JP4268381B2 - ハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
例えば浴室等で使用されるハンドシャワとして、シャワ状態だけの散水が行えるシャワ板をシャワヘッド本体に装着したものや、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が行えるシャワ板をシャワヘッド本体に装着したものがあるけれども、それぞれ別々のシャワヘッド本体を使用していた。そのため、シャワ状態だけの散水を行うシャワ板を取り外したシャワヘッド本体に、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水を行うシャワ板やこれに関連するユニット部材、更にはシャワ状態とマッサージ状態に切替操作を行うハンドル等を装着することはできなかった。同様に、シャワ状態とマッサージ状態の二つの散水を行うシャワ板を取り外したシャワヘッド本体に、シャワ状態だけの散水が行えるシャワ板を装着することはできなかった。
【0003】
この発明は、同じシャワヘッド本体を使用して、シャワ状態だけの散水を行えるとともに、このシャワ状態だけの散水に代えて少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が行えるハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明のハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法は、第1のシャワ板と、この第1のシャワ板が取り替え自在に装着されるシャワヘッド本体よりなるハンドシャワにおいて、
前記第1のシャワ板として、正面視円形で略ディスク形状をなし、平面視円形の蓋前板およびこの蓋前板の周縁の裏面で円周方向に沿って形成された複数の係止爪から構成されたものを用いており、前記係止爪は、外面に凹状の係止溝を有するとともに、前記蓋前板は、シャワ散水状態が可能な複数の散水孔を有する一方、
前記シャワヘッド本体として、背面側の上部分から下方の下部分にわたり連設されたグリップ部と、前面に開口している前面開口部を有し、さらに、前記グリップ部およびこれに対向するシャワヘッド本体側の間には手指の挿入空間が形成されているものを用いており、
前面開口部は、前記シャワヘッド本体の内部に形成された供給流路が連通する正面視円形の吐水用の開口部分を有するとともに、前記吐水用の開口部分の直下流側に吐水用の開口部分よりも大径で、正面視円形の第1のシャワ板設置部を有し、さらに、第1のシャワ板設置部は、第1のシャワ板の係止溝に係合する係合突起を内周面に有し、前記係止溝を前記係合突起に係合させることにより、シャワ状態だけの散水が行える前記第1のシャワ板を前記シャワヘッド本体に取り替え自在に装着する一方、前記第1のシャワ板に代えて、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された第2のシャワ板を前記シャワヘッド本体に取り替え自在に装着するハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法であって、
シャワ状態だけの散水を行うときは、前記シャワヘッド本体内に前記第1のシャワ板を設置する一方、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水を行うときは、前記シャワヘッド本体から、前記第1のシャワ板を取り外した後、前記シャワヘッド本体内にアダプタを設置し、前記第2のシャワ板を回転させる回転ハンドルが回転自在に取り付けられる取り付け部材を介して、少なくとも前記二つの散水を行うためのユニット部材を前記第2のシャワ板およびこのシャワ板を回転させる回転ハンドルと共に、取り外し可能な装着手段によって前記アダプタに装着するものである。
【0005】
これにより、図10に示すように、シャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板60’を取り替え自在に装着してあるシャワヘッド本体1’に、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された第2のシャワ板10’を取り替え自在に装着できる。よって、この発明では、シャワヘッド本体1’を共用できる。
【0006】
また、この発明は別の観点から、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された正面視円形で略ディスク状の第2のシャワ板と、
背面側の上部分から下方の下部分にわたり連設されたグリップ部と前面に開口している前面開口部を有し、さらに、このグリップ部とおよびこれに対向するシャワヘッド本体側の間には手指の挿入空間が形成され、また、前記シャワ板を前面開口部内に有するシャワヘッド本体とを備え、
少なくとも前記二つの散水が、内周面に複数の係合突起を有する状態で前記シャワ板とともに回転する回転ハンドルの回転操作によって行えるよう構成されたハンドシャワにおいて、
前記前面開口部は、前記シャワヘッド本体の内部に形成された供給流路が連通する正面視円形の吐水用の開口部を備えるとともに、
前記吐水用の開口部の外側には、回転ハンドルが回転可能に取り付けられた取り付け部材に形成された外ねじに螺合する内ねじを有する正面視円形の取付リング設置部が形成され、更に外側に、前記回転ハンドルの裏面側における外周端に形成された段差に係合する段差を有するリング状の回転ハンドル係合部が形成されている一方、
ジグを用いた前記取付リング設置部へ前記取り付け部材を取り付ける作業により、前記第2のシャワ板をシャワヘッド本体に取り替え自在に装着する一方、この第2のシャワ板に代えて、シャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板を、前記ジグを用いた前記取付リング設置部から取り付け部材を取り外す作業により、前記シャワヘッド本体に取り替え自在に装着するハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法であって、
少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水を行うときは、少なくとも前記二つの散水を行うためのユニット部材を、前記第2のシャワ板、このシャワ板を回転させる回転ハンドルおよびこの回転ハンドルが回転自在に取り付けられる取り付け部材と共に、この取り付け部材を介して取り外し可能な装着手段によって前記シャワヘッド本体内に装着する一方、シャワ状態だけの散水を行うときは、前記シャワヘッド本体から、前記ユニット部材、第2のシャワ板、回転ハンドルおよび取り付け部材を取り外した後、前記シャワヘッド本体に前記第1のシャワ板を装着するとともに、
前記第1のシャワ板として、平面視円形の蓋前板と、この蓋前板の周縁の裏面に連設された環状枠とを有するものを用いるとともに、
前記蓋前板は、シャワ散水状態が可能な複数の散水孔を有し、また、シャワヘッド本体側に位置する前記回転ハンドル係合部に形成された前記段差に係合する段差を裏面側における外周端に有する一方、
前記環状枠は、シャワヘッド本体側に位置する前記取付リング設置部に設けた前記内ねじPに螺合する外ねじを周面に有することを特徴とするハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法を提供する。
【0007】
これにより、図1に示すように、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された第2のシャワ板10を取り替え自在に装着してあるシャワヘッド本体1に、シャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板60を取り替え自在に装着できる。よって、この発明では、シャワヘッド本体1を共用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態について説明する。なお、この発明はそれによって限定されるものではない。
【0009】
図1〜図9は、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された第2のシャワ板と、シャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板とを一つの同じシャワヘッド本体に取り替え自在に装着できるようにしたこの発明の第1の実施形態を示す。
【0010】
まず、図1〜図7において、1は、例えば浴室内に設置されるハンドシャワ59のシャワヘッド本体で、背面側の上部分から下方の下部分にわたり連設されたグリップ部1aと前面(正面)に開口している前面開口部1sを有する。そして、このグリップ部1aおよびこれに対向するシャワヘッド本体側の間には手指の挿入空間Sが形成されている。また、シャワヘッド本体1は、正面視円形で略ディスク状のシャワ板10を前面開口部1s内に有する。シャワ板10は、例えばシャワ散水状態が可能な複数の外側散水孔(シャワ用吐水孔)Aおよびマッサージ散水状態が可能な複数の内側散水孔(マッサージ用吐水孔)Bをそれぞれ、シャワ板10の外周部分および内周部分に有する。この実施形態では、シャワ板10は、シャワ状態と、マッサージ状態と、シャワ状態からマッサージ状態あるいはマッサージ状態からシャワ状態に移行する際に生じるマッサージミックス状態の三つの散水が、シャワ板10とともに回転する回転ハンドル6の回転操作によって行える。この回転ハンドル6は、シャワヘッド本体側に位置する取付リング設置部5にねじ止めで設置されている取付リング(取り付け部材)4に回転自在に取り付けられている。回転ハンドル6は取付リング(取り付け部材)4のまわりを全周回転する。図5において、回転ハンドル6は、環状で、外周面に複数個の凹み6aを有するとともに、裏面側における外周端に段差7を有する。以下、シャワ状態と、マッサージ状態と、マッサージミックス状態の三つの散水が回転ハンドル6の回転操作によって行える前記シャワ板10を便宜上第2のシャワ板と呼ぶ。
【0011】
また、グリップ部1aと、これに対向するシャワヘッド本体側には、ABSがコーティングされており、滑らず握り易くなっている。すなわち、Cは、ABSがコーティングされてなる滑り止め部分で、グリップ部1aのみならず、グリップ部1aに対向するシャワヘッド本体側にも設けられている。滑り止め部分Cには、アクセントカラーが施されており、このアクセントカラーによりグリップ箇所を強調できる。また、グリップ部1aを強く握れなくても手を挿入空間Sに挿入して手をグリップ部1aやグリップ部1aに対向するシャワヘッド本体側に当てる動作を行うだけでシャワヘッド本体1を支持できる。
【0012】
シャワヘッド本体1は、内部に供給流路iが形成されているとともに、浴室内に設置される湯水混合水栓にホースを介して接続される接続部2を後端(上流端)に有し、また、前面開口部1sは、供給流路iが連通する正面視円形の吐水用の開口部3を有する。更に、前面開口部1sには、前記吐水用の開口部3の外側に、取付リング(取り付け部材)4に形成された外ねじQに螺合する内ねじPを有する正面視円形の前記取付リング設置部5が形成され、更に外側に、前記回転ハンドル6の裏面側における外周端に形成された前記段差7に係合する段差8を有するリング状の回転ハンドル係合部9が形成されている。そして、取付リング設置部5へ取付リング(取り付け部材)4を取り付ける作業、あるいは、取付リング設置部5から取付リング(取り付け部材)4を取り外す作業は、ジグを用いて容易に行える。更に、取付リング(取り付け部材)4は、外周面部4aにリング溝4bを有し、このリング溝4bにはOリング4cが嵌込まれている。また、前記回転ハンドル6は、内周面に複数の係合突起100を有する。
【0013】
前記第2のシャワ板10は、図4(B)、図4(C)および図4(D)にも示すように、平面視円形の蓋前板14およびこの蓋前板14の周縁の裏面に形成された複数の係止爪15から構成されている。係止爪15は、外面hに凹状の係止溝15aを有する。この係止溝15aは、蓋前板14の円周方向に沿って形成されている。
【0014】
蓋前板14は、図7に示す平面視円形の羽根車16を遊嵌可能に収容するための環状枠17〔図4(B)、図4(C)〕を裏面に有し、裏面の中心部には、凹状の軸受け部18が形成されている。羽根車16は、後述するように、シャワ状態とマッサージ状態とマッサージミックス状態の三つの散水を行うためのユニット部材の一つである。
【0015】
以下、前記ユニット部材について説明する。
【0016】
前記ユニット部材は、前記羽根車16と、固定ディスク20と、弁座部材21と、渦巻翼22と、スプリング23とより主として構成される。
【0017】
固定ディスク20は、上流側開口20aを有する有底筒状で、前記吐水用の開口部3内に、固定ディスク20の外周面20cに設けたリング溝20bに嵌込まれたOリング19を介して嵌込まれる。また、固定ディスク20は、供給流路iに連通する一対の導入孔24,24を上面である下流面部に有する。図7における実線で示す矢印Sは、導入孔24,24を通るマッサージ流路を示す。
【0018】
弁座部材21は、下流側開口21aを有する有底筒状で、固定ディスク20上に底を介して摺動自在に載置されるとともに、開口部21bが環状枠17に外嵌する。また、弁座部材21は、前記マッサージ状態において前記導入孔24,24に整合される一対のマッサージ用の孔25,25を前記底に有する。26は、内周面に設けた段差部である。
【0019】
渦巻翼22は、筒状の側壁22aを有し、弁座部材21内に嵌挿される。
【0020】
羽根車16は、前記第2のシャワ板10の環状枠17および渦巻翼22間に渦巻翼22および環状枠17のいずれとも非接触の状態で回転可能に設けられる。
【0021】
スプリング23は、固定ディスク20の上流側開口20aから固定ディスク20内に収容され、固定ディスク20の前記下流面部と吐水用の開口部3の底に形成されている受部3aとの間に介装される。スプリング23は、固定ディスク20を付勢して固定ディスク20を弁座部材21に押圧する機能を有する。
【0022】
そして、弁座部材21内に下流側開口21aを介して渦巻翼22および羽根車16が順次収容された状態で弁座部材21が環状枠17を介して前記第2のシャワ板10の裏面側に取り付けられる。
【0023】
また、弁座部材21、渦巻翼22および羽根車16で第1ユニット部を構成するとともに、前記吐水用の開口部3内に嵌込まれた固定ディスク20およびスプリング23とで第2ユニット部が構成される。
【0024】
更に、渦巻翼22は、図8にも示すように、羽根車16の回転を支持する中心支持軸部30と、この中心支持軸部30のまわりに点対象に位置する一対の翼部31,31を備え、弁座部材21の内周面に係止される。また、翼部31,31は、それぞれ互いに異なる傾きを持った状態で交叉することなく配置され、渦巻翼22の側壁22cの直径方向に沿う形で渦流出口33,33が形成されている。また、前記中心支持軸部30は、側壁22cの上端面22dよりも長さdだけ突出した小径の差し込み軸30aと、羽根車16の回転中心軸を支持する大径の支持軸30bとよりなる。
【0025】
このように構成された渦巻翼22は、弁座部材21内に嵌挿され、かつ、弁座部材21内に固定される。そして、第2のシャワ板10がマッサージ状態に切替えられているときは、前記供給流路iはこれが渦流出口33および33を経た後は、図7に示すように、それぞれ渦巻流路RおよびR’に変換される。すなわち、渦流出口33および33を経たいずれの渦巻も同じ一方向、例えば反時計方向に流れる。
【0026】
羽根車16は、図9にその詳細が示されている。羽根車16は、筒状の側壁40と、渦巻翼22の前記中心支持軸部30によって回転可能に支持される回転中心軸部41と、側壁40の内周面42から90°間隔で回転中心軸部41の手前まで延設された4枚の羽根43,44,45,46と、上端面47側に対向する2つの連通孔50,51を残して側壁40の上方開口48を覆う平面視略H形状の覆い板部49とよりなる。2つの連通孔50,51にはそれぞれ前記2枚の羽根43,45が位置している。
【0027】
更に、前記側壁40の外径は、渦巻翼22の側壁22cの内径よりも小さく設定されている。
【0028】
また、前記回転中心軸部41は、覆い板部49の上端面49aよりも長さDだけ突出した小径の回転軸41aと、前記差し込み軸30aが差し込まれる差込孔53を有する支持軸41bとよりなる。前記回転軸41aの先端は、第2のシャワ板10の蓋前板14の裏面に形成された軸受け部18に当接する。
【0029】
これにより、前記羽根車16は、前記第2のシャワ板10の裏面に設けた環状枠17および前記渦巻翼22間において前記渦巻翼22および第2のシャワ板10のいずれとも非接触の状態で回転可能であり、渦巻流路RおよびR’の渦巻が羽根車16の4枚の羽根43,44,45,46に当たり続けることで羽根車16が回転中心軸部41のまわりを勢いよく回転するとともに、この間に、前記連通孔50,51を介して第2のシャワ板10の前記マッサージ用吐水孔Bから吐水する。
【0030】
この場合、例えば、仮に羽根車に1個の連通孔しか形成されていないと、湯水の圧力が大きくなると羽根車が回転しなくなるといった事態が発生するが、この実施形態では、2つの連通孔50,51を設けているので、羽根車16の回転のバランスが回転中心軸部41のまわりにおいて均一となり、直下に位置して羽根車16を支持する渦巻翼22および第2のシャワ板19の環状枠17のいずれとも非接触の状態で、羽根車16がバランスよく回転し続けることになる。
【0031】
次に、シャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板60について説明する。
【0032】
第1のシャワ板60は、シャワ状態だけの散水を行うために使用されるもので、図1に示すように、平面視円形の蓋前板14’と、この蓋前板14’の周縁の裏面に連設された環状枠17’とを有する。
【0033】
蓋前板14’は、シャワ散水状態が可能な複数の散水孔(シャワ用吐水孔)A’を有するとともに、シャワヘッド本体側に位置する前記回転ハンドル係合部9に形成された前記段差8に係合する段差65を裏面側における外周端に有する。
【0034】
一方、前記環状枠17’は、取付リング設置部5の内周面5aにOリング19’を介してねじ接続により嵌込まれるもので、シャワヘッド本体側に位置する取付リング設置部5に設けた前記内ねじPに螺合する外ねじQ’を周面61の上部に有するとともに、周面61の下部にOリング19’が嵌込まれる環状の嵌込溝62を有する。
【0035】
而して、図1において、シャワ状態とマッサージミックス状態とマッサージ状態の三つの散水を行うときは、まず、シャワヘッド本体1の前面開口部1sの吐水用の開口部3内にスプリング23を収容した状態で固定ディスク20を前記開口部3内に嵌込む。
【0036】
次に、回転ハンドル6が回転自在に取り付けられる取付リング(取り付け部材)4を取付リング設置部5にねじ止めする。ねじ止めされた状態では、回転ハンドル6に設けた段差7と取付リング設置部5に設けた段差8が係合している。
【0037】
一方、弁座部材21内に羽根車16および渦巻翼22が収容された弁座部材21を、弁座部材21の開口部21bが第2のシャワ板10の環状枠17に外嵌するようセットする。
【0038】
最後に、第1ユニット部を構成する弁座部材21、渦巻翼22および羽根車16が裏面側に装着された第2のシャワ板10を回転ハンドル6に係合させる。このとき、第2のシャワ板10の係止爪15に設けた係止溝15aと回転ハンドル6の内周面に設けた係合突起100を係合させることにより、第2のシャワ板10をシャワヘッド本体1に装着できる。
【0039】
このように、第1ユニット部を構成する弁座部材21、渦巻翼22および羽根車16と、第2ユニット部を構成する固定ディスク20およびスプリング23ととを、第2のシャワ板10、回転ハンドル6および取付リング(取り付け部材)4と共に、取付リング(取り付け部材)4を介して取り外し可能な装着手段によってシャワヘッド本体1内に装着できる。
【0040】
そして、前記取り外し可能な装着手段は、固定ディスク20の外周面部20cおよびOリング19ならびにこのOリング19を介して外周面部20cが嵌込まれる吐水用の開口部3と、取付リング(取り付け部材)4の外周面部4aおよびOリング4cならびに取付リング設置部5と、回転ハンドル6に形成された段差7およびシャワヘッド本体1の回転ハンドル係合部9に形成された段差8と、シャワ板10に形成した係止爪15の係止溝15aおよび回転ハンドル6に形成した係合突起100とから構成される。
【0041】
一方、シャワ状態だけの散水を行うときは、前記シャワヘッド本体1から、前記ユニット部材21,22,16、20,23、第2のシャワ板10、回転ハンドル6および取付リング(取り付け部材)4を取り外した後、前記シャワヘッド本体1に前記第1のシャワ板60を装着できる。
【0042】
この実施形態では、シャワ状態だけの散水を行う第1のシャワ板60を、シャワ状態と、マッサージ状態と、マッサージミックス状態の三つの散水が、シャワ板10とともに全周回転する回転ハンドル6の回転操作によって行えるハンドシャワ59のシャワヘッド本体1に適合するよう構成した。
【0043】
図10〜図14は、回転ハンドル6’の回転操作によって取付リング(取り付け部材)4のまわりを全周回転するとともに、シャワ状態と、マッサージ状態と、マッサージミックス状態の三つの散水を行う第2のシャワ板10’を、シャワ状態だけの散水が行えるハンドシャワ59’のシャワヘッド本体1’に適合するよう構成したこの発明の第2の実施形態を示す。なお、図10〜図14において、図1〜図9に示した符号と同一のものは同一または相当物である。
【0044】
図10〜図14において、ハンドシャワ59’は、シャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板60’と、この第1のシャワ板60’が取り替え自在に装着されるシャワヘッド本体1’よりなり、例えば浴室内に設置される。
【0045】
第1のシャワ板60’は、正面視円形で略ディスク形状をなし、平面視円形の蓋前板14’およびこの蓋前板14’の周縁の裏面に形成された複数の係止爪15から構成されている。係止爪15は、外面hに凹状の係止溝15aを有する。この係止溝15aは、蓋前板14’の円周方向に沿って形成されている。また、蓋前板14’は、シャワ散水状態が可能な複数の散水孔(シャワ用吐水孔)A’を有する。また、シャワヘッド本体1’は、浴室内に設置される湯水混合水栓にホースを介して接続される接続部2を後端(上流端)に有する。
【0046】
シャワヘッド本体1’は、背面側の上部分から下方の下部分にわたり連設されたグリップ部1aと、前面(正面)に開口している前面開口部1s’を有する。そして、グリップ部1aおよびこれに対向するシャワヘッド本体側の間には手指の挿入空間Sが形成されている。
【0047】
そして、前面開口部1s’は、第1のシャワ板60’が取り外し可能に装着されるよう構成されている。すなわち、前面開口部1s’は、シャワヘッド本体1’の内部に形成された供給流路iが連通する正面視円形の吐水用の開口部3を有するとともに、前記吐水用の開口部3の直下流側に吐水用の開口部3よりも大径で、正面視円形の第1のシャワ板設置部71を有する。そして、第1のシャワ板設置部71は、第1のシャワ板60’の係止溝15aに係合する係合突起70を内周面jに有する。
【0048】
而して、蓋前板14’の円周方向に沿って形成されている係止溝15aを前記係合突起70に係合させることにより、シャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板60’をシャワヘッド本体1’に装着できる。また、前記係止溝15aと係合突起70の係合を解除することにより、第1のシャワ板60’をシャワヘッド本体1’の前面開口部1s’から取り外すことができる。
【0049】
次に、第1のシャワ板60’に代えて、シャワ状態と、マッサージ状態と、マッサージミックス状態の三つの散水を行う第2のシャワ板10’をシャワヘッド本体1’に取り替え自在に装着する構成について説明する。
【0050】
この実施形態では、前記シャワヘッド本体1’から、前記第1のシャワ板60’を取り外した後、前記シャワヘッド本体1’内にこの発明の特徴的構成であるアダプタ73(後述する)を設置し、前記第2のシャワ板10’を回転させる回転ハンドル6’が回転自在に取り付けられる取付リング(取り付け部材)4を介して、前記三つの散水を行うための前記ユニット部材21,22,16、20,23を前記第2のシャワ板10’およびこのシャワ板10’を回転させる回転ハンドル6’と共に、取り外し可能な装着手段によって前記アダプタ73に装着している。
【0051】
なお、この実施形態で用いる前記第2のシャワ板10’は上記実施形態で用いた前記第2のシャワ板10と同一のものである。また、この実施形態で用いる前記ユニット部材21,22,16、20,23も上記実施形態で用いたものと同一のものである。更に、この実施形態で用いる前記取付リング(取り付け部材)4も上記実施形態で用いたものと同一のものである。また、この実施形態で用いる前記回転ハンドル6’は、上記実施形態で用いた回転ハンドル6と外形形状が異なるだけで、回転ハンドル6と同様の取り付け手段によって、回転ハンドル6’が取付リング(取り付け部材)4に取り付けられている。
【0052】
以下、特徴的構成について説明する。
【0053】
前記アダプタ73は、前記前面開口部1s’に内嵌および係止されることによりシャワヘッド本体1’内に設置される。前記アダプタ73は、大径の下流側開口部75と、小径の上流側開口部76と、固定ディスク20内にスプリング23を収容した状態で、前記Oリング19を介して固定ディスク20が嵌込まれる正面視円形のディスク嵌込リング部77と、前記三者75,76,77を繋ぐリング状の繋ぎ部82とで構成される。
【0054】
繋ぎ部82は、前記突起70に係合する前記係止溝15aと同一の複数の係止溝78を、下流側開口部75の外周面から同一外径を有する形で上流側に連設された外周面80に有するとともに、Oリング79を介して前記吐水用の開口部3に内嵌する嵌込部分81を係止溝78よりも上流側に有する。
【0055】
そして、第1のシャワ板設置部71に下流側開口部75を内嵌させ、第1のシャワ板設置部71と吐水用の開口部3に跨がり繋ぎ部82を内嵌させるとともに、突起70に係止溝78を係合させることにより、アダプタ73はシャワヘッド本体1’の前面開口部1s’内に設置される。
【0056】
また、下流側開口部75は、取付リング(取り付け部材)4の外周面部4aが内嵌可能な内径の内周面Wを有するとともに、この内周面Wにおける最下流端に、取付リング(取り付け部材)4に形成された外ねじQに螺合する内ねじP’を有する。
【0057】
また、前記上流側開口部76は、図11に示すように、スプリング23の上流端を保持する保持手段(図示せず)を内部に有する。
【0058】
そして、取付リング(取り付け部材)4を介して、前記ユニット部材21,22,16、20,23を前記第2のシャワ板10’および回転ハンドル6’と共に前記アダプタ73に装着する取り外し可能な装着手段は、固定ディスク20の外周面20cに設けたOリング19およびディスク嵌込リング部77と、下流側開口部75に設けた内ねじP’および取付リング(取り付け部材)4に設けた外ねじQと、取付リング(取り付け部材)4の外周面部4aに形成されたリング溝4bに嵌込まれているOリング4cとから構成さている。
【0059】
而して、第1のシャワ板60’をシャワヘッド本体1’の前面開口部1s’から取り外した後、前面開口部1s’にアダプタ73を嵌込むとともに、突起70に係止溝78を係合させてアダプタ73を前面開口部1s’内に設置する。
【0060】
続いて、アダプタ73のディスク嵌込リング部77内にスプリング23を収容した状態で固定ディスク20を前記ディスク嵌込リング部77に嵌込む。
【0061】
次に、回転ハンドル6’が回転自在に取り付けられる取付リング(取り付け部材)4をアダプタ73の下流側開口部75内にねじ止めする。
【0062】
一方、弁座部材21内に羽根車16および渦巻翼22が収容された弁座部材21を、弁座部材21の開口部21bが第2のシャワ板10’の環状枠17に外嵌するようセットする。
【0063】
最後に、第1ユニット部を構成する弁座部材21、渦巻翼22および羽根車16が裏面側に装着された第2のシャワ板10’を回転ハンドル6’に係合させる。このとき、第2のシャワ板10’の前記係止溝15aに回転ハンドル6’の内周面に設けた前記突起100を係合させることにより、第2のシャワ板10’を回転ハンドル6’に装着できる。
【0064】
このように、第1のシャワ板60’が装着されていたシャワヘッド本体1’に、アダプタ73を介して第2のシャワ板10’を装着でき、シャワ状態と、マッサージ状態と、マッサージミックス状態の三つの散水が行えるハンドシャワ101を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明は、同じシャワヘッド本体を使用して、シャワ状態だけの散水を行えるとともに、このシャワ状態だけの散水に代えて少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が行えるハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態におけるシャワ板取り替え動作を説明するための構成説明図である。
【図2】 上記実施形態で用いたハンドシャワを示す全体構成説明図である。
【図3】 上記実施形態で用いたハンドシャワを示す構成説明図である。
【図4】 (A)は、上記実施形態で用いた、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された第2のシャワ板を示す正面図である。
(B)は、図4(A)におけるa−a線断面図である。
(C)は、上記実施形態で用いた前記第2のシャワ板を示す背面図である。
(D)は、上記実施形態で用いた前記第2のシャワ板を示す側面図である。
【図5】 (A)は、上記実施形態で用いた回転ハンドルを示す正面図である。
(B)は、図5(A)におけるb−b線断面図である。
(C)は、上記実施形態で用いた前記第2のシャワ板を示す側面図である。
【図6】 (A)は、上記実施形態で用いた取り付け部材を示す正面図である。
(B)は、図6(A)におけるc−c線断面図である。
【図7】 上記実施形態で用いたユニット部材を示す分解斜視図である。
【図8】 (A)は、上記実施形態で用いた前記ユニット部材のうち渦巻翼を示す正面図である。 (B)は、上記実施形態で用いた前記渦巻翼を示す縦断面図である。
(C)は、上記実施形態で用いた前記渦巻翼を示す背面図である。
【図9】 (A)は、上記実施形態で用いた前記ユニット部材のうち羽根車を示す正面図である。 (B)は、上記実施形態で用いた前記羽根車を示す縦断面図である。
(C)は、上記実施形態で用いた前記羽根車を示す背面図である。
【図10】 この発明の第2の実施形態におけるシャワ板取り替え動作を説明するための構成説明図である。
【図11】 上記第2の実施形態を用いて、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された第2のシャワ板をシャワヘッド本体に装着したハンドシャワを示す構成説明図である。
【図12】 上記第2の実施形態で用いたシャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板の背面図である。
【図13】 上記第2の実施形態で用いたシャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板の平面図である。
【図14】 上記第2の実施形態で用いたシャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板の正面図である。
【符号の説明】
1’…シャワヘッド本体、4…取付リング(取り付け部材)、4b,4c,19,75,77,P’,Q,…取り外し可能な装着手段、6’…回転ハンドル、10’…第2のシャワ板、21,22,16、20,23…ユニット部材、59’,101…ハンドシャワ、60’…第1のシャワ板、73…アダプタ。
Claims (2)
- 第1のシャワ板と、この第1のシャワ板が取り替え自在に装着されるシャワヘッド本体よりなるハンドシャワにおいて、
前記第1のシャワ板として、正面視円形で略ディスク形状をなし、平面視円形の蓋前板およびこの蓋前板の周縁の裏面で円周方向に沿って形成された複数の係止爪から構成されたものを用いており、前記係止爪は、外面に凹状の係止溝を有するとともに、前記蓋前板は、シャワ散水状態が可能な複数の散水孔を有する一方、
前記シャワヘッド本体として、背面側の上部分から下方の下部分にわたり連設されたグリップ部と、前面に開口している前面開口部を有し、さらに、前記グリップ部およびこれに対向するシャワヘッド本体側の間には手指の挿入空間が形成されているものを用いており、
前面開口部は、前記シャワヘッド本体の内部に形成された供給流路が連通する正面視円形の吐水用の開口部分を有するとともに、前記吐水用の開口部分の直下流側に吐水用の開口部分よりも大径で、正面視円形の第1のシャワ板設置部を有し、さらに、第1のシャワ板設置部は、第1のシャワ板の係止溝に係合する係合突起を内周面に有し、前記係止溝を前記係合突起に係合させることにより、シャワ状態だけの散水が行える前記第1のシャワ板を前記シャワヘッド本体に取り替え自在に装着する一方、前記第1のシャワ板に代えて、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された第2のシャワ板を前記シャワヘッド本体に取り替え自在に装着するハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法であって、
シャワ状態だけの散水を行うときは、前記シャワヘッド本体内に前記第1のシャワ板を設置する一方、少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水を行うときは、前記シャワヘッド本体から、前記第1のシャワ板を取り外した後、前記シャワヘッド本体内にアダプタを設置し、前記第2のシャワ板を回転させる回転ハンドルが回転自在に取り付けられる取り付け部材を介して、少なくとも前記二つの散水を行うためのユニット部材を前記第2のシャワ板およびこのシャワ板を回転させる回転ハンドルと共に、取り外し可能な装着手段によって前記アダプタに装着することを特徴とするハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法。 - 少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水が回転自在に行えるよう構成された正面視円形で略ディスク状の第2のシャワ板と、
背面側の上部分から下方の下部分にわたり連設されたグリップ部と前面に開口している前面開口部を有し、さらに、このグリップ部とおよびこれに対向するシャワヘッド本体側の間には手指の挿入空間が形成され、また、前記シャワ板を前面開口部内に有するシャワヘッド本体とを備え、
少なくとも前記二つの散水が、内周面に複数の係合突起を有する状態で前記シャワ板とともに回転する回転ハンドルの回転操作によって行えるよう構成されたハンドシャワにおいて、
前記前面開口部は、前記シャワヘッド本体の内部に形成された供給流路が連通する正面視円形の吐水用の開口部を備えるとともに、
前記吐水用の開口部の外側には、回転ハンドルが回転可能に取り付けられた取り付け部材に形成された外ねじに螺合する内ねじを有する正面視円形の取付リング設置部が形成され、更に外側に、前記回転ハンドルの裏面側における外周端に形成された段差に係合する段差を有するリング状の回転ハンドル係合部が形成されている一方、
ジグを用いた前記取付リング設置部へ前記取り付け部材を取り付ける作業により、前記第2のシャワ板をシャワヘッド本体に取り替え自在に装着する一方、この第2のシャワ板に代えて、シャワ状態だけの散水が行える第1のシャワ板を、前記ジグを用いた前記取付リング設置部から取り付け部材を取り外す作業により、前記シャワヘッド本体に取り替え自在に装着するハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法であって、
少なくともシャワ状態とマッサージ状態の二つの散水を行うときは、少なくとも前記二つの散水を行うためのユニット部材を、前記第2のシャワ板、このシャワ板を回転させる回転ハンドルおよびこの回転ハンドルが回転自在に取り付けられる取り付け部材と共に、この取り付け部材を介して取り外し可能な装着手段によって前記シャワヘッド本体内に装着する一方、シャワ状態だけの散水を行うときは、前記シャワヘッド本体から、前記ユニット部材、第2のシャワ板、回転ハンドルおよび取り付け部材を取り外した後、前記シャワヘッド本体に前記第1のシャワ板を装着するとともに、
前記第1のシャワ板として、平面視円形の蓋前板と、この蓋前板の周縁の裏面に連設された環状枠とを有するものを用いるとともに、
前記蓋前板は、シャワ散水状態が可能な複数の散水孔を有し、また、シャワヘッド本体側に位置する前記回転ハンドル係合部に形成された前記段差に係合する段差を裏面側における外周端に有する一方、
前記環状枠は、シャワヘッド本体側に位置する前記取付リング設置部に設けた前記内ねじPに螺合する外ねじを周面に有することを特徴とするハンドシャワにおけるシャワ板取り替え方法。
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