JP4268633B2 - 押釦スイッチ用カバー部材の製造方法 - Google Patents

押釦スイッチ用カバー部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4268633B2
JP4268633B2 JP2006511432A JP2006511432A JP4268633B2 JP 4268633 B2 JP4268633 B2 JP 4268633B2 JP 2006511432 A JP2006511432 A JP 2006511432A JP 2006511432 A JP2006511432 A JP 2006511432A JP 4268633 B2 JP4268633 B2 JP 4268633B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard base
silicone rubber
keypad
hard
cover member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006511432A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005093770A1 (ja
Inventor
隆人 小林
智浩 野崎
公彦 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Publication of JPWO2005093770A1 publication Critical patent/JPWO2005093770A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4268633B2 publication Critical patent/JP4268633B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H13/00Switches having rectilinearly-movable operating part or parts adapted for pushing or pulling in one direction only, e.g. push-button switch
    • H01H13/70Switches having rectilinearly-movable operating part or parts adapted for pushing or pulling in one direction only, e.g. push-button switch having a plurality of operating members associated with different sets of contacts, e.g. keyboard
    • H01H13/86Switches having rectilinearly-movable operating part or parts adapted for pushing or pulling in one direction only, e.g. push-button switch having a plurality of operating members associated with different sets of contacts, e.g. keyboard characterised by the casing, e.g. sealed casings or casings reducible in size
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/46Knobs or handles, push-buttons, grips
    • B29L2031/466Keypads, keytops
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2209/00Layers
    • H01H2209/012Layers avoiding too large deformation or stress
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2209/00Layers
    • H01H2209/068Properties of the membrane
    • H01H2209/074Properties of the membrane elastomeric
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2219/00Legends
    • H01H2219/054Optical elements
    • H01H2219/062Light conductor
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2221/00Actuators
    • H01H2221/002Actuators integral with membrane
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2221/00Actuators
    • H01H2221/05Force concentrator; Actuating dimple
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2229/00Manufacturing
    • H01H2229/044Injection moulding
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2231/00Applications
    • H01H2231/022Telephone handset
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2233/00Key modules
    • H01H2233/002Key modules joined to form button rows
    • H01H2233/004One molded part

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Push-Button Switches (AREA)
  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

この発明は、携帯電話や携帯情報端末装置(PDA)等の携帯端末機器に用いる押釦スイッチ用カバー部材の製造方法に関する。
携帯電話機や携帯情報端末装置(PDA)等の携帯端末機器には、多数のスイッチ操作用キー(押釦)を有する押釦スイッチ用カバー部材が使用されている。押釦スイッチ用カバー部材を構成する多数の押釦は、シリコーンゴム等のエラストマー部材からなる一枚のキーパッドに配列される。
ところで、携帯端末機器の小型化に対する要求は高く、特に、キーユニットの薄型化に対する要求は高い。この要求に応えるべく、最近ではエラストマー部材からなるキーパッドの厚みが極限まで薄くなっている。
また、携帯端末機器においては、暗所での視認性を向上させるために、LED等の光源を用いたバックライティング機能を採用している。このような携帯端末機器では、光源から発光される光の均一性を高めるために、キーパッドとして、透光性を有するエラストマー部材を使用する。しかしながら、透光性を有するエラストマー部材の厚みを薄くしてしまうと、十分な導光性能が発揮されなくなる。
したがって、導光性能の高い高透明性の硬質樹脂からなる導光部材を別途成形し、この導光部材をキーパッドとキートップとの間に組み込むようになった。これにより、導光性能については向上させることができるようになった。しかしながら、部材点数の増加に伴って組み立ての作業効率については悪化した。さらに、昨今の小型化、薄型化された携帯端末機器では、導光部材のスペースを確保することが困難な状況にある。
そこで、例えば、図7に示すような発光カバーが、ハードベース・キーユニットとして提案されている(特開2003−178639号公報の図1参照)。
図7に示す発光カバー10は、回路基板20と組み合わせて用いられる。この発光カバー10は、ハードベース12と、キーパッド15と、キートップ17とを備える。ハードベース12は、透孔11を有する硬質樹脂板で形成されている。このハードベース12には、随所に発光素子13を挿入するための挿入口が設けられている。
キーパッド15は、ゴム状弾性体膜で形成されており、押圧突起16を有する。キーパッド15は、接着剤を介してハードベース12と一体化されている。キーパッド15の一部は、ハードベース12の透孔11を塞いでいる。キーパッド15に形成された押圧突起16は、回路基板20上のメタルドームスイッチ21を開閉するために設けられたものである。キートップ17は、キーパッド15の上面に設けられる。
上述した従来技術では、ハードベース12と回路基板20とが直接接している。このような構成では、ハードベース12に加えられた衝撃や、ハードベースの変形により生じる応力が回路基板20に直接伝搬してしまい、不測のトラブルを招きかねない。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、ハードベースへの衝撃やハードベースの変形による回路基板への影響を軽減させることができる押釦スイッチ用カバー部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法は、ハードベースとキーパッドとを有し、ハードベースは、キートップ用の貫通孔を有する硬質樹脂により形成され、キーパッドは、シリコーンゴム膜により形成され、ハードベースの裏側全面に当該キーパッドの表面で接し、かつ貫通孔から露出しており、当該貫通孔に対応するキーパッドの裏面には接点部を押圧するための押圧突起が設けられ、ハードベースの裏側の隣り合う貫通孔相互間に溝が設けられた押釦スイッチ用カバー部材の製造方法であって、予め成形・加飾されたハードベースを成形金型にインサートし、次に、ハードベースに対して高い接着性のある成分を含むシリコーンゴムを、貫通孔に対応する位置に設けられたゲートから充填し、充填可能量を超えた分のシリコーンゴムを溝により形成された空間内に収容し、これを加熱・硬化することによって、ハードベースとキーパッドとを一体化することを特徴としている。
また、本発明の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法は、ハードベースとキーパッドとを有し、ハードベースは、キートップ用の貫通孔を有する硬質樹脂により形成され、キーパッドは、シリコーンゴム膜により形成され、ハードベースの裏側全面に当該キーパッドの表面で接し、かつ貫通孔から露出しており、当該貫通孔に対応するキーパッドの裏面には接点部を押圧するための押圧突起が設けられ、ハードベースの裏側の隣り合う貫通孔相互間に溝が設けられ、ハードベースの貫通孔から露出しているキーパッドの表面には、硬質樹脂製のキートップが設けられた押釦スイッチ用カバー部材の製造方法であって、予め成形・加飾されたハードベースを成形金型にインサートし、次に、ハードベースに対して高い接着性のある成分を含むシリコーンゴムを、貫通孔に対応する位置に設けられたゲートから充填し、充填可能量を超えた分のシリコーンゴムを溝により形成された空間内に収容し、これを加熱・硬化することによって、ハードベースとキーパッドとを一体化し、次に、ハードベースの貫通孔から露出しているキーパッドの表面にキートップを接着固定することを特徴としている。
これらの発明により形成される押ボタンスイッチ用カバー部材は、ハードベースの裏側全面がシリコーンゴム膜製のキーパッドにより覆われる。したがって、回路基板は、硬質のハードベースと直接接することがない。また、キーパッドが、ハードベースと回路基板との間の衝撃吸収材となる。ハードベースの裏側全面をシリコーンゴム膜製のキーパッドで覆うことにより、回路基板との密着性や気密性を高めることもできる。そして、上記の製造方法によれば、予め、シリコーンゴムにハードベースに対して高い接着性を有する素材を配合しておくことができ、シリコーンゴムを成形する工程においてハードベースとキーパッドとを一体化することができるようになる。したがって、キーパッドとハードベースとを接着させる工程が容易となり生産性が高まる。その結果として、押釦スイッチ用カバー部材を安価に製造することが可能となる。また、ハードベースの裏側の隣り合う貫通孔相互間に溝が形成されることにより、キーパッド形状を成形するために必要な充填可能量を超えたシリコーンゴムを、成形金型内に注入することができる。すなわち、充填可能量を超えた分のシリコーンゴムを、溝により形成される空間内に収容することができる。それゆえ、シリコーンゴムの注入量の誤差を考慮して、充填可能量を超えたシリコーンゴムを成形金型内に注入することが可能となるため、シリコーンゴムを確実にキーパッド形状に成形させることができる。
本発明の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法において、上記ハードベースは、ポリカーボネート樹脂により形成され、上記シリコーンゴムは、ポリカーボネート樹脂と化学結合する助剤が添加された選択接着シリコーンゴムであることが好ましい。
これにより、ポリカーボネート樹脂により形成されたハードベースと、上記選択接着シリコーンゴムにより形成されるキーパッドとを一体化することになるため、ハードベースとキーパッドとを、接着剤を介在することなく、強固に接着させることができる。したがって、ハードベースとキーパッドとの間に接着剤を塗布する工程、またはプライマーの塗布や表面改質等の下地処理を施す工程を省略することができる。それゆえ、作業効率を向上させることができる。
本発明の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法において、上記加熱する際の加熱温度は、選択接着シリコーンゴムが硬化するのに必要な温度以上であり、かつ、ハードベースの荷重たわみ温度以下であることが好ましい。
これにより、押釦スイッチ用カバー部材を成形する際に、選択接着シリコーンゴムが硬化するのに必要な温度以上であり、かつ、ハードベースの荷重たわみ温度以下である加熱温度によりシリコーンゴムを硬化させることが可能となった。それゆえ、ポリカーボネート樹脂の変形を抑止することができる。
本発明の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法において、上記ハードベースをインサートする成形金型は、前記ゲートを有する固定側の金型に対向して配置される可動側の金型であり、ハードベースとキーパッドとを一体化した後に、可動側の金型を移動させて、当該可動側の金型に付着した上記一体化されたハードベースとキーパッドとを取り外すことが好ましい。
これにより、シリコーンゴム膜により全面が被覆されたハードベースの裏側を、可動側の金型に配置させ、シリコーンゴム膜により被覆されていないポリカーボネート樹脂製のハードベースの表側を、固定側の金型に配置させて押釦スイッチ用カバー部材を成形させることができる。ここで、シリコーンゴム膜は、ポリカーボネート樹脂に比して、成形金型への密着性が高い。したがって、成形後に可動側の金型を移動させた場合には、可動側の金型に成形品を確実に付着させることができる。したがって、作業効率を向上させることができ、生産性が高まる。
本発明に係る押釦スイッチ用カバー部材の製造方法によれば、ハードベースへの衝撃やハードベースの変形による回路基板への影響を軽減させることができる。
この実施の形態の押釦スイッチ用カバー部材の裏面を示した斜視図である。 同押釦スイッチ用カバー部材の表面を示した斜視図である。 同押釦スイッチ用カバー部材の要部断面図である。 同押釦スイッチ用カバー部材のキートップを押下する際の感触を、ストローク長と反発力との関係で示したグラフである。 同押釦スイッチ用カバー部材のハードベースの貫通孔から露出しているキーパッドの一部をキートップとした場合の要部断面図である。 半製品を成形するための成形金型を説明するための図である。 従来の発光カバーの要部断面図である。
符号の説明
1 ハードベース
2 キーパッド
3 キートップ
4 貫通孔
5 溝
6a 押圧突起
6b 盛り上げ部
7 ライトガイド
50 可動側の金型
60 固定側の金型
61 ゲート
以下において、本発明に係る押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法に関する実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図3を参照して、本実施形態における押釦スイッチ用カバー部材について説明する。図1は、本実施形態における押釦スイッチ用カバー部材の裏面を示した斜視図である。図2は、押釦スイッチ用カバー部材の表面を示した斜視図である。図3は、押釦スイッチ用カバー部材の要部断面図である。
図1〜図3に示すように、押釦スイッチ用カバー部材は、ハードベース1と、キーパッド2と、キートップ3とを有する。
ハードベース1は、透明なポリカーボネート樹脂により形成される。透明なポリカーボネート樹脂を用いることによって、ハードベースを導光部材として使用することができる。したがって、より多様な光によるデザインを押釦スイッチ用カバー部材に付加することが可能になる。その結果、この押釦スイッチ用カバー部材を組み込んだ携帯端末機器のデザイン性を高めることができる。さらに、ハードベースに印刷・塗装等によって加飾を施すことによって、多様なユーザの嗜好に対応させることが可能となる。
ハードベース1には、キートップ用の貫通孔4が多数設けられている。また、ハードベース1の裏側全面には、キーパッド2の表面が、接着剤を介在することなく接着している。
ハードベース1の裏側には、随所に浅い溝5が形成されている。この溝5は、ハードベース1の隣り合う貫通孔4相互間に形成される。これにより、押釦スイッチ用カバー部材の製造時におけるシリコーンゴム液の流れをよくすることができる。このハードベース1の溝5の詳細については、後述する。
ハードベース1の周囲数カ所には、固定突起1aが設けられている。この固定突起1aは、押釦スイッチ用カバー部材と回路基板とを組み合わせて携帯電話機を組み立てる際の固定部材として設けられている。これにより、組み立て後の携帯電話機の固定的な安定性を向上させることができる。
キーパッド2は、厚みが薄い半透明なシリコーンゴム膜で形成されている。このシリコーンゴム膜の詳細については後述する。キーパッド2は、ハードベース1の裏面に形成され、ハードベース1の裏面を薄く被覆する。ハードベース1の裏面に形成されたキーパッド2は、ハードベース1の貫通孔4の内周縁を通って、ハードベース1の表面側に至る。
キーパッド2は、貫通孔4の内側の領域においてすり鉢状に肉厚となり、この肉厚部分で接点部を押圧するための押圧突起6aを形成する。この押圧突起6aの上側にあたるキーパッド2の表面には、キートップ3の台座となる盛り上げ部6bが形成される。盛り上げ部6bは、貫通孔4の内周縁よりやや内側の範囲で肉厚に盛り上がり、ハードベース1の表面よりも僅かに突き出している。
硬質樹脂製のキートップ3は、キーパッド2の盛り上げ部6bの表面に接着される。このキートップ3は、貫通孔4内に陥没することがないように、貫通孔4の内周よりやや大きめに形成されている。また、キートップ3は、突き出し寸法をストローク長とし、キーパッド2を弾力的に押圧する。キートップ3を硬質樹脂製にすることにより、操作時に指に触れるキートップの感触を、しっかりとした感触にすることができる。これにより、誤操作等が起こり難い押釦スイッチ用カバー部材を提供することが可能となる。
隣接するキートップ3相互間の領域の一部には、ハードベース1の表面から突き出したライトガイド7が筋状に巡らされている。このようにライトガイド7を設けることによって、暗闇でもキートップ3の周囲を照光することができる。
キーパッド2を形成するシリコーンゴム膜は、ポリカーボネート樹脂と化学結合する助剤が添加された選択接着シリコーンゴムにより形成される。選択接着シリコーンゴムは、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂とは強固に接着するが、金属成形金型とは接着しないという選択的な接着特性を有する。
選択接着シリコーンゴムとしては、その組成で、(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(b)珪素原子に直結した水素原子を一分子中に少なくとも2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(c)付加反応触媒、(d)接着性付与成分、を含有するものが好ましい(特許第2687832号公報参照)。特に、珪素原子に直結した水素原子を一分子中に少なくとも1個有し、かつ、フェニル骨格を有する基・アルコキシシリル基・グリシジル基・酸無水物基から選択された基を含む化合物であることが好ましい。さらにその中でも、少なくとも1個、より好ましくは2個以上のSi−H基と、少なくとも1個のフェニル骨格とを一分子中に有する化合物であることが特に好ましい。
具体的に説明すると、選択接着シリコーンゴムとしては、例えば、X−30−3511u(信越化学(株)製)が該当する。また、例えば、シリコーンゴムパウンド(KE9510−U;信越化学(株)製)100重量部に対し、付加反応型架橋剤(C−25A;信越化学(株)製)1重量部、付加反応型架橋剤(C−25B;信越化学(株)製)1重量部、下記の化学式1により示される化合物 1重量部を混合したものも選択接着シリコーンゴムに該当する。
Figure 0004268633
さらに、例えば、加熱硬化型のオルガノポリシロキサン組成物 100重量部に対して、補強性シリカ微粉末 1〜100重量部、エポキシ当量が100〜5000g/1molで分子中に芳香族環を少なくとも1個有する有機化合物または有機珪素化合物 0.1〜50重量部を混合したものも選択接着シリコーンゴムに該当する。
一般に、シリコーンゴムとプラスチックとを一体化する方法として、プライマーの塗布または表面改質等の下地処理を施して一体化する方法と、接着剤を介して一体化する方法とがある。しかしながら、本実施形態における選択接着シリコーンゴムを用いることによって、下地処理を施すことや接着剤を介在させることなく、シリコーンゴムとプラスチックとを強固に接着させることができる。すなわち、本実施形態においては、キーパッド2に選択接着シリコーンゴムを用い、ハードベース1に透光性ポリカーボネート樹脂を用いたため、下地処理を施すことや接着剤を介在させることなくキーパッド2とハードベース1とを接着させることができる。これにより、下地処理工程または接着工程を省略することができ、作業効率を向上させることができる。また、下地処理の不確実性に起因する接着状態の不安定さについても解消することができる。
また、本実施形態においては、ハードベース1と回路基板との間に、耐久性と弾力性に優れたシリコーンゴム膜を形成させるため、硬質材が回路基板と直接接することがない。すなわち、シリコーンゴム膜は、一般に衝撃吸収性に優れているため、本実施形態における押釦スイッチ用カバー部材を携帯電話機等に用いた場合には、回路基板等の機械的損傷に対する高い予防効果を発揮し得る。また、シリコーンゴム膜は、回路基板との密着性にも優れているため、気密性を高めることができ、高い防塵効果および防滴・防水効果を発揮し得る。
ハードベース1の溝5は、成形金型内に注入された余分なシリコーンゴムを収容するために設けられる。一般に、成形金型で製品を射出成形する場合には、成形金型内に注入されるシリコーンゴムの量に多少の誤差が生じてしまう。したがって、その誤差により注入量が少なくなった場合であっても、確実にシリコーンゴムがキーパッド2形状に成形されるようにしなければならない。そのため、本来の注入量よりも少し多めにシリコーンゴムを注入する必要がある。一方、充填可能量よりも多めに注入されたシリコーンゴムについては、製品の機能が損なわれることのない場所に逃がす必要がある。そこで、本実施形態においては、充填可能量を超えた分のシリコーンゴムを、溝5により形成される空間内に収容することとした。これにより、シリコーンゴムを確実にキーパッド2形状に成形させることができる。
ハードベース1の溝5の幅は、0.5mm以上、貫通孔4の幅以下であることが好ましい。溝5の深さは、0.1mm以上、ハードベース1の厚みの30%(ハードベースの剛性が保てる程度)以下であることが好ましく、より好ましくは0.2mm以上にするのがよい。また、溝5は、角形状である各貫通孔4のコーナー間に設けるのが好ましい。これにより、成形金型内における気泡の残留を防止することができる。これは、成形金型のゲートが各キートップ3の中央上部に位置するため、注入されたシリコーンゴムがキートップ3の中央から円周状に広がっていくことに起因する。ただし、スペース上の問題で各貫通孔4のコーナー間に溝5を設けることが困難である場合には、各貫通孔4のセンター間に溝5を設けることとしてもよい。
ハードベース1の溝5の幅や深さ等を適宜設計することにより、キーパッド2を成形する際の成形条件を調節することが可能となる。これにより、高品質の製品を効率よく製造することが可能になる。また、溝5部分に対応して形成されるシリコーンゴム膜は、溝5の深さの分だけ、他の部分のシリコーンゴム膜よりも厚くなる。これにより、ハードベース1が反りをもって変形するような場合であっても、その変形量を減少させることができる。
以下において、上述した実施形態における押釦スイッチ用カバー部材の製造方法について説明する。
予め、ポリカーボネート樹脂等の透光性を有する硬質樹脂を用いて、所望の形状及び色彩が施されたハードベース1を射出成形等により成形しておく。なお、このハードベース1には、多数の貫通孔4を設けておく。
次に、キーパッド2の形状を規定する彫り込みを有する成形金型に、予め成形・加飾しておいたハードベース1をインサートする。
次に、ハードベース1をインサートした成形金型に、選択接着シリコーンゴムを充填して加熱・硬化し、ハードベース1とキーパッド2とを一体化する。
次に、ハードベース1とキーパッド2とが一体化された半製品を、成形金型から取り出す。そして、この半製品の貫通孔4から露出しているキーパッド2の盛り上げ部6bの表面に、予め別途成形・加飾しておいたキートップ3を、接着剤を介して接着する。これにより、最終的な押釦スイッチ用カバー部材が得られる。
上述した成形金型に選択接着シリコーンゴムを充填して加熱する際の加熱温度は、選択接着シリコーンゴムが硬化するのに必要な温度以上であり、かつ、ハードベース1を形成するポリカーボネート樹脂の荷重たわみ温度以下であることが好ましい。
選択接着シリコーンゴムが硬化するのに必要な温度は、選択接着シリコーンゴムの硬化度合が90%に到達するまでに要する時間が、製造工程において許容され得る時間であるか否かに基づいて決定される。選択接着シリコーンゴムの硬化度合が90%に到達するまでに要する時間は、周知のレオメータにより計測することができる。
ここで、加熱温度ごとに、選択接着シリコーンゴムの硬化度合が10%に到達するまでに要する時間(T10)と、選択接着シリコーンゴムの硬化度合が90%に到達するまでに要する時間(T90)とについて説明する。なお、以下に記載する各時間は、本願発明者がレオメータを用いて測定した実験値である。
加熱温度が100℃である場合には、T10が210秒であり、T90が339秒であった。加熱温度が110℃である場合には、T10が117秒であり、T90が210秒であった。また、加熱温度が120℃である場合には、T10が72秒であり、T90が120秒であった。さらに、加熱温度が130℃である場合には、T10が48秒であり、T90が105秒であった。
この結果、加熱温度が高いほど、選択接着シリコーンゴムの硬化度合が90%に到達するまでに要する時間が短くなることがわかる。すなわち、加熱温度が高いほど、選択接着シリコーンゴムの硬化時間を短縮させることができ、ひいては作業効率を向上させることができる。したがって、例えば、選択接着シリコーンゴムの硬化時間を3分(180秒)以内に設定するような場合には、加熱温度を120℃以上にすることが好ましく、選択接着シリコーンゴムの硬化時間を4分(240秒)以内に設定するような場合には、加熱温度を110℃以上にすることが好ましい。
これに対して、ハードベース1の材料となるポリカーボネート樹脂は、熱可塑性樹脂であるため、温度が高くなるほど変形し易くなる。したがって、加熱温度は低い方が好ましいことになる。加熱温度を設定する場合には、荷重たわみ温度に基づいて、ポリカーボネート樹脂のたわみ量が、標準のたわみ量を超えない範囲で設定することが好ましい。ここで、荷重たわみ温度(ASTM(米国工業規格)D−648)は、例えば、負荷応力が1.82MPaであるときの温度や、負荷応力が0.45MPaであるときの温度により表される。そして、荷重たわみ温度は、一般に、負荷応力が低いほど高くなる。また、上述したように選択接着シリコーンゴムの硬化時間は、加熱温度が高いほど短縮する。したがって、これらを考慮すると、加熱温度は、負荷応力が0.45MPaであるときの荷重たわみ温度以下にすることが好ましい。ただし、高品質な製品の割合をより増大させることに重きを置く場合には、加熱温度を、負荷応力が1.82MPaであるときの荷重たわみ温度以下にすることが好ましい。
なお、ポリカーボネート樹脂の荷重たわみ温度は、負荷応力が1.82MPaであるときには、およそ130〜136℃であり、負荷応力が0.45MPaであるときには、およそ136〜142℃である。
また、従来において、シリコーンゴムとポリカーボネート樹脂とを一体化する際には、150℃以上の加熱温度を必要としていた。これは、シリコーンゴムを硬化させるためには、少なくとも150℃以上で加熱する必要があったためである。これに対して、本発明では、選択接着シリコーンゴムを用いているため、ポリカーボネート樹脂の荷重たわみ温度よりも低い加熱温度(例えば、130℃以下)によってシリコーンゴムを硬化させることが可能となった。これにより、ポリカーボネート樹脂の変形を抑止することができる。
図4は、キートップを押下したときの感触を、ストローク長と反発力との関係により説明するためのグラフである。
図4に示すグラフの横軸をストローク長S、縦軸を反発力Fとする。キーパッド2の押圧突起6aで回路基板上の皿バネを押した場合に、皿バネの反発力Fは、ストローク長Sとの関係で、図4のAで示される極大値と極小値を有する3次曲線により表される。シリコーンゴム膜の反発力Fは、ストローク長Sとの関係で、一般に図4のBで示されるようなほぼ1次直線により表される。シリコーンゴム膜をハードベース1の裏面に装着した場合に、その反発力Fは、ストローク長Sとの関係で、図4のCで示される極大値と極小値を有する3次曲線により表される。この3次曲線は、上述した皿バネの反発力Fとシリコーンゴム膜の反発力Fとが足し合わされた結果として表されている。したがって、この場合には、キートップ3を押下するときに、小さなストロークSでも比較的大きな反発力が得られる。そのため、キートップ3を操作したときに、良好なクリック感が得られるため、キートップ3の操作性が高まる。
なお、上述した実施形態においては、ハードベース1の貫通孔4から露出しているキーパッド2の一部に、予め成形・加飾しておいた硬質樹脂製のキートップ3を接着しているが、キートップを形成する方法はこれに限られない。例えば、ハードベース1の貫通孔4から露出しているキーパッド2の一部を、所望のキートップ形状にしてもよい。
図5は、ハードベース1の貫通孔4から露出しているキーパッド2の一部をキートップ3にした場合の要部断面図である。
この場合には、予め別途キートップ3を成形・加飾しておく必要がなくなる。したがって、キーパッド2の盛り上げ部6bの表面にキートップ3を接着する工程を省略することができる。これにより、作業効率を向上させることができ、その分、安価な押釦スイッチ用カバー部材を提供することができる。
また、上述した実施形態と同様に、ハードベース1を透光性樹脂で形成することによって、隣り合うキートップ3相互間やキートップ3の周囲に露出しているハードベース1を、導光部材として使用することができる。これにより、より多様な光によるデザインを押釦スイッチ用カバー部材に付加することができる。すなわち、押釦スイッチ用カバー部材を組み込んだ携帯端末機器のデザイン性を高めることができる。さらに、ハードベース1に印刷・塗装等により加飾を施しておけば、多様なユーザのデザイン嗜好にも対応することができる。
また、上述した実施形態においては、ハードベース1の裏側全面にシリコーンゴム膜を形成しているが、必ずしも裏側全面に形成することを要しない。すなわち、ハードベースへの衝撃やハードベースの変形による回路基板への影響を軽減させることができれば、ハードベース1の裏側の一部にシリコーンゴム膜を形成することとしてもよい。ただし、ハードベース1の裏側全面にシリコーンゴム膜を形成した方が、クッション性がより高まるため、ハードベースへの衝撃やハードベースの変形による回路基板への影響を、より軽減させることができる。
ところで、クッション性の高さよりも製品の薄型化を優先させる場合には、ハードベース1の裏側にシリコーンゴム膜を極力形成しない方が好ましい。しかしながら、ハードベース1の裏側にシリコーンゴム膜を形成しなければ、ハードベース1と回路基板とが直接接してしまうため、ハードベースへの衝撃やハードベースの変形による回路基板への影響を軽減させることが困難となる。そこで、回路基板を保護しつつ製品の薄型化を実現することができる方法について以下に説明する。
この方法は、ハードベース1に溝5を設け、かつ、ハードベース1の裏側全面にシリコーンゴム膜を形成する仕組みを不要としたものである。一般に、熱硬化性樹脂であるシリコーンゴムは、加熱してから硬化するまでにある程度の時間を要する。したがって、射出成形時にハードベース1の溝5に充填された流動性を有するシリコーンゴムは、硬化するまでの間にハードベース1の裏面に入り込んでしまう。これにより、ハードベース1の裏側の全面または一部には、薄いシリコーンゴム膜(0.01mm程度)が必然的に形成されることとなる。
このような原理を利用することによって、ハードベース1の裏側全面にシリコーンゴム膜を形成する仕組みを特に設けなくても、ハードベース1の裏側に浅い溝5を設けることで、ハードベース1の裏側に薄いシリコーンゴム膜を形成させることが可能となる。すなわち、成形金型を用いた射出成形時に、ハードベース1の裏側全面にシリコーンゴム膜を形成させるための空間を設けることなく、ハードベース1の裏側の全面または一部に薄いシリコーンゴム膜を形成させることができる。これにより、ハードベース1と回路基板とが直接接触する事態を回避することができるため、回路基板を保護することができる。また、ハードベース1の裏側に形成されるシリコーンゴム膜の厚さを極めて薄くすることができるため、製品の薄型化に寄与することもできる。
また、ハードベース1の裏側全面にシリコーンゴム膜を形成する仕組みを不要とする場合には、余分なシリコーンゴムを収容するためのリブを、製品の最外周部分の外側に別途設けることとしてもよい。この場合には、リブと製品との間に、いわゆる食いきり(リブ切り離し用の薄肉部)を設けることが好ましい。食いきりを設けることによって、製品から余分なシリコーンゴムが充填されたリブを容易に切り離すことができるためである。また、リブを製品の最外周部分の外側に設けることによって、食いきり部分に発生するバリによって基材が傷つけられることを防止することができる。
最後に、ハードベース1の裏側にシリコーンゴム膜を形成することによって奏する効果を、以下にまとめて説明する。
(1)まず、ハードベース1の裏側にシリコーンゴム膜を形成することによって、回路基板上にある凸凹を吸収することができるとともに、クッション性を向上させることができる。それゆえに、ハードベースへの衝撃やハードベースの変形による回路基板への影響を軽減させることができる。なお、シリコーンゴム膜の厚さは、0.01〜0.4mm程度であることが好ましい。ただし、良好なクッション性を重要視する場合には、0.1〜0.4mm程度であることが好ましい。
(2)また、ハードベース1の裏側にシリコーンゴム膜を形成することによって、加飾層の形成が容易になる。
一般に、印刷や塗装等により形成される加飾層は、模様等の見栄えを良くするために製品の上層部に形成される。したがって、例えば、ハードベース上にシリコーンゴム膜が形成される従来の製品においては、シリコーンゴム膜上に加飾層が形成されている。このような従来品における加飾層は、ハードベースとシリコーンゴム膜とが一体成形された後に、シリコーンゴム膜上に形成されることになる。
ところが、シリコーンゴム膜の表面は一般に凸凹しているため、加飾層をスクリーン印刷により形成することは困難となり、印刷方法が限定されてしまう。また、加飾層を塗装により形成する場合には、塗装の不要な部分(例えば、キートップを接着させる面)にマスキングが必要となるため、作業効率が低下してしまう。さらに、シリコーンゴム膜上に加飾層を形成するためには、シリコーンゴムと相性の良いシリコーン性のインクや塗料に限定されてしまう。このシリコーン性のインクや塗料は、熱硬化性であるため、加飾層を形成する際に加熱しなければならない。一方、シリコーンゴム膜と一体成形されるハードベース(ポリカーボネート樹脂)は、熱可塑性であるため、熱に弱く、加熱を繰り返すことにより変形してしまう。このように、シリコーンゴム膜上に加飾層を形成する場合には、様々な問題が生じてしまう。
これに対して、本発明によれば、ハードベース1の裏側にシリコーンゴム膜が形成されるため、ハードベース1とシリコーンゴムとを一体成形する前に、予めハードベース1上に加飾層を形成させておくことができる。したがって、マスキングを要することなく容易に塗装を施すことができる。また、ハードベース1の表面は、滑らかで凸凹がないため、スクリーン印刷を容易に施すこともできる。さらに、ハードベースを形成するポリカーボネート樹脂は、様々なインクや塗料と相性が良いため、インクや塗料の選択範囲も広い。したがって、熱可塑性を有するインクや塗料を使用することも可能であり、この場合には、低温で加飾層を形成することができる。これにより、ハードベースとシリコーンゴムとを一体成形した後に、ハードベース上に加飾層を形成する場合であっても、ハードベース(ポリカーボネート樹脂)を変形させることなく、容易に加飾層を形成することができる。
(3)さらに、ハードベース1の裏側にシリコーンゴム膜を形成することによって、成形金型によりハードベース1とシリコーンゴム膜とが一体成形された半製品を、成形金型を構成する可動側の金型に付着させることができる。
一般に、成形金型は、ゲートを有する固定側の金型と、固定側の金型に対向して配置される可動側の金型とで構成される。そして、ゲートを有する固定側の金型によって半製品の上部(例えば、盛り上げ部6b)側が形成され、可動側の金型によって半製品の下部(例えば、押圧突起6a)側が成形される。半製品が成形された後は、まず、ゲート部と半製品とが切り離され、その後、可動側の金型を移動する。そして、可動側の金型に付着した半製品が、金型から取り外される。すなわち、ゲート部から切り離された半製品を、可動側の金型に付着させ、ロボット等を用いて可動側の金型から半製品を取り外す。したがって、常に可動側の金型に半製品が付着しないと、作業効率が大幅に低下してしまう。それゆえに、可動側の金型に半製品を確実に付着させる必要がある。
本発明では、半製品の下部側の裏側全面にシリコーンゴム膜が形成されており、半製品の上部側の表面の大部分はポリカーボネート製のハードベースにより形成されている。そして、シリコーンゴム膜は、ポリカーボネート樹脂に比して、成形金型への密着性が高い。したがって、シリコーンゴム膜の表面面積がより大きい半製品の下部側の方が、金型に付着し易いことになる。これにより、半製品の成形後に可動側の金型を移動させた場合に、成形された半製品を、可動側の金型に確実に付着させることができる。したがって、作業効率を向上させることができ、生産性が高まる。
ここで、図6を参照して、上述した半製品を成形するための成形金型について説明する。図6に示すように、成形金型は、横型の成形機に取り付けられる金型であり、可動側の金型50と、この可動側の金型50に対向して配置される固定側の金型60とに大別される。固定側の金型60には、材料を注入するためのゲート61が設けられている。
このような成形金型を用いて、以下の手順により、押釦スイッチ用カバー部材を製造する。まず、可動側の金型50にハードベース1を配置する。次に、可動側の金型50を固定側の金型60方向に移動させる。可動側の金型50が、所定の位置まで移動した後に、固定側の金型60のゲート61から選択接着シリコーンゴムを注入する。次に、成形金型内に充填された選択接着シリコーンゴムを加熱・硬化し、ハードベース1とキーパッド2とを一体化して半製品を成形する。次に、可動側の金型50を、固定側の金型60から離反させる方向に移動させて、可動側の金型50に付着している半製品を取り外す。この取り外した半製品に、キートップを接着させることにより、押釦スイッチ用カバー部材を得る。
なお、図6に示す成形金型は、横型の成形機に取り付けられる成形金型であるが、縦型の成形機に取り付けられる成形金型であっても同様の効果を奏することはいうまでもない。ここで、縦型の成形機に取り付けられる成形金型においては、一般に、ゲートを有する固定側の金型が上部に配置され、可動側の金型が下部に配置される。したがって、仮に上部に配置された固定側の金型に半製品が付着してしまった場合には、固定側の金型から半製品を取り外すために要する無駄な労力は、横型の成形機に取り付けられる成形金型に比して大きい。よって、縦型の成形機に取り付けられる成形金型における可動側の金型に半製品を付着させる効果は、横型の成形機に取り付けられる成形金型における効果よりも大きく、作業効率を大幅に向上させることができ、生産性が大幅に高まる。

Claims (5)

  1. ハードベースとキーパッドとを有し、前記ハードベースは、キートップ用の貫通孔を有する硬質樹脂により形成され、前記キーパッドは、シリコーンゴム膜により形成され、前記ハードベースの裏側全面に当該キーパッドの表面で接し、かつ前記貫通孔から露出しており、当該貫通孔に対応する前記キーパッドの裏面には接点部を押圧するための押圧突起が設けられ、前記ハードベースの裏側の隣り合う前記貫通孔相互間に溝が設けられた押釦スイッチ用カバー部材の製造方法であって、
    予め成形・加飾された前記ハードベースを成形金型にインサートし、
    次に、前記ハードベースに対して高い接着性のある成分を含むシリコーンゴムを、前記貫通孔に対応する位置に設けられたゲートから充填し、充填可能量を超えた分の前記シリコーンゴムを前記溝により形成された空間内に収容し、これを加熱・硬化することによって、前記ハードベースと前記キーパッドとを一体化することを特徴とする押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。
  2. ハードベースとキーパッドとを有し、前記ハードベースは、キートップ用の貫通孔を有する硬質樹脂により形成され、前記キーパッドは、シリコーンゴム膜により形成され、前記ハードベースの裏側全面に当該キーパッドの表面で接し、かつ前記貫通孔から露出しており、当該貫通孔に対応する前記キーパッドの裏面には接点部を押圧するための押圧突起が設けられ、前記ハードベースの裏側の隣り合う前記貫通孔相互間に溝が設けられ、前記ハードベースの貫通孔から露出している前記キーパッドの表面には、硬質樹脂製のキートップが設けられた押釦スイッチ用カバー部材の製造方法であって、
    予め成形・加飾された前記ハードベースを成形金型にインサートし、
    次に、前記ハードベースに対して高い接着性のある成分を含むシリコーンゴムを、前記貫通孔に対応する位置に設けられたゲートから充填し、充填可能量を超えた分の前記シリコーンゴムを前記溝により形成された空間内に収容し、これを加熱・硬化することによって、前記ハードベースと前記キーパッドとを一体化し、
    次に、前記ハードベースの貫通孔から露出している前記キーパッドの表面に前記キートップを接着固定することを特徴とする押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。
  3. 前記ハードベースは、ポリカーボネート樹脂により形成され、
    前記シリコーンゴムは、前記ポリカーボネート樹脂と化学結合する助剤が添加された選択接着シリコーンゴムであることを特徴とする請求項またはに記載の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。
  4. 前記加熱する際の加熱温度は、前記選択接着シリコーンゴムが硬化するのに必要な温度以上であり、かつ、前記ハードベースの荷重たわみ温度以下であることを特徴とする請求項に記載の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。
  5. 前記ハードベースをインサートする成形金型は、前記ゲートを有する固定側の金型に対向して配置される可動側の金型であり、
    前記ハードベースと前記キーパッドとを一体化した後に、前記可動側の金型を移動させて、当該可動側の金型に付着した前記一体化された前記ハードベースと前記キーパッドとを取り外すことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の押釦スイッチ用カバー部材の製造方法。
JP2006511432A 2004-03-25 2005-03-15 押釦スイッチ用カバー部材の製造方法 Active JP4268633B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004088189 2004-03-25
JP2004088189 2004-03-25
PCT/JP2005/004536 WO2005093770A1 (ja) 2004-03-25 2005-03-15 押釦スイッチ用カバー部材とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005093770A1 JPWO2005093770A1 (ja) 2008-02-14
JP4268633B2 true JP4268633B2 (ja) 2009-05-27

Family

ID=35056447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006511432A Active JP4268633B2 (ja) 2004-03-25 2005-03-15 押釦スイッチ用カバー部材の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7525061B2 (ja)
EP (1) EP1737010B1 (ja)
JP (1) JP4268633B2 (ja)
CN (1) CN1934668B (ja)
WO (1) WO2005093770A1 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005098884A1 (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Sunarrow Limited 補強板付キーユニット
JP4468096B2 (ja) 2004-07-20 2010-05-26 ポリマテック株式会社 キーシート及びキーシートの製造方法
JP4394047B2 (ja) 2005-08-05 2010-01-06 信越ポリマー株式会社 キーフレームおよび押釦スイッチ用カバー部材
US7832628B2 (en) * 2005-10-21 2010-11-16 Verifone, Inc. Protective cover for terminal keypad security switches
JP2007141662A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Polymatech Co Ltd キーシート
DE102006032060A1 (de) * 2006-07-10 2008-01-31 Huf Hülsbeck & Fürst Gmbh & Co. Kg Mobile Betätigungsvorrichtung
US20080183133A1 (en) * 2007-01-30 2008-07-31 Animas Corporation Infusion pump keypad assembly and method for making the same
ATE550769T1 (de) * 2007-10-29 2012-04-15 Research In Motion Ltd Beleuchtete tastaturbaugruppe
US7671290B2 (en) 2007-10-29 2010-03-02 Research In Motion Limited Illuminated key-pad assembly
EP2104126B1 (en) 2008-03-18 2010-12-22 Research In Motion Limited Keypad with water and dust protection
US8050019B2 (en) 2008-03-18 2011-11-01 Research In Motion Limited Keypad with water and dust protection
CN101562085B (zh) * 2008-04-14 2012-07-25 深圳富泰宏精密工业有限公司 按键组件及具有该按键组件的电子装置
JP4955615B2 (ja) * 2008-06-27 2012-06-20 信越ポリマー株式会社 押釦スイッチ用部材およびその製造方法
US9263210B2 (en) * 2012-06-21 2016-02-16 Home Control Singapore Pte. Ltd. Two-shot injection molded housing with seats for keycaps in user-interface
DE102014208756A1 (de) * 2014-05-09 2015-11-12 Schott Ag Lichtleiter mit angeformtem optischen Element
JP6707710B2 (ja) * 2017-02-28 2020-06-10 株式会社フジクラ 荷重検知センサ
CN107187226B (zh) * 2017-06-19 2019-12-20 东莞昭和电子有限公司 一种高效率按键印刷工艺方法
TWI702626B (zh) * 2018-03-30 2020-08-21 英屬開曼群島商康而富控股股份有限公司 具有較佳按壓手感的觸控按鍵
CN108682583B (zh) * 2018-07-20 2023-10-03 桂林电子科技大学 一种表面贴装应用按键
USD922969S1 (en) * 2019-04-22 2021-06-22 Off Road Engineering, LLC Switch cover
CN114026667A (zh) * 2019-06-28 2022-02-08 海能达通信股份有限公司 一种按键组件和电子设备
JP2021044119A (ja) * 2019-09-10 2021-03-18 信越ポリマー株式会社 ライトガイド部材およびその製造方法
CN111261437B (zh) * 2020-01-21 2022-11-15 东莞广华汽车饰件科技有限公司 一种按压式开关饰件制造工艺
CN111863486A (zh) * 2020-07-27 2020-10-30 东莞广华汽车饰件科技有限公司 一种按压式开关饰件制造方法及按压式开关饰件结构

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3995126A (en) * 1975-04-03 1976-11-30 Magic Dot, Inc. Membrane keyboard apparatus
US4021630A (en) * 1975-04-25 1977-05-03 Neomed Incorporated Hermetically sealed resilient contact switch having surgical applications
JPS58117619A (ja) * 1981-12-29 1983-07-13 キヤノン株式会社 電子機器
EP0117732A3 (en) * 1983-03-01 1986-09-24 Plessey Overseas Limited Push buttons
JPS60127620A (ja) * 1983-12-12 1985-07-08 興国ゴム工業株式会社 キ−ボ−ド用スプリングユニツト
US4775574A (en) * 1986-04-14 1988-10-04 Shin Etsu Polymer Co., Ltd. Covering member of keyboard and a base plate therefor
GB2235295B (en) * 1989-08-24 1993-09-08 Technophone Ltd Light guide
JP2630324B2 (ja) 1991-12-19 1997-07-16 信越ポリマー株式会社 押釦スイッチ用カバ−部材の製造方法
EP0565959B1 (en) * 1992-04-14 1996-08-28 MOTOROLA GmbH A keypad
JP2687832B2 (ja) * 1992-12-10 1997-12-08 信越化学工業株式会社 ポリカーボネート樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体及びその製造方法
JPH078927A (ja) 1993-06-21 1995-01-13 Kao Corp シャッター部材の超音波洗浄装置
JPH078927U (ja) * 1993-07-13 1995-02-07 しなのポリマー株式会社 押釦スイッチ用カバー部材
JP2699936B2 (ja) * 1995-06-06 1998-01-19 日本電気株式会社 複合成形体の製造方法
JPH10264203A (ja) 1997-03-28 1998-10-06 Mitsubishi Eng Plast Kk ポリアミド樹脂製一体成形品の製造方法
JP2003178639A (ja) * 2001-12-12 2003-06-27 Sunarrow Ltd ハードベース・キーユニット
JP3747011B2 (ja) 2002-04-24 2006-02-22 信越ポリマー株式会社 押釦スイッチ部材の製造方法
JP3821753B2 (ja) 2002-05-31 2006-09-13 帝国通信工業株式会社 フイルムを有する樹脂成形品の製造方法
JP4473538B2 (ja) 2003-04-11 2010-06-02 ポリマテック株式会社 キーシート
US7262379B2 (en) * 2003-04-11 2007-08-28 Polymatech Co., Ltd. Key sheets and method of producing the same
JP4435507B2 (ja) * 2003-06-03 2010-03-17 ポリマテック株式会社 キーシート

Also Published As

Publication number Publication date
CN1934668B (zh) 2010-11-24
EP1737010B1 (en) 2012-09-05
US7525061B2 (en) 2009-04-28
EP1737010A4 (en) 2009-04-15
US20070199814A1 (en) 2007-08-30
EP1737010A1 (en) 2006-12-27
JPWO2005093770A1 (ja) 2008-02-14
WO2005093770A1 (ja) 2005-10-06
CN1934668A (zh) 2007-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4268633B2 (ja) 押釦スイッチ用カバー部材の製造方法
JP4592757B2 (ja) 押釦スイッチ用カバー部材
US6571457B2 (en) Control panel for electronic equipment and method of producing the same
US7014377B2 (en) Key pad, resin key top injection mold, and resin key top manufacturing method
JP3102854B2 (ja) 照光式押釦スイッチ用カバー部材およびその製造方法
EP1024510A2 (en) Control panel having sheet-formed pushbutton unit and method of producing the same
WO2004088694A1 (en) A cover for a push button switch
JP2004362891A (ja) キーシート
KR100878171B1 (ko) 누름 버튼 스위치용 커버 부재와 그 제조 방법
JPH07314580A (ja) 押釦スイッチカバー
KR100584241B1 (ko) 휴대폰 키패드 및 그 제조방법
KR100622283B1 (ko) 전자기기용 키패드 및 그 제조방법
KR100944722B1 (ko) 키패드 어셈블리
KR200394263Y1 (ko) El 시트를 사용하는 el 키패드
KR100762402B1 (ko) 필름 탄성에 의하여 키감을 구현한 휴대용 단말기의 키패드및 그 제조방법
US20090057952A1 (en) Molding apparatus and injection molding method using the same
JPH11288632A (ja) キーパッドの製造方法
JP4593411B2 (ja) 押釦スイッチ用カバー部材
JPH08151452A (ja) シリコーンゴムと樹脂の一体型成形品、シリコーンゴム製樹脂一体型キーパッドおよびその製造方法
JP2007073483A (ja) キートップ及びその製造方法
JP2005019264A (ja) 押釦スイッチ用カバー部材
JP2002231084A (ja) キーパッドとその製造方法
KR0169870B1 (ko) 실리콘 고무와 수지의 일체형 성형품, 실리콘 고무제 수지의 일체형 키 패드 및 이들의 제조방법
JP2004247160A (ja) 押釦スイッチ用部材
JP2005197109A (ja) キートップ構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4268633

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150227

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350