JP2646454B2 - 被覆顔料 - Google Patents

被覆顔料

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鱗片状無機粉体の粒子表面が、酸化チタン,
酸化アルミニウム,無機の有色化合物によって、順次、
積層被覆されている有色の被覆顔料に関する。
更に詳しくは、特性として適度な色の濃さと適度な隠
ぺい力を有し、表面光沢が少ない光学特性を具備し、メ
ーキャップ化粧料に用いるとき色分かれや色むらを起こ
さず、かつ、皮膚(肌)の上に塗着すると良好な進展性
(伸び)と付着性(付き)を発揮する、新規な有色の被
覆顔料に関する。
(従来の技術) 従来、パウダーファンデーションなどのケーキ型メー
キャップ化粧料では、雲母,セリサイト,タルク,カオ
リンのような鱗片状の無機粉体を体質顔料に用い、これ
に酸化チタンなどの白色顔料、少量の着色顔料、油性物
質などのバインダーを混合して調製されている。
ところが、これらの化粧料では、皮膚上で塗布すると
きに色がやや濃い色に変わったり、有色顔料だけが皮膚
に付着し、鱗片状の無機粉体は付着しにくいことによる
色分れ現象を生じることが多かった。
また、単一あるいは複数の有色顔料と白色顔料の混合
物によって調色されている液体ファンデーションやネイ
ルカラー(マットタイプ)では、有色顔料と白色顔料の
表面極性等の物性が異るために、保存中に色むらを生じ
る等の安定性上の問題があった。
雲母に酸化チタンを被覆し、更に酸化鉄を被覆し、真
珠光沢顔料を得る試みが特開昭49−128027号公報等に開
示されている。これによって得られる願料を従来のパウ
ダーファンデーションに用いる粉体(体質顔料,酸化チ
タン,酸化鉄の混合物)の代りに用いると、前述の色分
かれ現象は防止されるが、皮膚に塗布した外観が極めて
強い真珠光沢を示し不都合である。特開昭62−16408号
公報には、雲母に酸化チタン,酸化亜鉛,酸化鉄の1種
又は2種以上を5〜30nmの厚さで均一に被覆した顔料が
開示されている。これによって得られる顔料を従来のパ
ウダーファンデーションに用いる粉体の代りに用いる
と、特開昭49−128027号公報に従って得られる顔料を用
いた場合のような強い真珠光沢を示すことはないもの
の、やや銀色がかった光沢を示し好ましくない。
特開昭58−76461号公報には、雲母等に、金属成分と
してアルカリ土類金属を含む金属酸化物又は金属水酸化
物を被覆させた透明性着色顔料が開示されている。例え
ばこの中の実施例1及び7に従って白雲母にそれぞれFe
OOH,MgO混合物及びFe2O3,MgO混合物を被覆して得た透明
性着色顔料を通常のパウダーファンデーションに用いる
粉体(体質顔料,酸化チタン,酸化鉄の混合物)の代り
に用いると色が濃すぎ不都合である。
(本発明が解決しようとする問題点) 本発明は、従来技術の難点を悉く解消したものであっ
て、その目的は(1)適度な色の濃さを示す特性、
(2)適度な陰ぺい力を示す特性、(3)表面光沢が少
ない特性、(4)皮膚上に塗布するとき色分かれしない
特性、(5)水、又は有機溶媒中で色縞を生じない特
性、(6)皮膚上での伸展性や付着性にすぐれている特
性を併せ持った新規で有用なる有色の被覆顔料を提供す
ることにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の上記目的は、鱗片状無機粉体の表面に第一層
として酸化チタン,第二層として酸化アルミニウム,第
三層として無機の有色化合物が被覆されていることを特
徴とする被覆顔料によって達成される。
本発明の被覆顔料の製造工程は、鱗片状無機粉体の表
面に酸化チタン及び酸化アルミニウムを被覆する第一の
工程、並びに、第三層目の無機の有色化合物を被覆する
第二の工程に大別される。第一の工程は、特願昭62−89
603号公報記載の製造方法に準じるものである。すなわ
ち、水溶性チタン塩,水溶性アルミニウム塩および尿素
が溶解している水溶液中に鱗片状無機粉体を分散せし
め、この懸濁液を、撹拌下、80〜100℃に加熱すること
によって、分解生成するアンモニアを、前記のチタン塩
とアルミニウム塩に反応せしめ、生成する酸化チタン水
和物と酸化アルミニウム水和物が鱗片状無機粉体の粒子
表面に順次積層沈着した後、この鱗片状無機粉体を懸濁
液から別し、水洗,乾燥,焼成する各操作から成る。
この方法によれば、第一層目の酸化チタン水和物、第
二層目の酸化アルミニウム水和物の沈着が1バッチの操
作で実施でき、工程が極めて省力的、合理的である。
第二の工程は、第一の工程で得た酸化チタン−酸化ア
ルミニウム被覆顔料の粒子表面に更に公知の方法で無機
の有色化合物を被覆される工程である。
無機の有色化合物としては、例えば、酸化鉄(α−Fe
2O3,γ−Fe2O3),四三酸化鉄(Fe3O4),オキシ水酸化
鉄(α−FeOOH,β−FeOOH,γ−FeOOH,δ−FeOOH),ア
ルミン酸鉄,アルミン酸コバルト,酸化コバルト,チタ
ン酸鉄,チタン酸コバルト,紺青,酸化クロム等を挙げ
ることができる。
本発明の被覆顔料の基体を構成している鱗片状無機粉
体としては、例えば、雲母,セリサイト,タルク,カオ
リン,硫酸バリウム,窒化ホウ素,リン片状アルミナ、
等を挙げることができる。
基体の鱗片状無機粉体の表面の第一層と第二層を形成
している被覆物質の酸化チタンの酸化アルミニウムの重
量比率は70:30〜30:70の範囲が好ましい。酸化チタンの
比率が70%を越えると被覆全体の屈折率が高くなるため
に被覆層における光干渉が生じ、真珠光沢が現われるの
で好ましくない。酸化チタンの比率が30%未満であると
被覆層全体の屈折率が低くなるために、油,水,溶剤,
で濡れた状態で充分な隠ぺい力が得られず、化粧料や塗
料に配合した場合、くすんだ色調を与える。
本発明に用いるこれらの無機粉体の粒径は、通常1〜
100μmの範囲が好適である。
基体の鱗片状無機粉体の表面を被覆している酸化チタ
ンと酸化アルミニウムの合計の料は、該被覆顔料の総量
を基準として、5〜60重量%である。5重量%未満の場
合は、白色度が低下し60%を超えると、該被覆顔料の粒
子同士が凝縮し固化を起しやすく、またそれを配合した
化粧料,塗料の伸展性や付着性がわるくなる傾向にあ
る。
本発明の被覆顔料の第三層目に被覆される無機の有色
化合物の量は、該被覆顔料の総量を基準にして、0.5〜3
0重量%である。0.5重量%未満の場合、有色顔料として
の効果が現われず、30重量%を超えると、第三層目とし
て被覆されない無機有色化合物粒子が生成し、これを配
合した化粧料は色分かれ、あるいは色縞が生じるので望
ましくない。
本発明の被覆顔料は、第一層が酸化チタン、第二層が
酸化アルミニウムであり、第一層,第二層の平均の屈折
率が酸化チタンの屈折率よりも小さい。従って、本発明
の被覆顔料は適度な隠ぺい力を所持しながら顔料の表面
光沢が小さい有色顔料となる。
一方、第二層の酸化アルミニウム被覆をせずに無機の
有色顔料を被覆した場合は、酸化チタン層からの反応に
より、顔料の表面光沢が現われる。
本発明の被覆顔料は、鱗片状粉体の表面にある被覆層
が微粒子によって構成されているため皮膚への付着力に
優れ、また、全体として鱗片状であるので、皮膚上でな
めらかな伸びを示す。これらの特長は、化粧料に配合し
たときそのまま発揮される。また塗料へ配合したときも
同様に良好な伸展性,付着性を示す。
酸化チタンと酸化アルミニウムが被覆した段階の被覆
顔料の表面は、走査型電子顕微鏡観察によると50nm以下
の超微粒子で構成されていることが認められる。
これに第三層目に被覆した無機の有色化合物の被覆状
態は場合により異る。例えば後記実施例1で得た被覆顔
料の場合、第三層目の物質は酸化第二鉄(α−Fe2O3
であり、第二層の上に0.5μm位の粒子として飛び飛び
に固着している。一方、後記実施例8で得た被覆顔料の
場合、第三層目の被覆物質は実施例1と同じであるが、
0.1μm位の粒子が均一に分散して第二層の上に固着し
ている。
(実施例) 以下、本発明の実施例を記載する。実施例に示す各特
性値の評価方法は以下の通りである。
(1) 顔料の色の濃さの評価 本発明の被覆顔料の色調は、一般の有色顔料のような
濃い色ではなく、一般の有色顔料を白色顔料と混ぜたと
いのような淡い色調であることが特徴である。第一層,
第二層(TiO2及びAl2O3)の白色層による「白さ」と、
第三層の無機の有色化合物による「着色力」とが、調和
のとれているとき最適の色の濃さが得られる。
この特徴は、本発明の被覆顔料Aの明度をV、この被
覆顔料Aの第三層の被覆物質の明度をV0とするとき、次
のように評価した。
(2) 顔料の隠ぺい力の評価 JIS K5101 6隠ぺい力の甲法を用いた隠ぺい力値か
ら次のように評価した。
(3) 顔料の表面光沢の評価 両面テープを貼付した艶なしの黒色紙の表面に試料顔
料を均一に塗布した。
これを変角分光色彩計で、入射角45゜,受光角45゜,
波長550nmの分光反射率を測定した。角分光反射率の値
は、入射角45゜,受光角0゜における標準白色板の各波
長の分光反射強度を基準(100)にした百分率で示し
た。
表面光沢度は、分光反射率の値に基づいて次のように
評価した。
(4) 皮膚上に塗布するとき色分かれしない特性 顔料0.2gを上腕屈側部にのせ、指で伸ばしたとき皮膚
上で色の濃淡の現われ方により次のように評価した。
(5) 溶媒で色むらを生じない特性 水200mlに顔料を20g入れ、ホモミキサーで5,000rpm、
5分間分散させた。これを透明ガラスビンに入れ、1時
間静置後に下記により評価した。
(6) 皮膚表面での伸展性及び付着性の評価 顔料の化粧料(粉白粉等)として必要な性能である皮
膚表面での進展性(のびのよさ)および皮膚表面に対す
る付着性(つきのよさ)について、実用テスト(専門検
査員10人)により調べた。スコアは極めて良い(5
点),良い(4点),普通(3点),悪い(2点),極
めて悪い(1点)の5段階とし、10名のスコアの平均値
を求め、次のように表示した。
実施例1 (1) 酸化チタン−酸化アルミニウム被覆雲母の調製 硫酸チタニル(TiO2として150g),硫酸アルミニウム
(Al2O3として150g),尿素650gを溶解させた水13中
に平均粒径10μmの雲母A1.0kgを分散させた後、撹拌下
に加温し30分で100℃とした。その次のPHは1.5であっ
た。PH1.5及び2.0の時点で反応液をそれぞれ10mlサンプ
リングし、これを過した液に過酸化水素水5滴を添
加すると液は黄色を呈し、反応液中にチタンイオンが検
出された。反応液のPHは経時的に上昇した。PH2.5の時
点で反応液をサンプリングし同様に過酸化水素水を添加
したところ液は無色のままでありチタンイオンは検出さ
れなかった。従って、PH2.5未満の領域で第一層目とし
て酸化チタン水和物が沈着する反応が進行し、PH2.5で
は、その反応が完了したことが確認された。
さらに、PH2.5及びPH5.0において、反応液の一部をサ
ンプリングし、過した液につきモリン・テストを行
なった結果、紙上に緑色の蛍光斑点が生じ、アルミニ
ウムイオンが検出されたが、PH5.5の反応液からは同様
のテストによりアルミニウムイオンが検出されなかっ
た。
別に、硫酸アルミニウムと尿素が溶解している水溶液
を加熱し、100℃で保持する実験より、水溶液中に酸化
アルミニウムの水和物の沈澱生成が認められる。PHは約
4であった。
これらより、アルミニウム水和物が第二層として沈着
するPH領域は、PH約4〜5.5未満である。
100℃になってから6時間で加熱を止めた。ついで、
過,水洗し、120℃で4時間乾燥し、800℃で2時間焼
成して酸化チタン−酸化アルミニウム被覆雲母を得た。
(2) 酸化第二鉄の被覆 硫酸第二鉄アンモニウム(Fe2O3として100g),尿素3
70gを溶解させた水15に実施例(1)で得た酸化チタ
ン−酸化アルミニウム被覆雲母1.0kgを分散させた後、
撹拌下に加温し60分で100℃とした。6hr後加熱を停止
し、放冷後、過,水洗,乾燥し800゜で2hr焼成し、第
三層目に酸化第二鉄(α−Fe2O3)の平均0.5μmの粒子
が固着した淡いレンガ色の被覆顔料を得た。
この被覆顔料総量中の被覆物質量はTiO210.5%,Al2O3
10.5%,Fe2O39.1%であった。
実施例2 硫酸第一鉄アンモニウム(FeOOHとして200g),尿素5
00gを溶解させた水10に実施例(1)で得た酸化チタ
ン−酸化アルミニウム被覆雲母1.3kgを分散させた後、
撹拌下に加温し60分で90℃とした。4hr後加熱を停止
し、放冷後、過,水洗し、115℃で乾燥し、第三層目
にオキシ水酸化鉄(α−FeOOH)の針状粒子が固着した
黄白色の被覆顔料を得た。
この被覆顔料総量中の被覆物質料はTiO210.0%,Al2O3
10.0%,FeOOH13.3%であった。
実施例3 水15に実施例1(1)で得た酸化チタン−酸化アル
ミニウム被覆雲母1.3kgを分散させ75℃に加温した。撹
拌下に75℃を維持しながら硫酸チタニル(TiO2として7
9.9g)及び硫酸第二鉄(Fe2O3として159.7g)を溶解し
た水2を1/hrの速度で加え、それと同時に溶液全
体のPHが3.0を保つ速度でIN−NaOH水溶液を加えた。次
いで過,水洗,乾燥後、900℃で2hr焼成し、プソイド
ブルッカイト(TiFe2O4)の微粒子が第三層を形成して
いるベージュ色の被覆顔料を得た。
この被覆顔料総量中の被覆物質量はTiO29.7%,Al2O
39.7%,TiFe2O415.6%であった。
実施例4 実施例1(1)で得た酸化チタン−酸化アルミニウム
被覆雲母1.3kgを水15に分散させ、75℃に加温した。
撹拌下に75℃を維持しながら、(1)硫酸アルミニウム
(Al2O3として50.9g),(2)硝酸コバルト(CoOとし
て37.5g)を溶解した水30.5/hrの速度を加え、そ
れと同時に溶液全体のPHが7.0を保つ速度でIN−NaOH水
溶液を加えた。次いで過,水洗,乾燥後800℃で1hr焼
成し、空色の被覆顔料を得た。
実施例5〜7 実施例1(1)で得た酸化チタン−酸化アルミニウム
被覆雲母を用い、下記の如く、水溶性金属塩の種類及び
量保持するPH値を種々変える他は、実施例4と同様にし
て各種の有色の被覆顔料を得た。
実施例8 (1) 酸化チタン−酸化アルミニウム被覆カオリンの
調製 硫酸チタニル(TiO2として670g),硫酸アルミニウム
(Al2O3として330g)、尿素2.5kgを溶解させた水20中
に平均粒径5μmのカオリン1.0kgを分散させた後、撹
拌下に加温し40分で100℃とした。6時間後で加熱を止
め、ついで、過,水洗し、120℃で4時間乾燥し、700
℃で2時間焼成して酸化チタン−酸化アルミニウム被覆
カオリンを得た。
(2) 硫酸第二鉄(Fe2O3として400g),尿素600gを
溶解させた水15に、実施例8(2)で得た酸化チタン
−酸化アルミニウム被覆カオリン1.0kgを分散させた
後、撹拌下に加温し、30分で100℃とした。5hr後加熱を
停止し、放冷後過,水洗,乾燥し、700℃で2hr焼成
し、第三層目に酸化第二鉄(α−Fe2O3)の平均0.1μm
の粒子が固着したらくだ色の被覆顔料を得た。
実施例9 (1) 酸化チタン−酸化アルミニウム被覆セリサイト
の調製 硫酸チタニル(TiO2として35g),硫酸アルミニウム
(Al2O3として65g)、尿素200gを溶解させた水10中に
平均粒径70μmのセリサイト1.0kgを分散させた後、撹
拌下に加温し40分で100℃とした。6時間後で加熱を止
め、ついで、過,水洗し、120℃で4時間乾燥し、700
℃で2時間焼成して酸化チタン−酸化アルミニウム被覆
雲母を得た。
(2) 硫酸第二鉄(Fe2O3として5g),尿素20gを溶解
させた水10に、実施例8(2)で得た酸化チタン−酸
化アルミニウム被覆セリサイト1.0kgを分散させた後、
撹拌下に加温し、40分で100℃とした。5hr後加熱を停止
し、放冷後過,水洗,乾燥し、700℃で2hr焼成し、第
三層目に酸化第二鉄(α−Fe2O3)の平均0.1μmの粒子
が固着した淡い橙赤色の被覆顔料を得た。
比較例1 (1) 特開昭49−128027号公報の実施例4に準じて粒
径10〜40μmの雲母チタン(TiO228%、雲母72%から成
り銀色真珠光沢を示す)にオキシ水酸化鉄を被覆させ
た。すなわち、水60に雲母チタン2.08kgを分散し、撹
拌下75℃に加熱した。硫酸第一鉄水溶液(α−FeOOHと
して1.19kg)と濃硫酸90mlからなる水溶液30を6hrで
同一速度で加え、同時に空気を導入した。溶液のPHはア
ンモニア水を加えてPH6.0に保った。反応終了後、
過,水洗,乾燥し黄金色〜赤銅色の干渉色のオキシ水酸
化鉄被覆雲母チタンを得た。
(2) 比較例1(1)で得たオキシ水酸化鉄被覆雲母
チタンを950℃で1時間焼成し、赤銅色の干渉色の酸化
鉄被覆雲母チタンを得た。
比較例2(混合物) 実施例1の被覆顔料の構成物質の比率と同じになるよ
うに、マイカ70.9部、酸化チタン10.5部、アルミナ10.5
部、酸化鉄(ベンガラ)9.1部を均一に混合した。
比較例3 特開昭62−16408号公報の製造例4に準じて二酸化チ
タンと酸化鉄被覆雲母を得た。
雲母400gを水8に分散させ、撹拌下に1mol/の硫
酸チタニル水応益265mlを加え加熱して4時間100℃を保
持した。冷後、水洗過し、過物を水7に加え分散
させた。これに1mol/の硫酸第一鉄溶液250mlを加え、
更に水酸化ナトリウム水溶液を加えてPHを5に調整した
後、毎分20の空気をバブルさせた。96時間後、水洗
過し、80℃で2日間乾燥させた。
比較例4 特開昭58−76461号公報の実施例1に準じてオキシ水
酸化鉄−酸化マグネシウム混合物被覆雲母を得た。硫酸
第二鉄アンモニウム55gと硫酸マグネシウム10gおよび尿
素80gを水900mlに溶解し、直径1〜10μmの白雲母90g
を分散し、95〜98℃にて1時間加熱した。過,水洗後
105〜110℃で乾燥した。黄色の粉体が得られた。
本発明の薄片状有色顔料を化粧品などに用いる際の性
能を調べるために、酸化鉄(α−Fe2O3)を被覆物質と
する実施営1,比較例1(2)、及び酸化鉄を配合成分と
する比較例2の顔料特性を評価した。
同様に、実施例2、比較例3及び4の顔料特性を評価
した。これらはいずれもオキシ水酸化鉄(黄酸化鉄,α
−FeOOH)を被覆物質として含んでいる。
前記の表1および表2に示す結果から明らかなよう
に、本発明の被覆顔料は、色の濃さ,隠ぺい力,表面光
沢,皮膚上の色分かれ,溶媒中の色むら,伸展性,付着
性において極めて良好であり、そして他の被覆顔料(比
較例1〜4)よりも優れている。
(発明の効果) 本発明の被覆顔料は、適度な色の濃さと適度な隠ぺい
力を有し、表面光沢が少ない光学特性を具備し、メーキ
ャップ化粧料に用いるとき色分かれや色むらを起こさ
ず、かつ、皮膚(肌)の上に塗着すると良好な伸展性と
付着性を発揮する等、その作用効果は顕著である。
よって、本発明は、化粧料等に有用なる有色の被覆顔
料を提供するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鱗片状無機粉体の表面に、第一層として酸
    化チタン,第二層として酸化アルミニウム,第三層とし
    て無機の有色化合物が被覆されていることを特徴とする
    被覆顔料。
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