JP4275752B2 - 自動車用操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,自動車用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車用操舵装置においては,運転者がステアリングホイール(ハンドル)を通じて開始した操舵動作が,操舵機構によって,または補助力に支援されることによって,操舵可能な車輪へ伝達される。さらに,運転者によって開始される操舵動作に,操作部材によって開始される他の操舵動作を重畳する操舵装置が知られている。この操舵装置は,例えばドイツ連邦共和国公開公報DE−OS4031316(US5205371に相当。)において開示されている。上記公報により開示されている操舵装置においては,運転者によって操作されるステアリングホイールと操舵機構との間に,運転者の操舵動作に操作部材の動作を重畳することのできる重畳機構が備えられている。従って,この操舵装置により,車両,例えば自動車に備えられた操舵可能な車輪の操舵角度が,運転者によって操作されるステアリングホイールの切れ角度と,固定の関係を持つ必要がなくなる。さらに,操舵装置が備えられることにより,運転者のステアリングホイール角度に基づく操舵補助が可能となると共に,操舵装置に付加的な操舵信号を与えることにより,大きな可変性を与えることができ,例えば走行安定性や走行快適性などを得ることができる。また,他の構成の重畳操舵機構を備えた操舵装置は,ドイツ連邦共和国公開公報DE−OS4243267においても開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,各動作,例えば運転者の操舵操作と操作部材の動作との重畳によって作動する上記操舵装置による補助力支援操舵においては,操舵機構及び重畳機構の構造的な構成において決定される一定の操舵機構変速比を選択することによっても,必ずしもすべての走行状態の場合に対応するステアリングホイールトルクまたは良好な操舵感覚を得ることができないという問題が生じることがある。すなわち,特に車両の停止状態において,操舵角度が大きい場合にステアリングホイールトルクが大きくなり過ぎたり,または車両が高速で走行している場合にステアリングホイールトルクが小さくなり過ぎたりすることである。
【0004】
本発明は,従来の自動車用操舵装置が有する上記のような問題点に鑑みて成されたものであり,操舵機構の機械的な変速比を可変に設計したことにより,運転者の操舵感覚を改善することが可能な,新規かつ改良された自動車用操舵装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は,少なくとも1つの操舵可能な車軸と,操作部材と,重畳機構と操舵機構とを有する自動車用の操舵システム,すなわち操舵装置に基づくものである。そして,重畳機構と操舵機構とは,それぞれ別々の機械的な変速比を備えている。また,操舵可能な車軸と操作部材と重畳機構と操舵機構とは,互いに作用結合で結合,すなわち機構的に連結されている。そして,重畳機構によって,運転者により開始される操舵動作と,操作部材によって開始される動作との重畳が行われる構成となっている。さらに,これらの構成により得られた全体動作が,操舵機構へ供給されると共に,この操舵機構が,全体動作を操舵角度として操舵可能な車軸の車輪へ伝達される構成となっている。
【0006】
本発明の特徴は,操舵機構の機械的な変速比が可変に設計されていることにあると共に,重畳機構と可変の変速比を有する操舵機構または操舵ギヤとの組み合せにある。そして,かかる組み合せにより,ステアリングホイール動作と操舵可能に設計された車輪の操舵角度との間に,任意に調節可能な関係を得ることができ,さらに運転者の良好な操舵感覚を犠牲にする必要がなくなるといった効果を得ることができる。特に,当該発明は,一定の操舵ギヤ変速比を有する重畳機構と比較すると,非常に良好なステアリングホイールトルク及び改善された操舵感覚を得ることができる。
【0007】
また,本発明は,例えば上述のドイツ連邦共和国公開公報DE−OS4031316または同国公開公報DE−OS4243267において開示されているような操舵システムにも実施することができる。この場合,上記公報DE−OS4031316で開示されている操舵システムにおいては,例えば同公報中の図1に示されている操舵システム6の変速比を可変にすることが考えられる。また,上記公報DE−OS4243267で開示されている操舵システムにおいては,例えば同公報中の図1に示されている操舵機構(L)の変速比を可変にすることが考えられる。なお,可変の変速比を有する操舵機構は,従来から知られている(例えば,「操舵テクノロジーにおける進化(Evolution in der Lenkungstechnologie)」Automobil-Industrie 4/5−91,第315〜321ページを参照。)。しかしながら,本発明の特徴は,車両,例えば自動車を安定させるための補正的な操舵作用が,操舵機構の可変に設計された変速比によっても,制限されることなく実施可能なことにある。
【0008】
また,本発明を実施する場合において,操舵機構の変速比を,操舵角度が小さい場合には操舵角度が大きい場合よりも小さく設計することにより,さらに運転者の良好な操舵感覚を向上させることが可能となる。
【0009】
さらに,運転者によって開始される操舵動作は,運転者によって操作されるステアリングホイールのステアリングホイール角度によって表すことができる。従って,この場合には,重畳機構によりステアリングホイール角度に操作部材によって開始される回転角度を重畳することができる。
【0010】
また,上述の従来技術によれば,ステアリングホイール角度に操作部材の回転角度が重畳される場合において,操作部材は,少なくともステアリングホイール角度または車両動作に従って駆動される構成となっている。そして,これらの構成に加え,本発明においては,さらに操作部材によって開始される回転角度が,操舵機構の可変に設計された機械的な変速比に関係するように構成されている。
【0011】
また,操舵可能な車輪には反応トルクが作用し,この反応トルクは操舵機構及び重畳機構を介して,運転者により操作されるステアリングホイールにステアリングホイールトルクとして作用することが知られている。そこで,本発明によれば,操舵機構の機械的な変速比は,反応トルクが操舵角度が小さい場合には,操舵角度が大きい場合に比べて,弱い強さでステアリングホイールに作用するように設計されている。
【0012】
さらに,本発明は,重畳機構の第1の入力軸と作用結合され,運転者によって操作されるステアリングホイールを備えている自動車用操舵装置に関するものである。重畳機構の出力軸は,操舵機構の入力軸と作用結合されていると共に,操舵機構は,ステアリングロッドを介して操舵可能な車輪と結合されている。また,重畳機構は,第2の入力軸を備えていると共に,この入力軸は,操作部材と作用結合されている。そして,本発明に係る操舵結合の特徴は,操舵機構の機械的な変速比が可変に設計されていることである。
【0013】
また,本発明に係る自動車用操舵装置においては,操舵機構の変速比は,操舵機構の入力軸の回転が小さい場合には,操舵機構の入力軸の回転が大きい場合よりも小さく設計されることが好ましい。
【0014】
本発明は,以上のように構成されているため,運転者の操舵感覚を改善し,向上させることができると共に,車両が直線走行する場合には,わずかなエネルギーの消費しか必要とされることがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる操舵装置の実施の一形態について詳細に説明する。図1及び2には,例えば上述した従来技術に基づいて構成された,車両25,例えば自動車における操舵機構14,24と重畳機構12,22との組み合せが図示されている。これら図中の参照符号11,21には,運転者によって操作されるステアリングホイールが示されている。運転者は,ステアリングホイール11,21の操作によって,操舵角δLとステアリングホイールトルクMLとをもたらし,このステアリングホイールトルクMLは,重畳機構12,22へ供給される。さらに,重畳機構12,22によって,車両25の運転者によって開始される動作δLに,サーボモータ13,23の回転角度δMが重畳される。そして,この重畳によって発生した回転動作δL’は,入力軸103を介して操舵機構14,24に供給される。
【0016】
また,操舵機構14,24は,上記重畳された回転動作δL’を,操舵可能に設計された車輪15a,15bへ伝達することによって,操舵角度δvを調節する。また,図1中,回転角度δM=0の場合における重畳機構12,22の機械的な変速比は,参照符号iue(i ue =δL/δL’)に,操舵機構14,24の機械的な変速比は,参照符号iLに示されている。そして,操舵可能に設計された車輪15a,15bには,路面の影響を受ける反応トルクMvが作用する。
【0017】
また,図2には,参照符号26において,例えばヨーイング運動などの車両25の動作を検出するセンサを示している。このセンサ26の検出信号は,制御装置27によってサーボモータ23の駆動信号に変換される構成となっている。さらに,参照符号28は,ステアリングホイール角度センサを示しており,このステアリングホイール角度センサ28の信号は,制御装置27に供給される構成となっている。
【0018】
そして,図1及び図2に示す各角度と,各トルクとの間には,次に示すような公知の関係が成立する。
δv=〔δL/iue+δM〕/iL …(1)
ML=Mv/(iL*iue) …(2)
【0019】
サーボ操舵機能は,図1及び図2に示す操舵システム(操舵装置)により,大きい全変速比(iL*iue)によって,すなわち極めて間接的な操舵によって,ステアリングホイールトルクMLを減少することができる。すなわち,ステアリングホイール角度δLには,上記式(1)に基づいてモータ角度δMが重畳されるため,大き過ぎないステアリングホイール角度δLで,所望の車輪操舵角度δvを調節することができる。また,この場合には,サーボモータ13,23を適切に駆動することにより,ステアリングホイール角度δLと操舵角度δvとの間に任意の関係を生じさせることができると共に,この関係は走行状態,車両速度またはステアリングホイール角度δvにも関連づけることができる。
【0020】
また,上記式(2)によれば,ステアリングホイールトルクMLは,操舵可能な車輪15a,15bにおける反応トルクMvにのみ関係するため,サーボモータ23の作用によっては調節することができない。従って,上述したような問題,すなわち,「操舵機構の一定の変速比を選択することによっても,必ずしもすべての走行状態について受け入れ可能なステアリングホイールトルクまたは操舵感覚が達成できない。」という問題が生じることがある。特に,ステアリングホイールトルクMLは,停止状態において操舵角度δvが大きい場合には大きくなり過ぎてはならず,高速で走行している場合に操舵角度が小さい場合には小さくなり過ぎてはならない。
【0021】
また,発明者らによれば,上記問題を解決するために,操舵機構14,24に,図3に基づいて可変の変速比を設けることが提案されている。そして,図3は,操舵機構14,24における変速比iLは,入力回転角度δL’に従うことを示している。さらに,変速比iLは,入力回転角δL’の小さい領域においては,入力回転角度δL’が大きい場合よりも小さく選択される。従って,操舵機構14,24の変速比iLは,そのストローク(工程)に従う。
【0022】
このように,上記ストロークに従う変速比を備えた操舵機構を,例えば機械的に形成するためには,上述した論文「操舵テクノロジーにおける進化(Evolution in der Lenkungstechnologie)」Automobil-Industrie 4/5−91,第315〜321ページを参照することができる。
【0023】
さらに,図3に示すようなストロークに関係する操舵機構変速比iLによって,図4〜6に図示したような推移を得ることができる。図4aにおいては,操舵角度δvが,ステアリングホイール角度δLに関係することが図示されている。そして,図4aの下方のカーブ,すなわち曲線の推移においては,サーボモータ13,23によって開始される回転動作δMは,ゼロに等しいと仮定される。すなわち図4aの下方のカーブ(曲線)に示される,回転動作δLと操舵角度δvとの非線形な関係を得ることができる。
【0024】
また,図4bにおいては,サーボモータ13,23によって開始される回転動作δMが,ステアリングホイール角度δLに関係することが図示されており,この場合に,ステアリングホイール角度δLと操舵角度δvとの間には,線形の関係が形成されるものと仮定される。そして,従来技術によれば(iL=一定),支援(補助)のために,ステアリングホイール動作δLに比例動作δMが重畳される。これは,図4bの上方に示されている大きなカーブによって表される。そこで,本実施の形態に基づいて,操舵機構14,24の変速比iLを可変に設定した場合には(図3),本実施の形態によりサーボモータ13,23は制御装置27によって,図4bの下方のカーブに示したように,ステアリングホイール動作δLに基づいて駆動される構成となっている。
【0025】
また,図4bの下方のカーブの推移に示されるように,サーボモータ13,23を駆動することによって,図4aの上方のカーブの推移に示される操舵角度δvとステアリングホイール角度δLとの間の依存性を得ることができる。さらに,この依存性は,所望のほぼ線形となっている。
【0026】
また,サーボモータ13,23を,上記のように駆動することによって(図4bの下方のカーブ),操舵機構14,24の可変に設計された変速比iLを,回転角度δMに関してほぼ「補償」することができる。すなわち,運転者は,ステアリングホイール角度δLと操舵角度δvとの結合に関して,従来技術と比較して変速比iLが可変であることによって変化を感じることがない。これはまた,上記式(1)によっても明らかである。
【0027】
これに対して,それに応じたトルクを考える場合には,状況は異なる。この関係を説明するにあたり,図5には,操舵可能な車輪15a,15bに作用する反応トルクMvに対するステアリングホイールトルクMLが図示されている。そして,上記式(2)からもわかるように,図5に示した各トルク間の線形の関係は,操舵機構14,24の変速比iLに関係して,すなわちステアリングホイール角度δLに関係して変化する。
【0028】
しかしながら,この事実と異なる説明が図6に示されている。この図6においては,ステアリングホイールトルクMLは,反応トルクMvが一定であるとみなされる場合において,ステアリングホイール角度δLに従って示されている。図6から明らかなように,反応トルクMvが一定である場合には,運転者が知覚できるステアリングホイールトルクMLは,ステアリングホイール角度δLが小さい領域においては,ステアリングホイール角度δLが大きい領域におけるよりも大きいことがわかる。
【0029】
従ってまず,本実施の形態により操舵機構14,24の変速比iLを可変にすることによって,さらにそれに応じてサーボモータ13,23を駆動することによって,車両の停止状態において操舵角度が大きい場合には,大きいステアリングホイールトルクMLを防止することができると共に,走行速度が大きく,操舵角度が小さい場合には,運転者の良好な操舵感覚(大きいステアリングホイールトルクML)を失うことがない。
【0030】
操舵機構14,24のストロークに関係する変速比iLは,例えば上記論文に記載されているように,ラック機構(Zahnstangengetrieben)によって実現することができる。従って,変速比iLをストロークに関係させる他の方法としては,操舵機構14,24と車輪15a,15bとの間の機構を然るべく構成することである。
【0031】
以上,本発明の好適な実施の一形態について,添付図面を参照しながら説明したが,本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において,当業者であれば,各種変更例及び修正例に相当し得るものであり,それら変更例及び修正例についても本発明の技術的思想に属するものと了解される。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば,操舵機構の機械的な変速比が可変に設計されているため,ステアリングホイール動作と操舵可能に設計された車輪の操舵角度との間に,任意に調節可能な関係を生じさせることができ,運転者に良好な操舵感覚をもたらすことができる。さらに,操舵機構の変速比を,操舵角度が小さい場合に操舵角度が大きい場合よりも小さくすることにより,運転者の操舵感覚をより一層向上させることができる。また,操舵機構の変速比は,反応トルクが,操舵角度が小さい場合には,操舵角度が大きい場合よりも弱い強さでステアリングホイールに作用するため,運転者による操舵に負担をかけることがない。さらに,重畳機構によって,ステアリングホイール角度に回転角度が重畳されるため,運転者が少ない力で車両を操舵することができる。また,回転角度は,ステアリングホイール角度と,操舵機構の変速比とに依存しているため,常に快適な環境で運転者が車両を操舵することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる重畳機構と従来技術に基づく操舵機構との組み合せを説明するための説明図である。
【図2】本発明にかかる重畳機構と従来技術に基づく操舵機構との組み合せを説明するための説明図である。
【図3】本発明にかかる操舵機構の変速比の推移を説明するための説明図である。
【図4】本発明にかかる操舵装置の各部材における回転角度の推移またはトルクの推移を説明するための説明図である。
【図5】本発明にかかる操舵装置の各部材における回転角度の推移またはトルクの推移を説明するための説明図である。
【図6】本発明にかかる操舵装置の各部材における回転角度の推移またはトルクの推移を説明するための説明図である。
【符号の説明】
11,21 ステアリングホイール
12,22 重畳機構
13,23 サーボモータ
14,24 操舵機構
15a,15b 車輪
27 制御装置
Claims (4)
- 少なくとも1つの操舵可能な車軸(16)と,操作部材(13,23)と,機械的な変速比(iue)を有する重畳機構(12,22)と,機械的な変速比(iL)を有する操舵機構(14,24)とを備え,操舵可能な前記車軸(16)と,前記操作部材(13,23)と,前記重畳機構(12,22)と,前記操舵機構(14,24)とは,互いに作用結合されており,さらに,前記重畳機構(12,22)は,運転者により開始される操舵動作(δL)と,前記操作部材(13,23)により開始される動作(δM)とを重畳して全体動作(δL’)とし,前記操舵機構(14,24)は,前記全体動作(δL’)を操舵角度(δv)として操舵可能な前記車軸(16)の車輪(15a,15b)に伝達する自動車用操舵装置において,
前記操舵機構(14,24)の機械的な前記変速比(iL)は,可変に設計され,
前記運転者によって開始される前記操舵動作は,前記運転者によって操作されるステアリングホイール(11,21)のステアリングホイール角度(δL)によって表され,
前記重畳機構(12,22)によって,前記ステアリングホイール角度(δL)に,前記操作部材(13,23)により開始される動作として回転角度(δM)が重畳され,
前記操作部材(13,23)によって開始される前記回転角度(δM)は,前記ステアリングホイール角度(δL)と,前記操舵機構(14,24)の可変に設計された機械的な前記変速比(iL)とに依存し、
走行状態に応じた適切なステアリングホイールトルクを発生させるために、前記操舵機構(14,24)の前記変速比(iL)は,前記全体動作(δL’)が小さい場合には,前記全体動作(δL’)が大きい場合よりも小さく設計されていることを特徴とする,自動車用操舵装置。 - 前記ステアリングホイール(11,21)に,操舵可能な前記車輪(15a,15b)の反応トルク(Mv)によってもたらされるステアリングホイールトルク(ML)が作用する場合において,前記操舵機構(14,24)の機械的な前記変速比(iL)は,前記反応トルク(Mv)が,操舵角度の小さい場合には,前記操舵角度の大きい場合よりも弱い強さで,前記ステアリングホイール(11,21)に作用するように設計されていることを特徴とする,請求項1に記載の自動車用操舵装置。
- 運転者によって操作可能なステアリングホイール(11,21)を備え,このステアリングホイール(11,21)は,重畳機構(12,22)の第1入力軸(101)と作用結合され,前記重畳機構(12,22)の出力軸(102)は,操舵機構(14,24)の入力軸(103)と作用結合され,前記操舵機構(14,24)は,ステアリングロッド(16)を介して,少なくとも1つの操舵可能な車軸(16)の少なくとも2つの操舵可能な車輪(15a,15b)と作用接続され,さらに,前記重畳機構(12,22)の第2の入力軸(104)と作用結合された操作部材(13,23)を有する自動車用操舵装置において,前記操舵機構(14,24)の機械的な変速比(iL)が,可変に設計され,
前記運転者によって開始される前記操舵動作は,前記運転者によって操作されるステアリングホイール(11,21)のステアリングホイール角度(δL)によって表され,
前記重畳機構(12,22)によって,前記ステアリングホイール角度(δL)に,前記操作部材(13,23)により開始される動作として回転角度(δM)が重畳され,
前記操作部材(13,23)によって開始される前記回転角度(δM)は,前記ステアリングホイール角度(δL)と,前記操舵機構(14,24)の可変に設計された機械的な前記変速比(iL)とに依存し、
走行状態に応じた適切なステアリングホイールトルクを発生させるために、前記操舵機構(14,24)の前記変速比(iL)は,前記全体動作(δL’)が小さい場合には,前記全体動作(δL’)が大きい場合よりも小さく設計されていることを特徴とする,自動車用操舵装置。 - 前記操舵機構(14,24)の前記変速比(iL)は,前記操舵機構(14,24)の前記入力軸(103)の回転が小さい場合には,前記操舵機構(14,24)の前記入力軸(103)の回転が大きい場合よりも小さく設計されていることを特徴とする,請求項3に記載の自動車用操舵装置。
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