JP4265072B2 - ラインインクジェットヘッドおよびそれを用いた印刷装置 - Google Patents

ラインインクジェットヘッドおよびそれを用いた印刷装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラインプリンタのインクジェットヘッドとして使用されるラインインクジェットヘッドに関するものである。更に詳しくは、同一構造のインクジェットヘッドユニットを複数配列することにより構成されるオンデマンド型のラインインクジェットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のラインインクジェットヘッドを備えたインクジェット装置は、例えば、特公平3−58917号公報に開示されている。この公報に開示されているインクジェット装置では、複数のインク吐出口を有するインクジェットヘッドユニットを、インクノズルの配列方向(印刷ライン方向)に複数個直列に配置した構造のラインインクジェットヘッドを備えている。
【0003】
この構造のラインインクジェットヘッドは、図13に示すように、インクジェットヘッドユニット10(n)(n=1、2、3・・・)(図においてインクジェットヘッドユニット10(1)、10(2)のみを示してある。)を一列に並べて位置を合わせて接着されている。このようにして印刷ライン方向に沿って一列に配列された各インクノズル11(m)(m=1、2、3・・・)のピッチpはいずれのノズル間においても同一とする必要がある。ここで、隣接配置したインクジェットヘッドユニット10(1)および10(2)における最も端に位置するインクノズル11(128)および11(1)の間も同一ピッチpとする必要がある。
【0004】
このためには、インクジェットヘッドユニットの両端に位置しているインクノズル11(1)、11(128)が連通しているインク室の隔壁、すなわち、インクジェットヘッドユニットの両端壁12(1)、12(128)の厚さを、それ以外のインクノズルが連通しているインク室の隔壁の厚さの1/2とする必要がある。
【0005】
このように隔壁の厚さを変えると、両端の壁の剛性が内側に位置している隔壁の剛性よりも低くなってしまうので、両端のインク室に連通しているインクノズルのインク吐出特性が、内側のインクノズルのものとは異なってしまう。インク吐出特性が異なると、印刷品位が低下する場合もあり、好ましくない。
【0006】
また、インクジェットヘッドユニットの端面を貼り合わせて一列に配列しているので、端面を精度良く仕上げる必要があり、その分、ラインインクジェットヘッドの製造が困難になってしまうので好ましくない。
【0007】
そこで、特開平8−127137号公報に開示されているように、各インクジェットヘッドユニットのインクノズル列を千鳥状に配列すれば、上記の弊害を解消可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各インクジェットヘッドユニットのインクノズル列を千鳥状に配置する場合、各インクジェットヘッドユニット相互間の位置合わせが困難であるという問題がある。各インクジェットヘッドユニット相互間の位置合わせ精度が悪いと、印刷品位が低下するので好ましくない。しかし、従来においては、各インクジェットヘッドユニットの位置合わせを精度良く、しかも簡単に行う方法については何ら提案されていない。
【0009】
また、千鳥配列の場合には、千鳥配列した各インクジェットヘッドユニット相互間において、それぞれのインクノズルから吐出されるインク液滴が印刷媒体上における同一ライン上に当たるように、駆動タイミングを調整する必要がある。従って、複数のインクジェットヘッドユニットを千鳥配列することによりラインインクジェットヘッドを構成した場合には、単列のラインインクジェットヘッドの場合に比べて、その駆動タイミングを調整するための回路構成が複雑化するという問題点がある。
【0010】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、千鳥配列した各インクジェットヘッドユニットの位置合わせを精度良く、しかも簡単に行うことのできるラインインクジェットヘッドを提案することにある。
【0011】
また、本発明の課題は、千鳥配列した各インクジェットヘッドユニットの駆動タイミングを、駆動回路構成を複雑化することなく調整可能なラインインクジェットヘッドを提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、列状に複数個のインクノズルが形成されたインクジェットヘッドユニットが、インクノズルの配列方向に沿って、複数配列された構成のラインインクジェットヘッドにおいて、前記インクジェットヘッドユニットが千鳥状に取り付けられる基板と、前記インクジェットヘッドユニットにインクを供給する共通インク供給路とを有し、前記基板は、同一の面に第1および第2のヘッドユニット取付け面を有し、前記第1のヘッドユニット取付け面は前記基板の表面に一定の間隔で形成され、前記第2のヘッドユニット取付け面は、前記第1のヘッドユニット取付け面の間に位置している前記基板の表面部分を一定の距離だけ突出させた突出部の表面に形成され、前記インクジェットヘッドユニットは、前記インクノズルに連通するインク圧力室と、静電気力を利用して当該インク圧力室の容積を変動させる静電駆動機構とを備え、前記インク圧力室の容積変動により前記インクノズルからインク液滴を吐出させる静電駆動式のものであって、前記インクジェットヘッドユニットは、積層接着された第1、第2および第3の基板を有し、前記第1の基板には前記共通インク供給路に連通している共通インク室が形成され、前記第1および第2の基板の間には前記インクノズルおよび前記インク圧力室が形成され、前記第2の基板および第3の基板の間には前記静電駆動機構が形成されており、前記第1の基板の前記第2の基板が積層接着されている表面とは反対側の表面、あるいは、前記第3の基板の前記第2の基板が積層接着されている表面とは反対側の表面が、前記取付け基準面とされていることを特徴としている。
【0013】
本発明のラインインクジェットヘッドでは、ヘッドユニット取り付け基板に形成されているヘッドユニット取り付け面に、各インクジェットヘッドユニットに形成されている取り付け基準面を重ね合わせて接合するという簡単な作業により、千鳥配列のインクジェットヘッドユニットの位置合わせを精度良く行うことができる。
【0019】
上記構成のラインインクジェットヘッドにおいて、千鳥配列されているインクジェットヘッドユニットの駆動タイミングを調整するための回路構成が複雑化することを回避するためには、千鳥状に配列されているインクノズルの間隔を、印刷画像の基本解像度の正の整数倍とすることが望ましい。
【0020】
本発明の印刷装置は、上記構成のラインインクジェットヘッドと、印刷媒体を搬送する搬送機構と、前記ラインインクジェットヘッドにインクを供給するインク供給機構とからなり、前記ラインインクジェットヘッドは、前記搬送機構により搬送される印刷媒体の印刷範囲を包含するように配置されていることを特徴としている。
【0021】
本発明の印刷装置では、印刷媒体を搬送しながら、前述のラインインクジェットヘッドにより印刷媒体に印刷を行うので、製造が簡単で、駆動回路が複雑化することなく、高速印刷の印刷装置を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したラインインクジェットヘッドの実施例を説明する。
【0023】
(第1の実施例)
図1は本発明を適用したラインインクジェットヘッドを示す概略正面図である。本例のラインインクジェットヘッド1は、一定の厚さのヘッドユニット取り付け基板2と、このヘッドユニット取り付け基板2の両側に形成されている平行に延びる平坦なヘッドユニット取り付け面3、4と、各ヘッドユニット取り付け面3、4に取り付けた合計5個のインクジェットヘッドユニット5(5(1)〜5(5))を有している。
【0024】
本例では、一方のヘッドユニット取り付け面3に2個のインクジェットヘッドユニット5(2)、5(4)が取り付けられ、他方のヘッドユニット取り付け面4には3個のインクジェットヘッドユニット5(1)、5(3)、5(5)が取り付けられている。各ユニットは接着剤等によって基板2に取り付け固定されている。各インクジェットヘッドユニット5(1)〜5(5)は同一構造であり、全体として偏平な直方体形状をしており、その横長の長方形輪郭をしたインクノズル面(前面)5aには、その幅方向に複数個のインクノズル51が一列に配列されている。各インクジェットヘッドユニット5(1)ないし5(5)の裏面5bは、インクノズル面5aに直交していると共にインクノズル51の配列方向に平行な平面であり、当該裏面5bが取り付け基準面とされている。
【0025】
各インクジェットヘッドユニット5(1)〜5(5)は、ヘッドユニット取り付け面3、4において、一定の間隔で、その取り付け基準面である裏面5bが各面3、4に積層接着された状態となるように、交互に千鳥状に配置されている。従って、ユニット取付け基板2の厚さ(面3、4間の距離)が一定となるように当該基板2を精度良く製造し、各インクジェットヘッドユニットにおける取付け基準面である裏面5bからインクノズル51までの距離が一定となるように各インクジェットヘッドユニットを精度良く製造しておけば、各インクジェットヘッドユニット5(1)ないし5(5)を両面3、4に接着固定するのみで、千鳥配列されている各インクジェットヘッドユニット5(1)ないし5(5)が精度良く位置合わせされた状態になる。
【0026】
次に、本例では、千鳥状に隣接するインクジェットヘッド5(3)と5(4)におけるインクノズル配列方向(印刷ライン方向)の配置関係は、インクジェットヘッドユニット5(3)の端に位置しているインクノズル51(3b)と、インクジェットヘッドユニット5(4)の端に位置しているインクノズル51(4b)のノズルピッチが、各インクジェットヘッドユニットにおけるノズルピッチpと等しくなるように決定されている。同様に、他の千鳥状に隣接するインクジェットヘッド間の配置関係も同様に決定されている。この結果、インクノズルの配列方向(印刷ライン方向)に沿って見た場合におけるノズルピッチはいずれの位置においても同一のピッチpとなっている。
【0027】
また、ヘッドユニット取り付け面3に取り付けられているインクジェットヘッドユニット5(2)、5(4)の各インクノズルの中心線L1と、他方のヘッドユニット取り付け面4に取り付けられているインクジェットヘッドユニット5(1)、5(3)、5(5)の各インクノズルの中心線L2との間の距離tは、ノズルピッチpの整数倍となっている。
【0028】
一方、ヘッドユニット取り付け基板2の内部には、共通インク供給路21が形成されており、この共通インク供給路21の端に形成されているインク供給口22にはインクチューブ23が接続されている。不図示のインクタンクから、インクチューブ23および共通インク供給路21を介して、各インクジェットヘッドユニット5(1)ないし5(5)にインクが供給される。
【0029】
図2(a)、(b)には、インクジェットヘッドユニット5(5(1)ないし5(5))の概略構成を示してある。本例のインクジェットヘッドユニット5は、静電気力を利用して振動板を振動させることによりインクノズルに連通したインク室の容積を変化させてインク液滴の吐出を行う静電駆動式のものである。勿論、圧電素子等を利用してノズルに連通したインク室の容積を変化させてインク液滴の吐出を行う形式のものを採用することもできる。更に、ヒータ等を利用してノズルに連通したインク室のインクをガス化させて容積を変化させてインク液滴の吐出を行う形式のものを採用してもよい。
【0030】
インクジェットヘッドユニット5に静電気を利用した形式を適用することにより、インクジェットヘッドユニット5の消費電力及び発熱を抑制することが可能となる。消費電力、発熱に対する課題が殆どない静電気による駆動方式のインクジェットヘッドユニット5は、ヘッド当たりの駆動ノズル数が多くなる本発明のラインインクジェットヘッドの構成に好適である。
【0031】
図2(a)、(b)に示すように、本例のインクジェットヘッドユニット5は、シリコン製のキャビティープレート53を挟み、上側にシリコン製の上プレート52、下側にガラス基板54がそれぞれ積層された3層構造となっている。
【0032】
インクノズル面(前面)5aには、複数個のインクノズル51が紙面と直交する方向に一列に形成されており、各インクノズル51はインク圧力室55に連通している。各インク圧力室55は細いインク供給口56を経由して共通インク室57に連通している。共通インク室57は、ガラス基板54を貫通して延びるインク供給口58を介して、ヘッドユニット取り付け基板2の共通インク供給路21に連通している。
【0033】
各インク圧力室55の底壁は面に垂直な方向に弾性変位可能な振動板59であり、各振動板59に対向させて、ガラス基板54の表面には個別電極60が形成されている。キャビティプレート53には共通電極61が形成されており、この共通電極61と個別電極60の間には、ヘッドドライバ62によって、駆動電圧パルス信号が印加される。電圧印加によって、僅かのギャップで対向している振動板59と個別電極60の間には静電気力(吸引力)が発生する。この静電気力により、振動板59は撓んで(弾性変位し)、印加電圧を解除すると、振動板59は弾性復元する。このような静電気力と弾性復元力によってインク圧力室55の容積が変動して、インクノズル51からはインク液滴63が記録紙64に向けて吐出される。
【0034】
本実施例において、ラインインクジェットヘッド1は後述する印刷装置等に取り付けられ、印刷媒体である記録紙64を搬送し、記録紙64の搬送速度に同期して、ヘッドドライバ62から、駆動電圧パルス信号を印加することにより、記録紙64に画像が印刷される。ここで、印刷媒体としては、記録紙64の他に記録シートやシール、ラベル、タグ、チケットでもよい。本発明によるラインインクジェットヘッド1によれば、印刷される結果の利用目的により印刷媒体を適時選択することが可能である。
【0035】
図3は本発明の実施例における印刷装置150の制御回路の概略ブロック図である。また、35は本発明のラインインクジェットヘッドの制御回路の概略ブロック図である。制御回路30はマイクロコンピュータにより構成されており、制御の中心をなす中央演算処理装置CPUの演算によって各種の処理が実現される。すなわち、不揮発性メモリ等からなるリードオンリメモリROMには、各種の制御プログラムが格納されており、ここから呼び出されたプログラムを、ランダムアクセスメモリRAMの一部を作業領域として利用して、実行して、各種の制御動作を実現する。これらの各部分は内部バス31を介して相互に接続されており、演算結果等は、入出力ポートI/Oを介してモータドライバやその他の周辺機器に出力される。また、上位コンピュータ32に接続され、印刷画像データがラスタービットイメージデータの形態で供給される。
【0036】
ラインインクジェットヘッド35はインクジェットヘッドユニット5(1)〜5(5)と各インクジェットヘッドユニット5(1)〜5(5)に対応するヘッドドライバー34からなり、各インクジェットヘッドユニット5(1)〜5(5)に1つづつ配線接続されたヘッドドライバー34から適時、駆動電圧パルスを印加されてインクノズルからインク液滴を吐出する。
【0037】
ラスタービットイメージデータは、ゲートアレイから構成されたラスターデータ変換部33において変換されて、ラインインクジェットヘッド35のインクジェットヘッドユニット5(1)〜5(5)の配列とそのインクノズルの配列に対応した別のラスターデータに変換され、ヘッドドライバ34およびラインインクジェットヘッド35を構成する各インクジェットヘッドユニット5(1)〜5(5)に供給される。
【0038】
ここで、ラスタービットイメージは、データが記録紙64の搬送方向とは垂直な方向(データ走査方向)に配列されたデータ構造となっている。データ処理単位である8ビットデータがデータ走査走査方向に沿ってそのMSBからLSBに向けて配列されている。従って、データ処理単位である各バイトデータを、ラスターデータ変換部33にてラインインクジェットヘッド35の各インクジェットヘッドユニット5(1)〜(5)、に対応したデータ変換を行ない別のラスターデータへ変換している。
【0039】
本例では図1を参照して説明したように、千鳥状に二列に配列されているインクノズルの中心線L1、L2間の距離tをノズルピッチpの整数倍としてある。従って、特殊な遅延回路を必要とせず、データ変換操作に必要なメモリーも少なくてよく、簡単なハーッドウエアによるデータ変換操作によって、ラスタービットイメージデータを、ラインインクジェットヘッド35の各インクジェットヘッドユニット5(1)〜(5)のインクノズルを駆動するためのラスタデータに変換することができる。 このように構成した本例のラインインクジェットヘッド1においては、各インクジェットヘッドユニット5(1)ないし5(5)がヘッドユニット取り付け基板2を挟み、千鳥状に二列となるように配置されている。
【0040】
従って、ユニット取付け基板2の厚さ(面3、4間の距離)が一定となるように当該基板2を精度良く製造し、各インクジェットヘッドユニットにおける取付け基準面である裏面5bからインクノズル51までの距離が一定となるように各インクジェットヘッドユニットを精度良く製造しておけば、各インクジェットヘッドユニット5(1)ないし5(5)を両面3、4に接着固定するのみで、千鳥配列されている各インクジェットヘッドユニット5(1)ないし5(5)を精度良く位置合わすることができる。
【0041】
また、千鳥状に隣接配置されているインクジェットヘッドユニットのインクノズル間のノズルピッチpを、インクジェットヘッドユニットの両端の端壁66の厚さを、内側の各インク室の仕切り壁67よりも薄くすることなく、他のノズルピッチpと同一にすることができる。よって、各インクジェットヘッドユニットの両端のインクノズルのインク吐出特性を、内側のインクノズルのインク吐出特性と同一にすることができ、印刷品位を良好に保持することができる。
【0042】
さらに、各インクジェットヘッドユニットを一列に配置する場合のように、各インクジェットヘッドユニットの両端面を精度良く加工する必要もないので、製造も容易になる。
【0043】
さらにまた、本例では、千鳥状に二列に配列されているインクノズルの中心線L1、L2間の距離tをノズルピッチpの整数倍としてある。従って、一方の側に配列されているインクジェットヘッドユニットによる印刷位置と、他方の側に配列されているインクジェットヘッドユニットによる印刷位置とを一致させるための駆動タイミングの制御を簡単に行うことができ、そのための駆動回路構成が複雑化することを抑制できる。
【0044】
ここで、インクノズルの中心線間距離tを本発明のラインインクジェットを適用した印刷装置により印刷される印刷画像の基本解像度の正の整数倍としてもよく、上述の実施例と同様な作用・効果を得ることができる。。
【0045】
ここでの印刷画像の基本解像度とは、データ走査方向に関しては、ラインインクジェットヘッド1のインクノズルのピッチに相当し、記録媒体の搬送方向においては、ラインインクジェットヘッドの同一のインクノズルから連続して吐出可能な最小の周期に印刷媒体の搬送速度を乗じた距離である。
【0046】
本例は、データ走査方向と印刷媒体の搬送方向の基本解像度がそれぞれ1/360インチの印刷を行う印刷装置である。そして、奇数と偶数のインクジェットヘッドユニット5の間に、ヘッドユニット取り付け基板2に共通インク供給路21を設けている。
【0047】
ユニット取付け基板2は、その共通インク供給路21の管路をインク液滴の吐出が不足することのない十分な大きさの内径φ7.5mmが必要なことから、形状を安定して射出成形するために必要な寸法として、その厚みを8.5mmに形成した。そして、インクジェットヘッドユニット5の厚みが0.5mmあることから、この場合、前述のインクノズルの中心線間距離tの値を、共通インク供給路2の寸法以上で、最も小さくなる基本解像度の整数倍の値として、基本解像度の128倍の16/45インチ(約9.03mm)となる値に設定し、駆動回路構成を簡略化した。
【0048】
(第2の実施例)
図4ないし図6には、本発明によるラインインクジェットヘッドの別の例を示してあり、図4はその全体構成を示す斜視図あり、図5はそのIV−IV線で切断した部分の概略断面図であり、図6はヘッドユニット取り付け基板を示す概略斜視図である。
【0049】
本例のラインインクジェットヘッド101は、ヘッドユニット取り付け基板102と、このヘッド取付け基板102の同一の面に形成した第1および第2のヘッド取り付け面103、104と、第1のヘッド取り付け面103に取付けられた2個のインクジェットヘッドユニット105(2)、105(4)および第2のヘッド取付け面104に取付けられた2個のインクジェットヘッドユニット105(1)、105(3)とを有している。また、ヘッドユニット取り付け基板102の内部には、その長手方向に共通インク供給路121が形成されており、外部から供給されるインクが当該共通インク供給路121を経由して各インクジェットヘッドユニット105(1)ないし105(4)に供給されるようになっている。
【0050】
本例のヘッドユニット取り付け基板102に形成されている第1および第2のヘッドユニット取り付け面103、104は次のように形成されている。第1のヘッドユニット取り付け面103は、細長い矩形輪郭をしているヘッドユニット取り付け基板102の一つの平坦な表面に一定の間隔で形成された2つの取付け面103(1)、103(2)からなっている。これに対して、第2のヘッドユニット取り付け面104は、第1のヘッドユニット取り付け面103(1)、103(2)の間に位置しているヘッドユニット取り付け基板102の表面部分を一定の距離だけ突出させることにより形成した突出部114(1)、114(2)の表面104(1)、104(2)により規定されている。第1のヘッドユニット取り付け面103(1)、103(2)は同一平面上に位置し、同様に、第2のヘッドユニット取り付け面104(1)、104(2)も同一平面上に位置している。
【0051】
ここで、本例のインクジェットヘッドユニット105(1)ないし105(4)(以下、これらを総称してインクジェットヘッドユニット105と記す。)は静電駆動式のものであり、その駆動原理は図1ないし図4に開示されている第1の実施例に係るラインインクジェットヘッド1のインクジェットヘッドユニット5と同様である。しかるに、本例のインクジェットヘッドユニット105は、その小型化、特に前後方向の寸法を小さくするために、次のような構成となっている。
【0052】
図5を主に参照して説明すると、本例のインクジェットヘッドユニット105は、その前面であるインクノズル面132においてヘッド幅方向(図面に垂直な方向)に向けて一列に配列された複数個のインクノズル133を有し、各インクノズル133はそれぞれ、ヘッド前後方向の後ろ側に形成されているインク圧力室134に連通している。インク圧力室134もヘッド幅方向に向けて相互に隔壁(図示せず)を介して配列されている。各インク圧力室134はそれぞれインク供給口135を介して、共通インク室136に連通している。共通インク室136は各インク圧力室134に対してヘッド厚さ方向に積層配置されている。共通インク室136には、ヘッドユニット取付け基板102の内部に形成されている共通インク供給路121からインク取り入れ口139を経由してインクが供給される。
【0053】
各インク圧力室134は静電駆動機構によって個別に容積変動して、当該容積変動に起因して発生した圧力変動を利用して、各インクノズル133からインク液滴140を吐出させることが可能となっている。
【0054】
上記の各部分を備えたインクジェットヘッドユニット105は、電極ガラス基板(第3の基板)141と、この表面に貼り合わせたシリコン単結晶基板からなるキャビティ基板(第2の基板)142と、この表面に貼り合わせた同じくシリコン単結晶基板からなるノズル基板(第1の基板)143から構成される三層構造となっている。
【0055】
キャビティ基板142とノズル基板143を貼り合わせることにより、これらの間に、インクノズル133および各インク圧力室134が区画形成され、各インクノズル133に対応する各インク圧力室134に連通した状態になる。また、各インク圧力室134の後端側の部分には複数個(本例では2個)のインク供給口135が開口している。ノズル基板143の表面に形成されている共通インク室136は、当該表面とヘッドユニット取付け基板102のヘッドユニット取付け面(103あるいは104)の間に積層接着したフィルム147に形成したインク取り込み口139を介して共通インク供給路121に連通している。
【0056】
次に、各インクノズル133からインク液滴を吐出させるための静電駆動機構は、キャビティ基板142と電極ガラス基板141の間に形成されており、この機構は、前述した第1の実施例の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0057】
本例のインクジェットヘッドユニット105では、共通インク室136がインク圧力室134に積層された構成となっている。従って、図2に示すインクジェットヘッドユニットのように、インク圧力室134と同一平面上に共通インク室136が形成されている場合に比べて、インクジェットヘッドユニット105の前後方向の長さ寸法を小さくできる。
【0058】
また、ヘッドユニット取り付け面103、104に接着固定される取り付け基準面は、シリコン単結晶基板であるノズル基板143の表面143aであり、従って、当該ノズル基板143の厚さ管理のみを精度良く行なえば、ヘッドユニット取り付け面103、104からインクノズル133までの距離を精度良く規定できる。よって、千鳥配列されているインクジェットヘッドユニット相互間の位置合わせを極めて簡単に、しかも精度良くできるという利点がある。
【0059】
なお、本例では、インクジェットヘッドユニット101におけるノズル基板143の表面143aを取り付け基準面としているが、逆に、電極ガラス基板141の表面141aを取り付け基準面とすることも可能である。
【0060】
さらに、本例のインクジェットヘッドユニット105では、3層の基板を積層した構成となっており、そのノズル基板143に、インクノズル形成用のノズル溝と共に共通インク室136を形成している。従って、共通インク室136をインク圧力室134に積層配置するために別個の基板等を追加して組み付ける必要がない。よって、インク圧力室に共通インク室を積層するに当たり、ヘッド厚さ方向の寸法の増加も抑制できる。よって、全体として小型のインクジェットヘッドユニットを実現できる。また、部品点数が少ないので製造も容易である。
【0061】
さらにまた、インク供給口135が、ノズル基板143における共通インク室底壁部分に垂直(ヘッド厚さ方向)に形成されている。共通インク室がインク圧力室と同一の平面方向に配置されている場合に比べて、当該インク供給口135を形成しやすい。また、多数個のインク供給口135を自由に形成することができる。この結果、インクジェットヘッドユニットのインク吐出特性等の調整が簡単になるという利点がある。
【0062】
次に、図7に示すように、本例の場合においても、千鳥状に隣接配置されているインクジェットヘッドユニット105(2)と105(3)の間のノズルピッチは、他のインクノズルのノズルピッチpと同一となるように、双方のユニットの配置位置が決定されている。他の千鳥状に隣接配置されているインクジェットヘッドユニット相互間の配置関係も同様になっている。また、第1のヘッドユニット取り付け面103側のインクノズル中心線L1と、第2のヘッドユニット取り付け面104側のインクノズル中心線L2の距離tは、ピッチpの整数倍とされている。
【0063】
このように構成したラインインクジェットヘッド101によっても、図1ないし図4に示すラインインクジェットヘッド1と同様な作用効果を得ることができる。
【0064】
これに加えて、本実施例のラインインクジェットヘッド101では、前述のラインインクジェットヘッド1よりも距離tを小さくできるので、ラインインクジェットヘッドをより小型化でき、且つ、印刷時のデータ処理に要するメモリのサイズも小さくすることが可能となるという効果も得られる。
【0065】
例えば、本実施例のラインインクジェットヘッド101を、基本解像度が1/360インチの印刷を行う印刷装置に適用する場合、距離tを基本解像度の8倍の1/45インチ(約0.556mm)に設定すればよい。本実施例のインクジェットヘッド101では、前述のラインインクジェットヘッド1とは異なり、奇数と偶数のインクジェットヘッドユニット105(1)〜(4)の間に、共通インク供給路21を設ける必要がないので、インクジェットヘッドヘッドユニット105の厚みの0.5mm以上の段差を各ヘッド取り付け面間に設けるのみでよい。
【0066】
インクノズルの中心線間距離tを基本解像度の8倍としたことにより、駆動回路構成を簡略化できるとともに最も小さなインクジェットヘッドを提供することが可能となった。更には、実施例1に比較して、インクノズルの中心線間距離tが小さいことから、その分だけ印刷のスピードアップ及び記録紙64の活用効率を向上させることができる。
【0067】
(インクジェットヘッドユニット101の変形例)
図8、9には上記のインクジェットヘッドユニット101の変形例を示してある。まず、図8(a)に示すラインインクジェットヘッドのインクジェットヘッドユニット201は、そのインクノズル面102aにプレート202を取り付けた構成とされている。プレート表面202aは僅かに、インクノズル面102aよりも前方に出ており、このプレート202によりインクノズル面102が保護される。
【0068】
このプレート表面202aは、インクノズル面102aと同一面に構成しても構わない。この場合、インクノズル面102との段差部がないことから、インクや紙粉が溜ることがなく印字品質の低下の要素を取り除くことができる。
【0069】
このようにプレート202を取り付けることにより、千鳥配列されているインクジェットヘッドユニット105(1)ないし105(4)の各インクノズル全体をキャッピング可能なキャップ211を簡単に配置することができる。図8(b)には取り付けられたインクジェットヘッドユニット105(1)ないし105(4)に沿ったキャップの内枠形状をキャップ代として想像線により示してある。キャップ代はこの他に、短形にすることも可能である。
【0070】
図8(b)に図示されるキャップ代とするこ場合、キャップ211のキャップ内容積を小さくして、インクノズルからのインクの溶媒の蒸発を効果的に防止し、品質の向上を図ることが可能である。
【0071】
また、キャップ代を短形にして、インクノズル全体をキャッピングするようにキャップ211を構成すれば、キャップの成形が簡単な廉価なキャップを提供することが可能となる。
なお、上記以外のインクジェットヘッドユニット201の構成、これを千鳥状に配列したラインインクジェットヘッドの構成は上記の図4ないし図7に示す例と同様である。
【0072】
図9に示すインクジェットヘッドユニット301では、そのインクノズル233を、別個のノズル基板302に貫通孔として形成し、これをヘッドユニット前面に貼り付けた構成となっている。この場合には、インクノズルの特性管理が容易となり、また、千鳥配列されているインクノズル列全体を覆うキャップ311を簡単に配置することもできる。なお、上記以外のインクジェットヘッドユニット301の構成、これを千鳥状に配列したラインインクジェットヘッドの構成は上記の図4ないし図7に示す例と同様である。
【0073】
(その他の実施の形態)
なお、千鳥状に隣接配置されているインクジェットヘッドユニット間の配置関係は次のようにすることもできる。図10を参照して説明すると、一方のインクジェットヘッドユニット105(3)の最も端に位置するインクノズル501が、千鳥状に隣接配置されている他方のインクジェットヘッドユニット105(4)の最も端から2番目に位置しているインクノズル602に一致するようにする。このようにすると、インクジェットヘッドユニット105(3)における隣接インクノズル502が他方のインクジェットヘッドユニット105(4)の最も端に位置するインクノズ601に一致する。
【0074】
従って、双方のインクジェットヘッドユニット105(3)、105(4)の最も端に位置するインクノズルを未使用ノズルとすることができる。すなわち、インクを吐出するインクノズルは、最も端から2番目に位置するインクノズルにて代用が可能となる。この結果、印刷に関与するノズルに連通する流路とその構造は、隣接する流路との間にある隔壁が同じ厚みで構成された構造となるため、インクジェットヘッドユニット105(3)と105(4)の両端のインクノズルのインク吐出特性が他のインクノズルと異なっていても、これら両端のインクノズルが印刷に関与しないので、印刷品位が低下することがない。
【0075】
(本発明による印刷装置の実施例)
次に、図11に本発明による印刷装置の実施例の外観斜視図を示す。また、図12には、図11にて示した印刷装置の主要構成部分の概略を示す。印刷装置150には本発明の構成のラインインクジェットヘッド151が搭載されている。
【0076】
図11において、印刷装置150は、記録紙64を矢印A方向に搬送し、記録紙64の搬送速度に同期してラインインクジェットヘッド151からインク液滴を吐出し、これにより印刷を行う。158はインク供給機構157の収容部である。
【0077】
インク供給機構157は更に、不図示のインクを収容するインクタンクと、インクをラインインクジェットヘッド151に送ると同時に回収するインク循環ポンプ機構(不図示)と、インクタンクとインク循環ポンプ機構およびラインインクジェットヘッド151の間に配管されたインクパイプ156とからなり、これらがインク供給機構の収容部158に収容されている。
【0078】
印刷装置150は、このほかに図3にて示した制御回路部分が含まれた構成となっている。制御回路部分は、ラインインクジェットヘッド151、搬送機構155、インク供給機構157を駆動制御すると共に、スキャナや、ネットワーク等の上位装置とのデータの受送信を行なう。
【0079】
図12において、印刷装置150の主要部は、記録範囲を包含するように配列されたラインインクジェットヘッド151と、このラインインクジェットヘッド151による記録位置を経由させて記録紙64を搬送する送りローラ154と記録紙64を押さえる紙押さえローら153等を含む搬送機構155と、ラインインクジェットヘッド151にインクを供給するインクパイプ156等を含むインク供給機構157とから構成されている。
【0080】
また、印刷装置150の主要部には、インクジェットヘッド151のインクノズルに対向する位置にインクノズル面に脱着可能な不図示のキャップ221およびその脱着機構とが設けられている。
【0081】
印刷装置150の主要部では、記録用紙64は搬送機構155の送りローラ154及び押さえローラ153により、矢印A方向に搬送される。
ラインインクジェットヘッド151の近傍に設けられた押さえローラ153aは、対向しているローラに記録紙64を押圧してその浮き上がりを防止し、ラインインクジェットヘッド151のノズル面に記録紙64が接触して印刷画像に汚れが生じないように構成されている。
【0082】
この押さえローラ153aの形状は、記録紙64上に印刷されたインクが乾かない若しくは記録紙64に染み込まない内に、記録紙64と接触して印刷画像を汚すこと少なくする為に、記録紙64との接触面積が極力小さくなるように段付きの形状としてある。
【0083】
このように構成された印刷装置では、記録紙64の搬送機構155による搬送速度に応じて、ラインインクジェットヘッド155から適時、インク液滴を吐出して、記録紙64へ文字や画像を印刷する。搬送速度は、搬送機構155に取り付けられた不図示の検出機構により、送りローラ154の回転角度や速度を検出し、検出された搬送速度に対応して制御部がヘッドの駆動タイミングを制御して、ラインインクジェットヘッドよりインクを吐出させて印刷をおこなう。これにより、鮮明な印刷を高速で行なうことが可能となる。
【0084】
印刷の際、記録紙64を送るのみの動作にて印刷が完了するので、本発明の印刷装置の例では、極めて印刷速度を高めることが可能である。本例では、基本解像度を1/360として、ラインインクジェットヘッド151の最高駆動周波数を8kHzにて駆動を行えば、記録紙64を約564mm/秒の速度にて記録し、排出することが可能である。本発明の記録装置によれば、極めて高速での印刷が可能となる。即ち、高速印刷が可能なオンデマンドプリンタや、オンデマンド発券機等を提案できる。
【0085】
ラインインクジェットヘッド151へのインクの供給は、インクパイプ156から行われる。図中4本のインクパイプ156の内2本のインクパイプでは、ラインインクジェットヘッド151へインク供給機構157のインクタンクから矢印Bへインクが供給され、残りの2本のインク供給パイプでは、循環ポンプを経てインクタンクへインクが環流されて回収される。
【0086】
このようにラインインクジェットヘッド151のインクを環流可能な供給系を構成することにより、ラインインクジェットヘッド151の共通インク供給路121の内部へ効率的にインク充填可能であり、更には、インク吐出の際に不吐出の原因となる共通インク供給路121の中のインク中の気泡を排出することが可能であり、これらのインク供給機構157におけるインク充填と気泡排出の動作においては、印刷に寄与しない無駄なインクを使用することがない。
【0087】
キャップ221は、印刷装置が稼働していないときには、インクジェットヘッドユニットを覆い、稼働する信号が入力されると、記録紙64がインクジェットヘッドへ搬送される前に、印刷に先立って行われるインクノズルから予備吐出により排出されたインク滴を受ける。
【0088】
その後、キャップ221は、図12の下方に移動して記録紙64の搬送路から退避する。
【0089】
また、キャップ221は印字していない時間が所定の時間経過し、且つ記録紙64がない場合、制御部からの司令によりその脱着機構を作動させてインクノズル面を保護する。更にキャップ221は不図示のポンプユニットと管部材により接続されて、適時キャップ221内のインクを排出するとともに、キャップ装着時に、循環ポンプにより、ラインインクジェットヘッド151のノズル内にて長期の不使用により粘度が増加したインクを排出する。
【0090】
更に、ラインインクジェットヘッド151のノズル面の払拭を行なうワイパー機構をキャップ221の近傍のノズル面に対向する位置に設けて、ノズル面に付着した紙粉等を除去する機構を設けてもよい。
【0091】
上述のように本発明の印刷装置によれば、印刷媒体を搬送しながら、前述のラインインクジェットヘッドにより印刷媒体に印刷を行うので、記録装置の構成が簡単であり、製造が簡単で、駆動回路が複雑化することなく、印刷に要する時間が短い印刷装置を実現することができる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のラインインクジェットヘッドにおいては、ヘッドユニット取付け基板を有し、このヘッドユニット取付け基板には各インクジェットヘッドユニットを千鳥状に配列するためのヘッドユニット取付け面が形成されている。よって、当該ヘッドユニット取付け面を精度良く形成しておけば、当該ヘッドユニット取付け面に各インクジェットヘッドユニットを接着固定するという簡単な作業により、千鳥配列されるインクジェットヘッドユニット相互の位置合わせを精度良く行う事ができる。したがって、千鳥配列されたインクジェットヘッドからなるラインインクジェットヘッドの印刷品位を良好な状態に保持できる。
【0093】
また、本発明のラインインクジェットヘッドでは、千鳥状に配置されているインクジェットヘッド相互間におけるインクノズル列の間隔を、印刷画像の基本解像度の正の整数倍としてある。このように間隔を設定することにより、千鳥配列されている各インクジェットヘッドユニットの駆動タイミングを調整するための回路構成が複雑化してしまうことを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施例に係るラインインクジェットヘッドを示す概略正面図である。
【図2】(a)は図1の各インクジェットヘッドユニットの構成を示す概略断面図であり、(b)はそのb−b線で切断した部分の概略構成図である。
【図3】本発明の印刷装置の制御回路の概略ブロック図である。
【図4】本発明を適用した第2の実施例に係るラインインクジェットヘッドを示す斜視図である。
【図5】図4のラインインクジェットヘッドにおけるIV−IV線で切断した部分の概略断面図である。
【図6】図4のラインインクジェットヘッドのヘッドユニット取り付け基板を示す斜視図である。
【図7】図4のラインインクジェットヘッドの概略説明図である。
【図8】(a)は図4のインクジェットヘッドユニットの変形例を示す説明図であり、(b)は千鳥状に配列されたインクジェットヘッドユニットのキャップ代を示すための説明図である。
【図9】図4のインクジェットヘッドユニットの別の変形例を示す説明図である。
【図10】図4のラインインクジェットヘッドにおける千鳥配列されているインクジェットヘッドユニットの別の配置例を示す説明図である。
【図11】本発明の印刷装置の外観を示す斜視図である。
【図12】本発明の印刷装置の主要構成部分を示す概略構成図である。
【図13】従来のラインインクジェットヘッドの問題点を示すための説明図である。
【符号の説明】
1 ラインインクジェットヘッド
2 ヘッドユニット取り付け基板
21 インク供給路
3、4 ヘッドユニット取り付け面
5、5(1)〜5(5) インクジェットヘッドユニット
5a インクノズル面(前面)
5b インクジェットヘッドユニットの取り付け基準面(裏面)
51 インクノズル
51(3b)、51(4b) 最も端に位置するインクノズル
p ノズルピッチ
t 各インクノズル列の間の距離
30 制御回路
55 インク室
59 振動板
66 インクジェットヘッドユニットの端壁
67 各インク室を仕切っている仕切り壁
101 ラインインクジェットヘッド
102 ヘッドユニット取り付け基板
103、103(1)、103(2) 第1のヘッドユニット取り付け面
104、104(1),104(2) 第2のヘッドユニット取り付け面
105、105(1)ないし105(4) インクジェットヘッドユニット
121 共通インク供給路
132 インクノズル面
133 インクノズル
134 インク圧力室
135 インク供給口
136 共通インク室
141 電極ガラス基板
142 キャビティ基板
143 ノズル基板
143a 取り付け基準面
150 印刷装置
151 ラインインクジェットヘッド
155 搬送機構
157 インク供給機構

Claims (2)

  1. 列状に複数個のインクノズルが形成されたインクジェットヘッドユニットが、インクノズルの配列方向に沿って、複数配列された構成のラインインクジェットヘッドにおいて、
    前記インクジェットヘッドユニットが千鳥状に取り付けられる基板と、前記インクジェットヘッドユニットにインクを供給する共通インク供給路とを有し、
    前記基板は、同一の面に第1および第2のヘッドユニット取付け面を有し、前記第1のヘッドユニット取付け面は前記基板の表面に一定の間隔で形成され、前記第2のヘッドユニット取付け面は、前記第1のヘッドユニット取付け面の間に位置している前記基板の表面部分を一定の距離だけ突出させた突出部の表面に形成され、
    前記第2のヘッドユニット取付け面に取り付けられた前記インクジェットヘッドユニットの最も端に位置する前記インクノズルと、前記第1のヘッドユニット取付け面に取り付けられた前記インクジェットヘッドユニットの最も端から2番目に位置している前記インクノズルとは一致しており、
    前記インクジェットヘッドユニットは、前記インクノズルに連通するインク圧力室と、静電気力を利用して当該インク圧力室の容積を変動させる静電駆動機構とを備え、前記インク圧力室の容積変動により前記インクノズルからインク液滴を吐出させる静電駆動式のものであって、
    前記インクジェットヘッドユニットは、積層接着された第1、第2および第3の基板を有し、前記第1の基板には前記共通インク供給路に連通している共通インク室が形成され、前記第1および第2の基板の間には前記インクノズルおよび前記インク圧力室が形成され、前記第2の基板および第3の基板の間には前記静電駆動機構が形成されており、
    前記第1の基板の前記第2の基板が積層接着されている表面とは反対側の表面、あるいは、前記第3の基板の前記第2の基板が積層接着されている表面とは反対側の表面が、前記取付け基準面とされていることを特徴とするラインインクジェットヘッド。
  2. 請求項1のラインインクジェットヘッドと、印刷媒体を搬送する搬送機構と、前記ラインインクジェットヘッドにインクを供給するインク供給機構とからなり、前記ラインインクジェットヘッドは、前記搬送機構により搬送される印刷媒体の印刷範囲を包含するように配置されていることを特徴とする印刷装置。
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