JP4279218B2 - 給電装置およびこれを備えたプラズマ処理装置並びにプラズマ処理方法 - Google Patents

給電装置およびこれを備えたプラズマ処理装置並びにプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばプラズマを用いたCVD(化学気相成長)処理により基板にプラズマ処理するプラズマ処理装置およびこれを用いて基板上にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法に関し、特に基板上に薄膜を形成する薄膜形成装置及び薄膜形成方法に関するものである。
近年、太陽電池、エッチング等の表面処理の生産性の向上及び生産コストの大幅な低減を効果的に実現させるために、成膜される基板の大面積化、成膜速度の向上等が求められている。
しかしながら、大面積化に伴うプラズマ処理装置の電極の大型化により電極間の中央部と周辺部とではプラズマの強さが異なり、その結果、成膜に不均一が生じ歩留まりが低下するという不具合が生じている。このような問題を解決する方法として、例えば特許文献1に示されるように、電極を複数に分割すると共に可動にし、各電極と基板との間隔を任意に調節することができるようにしたプラズマCVD装置がある。
特開昭54−58361号公報(特許請求の範囲、図2)
しかしながら、電極を複数に分割した構成とした場合、電極と電極との間に間隙が形成され、該間隙が基板の搬送方向と同一方向に形成されるため、基板の移動方向に対してスジ状のムラが生じ、基板上の膜厚が均一に成膜されないという問題がある。
また、隣り合う電極に同位相の高周波電力を供給した場合、電極で発生する定在波の影響が大きくなり、膜厚の均一性が劣化する問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、成膜速度の向上及び生産コストの低減、並びに成膜品質の向上を効果的に図ることができる給電装置、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる給電装置は、高周波電力を発信する発信器と、該発信器からの高周波電力が供給されるパワー電極と、該パワー電極に対向配置されて基板を保持するように設けられ、接地されているアース電極とを備え、相対的に移動する前記基板との間でプラズマを形成し、該基板上にプラズマ処理を行うプラズマ処理装置に用いられる給電装置において、前記パワー電極は、複数に分割された小電極により形成され、これら小電極間には間隙が形成され、前記間隙は、前記基板の移動方向に対して傾斜して配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、基板の搬送方向に対して傾斜した状態で小電極を配置することで、基板が必ず間隙だけでなく小電極とも交差するよう移動する。このため、基板の搬送方向に対して小電極間の間隙によるスジ状のムラが生じることなく、均一な処理(例えば成膜)が可能となる。
また、各小電極に破損などのトラブルが生じた場合、部品交換などが容易に行え、メンテナンス性が向上される。
また、本発明にかかる給電装置では、前記パワー電極は、前記基板の搬送方向に略直交するように延在して設けられた長尺状とされ、前記小電極は、前記パワー電極の長尺方向に配列して設けられたことを特徴とする。
このように、小電極は、基板の搬送方向に略直交する方向(幅方向)に配列して長尺状に設けられているので、小電極に対して基板を移動、あるいは基板に対して小電極を移動させることで大面積基板への処理(例えば成膜)が容易に行える。これにより、幅方向にも搬送方向にも長い大面積の基板に対して、均一な処理を高速で行うことができる。
また、小電極を基板の幅方向に複数配置したことにより、小電極内部での幅方向における電力の減衰が生じることなく、省電力での処理が可能となる。
また、小電極を複数配置することにより各小電極の電圧を独立して制御することができる。
また、本発明にかかる給電装置では、前記発信器は、複数の前記小電極に接続されていることを特徴とする。
1つの発信器に対して小電力ユニット(複数に分割された小電極)で構成されているため、簡易な構造となり、低コスト化およびメンテナンス容易化を図ることができる。
このように、基板に対して均一なプラズマが形成されるので、均一な処理ができ製品の品質が向上される。
また、本発明にかかる給電装置では、前記小電極は、棒状、三角形、平行四辺形、または菱形であることを特徴とする。
また、本発明にかかる給電装置では、前記小電極は、隣り合う小電極の電圧分布の節と腹が交互になるよう配置されたことを特徴とする。
このように、節と腹が交互になるように小電極を配置することで、隣り合う小電極間の定在波によるプラズマへの影響を抑えることができる。これにより安定したプラズマが発生し、製品品質が向上される。
また、本発明にかかる給電装置では、前記高周波電力の周波数がUHFであることを特徴とする。
このように、パワー電極を複数に分割して多数配置したことにより、電極に供給する高周波電力が小さくてすむため、周波数をUHF(数百MHz、例えば860MHz〜950MHz)とすることができる。このため、周波数が高周波化することにより、高速成膜が可能となり、大面積で均一な成膜を低コストで行うことができる。
前記位相変更手段は、具体的には、各小電極間の位相関係を一定あるいは時間的に変化するように制御するようになっている。
また、供給する高周波電力の電圧または位相差を用いることにより、前記パワー電極と前記基板との距離を検知する距離検知手段を備えるようにしてもよい。
また、本発明にかかる給電装置では、前記パワー電極と前記基板との距離を調整する調整手段と、前記高周波電力の位相を変化させる位相変更手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、小電極と基板との距離を調整手段により適宜調整し、各小電極の位相を位相変更手段により変更することで、基板に形成される薄膜の品質が向上される。
なお、小電極と基板との距離調整は、基板電極または小電極のいずれを移動可能としてもよい。また、小電極ごとに発信器を接続する場合は、位相変更手段を省略してもよい。
本発明にかかるプラズマ処理装置では,前記給電装置と、内部圧力を調整可能に設けられたチャンバーと、前記チャンバー内に処理されるガスを供給する処理ガス供給手段と、前記基板を前記給電装置と略直交する方向へ移動させる基板搬送手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、基板面に均一で高密度のプラズマが形成されるので、大面積基板における処理速度の向上及び生産コストの低減、並びに処理品質の向上を図ることができる。
本発明にかかるプラズマ処理方法では、高周波電力を発信する発信器と、該発信器からの高周波電力が供給されるパワー電極と、該パワー電極に対向配置されて基板を保持するように設けられ、接地されているアース電極とを備え、相対的に移動される前記基板との間でプラズマを形成し、該基板上にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法において、前記パワー電極は、複数に分割された小電極により形成され、前記複数の小電極間には間隙が形成され、前記基板は、前記間隙の延在方向に対して傾斜した方向に相対移動させられることを特徴とする。
このように、基板の移動方向に対して略直交して小電極が複数配置され、小電極間に設けられた間隙が傾斜して形成されているので、小電極と基板との間で発生したプラズマが移動する基板に対して間隙と小電極とが交差して作用する。このため、基板の搬送方向に対して小電極間の間隙によるスジ状のムラが生じることなく、大面積の基板に対しても幅方向に均一な処理を効率的に行うことができる。
前記プラズマ処理装置は、特に太陽電池を構成する薄膜を形成するのに好適である。
前記太陽電池としては、例えば、p型シリコン層、n型シリコン層及びi型シリコン層からなるpin構造またはnip構造の多結晶シリコン層を少なくとも1層有する太陽電池、p型シリコン層、n型シリコン層及びi型シリコン層からなるpin構造またはnip構造のアモルファスシリコン層を少なくとも1層有する太陽電池、pin構造またはnip構造の多結晶シリコン層と、pin構造またはnip構造のアモルファスシリコン層とを積層して2層構造としたいわゆるタンデム型の太陽電池、pin構造またはnip構造のアモルファスシリコン層、pin構造またはnip構造の多結晶シリコン層、pin構造またはnip構造の別の多結晶シリコン層を積層して3層構造としたいわゆるトリプル型の太陽電池が挙げられる。
本発明のプラズマ処理装置によれば、基板面に均一で高密度のプラズマが形成されるので、成膜速度の向上及び生産コストの低減、並びに成膜品質の向上を効果的に図ることができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るプラズマCVD装置(薄膜形成装置)1の構成を示す模式断面図である。図2は、図1のチャンバー10の内部を拡大して示す斜視図である。
ここでは、太陽電池の薄膜形成に用いられるプラズマCVD装置1について、図1を用いて説明する。チャンバー10には基板電極(アース電極)3と基板電極3を搬送方向5へ移動させる複数のローラ(基板搬送手段)7と、給電装置9とが設けられている。また、チャンバー10には原料ガス供給源6と高周波電力を供給する発信器(高周波電源)8と、図示しない真空ポンプとが接続されている。
チャンバー10には、チャンバー10内でプラズマを発生させる給電装置9が設けられている。この給電装置9は、長手方向が被処理基板11の搬送方向5に直交するように設けられている。
また、被処理基板11の下方には、給電装置9に対して対向配置されたローラ(基板搬送手段)7が設けられている。このローラ7によって、チャンバー10内で被処理基板11を所定速度することが可能となる。
被処理基板11は、アース電極(基板キャリア)3上に配置され、基板電極3に内臓されたヒータにより所定の温度に加熱され、基板電極3と一体となって、ローラ7上を移動する。
発信器(高周波電源)周波数としては、RF(3MHz〜30MHz)〜VHF(30MHz〜300MHz)の範囲、好ましくは13.56MHz〜200MHzの間で適宜選択され、あるいは、UHF(300MHz〜3000MHz)、好ましくは860MHz〜950MHz)のものが用いられる。
次に、給電装置9の構成について、図3〜図4により詳細に説明する。
図3は、図2のA−A断面を、図4は図3の平面図を示す。給電装置9は、図3に示すようにパワー電極17が基板の搬送方向5と略直交する方向(幅方向)に設けられている。パワー電極17は、多数の小電極15が配置され、小電極15は個別に独立して制御可能なようになっている。
パワー電極17には、発信器8から供給される高周波電力の周波数の位相を変更するフェーズシフター18と、高周波電圧を増幅するアンプ19と、インピーダンスマッチングを行う整合器20と、位相・電圧を検知する位相・電圧検波装置21と、電極間隔調整装置(調整手段)22と、コントローラ23が設けられている。
電極間隔調整装置22は、例えば小電極15から基板11(または基板電極3)までの電極間隔あるいは電極の設定位置を検知するセンサ(距離検知手段)と、電極間隔あるいは電極の設定位置を微調整する微調整機構により構成される。
コントローラ23は、電極間隔調整装置22からの電極間隔あるいは電極の設定位置と位相・電圧検波装置21からの位相・電圧のうち、少なくとも1つの情報と、あらかじめ調べておいたプラズマ状態との関係から、最適なプラズマ条件となるよう電極間隔調整装置22をフィードバック制御する。
具体的な方法を以下に説明する。
予め適切な所定値に電極間距離(電極間隔)を設定して成膜処理を行い、成膜処理中に、この電極間距離をセンサで検出して所定値に維持されているか否かを監視する。
この監視を行う手段としては、例えば位相・電圧検波21の情報を利用することができる。すなわち、位相・電圧検波21で検出した電圧値が所定値より高くなると、電極間隔が所定値より小さくなって接近したものと判断できるので、この変化を検出した小電極15の電極間隔微調整機構22の動作により所定の電極間隔まで広げて補正する。このような電極間隔の補正は、例えばピエゾ素子や流体圧力シリンダ等のアクチュエータにより、いずれか一方の電極を移動させればよい。また、電極間隔微調整機構22による電極間距離の補正は、コントローラ23により行われる。
なお、電極間距離を監視する手段は、上述した位相・電圧検波21の情報以外にも、例えばレーザ距離計等を使用することができる。
このような電極間隔微調整機構22を備えたプラズマ処理装置は、熱変形等により電極間隔が変化しても電極間隔微調整機構22がこれを検出して自動的に補正し、電極間隔の差に応じて変動する小電極15の電圧分布を均一に保つことができる。このため、電圧分布の不均一に起因して生じるプラズマ発生量の不均一を解消し、大面積化した被処理基板11に対して均一な薄膜を形成することが可能になる。
図4(a)に示す小電極15は、例えば、平行四辺形、好ましくは菱形をしており、各小電極15の間には間隙が形成されている。
これら、小電極15は、基板11の搬送方向5に対して略直交する方向(幅方向)に長尺に形成されており、長さは約3m(3m以上)で、処理される基板11の大きさにより適宜設定される。
以上説明した本実施形態にかかる給電装置9の小電極15の作用について説明する。
図3及び図4において、発信器からパワー電極17に高周波電力が供給されると、パワー電極17と基板電極3との間にグロー放電が発生し、高密度の超高周波プラズマ2が形成される。
図1に示す基板の搬送方向5に略直交した幅方向にパワー電極17が長尺状に設けられ、パワー電極17の小電極15間に形成された間隙は、基板の搬送方向5と一致しないように、一定の傾斜をもって形成されている。つまり、基板が必ず間隙と小電極の双方と交差するよう移動する。このため、基板の搬送方向に対して小電極間の間隙によるスジ状のムラが生じることなく、均一な成膜が可能となる。
また、パワー電極の長尺方向(基板の幅方向)に多数の小電極を配置したことにより、電極内での電圧の減衰がなく、したがって、均一な成膜が行える。
なお、高周波電力は、各々フェーズシフター18を介して小電極15へ供給されるが、隣り合う小電極15に同じ波長の高周波電力を供給した場合、一般には定在波が発生し、電圧分布にムラが生じる。これを是正するために、フェーズシフター18により隣り合う小電極15への高周波電力の位相・電圧検波21で計測される位相を、全て一定値に制御するか、あるいは、逆に時間的に変化するように制御することにより、定在波の発生を防止することができる。
また、小電極15は長尺方向だけでなく、例えば、小電極15を基板の搬送方向5に複数列設け、2次元的に配置した構造としてもよい。つまり、領域面積を変更可能な構成とすることにより、生産性がさらに向上される。
2次元的にパワー電極17を配置した場合、基板11の搬送方向5に対して電圧分布が均一となるように小電極15の配置、あるいは給電点などを考慮して設置する必要がある。
〔第二実施形態〕
次に、本発明にかかるプラズマ処理装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、第一実施形態と重複する説明は省略する。
図4(b)は、小電極15を三角形とした場合の平面図を示し、小電極15は、三角形(好ましくは正三角形)をしており、各小電極15の間には間隙が形成され、間隙を中心に点対象となるように配置されている。
これら、小電極15は、基板11の搬送方向5に対して略直交する方向(幅方向)に長尺に形成され、あるいは2次元的に配置されており、長さは幅方向に約3m(以上)で、成膜する基板11の大きさにより適宜設定される。
なお、本実施例は正三角形に限らず、基板の搬送方向5に対して小電極の間隙が幅方向に対して一定の分布となる形状であれば、どのような三角形でもよい。
〔第三実施形態〕
図4(c)は小電極15を棒状とした場合の平面図を示し、図5は図4(c)における棒状の小電極15とした場合の電圧分布を模式的に示した図である。
図4(c)に示すような棒状の小電極15とした場合、図5に示すように、小電極15の給電点16を小電極15の一端側にすると、一端側とその他端側とで電圧の減衰が生じる。つまり、給電点16に近傍の一端側では電圧が低くなり(節)、逆に、他端側では電圧が高くなる(腹)。そのため、基板の搬送方向5において電圧分布が均等にならず、均一な処理(成膜)ができない。したがって、棒状の小電極15においては、高周波電力の節と腹の影響が生じる場合があるため、電圧分布を考慮して、高周波電力の給電点16を節と腹とが交互になるように配置する。つまり、基板11が小電極15と間隙とを通過するため、基板3の搬送方向5においてほぼ均一な電圧分布が得られる。これにより、パワー電極17の幅方向において均一な成膜が可能となる。
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態に係るプラズマCVD装置1について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、太陽電池用発電層となるシリコン膜の成膜を行うものであり、成膜を行うチャンバー10が複数直列に配置されている点で前述した第一実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第一実施形態のものと同様であるので、第一実施形態と同じ部材には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図6は、本発明の第四実施形態に係るプラズマCVD装置の構成を示す模式断面図である。
本実施形態に係るプラズマCVD装置1は、ゲートバルブ20を介して連結される複数のチャンバー10を備えている。
これらチャンバー10は、形成する薄膜に対応してそれぞれ設けられるものであり、例えば、太陽電池を構成するpin構造のシリコン層を形成する場合には、p型シリコン層、i型シリコン層、n型シリコン層を形成するそれぞれのチャンバー10が設けられることとなる。
チャンバー10間に設けられたゲートバルブ20には、例えば、チャンバー10間で互いに原料ガスの混入を抑えるために不活性ガスを噴射するゲートガス導入部等が備えられている。
チャンバー10には、図4(a)に示す菱形の小電極15を、3m×30cmの領域に配置した対向電極装置9が、その長手方向が基板11の搬送方向5に直交するように設けられている。なお、小電極15の形状は、図4(b)、(c)の三角形や棒状であっても構わない。
また、基板11の下方には、対向電極装置9に対して対向配置されたローラ7が設けられている。このローラ7は、チャンバー10内で基板11を所定速度で搬送方向5に移動させることができる。
基板11は、3m×3mの大きさで、基板電極3上に配置され、ローラ7下部のヒータにより所定の温度、例えば160℃に加熱されている。基板11は基板電極3と一体となってローラ7上を移動する。
次に、上記構成からなるプラズマCVD装置1により基板11上に薄膜を形成する処理工程について、簡単に説明する。
まず、例えばガラスの表面に透明電極が形成された基板11が配された基板電極3をp室チャンバー10内に配置してp型シリコン層を成膜する。次いで、基板11をi室チャンバー10に移動させてi型シリコン層を成膜する。次いで、基板11をn室チャンバー10に移動させてn型シリコン層を成膜する。
その後、この基板11は、プラズマCVD装置1から取り出され、更に、第2透明電極及び裏面電極が順次形成されることにより、太陽電池が製造される。
前述の各室での成膜工程は略同一であるので、代表してi室での成膜工程について説明する。
p室チャンバー10でp型シリコン層が成膜された基板11は、i室チャンバー10内に配置される。そして、真空排気装置(図示略)によってi室チャンバー10内を図示しない真空ポンプによって真空排気させ、例えば10-4Paまで減圧する。

次いで、チャンバー10内に成膜ガス供給源から成膜ガスとしてシラン(SiH)ガス100sccmと水素(H)ガス1ksccmを送り込みチャンバー内を1kPaに調整し、60MHzの超高周波電力を供給することで、対向電極装置9と基板11との間に成膜プラズマを発生させる。
3台の対向電極装置9で発生された成膜プラズマは、対向電極装置9と対向した状態で所定の速さで搬送される基板11にそれぞれ連続的に作用し、結果的に、基板11全面に多結晶i型シリコン層薄膜が形成される。
この条件で形成された多結晶i型シリコン層は、全領域でシリコン膜厚が±8%、膜質を示す結晶性(ラマン分光による結晶シリコンのピーク強度Icとアモルファスシリコンのピーク強度Iaの比)Ic/Iaが3.0〜4.5と良好な膜厚及び膜質均一性を有している。
次に、アモルファスシリコンの製膜に関しても、成膜ガスとして、シラン(SiH)ガス100sccmと水素(H)ガス200sccmを供給し、チャンバー内圧力を100Paに調整し、基板電極11を移動させながら基板全面にアモルファスi型シリコン層薄膜を形成する。この条件で形成されたアモルファスi型シリコン層は、均一性としては、全領域でシリコン膜厚が±7%、水素含有量が13〜16%と良好な膜厚及び膜質均一性を有している。
なお、p室では、i室での成膜ガスに適正なp型不純物ガス(例えばB等)を加えることによって、p型結晶性シリコン層またはp型アモルファスシリコン層を成膜することができる。
また、n室では、i室での成膜ガスに適正なn型不純物ガス(例えばPH等)を加えることで、n型結晶性シリコン層またはn型アモルファスシリコン層を成膜することができる。
このように、p室、i室およびn室のチャンバー10を備えた本実施形態では、ガラス/透明電極上に、p型アモルファスシリコン/i型アモルファスシリコン/n型アモルファスシリコン及び裏面電極を積層したアモルファスシリコン太陽電池、ガラス/透明電極上に、p型結晶性シリコン/i型結晶性シリコン/n型結晶性シリコン及び裏面電極を積層した結晶性シリコン太陽電池を製造できる。
このような太陽電池は、透明絶縁性基板側から太陽光のような光を入射させてpin構造の多結晶シリコン層或いはアモルファスシリコン層で光電変換させることにより起電される。
なお、p室チャンバー10およびn室チャンバー10では対向電極装置9が1台であるのに対して、i型シリコン層のチャンバー10では、対向電極装置9が3台設けられている。これは、i型シリコン層の膜厚が、他のシリコン層に比べて厚いためである。このように、形成する膜厚、成膜速度等に応じて、複数の対向電極装置9を設けることも可能である。
以上説明したように、上記各実施形態にかかるプラズマ処理装置1によれば、パワー電極17の幅方向に多数配置された小電極15により、電極内で電力が減衰することなく、ローラ7により所定の速度で搬送される被処理基板11に連続的にプラズマ処理され、被処理基板11全面に均一な膜厚を形成することが可能となる。
これにより、被処理基板11と同等の大きさのプラズマ発生源を設けることなく、例えば、3m角にも及ぶ大面積の被処理基板11の全面に渡り、均一に成膜を施すことが可能となり、さらには、給電装置の簡素化が図られる。
この結果、例えば、太陽電池の量産性の向上、生産コストの大幅な低減およびメンテナンス性の向上を図ることができるという効果を奏する。
なお、上述の実施形態では、p層、i層、n層をそれぞれ形成するチャンバー10を3個設けた場合について説明したが、例えば、これらのチャンバー10を更に反復して設け6個とし、それぞれの成膜ガスを導入することにより、pin構造の多結晶シリコン層と、pin構造のアモルファスシリコン層とを積層して2層構造としたタンデム構成の太陽電池を作成することが可能となる。
更に、チャンバー10を更に反復して設け、9個とすることにより、pin構造のアモルファスシリコン層、pin構造の多結晶シリコン層、pin構造の別の多結晶シリコン層を積層して3層構造としたトリプル構成の太陽電池を作成することも可能となる。
また、図6では、p層、i層、n層の順に薄膜を形成する場合について述べたが、これに限定されることなく、n層、i層、p層の順に薄膜を形成しても良い。つまり、形成する薄膜に応じて、成膜ガス等を調整することにより、種々の薄膜を形成することが可能となる。
また、太陽電池の薄膜形成に限られることなく、液晶ディスプレイや半導体素子の薄膜形成にも適用することが可能であり、また、その用途も、薄膜形成に限定されることなく、エッチング、スパッタリング等、幅広く利用することが可能である。
本発明の一実施形態に係るプラズマCVD装置の構成を示す模式断面図である。 図1に示したチャンバーの要部を拡大して示した斜視図である。 図2のA−A断面図である。 図3の電極の形状を示した平面図である。 図3(c)の電極の電圧分布を示した平面図である。 本発明の第四実施形態に係るプラズマCVD装置の構成を示す模式断面図である。
符号の説明
1 プラズマ処理装置
3 基板電極
5 搬送方向
6 成膜ガス供給装置
7 ローラ
8 発信器(高周波電源)
9 給電装置
10 チャンバー
11 基板
12 ゲートバルブ
15 小電極
16 給電点
17 パワー電極
18 フェーズシフター
19 アンプ
20 整合器
21 位相・電圧検波装置
22 電極間隔微調整装置
23 コントローラ

Claims (11)

  1. 高周波電力を発信する発信器と、該発信器からの高周波電力が供給されるパワー電極と、該パワー電極に対向配置されて基板を保持するように設けられ、接地されているアース電極とを備え、相対的に移動する前記基板との間でプラズマを形成し、該基板上にプラズマ処理を行うプラズマ処理装置に用いられる給電装置において、
    前記パワー電極は、複数に分割された小電極により形成され、
    これら小電極間には間隙が形成され、
    前記間隙は、前記基板の移動方向に対して傾斜して配置されたことを特徴とする給電装置。
  2. 前記パワー電極は、前記基板の搬送方向に略直交するように延在して設けられた長尺状とされ、
    前記小電極は、前記パワー電極の長尺方向に配列して設けられたことを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
  3. 前記発信器は、複数の前記小電極に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
  4. 前記小電極は、棒状、三角形、平行四辺形、または菱形であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の給電装置。
  5. 前記小電極は、隣り合う小電極の電圧分布の節と腹が交互になるよう配置されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の給電装置。
  6. 前記高周波電力の周波数がUHFであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の給電装置。
  7. 記パワー電極と前記基板との距離を調整する調整手段と、
    前記高周波電力の位相を変化させる位相変更手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の給電装置。
  8. 前記位相変更手段は、各小電極間の位相関係を一定あるいは時間的に変化するように制御することを特徴とする請求項7に記載の給電装置。
  9. 供給する高周波電力の電圧または位相差を用いることにより、前記パワー電極と前記基板との距離を検知する距離検知手段を備えていることを特徴とする請求項7又は8に記載の給電装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の給電装置と、
    内部圧力を調整可能に設けられたチャンバーと、
    前記チャンバー内に処理されるガスを供給する処理ガス供給手段と、
    記基板を前記給電装置と略直交する方向へ移動させる基板搬送手段と、を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  11. 高周波電力を発信する発信器と、該発信器からの高周波電力が供給されるパワー電極と、該パワー電極に対向配置されて基板を保持するように設けられ、接地されているアース電極とを備え、相対的に移動される前記基板との間でプラズマを形成し、該基板上にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法において、
    前記パワー電極は、複数に分割された小電極により形成され、
    前記複数の小電極間には間隙が形成され、
    前記基板は、前記間隙の延在方向に対して傾斜した方向に相対移動させられることを特徴とするプラズマ処理方法。
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