JP4270464B2 - 接続保証機構を有する電気コネクタ組立体 - Google Patents

Description

本発明の実施形態は電気コネクタ組立体の接続保証機構に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、レバーが回転して第１及び第２ハウジングを接続する際にレバー及び第１ハウジングと係合する接続保証機構に関する。

或る用途において、電子部品は、電気コンタクトを収容する第１及び第２ハウジングを結合する電気コネクタ組立体を要求する。一方のハウジングは雄型電気コンタクトを具備するのに対し、他方のハウジングは雌型電気コンタクトを具備する。第１ハウジングは第２ハウジングを受容するよう構成され、雄型及び雌型の電気コンタクトは電気的に接続される。

代表的な電気コネクタ組立体において、第１ハウジングは手作業で第２ハウジングに接続される。電気コンタクトが電気的に係合した状態で第１及び第２ハウジングが適正に接続されたことを確認するために、第１及び第２のハウジングには一般に位置保証機構と称されるラッチ組立体が設けられる。ラッチ組立体は、第１ハウジング上の宙吊り突起の下に摺動可能に保持される基部板と、第２ハウジング上の傾斜部とを具備する。第１ハウジングが第２ハウジングに挿入されると、突起が傾斜部上を摺動し、次に基部板が傾斜部及び突起上を摺動して最終位置に到る。基部板が最終位置にある場合、作業者は第１及び第２のハウジングが完全に接続されたと確認する。
米国特許第５８２９９９４号明細書 欧州公開特許第０９６１３６１号明細書 欧州公開特許第１１９１６４０号明細書 米国公開特許第２００３／０１７０２６号明細書

しかし、嵌合すべき電気コンタクトの数が増加するにつれ、互いに嵌合する電気コンタクト間の摩擦により第１及び第２のハウジングを完全に結合することが困難になってきている。従って、多くの電気コネクタ組立体は、第１及び第２のハウジングの嵌合に関わる摩擦抵抗を克服する嵌合補助組立体を具備する。代表的な嵌合補助組立体は、ハウジングの一方に接続されたレバー部材である。レバー部材は、運動の範囲にわたって回転すると他方のハウジング上のラックと係合するカムアームを有する。カムアーム及びラックの相互作用は、電気コンタクト間の摩擦を克服する力を提供し、第１及び第２のハウジングを容易に接続する。

代表的な嵌合補助組立体は多数の欠点がある。第１及び第２のハウジングに接続されたラッチ組立体は、嵌合補助組立体のレバー部材と干渉する可能性がある。作動時に、レバー部材は、最終位置まで回転完了したように見え、実際にはレバー部材が最終位置まで回転完了していないか、第１及び第２のハウジングを接続するためにラックと適正に係合していない場合にも、第１及び第２のハウジングが接続完了したことを作業者に示すおそれがある。第１ハウジングは第２ハウジングの周囲に緩く保持されるだけであるので、電気コンタクトは接続されていないか、非接続状態となる危険にある。

従って、上述の問題を克服すると共に従来技術にあった他の懸案事項に対処するコネクタ組立体に対するニーズがある。

本発明の実施形態は、電気コンタクトを受容するよう構成された端部を有する第１及び第２のハウジングを具備する電気コネクタ組立体を提供する。第１及び第２のハウジングは、対応する電気コンタクトを結合するために互いに嵌合可能に構成される。電気コネクタ組立体はレバー部材を具備する。レバー部材は、第１ハウジングにより受容されるカムアームを具備し、レバー部材が挿入位置から係合位置までの運動範囲にわたって回転すると第２ハウジングと係合する。レバー部材は、レバー部材が係合位置まで回転すると対応する電気コンタクトを結合するよう第１及び第２ハウジングを接続する。レバー部材は、第１ハウジングが受容する位置保証タブを有する。

添付図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。

本発明の実施形態の以下説明と同様に上述した本発明の概要は、添付図面に関連して読むとより理解されよう。本発明を例示する目的で、実施形態が図面に示される。しかし、本発明は添付図面に示された構造及び手段に限定されないことを理解すべきである。

図１は、本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体１０の斜視図である。電気コネクタ組立体１０は、レバー部材１８に接続されると共にヘッダコネクタ２２を受容するよう配置されたハーネスコネクタ１４を有する。ハーネスコネクタ１４及びヘッダコネクタ２２は電気コンタクトの組（図示せず）を担持する。ハーネスコネクタ１４が初期段階位置（図３参照）でヘッダコネクタ２２に取り付けられると、レバー部材１８は回転軸８６の周りに矢印Ａ方向に沿って回転し、ハーネスコネクタ１４を初期段階位置から最終位置（図４参照）まで移動させる。最終位置では、ハーネスコネクタ１４がヘッダコネクタ２２に受容され、電気コンタクトが互いに接続される。

ハーネスコネクタ１４は、対向する両側壁３４と共に形成された対向する上壁２６及び下壁３０を有する。受け部４２を有する放射状上面３８は両側壁３４の一方から延びる。レバー部材１８は、ハーネスコネクタ１４の周囲の挿入位置にある状態で示され、両側壁３４の開口５４に受容される。

図２は、本発明の位置実施形態に従ったレバー部材１８の斜視図である。レバー部材１８は、ハーネスコネクタ１４（図１参照）の両側壁３４（図１参照）内に回転可能に受容されるカムアーム５０を有するレバーアーム４６を具備する。カムアーム５０は、ラック間隙６８により分離されたギア歯７４を有する。カムアーム５０は、レバー部材１８が回転してヘッダコネクタ２２（図１参照）及びハーネスコネクタ１４を接続すると、ヘッダコネクタ２２のラック７０（図１参照）と係合する。長い矩形スロット９０は、位置保証タブ９４（図1参照）を受容するためにレバーアーム４６を貫通する。

図１に戻ると、ヘッダコネクタ２２は、対向する両側壁６６と共に形成された対向する上壁５８及び下壁６２を有する。ラック７０は両側壁６６から外方に延び、各ラック７０はラック歯７８及び歯間隙８２を有する。作動中において、ハーネスコネクタ１４が初期段階位置のヘッダコネクタ２２上に載置され、回転軸８６の周りを矢印Ａ方向にレバー部材１８を回転させると、カムアーム５０はラック７０と係合するので、ギア歯７４が歯間隙８２に入り且つラック歯７８がラック間隙６８（図２参照）に入った状態で、カムアーム５０はラック７０と係合する。ラック歯７８及びギア歯７４間の相互作用により、ヘッダコネクタ２２に対してハーネスコネクタ１４を引っ張り、電気コンタクトを接続する。レバー部材１８が矢印Ａ方向に回転完了してハーネスコネクタ１４及びヘッダコネクタ２２を接続すると、ハーネスコネクタ１４及びヘッダコネクタ２２は最終位置に位置し、レバー部材１８は係合位置に位置する。或いは、ハーネスコネクタ１４及びヘッダコネクタ２２を嵌合解除するために、回転軸８６の回りを矢印Ｃ方向にレバー部材１８を回転させる。

レバーアーム４６は矩形の位置保証タブ（positioning assurance tab: ＰＡＴ）９４を保持する。ＰＡＴ９４は、一側に２個の押圧パッド９８を、他側に停止部１０２を有する。停止部１０２はＬ形状をなし、矩形の基部１０６及び矩形延長部１１０を有する。レバー部材１８が挿入位置に位置すると、ＰＡＴ９４がスロット９０内に挿入されるので、延長部１１０がレバーアーム４６を貫通し、延長部１１０の下面１１４が側壁３４の放射状上面３８上に載り、延長部１１０の上面１１８がスロット９０の上面１２２と係合する。このため、ＰＡＴ９４はスロット９０内の上側の位置に保持される。レバー部材１８が係合位置に位置すると、基部１０６の下面１２６はスロット９０の下面１３０と係合する。このため、ＰＡＴ９４はスロット９０内の下側の位置に保持される。

図３は、本発明の一実施形態に従った初期段階位置に位置する電気コネクタ組立体１０を示す。ハーネスコネクタ１４がヘッダコネクタ２２上へ初期段階位置に移動すると、回転軸８６の周りを矢印Ａ方向にレバー部材１８を回転してハーネスコネクタ１４及びヘッダコネクタ２２を接続する。レバー部材１８が矢印Ａ方向に回転すると、ＰＡＴ９４はスロット９０の上側に位置したままであり、停止部１０２（図１参照）の延長部１１０（図１参照）は放射状上面３８に沿って摺動する。レバー部材１８を放射状上面３８の受け部４２上の一点まで回転させると、ＰＡＴ９４はレバーアーム４６に関して矢印Ｄ方向にスロット９０内を下側位置へ直線的に下方へ摺動し、停止部１０２の延長部１１０は受け部４２内に保持される。

図４は、本発明の一実施形態に従った最終位置の電気コネクタ組立体１０の斜視図である。ＰＡＴ９４が図示のように下側に位置すると、レバー部材１８は係合位置にロックされ、ハーネスコネクタ１４及びヘッダコネクタ２２の接続が完了する。このため、ＰＡＴ９４が下側に位置すると、ハーネスコネクタ１４及びヘッダコネクタ２２が最終位置に位置し、電気コンタクトが接続されていることを作業者に視覚的に保証する。また、レバーアーム４６に対して矢印Ｋ方向に押圧パッド９８を移動させることにより、レバー部材１８を係合位置から解除して、ＰＡＴ９４を下側位置から上側位置に移動させ、これにより受け部４２（図１参照）から延長部１１０（図１参照）を除去してもよい。延長部１１０が受け部４２から外れると、回転軸８６の周りを矢印Ｃ方向にレバー部材１８を回転し、ヘッダコネクタ２２からハーネスコネクタ１４を嵌合解除することができる。

図５は、本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体２００の斜視図である。コネクタ組立体２００は、レバー部材２０４、ハーネスコネクタ２０８及びヘッダコネクタ２１２を有する。レバー部材２０４は挿入位置に位置し、ハーネスコネクタ２０８の両側壁２２０内に回転可能に保持されたレバーアーム２１６を有する。レバーアーム２１６は、上述したようにヘッダコネクタ２１２上のラック２５２と係合するカムアーム２４８を有する。ハーネスコネクタ２０８はヘッダコネクタ２１２を受容し、レバー部材２０４が挿入位置から係合位置まで回転軸２２４の周りに矢印Ａ方向に回転すると、ヘッダコネクタ２１２との接続が完了する。

レバーアーム２１６は、ノブ形状のＰＡＴ２３２を受容する開口（図示せず）を有する。ＰＡＴ２３２はハンドル２４０が形成されたポスト２３６を有し、ポスト２３６は開口を貫通する。ハーネスコネクタ２０８の側壁２２０は、その中に位置する受け部すなわちポスト孔２４４を有する。レバー部材２０４を挿入位置から最終位置まで回転軸２２４の周りを矢印Ａ方向に回転させると、ハンドル２４０はレバーアーム２１６に抗して内方に押圧されるので、ポスト２３６はポスト孔２４４上に位置するまで側壁２２０に抗して摺動する。次に、ポスト２３６はポスト孔２４４内に摺動し、ハンドル２４０はレバーアーム２１６に抗して内方に摺動する。このため、ＰＡＴ２３２はポスト孔２４４内にロックされるので、レバー部材２０４は係合位置に位置して回転軸２２４の周りをいかなる方向にも回転しない。レバー部材２０４が係合位置に位置すると、ハーネスコネクタ２０８及びヘッダコネクタ２１２は最終位置に位置し、電気コンタクトの接続が完了する。従って、ＰＡＴ２３２は、レバー部材２０４を係合位置にロックするよう作用し、ハーネスコネクタ２０８及びヘッダコネクタ２１２の接続が完了したことを視覚的に保証する。

また、レバー部材２０４は、ハンドル２４０をレバーアーム２１６から離れる外方に移動させることにより係合位置から解除することができるので、ポスト２３６をポスト孔２４４から後退する。ポスト２３６がポスト孔２４４から外れると、レバー部材２０４を回転軸２２４の周りを矢印Ｃ方向に回転させることができ、ヘッダコネクタ２１２からハーネスコネクタ２０８を嵌合解除する。

種々の実施形態のコネクタ組立体は種々の利点を提供する。第一に、ＰＡＴは、ハーネスコネクタ及びヘッダコネクタが最終位置で係合完了して電気コンタクトが接続されるように、レバー部材が係合位置に位置するという視覚的保証を作業者に提供する。このため、作業者は、ハーネスコネクタがヘッダコネクタから嵌合解除しない、又は電気コンタクトが嵌合解除しないことを知るのである。第二に、ＰＡＴはレバー部材を係合位置にロックし、ＰＡＴがレバー部材をロック解除しない限り、レバー部材を係合位置から外さないであろう。このため、レバー部材は、回転自在ではなく、ハーネスコネクタ及びヘッダコネクタを、並びに電気コンタクトを嵌合解除しない。また、レバー部材上にＰＡＴを配置することは、大きな空間を占有せず、レバー部材の回転やハーネスコネクタ及びヘッダコネクタの接続と干渉しない。さらに、ＰＡＴは製造容易であり、レバー部材をハーネスコネクタに接続する前にレバー部材に仮組立できるので、レバー部材はハーネスコネクタ及びヘッダコネクタとは別に出荷することができる。

特定実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更が可能であり、等価物に置換可能であることは当業者に理解されよう。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の教示に特定の状況又は材料を適合させて多くの変形例を作ることができる。従って、本発明は、開示された特定実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲の技術的範囲内の全ての実施形態を含むことを意図されている。

本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体の斜視図である。 本発明の一実施形態に従って形成されたレバー部材の斜視図である。 本発明の一実施形態に従って形成された、初期段階位置にある電気コネクタ組立体の斜視図である。 本発明の一実施形態に従って形成された、最終位置にある電気コネクタ組立体の斜視図である。 本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体の斜視図である。

符号の説明

１０，２００ 電気コネクタ組立体
１４，２０８ ハーネスコネクタ（第１ハウジング）
１８，２０４ レバー部材
２２，２１２ ヘッダコネクタ（第２ハウジング）
３４ 側壁
３８ 放射状上面
４２ 受け部
４６，２１６ レバーアーム
５０，２４８ カムアーム
９０ スロット
９４，２３２ 位置保証タブ（ＰＡＴ）
９８ 押圧パッド
１０２ 停止部
１０６ 基部
１１０ 延長部
２３６ ポスト
２４０ ハンドル
２４４ ポスト孔（受け部）

Claims (5)

1. 電気コンタクトを受容するよう構成された端部を有し、対応する前記電気コンタクトを結合するために互いに嵌合可能に構成される第１ハウジング及び第２ハウジングと、
   該第１ハウジング内に受容されるカムアームを具備するレバー部材とを具備する電気コネクタ組立体であって、
   該レバー部材は、該レバー部材が挿入位置から係合位置までの運動範囲にわたって回転すると第２ハウジングと係合し、前記レバー部材が前記係合位置まで回転すると対応する前記電気コンタクトを結合するよう前記第１ハウジング及び前記第２ハウジングを接続する電気コネクタ組立体において、
   前記レバー部材は、前記第１ハウジングが受容する位置保証タブを有し、
   前記第１ハウジングは、前記レバー部材が前記運動範囲にわたって前記係合位置まで回転すると前記位置保証タブを受容する受け部を具備し、
   前記位置保証タブは、前記レバー部材のスロットに受容される停止部を具備し、
   該停止部は、前記受け部内に位置する際に、前記スロットの下側に位置し、
   前記停止部は、前記レバー部材が前記係合位置から回転自在であるように、前記下側の位置から前記スロットの上側まで移動する２個の平板状の押圧パッドを具備することを特徴とする電気コネクタ組立体。
2. 前記レバー部材は、前記スロットを有するレバーアームを具備し、
   前記スロットは、前記レバー部材が前記挿入位置及び前記係合位置の間を回転可能な上側位置と、前記レバー部材が前記係合位置に位置する下側位置との間の前記スロット内を前記停止部が摺動するように、前記停止部を保持することを特徴とする請求項１記載の電気コネクタ組立体。
3. 前記レバー部材は、前記スロットを有するレバーアームを具備し、
   前記停止部は基部及び延長部により画定され、
   前記基部は前記スロット内に保持され、前記位置保証タブが前記第１ハウジングの前記受け部内に位置すると、前記スロットの底と係合し、
   前記延長部は前記スロットを貫通し、前記レバー部材が前記挿入位置及び前記係合位置の間を回転すると前記第１ハウジングの上面と摺動可能に係合することを特徴とする請求項１記載の電気コネクタ組立体。
4. 前記第１ハウジングは、上面を有する側壁を具備し、
   前記停止部は、前記レバー部材が前記挿入位置及び前記係合位置の間を回転すると前記上面に沿って摺動することを特徴とする請求項１記載の電気コネクタ組立体。
5. 前記第１ハウジングは、放射状上面と、前記レバー部材が側壁に沿って前記挿入位置から前記係合位置まで回転すると、前記位置保証タブが前記放射状上面に沿って前記受け部内に摺動するように、前記放射状上面に沿って配置された前記受け部とを有する側壁を具備し、
   前記受け部は、前記停止部を保持して前記レバー部材を前記係合位置に固定することを特徴とする請求項１記載の電気コネクタ組立体。

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