JP4272757B2 - 研削装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物を研削する研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面にIC等の回路が複数形成された半導体ウエーハは、放熱性を良くするために又はカード、携帯電話等の軽量化、小型化のために所定の厚さに研削される。
この研削は、半導体ウエーハの表面に保護テープを貼着し、研削装置のチャックテーブルに保護テープ側が下面となるようにして吸着保持し、表出した半導体ウエーハの裏面を研削ホイールで研削することにより遂行される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特にカセットから半導体ウエーハを自動的に搬出し、自動的にチャックテーブルに載置する研削装置においては、間違って半導体ウエーハの表裏が反転してカセット内に収容されていることがある。つまり、通常は保護テープ側が下面となるようにしてカセットに収容されているが、中には間違って保護テープ側が上面となって収容されているものがある。
このような場合には、保護テープ側を研削ホイールによって研削してしまい、その下の回路が破壊されて高価な半導体ウエーハを不良品にしてしまうという重大な問題が指摘されている。
【0004】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、カセット内に表裏反転した被加工物が間違って収容されていても、その表裏面をチャックテーブルに載置される前の段階で検出して研削ミスを未然に防止できるようにした、研削装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための技術的手段として、本発明は、半導体ウェーハを保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持され、回路が形成されている面を表面とすると、その表面には保護テープが貼着されていて前記チャックテーブルに接触する側となる半導体ウェーハを研削する研削手段と、を少なくとも含む研削装置であって、この研削装置には、前記半導体ウェーハの表裏を検出する表裏検出手段が配設されており、
前記表裏検出手段は、硬度検出センサを有し、半導体ウェーハの前記保護テープの硬度又は半導体ウェーハの硬度を検出して保護テープの有無を検出することによって、半導体ウェーハが前記チャックテーブルに載置される前に表裏が検出される研削装置を要旨とする。
この研削装置は、半導体ウェーハを収容したカセットが載置されるカセット載置領域と、このカセット載置領域にあるカセットから半導体ウェーハを搬出する第1の搬送手段と、この第1の搬送手段によって搬送された半導体ウェーハの中心を合わせる中心合わせ手段と、この中心合わせ手段にある半導体ウェーハを搬出しチャックテーブルに搬送する第2の搬送手段と、チャックテーブルにある研削済みの半導体ウェーハを搬出し洗浄手段まで搬送する第3の搬送手段と、洗浄手段にある洗浄済みの半導体ウェーハを搬出する第4の搬送手段とを含み、
前記第1の搬送手段、中心合わせ手段、第2の搬送手段のいずれかに表裏検出手段が配設されるか又はいずれかの中間に配設され、カセットから半導体ウェーハを搬出しチャックテーブルに載置する間に半導体ウェーハの表裏を検出すること、
更に、前記表裏検出手段による検出結果が不適正であればエラー表示をすること、
を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る研削装置の実施形態を添付図面に基づいて詳説する。
図1において、1A、1Bは研削装置Mのカセット載置領域上に載置されたカセットであり、被加工物である半導体ウエーハWが複数枚収容されている。カセット1Aには未研削の半導体ウエーハが、カセット1Bには研削済みの半導体ウエーハがそれぞれ収容される。
【0007】
半導体ウエーハWは、図2のようにIC等の回路(図示せず)が複数形成された表面に保護テープ2が貼着され、この保護テープ2側が下面となるようにして前記カセット1A内(1B内も同様)に収容されている。
【0008】
3は研削装置Mの凹部内に配設された第1の搬送手段であり、図3のように上下動手段3aと旋回手段3bを備え、旋回手段3bの上端部には二つ折りで屈伸自在の進退アーム3cが取り付けられ、この進退アーム3cの先端部にはウエーハ保持部4が配設されている。
【0009】
ウエーハ保持部4は、先端が二股に分かれたほぼU字型の板状体であり、進退アーム3cの先端部に取り付けられた駆動部4aに対して水平軸回りに180度反転できるようにしてある。又、分岐部の両側には半導体ウエーハWを吸着するための吸着部4bが対設され、先端部には表裏検出手段5が配設されている。この場合、表裏検出手段5は色検出センサであり、前記保護テープ2の色例えば青色を検出できるようにしてある。
【0010】
前記第1の搬送手段3は、カセット1A内に収容されている半導体ウエーハを1枚ずつ搬出して中心合わせ手段6の中心テーブル6bに搬送する。即ち、第1の搬送手段3を動かしてウエーハ保持部4をカセット1A内に挿入し、搬出すべき半導体ウエーハWの下面側を前記吸着部4bにより吸着してカセット1Aから搬出する。
【0011】
この際、半導体ウエーハWの下面側には前記のように保護テープ2が貼着されているため、この保護テープ2の色を表裏検出手段5(色検出センサ)で検出することができ、これにより半導体ウエーハWの表裏を検出する。即ち、保護テープ2の有無により半導体ウエーハWの表裏面を検出することができる。
【0012】
通常は保護テープ2側が下面となるようにしてカセット1Aに収容するから、保護テープ2が検出されなかった時は不適正(異常)であり、その半導体ウエーハは間違って表裏反転した状態でカセット1Aに収容されている事が分かる。
【0013】
このように表裏検出手段5による検出結果が不適正(異常)の場合は、警報音等によって制御盤7にエラー表示をする。そして、カセット1Aから搬出した後に、半導体ウエーハWを吸着したまま前記ウエーハ保持部4を180度反転させ、その反転状態を保持して前記中心合わせ手段6の中心テーブル6bまで搬送する。これにより、半導体ウエーハWを正常状態に修正することができる。
【0014】
中心合わせ手段6に搬送された半導体ウエーハWは、求心方向に移動する複数のピン6aにより外周縁が押されて中心合わせが遂行される。この後、上下動及び旋回自在に形成された第2の搬送手段8により吸着され、受け取り位置Pに割り出されたチャックテーブル9上に搬送される。
【0015】
チャックテーブル9上に吸着保持された半導体ウエーハWは、保護テープ2側(表面側)がチャックテーブル9に接触し裏面側が上となって表出しており、ターンテーブル10の回転によって研削手段11に位置付けられる。
【0016】
研削手段11では、最初に第1の研削ホイール11aに位置決めされて粗研削がなされる。この粗研削では、第1の研削ホイール11a及びチャックテーブル9が回転され、第1の研削ホイール11aによって表出している半導体ウエーハWの裏面が研削される。
次いで、半導体ウエーハWは、第2の研削ホイール11bに位置決めされて仕上げ研削がなされる。この仕上げ研削においても、第2の研削ホイール11b及びチャックテーブル9が回転され、第2の研削ホイール11bによって半導体ウエーハWの裏面が研削される。
【0017】
仕上げ研削の終了後、ターンテーブル10の回転によってチャックテーブル9は受け渡し位置Qに割り出される。そのチャックテーブル9上にある研削済みの半導体ウエーハは、第3の搬送手段12(第2の搬送手段8と同じ構成)の吸着パッド12aにより吸着されて搬出され、洗浄手段13まで搬送される。
【0018】
洗浄手段13に搬送された研削済みの半導体ウエーハは、スピン洗浄されると共にスピン乾燥される。洗浄後、第4の搬送手段14(第1の搬送手段3が兼ねる)により洗浄済みの半導体ウエーハを搬出して前記カセット1B内に収容する。
このようにして一連の研削工程は終了するが、この研削工程は引き続きタイミングをとりながら繰り返して連続的に遂行される。
【0019】
ここで、いくつかのバリエーションが考えられるので以下に説明する。
上記実施形態では、保護テープ2側を下にして未研削の半導体ウエーハをカセット1Aに収容したが、これとは逆に保護テープ2側を上にしてカセット1Aに収容して実施することも可能である。
【0020】
この場合、表裏検出手段5は半導体ウエーハWの色を検出するセンサを用い、半導体ウエーハWを検出した時には、カセット1Aから搬出した後にウエーハ保持部4を反転させ、その反転状態を保持してチャックテーブル9に搬送する。これにより、保護テープ2側がチャックテーブル9に接触し、半導体ウエーハWの裏面側が上面となって表出する。
【0021】
一方、間違って保護テープ2側が下になっていて半導体ウエーハを検出できなかった時は不適正(異常)となり、制御盤7に警報音等を伴うエラー表示がなされる。この時はカセット1Aから搬出した後に、ウエーハ保持部4を反転させないでそのままチャックテーブル9に搬送する。
【0022】
尚、この場合であっても、表裏検出手段5が保護テープ2の色を検出するセンサで実施することもできる。要するに、表裏検出手段5により半導体ウエーハWの表裏面を検出できるように構成すれば良い。
【0023】
表裏検出手段5は、前記のようにウエーハ保持部4に取り付けると、カセット1Aから搬出する際に直ちに表裏面を検出できて好ましいが、とにかく未研削の半導体ウエーハがチャックテーブル9に載置される前に、表裏の検出ができれば良いわけであるから取付位置はウエーハ保持部4に限定されない。例えば、中心合わせ手段6、第2の搬送手段8のいずれかに表裏検出手段5を配設し又はいずれかの中間に配設し、カセット1Aから半導体ウエーハを搬出してチャックテーブル9に載置するまでの間に半導体ウエーハの表裏を検出するように構成する。
【0024】
間違って半導体ウエーハWの表裏が反転してカセット1A内に収容されていても、一旦搬出した半導体ウエーハをカセット1A内に適正な状態で戻し、再度搬出すれば表裏面が適正な状態の半導体ウエーハを搬送することができ、オペレータを介さないで自動修正が可能となる。
【0025】
又、表裏検出手段5は色検出センサに限定されず、例えば硬度検出センサで実施することも可能である。保護テープ2の硬度又は半導体ウエーハWの硬度を検出して半導体ウエーハの表裏を検出するのである。この他、色の濃度、光の反射率等を検出するセンサも適用できる。
更に、カセット1A、1Bの載置場所は、前記の位置に限定されず図1に仮想線で示す位置に載置しても良く、これらは適宜選択することが可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る研削装置によれば、間違って半導体ウエーハの表裏面が反転してカセット内に収容されている場合でも、半導体ウエーハの表面(保護テープが貼られた回路面)を研削して高価な半導体ウエーハを損傷させることがない。
特に、第1の搬送手段に表裏検出手段を配設すれば、カセットから半導体ウエーハを搬出する際に表裏が適正か不適正かが直ちに分かるので、対応が迅速となり生産性が向上する。
又、半導体ウエーハの表裏が反転してカセット内に収容されていても、一旦搬出した半導体ウエーハをカセット内に適正な状態で戻し、再度搬出すれば表裏面が適正な状態の半導体ウエーハを搬送することができ、オペレータを介さないで自動修正が可能となり、生産性を更に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研削装置の実施形態を示す斜視図
【図2】保護テープを貼着した半導体ウエーハの斜視図
【図3】第1の搬送手段を示す概略斜視図
【符号の説明】
1A、1B…カセット
2…保護テープ
3…第1の搬送手段
4…ウエーハ保持部
5…表裏検出手段
6…中心合わせ手段
7…制御盤
8…第2の搬送手段
9…チャックテーブル
10…ターンテーブル
11…研削手段
12…第3の搬送手段
13…洗浄手段
14…第4の搬送手段

Claims (3)

  1. 半導体ウェーハを保持するチャックテーブルと、このチャックテーブルに保持され、回路が形成されている面を表面とすると、その表面には保護テープが貼着されていて前記チャックテーブルに接触する側となる半導体ウェーハを研削する研削手段と、を少なくとも含む研削装置であって、この研削装置には、前記半導体ウェーハの表裏を検出する表裏検出手段が配設されており、
    前記表裏検出手段は、硬度検出センサを有し、半導体ウェーハの前記保護テープの硬度又は半導体ウェーハの硬度を検出して保護テープの有無を検出することによって、半導体ウェーハが前記チャックテーブルに載置される前に表裏が検出される研削装置。
  2. 研削装置は、半導体ウェーハを収容したカセットが載置されるカセット載置領域と、このカセット載置領域にあるカセットから半導体ウェーハを搬出する第1の搬送手段と、この第1の搬送手段によって搬送された半導体ウェーハの中心を合わせる中心合わせ手段と、この中心合わせ手段にある半導体ウェーハを搬出しチャックテーブルに搬送する第2の搬送手段と、チャックテーブルにある研削済みの半導体ウェーハを搬出し洗浄手段まで搬送する第3の搬送手段と、洗浄手段にある洗浄済みの半導体ウェーハを搬出する第4の搬送手段とを含み、
    前記第1の搬送手段、中心合わせ手段、第2の搬送手段のいずれかに表裏検出手段が配設されるか又はいずれかの中間に配設され、カセットから半導体ウェーハを搬出しチャックテーブルに載置する間に半導体ウェーハの表裏を検出する請求項1記載の研削装置。
  3. 前記表裏検出手段による検出結果が不適正であればエラー表示をする請求項1又は2記載の研削装置。
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