JP4269470B2 - 工具収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動工具交換機能を備えた工作機械に装備される工具収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マシニングセンターに装備される工具収納装置は、工具ポットを所定経路に沿って移送するとともに、所定の工具交換位置へ移送された工具ポットを工具の格納状態または工具の交換状態へと回動させる構造になっている。
【0003】
また、このような工具収納装置として、例えば、特開平11−48076号公報に記載されているものが知られている。この特開平11−48076号公報に記載されている工具収納装置201は、図18に示すように複数の工具ポット210を備え、この工具ポット210が、工作機械本体側に固定されたマガジンベース211の内側に配設された移送機構212に装着され、移送機構212は、マガジンベース211の内側に回転可能に配設された一対のスプロケット213,214と、このスプロケット213,214の間に掛け渡された無端状のチェーン216と、チェーン216の外周側に固着されたブラケット218などを備えている。
【0004】
そして、上記複数の工具ポット210は、それぞれ上記ブラケット218に取り付けられて、一方のスプロケット213がモータ(図示略)によって回転駆動された際に、チェーン216とともに循環する経路を移送されるようになっている。
【0005】
また、上記複数の工具ポット210は、いずれも上記ブラケット218に対して回動可能に取り付けられているが、工具ポット210の移送経路の大部分の範囲では、マガジンベース211外周部の内壁面211aが工具ポット210に接触する状態にある。そのため、この内壁面211aが工具ポット210の回動を規制する状態となり、工具ポット210は、工具Tを正面に向けた状態に維持されている。
【0006】
一方、マガジンベース211の下端側には割出口211bが形成され、この割出口211bが形成された位置(工具交換位置)に限り、工具ポット210が、上記格納状態から工具Tを下方に向けた状態(図18に二点鎖線で示す状態)まで回動可能となっている。そして、この工具交換位置には、工具ポット210を工具Tを正面に向けた状態または工具Tを下方に向けた状態へと回動させる傾倒機構(図示外)が配設されている。
【0007】
このような、従来の工具収納装置201は、マガジンベース211の内側に配設されたチェーン216の外周側に固着されたブラケット218により工具ポット210を搬送する構造となっているため、マガジンベース211内で搬送される工具ポット210の数は、マガジンベース211の大きさにより規定されることになる。顧客の要望等により工具収納装置201に収納される工具ポット210の数を増やしたいときには、マガジンベース211をサイズの大きいものに変更し、スプロケット213,214等の間隔も広げる必要があり、容易に工具収納装置201に収納される工具ポット210の数を増やすことはできなかった。
【0008】
そこで、本願の発明者は、工具収納装置201を、図18に示すようなマガジンベース211の内側に配設されたチェーン216の外周側に固着されたブラケット218により工具ポット210を搬送するものではなく、金属の円盤の表面に工具ポットを軸支するブラケットを複数固定して、この円盤を回転させて、工具ポットを工具交換位置に移動させるようにする工具収納装置を考案した。この工具収納装置では、円盤の表面に固定する工具ポットを軸支するブラケットの数を任意に変更できるため工具収納装置に収納される工具の数の変更が容易になり、また、円盤を用いているために、マガジンベース211の内側に配設されたチェーンを用いるものよりも製造コストを抑制することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の円盤の表面に工具ポットを軸支するブラケットを複数固定して、回転させる工具収納装置においては、円盤の回転により、工具ポットに保持された工具に対して、遠心力が働くため、大型の工具を保持していると、遠心力によりブラケットに軸支されている工具ポットが回動して振動を生じて工具ポットから工具が脱落するという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、収納する工具の数を容易に変更でき、また、工具ポットから工具が脱落することを防止でき、且つ、製造コストを抑制可能な工具収納装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の工具収納装置は、工具を着脱可能に保持した工具ポットと、当該工具ポットを工具の格納状態の位置と工具の交換状態の位置との間で回動可能に軸支するポットホルダと、当該ポットホルダを複数保持し、前記ポットホルダに軸支された前記工具ポットを所定の工具交換位置へ、回動により案内するポットホルダ保持部材と、当該ポットホルダ保持部材を回動する回動手段と、前記工具交換位置以外の位置において前記工具ポットの回動を規制し、該工具ポットを工具の格納状態の位置に維持する回動規制手段とを備えている。また、前記工具ポットは、基部に第1の凸部を備え、当該第1の凸部が前記回動規制手段と当接することにより、前記工具交換位置以外の位置において前記工具ポットの回動を規制することを特徴とする。
【0012】
この構成の工具収納装置では、回動手段がポットホルダ保持部材を回動させたときに、工具交換位置以外の位置においては、回動規制手段は、工具ポットがポットホルダに対して回動することを規制するので、工具ポットが工具に働く遠心力により回動して、工具が脱落してしまうことがない。また、工具交換位置以外の位置においては、回動規制手段は、工具ポットがポットホルダに対して回動することを規制するので、工具ポットに保持される工具をオペレータが取り替えるときに、工具ポットが不用意に回動してけが等をすることがない。また、前記工具ポットの基部に第1の凸部を備えるだけで、前記回動規制手段により、前記工具交換位置以外の位置において当該工具ポットの回動を規制することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の工具収納装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記ポットホルダ保持部材は、円盤状の板材により構成されていることを特徴とする構成となっている。
【0014】
この構成の工具収納装置では、請求項1に記載の工具収納装置の作用に加えて、前記ポットホルダ保持部材は、円盤状の板材により構成されているので、円盤状の板材の表面に固定できる限りの任意の数のポットホルダを設けることができ、また、製造コストを抑制することができる。
【0015】
【0016】
【0017】
また、請求項3に記載の工具収納装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記ポットホルダ保持部材は、表面に放射状にポットホルダを複数保持し、前記回動規制手段は、ポットホルダ保持部材に対して、裏面側に設けられた円盤状の板材から構成され、且つ、前記工具交換位置の部分に切欠きを備えたことを特徴とする構成となっている。
【0018】
この構成の工具収納装置では、請求項1又は2に記載の工具収納装置の作用に加えて、前記回動規制手段は、ポットホルダ保持部材に対して、裏面側に設けられた円盤状の板材から構成されているので、簡易な構造である円盤状の板材により、工具ポットがポットホルダに対して回動することを規制することができ、また、前記回動規制手段は、前記工具交換位置の部分に切欠きを備えているので、前記工具交換位置においては、工具ポットがポットホルダに対して回動することの妨げにならない。
【0019】
さらに、請求項4に記載の工具収納装置は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記ポットホルダには、前記工具ポットを前記工具の格納状態の位置に付勢する付勢手段を備え、前記工具ポットは、基部に、前記ポットホルダに当接することにより、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記工具ポットを所定の工具の格納状態に保持する第2の凸部を備えている。
【0020】
この構成の工具収納装置では、請求項1乃至3の何れかに記載の工具収納装置の作用に加えて、前記ポットホルダに設けられた付勢手段は、前記工具ポットを前記工具の格納状態の位置に付勢するが、第2の凸部が、前記工具ポットを所定の工具の格納状態に保持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の工具収納装置である工具マガジン10が装着される工作機械の一種であるマシニングセンター1の正面図であり、図2は、マシニングセンター1の右側面図である。
【0022】
図1に示すマシニングセンター1の正面には、扉2が設けられ、また、図2に示すマシニングセンター1の右側面には、図示外の被加工物であるワークを出し入れするための扉3,4が設けられている。さらに、マシニングセンター1には、工具マガジン10へ工具を着脱するための図示外の扉も設けられている。なお、本発明の一実施の形態の工具マガジン10は、扉3,4の内側に設けられている。
【0023】
次に、本発明の一実施の形態の工具マガジン10について図3乃至図6を参照して説明する。図3は、工具マガジン10が装着された工具交換装置5の正面図であり、図4は、工具マガジン10が装着された工具交換装置5の左側面図であり、図5は、工具交換装置5から工具マガジン10を取り外した状態の正面図であり、図6は、工具マガジン10の最下端の工具ポット16が工具の交換状態に回動された状態を示す工具交換装置5の左側面図である。なお、工具交換装置5は、図1及び図2に示すマシニングセンター1の内部に設けられている。
【0024】
図3に示すように、工具交換装置5には、フレーム6が設けられ、フレーム6の下部には、工具マガジン10と主軸(図示外)との間で工具の交換を行う工具交換アーム11が設けられている。また、工具交換装置5の上部には、工具交換アーム11の旋回及び上下動を行うカムモータ12が設けられている。また、工具交換装置5の上部には、工具マガジン10を駆動するマガジンモータ13及び後述するプッシュロッド31の上下動を行うアクチュエータ14が設けられている。
【0025】
なお、工具交換アーム11は、実線で描いている位置で、工具マガジン10の最下端部の位置(以下「工具交換位置」という。)に回転して来た工具ポット16に保持されている工具と、図示外の主軸に嵌装されている工具とを把持し、その後、2点鎖線で描いている位置まで降下して、工具ポット16及び図示外の主軸に保持されている工具を引き抜く。その後、180度回転して、実線で描いている位置まで上昇して、主軸に工具を嵌装すると共に、工具ポット16に主軸から引き抜いて来た工具を保持させるように構成されている。なお、工具の一例としては、図18に示す工具T等がある。
【0026】
次に、工具マガジン10について説明する。工具交換装置5の中央部には、工具マガジン10が設けられている。工具マガジン10は、円形で所定の厚みを有する鋼等の金属製のベースプレート15の表面に、工具を着脱可能に保持する工具ポット16を軸支したポットホルダ17を放射状に26個、ボルトにより固定している。なお、ベースプレート15の表面に固定されるポットホルダ17の数は、26個に限られず、ベースプレート15の表面に固定できる数であれば、任意の数を固定できることは言うまでもない。
【0027】
また、ベースプレート15の中央には、円形の貫通孔18が設けられ、この貫通孔18を工具交換装置5のウォーム軸19に嵌装し、固定リング20を挟んで、4本のボルト21により固定している。なお、ウォーム軸19は、後述するウォームギア26及びウォーム軸ギア27等を介してマガジンモータ13の駆動力により回動されるように構成されている。
【0028】
次に、図4及び図5を参照して、工具交換装置5及び工具マガジン10の構造の詳細を説明する。図4は、工具交換装置5の左側面図であるが、構造を分かりやすくするために、一部を断面図としている。また、図5は、工具交換装置5から工具マガジン10及び後述するウォーム軸カバー33を取り外した状態を示す正面図である。
【0029】
図4及び図5に示すように、工具交換装置5のフレーム6の上部には、マガジンモータベース22が設けられ、マガジンモータベース22には、マガジンモータ13が固定されている。また、マガジンモータ13の回転軸には、継手23が固定され、継手23には回転軸24が固定され、回転軸24にはギア軸25が固定されている。なお、ギア軸25は、ボールベアリング軸受34、35により回動可能に支持され、ボールベアリング軸受34と、ボールベアリング軸受35との中間の部分のギア軸25には、ウォームギア26が固定されている。
【0030】
このウォームギア26は、図5に示すウォーム軸ギア27に歯合している。ウォーム軸ギア27は、ウォーム軸19に固定されており、ウォームギア26が回動することにより、ウォーム軸ギア27が回動され、ウォーム軸19が回動されてウォーム軸19に固定されている工具マガジン10が回動する。また、ウォーム軸ギア27の周囲には、ボルト孔30を4カ所有するウォーム軸ギア壁29が設けられており、ウォーム軸ギア壁29には、図4に示すウォーム軸カバー33がボルト36により固定されている。
【0031】
また、図5において、マガジンモータ13の右横にはアクチュエータ14が設けられており、アクチュエータ14からは下方にプッシュロッド31が延設されており、プッシュロッド31は、ウォーム軸19裏側を貫通して、フレーム6の下部に設けられているリンク機構32に接続されている。このリンク機構32は、工具交換位置に停止している工具ポット16の開口部が、図4に示すように右斜め下を向いた状態(以下「工具の格納状態」という。)と、工具交換位置に移動してきた工具ポット16の開口部が、図6に示すように真下を向いた状態(以下、「工具の交換状態」という。)との間で、工具ポット16をポットホルダ17に対して回動させる働きを行う。
【0032】
次に、図7乃至図11を参照して、工具マガジン10について説明する。図7は、工具マガジン10の正面図であり、図8は、図7におけるA−A’線の矢視方向の工具マガジン10の断面図であり、図9は、工具ポット16を回動可能に保持したポットホルダ17の平面図であり、図10は、工具ポット16を回動可能に保持したポットホルダ17の正面図であり、図11は、工具ポット16を回動可能に保持したポットホルダ17の左側面図である。
【0033】
図7に示すように、工具マガジン10は、所定の厚みを有し、中央に貫通孔18を備えた鋼等の金属の円盤から構成されたベースプレート15の表面に工具ポット16を回動可能に軸支したポットホルダ17が複数個、放射状にボルトにより固定されて構成されている。図7に示す例では、ポットホルダ17は26個設けられているが、必ずしも26個に限られず、ベースプレート15の表面に固定できる数で有れば、任意の複数個設けることができる。
【0034】
図8に示すように、ベースプレート15にボルト36により固定されたポットホルダ17には、工具ポット16が、軸37により軸支され、工具ポット16の先端部とポットホルダ17との間には、コイルばね38が張架され、例えば、図8に示す上部の工具ポット16に対しては、矢印B方向の付勢力を与えている。なお、図8に示す工具ポット16の傾斜状態は、工具の格納状態である。
【0035】
次に、図9乃至図11を参照して、工具ポット16及びポットホルダ17の構造を詳細に説明する。図9乃至図11に示すように、ポットホルダ17は、鉄板を折り曲げて形成した断面略U字状のフレームで、底面17aと、側壁17bと、側壁17cとから構成され、側壁17c側には、切欠部17dが形成され、底面17aには、3カ所のボルト孔17fと、2カ所の位置合わせ突起17eが形成されている。また、側壁17bには、ばね孔17gが設けられ、側壁17cにも、ばね孔17hが設けられている。さらに、ポットホルダ17の側壁17bと側壁17c間には、軸37が設けられ、この軸37により、工具ポット16が回動可能に軸支されている。なお、ベースプレート15には、位置合わせ突起17eが挿入される孔(図示外)が形成されている。
【0036】
なお、ポットホルダ17には、切欠部17dが設けられているため、ポットホルダ17をベースプレート15に放射状に取り付けたときに、ベースプレート15の中心方向側のポットホルダ17の底面17aの幅が狭くなるので、ポットホルダ17の取り付けピッチを詰めることができ、より多くのポットホルダ17を、ベースプレート15に固定することができる。
【0037】
次に、工具ポット16について説明する。図10及び図11に示すように、工具ポット16には、工具を嵌装する挿入孔16aが設けられ、挿入孔16aの奥部には、工具を把持する鋼球40が、3カ所設けられ、鋼球40は、図示外のばねにより付勢されて、挿入孔16aの内面に退出可能になっている。
【0038】
また、工具ポット16には、腕状の基部41が並列に2本設けられ、基部41の先端部には、軸受部41aが設けられ、軸受部41aは、軸37により回動可能に軸支されている。さらに、基部41の軸受部41aの部分からは、基部41の長手方向に対して、略70度の角度で、第1の凸部であるレバー部41bが突設されている。このレバー部41bは、板状のものであるが、必ずしも板状のものに限られない。さらに、各基部41の側面には、第2の凸部である凸部41cが外向きに各々突設されている。
【0039】
基部41の軸受部41a近傍の構造を図12を参照して説明する。図12は、図10に示すC−C’線の矢視方向の断面図である。
【0040】
図12に示すように、軸受部41a内には、軸37が貫入され、軸37は、側壁17b,17cにより保持されている。従って、基部41は、軸受部41aにより軸37の回りに回動可能に軸支されている。
【0041】
また、図10及び図11に示すように、工具ポット16の先端部には、ばね係止部16bが突設され、ばね係止部16bとばね孔17g,17gの間には、各々、コイルばね38が張架されており、工具ポット16を図10に示す矢印C方向に付勢しているが、基部41の側面には、凸部41cが突設されているので、工具ポット16が図10に示す矢印C方向に回動しても、凸部41c,41cが、ポットホルダ17の側壁17b,17cに各々当接する位置以上には回動しない。
【0042】
次に、図4、図5及び図13を参照して、ウォーム軸カバー33について説明する。図13は、ウォーム軸カバー33の正面図である。
【0043】
図4に示すように、ウォーム軸カバー33は、工具マガジン10の裏面側に固定されている。このウォーム軸カバー33は、図13に示すように、所定の厚みを有する円形の鋼等の金属板で、中心部に、円形の開口部33aを有し、下部に、切欠部33bが形成され、また、開口部33aを囲んで4個のボルト孔33cが形成されている。ウォーム軸カバー33は、図4及び図5に示すウォーム軸ギア壁29にボルト36により固定されている。
【0044】
上記のウォーム軸カバー33は、工具マガジン10が回動した場合に、工具ポット16が工具(図示外)に働く遠心力により図10に示す矢印F方向に回転することを防ぐために設けられているもので、遠心力により工具ポット16が図10に示す矢印F方向に回転した場合には、レバー部41bがウォーム軸カバー33の外縁部に当接して、それ以上の矢印F方向への回転を防止することができる。また、ウォーム軸カバー33の下部には、切欠部33bが形成されているので、工具交換位置に移動している工具ポット16は、レバー部41bがウォーム軸カバー33の外縁部に当接することなく、回動することができる。
【0045】
次に、図14及び図15を参照して、リンク機構32の構造を説明する。図14はリンク機構32の正面図であり、図15は、図14におけるB−B’線の矢視方向断面図である。
【0046】
リンク機構32は、側壁43a,43bを有するリンクベース43をフレーム6に固定し、側壁43a及び側壁43b間に軸44を架設し、軸44によりリンク47を回動可能に軸支している。また、リンクベース43の上部には、貫通孔43cが設けられている。この貫通孔43cは、U字型の窪みとフレーム6とで孔を形成している。この貫通孔43cには、プッシュロッド31が貫通し、プッシュロッド31の下端部には、可動子45が固着され、可動子45は、プッシュロッド31の上下動に付随して、リンクベース43内において、図14及び図15における上下方向に移動可能となっている。また、可動子45には、軸46が設けられ、可動子45とリンク47は、軸46により接続されている。
【0047】
リンク47は、図14及び図15に示すように、左右一対の下部アーム47a,47bと、左右一対の上部アーム47c,47dと、軸受部47eとから構成されている。軸受部47eには、軸44が貫通して、リンク47は、図15に、実線で示す位置と2点鎖線で示す位置との間で回動可能に軸支されている。
【0048】
従って、プッシュロッド31が下降すると、可動子45が、図15に2点鎖線で示す位置まで下降し、可動子45に軸46で接続されている上部アーム47c,47dが下降するので、リンク47は、軸44の周りに回転して、下部アーム47a,47bが、図15に2点鎖線で示す位置まで上昇する。
【0049】
また、リンク47の下部アーム47a,47bの先端部には、軸48により回動自在に軸支されたローラ49が設けられている。このローラ49が、工具ポット16のレバー部41bを押し上げることにより、ポットホルダ17に工具の格納状態で軸支されている工具ポット16を、図6に示すように工具の交換状態に回動することができる。
【0050】
ここで、リンク47は、下部アーム47a,47bの先端部に、軸48により回動自在に軸支されたローラ49を備えているので、工具ポット16のレバー部41bを押し上げるときに、レバー部41bをスムーズに押し上げることができる。また、リンク47の下部アーム47a,47bの先端部に、ローラ49を備えているので、工具ポット16のレバー部41b側に、ローラを備える必要がない。
【0051】
次に、本実施の形態の工具マガジン10を備えた工具交換装置5の作用について、図4、図16及び図17を参照して説明する。図16は、工具マガジン10の作用を説明する参考図であり、図17は、リンク47の動作を示す図である。
【0052】
工具交換のために、工具マガジン10が回動する場合には、図4に示すように工具ポット16が、工具の格納状態になった状態で、マガジンモータ13が回動すると、ギア軸25のウォームギア26が回動し、ウォームギア26に歯合するウォーム軸ギア27が回動してウォーム軸19が回動する。従って、ウォーム軸19に固定されているベースプレート15が回動する。このとき、特に図示しないが、各工具ポット16には各種の工具が各々保持されている。例えば、ドリル、タップ、エンドミルを始めとする各種フライス等、直径、長さ、重さの異なるものをランダムに保持している。
【0053】
ベースプレート15が回転するとこれらの工具には、重さに応じた遠心力が生じるので、工具ポット16には、図16に示す矢印G方向の分力が働き、工具ポット16は、矢印G方向に回動しようとする。このとき、工具ポット16の基部41から突設しているレバー部41bが、ウォーム軸カバー33の外縁部33dに当接する。従って、工具ポット16は矢印G方向に回動しない。よって、工具ポット16の意図しない矢印G方向への回動動作により、工具ポット16に保持されている工具が脱落してしまうことを防止することができる。
【0054】
また、ウォーム軸カバー33の下端部には、切欠部33bを設けているので、工具交換位置では、ウォーム軸カバー33が、リンク47の動作を邪魔することがない。
【0055】
さらに、図17に示すように、工具交換位置で、工具ポット16を工具の格納状態から工具の交換状態に回動させるためには、リンク47の下部アーム47a,47bに軸48により軸支されたローラ49が、工具ポット16の基部41から突設しているレバー部41bを押し上げるだけなので、工具ポット16を工具の格納状態から工具の交換状態に、スムーズに回動することができる。
【0056】
また、工具ポット16の基部41から突設しているレバー部41bには、ローラ等を設けていないので、工具ポット16の構造が簡単になり、製造も容易で、製造コストを抑制することができる。
【0057】
なお、上記の実施の形態では、ウォーム軸カバー33は、所定の厚みを有する円形の鋼等の金属板を用いているが、必ずしも、板状の物に限られず、工具ポット16の基部41から突設しているレバー部41bに当接して、工具ポット16の意図しない回動動作を規制できる物で有れば、各種の構造のものを用いることができることは言うまでもない。例えば、パイプでリングを作って、そのリングを保持部材にてウォーム軸ギア壁29に固定してもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の工具収納装置では、前記工具ポットの基部に第1の凸部を備えるだけで、回動手段がポットホルダ保持部材を回動させたときに、工具交換位置以外の位置においては、回動規制手段は、工具ポットがポットホルダに対して回動することを規制するので、工具ポットが工具に働く遠心力により回動して、工具が脱落してしまうことを防止することができる。また、工具交換位置以外の位置においては、回動規制手段は、工具ポットがポットホルダに対して回動することを規制するので、工具ポットに保持される工具をオペレータが取り替えるときに、工具ポットが不用意に回動してけが等をすることを防止できる。
【0059】
また、請求項2に係る発明の工具収納装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、ポットホルダ保持部材は、円盤状の板材により構成されているので、円盤状の板材の表面に固定できる限りの任意の数のポットホルダを設けることができ、また、製造コストを抑制することができる。
【0060】
【0061】
また、請求項3に記載の工具収納装置は、請求項1又は2に記載の工具収納装置の効果に加えて、回動規制手段は、ポットホルダ保持部材に対して、裏面側に設けられた円盤状の板材から構成されているので、簡易な構造である円盤状の板材により、工具ポットがポットホルダに対して回動することを規制することができる。また、回動規制手段は、前記工具交換位置の部分に切欠きを備えているので、工具交換位置においては、工具ポットがポットホルダに対して回動することの妨げにならない。
【0062】
さらに、請求項4に記載の工具収納装置は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の効果に加えて、前記ポットホルダに設けられた付勢手段は、前記工具ポットを前記工具の格納状態の位置に付勢しているが、第2の凸部が、前記工具ポットを所定の工具の格納状態に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施の形態の工具収納装置が装着される工作機械の一種であるマシニングセンター1の正面図である。
【図2】 図2は、マシニングセンター1の右側面図である。
【図3】 図3は、工具マガジン10が装着された工具交換装置5の正面図である。
【図4】 図4は、工具マガジン10が装着された工具交換装置5の左側面図である。
【図5】 図5は、工具交換装置5から工具マガジン10を取り外した状態の正面図である。
【図6】 図6は、工具マガジン10の最下端の工具ポット16が工具の交換状態に回動された状態を示す工具交換装置5の左側面図である。
【図7】 図7は、工具マガジン10の正面図である。
【図8】 図8は、図7におけるA−A’線の矢視方向の工具マガジン10の断面図である。
【図9】 図9は、工具ポット16を回動可能に保持したポットホルダ17の平面図である。
【図10】 図10は、工具ポット16を回動可能に保持したポットホルダ17の正面図である。
【図11】 図11は、工具ポット16を回動可能に保持したポットホルダ17の左側面図である。
【図12】 図12は、図10に示すC−C’線の矢視方向の断面図である。
【図13】 図13はウォーム軸カバー33の正面図である。
【図14】 図14はリンク機構32の正面図である。
【図15】 図15は、図14におけるB−B’線の矢視方向断面図である。
【図16】 図16は、工具マガジン10の作用を説明する参考図である。
【図17】 図17は、リンク47の動作を示す図である。
【図18】 図18は、従来技術の工具収納装置の正面図である。
【符号の説明】
1 マシニングセンター
5 工具交換装置
6 フレーム
10 工具マガジン
11 工具交換アーム
12 カムモータ
13 マガジンモータ
14 アクチュエータ
15 ベースプレート
16 工具ポット
17 ポットホルダ
18 貫通孔
19 ウォーム軸
20 固定リング
21 ボルト
22 マガジンモータベース
23 継手
24 回転軸
25 ギア軸
26 ウォームギア
27 ウォーム軸ギア
29 ウォーム軸ギア壁
30 ボルト孔
33 ウォーム軸カバー
31 プッシュロッド
32 リンク機構
33 ウォーム軸カバー
33a 開口部
33b 切欠部
33c ボルト孔
34、35 ボールベアリング軸受
36 ボルト
37 軸
38 コイルばね
17a 底面
17b,17c 側壁
17d 切欠部
17e 位置合わせ突起
17f ボルト孔
17g ばね孔
16a 挿入孔
40 鋼球
41 基部
41a 軸受部
41b レバー部
43 リンクベース
43a 側壁
43b 側壁
43c 貫通孔
44 軸
45 可動子
46 軸
47 リンク
47a,47b 下部アーム
47c,47d 上部アーム
47e 軸受部
48 軸
Claims (4)
- 工具を着脱可能に保持した工具ポットと、
当該工具ポットを工具の格納状態の位置と工具の交換状態の位置との間で回動可能に軸支するポットホルダと、
当該ポットホルダを複数保持し、前記ポットホルダに軸支された前記工具ポットを所定の工具交換位置へ、回動により案内するポットホルダ保持部材と、
当該ポットホルダ保持部材を回動する回動手段と、
前記工具交換位置以外の位置において前記工具ポットの回動を規制し、該工具ポットを工具の格納状態の位置に維持する回動規制手段と
を備え、
前記工具ポットは、基部に第1の凸部を備え、
当該第1の凸部が前記回動規制手段と当接することにより、前記工具交換位置以外の位置において前記工具ポットの回動を規制することを特徴とする工具収納装置。 - 前記ポットホルダ保持部材は、円盤状の板材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の工具収納装置。
- 前記ポットホルダ保持部材は、表面に放射状にポットホルダを複数保持し、
前記回動規制手段は、ポットホルダ保持部材に対して、裏面側に設けられた円盤状の板材から構成され、且つ、前記工具交換位置の部分に切欠きを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の工具収納装置。 - 前記ポットホルダには、前記工具ポットを前記工具の格納状態の位置に付勢する付勢手段を備え、
前記工具ポットは、基部に、前記ポットホルダに当接することにより、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記工具ポットを所定の格納状態に保持する第2の凸部を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の工具収納装置。
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