JP4279234B2 - ラジカル重合開始剤および歯科用硬化性組成物 - Google Patents
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Description
(式中、R2〜R5、R7およびR10は各々独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示し、R6、R8、R9、R11は各々独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜20のアルキルオキシ基である)で示される第二銅錯体化合物からなるラジカル重合開始剤である。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、プロピオンオキシエチル(メタ)アクリレート、ブタノンオキシエチル(メタ)アクリレート;1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,6H−デカフルオロヘキシルメタクリレート及び1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート等の含フッ素(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、2,2−ビス(メタクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−メタクリロキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジプロポキシフェニルプロパン、2−(4−メタクリロキシエトキシフェニル)−2−(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2−(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)−2−(4−メタクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2−(4−メタクリロキシジプロポキシフェニル−2−(4−メタクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシイソプロポキシフェニルプロパン、及びこれらのアクリレート等が挙げられる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
本実施例で用いたピリミジントリオン誘導体(CMB及びCEB)は以下の方法で製造した。即ち、1−シクロヘキシル−5−メチルピリミジントリオン(CMB)は、クロヘキシル尿素10g(0.07モル)、メチルマロン酸ジエチル13.1g(0.07モル)、ナトリウムエトキシド4.8g(0.07モル)、エタノール100mlを仕込み、還流温度で5時間反応させた。反応後、反応液を水500mlに加え、塩酸で酸性にした。析出した油状物をジエチルエーテル抽出、硫酸マグネシウム乾燥、ろ過後、溶剤を留去した。得られた固体をメタノールにより再結晶することによりCMB8.0gを得た。
本実施例で用いたN,N‘−ビス(1−メチル−3−オキソブチリデン)エチレンジアミナト銅(II)は新実験化学講座8 無機化合物の合成III(丸善)に従い製造した。即ち、アセチルアセトン200g(2mol)に無水エチレンジアミン60g(1mol)をゆっくりと加えた。加え終わってから冷却すると淡黄色の物質に変化した。これを水で2回再結晶し、減圧乾燥した。
測定用の試料、測定器具、装置等は予め23℃±1℃の恒温室に10時間以上置いたものを使用した。粉剤1.0gに対して液剤0.5gの割合でラバーカップ中において混和してペーストを得た。20×20×12mmのブロック中央に6mmφの貫通した穴のあいたポリテトラフルオロエチレン製のモールドに上記ペーストを填入し、1mmφの熱伝対を填入したペーストの中央に差込み、温度を測定した。硬化時間は粉液の混和開始から最高温度に到達するまでの時間とした。
組成物の硬化性は、粉4gに対し、液2gの割合で混合したペーストを20×20×2mmの窪みのあるポリテトラフルオロエチレン製モールドへ流し込み、空気に接した面をポリエチレンシートで圧接して37℃で1時間硬化させた。得られた硬化体をモールドから取り出し、37℃の蒸留水中で24時間吸水させた。得られた硬化体のうち、硬度が計測できるほどの硬さに硬化したサンプルに関しては、松沢精機製微小硬度計で100gf、20秒荷重印加の条件でヌープ硬度を測定した。硬度が測定できるほど硬化しなかったサンプルあるいは全く硬化しなかったものに関しては×印で表記した。
硬化性の評価方法と同様にして試験片を作製した。これを80℃水中に30日間保存し、その保存後の硬化体の色調を以下に示す5段階で評価した(目視)。
AAEM(60質量部)、ND(40質量部)、DLDMACl(0.07質量部)およびBHT(0.02質量部)からなる液材と、EMA(200質量部)、CMB(1.3質量部)およびCu(acacen)を0.001〜0.017質量部の範囲で変化させて配合した粉材を製造し、粉液の質量比率(P/L)が2.0となる割合で混合して硬化時間、硬化体の物性を評価した。結果を表3にまとめた。
CMBの代わりにCEBを用いたこと以外は、実施例1と同様の評価を行なった。この場合の重合開始剤成分のモル比率はCEB:DLDMACl:Cu(acacen)=1:0.031:0.0006〜0.01の範囲である。評価結果を表3にまとめた。この場合も義歯床裏装材として有効な硬化時間の範囲に任意に調整ができ、硬化体硬度、変色試験の結果も良好であった。
粉材に配合するCu(acacen)の量を0.017質量部に固定し、BHTの配合量を0.02〜0.8質量部の範囲で変化させて配合した液材を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。配合したBHT量と、それぞれの結果を併せて表3に示す。この場合の重合開始剤成分のモル比率はCMB:DLDMACl:Cu(acacen)=1:0.031:0.0012である。結果を表3にまとめた。重合禁止剤であるBHTの配合量を変えることによって硬化時間が変化することから、BHTの配合量を調整することにより硬化時間を制御できることがわかった。また、硬化体硬度、変色試験の結果も良好であった。
粉材に配合するCu(acacen)の量を0.004質量部に固定し、液材に配合するノフマーを0〜0.027質量部の範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。配合したノフマー量と、それぞれの結果を併せて表3に示す。
Cu(acacen)の代わりにCu(acac)2を用いたこと以外は実施例1と同様な評価を行なった。この場合の重合開始剤成分のモル比率はCMB:DLDMACl:Cu(acac)2=1:0.031:0.0003〜0.01の範囲である。結果を表4にまとめて示した。
Cu(acacen)の代わりにCu(acac)2を用いたこと以外は実施例3と同様な評価を行なった。結果を表4にまとめて示した。この場合、重合禁止剤添加による硬化遅延効果は極めて小さく、有効な範囲で硬化時間を制御することができなかった。また、BHTを2.0質量部添加した場合には硬化が起こらなかった。即ち、Cu(acac)2を触媒として用いた場合には、重合禁止剤の配合によっては、義歯床裏装材に必要な硬化時間帯での硬化時間制御はできなかった。
Cu(acacen)の代わりにCu(acac)2を用いたこと以外は実施例4と同様な評価を行なった。結果を表4にまとめて示した。この場合、MSD添加による硬化遅延効果は極めて小さく、有効な範囲で硬化時間を制御することができなかった。また、MSDを0.1質量部添加した場合には硬化が起こらなかった。Cu(acac)2を触媒として用いた場合には、連鎖移動剤による義歯床裏装材に必要な硬化時間帯での硬化時間制御はできなかった。
粉材に配合するCu(acac)2の量を0.002質量部に固定し、CMBの配合量を0.4〜1.3質量部の範囲で変化させて評価を行った。他の配合成分の割合は実施例1と同様である。評価結果を表4にまとめて示した。この場合、CMBの配合量を減少させても硬化時間は変化せず、硬化体の硬度が低下する傾向がみられた。また、CMB配合量を0.4質量部とした場合には硬化が起こらなかった。このようにCMBの配合量を調整することにより硬化時間を制御することはできなかった。
粉材に配合するCu(acac)2の量を0.002質量部、CMBの配合量を1.3質量部に固定し、液材に配合するDLDMAClの量を0.02〜0.07質量部の範囲で変化させて評価を行った。他の配合成分の割合は実施例1と同様である。評価結果を表4にまとめて示した。DLDMAClの配合量を減少させても硬化時間は変化せず、硬化体の硬度が低下する傾向がみられた。また、DLDMACl配合量を0.02質量部とした場合には硬化が起こらなかった。このようにCMBの配合量を調整する方法でも硬化時間を制御することはできなかった。
AAEM(60質量部)、ND(40質量部)、PEAT(1.0質量部)およびBHT(0.02質量部)からなる液材と、EMA(200質量部)およびBPO(0.6〜1.0質量部)で配合した粉材を製造し、粉液の比率(P/L)が2.0となる割合で混合して硬化時間、硬化体の物性を評価した。結果を表4に併せて示した。BPOの配合量を変化させることにより硬化時間は制御できるものの、硬化体の変色試験において硬化体が褐色に変化した。
Claims (3)
- 請求項1記載のラジカル重合開始剤、およびラジカル重合性単量体を含む歯科用硬化性組成物。
- (A)ラジカル重合性単量体および第4級アンモニウムクロライドを含んでなる液材と、
(B)樹脂粉末、下記一般式(1)
(式中、R1は炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数3〜8のシクロアルキル基である)で示されるピリミジントリオン誘導体、および下記一般式(2)
(式中、R2〜R5、R7およびR10は各々独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示し、R6、R8、R9、R11は各々独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜20のアルキルオキシ基である)で示される第二銅錯体化合物を含んでなる粉材とからなり、使用時に粉材および液材を混合して使用することを特徴とする歯科用硬化性組成物。
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