JP4277683B2 - ロボット - Google Patents

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Description

技術分野
この発明は、サーボ系を制御停止の状態として、ロボットアームのブレーキ解除を行うロボットの制御装置の改良に関するものである。
背景技術
ロボットは、省力化・省人化のための搬送や組立用の装置として確固たる地位を築いており、自動車産業、家電産業、半導体産業等の製造産業の分野において多用されてきた。特に、ブレーキ解除の技術は、ロボットのアームを運搬時の姿勢まで移動させることにより梱包容積の減少に効果があり、また、ストローク範囲外への移動により制御が不能になった場合の復帰操作に効果があって、ロボットの基本的な技術となっている。
図16は、日本国特許公開平11−179691号公報に示され、ブレーキ解除を行うための従来の産業用ロボット制御装置ブロック図、図17はブレーキ制御のフローチャート、図18はブレーキ動作を示す状態図である。
以下、構成について説明する。図において1はロボット本体で、一関節当たり、11のモータ、12の位置検出器、13のブレーキの組を有している。2は制御装置で、動作プログラムによりロボット本体1を駆動制御するもので、21の中央処理装置、23のサーボ制御部、24のサーボアンプ部、25のブレーキ制御部、26のブレーキ駆動部を有している。3は手動操作装置で、作業者がロボット制御に必要な指令を与えるものである。
制御装置2の中の中央処理装置21は、ロボット本体1の位置制御や各種機能の指令を制御プログラムに基づいて生成する部分である。サーボ制御部23、サーボアンプ部24、モータ11は、サーボ制御系を構成するものである。サーボ系の制御時には移動または停止に関する指令がサーボ制御部23に与えられ、さらにサーボアンプ部24にその指令が引き渡され、最終的にモータ11にはロボットアーム(図示せず)を駆動する回転力が発生し、移動指令が無い場合、ロボットアームの自重とバランスし停止する。また移動指令があった場合は、ロボットアームの自重を相殺するよりも大きな回転力が発生して、ロボットアームは移動するように構成される。
また、モータ11には位置検出器12が取付けられる。位置検出器12はロボットアームのサーボ制御位置を認識するもので、実際にはモータ11の回転角度を検出して、サーボ制御部23とサーボアンプ部24にその出力信号をフィードバックし、その結果、ロボットアームは常に操作部3からの位置指令値を維持するように構成される。ブレーキ13は、モータ11の軸と一体、またはロボットアームとの間に取付けられる。27はブレーキ解除時間設定部、28はブレーキロック時間設定部である。ブレーキ解除時間設定部27およびブレーキロック時間設定部28は、ロボット制御装置のパラメータとして中央処理装置21のメモリ(図示せず)に割り当てられて、作業者により手動操作装置3等から変更ができるように構成される。ブレーキ駆動部26は、ブレーキ制御部25からの出力信号によりブレーキ13を実際に解除またはロックするように駆動させるものである。ブレーキ13の解除指令は,手動操作装置3にある解除操作スイッチ(図示せず)を押すことにより発生するように構成される。
次に動作を説明する。まず、ステップS71において中央処理装置21は手動操作装置3の解除操作スイッチの作動状態を判断する。ブレーキ解除指令の解除操作スイッチが「ON」の場合に、ステップS72へと進み中央処理装置21はサーボ系の制御停止処理を行う。すなわち、ブレーキ13のロック動作が行われ、サーボ制御部23、サーボアンプ部24およびモータ11への信号出力は停止され、ロボットアームはブレーキ13により停止する。次にステップS73においてブレーキ制御部25は、ブレーキ解除時間設定部27から解除時間データを読み出し、ブレーキ13を解除時間データに応じた時間のみ解除するようにブレーキ駆動部26に信号を出力する。解除時間経過後はステップS74に進み、ブレーキ制御部25はブレーキロック時間設定部28からロック時間データを読み出し、ブレーキ13をロック時間データに応じた時間のみロックするようにブレーキ駆動部26に信号を出力する。ロック時間経過後はステップS71の解除操作スイッチの作動状態判断に戻る。この結果、図18に示すように手動操作装置3の解除操作スイッチを作業者が押し続けている間、ブレーキ13の解除とロック動作が、それぞれの時間データに基づいて行われる。
また、解除操作スイッチが押されていない(OFF)場合、ステップS75の処理に進みサーボ系の制御中かを判断する処理が行われ、その後ステップS71に戻る。その結果、サーボ系の制御中は常にブレーキ13は解除された状態が続く。また、ステップS75においてサーボ制御動作中以外の状態の場合は、ステップS77のブレーキ13をロックする処理が行われ、後に、ステップS71の解除操作スイッチの作動状態判断へと戻る。
以上説明したように従来のロボットは、ブレーキ解除時間とロック時間を予め設定しておき、この設定時間に基づいてブレーキ13のロックと解除のシーケンスを繰り返すため、ブレーキ解除時のアームの移動速度は、その重量と姿勢および負荷などに大きく依存する。
例えば、アームの重量や負荷などを合成した重心が、ブレーキを開放しようとする関節の回転中心から見てほぼ水平位置にある場合は、関節回りのモーメントが最大となり、その結果、回転加速度も最大となってブレーキを解除したときにアームの移動速度は急激に増加する。
また、重心が関節の回転中心から見てほぼ垂直位置にある場合は、関節回りのモーメントがゼロに近くなり、ブレーキを解除しても、関節部の摩擦の存在によって作業者が力を加えないと、アームが移動を開始しない状態もある。
このように従来のロボットでは、アームの重量と姿勢および負荷条件などにより、ブレーキを解除した場合のアーム移動速度が急激に変化するため、ブレーキのロックと解除の時間設定を、作業者がアームの移動を監視しながら調整する必要があった。
また、ブレーキを解除した場合にアームが移動しない状態では、作業者が手でアームに力を加えて移動させるなどの操作が必要であり、さらに解除操作スイッチの操作も行う必要があって、1人で作業を行うことは困難であった。
発明の開示
この発明は、以上説明した問題点を解決するためになされたもので、ロボットアームの形状や姿勢および負荷条件が変化した場合でも、ブレーキ解除時のアームの移動速度や、制御プログラム実行周期内のアームの移動量が一定値以内になるように、ブレーキを制御することにより、アームの高速移動を抑制することが可能なロボットを得ることを目的としている。
さらに、この発明は、ロボットアームの形状や姿勢および負荷条件が変化した場合でも、ブレーキ解除時のアームの移動速度や制御プログラム実行周期内のアームの移動量が、上限値と下限値の間となるようにブレーキ制御することにより、アームの高速移動を抑制することが可能なロボットを得ることを目的としている。
さらに、この発明は、多関節ロボッットのようにロボットアームの姿勢により関節回りの回転モーメントが不足してアームが移動しない場合や、直交型ロボットの移動軸がほぼ水平に配置されていてブレーキを解除したとしても重力によりアームが移動しない場合にも、アームの移動が可能なロボットを得ることを目的とし、アーム等の自重で移動を開始した後であっても移動速度や制御プログラム実行周期内のアームの移動量が一定値に到達した場合には、ブレーキ制御を行ってアームの高速移動を抑制するロボットを得ることを目的としている。
さらに、この発明は、ロボットアームの姿勢および負荷条件に応じたブレーキ解除時間とブレーキロック時間を記憶させておいて、姿勢と負荷条件から最適のブレーキ解除時間とブレーキロック時間を読み出し、それらの時間に基づいて、ブレーキを制御することにより、アームの高速移動を抑制することが可能なロボットを得ることを目的としている。
また、ロボット先端部位の作業点の移動速度や制御プログラム実行周期内の作業点の移動量を所定値に制御することができるロボットを得ることを目的としている。
この発明に係るロボットは、サーボ系を制御停止の状態として、ロボットアームのブレーキ解除を行う場合に、位置検出器によりロボットアームの位置を検出し、移動位置および経過時間の変化量からアームの実移動速度を演算し、この実移動速度と許容移動速度とを比較して、ブレーキのロック信号または解除信号を駆動装置に送り、その結果、ブレーキの解除またはロックを行って、ロボットアームの移動速度を所定値以内に制御するようにしたものである。
さらに、この発明に係るロボットは、アームの移動速度の上限値と下限値を設定し、実移動速度が上限値を超えた場合にブレーキをロックし、下限値を下回った場合にブレーキを解除するようにし、ロボットアームの移動速度を上限値と下限値の間で制御するようにしたものである。
また、この発明に係るロボットは、ブレーキ解除を行う場合に、位置検出器によりロボットアームの移動位置を検出し、ブレーキ解除プログラムの実行周期中に移動するアームの移動量を求め、この移動量と設定移動量と比較してブレーキのロックおよび解除を制御するようにしたものである。
また、この発明に係るロボットは、モータ駆動補助スイッチを設け、「ON」の場合にブレーキを解除し、アームの許容移動速度に到達するまでモータを所定の方向に回転駆動させ、その後はロボットアームの移動速度を所定値以内に制御するようにしたものである。
この発明は、ロボットアームの形状や姿勢および負荷条件に応じたブレーキ解除時間とブレーキロック時間を予め記憶させておいて、姿勢と負荷条件から最適のブレーキ解除時間とブレーキロック時間を読み出し、それらの時間に基づいてブレーキを制御するようにしたものである。
また、設定されたロボット部位までの距離とアームの実移動速度から、ロボット部位の移動速度を演算し、許容移動速度と比較した結果によりブレーキの解除またはロックを行って、ロボットアームの移動速度を制御するようにしたものである。
この発明に係るロボットは以上のように構成されており、ロボットの負荷条件や姿勢が変化してもブレーキ解除時のアームの移動速度を正確に制御でき安全性の高いロボットを得ることができる。さらに、姿勢によりブレーキを解除してもアームが移動しない場合には、アームが移動する程度の回転トルクでアームを移動するように構成したので、1人でブレーキ解除操作が可能なロボットを得ることができる効果を奏する。
発明を実施するための最良の形態
実施の形態1.
図1は一般的なロボットの構成を示す図、図2はこの発明の実施の形態1であるロボットのブロック図である。図3は制御プログラム中のブレーキ解除処理を示すフローチャート、図4はブレーキロック・解除処理を行うサブプログラムのフローチャートを示す。図5はブレーキ解除スイッチの状態とブレーキ信号とアーム移動速度の関係を示す動作説明図である。
まず、構成について説明すると、1はロボット本体、2はロボットの各種制御を行う制御装置、3はロボットの操作を行うための手動操作装置である。
11はロボットのアームや支柱を駆動するモータ、12はモータ11の軸に設けられ、アームの姿勢位置を検出するための位置検出器である。13はモータ11の軸に設けられてロボット電源が切られた場合にアームの重力による移動を防止するためのブレーキである。以上で説明したモータ11、位置検出器12、ブレーキ13は従来例と同一のものである。
21は、ロボットの動作プログラムを解析処理してロボット本体1のアーム等の姿勢制御や、ブレーキ解除制御処理をはじめとする各種処理を行うための中央処理装置である。中央処理装置21は、記憶装置22内の制御プログラムに基づいて1秒間に数十回程度、周期にして数十ミリ秒の間隔毎に、制御プログラムと呼ばれる一連の位置制御や入出力処理を繰り返すように構成される。制御プログラムの実行中に、中央処理装置21がブレーキ13を解除するための解除操作スイッチの「ON」を検出すると、記憶装置22内のブレーキフラグFbのデータを「1」とし、さらに前回位置データXpを「0」とするように構成され、一方、ブレーキ解除指令が無くなるとブレーキフラグFbのデータを「0」とするように構成されている。そして、ブレーキフラグFbが「1」の場合に、図3に示すブレーキ解除処理のサブプログラムの処理を開始するように構成されている。
22は記憶装置で、動作プログラム、ロボットの制御に関する各種パラメータ、制御装置2内での処理を行う制御プログラムとそのサブプログラム、および、この発明のブレーキ解除処理を行うためのパラメータを記憶するものである。ブレーキ解除処理を行うためのパラメータとしては、アーム等の現在の位置と時間を表す現在位置データXcと現在時間データTc、前回処理を行った時の位置と時間を表す前回位置データXpと前回時間データTp、およびアーム等の許容移動速度データVsと実移動速度データVaが割り当てられる。
23は中央処理装置21からの移動指令によりロボットへの位置制御信号を発生するサーボ制御部、24はサーボ制御部23からの制御信号によりモータ11を駆動するサーボアンプ部である。25はブレーキの解除制御信号を生成するブレーキ制御部、26はブレーキ制御部25からの制御信号によりブレーキ13に駆動エネルギを供給するブレーキ駆動部である。
なお、図2では説明を簡単にするために、モータ11、位置検出器12、ブレーキ13、サーボアンプ部24およびブレーキ駆動部26の各1組を記載しているが、実際にはロボット本体1の所有する駆動部の数に応じた複数組のものが設けられるのは言うまでもない。
3は手動操作装置で、動作プログラムと各種パラメータの入力や、この発明におけるブレーキ解除処理を指令するためのキースイッチ類と、現在位置表示などを行う表示装置が設けられている。なお、ここでは図示しないが、手動操作装置3の入力や表示機能は、制御装置2の中にも併せて設けられる場合がある。
次に動作について図3から図5を用いて説明する。
作業者は、ブレーキ解除指令の前に手動操作装置3のキースイッチを操作し、アームの許容移動速度データVsを記憶装置22に記憶させておく。
まず図3の制御プログラムのステップS31において中央処理装置21は、解除操作スイッチが「ON」であることを検出すると、ステップS32の処理に進む。ステップS32ではサーボ制御部23からサーボアンプ部24への出力信号を停止し、モータ11への出力を禁止する。ただし、位置検出器12の位置検出動作は行われていて、アームの位置はサーボ制御部23を経由して記憶部22に現在位置データXc等として記憶される。
次にステップS33に進むが、以前に解除操作スイッチが「OFF」の状態であったときに、ステップS36においてブレーキフラグFbが「0」に設定されているので、初回だけはステップS34の処理に進む。ステップS34で中央処理装置21は、ブレーキフラグFbのデータを「1」とし、前回位置データXpを「0」とする。次にステップS35に進み、図4のブレーキ解除用のサブプログラムを呼び出す。このようにして、解除操作スイッチが「ON」である期間は、常に図4のサブプログラムが呼び出されてブレーキ解除処理が行われる。
なおステップS31において、中央処理装置21が解除操作スイッチの状態が「OFF」であることを検出した場合は、ステップS36に進み、ブレーキフラグFbを「0」とし、サーボ制御部23からサーボアンプ部24への出力信号を送り、ブレーキ11を解除して通常のサーボ系を制御状態としてから、図3のブレーキ解除処理プログラムを抜ける。
次に、図4で示されるブレーキ解除のサブプログラムが呼び出されたときの処理について説明する。
ステップS41において、まず前回位置データXpが「0」であるかをチェックし、「0」である場合、言い換えると解除操作スイッチが「OFF」から「ON」に切換わった最初の処理には、ステップS44に進み、前回位置データXpを現在位置データXcに、そして前回時間データTpを現在時間データTcに書換える。それからステップS46に進みブレーキ解除処理が行われる。ブレーキ解除処理は、その指令が中央処理装置21から、ブレーキ制御部25を通してブレーキ駆動部26に送られ、最終、ブレーキ13を解除するための駆動エネルギがブレーキ駆動部26から供給されて行われる。ステップS46のブレーキ解除処理が終わると一旦サブプログラムを抜ける。
制御プログラムの中から、次のブレーキ解除処理のサブプログラムが処理される場合について説明する。ステップS31で解除操作スイッチが「ON」のまま継続されていれば、ステップS32に進みサーボ系の制御停止処理が行われる。次のステップS33では、前回実行された制御プログラムのブレーキ解除処理のステップS34で、ブレーキフラグFbが「1」と設定されているので、2度目以降はステップS35に進んで、図4のブレーキ解除処理のサブプログラムが呼び出される。
2度目以降のサブプログラム呼び出しのステップS41では、前回位置データXpに前回処理したときの現在位置データXcが代入されているので前回位置データXpは「0」ではなくステップS42に進む。ステップS42では、前回処理した時点から今回処理した時点までの移動量ΔXおよび経過時間ΔTと実移動速度データVaを以下の式から求める。
ΔX=Xc−Xp
ΔT=Tc−Tp
Va=ΔX/ΔT
上記演算が終了した後は、次回のサブプログラムが呼び出された場合の移動量と速度を演算するために
Xp=Xc
Tp=Tc
と現在データを代入しておく。
次にステップS43に進み、実移動速度データVaが許容移動速度データVsよりも大きい場合は、ステップS45に進みブレーキをロックするように、一方、実移動速度データVaが許容移動速度データVsよりも小さい場合はステップS46に進みブレーキ13を解除するように制御が行われる。
以上説明した処理は図5の動作説明図に示すように行われる。まず、解除操作スイッチが「ON」となった場合に、アーム自重により移動を始めて許容移動速度データVsに到達するまでの間ブレーキ13が解除される。
なお、図においてアームの移動速度を直線で近似して示しているが、ブレーキ13が解除されたときのアーム移動速度が増加する割合はアームの姿勢により変化し、また、ブレーキ13がロックされて移動速度が減少する割合はブレーキ13の制止力とアーム等の慣性で決まる。
許容移動速度データVsに到達した後は、許容移動速度データVsの付近でブレーキ13のロックと解除処理が繰り返し行われる。解除操作スイッチが「OFF」となった場合は、直ちにサーボ系の制御状態に戻り、ブレーキ11の解除が行われ、現在位置データXcでアームが停止するようにサーボ位置制御が行われる。
以上説明したように、ブレーキ解除処理を行う場合に、アームの移動速度が許容移動速度に制限され、高速にアームが移動しないので、安全性の高いロボットを得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実移動速度を上限許容移動速度および下限許容移動速度と比較し、上限値を超えた場合にブレーキロック処理を行い、下限値を下回ったときにブレーキ解除処理を行い、上限値と下限値の中間の場合は前回の処理を継続するようにしたもので、構成は実施の形態1と同一である。
実施の形態2における制御プログラムは実施の形態1における図3のフローチャートと同一で、サブプログラムのフローチャートは図6で示すように実施の形態1と比較し一部の処理が異なる。なお、実施の形態1の図4と同一の処理であるステップは同じステップ番号を用いている。図7は実施の形態2におけるブレーキ解除スイッチの状態とブレーキ信号とアーム移動速度の関係を示す動作説明図である。
以下、実施の形態1と異なる部分を、フローチャートを用いて説明する。なお、ブレーキ解除処理の起動に当たり、上限許容移動速度データVSHおよび下限許容移動速度データVSLは、予め作業者が手動操作装置3から記憶部22に入力しておくものとする。
ステップS42で実移動速度データVaを求めた後、ステップS51に進み、実移動速度データVaと下限許容移動速度データVSLを比較し、実移動速度データVaが小さい場合は、ステップS46に進みブレーキ解除処理を行う。また実移動速度データVaが大きい場合は、ステップS52に進む。ステップS52では、実移動速度データVaと上限許容移動速度データVSHを比較し、実移動速度データVaが大きい場合は、ステップS45に進みブレーキロック処理を行う。また実移動速度データVaが小さい場合は、このサブプログラムを抜けるため前回処理したステップS45のブレーキロック処理またはステップS46のブレーキ解除処理が継続される。
実施の形態2は、実施の形態1に比較して、ブレーキロックおよびブレーキ解除の処理間隔が図7で示すように大きくなって、ブレーキ13のロックと解除のチャタリングの頻度を減少させることができる。
実施の形態3.
実施の形態3は、サーボ系を制御停止の状態として、ロボットアームのブレーキ解除を行う場合に、位置検出器によりロボットアームの移動位置を検出し、ブレーキ解除プログラムの実行周期中に移動したアーム移動量を求め、このアーム移動量と設定移動量と比較してブレーキのロックおよび解除を制御するようにしたもので、構成は実施の形態1と同一である。
実施の形態3における制御プログラムは実施の形態1における図3のフローチャートと同一で、サブプログラムのフローチャートは図8で示すように実施の形態1と比較して一部の処理が異なっている。なお、実施の形態1の図4と同一の処理であるステップは同じステップ番号を用いている。
以下、ブレーキ解除用のサブプログラム中の異なる部分について説明する。
解除操作スイッチが「OFF」から「ON」に切り換えられた最初のサブプログラムの呼び出しでは、前回位置データXpが「0」に設定されているので、ステップS41からステップS55に進む。ステップS55では、前回位置データXpに現在位置データXcを代入し、ステップS46に進みブレーキ解除処理を行ってサブプログラムを抜ける。
2回目以降のサブプログラムの呼び出しでは、前回位置データXpとして、前回処理時の現在位置データXcがステップS55において代入されているため、ステップS41の判断はステップS53に進む。ステップS53では、実移動量ΔXを現在位置データXcと前回位置データXpとの差から求める。そしてステップS54において、実移動量ΔXと設定移動量Xsとを比較して、実移動量ΔXが大きい場合はステップS45のブレーキロック処理が行われ、実移動量ΔXが小さい場合はステップS46のブレーキ解除処理が行われる。
以上説明したように、解除操作スイッチが「ON」の場合には、アームが自重により移動を始めて、制御プログラムの実行処理1回当たりの実移動量ΔXが設定移動量Xsに到達するまでの間、ブレーキ13が解除される。その後、設定移動量Xsを基準にブレーキ13のロックと解除処理が行われる。解除操作スイッチが「OFF」となった場合は、直ちにサーボ系の制御状態に戻り、ブレーキ11の解除が行われ、現在位置データXcでアームが停止するようにサーボ位置制御が行われる。
実施の形態3では、制御プログラムの実行が1秒間に数十回程度、周期にして数十ミリ秒の間隔毎に行われ、経過時間ΔTがほぼ一定の時間間隔となることを利用しているので、中央処理装置21による経過時間ΔTの演算処理を省略できる。
また、設定移動量Xsを直接パラメータとして設定するだけでなく、許容移動速度データVsを入力することにより、中央処理装置21により設定移動量Xsを求めて記憶部22に記憶させるように構成することも可能である。さらに、位置検出器12からサーボ制御部23へ送られる位置信号であるパルス数を設定移動量Xsの代わりに用いるように構成することも可能である。
実施の形態4.
実施の形態4は、多関節ロボットのようにロボット本体1のアームの姿勢や負荷などを合成した重心が関節から見てほぼ垂直位置にあって、関節回りのモーメントがゼロ付近であった場合や、直交型ロボットの移動軸がほぼ水平に配置されていてアームが移動しない場合に、ブレーキ13を解除しても、作業者が力を加えないとアームが移動を開始しない現象を回避するためのもので、モータ補助回転スイッチが「ON」の場合にアームの実移動速度データVaが許容移動速度データVsになるまで、モータ11の回転動作を行わせるようにしたものである。
実施の形態4における制御プログラムは、実施の形態1における図3のフローチャートと同一で、サブプログラムのフローチャートが図9で示すように実施の形態1と比較し一部の処理が異なる。なお、実施の形態1と同一の処理であるステップは同じステップ番号を用いている。
以下、ブレーキ解除用のサブプログラム内の異なる部分について説明する。
2回目以降のサブプログラムの呼び出しでは、前回位置データXpが「0」以外の値が代入されているため、ステップS41の判断はステップS42に進む。ステップS42では、前回処理した時点から今回処理した時点までの移動量ΔXおよび経過時間ΔTと実移動速度データVaを以下の式から求める。
ΔX=Xc−Xp
ΔT=Tc−Tp
Va=ΔX/ΔT
上記演算が終了した後は、次回のサブプログラムが呼び出された場合の移動量と速度を演算するために
Xp=Xc
Tp=Tc
と現在データを代入しておく。
次にステップS43に進み、実移動速度データVaが許容移動速度データVsよりも大きい場合は、ステップS45に進みブレーキロック処理を行った後、サブプログラムを抜ける。実移動速度データVaが許容移動速度データVsよりも小さい場合はステップS56に進む。モータ補助回転スイッチが「ON」であればステップS57に進み、ブレーキ解除処理の後、モータ11にはアームが移動する程度の一定トルクが加えられた後、サブプログラムを抜ける。また、ステップS56においてモータ補助回転スイッチが「OFF」であればステップS46に進み、ブレーキ解除処理を実行してサブプログラムを抜ける。
以上説明したように、モータ補助回転スイッチが「ON」の場合には、アームが自重により自走を始めて許容移動速度データVsに到達するまでの間、モータ11によるアームの補助移動動作が行われる。また、モータ補助回転スイッチが「OFF」でアームが停止した状態が続く場合であっても、作業者が力を加えてアームを任意に移動させることもできる。
なお、モータ11に加える補助移動用のトルクは、アームが移動を開始する程度の一定トルクで制御するように構成すれば、誤操作により作業者がストロークエンドまでモータ11を回転させたとしても、ロボット本体1が機械的に破損することは無い。
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態1と同様に、位置検出器によりロボットアームの移動位置を検出し、移動位置および経過時間の変化量からアームの実移動速度を演算する。ただし、実施の形態5は、実移動速度とアーム先端部の作業点との距離からアーム先端部の作業点の移動速度を求め、それを許容移動速度と比較して、アーム先端部の作業点の移動速度が大きい場合にブレーキロック処理を行い、小さい場合にブレーキ解除処理を行うようにした点で異なっている。
従って、実施の形態5における制御プログラムは、実施の形態1における図3のフローチャートと同一で、サブプログラムのフローチャートは図10で示すように実施の形態1と比較し一部の処理が異なる。
図11および図12は、ロボット本体1において、ブレーキ解除を行う関節部Xからアーム先端部の作業点(A点で示す)までの距離Lを説明する説明図である。X、X、Xは、それぞれの関節部座標データ、L、L、Lは、第1アーム14、第2アーム15、手首軸16の関節間の距離または関節と作業点間の距離を示す。θは第1アーム14と水平面とのなす角度、θ、0は各関節部のアーム間のなす角度を表している。17は負荷、18はロボット支柱、Wは負荷の重量である。
以下、実施の形態1と異なる処理を、フローチャートを用いて説明する。なお、ブレーキ解除処理の起動に当たり、許容移動速度データVs、先端部あるいは負荷の中心までの距離Lは、予め作業者が手動操作装置3から記憶部22に入力しておくものとする。
まず、図10で示されるフローチャートの2度目のサブプログラム呼び出しのステップS41では、実施の形態1と同様に、前回位置データXpに前回処理したときの現在位置データXcが代入されているので前回位置データXpは「0」ではなくステップS58に進む。ステップS58では、前回処理した時点から今回処理した時点までの移動量ΔXおよび経過時間ΔTと実移動速度データVaと移動速度データVを以下の式から求める。
ΔX=Xc−Xp
ΔT=Tc−Tp
Va=ΔX/ΔT
V =Va×L
上記演算が終了した後は、次回のサブプログラムが呼び出された場合の移動量と速度を演算するために
Xp=Xc
Tp=Tc
と現在データを代入しておく。
次にステップS59に進み、移動速度データVが許容移動度データVsよりも大きい場合は、ステップS45に進みブレーキをロックするように、一方、移動速度データVが許容移動速度データVsよりも小さい場合はステップS46に進みブレーキ13を解除するように制御が行われる。
以上の説明では、作業者が距離Lを入力する場合について述べたが、距離Lを関節間の距離L、L、L、各関節間のなす角度θ、θ、θから演算により求めるように構成すれば、作業者の距離Lの入力作業を省略できる。
実施の形態6.
実施の形態6は、ロボット本体1のアーム姿勢および負荷状態とブレーキ解除処理のロック時間および解除時間とを関連付けて記憶部22に記憶し、記憶したロック時間と解除時間に従ってブレーキ13を制御するようにしたものである。
図13は実施の形態6であるブレーキ解除用の制御プログラムのフローチャート、図14は多関節ロボットの関節部の状態を説明する外形図、図15は記憶部22に記憶させるロック時間と解除時間の表を示す。
図14は、実施の形態6の各種パラメータを説明するためのロボット本体1の外形図を示し、14は第1アーム、15は第2アーム、16は手首軸である。17は負荷でロボットにおいては搬送物に相当する。18は支柱で第1アーム14を回転支持するものである。
は、支柱18と第1アームとの関節部が角度θで示される状態のときの、制御装置2で管理される関節座標データを表す。具体的な座標設定としてはθ=Xとしても良いが、θ=X+αの関係式で表される。なお、αは一般にストロークエンドを「0」と規定する場合が多い。同様に、Xは、第1アーム14と第2アーム15との関節部が角度θで示される状態のときの座標データ、Xは第2アーム15と手首軸16との関節部が角度θで示される状態のときの座標データを表す。
図15の表は、アームの姿勢を表す第1関節の座標データXをAからFまでの5区分に、また第2関節の回転位置XをA〜Eまでの4区分に、第3関節の回転位置XをA〜Cまでの2区分に分割し、さらに、負荷17の荷重Wを0、2、4kgの3区分に分割して、各区分に最適なブレーキの解除時間TBRnとロック時間TBLnのデータが関連付けられている。これらの表のデータは記憶部22に関連付けて記憶されて、第1関節から第3関節までの位置データX、X、Xと荷重Wの入力データとから、ブレーキの解除時間TBRnとロック時間TBLnが、中央処理装置21によって容易に検索・読み出し可能に構成されている。
次に動作について図13のフローチャートを用いて説明する。
制御プログラム中のブレーキ解除プログラムが呼び出されると、ステップS61で解除操作スイッチの状態を判断し、「OFF」であればステップS69に進み、設定ブレーキロック時間TBLと設定ブレーキ解除時間TBRに「−1」を設定しブレーキ解除処理を抜ける。ステップS61で解除操作スイッチが「ON」である場合には、ステップS62に進み、サーボアンプ部24からモータ11への出力を停止するサーボ出力停止処理が行われる。次にステップS63に進み、設定ブレーキロック時間TBLと設定ブレーキ解除時間TBRの値が共にマイナスかどうかを判断する。解除操作スイッチが「OFF」から「ON」に切り換えられた直後は、共にマイナスであるためステップS64に進み、各関節の現在位置X、X、Xと入力された負荷情報Wに基づき、最も近い条件の設定ブレーキロック時間TBLnと設定ブレーキ解除時間TBRnを読み出し、
BL=TBLn
BR=TBRn
のように設定する。
次にステップS68に進みブレーキ解除処理が行われ、設定ブレーキ解除時間TBRから次回処理までに要する時間ΔTを減算してブレーキ解除処理プログラムを抜ける。ステップS68のブレーキ解除処理は設定ブレーキ解除時間TBRが経過するまで繰り返される。ステップS65で設定ブレーキ解除時間TBRがマイナス、すなわちブレーキ解除処理が終わった後は、ステップS66に進み、ブレーキロック時間TBLが経過するまでステップS67のブレーキロック処理が繰り返される。
ステップS68のブレーキ解除処理とステップS67のブレーキロック処理の1サイクルが完了すると、再度、ステップS64に進み、各関節の現在位置と入力された負荷情報に基づき、新しい設定ブレーキロック時間TBLと設定ブレーキ解除時間TBRを読み出して、ブレーキ解除処理が繰り返し行われる。
以上説明したように、ロボット本体1の各関節の現在位置の座標値と入力された負荷から、記憶部22に記憶された最適な設定ブレーキロック時間TBLnと設定ブレーキ解除時間TBRnを呼び出してブレーキ解除処理を行うので、実施の形態1や実施の形態3のように、現在位置データXc、前回位置データXp、現在時間データTc、前回時間データTpなどから実回転速度データVaを求めるなどの演算を行わなくて済み、処理を簡略化できる。
なお、ブレーキの解除・ロック制御を行うにあたり、移動速度を許容移動速度で比較したり、あるいは、制御プログラム実行周期内の移動量を許容移動量と比較したり、また、許容移動速度あるいは許容移動量に上限値と下限値を設けて比較したりする技術を、以上で説明した各実施の形態において、適宜入れ替えたり、または、2つ以上を組合せて用いることもできる。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明に係るロボットは、ブレーキ解除を行ってアームをストローク範囲外へ移動、あるいは、ストローク範囲外から範囲内に移動するのに適している。
【図面の簡単な説明】
図1は、一般的なロボットの構成を示す説明図である。
図2は、この発明の実施の形態を示すブロック図である。
図3は、制御プログラム中のブレーキ解除処理を示すフローチャートである。
図4は、実施の形態1のブレーキ解除処理を示すサブプログラムのフローチャートである。
図5は、実施の形態1の動作説明図である。
図6は、実施の形態2のブレーキ解除処理を示すサブプログラムのフローチャートである。
図7は、実施の形態2の動作説明図である。
図8は、実施の形態3のブレーキ解除処理を示すサブプログラムのフローチャートである。
図9は、実施の形態4のブレーキ解除処理を示すサブプログラムのフローチャートである。
図10は、実施の形態5のブレーキ解除処理を示すサブプログラムのフローチャートである。
図11は、実施の形態5のロボットにおけるアーム先端部あるいは負荷までの距離Lを説明する説明図である。
図12は、実施の形態5のロボットにおけるアーム先端部あるいは負荷までの距離Lを説明する説明図である。
図13は、実施の形態6に関するブレーキ解除用制御プログラムのフローチャートである。
図14は、多関節ロボットの関節部の状態を説明する外形図である。
図15は、実施の形態6の記憶部22に記憶させるロック時間と解除時間の表である。
図16は、従来のブレーキ解除を行う産業用ロボット制御装置のブロック図である。
図17は、従来のブレーキ解除処理を示すプログラムのフローチャートである。
図18は、従来のブレーキ動作を示す状態図である。

Claims (10)

  1. ロボットアームを移動駆動するための駆動装置と、
    上記ロボットアームの位置を検出する位置検出器と、
    上記ロボットアームの静止姿勢を維持するためのブレーキ装置と、
    サーボ制御停止とし、上記ブレーキ装置を解除するための解除スイッチとを備えたロボットにおいて、
    上記解除スイッチからの指令があった場合に、上記位置検出器からの位置変化量と経過時間をもとに移動速度を演算するとともに、予め指定された許容移動速度と比較して、上記移動速度が大きい場合はブレーキをロックし、上記移動速度が小さい場合はブレーキを解除するように構成したことを特徴とするロボット。
  2. ロボットアームを移動駆動するための駆動装置と、
    上記ロボットアームの位置を検出する位置検出器と、
    上記ロボットアームの静止姿勢を維持するためのブレーキ装置と、
    サーボ制御停止とし、上記ブレーキ装置を解除するための解除スイッチとを備えたロボットにおいて、
    上記解除スイッチからの指令があった場合に、上記位置検出器の変化量から制御プログラム実行周期内の移動量を求め、予め指定された許容移動量と比較して、上記移動量が大きい場合はブレーキをロックし、上記移動量が小さい場合はブレーキを解除するように構成したことを特徴とするロボット。
  3. ロボットアームを移動駆動するための駆動装置と、
    上記ロボットアームの位置を検出する位置検出器と、
    上記ロボットアームの静止姿勢を維持するためのブレーキ装置と、
    サーボ制御停止とし、上記ブレーキ装置を解除するための解除スイッチと、
    上記解除スイッチによるサーボ制御停止時に、上記駆動装置を回転させ、上記ロボットアームを移動させるかどうかを切り換える補助回転スイッチとを備えたロボットにおいて、
    上記解除スイッチからの指令があった場合で、かつ、上記補助回転スイッチがロボットアームを移動するように切り換えられた場合に、上記位置検出器からの位置変化量と経過時間をもとに移動速度を演算して、予め指定された許容移動速度と比較して、上記移動速度が大きい場合はブレーキをロックし、上記移動速度が小さい場合はブレーキを解除するとともに上記駆動装置を所定のトルクで移動させるように構成したことを特徴とするロボット。
  4. ロボットアームを移動駆動するための駆動装置と、
    上記ロボットアームの位置を検出する位置検出器と、
    上記ロボットアームの静止姿勢を維持するためのブレーキ装置と、
    サーボ制御停止とし、上記ブレーキ装置を解除するための解除スイッチと、
    上記解除スイッチによるサーボ制御停止時に、上記駆動装置を回転させ、上記ロボットアームを移動させるかどうかを切り換える補助回転スイッチとを備えたロボットにおいて、
    上記解除スイッチからの指令があった場合で、かつ、上記補助回転スイッチがロボットアームを移動するように切り換えられた場合に、上記位置検出器の変化量から制御プログラム実行周期内の移動量を求め、予め指定された許容移動量と比較して、上記移動量が大きい場合はブレーキをロックし、上記移動量が小さい場合はブレーキを解除するように構成したことを特徴とするロボット。
  5. ロボットアームを移動駆動するための駆動装置と、
    上記ロボットアームの位置を検出する位置検出器と、
    上記ロボットアームの静止姿勢を維持するためのブレーキ装置と、
    サーボ制御停止とし、上記ブレーキ装置を解除するための解除スイッチとを備えたロボットにおいて、
    上記解除スイッチからの指令があった場合に、予め設定されたロボット部位までの距離と、位置検出器からの位置変化量と経過時間より求めた移動速度から、上記ロボット部位における移動速度を演算し、予め設定された許容移動速度と比較して、上記移動速度が大きい場合はブレーキをロックし、上記移動速度が小さい場合はブレーキを解除するように構成したことを特徴とするロボット。
  6. ロボットアームを移動駆動するための駆動装置と、
    上記ロボットアームの位置を検出する位置検出器と、
    上記ロボットアームの静止姿勢を維持するためのブレーキ装置と、
    サーボ制御停止とし、上記ブレーキ装置を解除するための解除スイッチとを備えたロボットにおいて、
    上記解除スイッチからの指令があった場合に、予め設定されたロボット部位までの距離と、制御プログラム実行周期内の位置検出器からの位置変化量から、上記ロボット部位における移動量を演算し、予め設定された許容移動量と比較して、上記移動量が大きい場合はブレーキをロックし、上記移動量が小さい場合はブレーキを解除するように構成したことを特徴とするロボット。
  7. ロボットアームを移動駆動するための駆動装置と、
    上記ロボットアームの位置を検出する位置検出器と、
    上記ロボットアームの静止姿勢を維持するためのブレーキ装置と、
    サーボ制御停止とし、上記ブレーキ装置を解除するための解除スイッチとを備えたロボットにおいて、
    上記解除スイッチからの指令があった場合に、上記アームの長さおよびその姿勢を表す上記位置検出器からの現在位置および位置変化量と経過時間より求めたアーム先端部の作業点の移動速度と、予め設定された許容移動速度と比較して、上記移動速度が上記許容移動速度よりも大きい場合はブレーキをロックし、上記移動速度が上記許容移動速度よりも小さい場合はブレーキを解除するように構成したことを特徴とするロボット。
  8. 上記許容移動速度として上限値と下限値とを設け、上記移動速度が上記許容移動速度の上限値よりも大きい場合はブレーキをロックし、上記移動速度が上記許容移動速度の下限値よりも小さい場合はブレーキを解除し、上記移動速度が上記許容移動速度の上限値と下限値の間の場合は前回のブレーキ処理がブレーキロック処理であればブレーキロック処理を継続し前回のブレーキ処理がブレーキ解除処理であればブレーキ解除処理を継続するように構成したことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項5または請求項7のいずれかに記載のロボット。
  9. ロボットアームを移動駆動するための駆動装置と、
    上記ロボットアームの位置を検出する位置検出器と、
    上記ロボットアームの静止姿勢を維持するためのブレーキ装置と、
    サーボ制御停止とし、上記ブレーキ装置を解除するための解除スイッチとを備えたロボットにおいて、
    上記解除スイッチからの指令があった場合に、上記アームの長さおよびその姿勢を表す上記位置検出器からの現在位置および位置変化量と経過時間より求めたアーム先端部の作業点の移動量と、予め設定された許容移動量と比較して、上記移動量が上記許容移動量よりも大きい場合はブレーキをロックし、上記移動量が上記許容移動量よりも小さい場合はブレーキを解除するように構成したことを特徴とするロボット。
  10. 上記許容移動量として上限値と下限値とを設け、上記移動量が上記許容移動量の上限値よりも大きい場合はブレーキをロックし、上記移動量が上記許容移動量の下限値よりも小さい場合はブレーキを解除し、上記移動量が上記許容移動量の上限値と下限値の間の場合は前回のブレーキ処理がブレーキロック処理であればブレーキロック処理を継続し前回のブレーキ処理がブレーキ解除処理であればブレーキ解除処理を継続するように構成したことを特徴とする請求項2、請求項4、請求項6または請求項9のいずれかに記載のロボット。
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