力信号をその波形に忠実にかつ、実時間でパターン化されたウェーブレット変換グリッドに変換することができるウェーブレット変換器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の周波数選択性検波器によれば、入力信号f(t)は平衡混合手段に入力されて、選択したい中心角周波数ωcの局部余弦波信号及び局部正弦波信号とそれぞれ乗算され、乗算結果が加算されて複素共役関係にあるf(t)×( cosωct+ sinωct)とf(t)×( cosωct− sinωct)とが出力され、
これらf(t)×( cosωct+ sinωct)、f(t)×( cosωct− sinωct)はそれぞれ第1、第2低域通過フィルタに通され、これら第1、第2低域通過フィルタの各出力はそれぞれ第1、第2の2乗器で2乗され、これら両2乗値が加算器で加算されて検波出力として出力される。
【0006】
第1、第2低域通過フィルタの遮断周波数は、選択したい周波数中心周波数と選択したい帯域の上限値又は下限値との差に選定される。
この発明のウェーブレット変換器によれば、入力信号は、この発明による周波数選択性検波器の複数により検波される。これら周波数選択性検波器の局部余弦波信号及び局部正弦波信号の各周波数はそれぞれ入力信号中の選択したい周波数帯域の中心周波数に選定され、かつその中心周波数と、対応する周波数帯域の上限値又は下限値との差が対応する周波数選択性検波器の低域通過フィルタの遮断周波数が選定される。
【0007】
これら各周波数選択性検波器の出力と基準レベルとがそれぞれ対応する比較器で比較されて2値化され、その2値化された出力が、選択周波数の順に周波数軸上に配列され、各出力される系列が時間軸上に配列されたパターンよりなるウェーブレット変換グリッドが作成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1にこの発明による周波数選択性検波器の実施例を示す。
入力端子11からの入力信号f(t)は平衡混合器12及び13へ供給される。平衡混合器12においては入力信号f(t)は局部信号発生器14からの局部余弦波信号 cosωctと混合部15で周波数混合され、また局部余弦波信号 cosωctが移相器16でπ/2シフトされた局部正弦波信号 sinωctと入力信号f(t)が混合部17で周波数混合され、混合部15及び17の出力が加算部18で加算されてf(t)×( cosωct+ sinωct)が得られる。
【0009】
また平衡混合器13においては入力信号f(t)は局部信号発生器14からの局部余弦波信号 cosωctと混合部19で周波数混合され、局部余弦波信号 cosωctが移相器21でπ/2シフトされた局部正弦波信号−sin ωctと入力信号f(t)が混合部22で周波数混合され、混合部19及び22の各出力が加算部23で加算されてf(t)×( cosωct− sinωct)が得られる。
これら平衡混合器12と13からの複素共役関係にある出力f(t)×( cosωct+ sinωct)とf(t)×( cosωct− sinωct)はそれぞれ低域通過フィルタ24,25に通され、これら低域通過フィルタ24,25の各出力は2乗器26,27でそれぞれ2乗され、これら2乗出力は加算器28で加算されて検波出力として出力端子29に出力される。
【0010】
2乗器26,27からはそれぞれ入力信号と局部信号との周波数の差成分の低域通過フィルタ24,25の遮断周波数fL 以下の正弦波と余弦波の各2乗が出力され、出力端子29には入力信号f(t)中の周波数fc=ωc/2πを中心とし±fL 内の周波数成分のパワーが、入力信号の位相に依存することなく取出される。つまり局部信号発生器14の出力局部信号の周波数を、選出したい周波数帯域の中心に設定し、低域通過フィルタ24,25の遮断周波数fL を、前記選出したい周波数帯域の上限又は下限と中心周波数との間隔に設定すればよい。このようにして入力信号中の所望の周波数帯域のパワーを時間遅れを伴うことなく、またリプルの発生もなく得ることができる。
【0011】
平衡混合器12と13を兼用して用いることもできる。この例を図2に図1に対応する部分に同一番号を付けて示す。この図2に示した例では入力信号f(t)がデジタル化され、デジタル処理により検波を行う場合である。入力信号f(t)は平衡混合器12に入力され、平衡混合器12内に加算部18のみならず、減算部31が設けられ、混合部15の出力から混合部17の出力が引算されてf(t)×( cosωct− sinωct)が出力され、低域通過フィルタ25へ供給される。またこの例では低域通過フィルタ24,25としてそれぞれ低域通過フィルタ部24aと24bの、25aと25bとの各直列接続とされ、フィルタ部24b,25bはそれぞれ遮断周波数が所望の値、つまりフィルタ24,25の遮断周波数fL とされ、フィルタ部24a,25aはその遮断周波数が遮断周波数fL より高い値とされ、フィルタ部24a,25aの通過信号周波数に応じて動作クロック周波数を低下する。このようにすることにより低域通過フィルタ24,25の構成規模を小さくすることができる。例えば、入力信号f(t)の周波数帯域が100Hz〜1MHzとすると、入力信号f(t)に対する処理動作クロックの周波数は2MHzは必要であり、低域通過フィルタ24,25の遮断周波数を100Hzとすると、このフィルタをトランスバーサルフィルタで構成する場合、そのシフトレジスタの段数は最低でも100Hzの信号が入るだけ必要であるから2000000Hz/100Hz=20000のシフト段を必要とする。一方フィルタ部24a,25aの遮断周波数を10kHzとするとそのシフトレジスタの段数は2000000Hz/10000Hz=200となり、フィルタ部24b,25bの入力信号の最高周波数は10kHzであるから、その動作クロックの周波数は20kHzでよく、この時、フィルタ部24b,25bの遮断周波数100Hzに対し、必要とするシフト段数は20000Hz/100Hz=200となる。よってフィルタ部24aと24bの2段構成とすることにより、シフト段の数に20000から400に減少することができ、デジタルフィルタの構成規模を著しく小さくすることができる。
【0012】
上述した周波数選択性検波器により、入力信号f(t)の中心周波数fcを中心として±fL(低域通過フィルタ24、25の遮断周波数)内の周波数成分のパワーが取り出せることを、電子計算機のシミュレーションにより確認した結果を以下に示す。
図3はその一例を示し、図3Aは入力信号f(t)の周波数を90Hzから142Hzに0.015Hz刻みで上げた波形を示し、図3Bは周波数fc=100Hzの局部正弦波信号の波形を示し、これら信号を用い、fLを30Hzとした場合の出力端子29に得られる出力を図3Cに示す。つまり出力は90Hz〜130Hzで得られ、これらの帯域外ではレベルが低域通過フィルタの遮断特性に従って低下してゼロになる。図中90Hzより低い側で急にレベルが下がっているのは、デジタルフィルタ内にデータが入っていないためである。
【0013】
図4においては、Aは入力信号f(t)の周波数を90Hzから56Hzに0.01Hz刻みで下げた波形を示し、Bは周波数が100Hzの局部正弦波信号の波形を示し、fLを30Hzとした場合の出力端子29の出力を図4Cに示す。この場合出力は90Hz〜70Hzで得られていることがわかる。
図5にこの発明の周波数選択性検波器に位相検出機能をもたした例を示す。図5において図2と対応する部分に同一参照符号を付けて重複説明を省略する。この例では局部余弦信号 cosωct、局部正弦波信号 sinωctの発生を波形メモリを利用した場合である。余弦波形が記憶された余弦波メモリ37cと正弦波形が記憶された正弦波メモリ37sが設けられる。位相設定器34に局部信号の位相と対応した値が設定され、周波数設定器35に局部信号の周波数と対応した値が設定される。累積加算器36が動作クロックごとに位相設定器34に設定された値を初期値として、周波数測定器35に設定された値が累積加算される。累積加算器36の各累積加算結果をアドレスとして余弦波メモリ37c及び正弦波メモリ37sがそれぞれ読み出され、局部余弦信号 cosωctと局部正弦信号 sinωctが出力される。
【0014】
この実施例では低域通過フィルタ24及び25の各出力が割算器51へ供給され割算器51において低域通過フィルタ24の出力、つまり実数成分Real(t)で低域通過フィルタ25の出力、つまり虚数成分Imag(t)が割算され、その割算結果Imag(t)/Real(t)が逆正接器52に入力され、逆正接θ= tan-1(Imag(t)/Real(t))が出力される。この逆正接器52としては関数表をメモリに記憶しておき、Imag(t)/Real(t)によりそのメモリを読み出して入力信号f(t)の位相角θを出力するようにすることができる。このようにして、入力信号f(t)のクロックのタイミングでその入力信号f(t)の瞬時位相を出力することができる。
【0015】
この例では加算器28の出力を開平器53で平方根rが求められて出力される。この平方根rを求めることも、開平関数をメモリに記憶しておき、そのメモリを加算器28の出力で読み出すことによりその平方根rを得るようにすることができる。
この構成によれば、インピーダンス分析器に利用することができる。図5中に示すように端子54から周波数設定器35に、局部信号 cosωct・ sinωctの周波数を掃引するような値を逐次設定し、余弦波メモリ37cからの cosωctを必要に応じて増幅器55を通じて、測定対象物(DUT)56へ供給し、測定対象物56の出力をA/D変換器57によりデジタル信号に変換して、混合器15,17へ供給する。この例では各部がデジタル処理構成とされてた場合で混合器15,17はデジタル乗算器とされる。増幅器55からの交流電圧の印加により、測定対象物56のインピーダンスZに応じた交流電流が出力され、その交流電流が電圧値に変換され、アナログデジタル変換され、周波数選択性検波がなされる。開平器53の出力はインピーダンスZ=r( cosθ+j sinθ)のベクトルの大きさr=√( sin2 θ+ cos2 θ)が得られ、逆正接器52から位相θ=t-1(r sinθ/r cosθ)が求まる。周波数設定器35に設定する周波数値を順次変化させ、測定対象物56に印加することにより、複素平面上に図6に示すようなインピーダンス特性曲線を得ることができる。
【0016】
次に上述したこの発明による周波数選択性検波器を用いたウェーブレット変換器について説明する。この説明に先立ちウェーブレット変換グリッドについて述べる。例えば図7Aに示す基準波形(マザーウェーブレット)をウェーブレット変換した結果、図7Bに示すように周波数成分f1 〜f2 のウェーブレットと、周波数成分f2 〜f3 のウェーブレットと、周波数成分f3 〜f4 のウェーブレットが得られたとする。ウェーブレット変換数値表は、例えば図7Cに示すようになる。図7Cは図7Bと対応させていない。この例では最も周波数が低い成分f1 〜f2 は1波数しか存在しない場合で、従って変換フレーム長はf1 〜f2 の成分のウェーブレットの1周期と一致する。そして、そのf1 〜f2 成分の振幅は5であることを示している。f2 〜f3 の成分は変換フレームの後半にウェーブレットが1波数存在し、その振幅が10であること、f3 〜f4 の成分は変換フレームの中間部に1波数存在し、その振幅が20であること、f5 〜f6 の成分については、変換フレームの前半部で1波数分の無存在の後、2波数連続したウェーブレットが存在し、それぞれの振幅が20と70であることを示している。以下同様である。このようにウェーブレット変換数値表は、各周波数帯ごとに時間軸方向において、その周期で分割されてグリッドの目とされ、ウェーブレットが存在するグリッドの目にはその振幅値が記入されたものである。更にウェーブレット変換グリッドとしては図7Dに示すように、ウェーブレットが存在するグリッドの目には1を、存在しないグリッドの目には0を記入したウェーブレット変換グリッドを用いる場合もある。
【0017】
図8にウェーブレット変換器として図7Dに示すようなウェーブレット変換グリッドを作る場合を示す。つまり入力端子31よりの入力信号は複数の検波器321 〜32n に供給される。これら検波器321 〜32n は図1又は図2に示したような周波数選択性検波器であって、局部信号発生器331 〜33n から、それぞれ設定された周波数の局部正弦波信号 sinω1 t〜 sinωn tと局部余弦波信号 cosω1 t〜 cosωn tが検波器321 〜32n へそれぞれ供給される。局部信号発生器331 は位相設定器341 に設定された値を初期値として、周波数設定器351 に設定された値が累積加算器361 でクロックごと累積加算され、その累積加算結果をアドレスとして正弦波メモリ371 から正弦波信号と余弦波信号とが読み出される。局部信号発生器332 〜33n も同様に構成される。
【0018】
また各検波器321 〜32n にはそれぞれその検波すべき周波数帯域f1 〜f2 ,f2 〜f3 ,f3 〜f4 ,…,fn 〜fn+1 の中心周波数の局部正弦波信号と局部余弦波信号とが供給される。また各検波器321 〜32n の各低域通過フィルタの遮断周波数として、その検波すべき周波数帯域の中心周波数とその上限(又は下限)周波数との間隔値が設定される。
各検波器321…32n から入力信号中の各周波数帯域f1 〜f2 ,…,fn
〜fn+1 のパワーが検波される。この実施例では、1つの周波数選択性検波器の出力により、他の周波数選択性検波器の出力を正規化した場合である。この場合、検波出力が常に得られる検波器の出力を基準とする。または図7Aに示した基準波形(マザーウェーブレット)の場合、そのウェーブレット中の周期が最も長い成分、図7Bの場合は周波数f1 〜f2 を検波する検波器出力、従って通常は最も低い周波数成分を検波する検波器321 の出力を基準として正規化を行う。
【0019】
検波器321 の出力は平均回路611 で基準波形中の最も長い波形の成分の長さ(1フレーム)分のサンプルの平均値が求められて比較器381 へ供給される。他の検波器322 〜32n の各出力においてはその出力が平均回路612 〜61n でそれぞれ1/2フレーム〜1/nフレームずつのサンプルの平均値が求められ、これら平均回路612 〜61n の各出力平均値は、平均回路611 の出力平均値により、割算器622 〜623 でそれぞれ割算されてそれぞれ比較器382 〜38n へ供給される。
【0020】
これら検波器321 の出力で正規化された検波器321 〜322 の出力は比較器381 〜38nで基準レベル設定器391 〜39n の基準レベルと比較される。基準レベル設定器391 〜39n の各基準レベルはその周波数帯域にウェーブレットがあるか否かを検出するため、同一の大きさとしてもよい。各比較器381 〜38n の出力は記憶テーブル41の各記憶部411 〜41n に記憶される。各記憶部411 〜41n はそれぞれ比較器381 〜38n の出力が順次時系列的に記憶され、周波数帯域f1 〜f2 の検波結果が得られるには時間1/f1 がかかりこの時間が変換フレーム長であり、この変換フレームに対し、比較器381 の最終の比較結果が記憶部411 に1つ記憶され、記憶部412 には比較器381 の比較結果が変換フレーム長の1/2経過するごとに記憶され、つまり、直列に2つの比較結果が記憶され、以下同様にして、記憶部41n には、比較器38n の比較結果が変換フレーム長の1/nごとに直列に記憶される。このようにして記憶テーブル41には入力信号f(t)のウェーブレット変換グリッドが記憶される。
【0021】
各ウェーブレットを波形として記憶テーブル41に記憶する場合は、各平均回路611 〜61n の各出力を割算器622 〜62n で正規化し、更に図中に破線で示すように比較器381 〜38n を通すことなく、記憶テーブル41へ供給すればよい。また常に一定の基準値に対する正規化を行う場合は、破線枠で示すように、平均回路611 の出力を割算器621 において外部から設定した基底レベルで割算し、この割算結果で各割算器621 〜62n において割算を行えばよい。
【0022】
入力信号f(t)中に予め決めた基準波形(マザーウェーブレット)が存在するかを検出するためには、その基準波形の各ウェーブレットが存在する周波数帯域について入力信号を検波するように検波器321 〜32n の検波中心周波数と、低域通過フィルタの遮断特性を設定すればよい。このようにして得られる記憶テーブル41の各1/nフレーム長ごとの記憶内容が、目的の基準波形のウェーブレット変換グリッドの内容と一致するかを調べ一致が検出されたら、その時の入力信号f(t)は基準波形であると判定できる。なおこの場合、基準波形の各ウェーブレットのパワーに応じて、基準レベル設定器391 〜39n に設定する基準レベルを異ならせることにより、より正確に、入力信号f(t)の基準波形を検出することができる。
【0023】
このように入力信号f(t)から基準波形を検出する場合の選出中心周波数fcと解析分解能δとを決めると、各検波器に設定する低域通過フィルタの遮断周波数は例えば図9に示すようになる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明の周波数選択性検波器によれば、ダブル平衡混合器構成とすることにより、その局部正弦波信号及び局部余弦波信号の周波数と、低域通過フィルタの遮断周波数を設定することにより入力信号中の目的とする周波数帯域の成分のパワーを、入力信号の位相に影響されることなく、遅延をともなうこともなく実時間で検波出力として得ることができ、かつリプルの発生がない出力が得られる。
【0025】
またこの発明の周波数選択性検波器を用いることにより入力信号を実時間でウェーブレットに変換することができる。特に0,1をパターン化する場合は、基準波形(マザーウェーブレット)との比較を簡単に行うことができ、入力信号中から特定の波形を検出することができる。また先に述べたように検波出力を正規化する場合は入力信号の脈動による不安定が解消され、それだけ正確なウェーブレットを求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による検波器の実施例を示すブロック図。
【図2】この発明による検波器の他の実施例を示すブロック図。
【図3】この発明の検波器の周波数選択特性の電子計算機シミュレーション結果を示す図。
【図4】この発明の検波器の周波数選択特性の電子計算機シミュレーションの他の結果を示す図。
【図5】この発明の検波器において入力信号の瞬時位相を検出可能とした例及びインピーダンス測定に適用した例を示す図。
【図6】インピーダンス測定例を示す図。
【図7】ウェーブレット変換と、そのパターン化された変換グリッドの例を説明するための図。
【図8】この発明によるウェーブレット変換器の実施例を示すブロック図。
【図9】ウェーブレット変換器における各検波器の設定周波数と解析分解能と、低域通過フィルタの設定遮断周波数との例を示す図。

Claims (7)

  1. 入力信号f(t)と、選択したい角周波数ωcの局部余弦波信号及び局部正弦波信号とを入力して、これら入力信号f(t)と局部余弦波信号及び局部正弦波信号とをそれぞれ乗算して、加算して複素共役関係にあるf(t)×( cosωct+ sinωct)とf(t)×( cosωct− sinωct)を出力する平衡混合手段と、
    上記f(t)×( cosωct+ sinωct)が供給される第1低域通過フィルタと、
    上記f(t)×( cosωct− sinωct)が供給される第2低域通過フィルタと、
    上記第1低域通過フィルタの出力が入力され、その入力を2乗する第1の2乗器と、
    上記第2低域通過フィルタの出力が入力され、その入力を2乗する第2の2乗器と、
    上記第1の2乗器の出力と上記第2の2乗器の出力とを加算して検波出力として出力する加算器と
    を備える周波数選択性検波器。
  2. 請求項1の検波器において、
    上記平衡混合手段は、上記入力信号と上記局部余弦波信号を乗算する第1乗算器と、上記入力信号と上記局部正弦波信号を乗算する第2乗算器と、上記第1乗算器の出力と上記第2乗算器の出力とを加算する加算器と、上記第1乗算器の出力から上記第2乗算器の出力を減算する減算器とよりなることを特徴とする周波数選択性検波器。
  3. 請求項1又は2記載の検波器において、
    上記入力信号はデジタル信号であって、上記平衡混合器、上記第1低域通過フィルタ、上記第2低域通過フィルタ、上記加算器はそれぞれデジタル処理手段で構成され、
    上記第1低域通過フィルタ及び上記第2低域通過フィルタはそれぞれ複数の低域通過フィルタ段の縦続段よりなり、後段の低域通過フィルタ段程、遮断周波数が低く、かつ動作クロック周波数が低くされていることを特徴とする周波数選択性検波器。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の検波器において、
    上記第1低域通過フィルタの出力及び上記第2低域通過フィルタの出力が入力され、上記第1低域通過フィルタの出力で上記第2低域通過フィルタの出力を割算する割算器と、
    上記割算器の割算結果が入力され、その割算結果の逆正接を上記入力信号f(t)の位相として出力する逆正接器と、
    を備えることを特徴とする周波数選択性検波器。
  5. 入力信号がそれぞれ供給され、各周波数帯域と対応し、その各中心周波数の局部余弦波信号及び局部正弦波信号がそれぞれ供給され、周波数帯域幅と対応した遮断周波数に低域通過フィルタが設定されている上記請求項1乃至3の何れかに記載の複数の周波数選択性検波器と、
    これら周波数選択性検波器の出力を、その検波器の上記中心周波数に基づき周波数軸上に配列し、各検波器から順次出力される系列を時間軸上に配列したウェーブレット変換グリッドを作るグリッド作成部とよりなるウェーブレット変換器。
  6. 請求項5記載の変換器において、
    上記各周波数選択性検波器の出力と基準レベルとを比較して2値の何れかの値を出力して上記ウェーブレット変換器へ供給する複数の比較を備えることを特徴とするウェーブレット変換器。
  7. 請求項5又は6記載の変換器において、
    上記周波数選択性検波器の1つの出力により、他の上記周波数選択性検波器の出力を正規化して対応する上記比較器へ供給する正規化手段とを備えることを特徴とするウェーブレット変換器。
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