JP4276448B2 - 光輝性顔料及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光輝性顔料及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、雲母表面に二酸化チタンを被覆したパールマイカ顔料が知られている。このパールマイカ顔料は、二酸化チタン層の屈折率を利用した光干渉により真珠のような光沢を示し、二酸化チタン層の厚さを変化させることにより種々の干渉色を発色できることから、特に自動車の上塗り塗料として広く使用されている。しかしながら、近年更なる光輝感が要求されるようになり、従来のパールマイカ顔料では、そのエッジ部や顔料間で光散乱を起こし、塗装面を斜めから見ると白色に見える部分(シェード)を発生させ、塗装面の意匠性を損なう可能性があった。
【0003】
一方、酸化チタンはその白色性、紫外線遮蔽能という特徴を生かして塗料、化粧品さらには樹脂または紙への添加材として広く用いられているが、これらは従来の方法で製造された等粒状の微粒子を利用しているため、塗布性、密着性、分散性等に問題があった。板状の酸化チタンの製法には、特許文献1等が開示されているが、これは光沢や干渉色のない酸化チタンであった。
【0004】
ここで、色彩は、元来人間にとって生理的、心理的な影響を与える非常に重要な要素である。現に、色彩が人間に及ぼし得る生理的、心理的な効果を活用して安全で能率的な作業環境や健康で快適な生活環境を創世する手法であり、色彩学調整技術が様々な分野において活用されている。
【0005】
通常、物質に色彩を付与させる場合には、各種の着色顔料が用いられる。この着色顔料は、光の吸収や散乱などの現象を利用して好みの色彩を施すが、着色顔料のみでは、近年の色彩に対する多様な感性と意匠の要望には対応することができない。そこで、この着色顔料に加えて光の干渉現象を利用した顔料である二酸化チタン被覆雲母等の真珠光沢顔料が提供されている。この真珠光沢顔料の大きな特徴は、角度によって微妙に色調が変化する「フリップ・フロップ効果」を付与し得ることである。
【0006】
上述したパールマイカ顔料は、例えば天然雲母や合成雲母、アルミナ、シリカ、珪酸ガラス、ホウ酸ガラスなどの薄片状乃至板状の粒子を核とし、これに二酸化チタンを被覆し、その二酸化チタンの被覆量をコントロールすることによって様々な干渉色を持つた真珠光沢を呈している。このために、上記パールマイカ顔料を化粧料や、塗料、印刷インキ、粘着剤、樹脂練り込み等に外用組成物の顔料として用いると、粒子の厚さが厚いために超薄膜としての膜厚制御ができないことや、粒子エッジの光散乱が強くなるために「フリップ・フロップ効果」による意匠効果に欠ける等の欠点があった。
【0007】
一方、上記特許文献1に記載されているような薄片状酸化チタンは、大きな比表面積を有する多孔質体でチタン酸セシウムを酸水溶液と接触させて層状結晶を剥離・加熱することにより得られる薄片状酸化チタンであるため、チタン酸からなる層状結晶を層1枚にまで剥離した結果、その厚みがナノメーターレベルの非常に薄い酸化チタンを得ることができる。しかし、この薄片状酸化チタンは、余りにも薄いため、干渉色のない薄片状酸化チタンであった。したがって、真珠光沢顔料として使用は難しかった。
【0008】
近年、二酸化チタン薄片の表面に金属酸化物層または水化金属酸化物をコーティングした有色真珠光沢顔料が提案されている(例えば、特許文献2)。提案されている有色真珠光沢顔料は、連続ベルト上に熱加水分解性チタン化合物の水溶液を固化させ、次いで生成する層をベルトから剥離し洗浄し、生成した二酸化チタン薄片に中間で110〜150℃の温度で乾燥させるか、または乾燥させることなく、湿式法により、すなわち得られた二酸化チタン薄片を水中に懸濁して1または2以上の別種の金属酸化物または水化金属酸化物を塗布し、塗布された二酸化チタン薄片を水性懸濁液から分離採取し、110〜150℃の温度で乾燥させ、次いで所望により400〜700℃の温度で焼成してなる。
【0009】
また、小片状二酸化チタンの表面に高屈折率を有する金属酸化物層と高屈折率を有する金属酸化物層とが交互に被覆された多層干渉性顔料も提案されている(例えば、特許文献3)。この提案されている多層干渉性顔料は、連続ベルト上に加水分解性チタン化合物水性溶液を固化させ、次いで加水分解させて二酸化チタン層を生成させ、この生成した二酸化チタン層をベルトから剥離し洗浄して、得られた二酸化チタン小片を、中間で乾燥(例えば70℃(特許文献3の例1参照))するか乾燥させることなく、湿式法により、すなわち、得られた二酸化チタン小片を水中に懸濁させ、対応する水溶性金属化合物を添加し加水分解することによって、高屈折率を有する水化金属化合物及び低屈折率を有する水化金属酸化物を交互に被覆し、被覆された二酸化チタン小片を水性懸濁液から分離採取して、乾燥(例えば110℃(特許文献3の例1参照))させ、次いで、所望により得られたものを焼成(例えば700℃(同上))させることにより得られる。
【0010】
【特許文献1】
特許第2979132号明細書
【特許文献2】
特表2000−515927号公報
【特許文献3】
特表2000−515928号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、有色真珠光沢顔料や多層干渉性顔料は、いずれも、連続ベルト上に加水分解性チタン化合物水性溶液を固化させ、次いで加水分解させて二酸化チタン層を生成させ、この生成した二酸化チタン層をベルトから剥離し洗浄して、得られた二酸化チタン薄片又は小片に1または2以上の別種の金属酸化物または水化金属酸化物を塗布して、塗布された二酸化チタン薄片又は小片を水性懸濁液から分離採取し、110〜150℃の温度で乾燥させ、次いで所望により400〜700℃の温度で焼成してなる顔料である。
【0012】
特に、上記両顔料とも、上記特許文献2,3に記載されているように、ベルト上に形成させた二酸化チタン層を乾燥させ、次いで例えば脱イオン化水を含有する剥離浴を通過させることによって、ベルトから二酸化チタン層を剥離すると記載されている。
【0013】
しかしながら、いくらベルト表面を、市販の湿潤剤入り塗布溶液で湿らせても、また火炎処理、コロナ処理又はイオン化により活性化したとしても、脱イオン化水含有剥離浴において、二酸化チタン層とベルト表面との親和性が即座に弱められ、容易に二酸化チタン層がベルト表面から剥離するとは殆ど考えられない。
【0014】
また、湿潤剤入り塗布溶液でその表面が事前に示されベルト上に二酸化チタン層が形成され、剥離可能であったとしても、剥離後の二酸化チタン層表面には湿潤剤が付着しているため、他種の金属酸化物又は水化金属酸化物をその表面に塗布する前に、十分に湿潤剤を洗い落とす洗浄工程及び乾燥工程が必須となる。その結果、顔料製造工程が煩雑になる。
【0015】
また、二酸化チタン層が容易に剥離可能に表面処理されたベルト、すなわち、二酸化チタン層とベルト表面との親和性が低い状態のベルトであって、このベルトが移動している場合に、加水分解性チタン化合物水性溶液がベルト上から脱落又は流れることなく固化し、更に加水分解される可能性は極めて低いと考えられる。仮に、固化・加水分解が可能であったとしても、得られた二酸化チタン層の厚みは部分的に異なる不均一なものとなるため、光輝性が不安定な顔料が生成するか、又は不良な顔料が多量に生成するかのいずれかになってしまう。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、新規な光輝性顔料を得ることに成功し、本発明を完成した。
【0017】
すなわち本発明は、下記の光輝性顔料及びその製造法に関する。
【0025】
(1)薄片状基質の表面上に酸化チタンを被覆し被覆組成物を形成させ、前記被覆組成物を500℃以上700℃以下の温度で焼成させ、前記被覆組成物中のチタン化合物被膜を前記薄片状基質表面から剥離させ剥離組成物を得て、前記剥離組成物の表面に金属酸化物からなる被覆層を形成させ、前記被覆層が形成された顔料前駆体を700℃以上の温度で焼成させる光輝性顔料の製造方法である。
【0026】
(2)薄片状基質の表面上に酸化チタンを被覆し被覆組成物を形成させ、前記被覆組成物を500℃以上700℃以下の温度で焼成させ、前記被覆組成物中のチタン化合物被膜を前記薄片状基質表面から剥離させ剥離組成物を得て、前記剥離組成物の表面に金属酸化物からなる被覆層を形成させ、前記被覆層が形成された顔料前駆体を700℃以上の温度で焼成させたのち被覆層の表面に表面処理層を形成させる光輝性顔料の製造方法である。
【0027】
(3)上記(1)又は(2)に記載の光輝性顔料の製造方法において、前記薄片状基材は、天然マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク、硫酸バリウムから選択される光輝性顔料の製造方法である。
【0028】
(4)上記(1)又は(2)に記載の光輝性顔料の製造方法において、前記金属化合物は、酸化チタン、水酸化チタンから選択されるチタン化合物である光輝性顔料の製造方法である。
【0029】
(5)上記(2)に記載の光輝性顔料の製造方法において、前記表面処理層は、シリカ、アルミナ、ジルコニウムから選択される光輝性顔料の製造方法である。
【0030】
鱗片状二酸化チタンは強度があるため、雲母等に比べその厚みを薄くすることができる。その結果、厚みの薄い鱗片状酸化チタンの表面に金属酸化物の被覆層を形成しても、従来に比べ厚みの薄い光輝性顔料を得ることができる。これにより、従来のパールマイカ顔料より多めに光輝性顔料を塗膜に含有させることができ、より光輝感の高い塗膜を形成させることができる。
【0031】
また、薄片状基質の表面に酸化チタンを被覆し被覆組成物を生成させた後、被覆組成物を700℃以下の温度で焼成させることにより、酸化チタンの結晶度を大きくなりすぎないようにすることができ、この時点の結晶度であれば、容易に薄片状基質の表面から剥離させることができる。更に、剥離させた剥離組成物の表面に金属酸化物からなる被覆層を形成させ、この被覆層が形成された顔料前駆体もしくは前記顔料前駆体に表面処理層を形成したものを700℃以上の温度で焼成することによって、結晶度のやや低い鱗片状酸化チタンの表面に結晶度が高い緻密な被覆層や表面処理層を形成することができる。これにより、耐候性、耐変退色性が向上する。特に、自動車などの屋外使用のもの塗膜には、耐候性の要請が高いため、上記塗膜において本発明の光輝性顔料を用いることは有効である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0033】
実施の形態1.
図1には、本実施の形態1における光輝性顔料の製造方法が示されている。 図1を用いて、光輝性顔料の製造方法について説明する。まず、薄片状基質10の表面に酸化チタン層12を形成し、得られた被覆組成物を700℃以下、好ましくは500℃〜650℃の低温で焼成する(S100)。次に、被覆組成物の薄片状基質10から酸化チタン層12を剥離させ、剥離組成物である鱗片状二酸化チタン13を得る(S102)。得られた鱗片状二酸化チタン13の表面に金属酸化物からなる被覆層14を形成し顔料前駆体を生成させる(S104)。次いで、前記顔料前駆体を700℃以上、好ましくは700℃〜800℃の高温で焼成する(S106)。更に分級して、平均粒径10〜20μmの光輝性顔料20が得られる。得られた光輝性顔料20は、基材である鱗片状二酸化チタン13の表面に金属酸化物からなる被覆層14が形成され、更に内部が低結晶性で外殻が高結晶性の顔料である。
【0034】
更に詳細に説明すると、上記薄片状基質10は、平滑性に富み、その粒子の板形の大きさは、レーザー径で50〜800μmの範囲が好ましい。50μm以下では、剥離した酸化チタン層12の粒子径が細かすぎて、干渉光沢が十分に発揮できても、薄片状基質10から酸化チタンが剥離しにくい。また、粒子の板形の大きさが、800μm以上になると、酸化チタン層12の干渉光沢は十分に発揮できるが、剥離した酸化チタンの粒子の機械的強度が弱いため、利用する用途が限定されてしまう。
【0035】
上記薄片状基質10の粒子径は、100〜700μmの範囲であることがより好ましい。100μm以下の薄片状基質を用いると、後述する剥離組成物の粒子が細かくなり、高虹彩色の干渉色の発色がやや弱くなる傾向がある。また、薄片状基質10の粒子径が700μmより大きくなると、剥離組成物の粒子による高虹彩色の干渉色の発色は強くなるものの、粒子にザラツキ感が出てくる傾向がある。更に、薄片状基質10の粒子径は、更に好ましくは100〜300μmであり、光沢が強く剥離も容易となる。
【0036】
具体的に、上述の粒子径の範囲に入りやすい薄片状基質10としては、例えば、天然マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク、硫酸バリウム等が挙げられる。シリカフレークは、その形状、及び表面の平滑性の度合いを制御することが比較的容易であり、更に、その表面に均一な酸化チタン層12を、光沢が得られる特定の厚さまで被覆させることも比較的容易である等の点において薄片状基質10として選択するには好ましい素材である。
【0037】
薄片状基質10の粒子の厚さは特に規定されないが、0.1μm〜10μmの範囲が好ましい。粒子の厚さが0.1μm以下の場合、薄片状基質10の周辺が丸くカールし、被覆した酸化チタン層12の干渉光沢が十分に発揮できない。一方、粒子の厚さが10μm以上になると、粒子の平面と厚さ方向に被覆した酸化チタン層12が平面と厚さとで剥離した鱗片状酸化チタン13の干渉色が異なるために、全体としての干渉光沢が不充分になる。
【0038】
薄片状基質10の表面に被覆された被覆層の酸化チタン層12は、アナターゼ型もしくはルチル型酸化チタンをべースとする金属酸化物からなり、所望の光沢を得るためには、酸化チタン層12の厚みは、0.05〜0.6μmとすることが好ましい。
【0039】
硫酸チタニルや四塩化チタンの可溶性水溶液またはチタンアルコラートの加水分解を塗布することによって、薄片状基質10表面に酸化チタン層12を形成することができる。
【0040】
薄片状基質10の表面に酸化チタン層12が被覆させ低温焼成させた被覆組成物から剥離組成物である鱗片状二酸化チタン13を得るためには、被覆組成物をアルカリ中(pH8以上)に浸し、薄片状基質10から酸化チタン層12を剥離することにより、カールがなく平滑性に優れた剥離組成物である鱗片状二酸化チタン13を得ることができる。
【0041】
得られた鱗片状二酸化チタン13の厚みは、0.05μm〜0.6μmであることが好ましく、鱗片状二酸化チタン13の厚みが薄すぎると、所望する干渉色を生ずることが困難になり、好ましくない。逆に、厚すぎると、干渉色強度が厚みの散乱により干渉の強度が低下するため、好ましくない。
【0042】
次いで、鱗片状二酸化チタン13の表面に、例えば、酸化スズ−四塩化チタンの可溶性水溶液または硫酸チタニルや四塩化チタンの可溶性水溶液またはチタンアルコラートの加水分解を塗布することによって、鱗片状二酸化チタン13の表面に酸化チタンからなる被覆層14を形成することができる。この被覆層14が形成された顔料前駆体を高温焼成させ、光輝性顔料20を得ることができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、被覆層14は、酸化チタンからなるが、これに限るものではなく、高温焼成により結晶性の高い緻密な外殻を形成できるものであればよく、水酸化チタンなどのチタン化合物からなってもよい。
【0044】
また、上記被覆層14は、鱗片状二酸化チタン13を100重量%とした場合に、5重量%〜75重量%の割合で鱗片状二酸化チタン13表面に被覆されていることが好ましい。被覆層14が5重量%未満の場合には、経時による耐候性の劣化が生じ易くなり、一方、被覆層14が75重量%を超える場合には、顔料としての厚みが厚くなりすぎて、用途が限られてしまう可能性がある。
【0045】
また、上記被覆層14の粒子径は、例えば鱗片状二酸化チタン13の厚みが200nm程度の場合に、被覆組成物の粒子径は0.01μm〜0.05μmであることが好ましい。上記範囲未満の場合には、経時における耐候性の劣化の可能性があり、一方、範囲を超える場合には、顔料の厚みが厚くなりすぎると用途が限定されてしまう可能性がある。
【0046】
本実施の形態では、薄片状基質10の表面に酸化チタン層12を形成した被覆組成物を低温で焼成したが、例えば700℃を超える高温で焼成してしまうと、酸化チタン層12の酸化チタンの結晶度が大きくなり、がっちりと固まってしまい、酸化チタン層12を薄片状基質10から剥離できなくなってしまう。
【0047】
一方、図3に示すように、被覆組成物を低温で焼成させてから、薄片状基質10から酸化チタン層12を剥離させたのち、剥離させた鱗片状二酸化チタン13を700℃以上の高温で焼成させると、カールしてしまい、白濁した顔料しか得られなくなる。これは、図4に示すように、剥離させた鱗片状二酸化チタン13において、薄片状基質10と接していた剥離面15とこの剥離面15と対向する反対面とで、その酸化チタン粒子18の密度が全く異なることに起因する。このように、対向する面の酸化チタン粒子18の密度が異なる鱗片状二酸化チタン13を、そのまま700℃以上の高温で焼成してしまうと、結晶度を高めるように酸化チタン粒子18が密集し、その結果、当初粒子密度の低かった面側が収縮して、カールしてしまう。
【0048】
したがって、本実施の形態のように、薄片状基質10から剥離し易いように低温で焼成し、更に、剥離させた鱗片状二酸化チタン13の表面に特定の厚みを有する金属酸化物層14を形成してから高温で焼成させることによって、被覆層14が緻密な金属酸化物の層となり、顔料のカールを防止することができる。
【0049】
また、結晶度の小さい酸化チタンは、一般に紫外線や熱等の外部エネルギーが加わると、TiとOとのネットワークが緩いため、結晶度の高い酸化チタンに比べ酸素が結晶系外に脱離し易くなる。その結果、酸素欠陥により、脱離した酸素原子は系内に2個の原子を残すため、その周りのTi4+はTi3+に還元される。ここで、Ti4+は無色であるが、酸素結果により生じた結晶中のTi3+は強く分極して外殻電子が非常な歪みを受け、光の吸収作用が大きくなり、青紫色を呈することとなる。これにより、顔料としては灰色を帯び、変退色につながってしまう。しかしながら、本実施の形態のように、高温で焼成させた緻密な金属酸化物からなる被覆層14が光輝性顔料の外殻を形成している場合には、紫外線・熱などの外部エネルギーが加わったとしても、顔料から酸素が脱離する可能性が極めて小さく、その結果、退色性がなく耐候性に優れた顔料を提供することができる。
【0050】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、図1に示すように、鱗片状二酸化チタン13の表面に金属酸化物からなる被覆層14が形成されていたが、本実施の形態では、図2に示すように、更に被覆層14の表面に表面処理層16が形成されている。なお、本実施の形態において、上述した実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図2を用いて、本実施の形態の製造方法について説明する。まず、薄片状基質10の表面に酸化チタン層12を形成し、得られた被覆組成物を700℃以下、好ましくは500℃〜650℃の低温で焼成する(S100)。次に、被覆組成物の薄片状基質10から酸化チタン層12を剥離させ、剥離組成物である鱗片状二酸化チタン13を得る(S102)。得られた鱗片状二酸化チタン13の表面に金属酸化物からなる被覆層14を形成させる(S104)。次いで、被覆層14が形成した顔料前駆体のを700℃以上、好ましくは700℃〜800℃の高温で焼成する(S106)。更に、顔料前駆体の被覆層14の表面に表面処理層16を被覆する(S108)。更に分級して、平均粒径10〜20μmの光輝性顔料30が得られる。得られた光輝性顔料30は、基材である鱗片状二酸化チタン13の表面に金属酸化物からなる被覆層14が形成され、更に被覆層14の表面に表面処理層16が被覆され、更に内部が低結晶性で外殻が高結晶性の顔料である。
【0052】
上記表面処理層16は、シリカ及びまたはアルミナ・Zr・Ce・Zn、又は水ガラスや有機シリカ、可溶性アルミニウム塩等を用いて、シリカやアルミナ化合物等からなる。この表面処理層16により、より光輝性顔料30の耐候性が良くなり、しかもカールのない平板な顔料を得ることができる。
【0053】
なお、実施の形態2では、被覆層14を形成後に高温焼成させてから表面処理層16を被覆したが、これに限るものではなく、被覆層14を形成した後更に表面処理層16を形成してから高温焼成させてもよい。
【0054】
本発明の光輝性顔料を含む塗料は、例えば、自動車・オートバイ本体やドアミラ―、カウル等の部品、家具、家庭用品、コンパクト、スプレー缶等の化粧品用容器、事務用品、冷蔵庫、ヒータ、ジャー等の家電製品、オーディオ製品、パソコン・携帯通信端末、ビル外装材、床材、瓦、門扉、砂壁等の外装建材・内装建材、飲料缶、スポーツ・レジャー用品等に用いることができる。
【0055】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
【0056】
実施例1:
天然雲母1.0キログラムを大気中800℃の温度で2時間焼成し、放冷後このチップ状焼成天然雲母を上水10リットルに浸漬させ、室温にて5日間放置した。このチップ状焼成天然雲母を間隔500μmの増幸産業社製マスコロイダーで2回通過、解砕し、解砕した焼成天然雲母を50リットル入れポリタンクに移し、これに0.02パーセントのへキサメタ燐酸水溶液を加えて、全量を45リットルとした。
【0057】
プロぺラ攪拌機で撹拌し、静置後5分で、上澄液を別の容器に移し、この操作を3回繰返し、0.1mm以上の大粒子を分級し、上澄液を標準節10メッシュ(800μm)と65メッシュ(203μm)を用いて節分級し、10〜65メッシュの粒子径を150g得た。
【0058】
次に、分級した天然雲母150gに硫酸チタニル400gと上水7.5リットルを加えて、プロぺラ撹拌しながら硫酸チタニルを溶解した。硫酸チタニルの溶解後、撹拌しながら加熱し、90℃以上の温度で4時間加水分解処理した。放冷後、水洗、ろ過し、150℃で乾燥した。得られた被覆組成物の粒子径は0.02μmの集合体であった。
【0059】
また、乾燥粉末を大気中700℃で1時間焼成した。該焼成粉末に10パーセントの苛性ソーダ水溶液を加えてpH11に調整し浸漬静置した。上澄に浮離した粉末をデカンテーション法で分級し、分級粉末をろ過、水洗した。水洗分級粉末(鱗片状二酸化チタン)に塩化スズ3g,四塩化チタン100gを上水5リットルに溶解した水溶液を加え、プロペラ撹拌しながら加熱し80℃以上で5時間加水分解処理した。放冷後、水洗、ろ過し150℃で乾燥した。この乾燥粉末を大気中700℃2時間焼成した。得られた粉末(光輝性顔料)は140グラムであった。
【0060】
この粉末(光輝性顔料)は、透過型電子顕微鏡(TEM)10,000倍で観察したところ薄片状の平板で、板径の平均が10μm板の厚さが0.24μmであった。アクリルメラミン塗料にPWC(pigment weight content)10%を混合してベース塗料とした。
【0061】
黒中塗りを塗装した鋼板状に、上記ベース塗料を約15μmになるように塗装し、焼き付けずにアクリルメラミン系のクリア塗料を約30μmになるように塗装し、140℃で30分間焼き付けた。この塗板を促進耐候性試験(キセノンランプを400時間照射後)の色差を測定し、耐候性能を評価した。
【0062】
耐候性能の評価において、黒地の色調を調べるためにミノルタ社製CM−1000を用いて、L*、a*、b*を測色し、ΔEを求めた。結果を表1に示す。
【0063】
比較例1:
天然雲母から剥離した鱗片状二酸化チタンの表面に被膜を形成することなく大気中700℃2時間焼成した以外は、実施例1に準じて光輝性顔料を製造した。なお、耐候性評価も上記実施例1に準じて行った。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1より、被覆層を有する光輝性顔料は、耐候性が向上することが判明した。
【0066】
実施例2〜4及び比較例2〜3:
厚み200nmの鱗片状二酸化チタンに対してTiO2被覆層の厚みを変え、更に、表面処理層を形成した以外は、実施例1の製造方法に準じ、得られた光輝性顔料に関して上述したように耐候性試験を行った。表面処理層は、酸化チタン被覆層が形成され高温焼成された粉末に硫酸アルミニウム8.325グラムを5リットルの上水に溶解した水溶液に加え、更にオキシ塩化ジルコニウム4グラムと尿素18グラムを加えプロペラ撹拌しながら加熱し、80℃以上で5時間加水分解処理行うことにより生成させ、その後、放冷、水洗、ろ過して得られた粉末を大気中700℃で2時間焼成して光輝性顔料を得た。なお、実施例2〜4及び比較例2〜3において、初期とキセノンランプ照射時間800時間後との色差により評価した。結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
表2により、鱗片状二酸化チタン100重量%に対して被覆層が5重量%〜75重量%であることが好ましく、目視観察を加味すると白濁が認められない45重量%の被覆層がより好ましい。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、薄片状基質の表面に酸化チタン層を形成し、低温焼成することによって、酸化チタン層を容易に薄片状基質から剥離することができ、更に剥離された鱗片状酸化チタンの表面に金属酸化物(例えば、二酸化チタン)層を被覆して高温で焼成することにより、耐候性の高い光輝性顔料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の光輝性顔料の製造工程を説明する図である。
【図2】 本発明の実施の形態の他の光輝性顔料の製造工程を説明する図である。
【図3】 低温焼成したのち剥離させた剥離組成物を未被覆で高温焼成する工程を説明する図である。
【図4】 低温焼成後の剥離組成物の拡大模式断面図である。
【符号の説明】
10 薄片状基質、12 酸化チタン層、13 鱗片状二酸化チタン、14 被覆層、15 剥離面、16 表面処理層、20,30 光輝性顔料。
Claims (5)
- 薄片状基質の表面上に酸化チタンを被覆し被覆組成物を形成させ、
前記被覆組成物を500℃以上700℃以下の温度で焼成させ、
前記被覆組成物中のチタン化合物被膜を前記薄片状基質表面から剥離させ剥離組成物を得て、
前記剥離組成物の表面に金属酸化物からなる被覆層を形成させ、
前記被覆層が形成された顔料前駆体を700℃以上の温度で焼成させることを特徴とする光輝性顔料の製造方法。 - 薄片状基質の表面上に酸化チタンを被覆し被覆組成物を形成させ、
前記被覆組成物を500℃以上700℃以下の温度で焼成させ、
前記被覆組成物中のチタン化合物被膜を前記薄片状基質表面から剥離させ剥離組成物を得て、
前記剥離組成物の表面に金属酸化物からなる被覆層を形成させ、
前記被覆層が形成された顔料前駆体を700℃以上の温度で焼成させたのち被覆層の表面に表面処理層を形成させることを特徴とする光輝性顔料の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の光輝性顔料の製造方法において、
前記薄片状基材は、天然マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク、硫酸バリウムから選択されることを特徴とする光輝性顔料の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の光輝性顔料の製造方法において、
前記金属化合物は、酸化チタン、水酸化チタンから選択されるチタン化合物であることを特徴とする光輝性顔料の製造方法。 - 請求項2に記載の光輝性顔料の製造方法において、
前記表面処理層は、シリカ、アルミナ、ジルコニウムから選択されることを特徴とする光輝性顔料の製造方法。
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