JP2006273032A - 電動アクチュエータシステム、車両用空調装置 - Google Patents

電動アクチュエータシステム、車両用空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 回転角度の作動範囲を製品毎に判別する
【解決手段】 車両用空調装置は、回転軸127を回転する電動モータ110と、電動モータ110の回転に基づいて、A相、B相パルス信号を発生するパルスパターンプレート153とを備え、A相、B相パルス信号に基づいて、回転軸127の回転角度を制御するようになっており、電子制御装置330は、パルスパターンプレート153から発生されるイニシャライズパターンのパルス信号に基づいて回転角度の原点位置を判別し、原点位置を基準として電動モータ110を一方向に回転させるときにA相、B相パルス信号に基づいて回転軸127の作動範囲の一側端を判別し(ステップS340)、また電動モータ110を他方向に回転させるときに、A相、B相パルス信号に基づいて作動範囲の他側端を判別する(ステップS400)。したがって、作動範囲の一側端および他側端が判別される。
【選択図】 図11

Description

本発明は、電動アクチュエータシステムおよび車両用空調装置に関する。
従来、車両用空調装置に適用される電動アクチュエータシステムにおいて、室内空調ユニット内の各種のドアを回転駆動するために適用され、ドアを回転駆動する電動モータと、電動モータの回転に応じてパルス信号を発生するパルス発生器と、パルス発生器からのパルス信号に応じてドアを目標位置まで回転させる電子制御装置とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
このものにおいては、電動モータの回転軸に固定されて回転軸の回転力をドアに伝えるリンクレバーを備えており、リンクレバーが作動範囲の限界点まで回転するとリンクレバーをストッパーが機械的に停止させるようになっている。
ここで、ストッパーがリンクレバーを停止させる場合には、ストッパーに撓みが生じる。そして、ストッパーの撓み量θは、電動モータの回転トルクなどにより異なるため、電子制御装置は、撓み量θを、電動モータへの印加電力に基づいて算出する。
これに伴い、電子制御装置は、ストッパーにより停止されたリンクレバーの停止位置に対して、撓み量θを加味して位置調整してリンクレバーの原点位置を設定する。そして、電子制御装置は、この設定される原点位置を基準として一定角度を作動範囲として推定して、この作動範囲内にて電動モータの回転角度を制御する。したがって、ドアの絶対的な回転角度を示す信号を発生するパルス発生器を用いなくても、リンクレバー、ひいては、ドアを目標位置まで回転させることができる。
特開2004−237800号公報
ところで、上述の特許文献1には、原点位置の設定については記載されているものの、原点位置を基準とする作動範囲の設定について記載されていない。
そこで、本発明者等は、作動範囲の設定について着目して鋭意検討したところ、次のような問題点が分かった。
すなわち、上述の如く、ストッパーを基準にして原点位置を設定してその原点位置を基準として一定角度の範囲を作動範囲として設定して、その作動範囲内でリンクレバーを回転させることが考えられる。
ここで、ドア(すなわち、リンクレバー)の暴走を未然に防止するために、図1に示すように、二つのストッパー(図2中符号5a、5b)を採用してこれら二つのストッパーの間でリンクレバー(図2中符号160)を回転させる場合、室内空調ユニットの寸法バラツキが原因でストッパーの位置ずれが生じて、不具合が生じる可能性がある。
すなわち、製造工程にて生じる寸法バラツキが原因でリンクレバーの作動範囲が製品によって異なるようになり、上述の如く、一方のストッパーを基準にして原点位置(すなわち、作動範囲)を設定してリンクレバーを回転させると、他方のストッパーの位置ずれが原因で、リンクレバーを予め決められる一定角度内で回転させているにも関わらず、リンクレバーが他方のストッパーに衝突する可能性がある。
以上のように寸法バラツキが原因でリンクレバーによるストッパーへの衝突が多数行われると、リンクレバー、ストッパーの損傷を招く可能性がある。
本発明は、上記点に鑑み、製品によって作動範囲にバラツキが生じるようになっていても、回転角度を良好に制御可能である電動アクチュエータシステムおよび車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
回転軸(127)を作動範囲内で回転する電動モータ(110)と、
前記電動モータの回転に基づいて、パルス信号を発生するパルス発生手段(155〜157、153)と、を備え、
前記パルス発生手段から発生されるパルス信号に基づいて、前記回転軸の回転角度を制御する電動アクチュエータシステムであって、
前記回転軸が前記回転角度の原点位置に位置する場合には、前記パルス発生手段は、前記回転角度の原点位置を示す初期化パターンのパルス信号を発生するものであり、
前記パルス発生手段から発生される初期化パターンのパルス信号に基づいて前記回転角度の原点位置を判別する第1の判別手段(S110、S120、S150)と、
前記原点位置を基準として前記電動モータを一方向に回転させるときに、前記パルス発生手段から出力されるパルス信号に基づいて前記回転軸の作動範囲の一側端を判別する第2の判別手段(S340〜S360)と、
前記電動モータを他方向に回転させるときに、前記パルス発生手段からのパルス信号に基づいて前記作動範囲の他側端を判別する第3の判別手段(S400〜S420)と、
を備えることを特徴とする。
したがって、請求項1に記載の発明によれば、第2、第3の判別手段により、作動範囲の一側端および他側端が判別されるため、作動範囲を製品毎に判別することができる。このため、この判別される作動範囲内で電動モータを回転制御すれば、製品によって作動範囲にバラツキが生じるようになっていても、回転角度を良好に制御可能である。
ここで、請求項2に記載の発明のように、前記作動範囲の一側端まで前記回転軸が回転すると、前記回転軸を機械的に停止させる第1の停止手段(5b)と、
前記作動範囲の他側端まで前記回転軸が回転すると、前記回転軸を機械的に停止させる第2の停止手段(5a)と、を備えており、
前記第1の停止手段により停止される前記回転軸の位置を前記作動範囲の一側端として前記第2の判別手段が判別し、
前記第2の停止手段により停止される前記回転軸の位置を前記作動範囲の他側端として前記第3の判別手段が判別することが必要である。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記作動範囲内のち原点位置以外の領域を前記回転軸が回転しているときには、前記パルス発生手段は、前記初期化パターンとは異なるパルスパターンのパルス信号を発生するようになっていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明の如く、請求項1ないし3のうちいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステムを車両用空調装置に適用して、
回転可能に支持されるドア(313)を有して、このドアの回転に応じて車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニット(300)を備えており、
前記ドアは前記回転軸を介して前記電動モータにより回転されるようになるように構成してもよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
第1実施形態は、本発明に係る電動アクチュエータシステムを車室内の空気調和を行う車両用空調装置300に適用したものであり、以下に、車両用空調装置300の概略について図1を用いて説明する。
車両用空調装置300は、計器盤内に収納された空調ケース305を備えており、空調ケース305内において、内外気切換ドア307が、電動アクチュエータ319による駆動のもとに第1切換位置(図に実線で示す位置)に切り替えられて、空調ケース305内にその外気導入口305aから外気を流入させる一方、第2切換位置(図に破線で示す位置)に切り替えられて、空調ケース305内にその内気導入口305bから車室303内の空気(内気)を流入させる。
そして、ブロワ309は、駆動回路321により駆動されるブロワモータ323の回転速度に応じて、外気導入口305aからの外気または内気導入口305bからの内気を空気流としてエバポレータ311に送風し、エバポレータ311は、そのブロワ309から吹き出される空気流を、公知の冷凍サイクルの作動によって循環する冷媒により冷却する。
また、エアミックスドア313は、電動アクチュエータ325により回転駆動されて、エバポレータ311から吹き出される冷却空気流をヒータコア315に流入される気流とヒータコア315をバイパスする気流(以下、バイパス冷却気流という)とに分ける。
ここで、ヒータコア315に流入される気流は、ヒータコア315内のエンジン冷却水(温水)により加熱されるので、ヒータコア315から温風が吹き出されることになる。これに伴い、ヒータコア315から吹き出される温風がバイパス冷却気流と混合されて吹出口切換ドア317に向けて流動されることになる。 温風とバイパス冷却気流との混合比SW(%)は、エアミックスドア313の開度により決められることになる。
また、吹出口切換ドア317は、電動アクチュエータ327による駆動のもとに、フェイスモード時に第1切換位置(図に一点鎖線で示す位置)に切り換えられて、吹出口305cから車室303の乗員上半身に向けて空気を吹き出させ、フットモード時に第2切換位置(図に破線で示す位置)に切り換えられて、吹出口305dから車室303の乗員足元に向けて空気を吹き出させ、またバイレベルモード時に第3切換位置(図に実線で示す位置)に切り換えられて、両吹出口305c、305dから空気を吹き出させる。
電子制御装置330は、車室内の空気状態を制御するため空調制御手段であって、車室303内の室内温度Trを検出する内気温センサ331、車室303内に照射される日射強度Tsを検出する日射センサ332、車室外の外気温度Tamを検出する外気温センサ333、制御目標となる車室内の設定温度Tsetを乗員が設定するための温度設定器(温度設定手段)334、等からの出力信号を読み込む。
そして、電子制御装置30は、Tr、Ts、Tam、Tsetを予め記憶される数式1に代入して必要吹き出し温度TAOを求め、この必要吹き出し温度TAOを基づき電動アクチュエータ327およびブロワモータ323を制御する。なお、Kest、Kr、Kam、Ksは、各センサの出力信号のそれぞれゲインで、Cは定数である。
TAO=Kest・Tset−Kr・Tr
−Kam・Tam−Ks・Ts+C……(数式1)
なお、TAOは、車室内の環境変化に関わらず、室内温度Trを設定温度Tsetに維持するための吹き出し空気温度である。
また、電子制御装置330は、走行用エンジンを冷却する冷却水の温度Thを検出する水温センサ335、エバポレータ311から吹き出される冷風の温度(出口温度)Teを検出する出口温センサ336等からの出力信号を読み込むとともに、Te、Th、TAOを予め記憶される数式2に代入してエアミックスドア313の目標開度SW(%)を求める。
SW={(TAO−Te)/(Th−Te)}×100……(数式2)
電子制御装置330は、目標開度SW(%)にエアミックスドア313の検出開度を目標開度に近づけるように電動アクチュエータ325を制御する。検出開度は、電動アクチュエータ325に内蔵される開度センサ327によって検出されるものである。
ここで、電動アクチュエータ319、325、327は、通信ラインを通して電子制御装置330により制御されており、以下、電動アクチュエータ319、325、327について説明する。
但し、電動アクチュエータ319、325、327は、それぞれ実質的に同様な構造であるため、電動アクチュエータ325を代表にとりその構造について図2〜図7を参照して述べる。
図2は電動アクチュエータ325の外観図であり、図3は電動アクチュエータ325の構成図である。そして、図3中、直流モータ110は車両に搭載されたバッテリ(図示せず)から電力を得て回転するものであり、減速機構120はモータ110から入力された回転力を減速してエアミックスドア313に向けて出力する変速機構である。なお、以下、直流モータ110及び減速機構120等の回転駆動する機構部を駆動部130と呼ぶ。
ここで、減速機構120は、モータ110の出力軸111に圧入されたウォーム121、このウォーム121と噛み合うウォームホィール122、及び複数枚の平歯車123、124からなる歯車列であり、出力側に位置する最終段歯車(出力側歯車)126には、出力軸127が設けられている。
なお、ケーシング140は駆動部130を収納するととともに、後述する接点ブラシ(電気接点)155〜157が固定されたケーシングである。
また、減速機構120のうち、直流モータ110により直接駆動される入力歯車(ウォーム121)より出力側(出力軸127)には、図3〜6(特に、図6参照)に示すように、パルスパターンプレート153が設けられている。
パルスパターンプレート153は、出力軸127と一体的に回転するように構成されて、図4(a)に示すように、径方向に並べられる第1、2パルスパターン151、152およびコモンパターン154から構成されている。
第1パルスパターン151は、図6に示すように、円周方向に交互に並んだ導電部151a及び非導電部151bからなり、第2パルスパターン152は、円周方向に交互に並んだ導電部152a及び非導電部152bからなる。そして、コモンパターン154は、図4(a)に示すように、第1、2パルスパターン151、152により内側に設けられており、コモンパターン154は、導電部154a及び非導電部154bからなる。
ここで、パルスパターンプレート153のうち、円弧状の回転検出領域400において、導電部151a、152aの円周角α1、α2及び非導電部151b、152bの円周角β1、β2を互いに等しくするとともに、第1パルスパターン151の位相を第2パルスパターン152の位相に対して円周角α1、α2(=円周角β1、β2)の略1/2ずらしている。また、回転検出領域400内のコモンパターン154は、図4(a)に示すように、導電部154aだけから成る。
このような回転検出領域400は、後述するように、回転角度の検出に用いるパルス信号のパターンを生成するために用いられている。
また、パルスパターンプレート153のうち領域400以外の扇子状の初期化領域401では、第1、2パルスパターン151、152は、それぞれ、導電部151a、152aだけから成り、コモンパターン154は、非導電部154bを円周方向から2つの導電部154aで挟むように構成されている。
このような初期化領域401は、原点位置を示すパルス信号のパターン(以下、イニシャライズパターンという)を生成するのに用いられる。
ここで、第1、2パルスパターン151、152において、互いの導電部同士は電気的に繋がっている。さらに、第1、2パルスパターン151、152、コモンパターン154において、それぞれの導電部151a、152a、154aは、電気的に接続されている。
一方、ケーシング140側には、図3、図4に示すように、バッテリの正極側に接続された銅系導電材料製の第1〜3接点ブラシ(電気接点)155〜157が樹脂一体成形により固定されており、第1接点ブラシ155は第1パルスパターン151に接触し、第2接点ブラシ156は第2パルスパターン152に接触し、第3接点ブラシ157はコモンパターン154に接触するように構成されている。
なお、本実施形態では、第1〜3接点ブラシ155〜157とパルスパターンプレート153との接点を2点以上(本実施形態では、4点)とすることにより、第1〜3接点ブラシ155〜157と導電部151a、152a、154aとの電気接続を確実なものとしている。
また、図2に示すように、出力軸127には、エアミックスドア313を揺動させるリンクレバー160が圧入固定されているとともに、空調ケーシング305には、ストッパー5a、5bが設けられている。ストッパー5a、5bは、直流モータ110の回転の電気的な規制に失敗したときに、リンクレバー160を衝突させてモータの回転を停止させるのに用いられる。
次に、電動アクチュエータ325の概略作動について、図7を参照して説明する。
電動アクチュエータ325には、図7に示す電気制御回路200が設けられており、電気制御回路200は、バッテリから給電されて一定電圧を回路210、220、230、240などに出力する定電圧回路211、直流モータ110を駆動するモータ駆動回路210、後述するパルスパターンプレート153で発生する2相のパルス信号を検出するパルス信号検出回路220、各種制御情報を記憶するEEPROM等の入力された情報を電力の供給を受けることなく保持することができる記憶回路230、並びに、電子制御装置330との間で通信したり、モータ駆動回路210を制御したりするCPU(中央演算装置)240を有して構成されている。
そして、直流モータ110が回転して出力軸127(パルスパターンプレート153)が回転して、第1、2、3接点ブラシ155、156、157が回転検出領域400に接触している状態では、第3接点ブラシ157が導電部154aに接触しつつ、第1、2接点ブラシ155、156と導電部151a、152aとが接触する通電(ON)状態、及び第1、2接点ブラシ155、156と非導電部151b、152bとが接触する非通電(OFF)状態が相互に周期的に発生する。
したがって、第1、2接点ブラシ155、156には、図8に示すように、直流モータ110が所定角度回転する毎にパルス信号が発生するので、このパルス信号を回転角度検出器220にて数えることにより出力軸127の回転角度を検出することができる。
さらに、直流モータ110が回転して出力軸127(パルスパターンプレート153)が回転して、第1、2、3接点ブラシ155、156、157が初期化領域401に接触している状態では、図9に示すように、第1、2接点ブラシ155、156と導電部151a、152aとが接触する通電(ON)状態を保ちつつ、第3接点ブラシ157と導電部154aとは、互いの接触する通電(ON)状態から、第3接点ブラシ157と非導電部154bとが接触する非通電(OFF)状態を経て、第3接点ブラシ157と導電部154aとが接触する通電(ON)状態になる(導電部→非導電部→導電部)。
したがって、第1、2接点ブラシ155、156には、直流モータ110の角度回転に応じて、図9に示すイニシャライズパターンの2相のパルス信号(A相、B相)が発生する。
このイニシャライズパターンは、図8に示すように2相のパルス信号の振幅が交互に切り替わりパターンではなく、2相のパルス信号が同時にローレベル信号(「00」)からハイレベル信号(「11」)に切り替わり、このハイレベル信号から同時にローレベル信号(「00」)に切り替わるものである。なお、「0」はローレベル信号を示しており、「1」はハイレベル信号を示す。
以上のようにイニシャライズパターンは、直流モータ110の角度回転を検出するのに用いるパターンとは異なり、2相のパルス信号の振幅が同時に変化するものである。
このようなイニシャライズパターンの2相のパルス信号をパルス信号検知回路220を介してCPU240が検出すると、モータ駆動回路210により直流モータ110への給電を停止することにより直流モータ110の回転を電気的に規制するとともに、このイニシャライズパターンの2相のパルス信号を検出した位置を原点位置として記憶する。そして、その後は、バッテリが外れた場合及びパルス信号に異常が発生した場合を除き、原点位置から1パルスずれた位置を作動基準として直流モータ110を制御する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、第1、2接点ブラシ155、156、157とパルスパターンプレート153とにより出力軸127が所定角度回転する毎にパルス信号を発するスイッチ手段158a〜158cを含むパルス発生器(パルス発生手段)158(図7参照)を構成することになる。
なお、スイッチ手段158a、158bは、接点ブラシ155、156と第1、2パルスパターン151、152とによって構成されるもので、定電圧回路(電源回路)およびグランドの間で並列的に配設され、電動モータ110の回転に基づき、個々に2相のスイッチング(オン、オフ)してパルス信号を発生する。 スイッチ手段158cは、第3接点ブラシ157(接点ブラシ157の一端部はグランドに電気的に繋がっている)とコモンパターン154とにより構成されるもので、スイッチ手段158a、158bとグランドとの間で、電動モータ110の回転に基づき、スイッチングすることになる。
また、第1パルスパターン151の位相と第2パルスパターン152の位相とがずれているため、パルス発生器158では、第1パルスパターン151と第1接点ブラシ155とにより発生するパルス信号(以下、このパルス信号をA相パルスと呼ぶ。)と、第2パルスパターン152と第2接点ブラシ156とにより発生するA相パルス対して位相のずれたパルス信号(以下、このパルス信号をB相パルスと呼ぶ。)と、が発生する。
このため、本実施形態では、A相パルス及びB相パルスのうちいずれの信号が先にCPU240に入力されるかによって、直流モータ110(出力軸127)の回転方向を検出している。
次に、電子制御装置330による電動アクチュエータ325の制御処理について図10、図11を参照して説明する。図10は、電動アクチュエータ325の原点位置を設定するための原点設定処理を示すフローチャートであり、図11は、作動範囲を設定するための作動範囲設定処理を示すフローチャートである。
先ず、図10の原点設定処理について説明すると、原点設定処理は、車載バッテリから初めて電源供給されたときに実行されるものであり、電子制御装置330は、車載バッテリから給電されると、図10のフローチャートにしたがって、コンピュータプログラムの実行を開始する。
まず、電気制御回路200のCPU240に対して時計回り方向に直流モータ110を回転させるように指令する(ステップS100)。これに伴い、CPU240が、モータ駆動回路210により時計回り方向に直流モータ110を回転させる。
これに伴い、パルスパターンプレート153からA相、B相パルス信号が出力され、これらA相、B相パルス信号がパルス信号検出回路220を介してCPU240で検出され、この検出されるA相、B相パルス信号が電子制御装置330に送信される。
このとき、電子制御装置330は、A相、B相パルス信号に基づいて、エアミックスドア313(すなわち、リンクレバー160)が原点位置に到達したか否かを判定する(ステップS110)。その後、イニシャライズパターンの2相のパルス信号を検出したときには、エアミックスドア313が原点位置に到達したとしてYESと判定する。すなわち、A相、B相パルス信号に基づいて原点位置を判別することになる。
これに伴い、電子制御装置330は、エアミックスドア313の現在位置を原点位置として内蔵メモリに記憶する。すなわち、内蔵メモリに構成される現在位置カウンタ(これは、エアミックスドア313の現在位置を示すカウンタ)のカウンタ値GKを「0」に設定することになる(ステップS120)。
その後、電子制御装置330は、CPU240に対して直流モータ110を停止させるように指令すると、CPU240が、モータ駆動回路210から直流モータ110への給電を停止してその回転を停止させる。
一方、電子制御装置330は、イニシャライズパターンの2相のパルス信号を検出できなく、A相、B相パルス信号の双方の信号レベルが一定期間以上同一状態になると、ステップS130でYESと判定する。これは、リンクレバー160がストッパー5bに衝突してエアミックスドア313が機械的に停止されたと判定されたことを意味する。
その後、電子制御装置330は、CPU240に対して反時計回り方向に直流モータ110を回転させるように指令する(ステップS140)。これに伴い、CPU240が、モータ駆動回路210により反時計回り方向に直流モータ110を回転させる。
これに伴い、パルスパターンプレート153からA相、B相パルス信号が出力され、電子制御装置330は、A相、B相パルス信号に基づいて、エアミックスドア313(すなわち、リンクレバー160)が原点位置に到達したか否かを判定する(ステップS150)。その後、電子制御装置330がイニシャライズパターンの2相のパルス信号を検出したときには、エアミックスドア313が原点位置に到達したとしてYESと判定する。すなわち、A相、B相パルス信号に基づいて原点位置を判別することになる。
これに伴い、ステップS120に移行して、電子制御装置330は、エアミックスドア313の現在位置を原点位置として内蔵メモリに記憶する。すなわち、
現在位置カウンタのカウンタ値GKを「0」に設定することになる。
一方、イニシャライズパターンの2相のパルス信号を検出できなく、A相、B相パルス信号の双方の信号レベルが一定期間以上同一状態になると、電子制御装置330がステップS160でYESと判定する。これは、リンクレバー160がストッパー5aに衝突してエアミックスドア313が停止されたと判定されたことを意味する。
一方、何らかの原因で誤作動が生じて、上述のS100〜S160の処理で原点位置を判別できないときには、ステップS160でYESと判定して、ステップS170に移行する。そして、上述のS100〜S160の処理を繰り替えして原点位置の判別を試みる。
以上のような原点設定処理によりエアミックスドア313の原点位置が設定されることになる。その後、電子制御装置330は、図11のフローチャートにしたがって、コンピュータプログラムの実行を開始する。
但し、コンピュータプログラムは、エアミックスドア313が原点位置に位置して、上述の現在位置カウンタのカウンタ値GKが「0」に設定されているときに、実行される。
先ず、電子制御装置330が、エアミックスドア313の目標位置を予め決められる下限値MINに設定するとともに(ステップS300)、電気制御回路200のCPU240に対して時計回り方向に直流モータ110を回転させるように指令する(ステップS310)。なお、下限値MINは、ストッパー5bの正規の位置(すなわち、位置ずれが生じていない場合の位置)を示す値である。
これに伴い、CPU240が、モータ駆動回路210により時計回り方向に直流モータ110を回転させる。この直流モータ110の回転に伴い、パルスパターンプレート153からA相、B相パルス信号が発生する。
そして、電子制御装置330が、パルスパターンプレート153から発生するA相、B相パルス信号のうち一方のパルス信号のパルス数をカウントして、そのパルス数を「1」カウントする毎に現在位置カウンタのカウンタ値GKを「1」ずつデクリメントする。
このため、A相パルス信号のパルス数が「1」ずつカウントされる毎に、現在位置カウンタのカウンタ値GKが0、−1、−2、−3…の如く変化して下限値MINに近づくことになる。
また電子制御装置330は、A相、B相パルス信号の信号レベルが一定期間以上一定状態になると、リンクレバー160がストッパー5bに衝突してエアミックスドア313が機械的に停止されたとして、ステップS330でYESと判定する。
このとき、ストッパー5bの位置ずれが生じていなく、ストッパー5bが正規の位置に配置されていると、現在位置カウンタのカウンタ値GKが下限値MINに一致して(ステップS340:YES)、エアミックスドア313の作動範囲の一側端の位置をMINと設定する(ステップS350)。
一方、ストッパー5bの位置ずれが生じて、現在位置カウンタのカウンタ値GKが下限値MINに不一致である場合には(ステップS340:NO)、エアミックスドア313の作動範囲の一側端の位置をカウンタ値GKと設定する(ステップS360)。
以上により、ストッパー5bにより停止されたエアミックスドア313の停止位置(すなわち、出力軸127の停止位置)を作動範囲の一側端として判別して、その作動範囲の一側端の位置を内蔵メモリに記憶することになる。
その後、電子制御装置330が、エアミックスドア313の目標位置を予め決められる上限値MAXに設定するとともに(ステップS370)、電気制御回路200のCPU240に対して反時計回り方向に直流モータ110を回転させるように指令する(ステップS380)。これに伴い、CPU240が、モータ駆動回路210により反時計回り方向に直流モータ110を回転させる。
そして、この直流モータ110の回転に伴い、パルスパターンプレート153からA相、B相パルス信号が発生する。
ここで、電子制御装置330が、パルスパターンプレート153から発生するA相、B相パルス信号のうち一方のパルス信号のパルス数をカウントして、そのパルス数を「1」カウントする毎に現在位置カウンタのカウンタ値GKを「1」ずつインクリメントする。
このため、A相パルス信号のパルス数が「1」ずつカウントされる毎に、現在位置カウンタのカウンタ値GKが0、1、2、3…の如く変化して上限値MAXに近づくことになる。
また、電子制御装置330は、A相、B相パルス信号の信号レベルが一定期間以上一定状態になると、リンクレバー160がストッパー5aに衝突してエアミックスドア313が機械的に停止されたとして、ステップS390でYESと判定する。
このとき、ストッパー5aの位置ずれが生じていなく、ストッパー5aが正規の位置に配置されていると、現在位置カウンタのカウンタ値GKが上限値MAXに一致して(ステップS400:YES)、エアミックスドア313の作動範囲の他端側端の位置をMAXと設定する。
一方、ストッパー5aの位置ずれが生じて、現在位置カウンタのカウンタ値GKが上限値MAXに不一致である場合には(ステップS400:NO)、エアミックスドア313の作動範囲の他側端の位置をカウンタ値GKと設定する。
以上により、ストッパー5aにより停止されたエアミックスドア313の停止位置(すなわち、出力軸127の停止位置)を作動範囲の他側端として判別して、その作動範囲の他側端の位置を内蔵メモリに記憶することになる。
その後、電子制御装置330は、上述の如く目標開度SW(%)を演算し、その目標開度SW(%)に対応する位置を目標位置と設定するとともに、その目標位置に向けてエアミックスドア313を制御することになる。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
すなわち、本実施形態の車両用空調装置300は、回転軸127を作動範囲内で回転する電動モータ110と、電動モータ110の回転に基づいて、A相、B相パルス信号を発生するパルスパターンプレート153(および接点ブラシ155〜157)と、を備え、パルスパターンプレート153から発生されるA相、B相パルス信号に基づいて、回転軸127の回転角度を制御するようになっている。
ここで、回転軸127が回転角度の原点位置に位置する場合には、パルスパターンプレート153は、回転角度の原点位置を示すイニシャライズパターン(初期化パターン)のパルス信号を発生するものである。
電子制御装置330は、パルスパターンプレート153から発生されるイニシャライズパターンのパルス信号に基づいて回転角度の原点位置を判別し、原点位置を基準として電動モータ110を一方向に回転させるときにA相、B相パルス信号に基づいて回転軸127の作動範囲の一側端を判別し、また電動モータ110を他方向に回転させるときに、A相、B相パルス信号に基づいて作動範囲の他側端を判別する。
したがって、作動範囲の一側端および他側端が判別されるため、作動範囲を製品毎に判別することができる。このため、この判別される作動範囲内で電動モータ110を回転制御すれば、製品によって作動範囲にバラツキが生じるようになっていても、回転角度を良好に制御可能である。
(その他の実施形態)
また、上述の実施形態では、摺動接点方式の位置検出装置を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光学式のエンコーダ等のその他の位置検出装置にも適用することができる。
上述の実施形態では、出力軸127にパルス発生器158を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばパルス発生器158(パルスプレート153)用にさらに減速した回転部を設けパルス信号を発生させてもよい。
また、上述の実施形態では、両パルスパターン151、152より内周側に設けられたコモンパターン(共通導電部パターン)154を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、両パルスパターン151、152より外周側にコモンパターン154を設ける、又は両パルスパターン151、152間にコモンパターン154を設ける等してもよい。
また、上述の実施形態では、車両用空調装置に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
以下、上記実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、電動モータ110が「回転軸127を作動範囲内で回転する電動モータ」に相当し、パルスパターンプレート153および接点ブラシ155〜157が「前記電動モータの回転に基づいて、パルス信号を発生するパルス発生手段」に相当し、ステップS110、S120、S150の各制御処理が「前記パルス発生手段から発生される初期化パターンのパルス信号に基づいて前記回転角度の原点位置を判別する第1の判別手段」に相当し、ステップS340〜S360の各制御処理が「前記原点位置を基準として前記電動モータを一方向に回転させるときに、前記パルス発生手段から出力されるパルス信号に基づいて前記回転軸の作動範囲の一側端を判別する第2の判別手段」に相当し、ステップS400〜S420の各制御処理が「前記電動モータを他方向に回転させるときに、前記パルス発生手段からのパルス信号に基づいて前記作動範囲の他側端を判別する第3の判別手段」に相当し、ストッパー5bが「前記作動範囲の一側端まで前記回転軸が回転すると、前記回転軸を機械的に停止させる第1の停止手段」に相当し、ストッパー5aが「前記作動範囲の他側端まで前記回転軸が回転すると、前記回転軸を機械的に停止させる第2の停止手段」に相当する。
本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置の模式図である。 第1実施形態に係る電動アクチュエータの外観図である。 第1実施形態に係る電動アクチュエータの模式図である。 (a)は第1実施形態に係るパルスプレートの正面図であり、(b)は(a)の側面図である。 図3のA−A断面図である。 第1実施形態に係るパルスプレートの拡大図である。 第1実施形態に係る電動アクチュエータの制御回路を示す模式図である。 図3の直流モータの回転角度を検出するためのパルス信号のパターンを示すチャートである。 図3の直流モータの原点位置を検出するためのパルス信号のイニシャライズパターンを示すチャートである。 第1実施形態に係る電動アクチュエータの制御フローチャートである。 第1実施形態に係る電動アクチュエータの制御フローチャートである。
符号の説明
100…電動アクチュエータ、110…直流モータ、120…減速機、
127…出力軸、151…第1パルスパターン、
152…第2パルスパターン、153…パルスパルスパターンプレート、
154…コモンパターン、155…第1接点ブラシ、
156…第2接点ブラシ、157…第3接点ブラシ。

Claims (4)

  1. 回転軸(127)を作動範囲内で回転する電動モータ(110)と、
    前記電動モータの回転に基づいて、パルス信号を発生するパルス発生手段(155〜157、153)と、を備え、
    前記パルス発生手段から発生されるパルス信号に基づいて、前記回転軸の回転角度を制御する電動アクチュエータシステムであって、
    前記回転軸が前記回転角度の原点位置に位置する場合には、前記パルス発生手段は、前記回転角度の原点位置を示す初期化パターンのパルス信号を発生するものであり、
    前記パルス発生手段から発生される初期化パターンのパルス信号に基づいて前記回転角度の原点位置を判別する第1の判別手段(S110、S120、S150)と、
    前記原点位置を基準として前記電動モータを一方向に回転させるときに、前記パルス発生手段から出力されるパルス信号に基づいて前記回転軸の作動範囲の一側端を判別する第2の判別手段(S340〜S360)と、
    前記電動モータを他方向に回転させるときに、前記パルス発生手段からのパルス信号に基づいて前記作動範囲の他側端を判別する第3の判別手段(S400〜S420)と、
    を備えることを特徴とする電動アクチュエータシステム。
  2. 前記作動範囲の一側端まで前記回転軸が回転すると、前記回転軸を機械的に停止させる第1の停止手段(5b)と、
    前記作動範囲の他側端まで前記回転軸が回転すると、前記回転軸を機械的に停止させる第2の停止手段(5a)と、を備えており、
    前記第1の停止手段により停止される前記回転軸の位置を前記作動範囲の一側端として前記第2の判別手段が判別し、
    前記第2の停止手段により停止される前記回転軸の位置を前記作動範囲の他側端として前記第3の判別手段が判別することを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータシステム。
  3. 前記作動範囲内のち原点位置以外の領域を前記回転軸が回転しているときには、前記パルス発生手段は、前記初期化パターンとは異なるパルスパターンのパルス信号を発生するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動アクチュエータシステム。
  4. 請求項1ないし3のうちいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステムが適用される車両用空調装置であって、
    回転可能に支持されるドア(313)を有して、このドアの回転に応じて車室内に空調風を吹き出す室内空調ユニット(300)を備えており、
    前記ドアは前記回転軸を介して前記電動モータにより回転されるようになっていることを特徴とする車両用空調装置。
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