JP4279436B2 - ペットボトル用ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペットボトルに収容された飲料等を保冷するペットボトル用ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ペットボトルに収容された飲料等を保冷・保温するためのペットボトル用ケース▲1▼としては、熱保冷性がよい軟質薄厚の樹脂(例えば発砲ウレタン樹脂)を、カバーで被覆保護し、ペットボトルの周側および底面を覆う如く有底筒形をなしている。また、筒形の内面(カバーの内面)には、保冷性を高めるためのアルミニウムシートが貼設されている。また、上部においては、ペットボトルを出し入れする開口部をなし、ペットボトルの首部の形状に沿うように紐などで締められる構造となっている。
【0003】
また、その他のペットボトル用ケース▲2▼として、発泡スチロール材からなり、ペットボトルの周側および底面を覆うケース本体と、ペットボトルの首部を覆う蓋部とを有して、ペットボトル全体を収納する構造のものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のペットボトル用ケースでは、▲1▼の場合、薄厚の発砲ウレタン樹脂やアルミニウムシートによって保冷効果を得ようとしているため、保冷時間を長時間持続することが難しいという問題がある。
【0005】
また、ペットボトルのキャップ部を開閉する際、ケースの外周を介してペットボトルをしっかり抑えておかないと、ペットボトル自体が回転してキャップ部の開閉が容易でないという問題がある。
【0006】
また、▲2▼の場合、収容した飲料を飲む際、蓋部を開けてペットボトル自体を出さなければならず面倒である。また、ペットボトルの出し入れを繰り返すことにしによって保冷効果が低下してしまうという問題もある。
【0007】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、保冷時間の向上を図るとともに、使用勝手が良いペットボトル用ケースを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による請求項1に記載のペットボトル用ケースは、保冷部材により形成され、ペットボトルの周側および底面を覆う如く有底筒形をなす内ケースと、該内ケースを被覆する如く有底筒形をなす外ケース本体の上部開口部に、前記ペットボトルのキャップ部を表出するように首部の形状に沿って覆う所定形状を維持する可撓性を有する保冷部材からなる被覆支持部が固定された外ケースと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のペットボトル用ケースは、請求項1に記載のペットボトル用ケースにおいて、前記内ケースは、複数の保冷部材にて多層構造をなし、且つ、その内の一層が硬質の樹脂材にて所定形状を維持する如く形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載のペットボトル用ケースは、前記内ケースの内底には、前記ペットボトルの底側を保持する滑り止め手段を有したことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載のペットボトル用ケースは、上記の構成において、前記外ケースの被覆支持部は、前記ペットボトルの首部に沿う所定形状を維持するとともに可撓性を有する如く成形され、且つ、前記キャップ部を表出する開口縁部に、可撓性を許容するスリットが設けられていることを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項1に記載のペットボトル用ケースは、上記の構成において、前記外ケースには、前記被覆支持部の開口縁部から前記外ケース本体に渡って連続してスライドファスナーによる開閉手段によって開閉可能とした開放部が形成されるとともに、該開放部と対向する前記外ケースの被覆支持部の開口縁部には、左右方向に略V形に開くスリットが設けられたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明のペットボトル用ケースの実施の形態を示す斜視図、図2は同ペットボトル用ケースの側断面図、図3は同ペットボトル用ケースの平面図、図4は同ペットボトル用ケースの側面図である。
【0013】
図1および図2に示すように、ペットボトル用ケースは、内ケース1と、外ケース2とで構成されている。
内ケース1は、保冷部材により形成されて、ペットボトルPの周側および底面を覆う有底筒形をなしている。内ケース1をなす保冷部材は、複数の多層構造をなしている。本実施の形態では二層構造をなし、内側1aが硬質の樹脂材(例えばポリプロピレン)からなり、外側1bが例えば発砲スチロール材からなる。即ち、内ケース1は、多層の内の一層が硬質の樹脂材にて所定形状を維持する如く形成されている。
【0014】
また、内ケース1の内底には、図2に示すように、ペットボトルPの底側を保持する滑り止め手段として、ペットボトルPの底に形成された凹部P1に係合する係合凸部3が設けられている。この係合凸部3は、内ケース1の多層の内側1aをなす硬質の樹脂材と一体に形成されている。また、係合凸部3は、弾性を有したゴム材などで構成し、内側1aの内底に別体に取り付けてもよい。係合凸部3を弾性を有して構成した場合、ペットボトルPの凹部P1の形状に多少の違いがあっても対応できる汎用性を備えることとなる。なお、滑り止め手段の他の例として、内ケース1の内底にゴムシート等の高摩擦部材を配してもよい。
【0015】
このように形成された内ケース1は、上部の開口部分からペットボトルPを挿通して収納する。
【0016】
外ケース2は、前記内ケース1を被覆する如く有底筒形をなしている。外ケース2の上部開口部には、ペットボトルPのキャップ部Cを表出するように、ペットボトルPの首部P2の形状に沿って覆う保冷部材からなる被覆支持部4が設けられている。
【0017】
被覆支持部4は、保冷部材として可撓性を有した断熱性の樹脂材(例えばポリエステル)が多層(例えば三層)構造とされ、熱成形によって所定形状を維持するように形成されている。この被覆支持部4は、外ケース2の本体2aに対し、縫着あるいは溶着にて固定されている。そして、被覆支持部4は、図2に示すように、内ケース1に収納されたペットボトルPをキャップ部Cから上側の部分を表出する開口を有し、この開口縁がペットボトルPの首部P2に当接することにより内ケース1の内底との間でペットボトルPを支持する。即ち、被覆支持部4の所定形状は、ペットボトルの首部P2を支持する形状である。
【0018】
また、被覆支持部4の開口縁部には、図3に示すように、スリット5が設けられている。このスリット5は、種々のペットボトルPを収納した際、その首部P2の様々な形状に合うように、被覆支持部4の撓みを許容する。したがって、被覆支持部4は、その可撓性とスリット5により、様々なペットボトルPの形状に対応してペットボトルPの首部P2に当接してこれを支持する。
【0019】
また、外ケース2は、ペットボトルPおよび内ケース1を出し入れする開閉手段6を有している。この開閉手段6は、外ケース2が、被覆支持部4の開口縁部から本体2aに渡って、底側に向けて開放した開放部7が形成され、この開放部7を開閉可能とするものである。図1および図3で示す開閉手段6は、スライドファスナーとして構成され、スライダ6aの摺動によって開放部7の開閉を行う。また、開閉手段6は、スライドファスナーに限らず、開放部7の開口縁を重ね構造とし、これを開閉する面ファスナーとして構成してもよい。このような開閉手段6により、外ケース2から容易にペットボトルPを出し入れすることができ、内ケース1や外ケース2が汚れた際に容易に掃除を行うことができる。
【0020】
また、外ケース2は、所望の部位に係止可能な係止手段8を有している。図4で示す係止手段8は、外ケース2の外側に固定される一本の帯体9を二つ折りにした折曲部9aをループ状にしてナス環などのフック部材10を取り付けている。さらに、帯体9の両端9bを雌雄面ファスナー11にて係脱可能にしている。これにより、係止手段8は、フック部材10による係止と、雌雄面ファスナー11による係着によって形成されたループ部による係止が行えるので、所望とする様々な形状の部位への係止を可能としている。
【0021】
したがって、このように構成されたペットボトル用ケースでは、ペットボトルPの周側および底面を覆う内ケース1が保冷部材の多層構造とされ、且つ、保冷部材からなる被覆保持部4にてペットボトルPの首部P2を覆うことにより、十分な保冷効果を得ることができ、保冷時間の向上を図ることが可能となる。
【0022】
また被覆支持部4は、ペットボトルPの首部P2の形状に沿うように可撓性を有して成形され、且つ、可撓性を許容するスリット5を有しているので、種々の形状のペットボトルPを適宜支持して収容することが可能である。
【0023】
また、内ケース1の内底にペットボトルPの底面の凹部P1に係合する係合凸部3(あるいはゴムシート)を設け、ペットボトルPの底側を保持することにより、ペットボトルPをケースに収納したままの状態でキャップ部Cを容易に開閉することが可能となる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による請求項1に記載のペットボトル用ケースは、保冷部材からなる内ケースと外ケースとからなり、内ケースには、収納したペットボトルの底側を保持する滑り止め手段を設けた。これにより、内ケースによりペットボトルの周側と底側を保冷し、外ケースによりペットボトルの首部を保冷するため、保冷時間の向上を図ることができるとともに、滑り止め手段によるペットボトルの底側の保持によって、ペットボトルをケースに収納したままの状態で回り止めしてキャップ部を容易に開閉することができる。
【0025】
請求項2に記載のペットボトル用ケースは、内ケースが複数の保冷部材にて多層構造をなし、且つ、その内の一層が硬質の樹脂材にて所定形状を維持する如く形成されている。これにより、十分な剛性を得るとともに、十分な保冷効果を得ることができ、保冷時間の向上を図ることができる。
【0026】
請求項3に記載のペットボトル用ケースは、外ケースの被覆支持部が、ペットボトルの首部に沿う所定形状を維持して可撓性を有し、キャップ部を表出する開口縁部に、可撓性を許容するスリットを有している。これにより、種々の形状のペットボトルを適宜支持して収容することができる。
【0027】
請求項4に記載のペットボトル用ケースは、外ケースが、ペットボトルおよび内ケースを出し入れする開閉手段を備えている。これにより、ペットボトルを容易に出し入れすることができ、且つ、内ケースや外ケースが汚れた際に容易に掃除を行うことができる。また、外ケースが、所望の部位に係止可能な係止手段を備えていることにより、所望とする様々な形状の部位への係止を可能として携帯性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペットボトル用ケースの実施の形態を示す斜視図。
【図2】同ペットボトル用ケースの側断面図。
【図3】同ペットボトル用ケースの平面図。
【図4】同ペットボトル用ケースの側面図。
【符号の説明】
1…内ケース、2…外ケース、3…係合凸部(滑り止め手段)、4…被覆支持部、5…スリット、6…開閉手段、8…係止手段、P…ペットボトル、P2…首部、C…キャップ部。
Claims (3)
- 保冷部材により形成され、ペットボトルの周側および底面を覆う如く有底筒形をなす内ケースと、
該内ケースを被覆する如く有底筒形をなす外ケース本体の上部開口部に、前記ペットボトルのキャップ部を表出するように首部の形状に沿って覆う所定形状を維持する可撓性を有する保冷部材からなる被覆支持部が固定された外ケースと、
を備え、
前記外ケースには、前記被覆支持部の開口縁部から前記外ケース本体に渡って連続してスライドファスナーによる開閉手段によって開閉可能とした開放部が形成されるとともに、該開放部と対向する前記外ケースの被覆支持部の開口縁部には、左右方向に略V形に開くスリットが設けられたことを特徴とするペットボトル用ケース。 - 前記内ケースは、複数の保冷部材にて多層構造をなし、且つ、その内の一層が硬質の樹脂材にて所定形状を維持する如く形成されていることを特徴とする請求項1に記載のペットボトル用ケース。
- 前記内ケースの内底には、前記ペットボトルの底側を保持する滑り止め手段を有したことを特徴とする請求項1又は2に記載のペットボトル用ケース。
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