JP7285668B2 - ロボット及びそのブレーキ制御プログラム - Google Patents
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Description
このように構成されるロボットの制御装置では、ロボットアームの過大な移動を抑えることができ、更にロボットアームの移動位置の微調整やロボットアームのスムーズな移動を行うことができる。
以下、図1~図4を用いて、本発明の第1実施の形態に係るロボット及びそのブレーキ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムについて説明する。
ここで、図中、適宜示されている矢印Xは三次元座標のX軸方向を示し、矢印YはY軸方向を示し、矢印ZはZ軸方向を示している。Y軸方向は水平面においてX軸方向に対して直交し、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向に対して直交している。なお、これらの各方向は、実施の形態を説明するために便宜的に使用される方向であって、本発明における方向を限定するものではない。
図1に示されるように、本実施の形態に係るロボット1は、水平多関節ロボットとして構成されている。すなわち、ロボット1は、複数のロボットアーム21~24及び複数の関節部31~34を含んで構成されるロボット本体11と、ブレーキ制御部4とを備えている。
以下、各構成要素について、詳述する。
図1に示されるように、ロボット本体11において、ロボットアーム21は、図示省略のベース部から上方向となるZ軸方向へ立設され、ここでは円筒形状に形成されている。ロボットアーム21の上端部には回転関節として関節部31が配設されている。ここでは、関節部31、32及び34は機能だけを簡潔に説明し、その詳細な構成の説明は省略する。
詳しく説明すると、関節部33は、図2に示されるように、ロボットアーム24の側面に沿って垂直方向に延設されたラック331と、このラック331に噛み合うピニオン332とを備えている。そして、ピニオン332の回転中心には、回転駆動源としての電動モータ334の回転軸333が連結されている。
すなわち、関節部33では、電動モータ334を回転駆動させることにより、ラックアンドピニオン機構を介してロボットアーム24を垂直方向へ上昇又は下降させることができる。
ここでは、関節部33により上下方向へ移動が制御されるロボットアーム24のブレーキ制御システム並びにブレーキ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムについて説明する。関節部33以外の関節部31等により移動が制御されるロボットアーム22等についても、ブレーキ制御システム並びにプログラムは基本的に同様であるので、説明は省略する。
一方、ロボット本体11において、関節部33の電動モータ334にはロボットアーム24の上下方向の移動を制動するブレーキ部335が配設されている。本実施の形態では、ブレーキ部335として電磁ブレーキが使用され、電動モータ334にブレーキ部335が内蔵されている。
加えて、電動モータ334には、その回転軸333の角度を検出してロボットアーム24の上下方向の位置(高さ位置)を検出する位置検出部45が配設されている。位置検出部45には例えばエンコーダが使用されている。
また、電動モータ334が回転すると、ロボットアーム24の上下方向の位置が位置検出部45により検出される。この検出部された位置情報はサーボドライバ43を通してモータコントロールドライバ42へ出力される。モータコントロールドライバ42では、位置情報が取得される。
さらに、ブレーキスイッチ44の操作による、ブレーキ部335の作動の解除を含む操作情報はモータコントロールドライバ42へ出力される。
モータコントロールドライバ42は移動制御情報をサーボドライバ43へ出力し、サーボドライバ43は電動モータ334を駆動する。作動解除情報はモータコントロールドライバ42からサーボドライバ43へ出力され、サーボドライバ43はブレーキ部335を制御する。
また、ホストコンピュータ41では、位置検出部45により検出された位置情報がサーボドライバ43、モータコントロールドライバ42のそれぞれを通して入力される。加えて、ブレーキスイッチ44からの操作情報がモータコントロールドライバ42へ出力され、モータコントロールドライバ42は操作情報をブレーキ部335の作動を解除する作動解除指令としてホストコンピュータ41へ出力する。
位置情報としては、ホストコンピュータ41に内蔵された図示省略のエンコーダ算出回路において、角度情報からロボットアーム24の高さ位置情報へ変換された位置情報が使用される。
基準値は、ホストコンピュータ41に内蔵された記憶部441に予め格納されている。本実施の形態では、記憶部441に格納された基準値として、前回の高さ調整作業において検出された位置情報(高さ位置情報)が使用されている。表現を代えれば、基準値には、ブレーキスイッチ44の操作により生成される作動解除指令の、モータコントロールドライバ42からホストコンピュータ41への発令前に、記憶部441に記憶された位置情報が使用されている。
なお、記憶部441としては、ホストコンピュータ41に外付けされた記憶装置を使用することができる。
図1~図3を参照しつつ、図4を用いて、ロボット1のブレーキ制御方法並びにこのブレーキ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムについて説明する。
ロボット1のブレーキ制御方法が開始されると、最初に、ロボット1の電源が投入され、図1に示されるロボットアーム24の現在の高さ位置情報が初期化される(ステップS1)。
作動の解除の要求がないと判定されたとき、ブレーキ部335が作動する(ステップS9)。これにより、ロボットアーム24はブレーキ部335により制動される。そして、高さ調整作業が終了したか否かが判定される(ステップS8)。高さ調整作業が終了したと判定されると、このブレーキ制御方法が終了する。高さ調整作業が終了していないと判定されると、ステップS2の処理へ戻る。
引き続き、ロボットアーム24のブレーキ部335が作動しているか否かが判定される(ステップS4)。ブレーキ部335が作動していると判定されると、ブレーキ部335の作動が解除される(ステップS5)。
このとき、ステップS3において取得された位置情報、すなわちロボットアーム24の現在の高さ位置情報が記憶部441に記憶される(ステップS6)。この記憶された位置情報は、次回の高さ調整作業において、「基準値」として使用される。
そして、待機状態となり、ブレーキ部335の作動が解除された状態が一定の時間維持される(ステップS7)。ここで、一定の時間(待機時間)は例えば200 [msec]に設定されている。待機状態の後、処理はステップS8へ移行する。
ステップS10は、ステップS2におけるブレーキ部335の作動を解除する要求がある状態とされる。つまり、ステップS10では、図3に示されるブレーキスイッチ44が操作され、モータコントロールドライバ42からホストコンピュータ41へ「作動解除指令」が発令されている状態である。
一方、ステップS10において、高さ位置情報が基準値を超えるとき、処理が、直接、ステップS6へ移行する。
また、ステップS10において、高さ位置情報が基準値を超えるとき、言い換えれば前回の高さ位置よりも上がっている場合に作動解除指令に対して、ブレーキ部335の作動が解除される。つまり、基準値を超えるとき、ロボットアーム24は上方向への移動となっているので、ブレーキ部335の作動が解除されると、特定の方向としての上方向へのロボットアーム24の移動がスムーズに行える。
以上説明したように、本実施の形態に係るロボット1は、図3に示されるように、位置検出部45と、ブレーキ部335と、ブレーキ制御部4とを備える。位置検出部45は、図1及び図2に示されるロボットアーム24の高さ位置を検出する。ブレーキ部335は、上下方向へ移動するロボットアーム24を制動する。
ここで、ブレーキ制御部4は、位置検出部45により検出された高さ位置に基づいて、ブレーキ部335の作動とこの作動の解除とを交互に行う。このため、特定の方向として上方向において、ブレーキ部335の作動を解除することができるので、上方向へはロボットアーム24をスムーズに移動させることができる。
このため、特定の方向として、高さ位置が基準値を超える上方向において、ブレーキ部335の作動が解除されるので、上方向へは図1及び図2に示されるロボットアーム24をスムーズに移動させることができる。
このため、作動解除指令の発令前に記憶された位置情報を基準として、特定の方向(例えば、高さ方向)へロボットアーム24をスムーズに移動させることができる。
このため、ブレーキ部335を解除してロボットアーム24を特定の方向としての上方向へ移動させる際に、スムーズにロボットアーム24を移動させることができるプログラムを提供することができる。
図5及び図6を用いて、本発明の第2実施の形態に係るロボット1及びそのブレーキ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムについて説明する。
なお、本実施の形態において、第1実施の形態に係るロボット1の構成要素と同一又は実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図5に示されるように、本実施の形態に係るロボット1は、垂直多関節ロボットとして構成されている。すなわち、ロボット1は、複数のロボットアーム51~55及び複数の関節部61~66を含んで構成されるロボット本体11と、ブレーキ制御部4とを備えている。
以下、各構成要素について、詳述する。
図5に示されるように、ロボット本体11において、図示省略のベース部上に回転関節としての関節部61が配設されている。関節部61は、矢印Eに示す水平方向において、ベース部に対して回転する構成とされている。関節部61にはロボットアーム51の下端部が連結されている。ロボットアーム51は関節部61から上方向へ立設され、ここでも円筒形状に形成されている。ロボットアーム51の上端部には回転関節としての関節部62が配設されている。
一方、関節部62、63、65のそれぞれの構成は、第1実施の形態に係る関節部32と同一又は実質的に同一の構成とされている。図6に示されるように、関節部62は電動モータ621を備え、電動モータ621の回転軸が直接、又は図示省略の減速機を介してロボットアーム52の一端部に連結されている。関節部63、65のそれぞれの構成は関節部62の構成と同一であるので、その構成の説明は省略する。
本実施の形態では、上下方向へ移動するロボットアーム52、53、55のそれぞれの制動の制御に、第1実施の形態に係るブレーキ制御部4、ブレーキ制御方法及びプログラムと同様のブレーキ制御部4、ブレーキ制御方法及びプログラムが適用されている。
すなわち、本実施の形態に係るブレーキ制御部4は、前述の図3に示されるホストコンピュータ41、モータコントロールドライバ42及びサーボドライバ43を含んで構成されている。ロボット本体11においては、図3に示されるブレーキスイッチ44が配設され、関節部62の電動モータ621には、ブレーキ部335に相当するブレーキ部、位置検出部45に相当する位置検出部が配設されている。関節部63、65のそれぞれの図示省略の電動モータは電動モータ621と同一の構成とされている。
また、ブレーキ制御方法並びにブレーキ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、第1実施の形態に係るブレーキ制御方法並びにプログラムと同一であるので、ここでの説明は省略する。
以上説明したように、本実施の形態に係るロボット1によれば、第1実施の形態に係るロボット1により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施の形態に係るロボット1のブレーキ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムによれば、第1実施の形態に係るプログラムにより得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、本発明は、ロボットアームを矩形筒形状に形成してもよい。また、本発明は、ロボットアームの上下方向の移動に対するブレーキ制御方法に限らず、水平方向、斜め方向、回転方向のそれぞれの方向の移動に対するブレーキ制御方法であってもよい。
11 ロボット本体
21~24、51~55 ロボットアーム
31~34、61~66 関節部
334、621 電動モータ
335 ブレーキ部
4 ブレーキ制御部
41 ホストコンピュータ
42 モータコントロールドライバ
43 サーボドライバ
44 ブレーキスイッチ
45 位置検出部
Claims (5)
- ロボットアームの位置を検出する位置検出部と、
前記ロボットアームを制動するブレーキ部と、
前記位置検出部により検出された前記位置に基づいて、前記ブレーキ部の作動とこの作動の解除とを交互に行うブレーキ制御部と、を備え、
前記ブレーキ制御部は、前記位置と基準値とを比較し、前記ブレーキ部の作動を解除する指令があった場合において、前記位置が前記基準値以下のとき、前記ブレーキ部の作動とこの作動の解除とを交互に行い、前記基準値を超えるとき、前記ブレーキ部の作動を解除するロボット。 - 前記位置を位置情報として記憶する記憶部を更に備え、
前記基準値は、前記指令前に前記記憶部に記憶された前記位置情報とされている
請求項1に記載のロボット。 - 前記ロボットアームは、水平多関節ロボットの、上下方向に移動するロボットアームである
請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のロボット。 - 前記ロボットアームは、垂直多関節ロボットの、関節部を中心として上下方向へ回転移動するロボットアームである
請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のロボット。 - 位置検出部と、ブレーキ部と、ブレーキ制御部とを備えるロボットのブレーキ制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記位置検出部が、ロボットアームの位置を検出する工程と、
前記ブレーキ部が、前記ロボットアームを制動する工程と、
前記ブレーキ制御部が、前記位置検出部により検出された前記位置と基準値とを比較し、前記ブレーキ部の作動を解除する指令があった場合において、前記位置が前記基準値以下のとき、前記ブレーキ部の作動とこの作動の解除とを交互に行い、前記基準値を超えるとき、前記ブレーキ部の作動を解除する工程と、
を備えたプログラム。
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