JP4263554B2 - 紙葉類重送防止部材の製造方法および紙葉類重送防止部材 - Google Patents

紙葉類重送防止部材の製造方法および紙葉類重送防止部材 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂発泡体からなる紙葉類重送防止部材の製造方法および該紙葉類重送防止部材に関し、詳しくは、樹脂発泡体の製造方法を改良してコスト低下を図ると共に、該樹脂発泡体の耐摩耗性を向上させるものである。
従来、インクジェットプリンター、レーザープリンター、静電複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等における紙送り機構では、トレイの上面に取り付けられ、給紙ローラとの間に紙を挟んで搬送する分離シート等の紙葉類重送防止部材が用いられている。
上記分離シート等の紙葉類重送防止部材は摩擦係数が高いことが要求されているが、従来は分離シートに加わる負荷が低いため、紙との接触で発生する摩耗量も比較的少なく、よって、耐摩耗性はさほど要求されていなかった。
近年、低コスト化に向けて部品点数を少なくする傾向にあり、紙送り機構もより簡単にするため、一枚紙送り毎に給紙ローラが空転する機構としたものもある。この場合、分離シートに加わる負荷は空転する給紙ローラとの接触で大きくなり、高強度で耐摩耗性を有することが要求されている。
従来、上記紙葉類重送防止部材はウレタンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のゴム材料より形成されている。これらのゴム材料からなる分離シートは摩擦係数が高く、耐摩耗性が優れているが、上記一枚紙送り毎に給紙ローラが空転させる場合に分離シートに加わる荷重に対しては耐摩耗性が十分ではない。かつ、これらのゴム部材からなる分離シートでは通紙時に紙と分離シートとの接触により、「鳴き」と呼ばれる不快な振動音を発生しやすい不都合がある。
よって、上記「鳴き」を防止するために種々の提案がなされている。例えば、特開平7−53077号(特許文献1)では、フッ素系ゴムあるいはフッ素系スポンジを用いた重送防止ゴム部材が提案されている。また、特開2001−80776号(特許文献2)では、架橋ゴム、熱可塑性エラストマー、架橋ゴムと合成樹脂との複合体等を用いた摩擦層を外層にして、合成樹脂、ゴム等のポリマーを主成分とする発泡層を内層に含んだ紙葉類分離体が提案されている。
さらに、低コスト化を実現するために、紙葉類重送防止部材のゴム材料の代替として、特開2003−55472号(特許文献3)で、動的架橋型熱可塑性エラストマーを用いることが提案されている。動的架橋型熱可塑性エラストマーは熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を持つ一方、加硫ゴムを製造する際の加硫工程がないため低コストで作製することができるからである。
特開平7−53077号 特開2001−80776号 特開2003−55472号
しかしながら、上記特開平7−53077号(特許文献1)では、フッ素系ゴムあるいはフッ素系スポンジが有する表面潤滑性等の表面特性により、「鳴き」の発生を少なくすることができるが、加硫ゴムとしているため加硫工程を経なければならず、コストがかかるという問題がある。
また、特開2001−80776号(特許文献2)では、発泡層が摩擦層で発生した振動を吸収することにより「鳴き」の発生を少なくすることができるが、発泡層を内層として外層に摩擦層を有する構成としているため少なくとも3層が必要となる。そのため、コストがかかるという問題がある。
さらに、特開2003−55472号(特許文献3)では、混練工程を簡略化でき加硫工程も必要がないため、コストの低減を図ることができると共に、ゴム代替として引張強度等について優れた物性を実現している。しかし、重送や「鳴き」が生じてしまうという問題がある。
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、低コストの樹脂発泡体からなる紙葉類重送防止部材の製造方法を提供すると共に、摩擦係数、耐摩耗性等の物性に優れ、「鳴き」と呼ばれる振動音を抑制し、重送を防止できる紙葉類重送防止部材を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、第一に、画像形成装置に用いられる樹脂発泡体からなる紙葉類重送防止部材の製造方法であって、
ポリエステル系熱可塑性エラストマーと、該ポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対し0.1重量部以上50重量部以下の炭酸水素ナトリウムからなる化学発泡剤を配合して混練しておき、
上記混練物を、内部を180℃〜240℃に加熱している押出機に投入し、該押出機内で上記混練物を加熱しながら搬送し、該押出機の途中で、上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下の割合で二酸化炭素ガスを2MPa〜3MPa圧力で注入して上記混練物中に二酸化炭素ガスを分散すると共に溶解させ、該溶解したガスを押出発泡させていることを特徴とする紙葉類重送防止部材の製造方法を提供している。
上記のように、発泡剤として炭酸ガスと炭酸水素ナトリウムからなる化学発泡剤とを併用してポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる樹脂発泡体を製造すると、従来のゴムからなる発泡体と同様の弾性を付与出来ると共に、気泡径が均一に分散された発泡体を得ることができる。よって、加硫工程を必要とするゴムを製造する場合よりもコストを低減することができると共に、気泡径が小さいことから高強度となり優れた性能の発泡体を得ることができる。
特に、ガスを混練物中に均一に分散させると共に、混練物中に溶け込ませ、押出機のダイ出口で急激に圧力を減少させて、化学発泡剤を核として押出ガス発泡させることにより、溶解していたガスが気泡化する際に、気泡同士の壁が壊れずに個々の独立気泡として形成され、そのため、高強度で耐摩耗性も優れたものとなる。また、気泡の発生で空隙が生じるため、該空隙で「鳴き」の原因となる振動を吸収できるため、製造された樹脂発泡体で紙葉類重送防止部材を形成すると、摩耗係数が高く重送を防止できると共に、耐摩耗性が良く、しかも「鳴き」を防止できる優れたものとすることができる。
上記化学発泡剤はエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対し0.1重量部以上50重量部以下としているのは、0.1重量部未満とすると、発泡剤として機能しなくなるためであり、50重量部より多いと、発泡核が多量に発生し、それぞれの気泡が結合して1つの大きな空隙、すなわち連泡になるためである。より好ましくは、1重量部以上40重量部以下である。
上記圧力2MPa〜3MPaの二酸化炭素ガスはポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下で注入しているのは、0.1重量部未満とすると、発泡剤として機能しなくなり発泡体を得ることができないためであり、10重量部より多いと、二酸化炭素ガスが多量に注入されることとなり、エラストマーに溶ける容量を超えたガスが押出され、押出出口で破裂してエラストマーが飛び散るという不具合が発生しやすいためである。より好ましくは1重量部以上8重量部以下である。
上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、耐熱性と物理的強度のバランスがよく、特に、温度による溶解粘度の変化率が小さいものが好ましい。
本発明では、上記化学発泡剤としては、炭酸水素ナトリウムを用いているが、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、重炭酸塩等を用いることができる。例えば、アゾ化合物としてアゾジカルボンアミドやバリウムアゾジカルボキシレート、ニトロソ化合物としてN,N’−ジニトロペンタメチレンテトラミン、ヒドラジン誘導体として4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジゾ)やヒドラゾジカルボンアミドを配合することもできる。
上記二酸化炭素ガスは気体圧力2MPa以上、好ましくは2〜3MPaで、最もこのましくは約2.5MPaである。これは2MPaより低いと二酸化炭素ガスが混練物中に分散、溶融が十分に行えす、押出発泡時に均一に気泡が発生しにくいためである。
上記化学発泡剤に無機粉体を配合しても良いが、無機粉体を配合せずに前記炭酸水素ナトリウムからなる化学発泡剤のみでよい。該無機粉体としては、例えば、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサナイト、ゼオライト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、黒鉛、ガラスビーズ、ガラスパウダーを用いることができる。
上記無機粉体を配合すると、無機粉体をガス発泡時に発泡核とすることができる。
本発明は、第二に、上記製造方法で製造された樹脂発泡体より形成される画像形成装置に用いられる紙葉類重送防止部材を提供している。
上記樹脂発泡体よりなる紙葉類重送防止部材では、摩擦係数、耐摩耗性等が優れた物性を持ち、重送を防止できる。また、気泡の発生で形成される空隙で振動音を吸収でき、ゴム部材や動的架橋熱可塑性エラストマーで形成した場合と同等以上に「鳴き」の発生を抑制することができる。
さらに、上記のように、加硫工程が不要となるため、樹脂発泡体の製造コストが低減できるため、紙葉類重送防止部材とした場合にも製造コストが大幅に低減することが可能となる。
そのため、本発明では、複写機、プリンター、ファクシミリ等の給紙機構に使用される分離シート、分離パッド、分離ローラ等の紙葉類(PPC用紙、OHP用フィルム等)重送防止部材を好適に形成することができる。
本発明の紙葉類重送防止部材は、通常の方法により作製でき、例えば、以下の方法により作製できる。
即ち、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと、化学発泡剤をドライブレンド法により混合した後、単軸押出機に投入して混練りしながら押出搬送する。単軸押出機により混練物を押し出す押出工程の途中で圧力2MPa〜3MPaの二酸化炭素ガスを注入し、混練物にガスを分散・溶融させ、押出機出口に付設した口金から樹脂圧を急減しながら押し出し、上記樹脂中に溶融した二酸化炭素ガスを気泡化して発泡体として製作している。
この押し出した発泡体をペレット化し、該ペレットを押出成形機でシート状に形成し、このシートをスライスまたは研磨することで、必要な厚みのシートとすることにより紙葉類重送防止部材としている。
上記した本発明に係わる紙葉類重送防止部材は、用いる発泡体の気泡径が小さく、かつ均一に分散されているため、その強度が改善されており、紙葉類重送防止部材として用いた場合に、耐久性が向上し、かつ、問題とされている「鳴き」の発生を抑制することができる。よって、紙葉類重送防止部材以外にも、給紙ローラ、各種事務機器用部材にも用いることができる。
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと化学発泡剤の混練物に圧力2MPa〜3MPa二酸化炭素ガスを注入し、分散させて溶かし込むことにより、押出成形すると化学発泡剤や二酸化炭素ガスの押出ガス発泡で、樹脂発泡体からなる紙葉類重送防止部材を作製することができる。
この樹脂発泡体の製造工程では、ゴム材を用いて加硫工程を必要とする場合と比較して、低コストで発泡体を製造することが可能となる。
上記発泡体を用いて紙葉類重送防止部材とすると、摩擦係数、耐摩耗性等の物性に優れ、重送を防止でき、「鳴き」と呼ばれる振動音を抑制することができる。また、動的架橋型熱可塑性エラストマーを用いて製造する場合と比較して、「鳴き」の発生を抑制することもできる。
以下、本発明の紙葉類重送防止部材とする発泡体の実施形態について説明する。
本発明の樹脂発泡体は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーであるTPEEと、化学発泡剤である炭酸水素ナトリウムを含む混練物に、圧力2.5MPaの二酸化炭素ガス(C)を注入して押出ガス発泡させたものからなる。
上記化学発泡剤はエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対し10重量部配合し、圧力2.5MPaの二酸化炭素ガスがエステル系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対し5重量部の割合で注入している。
詳しくは、以下に示す製造方法により製造している。
エステル系熱可塑性エラストマーと化学発泡剤とをタンブラーでドライブレンド法で混合する。
ついで、図1に示すように、この混合物を単軸押出機10のホッパー11に投入し、該押出機10を30rpmで回転して混練しながら押出搬送する。該押出機の内部を2.5MPaの圧力に保持し、搬送途中で、高圧ガス安定供給装置20より温度50℃とした二酸化炭素ガスを2.5MPaの圧力で混練物中に注入する。注入したガスは混練物中に均一に分散すると共に溶解する。ガス注入後は短時間で押出機出口側へと押し出し、出口に付設した口金(ダイス)12の出口部分で樹脂圧を急減させ、出口開口より押し出される際に混練物に溶かし込んだ二酸化炭素ガスを気泡化して発泡体を製造している。
本実施形態の樹脂発泡体は、ゴム材料を用いる場合に必要とされる加硫工程を必要としないため、低コストで製造することができる。また、二酸化炭素ガスを高圧で注入、混練しているため気泡径が小さくかつ均一の発泡体を得ることができるため、樹脂発泡体の強度を向上させることができる。さらに、エステル系熱可塑性エラストマーを用いながら、ゴムからなる発泡体と同様の弾性を有する発泡体を得ることができる。また、高圧ガスの注入量等を調節したり、口金形状を改良することにより発泡体の硬度も調節することができる。
上記した樹脂発泡体をシート状に成形し、このシートをスライスまたは研磨することで、必要な厚みのシートとすることにより、図2に示す紙送り機構の分離シート3からなる紙葉類重送防止部材としている。
紙送り機構では、給紙ローラ1と、多数枚の紙葉類(紙)4が重ねられて装着されるトレイ2を備え、トレイ2は給紙ローラ側の上面に分離シート3を取り付けていると共に、トレイ2の下面に当接するバネ(図示せず)によって給紙ローラ側に付勢している。分離シート3と給紙ローラ1との間に紙4の先端が挟まれ、給紙ローラ1が回転することにより紙1を1枚づつ画像形成機構に向けて送り出す機構としている。
分離シート3は上記製造方法によると加硫工程を必要としないために連続製造でき、低コストで製造できる。また、ゴム材よりなる分離シートと比較して摩擦係数が高く、重送を発生させず、かつ、給紙ローラが紙一枚送り毎に空転して、分離シートと接触しても強度を有するため、摩耗減量も少なく、耐久性に優れたものとなる。さらに、気泡の空隙内で振動音を吸収でき、鳴きの発生も抑制することができるため、従来の分離シートと比較して優れた特性を有する。
以下、本発明の紙葉類重送防止部材とする樹脂発泡体の実施例1〜3および比較例1〜9について詳述する。
下記表1中において、成分Aはポリエステル系熱可塑性エラストマー(東洋紡製 ペルプレンP47−D)、成分Bは炭酸水素ナトリウムからなる化学発泡剤(永和化成製 セルボン)、成分Cは記載された圧力の二酸化炭素ガス、成分Dは動的架橋型熱可塑性エラストマーである。
実施例1〜3および比較例1〜9について、表1に記載のとおり成分A、B、Dを配合してドライブレンド法で混合して、図2に示すようなΦ30単軸押出機(サン・エヌ・ティ製)に投入する。該押出機の内部180℃〜240℃に加熱していると共に、2MPaの圧力に保持した。押出機を30rpmにて回転して混練物を加熱しながら押し出し、該押出工程の中間位置で、高圧ガス安定供給装置(昭和炭酸製)で50℃に加熱された表1に記載の圧力の二酸化炭素ガス(C)を流量50g/hで混練物中に注入し、押出機出口のダイより押出して、シート状の発泡体に成形した。このシートを60×10mmにカットし、両面を研磨器により研磨して1mmに加工して試験用のシートを得た。
なお、二酸化炭素ガス(C)の溶融時間をできるだけ長くするために、可塑化が可能な最大の長さの位置(図2のP)に二酸化炭素ガス(C)の投入口を設けた。
Figure 0004263554
(実施例1〜3)
実施例1〜3はエステル系熱可塑性エラストマー(A)と化学発泡剤(B)をブレンドし、圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を溶かし込んでいる。また、化学発泡剤(B)をエステル系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対し0.1重量部以上50重量部以下、二酸化炭素ガス(C)をエステル系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下の割合で配合している。
(比較例1〜9)
比較例1は、化学発泡剤(B)と圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を配合しなかった。
比較例2は、エステル系熱可塑性エラストマー(A)の代わりに動的架橋型熱可塑性エラストマーを配合し、化学発泡剤(B)と圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を配合しなかった。
比較例3は、エステル系熱可塑性エラストマー(A)と化学発泡剤(B)と圧力2MPaよりも低い圧力1MPaの二酸化炭素ガス(C)とを配合した。
比較例4、5は、エステル系熱可塑性エラストマー(A)と化学発泡剤(B)と圧力2MPaの二酸化炭素ガス(C)とを配合したが、化学発泡剤(B)をエステル系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対し0.1重量部以上50重量部以下の範囲外の0.05重量部、60重量部とした。
比較例6、8は、エステル系熱可塑性エラストマー(A)と化学発泡剤(B)と圧力2MPaの二酸化炭素ガス(C)とを配合したが、二酸化炭素ガス(C)をエステル系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下の範囲外の0.05重量部、20重量部とした。
比較例7は、化学発泡剤(B)を配合せず、無機粉体(タルク)のみを配合した。
比較例9は成分(B)として化学発泡剤と共にタルクを配合し、二酸化炭素ガス(C)は10重量部とした。
上記実施例1〜3および比較例1〜9の各試験用シートについて、後述する方法により、各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
(発泡倍率の測定)
発泡後の比重と発泡前の比重を測定し、以下の式より発泡倍率を求め、体積の増加率を測定した。
発泡倍率[%]=(発泡前の比重/発泡後の比重)×100
(摩擦係数の測定)
ヘイドン14型の摩擦係数測定機(新東科学者の商品名「トライボギア TYPE:HEIDON−14DR」)を用意し、測定紙としてキャノン社のプロパーボンド紙を用いて、摩擦係数を測定した。測定条件は、過重が200gfで、速度が600mm/minとした。
(摩耗減量の測定)
各実施例および比較例の発泡体をレーザープリンター(キャノン社の商品名「LBP1310」に装着し、23℃、相対湿度55%で、PPC用紙を用いて3万枚(30K)の通紙試験を行い、この試験の前後における発泡体の重量差を摩耗減量[mg]とした。
(通紙による重送性能)
上記プリンターを用いて上記条件下で、30Kの通紙試験を行い、通紙状況の観察を行った。通紙状況が良好なものを「少ない」、不送り並びに重送が多発したものを「多い」とした。
(鳴きの評価)
上記プリンターを用いて30Kを通紙した際に、異音の発生の有無を確認した。鳴きが発生しなかったものを「小」、鳴きが発生したものを「大」とした。
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3は、エステル系熱可塑性エラストマー(A)、化学発泡剤(B)、圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を所定の割合で配合しているため、気泡の細かい発泡体を得ることができ強度を高めることができた。また、摩擦係数、摩耗減量、通紙による重送性能、および鳴きの性能も比較的良好であった。特に、圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を1重量部以上5重量部以下配合した実施例1、2は、通紙による重送性能と鳴きにおいて非常に優れたものとなった。
さらに、ゴム成分を用いずに製造するため、ゴムを製造する場合に必要な加硫工程を省くことができ、発泡体の製造コストが低減できる。よって、紙葉類重送防止部材とした場合にも製造コストを大幅に低減することが可能となる。
一方、化学発泡剤(B)および圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を配合しなかった比較例1、2は、発泡体としなかったため、通紙試験において重送が有り、鳴きも発生した。
圧力を1MPaとして圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を配合しなかった比較例3、化学発泡剤(B)を所定割合より少なく配合した比較例4、圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を所定割合より少なく配合した比較例6は、二酸化炭素ガス(C)が押出口からでた際に気泡化しなかったため、発泡体を得ることはできなかった。
化学発泡剤(B)を所定割合より多く配合した比較例5は、気泡同士の壁が成長段階で破壊し2以上の気泡が結合し、1の大きな空隙ができる連泡となった。
圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)を所定割合より多く配合した比較例8はガス量が飽和量を超えたため、生成物表面から気泡が破裂したような状態である破泡となった。
化学発泡剤(B)の代わりに無機粉体を配合した比較例7は、二酸化炭素ガス(C)のダイ出口での気泡化により発泡体を得ることはできたものの、鳴きが大きかった。
また、発泡剤として、化学発泡剤とタルクとを併用した比較例9は、重送が多く且つ鳴きも大きかった。
上記した結果より、エステル系熱可塑性エラストマー(A)と化学発泡剤(B)と圧力2MPa以上の二酸化炭素ガス(C)とを所定の割合で配合することにより、強度の強い発泡体を形成することができると共に、紙葉類重送防止部材とした場合には摩擦係数、摩耗減量等の物性を維持しつつ重送、鳴きを抑制することができた。また、製造コストの低減も図ることができた。
本発明の紙葉類重送防止部材とする発泡体を製造する押出機の概略図である。 上記紙葉類重送防止部材(分離シート)を備えた給紙機構を示す図である。
符号の説明
1 給紙ローラ
2 トレイ
3 分離シート
4 紙葉類
5 先端部分
10 押出機
11 ホッパ
12 ダイ
20 高圧ガス安定供給装置

Claims (2)

  1. 画像形成装置に用いられる樹脂発泡体からなる紙葉類重送防止部材の製造方法であって、
    ポリエステル系熱可塑性エラストマーと、該ポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対し0.1重量部以上50重量部以下の炭酸水素ナトリウムからなる化学発泡剤を配合して混練しておき、
    上記混練物を、内部を180℃〜240℃に加熱している押出機に投入し、該押出機内で上記混練物を加熱しながら搬送し、該押出機の途中で、上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下の割合で二酸化炭素ガスを2MPa〜3MPa圧力で注入して上記混練物中に二酸化炭素ガスを分散すると共に溶解させ、該溶解したガスを押出発泡させていることを特徴とする紙葉類重送防止部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法で製造された紙葉類重送防止部材
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