JP4875528B2 - 薄膜形成装置およびプラズマ発生方法 - Google Patents

薄膜形成装置およびプラズマ発生方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4875528B2
JP4875528B2 JP2007088752A JP2007088752A JP4875528B2 JP 4875528 B2 JP4875528 B2 JP 4875528B2 JP 2007088752 A JP2007088752 A JP 2007088752A JP 2007088752 A JP2007088752 A JP 2007088752A JP 4875528 B2 JP4875528 B2 JP 4875528B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodes
substrate
electrode
thin film
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007088752A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008251682A (ja
Inventor
敦洋 彌政
英男 山越
宏次 佐竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2007088752A priority Critical patent/JP4875528B2/ja
Publication of JP2008251682A publication Critical patent/JP2008251682A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4875528B2 publication Critical patent/JP4875528B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、プラズマを用いて基板上に薄膜形成を行なう薄膜形成装置およびプラズマを発生させる方法に関するものである。
基板に薄膜を形成する方法として、プラズマ放電により活性化させた反応ガスを基板上に供給し、基板表面において化学反応させることによって所望の薄膜を形成する方法がある。この方法は、低温下での薄膜形成が可能であることから、半導体製品に広く用いられている。
上記反応を行う薄膜形成装置について、近年、薄膜太陽電池等の半導体製品の生産性向上のために、高品質な薄膜を、高速・大面積で製膜することが求められている。
高品質な薄膜を高速で製膜するためには、高圧下(例えば1kPa以上)において高周波数の電圧を電極に印加することが必要となり、さらに、電極と基板との距離を狭くすることが必要となる。
また、大面積の薄膜を形成する際には、電極上での定在波の影響を低減するために、位相変調方式が用いられる。位相変調方式は1つの電極に複数の給電点を設け、各給電点に給電する高周波の位相差を時間的に変化させるものである(例えば特許文献1参照)。
特開2002−261031号公報
従来の薄膜形成装置の一例を図7に示す。薄膜形成装置100は、反応室105と、反応室105内に互いに対向して配置されたカソード部101および基板支持部材104とを主な構成要素として備えている。また、導線107により、カソード部101は高周波電源103に接続されている。また、導線108により、基板支持部材104は高周波電源103に接続されている。基板支持部材104は、接地電位とされたアノード部であるとともに、基板110を支持可能でかつその基板110を加熱する役割をなしている。
薄膜形成装置100における薄膜の形成は以下のように行なわれる。まず反応室105を真空排気系(図示せず)によって排気しながら、ガス導入系(図示せず)により反応室105が一定のガス圧となるように反応ガスが導入される。さらに、カソード部101に高周波電源103によって高周波電圧が印加され、かつ基板支持部材104が接地電位とされることによりプラズマ115を生じさせる。このプラズマ115により、基板支持部材104によって所定の温度に加熱された基板110上に膜が形成される。
しかしながら、アノード部である基板支持部材104を大面積化すると、図7に示すように、電流が高周波電源103に帰ってくる経路(以下、「リターンパス」という。)が長くなる、あるいはカソード部101によってリターンパスの長さや経路が異なるといった現象が生じる。その結果、薄膜形成装置100全体として、放電に最適なインピーダンスを得ることが困難となるので、基板110上の膜分布の均一性が低下するという問題が生じる。
上記問題の対策として、リターンパスの長さを等しくするために基板と独立したカソード部とアノード部との間でプラズマを生成する薄膜形成装置の一例を図8に示す。
薄膜形成装置120は、基板110を支持および加熱する基板支持部材104と、基板支持部材104に対向して配置されたカソード部121およびアノード部122を主に有している。また、アノード部122はアースブロック123に設置され、カソード部121は絶縁材125を介してアースブロック123に設置されている。
上記構成を有する薄膜形成装置120において、基板支持部材104とカソード部121およびアノード部122との距離が、基板110の薄膜形成に与える影響を以下に説明する。
図8(a)に示すように、カソード部121と基板支持部材104との距離が広い場合には、カソード部121とアノード部122との間にプラズマが生ずるためリターンパスは等しくなるが、プラズマと基板との距離が遠く、プラズマにより生成される製膜前駆体が基板に届きにくくなるため、製膜速度が遅くなるという問題があった。一方で、図8(b)に示すように、カソード部121と基板支持部材104との距離が狭い場合には、カソード部121と基板110との間で放電するため、十分な製膜速度が得られるが、リターンパスが長くなるという問題があった。
上述のとおり、従来の薄膜形成装置では、大面積の薄膜を形成するに際し、リターンパスを等しく保ちつつ高速にて製造することができなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、大面積の基板を均一的に製膜する薄膜形成装置およびプラズマ発生方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明に係る薄膜形成装置は、プラズマを利用して基板の表面に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、前記基板の表面に対向して配置される少なくとも2つの電極と、前記電極と前記基板を介して反対側に配置され、各前記電極との間にプラズマを発生させるための基板支持部材と、各前記電極に接続され、各前記電極に高周波電圧を供給する少なくとも1つの高周波電源と、隣り合う前記電極に印加される電圧を逆位相として一対の電極とする少なくとも1つの位相調整手段と、を備え、全ての前記一対の電極間の距離が、両者間で放電が発生しない距離であり、かつ、いずれも略等しく設定され、前記基板支持部材の電位が、前記一対の電極の電位の間の電位とされていることを特徴とする。
このような薄膜形成装置によれば、隣り合う電極間に逆位相の高周波電圧を印加するので、基板支持部材の電位を隣り合う電極の間にすることが可能となる。これにより、一の電極と基板支持部材との間、および、基板支持部材と該一の電極に隣接する電極(以下「隣接電極」という。)との間にプラズマを発生させることが可能となる。また、このとき、一の電極、基板支持部材、隣接電極へ流れる電流の流路が形成されることとなるが、隣り合う電極間の距離はいずれも等しく設定されているので、リターンパスを等しくすることが可能となる。これにより、大面積の基板においてもリターンパスの長さを均一とすることができ、リターンパスの長さによってインピーダンスが変化することを防止することができる。その結果、薄膜の形成にとって好適なインピーダンスを得ることができ、薄膜を均一的に形成することが可能となる。また、電極の設置数を基板の面積に応じて変えることにより、基板の面積にかかわらず均一な薄膜を形成させることが可能となる。
本発明に係る薄膜形成装置は、プラズマの発生する方向に略直交する方向に基板を移動させ、該基板の表面にプラズマを利用して薄膜を形成する薄膜形成装置であって、移動する前記基板の表面に対向するように配置される少なくとも2つの電極と、前記電極と前記基板を介して反対側に配置され、各前記電極との間にプラズマを発生させるための基板支持部材と、各前記電極に接続され、各前記電極に高周波電圧を供給する少なくとも1つの高周波電源と、隣り合う前記電極に印加される電圧を逆位相として一対の電極とする位相調整手段と、を備え、前記一対の電極間の距離が、両者間で放電が発生しない距離とされ、前記基板支持部材の電位が、前記一対の電極の電位の間の電位とされていることを特徴とする。
このような薄膜形成装置によれば、隣り合う電極間に逆位相の高周波電圧を印加するので、基板支持部材の電位を隣り合う電極の間にすることが可能となる。これにより、一の電極と基板支持部材との間、および、基板支持部材と隣接電極との間の空間にプラズマを発生させることが可能となる。また、このとき、一の電極、基板支持部材、隣接電極へ流れる電流の流路が形成されることとなる。
また、上記構成によれば、基板支持部材を接地する必要がないため、基板支持部材に対する電気的接続が不要となる。これにより、移動物との電気的接触が不要となり、電気的な安定性を確保することができるため、薄膜を形成する際の再現性を向上させることが可能となる。
本発明に係る薄膜形成装置は、前記電極に印加される電圧の位相を変調する位相変調手段を備え、前記電極の表面の長さ方向の距離が、前記高周波電圧の4分の1波長以上であることを特徴とする。
上記の薄膜形成装置において、前記位相変調手段が、前記電極上の定在波の節および腹の位置を変化させることとしてもよい。
上記の薄膜形成装置において、前記位相変調手段が、前記電極上の定在波の節および腹の位置を隣接する前記電極間で対応させることとしてもよい。
各電極の表面の長さ方向の距離が、前記高周波電圧の4分の1波長以上とされているので、各電極において定在波を発生させることが可能となる。この場合において、位相変調手段により電極上の定在波の節および腹の位置を変化させることにより、各電極上におけるプラズマの発生位置を移動させ、均一的に薄膜を形成することが可能となる。また、定在波の節および腹の位置を隣接する電極間で対応させることにより、リターンパスの長さを一定とすることが可能となる。さらに、各電極の表面の長さ方向の距離を大きくすることにより、電極数および電極への配線数等を減少させることができるため、効率良く基板に薄膜を形成することが可能となる。
本発明に係るプラズマ発生方法は、プラズマを利用して基板の表面に薄膜を形成させるためのプラズマ発生方法であって、前記基板の表面に対向するように少なくとも2つの電極を配置するとともに、前記基板を介して前記電極と反対側に各前記電極との間にプラズマを発生させるための基板支持部材を配置し、各前記電極を高周波電源に接続し、隣り合う前記電極に逆位相となる高周波電圧を供給して一対の電極とし全ての前記一対の電極間の距離が、両者間で放電が発生しない距離であり、かつ、いずれも略等しく設定され、前記基板支持部材の電位が、前記一対の電極の電位の間の電位とされていることを特徴とする。
本発明に係るプラズマ発生方法は、プラズマの発生する方向に略直交する方向に基板を移動させ、プラズマを利用して基板の表面に薄膜を形成させるためのプラズマ発生方法であって、移動する前記基板の表面に対向するように、少なくとも2つの電極を配置するとともに、前記基板を介して前記電極と反対側に、各前記電極との間にプラズマを発生させるための基板支持部材を配置し、各前記電極を高周波電源に接続し、隣り合う前記電極に逆位相となる高周波電圧を供給して一対の電極とし前記一対の電極間の距離が、両者間で放電が発生しない距離とされ、前記基板支持部材の電位が、前記一対の電極の電位の間の電位とされていることを特徴とする。
本発明によれば、大面積の基板を均一的に製膜することができるという効果を奏する。
[第1の実施形態]
以下に、本発明に係る薄膜形成装置およびプラズマ発生方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、本実施形態に係る薄膜形成装置1は、反応室12と、反応室12内に設けられたプラズマ発生装置5とを備えている。プラズマ発生装置5は、基板10の表面に対向して配置され、互いに所定の間隔をおいて配置される複数の電極3と、電極3と基板10を介して反対側に配置され、電極3との間の空間にプラズマを発生させるための基板支持部材11と、隣り合う前記電極3に印加される電圧を逆位相とする移相器(位相調整手段)4とを主な構成として備えている。
上記電極3は、例えば、基板10の長さ方向および幅方向に、所定の間隔をおいて2次元的に配置されている。また、各電極3は、反応室12の外側に設けられた高周波電源2に接続されている。なお、図1では、説明の便宜上、3つの電極3a,3b,3cのみを図示している。また、以降の説明において、全ての電極を示すときは単に符号「3」を付し、各電極を示すときは符号「3a」、「3b」等を付すこととする。
上記移相器4は、3つの電極3a,3b,3cのうち、中央に設けられた電極3bに接続され、電極3bに印加される電圧を、電極3bと隣り合う電極3aおよび電極3cに印加される電圧とは逆位相とする。
上記基板支持部材11は基板10を支持可能であり、基板10を加熱する役割をなす。基板支持部材11は、例えば、基板ヒータである。基板10と電極3とで挟まれた空間は、プラズマが発生するプラズマ形成領域15を構成する。また、基板支持部材11は電極3とは絶縁されている。
電極3a、電極3b、および電極3cは、等間隔で配置されているとともに隣接する電極間で放電が発生しない距離に設定されている。例えば、パッシェンの法則に基づき、電極3a、電極3b、および電極3cの間隔をある閾値以下とすることにより、隣接する電極間での放電を防止することができる。ここで、パッシェンの法則とは、放電は、電界で加速された電子が気体分子と衝突して気体を電離させることによっておこるので、電極間の距離が短いと電子が衝突までに充分加速できないため、放電するための電極間の距離は最低値を有するというものである。
また、上記の電極間の距離は、長すぎても電子が気体分子と衝突しすぎてエネルギーを失ってしまい、電極まで到達することができないためにプラズマを維持することができなくなる。したがって、電極3a、電極3b、および電極3cの間隔をある閾値以上とすることによっても、隣り合う電極間での放電を防止することができる。
なお、隣り合う電極間に絶縁体を設けることによっても同様の効果が得られる。
上記構成を有する薄膜形成装置における薄膜の形成は以下のように行なわれる。
まず反応室12を真空排気系(図示せず)によって排気しながら、ガス導入系(図示せず)により反応室12が一定のガス圧となるように反応ガスが導入される。さらに、電極3a、電極3b、および電極3cに高周波電源2によって高周波電圧が印加される。ここで、電極3bには、移相器4によって電極3aおよび電極3cに印加される電圧とは逆位相の電圧が印加される。その結果、基板支持部材11の電位は、電極3aおよび電極3cの電位と電極3bの電位との間となる。これにより、高周波電源2から電極3aおよび電極3cにプラスの電圧が供給されている期間においては、電極3bにはマイナスの電圧が供給されることとなる。その結果、電極3aおよび電極3cと基板支持部材11との間、基板支持部材11と電極3bとの間にプラズマが発生し、電極3aおよび電極3c、基板支持部材11、電極3bを通るリターンパスが形成される。また、高周波電源2から電極3aおよび電極3cにマイナスの電圧が供給されている期間においては、電極3bにはプラスの電圧が供給されることとなる。その結果、電極3bと基板支持部材11との間、基板支持部材11と電極3aおよび電極3cとの間にプラズマが発生し、電極3b、基板支持部材11、電極3aおよび電極3cを通るリターンパスが形成される。
そして、このようにして発生したプラズマにより、基板支持部材11によって所定の温度に加熱された基板10の表面上に膜が形成される。
この場合において、電極3a、電極3b、および電極3cは、等間隔で配置されているため、いずれの電極においても、上記のリターンパスは等しい長さとなる。したがって、リターンパスのインピーダンスを均一化することができ、薄膜を均一的に形成することが可能となる。
以上、説明したように、本実施形態に係る薄膜形成装置によれば、隣り合う電極3の間に逆位相の高周波電圧を印加するので、基板支持部材11の電位を隣接する電極3の間にすることが可能となる。これにより、プラズマによって形成されるリターンパスを局在化することができる。この場合において、各電極3は等間隔で配置されているので、各電極におけるリターンパスの長さを等しくすることが可能となる。これにより、リターンパスの長さによってインピーダンスが変化することを防止することができる。その結果、薄膜を均一的に形成することが可能となる。
また、基板の大きさに応じて電極3の設置数を増減させることで、大面積の基板であっても均一な薄膜を形成することができる。
なお、上述した本実施形態において、電極3と基板支持部材11との距離を調整可能としてもよい。このようにすることで、プラズマ強度を調整することができ、薄膜の品質および形成速度を向上させることが可能となる。
特に、直線的移動機構等を電極3に設け、反応室12外部から電極3の位置を調整可能とすれば、容易にプラズマ強度を調整することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について、図2を用いて説明する。
本実施形態の薄膜形成装置が第1の実施形態と異なる点は、基板が電極に対して相対的に移動する点である。以下、本実施形態の薄膜形成装置について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図2において、本実施形態に係る薄膜形成装置20は、反応室12と、反応室12内に設けられたプラズマ発生装置28とを備えている。プラズマ発生装置28は、互いに所定の間隔をおいて配置される少なくとも2つの電極23と、電極23の上方を移動する基板10の上部に配置され、電極23との間でプラズマを発生させるための基板支持部材21と、隣り合う前記電極23に印加される電圧を逆位相とする移相器4とを主な構成として備えている。
上記電極23は、基板10の移動経路の下方に配置されており、上方を移動する基板の長さ方向(移動方向と一致)および幅方向(移動方向と直交する方向)に沿って2次元的に配置されている。また、電極23は、反応室12の外側に設けられた高周波電源2に接続されている。なお、図2では、説明の便宜上、2つの電極23a,23bのみを図示している。また、以降の説明において、全ての電極を示すときは単に符号「23」を付し、各電極を示すときは符号「23a」、「23b」を付すこととする。
電極23は隣接する電極間で放電が起きないように配置されている。また、電極23は、上記基板10の幅方向において、等間隔に配置されている。
上記構成を有する薄膜形成装置における薄膜の形成は以下のように行なわれる。
反応ガスが導入された反応室12において、電極23aおよび電極23bに高周波電源2によって高周波電圧が印加される。ここで、電極23aには、移相器4によって電極23bに印加される電圧とは逆位相の電圧が印加される。その結果、基板支持部材21の電位は、電極23aの電位と電極23bの電位との間となり、これらの電位差によってプラズマ形成領域25にプラズマが生じる。このプラズマにより、基板支持部材21によって所定の温度に加熱されながら矢印26の方向に移動する基板10の表面上に膜が形成される。
本実施形態に係る薄膜形成装置によれば、基板支持部材を接地する必要がないため、基板支持部材に対する電気的接続が不要となる。これにより、移動物との電気的接触が不要となり、電気的な安定性を確保することができるため、薄膜を形成する際の再現性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、電極23に対して基板10を相対的に移動させるので、上述した第1の実施形態と比較して、電極23の設置数を削減することが可能となる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について、図を用いて説明する。
本実施形態の薄膜形成装置が上記の第1の実施形態と異なる点は、電極3の表面の長さ方向(基板に対向する面における紙面の左右方向)の距離が高周波電圧の4分の1波長以上である点および電極3に印加される電圧の位相を変調する位相変調器(位相変調手段)8を備えている点である。以下、電極3a,3bを例に挙げて説明する。
本実施形態に係る薄膜形成装置30における電極3の表面の長さ方向の距離は、高周波電圧の4分の1波長以上とされているので、電極3において定在波を発生させることが可能となる。
この場合において、基板10上の薄膜を均一に形成するために、位相変調器8によって電極3上における定在波の腹および節の位置を移動させる。具体的には、図および図に示すように、定在波の腹および節の位置を継時的に変化させることにより、プラズマが発生する位置を移動させる。
には、ある時刻Aにおける電極3a、電極3b、および基板支持部材11の長さ方向の位置と、該位置における各電位との関係が示されている。また、図には、時刻Aとは異なる時刻Bにおける電極3a、電極3b、および基板支持部材11の長さ方向の位置と、該位置における各電位との関係が示されている。
において、電極3aと基板支持部材11との電位差および基板支持部材11と電極3bとの電位差は、電極3の略中央部で最大となっている。この場合において、放電は電極3の略中央部で行われることとなる。
一方、時刻Aとは異なる時刻Bにおける電極3aと基板支持部材11との電位差および基板支持部材11と電極3bとの電位差は、図に示すように、電極3の端部近傍で最大となっている。この場合において、放電は電極3の端部近傍で行われることとなる。
電極3と基板支持部材11のある位置における電位と時刻との関係を図6に示す。図6において、時刻Tにおいて電極3aから基板支持部材11への放電および基板支持部材11から電極3bへの放電が発生し、時刻Tにおいて電極3bから基板支持部材11への放電および基板支持部材11から電極3aへの放電が発生することとなる。
上記のように、電極3上のある地点における電極3a、電極3b、および基板支持部材11の電位を継時的に変化させることにより、プラズマ発生位置を移動させ、基板10上の薄膜を更に均一に形成することが可能となる。
また、定在波の節および腹の位置を、隣接する電極3aと電極3bとの間で対応させることにより、リターンパスの長さを一定とすることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る薄膜形成装置によれば、位相変調器8により電極3上の定在波の節および腹の位置を変化させることにより、各電極上におけるプラズマの発生位置を移動させるので、基板10上に薄膜を更に均一的に形成することが可能となる。また、定在波の節および腹の位置を対となる電極3の間で対応させることにより、リターンパスの長さを一定とすることができ、インピーダンスが変化することを防止することが可能となる。さらに、各電極3の表面の長さ方向の距離を大きくすることにより、電極3の数および電極3への配線数等を減少させることができるため、効率良く基板に薄膜を形成することが可能となる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について、図9を用いて説明する。
本実施形態の薄膜形成装置が上記の各実施形態と異なる点は、隣り合ってペアを形成する電極間にて基板支持部材を介して放電を行う点である。以下、ペアとなる電極40a,40bおよび電極41a,41bを例に挙げて説明する。
本実施形態に係る薄膜形成装置40において、電極40aと電極40bとは隣り合って設置され、ペアを形成している。また、電極41aと電極41bとは隣り合って設置され、ペアを形成している。電極40aと電極40bとの距離および電極41aと電極41bとの距離は、放電が発生しない距離であり、かつ、略等しく設定されている。
移相器43は、電極40aに印加される電圧を、電極40bに印加される電圧とは逆位相とする。移相器44は、電極41aに印加される電圧を、電極41bに印加される電圧とは逆位相とする。
上記構成を有する薄膜形成装置40において、電極40aおよび電極40bに高周波電源46によって高周波電圧が印加される。ここで、電極40aには、移相器43によって電極40bに印加される電圧とは逆位相の電圧が印加される。同様に、高周波電源47によって電極41aと電極41bに高周波電圧が印加され、電極41aには、移相器44によって電極41bに印加される電圧とは逆位相の電圧が印加される。また、高周波電源46と高周波電源47とを同調することにより、電極40bと、電極40bに隣接する電極41bとに同位相の高周波電圧を印加する。これにより、電極40bと電極41bとの間および電極40aと電極41aとの間では、同位相であるためリターンパスを形成せず、ペアとなる電極間でのみリターンパスを形成することとなる。
以上、説明したように、本実施形態に係る薄膜形成装置によれば、ペアとなる電極間には逆位相の高周波電圧を印加し、ペアを形成せずに隣接する電極間には同位相の高周波電圧を印加するので、プラズマによって形成されるリターンパスをペアとなる電極間に局在化することができる。リターンパスをペアとなる電極間に限定することにより、各電極と基板指示部材11との放電を安定化させることができる。また、ペアとなる電極間の距離は略等しく設定されているので、各ペアにおけるリターンパスの長さを等しくすることが可能となる。これにより、リターンパスの長さによってインピーダンスが変化することを防止することができる。その結果、薄膜を均一的に形成することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る薄膜形成装置の構成を概略的に示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る薄膜形成装置の構成を概略的に示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る薄膜形成装置の構成を概略的に示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る薄膜形成装置の時刻Aにおける電極位置と電位との関係を示すグラフ図である。 本発明の第3の実施形態に係る薄膜形成装置の時刻Bにおける電極位置と電位との関係を示すグラフ図である。 本発明の第3の実施形態に係る薄膜形成装置の電位と時刻との関係を示すグラフ図である。 従来の薄膜形成装置の構成を概略的に示す概略図である。 従来の薄膜形成装置の電極およびアノード部と基板支持部材との位置関係を概略的に示す概略図である。 本発明の第4の実施形態に係る薄膜形成装置の構成を概略的に示す概略図である。
符号の説明
1,20,30 薄膜形成装置
2 高周波電源
3,23 電極
4 移相器
5,28,35 プラズマ発生装置
8 位相変調器
10 基板
11,21 基板支持部材

Claims (7)

  1. プラズマを利用して基板の表面に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
    前記基板の表面に対向して配置される少なくとも2つの電極と、
    前記電極と前記基板を介して反対側に配置され、各前記電極との間にプラズマを発生させるための基板支持部材と、
    各前記電極に接続され、各前記電極に高周波電圧を供給する少なくとも1つの高周波電源と、
    隣り合う前記電極に印加される電圧を逆位相として一対の電極とする少なくとも1つの位相調整手段と、
    を備え、
    全ての前記一対の電極間の距離が、両者間で放電が発生しない距離であり、かつ、いずれも略等しく設定され
    前記基板支持部材の電位が、前記一対の電極の電位の間の電位とされている薄膜形成装置。
  2. プラズマの発生する方向に略直交する方向に基板を移動させ、該基板の表面にプラズマを利用して薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
    移動する前記基板の表面に対向するように配置される少なくとも2つの電極と、
    前記電極と前記基板を介して反対側に配置され、各前記電極との間にプラズマを発生させるための基板支持部材と、
    各前記電極に接続され、各前記電極に高周波電圧を供給する少なくとも1つの高周波電源と、
    隣り合う前記電極に印加される電圧を逆位相として一対の電極とする位相調整手段と、
    を備え、
    前記一対の電極間の距離が、両者間で放電が発生しない距離とされ
    前記基板支持部材の電位が、前記一対の電極の電位の間の電位とされている薄膜形成装置。
  3. 前記電極に印加される電圧の位相を変調する位相変調手段を備え、
    前記電極の表面の長さ方向の距離が、前記高周波電圧の4分の1波長以上である請求項1または2に記載の薄膜形成装置。
  4. 前記位相変調手段が、前記電極上の定在波の節および腹の位置を変化させる請求項1から3のいずれかに記載の薄膜形成装置。
  5. 前記位相変調手段が、前記電極上の定在波の節および腹の位置を隣接する前記電極間で対応させる請求項1から4のいずれかに記載の薄膜形成装置。
  6. プラズマを利用して基板の表面に薄膜を形成させるためのプラズマ発生方法であって、
    前記基板の表面に対向するように少なくとも2つの電極を配置するとともに、前記基板を介して前記電極と反対側に各前記電極との間にプラズマを発生させるための基板支持部材を配置し、
    各前記電極を高周波電源に接続し、隣り合う前記電極に逆位相となる高周波電圧を供給して一対の電極とし
    全ての前記一対の電極間の距離が、両者間で放電が発生しない距離であり、かつ、いずれも略等しく設定され
    前記基板支持部材の電位が、前記一対の電極の電位の間の電位とされているプラズマ発生方法。
  7. プラズマの発生する方向に略直交する方向に基板を移動させ、プラズマを利用して基板の表面に薄膜を形成させるためのプラズマ発生方法であって、
    移動する前記基板の表面に対向するように、少なくとも2つの電極を配置するとともに、前記基板を介して前記電極と反対側に、各前記電極との間にプラズマを発生させるための基板支持部材を配置し、
    各前記電極を高周波電源に接続し、隣り合う前記電極に逆位相となる高周波電圧を供給して一対の電極とし
    前記一対の電極間の距離が、両者間で放電が発生しない距離とされ
    前記基板支持部材の電位が、前記一対の電極の電位の間の電位とされているプラズマ発生方法。
JP2007088752A 2007-03-29 2007-03-29 薄膜形成装置およびプラズマ発生方法 Expired - Fee Related JP4875528B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007088752A JP4875528B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 薄膜形成装置およびプラズマ発生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007088752A JP4875528B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 薄膜形成装置およびプラズマ発生方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008251682A JP2008251682A (ja) 2008-10-16
JP4875528B2 true JP4875528B2 (ja) 2012-02-15

Family

ID=39976316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007088752A Expired - Fee Related JP4875528B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 薄膜形成装置およびプラズマ発生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4875528B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5496073B2 (ja) * 2010-12-21 2014-05-21 三菱電機株式会社 微結晶半導体薄膜製造装置および微結晶半導体薄膜製造方法
ES2781775T3 (es) * 2012-11-02 2020-09-07 Agc Inc Fuente de plasma para un aparato de CVD de plasma y un procedimiento de fabricación de un artículo por el uso de la fuente de plasma

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07226395A (ja) * 1994-02-15 1995-08-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 真空プラズマ処理装置
JP2000268994A (ja) * 1999-03-16 2000-09-29 Fuji Electric Co Ltd 高周波グロー放電を利用した表面処理方法
JP3586197B2 (ja) * 2000-03-23 2004-11-10 シャープ株式会社 薄膜形成用プラズマ成膜装置
JP2004193462A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Canon Inc プラズマ処理方法
JP4413084B2 (ja) * 2003-07-30 2010-02-10 シャープ株式会社 プラズマプロセス装置及びそのクリーニング方法
JP4558365B2 (ja) * 2004-03-26 2010-10-06 株式会社神戸製鋼所 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP4279218B2 (ja) * 2004-07-20 2009-06-17 三菱重工業株式会社 給電装置およびこれを備えたプラズマ処理装置並びにプラズマ処理方法
JP2006172943A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Sekisui Chem Co Ltd プラズマ処理装置
JP5040066B2 (ja) * 2005-03-31 2012-10-03 大日本印刷株式会社 成膜装置及び成膜方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008251682A (ja) 2008-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102098698B1 (ko) 플라즈마 처리 장치
US7988814B2 (en) Plasma processing apparatus, plasma processing method, focus ring, and focus ring component
JP5747231B2 (ja) プラズマ生成装置およびプラズマ処理装置
JP6272298B2 (ja) マイクロ波プラズマ生成装置およびこれを作動させる方法
US7880392B2 (en) Plasma producing method and apparatus as well as plasma processing apparatus
US20020123200A1 (en) Plasma processing apparatus
JP2007227375A (ja) 遠距離プラズマ発生装置
KR102201541B1 (ko) 멀티층 세그먼트화된 전극들을 갖는 플라즈마 프로세싱 시스템들 및 그를 위한 방법들
KR20020004935A (ko) 내부 전극 방식의 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 처리방법
JP4875527B2 (ja) プラズマ発生装置およびこれを用いた薄膜形成装置
JP2018154875A (ja) スパッタリング装置
US9343269B2 (en) Plasma processing apparatus
JP4875528B2 (ja) 薄膜形成装置およびプラズマ発生方法
US20140291290A1 (en) Plasma processing apparatus and method thereof
JP2011204995A (ja) 大気圧プラズマ成膜装置及び方法
KR101765323B1 (ko) 플라즈마 발생 장치 및 기판 처리 장치
JP2006286705A (ja) プラズマ成膜方法及び成膜構造
KR101775361B1 (ko) 플라즈마 처리장치
JP4519695B2 (ja) 薄膜製造装置及び薄膜製造方法
JP2004193462A (ja) プラズマ処理方法
KR20100089541A (ko) 플라즈마 화학 기상 증착 장치
KR20210080555A (ko) 위상 제어를 사용하여 플라즈마 분배를 조절하기 위한 디바이스 및 방법
KR100785404B1 (ko) 유도 결합형 플라즈마 안테나 및 이를 이용한 기판 처리장치와 방법
KR101913377B1 (ko) 플라즈마 발생 장치 및 기판 처리 장치
JP5852878B2 (ja) 沿面放電型プラズマ生成器ならびにそれを用いた成膜方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111125

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees