JP4277484B2 - 電動アクチュエータシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動アクチュエータシステムに関するもので、車両用空調装置のエアミックスドアやモード切替ドア等の可動部材を駆動する電動アクチュエータシステムに適用して有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開平11−342724号公報に記載の発明では、ストッパ等の機械的な規制手段に拘束される作動限界まで電動アクチュエータを作動させ、この作動限界点を原点位置として電動アクチュエータの作動角を制御している。以下、このような行為、つまりストッパ等の機械的な規制手段に衝突するまで電動アクチュエータを作動させることを初期設定と呼ぶ。
【0003】
しかし、上記公報に記載の発明では、電動アクチュエータの回転角度が作動限界近傍になる度に初期設定を行うので、ストッパ及び電動アクチュエータ等に頻繁に衝突力が作用する。
【0004】
このため、ストッパ及び電動アクチュエータ等の機械的強度を増大させる必要性があるため、ストッパ及び電動アクチュエータ等の大型化及び製造原価上昇を招いてしまう。
【0005】
ところで、近年、車両駐停車時、つまりイグニッションスイッチを遮断しているときに、バッテリから車載電気機器に供給される暗電流の消費を抑制するために、イグニッションスイッチを遮断した後、所定時間が経過した時にバッテリから車載電気機器への電力供給を停止する車両が増加傾向にある。
【0006】
一方、バッテリから電力の供給を受けて原点位置に関する情報を保持記憶する記憶装置を備える電動アクチュエータでは、電力の供給が停止すると、記憶装置に保持されている原点位置情報が消滅するため、次回起動時に、初期設定を再度行う。
【0007】
このため、バッテリを取り外して記憶装置への電力供給を停止した場合は勿論のこと、バッテリを取り外さなくてもイグニッションスイッチを遮断した後、所定時間が経過毎に記憶装置に保持されている原点位置情報が消滅するため、実質的にイグニッションスイッチを投入する毎に初期設定が行われることとなる。
【0008】
このため、ストッパ及び電動アクチュエータ等に頻繁に衝突力が作用することなるので、ストッパ及び電動アクチュエータ等の機械的強度を増大させる必要性があり、ストッパ及び電動アクチュエータ等の大型化及び製造原価上昇を招いてしまう。
【0009】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な電動アクチュエータシステムを提供し、第2には、初期設定を行う必要性が高いときに初期設定を行い、初期設定を行う回数を低減することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、バッテリから電力を供給される直流式の電動モータ(110)と、電動モータ(110)の機械的な回転に伴って電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号を発生するパルス発生手段(158)と、パルス信号に基づいて出力軸(127)の回転角度を検出する回転角度検出手段(220)と、少なくとも、電動モータ(110)にバッテリを接続した後に、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが初めて投入された場合に、電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、パルス信号に異常が発生したときに、初期位置設定手段を作動させる初期位置再設定手段とを備え、初期位置再設定手段は、始動許可スイッチが投入されているときであって、かつ、電動モータ(110)に駆動電流が通電されているときにパルス信号を読み込んで、パルス信号の変化が停止したとき、および、パルス信号により決定されるパルス波形に乱れが発生したときのみをパルス信号に異常が発生したときと判定するとともに、駆動電流を通電し始めてから所定時間が経過した後に、パルス信号の変化が停止したか否かの判定を行うことを特徴とする。
【0011】
これにより、初期位置設定を行う必要性が高いときであるパルス信号に異常が発生したときに初期位置設定を行うので、初期位置設定を行う回数を大幅に低減することができる。延いては、従来と異なる新規な電動アクチュエータシステムを得ることができるとともに、電動アクチュエータの大型化及び製造原価上昇を抑制できる。さらに、駆動電流を通電し始めてから所定時間が経過した後に、パルス信号に異常が発生したか否かの判定を行うので、パルス信号に異常が発生したか否かを誤判定してしまうことを防止できる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、初期位置再設定手段は、原点位置に向かう向きと反対向きに電動モータ(110)を回転させる駆動電流を通電した後に、初期位置設定手段を作動させることを特徴とするものである。
【0013】
れにより、原点位置に向かう向きと反対向きに電動モータ(110)を回転させる駆動電流を通電した後に、初期位置設定手段を作動させるので、異物の噛み込み等による電動アクチュエータのロック現象を自発的に解消することができ、電動アクチュエータシステムの信頼性及び耐久性を向上させることができる。
【0014】
請求項に記載の発明では、初期位置再設定手段は、パルス信号に異常が発生したときには、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
【0016】
請求項に記載の発明では、初期位置再設定手段は、パルス信号に異常が発生したときには、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが遮断された後、直ぐに、初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
【0020】
請求項に記載の発明では、バッテリから電力を供給される直流式の電動モータ(110)と、電動モータ(110)の機械的な回転に伴って電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号を発生するパルス発生手段(158)と、パルス信号に基づいて出力軸(127)の回転角度を検出する回転角度検出手段(220)と、少なくとも、電動モータ(110)にバッテリを接続した後に、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが初めて投入された場合に、電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、パルス信号に異常が発生したときのみに、初期位置設定手段を作動させる初期位置再設定手段とを備え、初期位置再設定手段は、始動許可スイッチが投入されているときであって、かつ、電動モータ(110)に駆動電流が通電されているときにパルス信号を読み込んで、パルス信号に異常が発生したときには、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
これによれば、初期位置設定を行う回数を大幅に低減することができる。
【0021】
請求項に記載の発明では、バッテリから電力を供給される直流式の電動モータ(110)と、電動モータ(110)の機械的な回転に伴って電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号を発生するパルス発生手段(158)と、パルス信号に基づいて出力軸(127)の回転角度を検出する回転角度検出手段(220)と、少なくとも、電動モータ(110)にバッテリを接続した後に、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが初めて投入された場合に、電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、パルス信号に異常が発生したときのみに、初期位置設定手段を作動させる初期位置再設定手段とを備え、初期位置再設定手段は、始動許可スイッチが投入されているときであって、かつ、電動モータ(110)に駆動電流が通電されているときにパルス信号を読み込んで、パルス信号に異常が発生したときには、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが遮断された後、直ぐに、初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
これによれば、初期位置設定を行う回数を大幅に低減することができる。
【0022】
請求項に記載の発明では、初期位置再設定手段は、パルス信号により決定されるパルス波形に乱れが発生したときに、パルス信号に異常が発生したものと判定することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、初期位置再設定手段は、電動モータ(110)に駆動電流が通電されているときであって、パルス信号の変化が停止したときに、パルス信号に異常が発生したものと判定することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、初期位置再設定手段は、パルス信号の変化が停止する直前に電動モータ(110)が回転していた向きと反対向きに電動モータ(110)を回転させる駆動電流を通電した後に、初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、初期位置再設定手段は、駆動電流を通電し始めてから所定時間が経過した後に、パルス信号に異常が発生したか否かの判定を行うことを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、パルス発生手段は、電動モータ(110)の回転に伴って電気接点(155〜157)を変位させる摺動接点方式の位置検出装置で構成されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、パルス発生手段は、光学式のエンコーダで構成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項13に記載の発明では、電動モータ(110)と、電動モータ(110)に電力を供給するバッテリと、電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチと、入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶装置(230)と、始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときにバッテリが接続されていることを意味する情報を記憶装置(230)に入力するバッテリ情報書き込み手段とを備え、所定時間は、始動許可スイッチが遮断されたときから、バッテリの消費電力を抑制させるためにバッテリの電力供給を停止させるまでの時間よりも短く設定され、始動許可スイッチが投入された後、記憶装置(230)に情報が保持されていないときに、初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
【0024】
これにより、不必要は初期値設定を大幅に削減することができるので、電動アクチュエータの大型化及び製造原価上昇を抑制できる。
請求項14に記載の発明では、電動モータ(110)と、電動モータ(110)に電力を供給するバッテリと、電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチと、入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶装置(230)と、始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときにバッテリが接続されていることを意味する情報を記憶装置(230)に入力するバッテリ情報書き込み手段とを備え、所定時間は、始動許可スイッチが遮断されたときから、バッテリの消費電力を抑制させるためにバッテリの電力供給を停止させるまでの時間よりも短く設定され、始動許可スイッチが投入された後、記憶装置(230)に情報が保持されていないとき、および、電動モータ(110)の回転に伴って発せられる電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号に異常が発生したときに、初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
これにより、不必要は初期値設定を大幅に削減することができるので、電動アクチュエータの大型化及び製造原価上昇を抑制できる。
請求項15に記載の発明では、電動モータ(110)と、電動モータ(110)に電力を供給するバッテリと、電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチと、入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶装置(230)と、始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときにバッテリが接続されていることを意味する情報を記憶装置(230)に入力するバッテリ情報書き込み手段とを備え、所定時間は、始動許可スイッチが遮断されたときから、バッテリの消費電力を抑制させるためにバッテリの電力供給を停止させるまでの時間よりも短く設定され、始動許可スイッチが投入された後、記憶装置(230)に情報が保持されていないとき、および、電動モータ(110)の回転に伴って発せられる電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号に異常が発生したときであって、始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに、初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
これにより、不必要は初期値設定を大幅に削減することができるので、電動アクチュエータの大型化及び製造原価上昇を抑制できる。
請求項16に記載の発明では、電動モータ(110)と、電動モータ(110)に電力を供給するバッテリと、電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチと、入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶装置(230)と、始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときにバッテリが接続されていることを意味する情報を記憶装置(230)に入力するバッテリ情報書き込み手段とを備え、所定時間は、始動許可スイッチが遮断されたときから、バッテリの消費電力を抑制させるためにバッテリの電力供給を停止させるまでの時間よりも短く設定され、始動許可スイッチが投入された後、記憶装置(230)に情報が保持されていないとき、および、電動モータ(110)の回転に伴って発せられる電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号に異常が発生したときであって、始動許可スイッチが遮断された後、直ぐに、初期位置設定手段を作動させることを特徴とする。
これにより、不必要は初期値設定を大幅に削減することができるので、電動アクチュエータの大型化及び製造原価上昇を抑制できる。
【0025】
請求項17に記載の発明では、記憶装置(230)は、電気的な処理により上書き可能なEEPROMであることを特徴とするものである。
【0026】
請求項18に記載の発明では、始動許可スイッチが投入された後、記憶装置(230)に入力された情報を初期化する情報初期化手段を備えることを特徴とするものである。
【0028】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る電動アクチュエータシステム(以下、アクチュエータと略す。)100を車両用空調装置のエアミックスドアの駆動装置に適用したものである。
【0030】
ここで、エアミックスドア1とは、図1は車両用空調装置において、エンジン2の冷却水を熱源として室内に吹き出す空気を加熱するヒータコア3を迂回して流れる風量を調節することにより室内に吹き出す空気の温度を調節するものである。
【0031】
なお、ヒータコア3及び蒸発器4等の熱交換器やエアミックスドア1等は樹脂製の空調ケーシング5内に収納されており、アクチュエータ100は、空調ケーシング5にネジ等の締結手段により固定されている。
【0032】
次に、アクチュエータ100について述べる。
【0033】
図2はアクチュエータ100の外観図であり、図3はアクチュエータ100の構成図である。そして、図3中、直流モータ110は車両に搭載されたバッテリ(図示せず)から電力を得て回転するものであり、減速機構120はモータ110から入力された回転力を減速してエアミックスドア1に向けて出力する変速機構である。なお、以下、直流モータ110及び減速機構120等の回転駆動する機構部を駆動部130と呼ぶ。
【0034】
因みに、減速機構120は、モータ110の出力軸111に圧入されたウォーム121、このウォーム121と噛み合うウォームホィール122、及び複数枚の平歯車123、124からなる歯車列であり、出力側に位置する最終段歯車(出力側歯車)126には、出力軸127が設けられている。
【0035】
なお、ケーシング140は駆動部130を収納するととともに、後述するブラシ(電気接点)155〜157が固定されたケーシングである。
【0036】
ところで、減速機構120のうち、直流モータ110により直接駆動される入力歯車(ウォーム121)より出力側(出力軸127)には、図3〜6(特に、図6参照)に示すように、パルスパターンプレート(以下、パターンプレートと呼ぶ。)153が設けられており、このパターンプレート153は、円周方向に交互に並んだ導電部151a、152a及び非導電部151b、152bからなる第1、2パルスパターン151、152が設けられたもので、出力軸127と一体的に回転する。
【0037】
このとき、導電部151a、152aの円周角α1、α2及び非導電部151b、152bの円周角β1、β2を互いに等しくするとともに、第1パルスパターン151の位相を第2パルスパターン152の位相に対して円周角α1、α2(=円周角β1、β2)の略1/2ずらしている。
【0038】
なお、第1、2パルスパターン151、152は電気的に繋がっており、第1、2パルスパターン151、152は、両パルスパターン151、152より内周側に設けられたコモンパターン(共通導電部パターン)154と電気的に繋がって、後述するブラシ157を介してバッテリ(図示せず。)の負極側に電気的に繋がっている。
【0039】
一方、ケーシング140側には、バッテリの正極側に接続された銅系導電材料製の第1〜3ブラシ(電気接点)155〜157が樹脂一体成形により固定されており、第1ブラシ155は第1パルスパターン151に接触し、第2ブラシ156は第2パルスパターン152に接触し、第3ブラシ157はコモンパターン154に接触するように構成されている。
【0040】
なお、本実施形態では、第1〜3ブラシ155〜157とパターンプレート153との接点を2点以上(本実施形態では、4点)とすることにより、第1〜3ブラシ155〜157と導電部151a、152a(コモンパターン154を含む。)との電気接続を確実なものとしている。
【0041】
また、図2に示すように、出力軸127には、エアミックスドア1を揺動させるリンクレバー160が圧入固定されているとともに、空調ケーシング5には、リンクレバー160を衝突させるためのストッパ5aが設けられている。
【0042】
次に、アクチュエータ100の概略作動を述べる。
【0043】
図7はモータ制御手段をなすアクチュエータ100の電気制御回路200を示す模式図であり、この電気制御回路200は直流モータ110を駆動するモータ駆動回路210、並びにパターンプレート153で発生するパルス信号に基づいて出力軸127の回転角及び回転の向きを検出する回転角度検出器(回転角度検出手段)220、各種制御情報を記憶するEEPROM等の入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶回路230を有して構成されている。
【0044】
そして、直流モータ110が回転して出力軸127(パターンプレート153)が回転すると、第1、2ブラシ155、156と導電部151a、152aとが接触する通電(ON)状態、及び第1、2ブラシ155、156と非導電部151b、152bとが接触する非通電(OFF)状態が相互に周期的に発生する。
【0045】
したがって、第1、2ブラシ155、156には、図8に示すように、直流モータ110が所定角度回転する毎にパルス信号が発生するので、このパルス信号を回転角度検出器220にて数えることにより出力軸127の回転角度を検出することができる。
【0046】
なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態では、第1、2ブラシ155、156とパターンプレート153とにより出力軸127が所定角度回転する毎にパルス信号を発するパルス発生器(パルス発生手段)158(図7参照)を構成している。
【0047】
また、第1パルスパターン151の位相と第2パルスパターン152の位相とがずれているため、パルス発生器158では、第1パルスパターン151と第1ブラシ155とにより発生するパルス信号(以下、このパルス信号をA相パルスと呼ぶ。)と、第2パルスパターン152と第2ブラシ156とにより発生するA相パルス対して位相のずれたパルス信号(以下、このパルス信号をB相パルスと呼ぶ。)とが発生する。
【0048】
このため、本実施形態では、A相パルス及びB相パルスのうちいずれの信号が先に回転角度検出器220に入力されるかによって、直流モータ110(出力軸127)の回転方向を検出している。
【0049】
また、直流モータ110の回転量、つまり出力軸127の回転量を制御するに当たっては、リンクレバー160をストッパ5aに衝突させて直流モータ110の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶し、その後は、バッテリが外れた場合及びパルス信号に異常が発生した場合を除き、原点位置から2パルスずれた位置を作動基準として直流モータ110を制御する。
【0050】
以下、リンクレバー160をストッパ5aに衝突させて直流モータ110の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶し、その原点位置からずれた作動基準を設定する行為を「初期位置設定」と呼ぶ。因み、本実施形態では、パルス信号の変化が停止したときに、リンクレバー160がストッパ5aに衝突したものと判定する。
【0051】
次に、図9、10に基づいてアクチュエータ100、つまり直流モータ110の制御を示すフローを述べる。
【0052】
車両のイグニッションスイッチ(IGスイッチ)が投入されている場合には、バッテリを接続した後、初めてイグニッションスイッチが投入されたか否かを記憶回路230に記憶されフラグに基づいて判定し(S110)、バッテリを接続した後、初めてイグニッションスイッチが投入された場合には、初期位置設定を行った後(S120)、IGスイッチが投入されている場合にはエアミックスドア1の開度が目標位置(目標回転角)となるように直流モータ110を制御する(S130〜S220)。
【0053】
なお、イグニッションスイッチとは、直流モータ110に電力を供給することを許可する始動許可スイッチをなすものである。
【0054】
一方、バッテリを接続した後、初めてイグニッションスイッチが投入された場合でないときには、記憶回路230に記憶保持されたバッテリが接続されていることを意味する情報をなすバッテリ外し判定フラグ(バッテリ外し判定ビット)が立っているか否かを判定する(S230)。
【0055】
そして、バッテリ外し判定フラグが立っていない場合には、初期位置設定を行った後(S120)、エアミックスドア1の開度が目標位置となるように直流モータ110を制御し(S130〜S220)、バッテリ外し判定フラグが立っている場合には、ビットを0として記憶回路230からバッテリ外し判定フラグ消去した後(S240)、エアミックスドア1の開度が目標位置となるように直流モータ110を制御する(S130〜S220)。
【0056】
また、エアミックスドア1の開度が目標位置となるように直流モータ110を制御するとき(S130〜S220)、つまり直流モータ110に駆動電流が通電されているときであって、パルス信号の変化が停止したときには、パルス信号に異常が発生している可能性が高いため、駆動電流を通電し始めてから所定時間経過後においてもパルス信号の変化が停止しているときには、パルス信号に異常が発生したものと判定して、駆動電流の通電を停止してアクチュエータ100を停止するとともに(S210)、パルス信号の変化が停止したことを意味する情報を記憶回路230に記憶保持させる(S220)。
【0057】
一方、直流モータ110に駆動電流が通電されているときであって、パルス信号が変化しているときには、パルス波形(図8参照)に乱れが発生せずにパルス信号が規則正しく発生しているか否か、つまりパルス飛び等が発生していないか等を判定し(S180)、パルス飛び等が発生していないときには、S130に戻ってエアミックスドア1の開度が目標位置となるように直流モータ110を制御し、パルス飛び等が発生しているときには、パルス飛び等が発生していることを意味する情報を記憶回路230に記憶保持した後(S190)、S130に戻ってエアミックスドア1の開度が目標位置となるように直流モータ110を制御する
【0058】
なお、パルス飛び等が発生したまま直流モータ110を制御するので、実際のエアミックスドア1の開度が目標位置と異なる可能性が高い。そこで、後述するように、イグニッションスイッチが遮断された後、初期値設定を行う。
【0059】
また、イグニッションスイッチが遮断されている場合であっても、バッテリを接続した後、初めてイグニッションスイッチが遮断された場合には、初期位置設定を行い(S300、S310)、イグニッションスイッチが遮断された時から所定時間が経過した時にバッテリ外し判定フラグを記憶回路230に記憶保持する(S320、S330)。
【0060】
なお、この所定時間は、暗電流の消費を抑制するためにバッテリから車載電気機器への電力供給を停止する時間より短い時間である。このため、バッテリ外し判定フラグが記憶回路230に保持されている場合には、バッテリが車両に接続されていることを意味し、バッテリ外し判定フラグが記憶回路230に保持されていない場合には、バッテリが取り外されていることを意味する。
【0061】
一方、イグニッションスイッチが遮断されている場合であっても、バッテリを接続した後、初めてのイグニッションスイッチ遮断でない場合には、記憶回路230に記憶された情報に基づいてパルス飛びがあった否かを判定し(S340)、直流モータ110を駆動しているときにパルス飛びがあった場合には初期位置設定を行った後(S310)、イグニッションスイッチが遮断された時から所定時間が経過したした時にバッテリ外し判定フラグを記憶回路230に記憶保持する(S320、S330)。
【0062】
また、パルス飛びが発生しなかった場合には、記憶回路230に記憶された情報に基づいてパルス信号の停止があった否かを判定し(S350)、パルス信号の停止があった場合には、パルス信号の変化が停止する直前に直流モータ110が回転していた向きと反対向きに直流モータ110を回転させる駆動電流を通電した後に、初期位置設定を行う(S360、S310)。
【0063】
なお、この例では、原点位置に向かう向きと反対向きに直流モータ110を回転させる駆動電流を通電した後に、初期位置設定を行っている。
【0064】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0065】
本実施形態では、初期位置設定を行う必要性が高いときであるパルス信号に異常が発生したとき、つまりパルスが停止したとき及びパルス飛びが発生したときに初期位置設定を行うので、初期位置設定を行う回数を大幅に低減することができる。延いては、ストッパ5a及びアクチュエータ100の大型化及び製造原価上昇を抑制できる。
【0066】
また、パルスが停止したとき及びパルス飛びが発生したときのように、制御精度に大きく影響を与えるときに初期位置設置を行うので、制御精度を高く維持しつつ、ストッパ5a及びアクチュエータ100の大型化及び製造原価上昇を抑制できる。
【0067】
また、バッテリ外し判定フラグによりバッテリが取り外されたか否かを判定して初期位置設定を行うので、不必要な初期値設定を大幅に削減することができる。延いては、ストッパ5a及びアクチュエータ100の大型化及び製造原価上昇を抑制できる。
【0068】
また、パルス停止が発生したときには、パルス信号の変化が停止する直前に直流モータ110が回転していた向きと反対向きに直流モータ110を回転させる駆動電流を通電した後に、初期位置設定を行うので、異物の噛み込み等によるアクチュエータ100のロック現象を自発的に解消することができ、アクチュエータ100の信頼性及び耐久性を向上させることができる。
【0069】
また、駆動電流を通電し始めてから所定時間が経過した後に、パルス信号に異常が発生したか否かの判定、つまりパルス信号の変化が停止したか否かを判定するので、駆動電流の電圧が低いために擬似的にパルス信号の変化が停止又は低下した場合や負荷が大きいために擬似的にパルス信号の変化が停止又は低下した場合であっても、パルス信号に異常が発生したか否かの判定を正しく行うことができる。
【0070】
(第2実施形態)
第1実施形態では、パルスが停止したとき及びパルス飛びが発生したときには、その旨を記憶回路230に記憶し、イグニッションスイッチが遮断された後、直ぐに初期値設定を行ったが、本実施形態は、図11、12に示すように、パルスが停止したとき及びパルス飛びが発生したときには、発生後、直ぐに初期位置設定を行うものである。(S191、S221参照)。
【0071】
これにより、早期に初期位置を再設定することができる。
【0072】
なお、イグニッションスイッチが遮断された後は、バッテリを接続した後、初めてイグニッションスイッチが遮断された場合に限り、初期位置設定を行う。
【0073】
(第3実施形態)
第1実施形態では、パルスが停止したとき及びパルス飛びが発生したときには、その旨を記憶回路230に記憶し、イグニッションスイッチが遮断された後、直ぐに初期置設定を行ったが、本実施形態は、図13、14に示すように、パルスが停止したとき及びパルス飛びが発生したときには、その旨を記憶回路230に記憶し、イグニッションスイッチが遮断された後、所定時間経過後に初期値設定を行うものである。
【0074】
具体的には、S300の前にイグニッションスイッチが遮断された後、所定時間が経過したか否かを判定する制御ステップS290を設けたものである。
【0075】
これにより、乗員に違和感を与えることなく、初期位置を再設定することができる。
【0076】
(第4実施形態)
本実施形態は、図15に示すように、複数個のアクチュエータ100及び制御装置をデータ通信によるネットワークで繋ぎ、電気配線の本数を減少させた電動アクチュエータシステムに本発明を適用したものである。
【0077】
なお、通信ラインには、所定のプロトコルで定められた手順に従って各アクチュエータ100を制御するためのデータ信号及びパルス数に関するデータ信号がCPUと各アクチュエータ100との間で授受されており、各アクチュエータ100は通信ラインを介して送信されるデータ信号に基づいて作動する。
【0078】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、リンクレバー160をストッパ5aに衝突させて直流モータ110の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶し、その後は、原点位置からずれた位置を作動基準として直流モータ110を制御したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば原点位置を作動基準としてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、摺動接点方式の位置検出装置を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光学式のエンコーダ等のその他の位置検出装置にも適用することができる。
【0080】
上述の実施形態では、出力軸127にパルス発生器158を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばパルス発生器158(パルスプレート153)用にさらに減速した回転部を設けパルス信号を発生させてもよい。
【0081】
また、上述の実施形態では、両パルスパターン151、152より内周側に設けられたコモンパターン(共通導電部パターン)154を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、両パルスパターン151、152より外周側にコモンパターン154を設ける、又は両パルスパターン151、152間にコモンパターン154を設ける等してもよい。
【0082】
また、上述の実施形態では、車両用空調装置に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置の模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータの外観図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータの模式図である。
【図4】(a)は本発明の第1実施形態に係るパルスプレートの正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るパルスプレートの拡大図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータの制御回路を示す模式図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータのパルス信号チャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータの制御フローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータの制御フローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る電動アクチュエータの制御フローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る電動アクチュエータの制御フローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態に係る電動アクチュエータの制御フローチャートである
【図14】本発明の第3実施形態に係る電動アクチュエータの制御フローチャートである
【図15】本発明の第4実施形態に係る電動アクチュエータシステムの模式図である
【符号の説明】
100…電動アクチュエータ、110…直流モータ、120…減速機、
127…出力軸、151…第1パルスパターン、
152…第2パルスパターン、153…パルスパターンプレート、
154…コモンパターン、155…第1ブラシ、156…第2ブラシ、
157…第3ブラシ。

Claims (18)

  1. バッテリから電力を供給される直流式の電動モータ(110)と、
    前記電動モータ(110)の機械的な回転に伴って前記電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号を発生するパルス発生手段(158)と、
    前記パルス信号に基づいて出力軸(127)の回転角度を検出する回転角度検出手段(220)と、
    少なくとも、前記電動モータ(110)に前記バッテリを接続した後に、前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが初めて投入された場合に、前記電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、
    前記パルス信号に異常が発生したときに、前記初期位置設定手段を作動させる初期位置再設定手段とを備え、
    前記初期位置再設定手段は、前記始動許可スイッチが投入されているときであって、かつ、前記電動モータ(110)に駆動電流が通電されているときに前記パルス信号を読み込んで、前記パルス信号の変化が停止したとき、および、前記パルス信号により決定されるパルス波形に乱れが発生したときのみを前記パルス信号に異常が発生したときと判定するとともに、前記駆動電流を通電し始めてから所定時間が経過した後に、前記パルス信号の変化が停止したか否かの判定を行うことを特徴とする電動アクチュエータシステム。
  2. 前記初期位置再設定手段は、前記原点位置に向かう向きと反対向きに前記電動モータ(110)を回転させる駆動電流を通電した後に、前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータシステム。
  3. 前記初期位置再設定手段は、前記パルス信号に異常が発生したときには、前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする請求項1または2に記載の電動アクチュエータシステム。
  4. 前記初期位置再設定手段は、前記パルス信号に異常が発生したときには、前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが遮断された後、直ぐに、前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする請求項1または2に記載の電動アクチュエータシステム。
  5. バッテリから電力を供給される直流式の電動モータ(110)と、
    前記電動モータ(110)の機械的な回転に伴って前記電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号を発生するパルス発生手段(158)と、
    前記パルス信号に基づいて出力軸(127)の回転角度を検出する回転角度検出手段(220)と、
    少なくとも、前記電動モータ(110)に前記バッテリを接続した後に、前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが初めて投入された場合に、前記電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、
    前記パルス信号に異常が発生したときのみに、前記初期位置設定手段を作動させる初期位置再設定手段とを備え、
    前記初期位置再設定手段は、前記始動許可スイッチが投入されているときであって、かつ、前記電動モータ(110)に駆動電流が通電されているときに前記パルス信号を読み込んで、前記パルス信号に異常が発生したときには、前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする電動アクチュエータシステム。
  6. バッテリから電力を供給される直流式の電動モータ(110)と、
    前記電動モータ(110)の機械的な回転に伴って前記電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号を発生するパルス発生手段(158)と、
    前記パルス信号に基づいて出力軸(127)の回転角度を検出する回転角度検出手段(220)と、
    少なくとも、前記電動モータ(110)に前記バッテリを接続した後に、前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが初めて投入された場合に、前記電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、
    前記パルス信号に異常が発生したときのみに、前記初期位置設定手段を作動させる初期位置再設定手段とを備え、
    前記初期位置再設定手段は、前記始動許可スイッチが投入されているときであって、かつ、前記電動モータ(110)に駆動電流が通電されているときに前記パルス信号を読み込んで、前記パルス信号に異常が発生したときには、前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチが遮断された後、直ぐに、前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする電動アクチュエータシステム。
  7. 前記初期位置再設定手段は、前記パルス信号により決定されるパルス波形に乱れが発生したときに、前記パルス信号に異常が発生したものと判定することを特徴とする請求項5または6に記載の電動アクチュエータシステム。
  8. 前記初期位置再設定手段は、前記電動モータ(110)に駆動電流が通電されているときであって、前記パルス信号の変化が停止したときに、前記パルス信号に異常が発生したものと判定することを特徴とする請求項5または6のいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステム。
  9. 前記初期位置再設定手段は、前記パルス信号の変化が停止する直前に前記電動モータ(110)が回転していた向きと反対向きに前記電動モータ(110)を回転させる駆動電流を通電した後に、前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする請求項に記載の電動アクチュエータシステム。
  10. 前記初期位置再設定手段は、前記駆動電流を通電し始めてから所定時間が経過した後に、前記パルス信号に異常が発生したか否かの判定を行うことを特徴とする請求項8または9に記載の電動アクチュエータシステム。
  11. 前記パルス発生手段は、前記電動モータ(110)の回転に伴って電気接点(155〜157)を変位させる摺動接点方式の位置検出装置で構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステム。
  12. 前記パルス発生手段は、光学式のエンコーダで構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステム。
  13. 電動モータ(110)と、
    前記電動モータ(110)に電力を供給するバッテリと、
    前記電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、
    前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチと、
    入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶装置(230)と、
    前記始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに前記バッテリが接続されていることを意味する情報を前記記憶装置(230)に入力するバッテリ情報書き込み手段とを備え、
    前記所定時間は、前記始動許可スイッチが遮断されたときから、前記バッテリの消費電力を抑制させるために前記バッテリの電力供給を停止させるまでの時間よりも短く設定され、
    前記始動許可スイッチが投入された後、前記記憶装置(230)に前記情報が保持されていないときに、前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする電動アクチュエータシステム。
  14. 電動モータ(110)と、
    前記電動モータ(110)に電力を供給するバッテリと、
    前記電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、
    前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチと、
    入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶装置(230)と、
    前記始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに前記バッテリが接続されていることを意味する情報を前記記憶装置(230)に入力するバッテリ情報書き込み手段とを備え、
    前記所定時間は、前記始動許可スイッチが遮断されたときから、前記バッテリの消費電力を抑制させるために前記バッテリの電力供給を停止させるまでの時間よりも短く設定され、
    前記始動許可スイッチが投入された後、前記記憶装置(230)に前記情報が保持されていないとき、および、前記電動モータ(110)の回転に伴って発せられる前記電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号に異常が発生したときに、前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする電動アクチュエータシステム。
  15. 電動モータ(110)と、
    前記電動モータ(110)に電力を供給するバッテリと、
    前記電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する初期位置設定手段と、
    前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチと、
    入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶装置(230)と、
    前記始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに前記バッテリが接続されていることを意味する情報を前記記憶装置(230)に入力するバッテリ情報書き込み手段とを備え、
    前記所定時間は、前記始動許可スイッチが遮断されたときから、前記バッテリの消費電力を抑制させるために前記バッテリの電力供給を停止させるまでの時間よりも短く設定され、
    前記始動許可スイッチが投入された後、前記記憶装置(230)に前記情報が保持されていないとき、および、前記電動モータ(110)の回転に伴って発せられる前記電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号に異常が発生したときであって、前記始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに、前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする電動アクチュエータシステム。
  16. 電動モータ(110)と、
    前記電動モータ(110)に電力を供給するバッテリと、
    前記電動モータ(110)の回転を機械的に停止させた位置を原点位置として記憶する 初期位置設定手段と、
    前記電動モータ(110)に電力を供給することを許可する始動許可スイッチと、
    入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶装置(230)と、
    前記始動許可スイッチが遮断された後、所定時間が経過したときに前記バッテリが接続されていることを意味する情報を前記記憶装置(230)に入力するバッテリ情報書き込み手段とを備え、
    前記所定時間は、前記始動許可スイッチが遮断されたときから、前記バッテリの消費電力を抑制させるために前記バッテリの電力供給を停止させるまでの時間よりも短く設定され、
    前記始動許可スイッチが投入された後、前記記憶装置(230)に前記情報が保持されていないとき、および、前記電動モータ(110)の回転に伴って発せられる前記電動モータ(110)の回転角度に応じたパルス信号に異常が発生したときであって、前記始動許可スイッチが遮断された後、直ぐに、前記初期位置設定手段を作動させることを特徴とする電動アクチュエータシステム。
  17. 前記記憶装置(230)は、電気的な処理により上書き可能なEEPROMであることを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステム。
  18. 前記始動許可スイッチが投入された後、前記記憶装置(230)に入力された前記情報を初期化する情報初期化手段を備えることを特徴とする請求項13ないし17のいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステム。
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