JP4263454B2 - 差込式管継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シール性が良好な差込式管継手に関するものであり、主として蛇腹管を継手本体内に差し込み、更にナット部材を押し込むだけで、良好なシール性と抜け止めが行える差込式管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガス等の流体を流すフレキシブル管を接続する差込式管継手としては、例えば実用新案公報第2565469号公報等にて開示されている継手が知られている。図25は上記公報にて開示されている管継手を示す断面図であり、図示するようにこの管継手は、フレキシブルになされた蛇腹管Fが挿入される接続孔2が形成されたソケット4と、このソケット4の開口端に螺合された締付け部材6と、上記締付け部材6がねじ込み初期位置に位置決めするために上記ソケット4と上記締付け部材6の両端部間に装着した略C字状の位置決め部材8と、上記ソケット4の接続孔2の内部に放射状に配置されて内周面が上記蛇腹管Fの外周面に対応して凹凸状に形成された複数のリテーナ10と、この複数のリテーナ10を内径が拡大縮小するように弾性的に保持する保持部材12を備えている。そして、上記蛇腹管Fを複数のリテーナ10間に挿入した後、位置決め部材8を外して締付け部材6をねじ込んで締め付けることにより、このリテーナ10を接続孔2の底部側へ押圧して、この蛇腹管Fをソケット4に固定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の管継手では、蛇腹管Fを接続孔2内へ挿入した後、位置決め部材8を外してから締付け部材6をソケット4に締め付けるに際して、図示しない工具を用いて、これを行なうようになっている。このため、依然として工具を用いて締め付ける作業が有り、このため、例えば蛇腹管Fを挿入した後この締付けを忘れて漏れを発生させてしまう場合があるなどの問題がある。また、位置決め部材を外す手間が有り、簡単に接続できない。更に、複数のリテーナを保持する弾性保持部材が必要で、構造が複雑である。
【0004】
そこで、本出願人は、先の出願(特願平11−316155号)において、蛇腹管を差し込むだけで簡単に接続できる差込式管継手を開示した。しかしながら、この管継手の場合には、差し込むだけで接続できる、という利点は有するが、内部にスプリング等を設けていることからやや構造が複雑化する、という改良点を有していた。
また、他の従来の管継手として、特開平5−164280号公報、特開平5−312289号公報、特開平6−58474号公報及び特開平6−58475号公報等に開示されているものも知られている。これらの各公知例に示される管継手にあっては、いずれもリング状になされてその直径が弾性的に拡縮可能になされたリングスプリングを用い、これを蛇腹管の凹部に嵌め込んでロック状態とすることにより、蛇腹管が抜け落ちて脱落することを阻止するようになっている。
【0005】
しかしながら、この場合には、上記リングスプリングは拡径された状態で管継手内へ装着する構造となっているために、拡径状態を保持するための部材が必要となり、部品点数が増大する、といった問題があった。また、本出願人は特願2001−220433にて上記問題点を解決する差込式管継手を提案したが、その後の研究により、更なる改良点が見い出された。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、蛇腹管を継手本体内に挿入し、更にナット部材を押し込むだけで確実にシールして装着することができ、しかも、構造が簡単で安全な差込式管継手を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に規定する発明は、外周面が波山状になされた凹凸部を有する蛇腹管を接続する差込式管継手において、前記蛇腹管を挿入するための管挿入孔が形成されて内壁面が段部状になされた継手本体と、前記継手本体の先端にその長手方向へ摺動可能に取り付けられたリング状のナット部材と、前記継手本体の内壁面の前記段部に設けられたパッキン部材と、前記パッキン部材の基端部側に設けられて前記蛇腹管が挿入された時に前記蛇腹管の先端に当接して一部が前記蛇腹管の半径方向に弾性的に拡縮しながら前記蛇腹管を内側に挿通させるリング状のストッパ部材と、前記ナット部材と前記パッキン部材との間に介在されて前記ナット部材の挿入時に前記パッキン部材を押圧すると共に一端側が前記蛇腹管の中心方向へ弾性的に拡縮可能になされたリング状のリテーナ部材と、前記ナット部材に設けられて、前記ナット部材が前記継手本体側に挿入された時に前記ナット部材を固定するストップリング部材とを備え、前記ナット部材は、これを前記継手本体へ挿入した時に前記リテーナ部材と当接してこれを縮径方向へ変形させることを特徴とする差込式管継手である。
【0007】
これによれば、蛇腹管が継手本体内へ挿入されるとこの蛇腹管はリング状のリテーナ部材及びパッキン部材内を挿通されてその先端はストッパ部材に当接してストッパ部材の直径を拡縮させながら1山或いは複数山挿通し、ストッパ部材の内周端部は蛇腹管の凹部に嵌まり込んだ状態になり、この状態でナット部材を更に押し込むとこの先端がリテーナ部材と当接してこれを縮径させ、このリテーナ部材の一端部が蛇腹管の凹部へ嵌まり込んだ状態となり、しかもストップリング部材によりナット部材が継手本体側へ固定され、これで挿入固定が完了する。この状態で、蛇腹管に引き抜き方向に力を付与すると、ストッパ部材及びパッキン部材は一体となって引き抜き方向に僅かに移動してリテーナ部材を引き抜き方向へ移動させる力が付与され、或いはリテーナ部材の一端部が蛇腹管の凹部に嵌まり込んでいるので、リテーナ部材を引き抜き方向へ移動させる力が付与され、この時、ナット部材に当接したリテーナ部材はこれが縮径するように力が付与されて蛇腹管の引き抜きが阻止されるように作用するので、蛇腹管を継手本体内に十分に差し込んで挿入し、ナット部材を押し込むだけで、良好なシール性を維持した状態で蛇腹管の接続を行うことができる。従って、差込式管継手の構造をそれ程複雑化させることなく蛇腹管の接続操作を簡単に且つ確実に行なうことが可能となる。
【0008】
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記リテーナ部材は、前記ナット部の内壁に摺接する円筒状の前方つば部と、無負荷時に外側へ拡径された状態となる肉厚な後方突部とよりなる。
また、例えば請求項3に規定するように、前記後方突部の内面側には、縮径時に前記蛇腹管と当接する拡開テーパ面が形成されると共に、外面側には前記ナット部材と接する縮径テーパ面が形成されている。
また、例えば請求項4に規定するように、前記後方突部と前記前方つば部には、前記前方つば部の端部の一部を残してその長さ方向へ切り込むようにして形成された複数の切り込み溝が設けられる。
【0009】
また、例えば請求項5に規定するように、前記ストッパ部材は、前記継手本体側へ固定されるリング部と、このリング部の内側に設けられて、前記挿入される蛇腹管の外周面と接触して弾性的に変形する複数の係合片とよりなる。
また、例えば請求項6に規定するように、前記ナット部材には、前記継手本体への挿入時に、所定量以上挿入されることを防止するために着脱可能になされたスペーサ部材が設けられると共に、前記継手本体の内壁には、前記スペーサ部材を取り外した状態で前記ナット部材を挿入した時に前記ストップリング部材の拡径を許容して前記ナット部材と前記継手本体との係合を解除する拡径段部が形成されている。
これによれば、再施行を行うために一旦組み付けられた差込式管継手を分解する場合には、前記スペーサ部材を前記ナット部材から取り外してこのナット部材を更に継手本体側へ押し込むことにより、内部のストップリング部材が拡径段部に嵌まり込んでこれ自体が拡径し、これによりナット部材と継手本体との係合を解除することが可能となる。
【0010】
また、例えば請求項7に規定するように、前記パッキン部材は、高温により膨張する耐火パッキンと気密性を有する気密パッキンとよりなり、前記耐火パッキンと前記気密パッキンとの間には円環状の拡張ストップリングが設けられると共に、前記継手本体の内壁には、前記耐火パッキンの膨張時における前記拡張ストップリングの移動を阻止するための移動阻止段部が形成されている。
これによれば、パッキン部材が火災時のような高温に晒されると、この一部の耐火パッキンが膨張するが、この時、移動阻止段部で固定される円環状の拡張ストップリングの作用により、耐火パッキンが蛇腹管と差込式管継手との間の隙間を無秩序に広がることを防止して、これを一箇所に集中させることができ、これにより火災時等においてもシール性を高く維持することが可能となる。
【0011】
また、例えば請求項8に規定するように、前記拡張ストップリングは、断面L字状に形成されている。
これによれば、拡張ストップリングを断面L字形状としたので、火災時にように耐火パッキンが膨張する際にこれが外部へ漏れ出ることを抑制できるので、火災時等における耐火パッキンのシール性を一層向上させることができる。
【0012】
また、例えば請求項9に規定するように、前記パッキン部材の一端面には、前記ナット部材が挿入された時に前記ナット部材の先端、或いは前記リテーナ部材の後端と当接して前記パッキン部材を押圧すると共に押圧状態で前記ナット部材と接した、或いは近接した状態となるリング状のパッキン押圧部材が設けられる。
これによれば、蛇腹管の組み付け完了後に、この蛇腹管に引き抜き方向に力が付与された場合、前記リテーナ部材が或る程度、引き抜き方向に移動しても前記パッキン押圧部材が前記ナット部材に当接してこのパッキン押圧部材はほとんど動くことなく、従って、パッキン部材は押圧されて圧縮された状態が維持されるので、シール性が劣化することはなく、高いシール性を維持することが可能となる。
【0013】
また、例えば請求項10に規定するように、前記パッキン部材の一端面には、前記ナット部材が挿入された時に前記ナット部材の先端、或いは前記リテーナ部材の後端と当接して前記パッキン部材を押圧しつつ縮径する弾性パッキン押圧部材が設けられ、前記継手本体の内壁には、前記弾性パッキン押圧部材を縮径させるための縮径用テーパ面と、前記パッキン部材が押圧された状態で前記弾性パッキン押圧部材を拡径させて固定する押圧部材固定溝が設けられる。
これによれば、ナット部材を押し込んだ時に、弾性パッキン押圧部材がパッキン部材を押圧圧縮した状態で押圧部材固定溝に嵌まり込んで固定されるので、蛇腹管の組み付け完了後に、この蛇腹管に引き抜き方向に力が付与された場合でも、上記弾性パッキン押圧部材の作用により、パッキン部材は押圧されて圧縮された状態が維持されるので、シール性が劣化することはなく、高いシール性を維持することが可能となる。
【0014】
また、例えば請求項11に規定するように、前記パッキン部材は、高温により膨張する耐火パッキンと気密性を有する気密パッキンとよりなり、前記耐火パッキンと前記気密パッキンとの間には円環状の拡張ストップリングが設けられると共に、前記継手本体の内壁には縮径方向へ圧縮された拡径弾性パッキン押圧部材が設けられると共に、前記継手本体の内壁には、前記パッキン部材が押圧された状態で前記拡径弾性パッキン押圧部材を拡径させて固定する拡径押圧部材固定溝が設けられる。
これによれば、ナット部材を押し込んだ時に、拡径弾性パッキン押圧部材がパッキン部材を押圧圧縮した状態で拡径押圧部材固定溝に嵌まり込んで固定されるので、蛇腹管の組み付け完了後に、この蛇腹管に引き抜き方向に力が付与された場合でも、上記拡径弾性パッキン押圧部材の作用により、パッキン部材は押圧されて圧縮された状態が維持されるので、シール性が劣化することはなく、高いシール性を維持することが可能となる。
【0015】
また、例えば請求項12に規定するように、前記ナット部材の端部には、抜け防止テーパ面が形成されている。
また、例えば請求項13に規定するように、前記ナット部材は、外径の大きなヘッド部と、前記ヘッド部より外径が小さくなされて前記継手本体内へ実質的に挿入される摺動部とよりなり、前記ヘッド部と前記継手本体の先端部との間には所定の幅を有して着脱可能になされた誤挿入防止用カラー部材が介設されている。
これによれば、ナット部材のヘッド部と継手本体の先端部との間に誤挿入防止用カラー部材を着脱可能に装着するようにしたので、施工時以外等にナット部材を誤って継手本体内に押し込めてしまうことを防止することが可能となる。
【0016】
また、例えば請求項14に規定するように、前記誤挿入防止用カラー部材は、円形リングの一部を切り欠いてなる略リング状の弾発性を有する材料製のカラー本体と、該カラー本体に取り付けられた把手とよりなる。
また、例えば請求項15に規定するように、前記ヘッド部と前記継手本体の先端部との間には、前記摺動部を前記継手本体内へ挿入させた際に、前記ヘッド部を前記継手本体の先端部から僅かな距離だけ離間させるために微小な幅を有して切断が容易になされた分解用リング部材が介設され、前記継手本体の内周面には、分解時に前記分解用リング部材を除去して前記ナット部材を更に前記継手本体内へ挿入した時に前記ストップリング部材を落とし込めるための分解用拡径段部が形成されている。
これによれば、家屋のリフォーム等のために差込式管継手を再施工等するためにこれを分解する場合には、ナット部材のヘッド部と継手本体の先端部との間に介在される分解用リング部材を切断して取り外すことにより、上記分解用リング部材の幅に相当する長さだけ上記ナット部材を更に継手本体側へ押し込むことができ、そして、この更なる押し込みが行われるとストップリング部材が分解段部に落とし込められることになるので、継手本体とナット部材との間のロック状態が解除されて、この結果、ナット部材を引き抜き方向へ後退させることが可能となるので蛇腹管も引き抜くことが可能となる。
【0017】
この場合、例えば請求項16に規定するように、前記分解用リング部材の一部には、切断が容易なように厚さが薄くなされた薄肉部が形成されている。
また、例えば請求項17に規定するように、前記分解用リング部材の一部には、該分解用リング部材を除去する時に引っ張るための引っ張り耳部が形成されている。
また、例えば請求項18に規定するように、前記継手本体の内壁には、前記パッキン部材と係合して前記パッキン部材の抜けを阻止するための抜け防止係合部が形成されている。
これによれば、蛇腹管の挿入過程でこの先端がパッキン部材まで達した時に確認のために挿入途中でこの蛇腹管を引き抜いて確認する場合に、上記パッキン部材は抜け防止係合部に引っ掛かるので、パッキン部材が抜け方向へ移動することを防止でき、結果的に、蛇腹管のみを単独で引き抜くことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る差込式管継手の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
<第1実施例>
まず、本発明の第1実施例について説明する。
図1は本発明の第1実施例の差込式管継手と蛇腹管を示す断面図、図2はC字状のストップリング部材を示す斜視図、図3はリング状のストッパ部材を示す斜視図、図4はストッパ部材を示す図、図5はリテーナ部材を示す斜視図、図6はリテーナ部材の動作を説明する図、図7は本発明の第1実施例の差込式管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程図である。
図示するように、この差込式管継手16は、例えばステンレス鋼よりなるフレキシブルな蛇腹管Fを接続するためのものであり、この蛇腹管Fの外周面は波山状に凹部18及び凸部20が形成され、また、接続される先端部を除いて、軟質塩化ビニールなどの軟質樹脂等よりなる被覆層22により覆われている。
【0019】
上記差込式管継手16は、上記蛇腹管Fを挿入するために内壁面が段部状になされて管挿入孔24が形成された継手本体26と、中心に管挿通孔28が形成されたリング状のナット部材30とにより主に構成されている。上記ナット部材30は、例えば黄銅等によりリング状に形成されており、上記蛇腹管Fを挿通し得る大きさの管挿通孔28を中心に有する。このナット部材30は、外径の大きなヘッド部30Aと、このヘッド部30Aより外径が小さくなされて上記継手本体26内へ実質的に摺動状態で挿入されることになる摺動部30Bとよりなる。このナット部材30のヘッド部30Aの外面は、例えば円柱状或いは六角柱状になされている。このナット部材30の基端部側である摺動部30Bは、上記継手本体24の先端に、その長手方向に沿って摺動可能に嵌め込まれており、この外周面の接合段部には円形リング状の弾性体よりなる水密Oリング34を介在させて内部に水分が浸入しないようにしている。
【0020】
このナット部材30の先端側の内周面には、円形リング状の弾性体よりなる水密パッキン36がその周方向に沿って装着されており、この水密パッキン36の内側突部36Aが挿入された蛇腹管Fの被覆層22と密接してシールし、外部より管継手内に腐食水等が浸入することを防止するようになっている。
上記ナット部材30の基端側の外周面には、リング状に断面矩形の溝部38が形成されており、この溝部38には、図2にも示すようなリングの一部を切り欠いたようなC字状のストップリング部材40が収容されている。このストップリング部材40は、断面円形の例えばバネ鋼により成形されており、これを縮径させて圧縮された状態で上記溝部38内へ収容している。従って、このストップリング部材40は、この状態で拡径するように作用する。
【0021】
上記継手本体26の内壁の段部には、パッキン部材42が設けられる。このパッキン部材42は、円形リング状になされた弾性体よりなる気密パッキン42Aと、この先端側に連設されて円形リング状の弾性体よりなる耐火パッキン42Bとが固定して設けられている。尚、この耐火パッキン42Bは、弾性を有していなくてもよく、また、円形でなくても例えばC字形状でもよく、更に、設置位置は気密パッキン42Aに連設しなくてもよく、また、先端側の位置にも限定されない。
この気密パッキン42Aは、例えばNBR(ニトリルゴム)、フッ素ゴム等よりなり、また、上記耐火パッキン42Bは、例えば膨張黒鉛とNBR等のゴム材とを一体成形してなる弾性体よりなり、火災時等の高温に晒されるとこの耐火パッキン42Bの体積が膨張して内部を密閉するようになっている。そして、蛇腹管Fの挿入時に、上記両パッキン42B、42Aの内周面を弾性的に押圧しつつこの蛇腹管Fを挿入し得るようになっている。
【0022】
そして、この気密パッキン42Aの基端部と上記継手本体26の内壁の段部との間には、図3及び図4にも示すようなリング状のストッパ部材44が介在させて設けられる。図4(A)はストッパ部材の平面図を示し、図4(B)は同断面図を示す。
このストッパ部材44は、上記継手本体26側へ固定されるリング部46と、この内側にその周方向に沿って等間隔で設けられた複数の係合片48とよりなる。このリング部46の内側に蛇腹管Fを挿通するようになっており、この係合片48は、リング部46の中心方向に向かうに従って、蛇腹管Fの挿通方向へ所定の角度θ、例えば45度傾斜させて設けられており、その先端の内径は蛇腹管Fの凸部20における直径よりも小さく設定されている。
【0023】
このストッパ部材44は、例えば樹脂や金属よりなってある程度の弾性を持たせてある。従って、蛇腹管Fは、このリング状のストッパ部材44に到達すると、上記係合片48に当接しつつこれを弾性的に拡縮させながら内側を挿通して行くことになる。
そして、上記ナット部材30と上記パッキン部材42との間にはリング状のリテーナ部材50が設置されている。このリテーナ部材50は、例えば全体を黄銅材、ステンレス鋼材等の金属によって形成してもよいし、樹脂と金属とを接合して形成してもよく、図5及び図6にも示すように、円筒体状の前方つば部52とこの一端に、一体的になされてナット部材30の押し込み時に上記耐火パッキン42Bの端面と接することになる後方突部54とにより構成される。具体的には、上記円筒体状の前方つば部52の長さL1(図5参照)は例えば5mm程度に設定されると共に、その外径D1は上記ナット部材30の基端部側の内径と略同じか、或いはこれよりも僅かに小さく設定されており、この前方つば部52の外周面が上記ナット部材30の内壁に対して摺接してここで保持或いは支持できるようになっている。
【0024】
また、この前方つば部の内径は、上記蛇腹管Fの凸部20の外径よりも僅かに大きく設定されており、この前方つば部52内に上記蛇腹管Fを挿通できるようになっている。この前方つば部52に一体的に成形されている複数の後方突部54は、特願2001−220433にて開示した場合と異なり、無負荷時には半径方向外方へ、すなわち外側へ開くように傾斜して拡径された状態となっている。また、この後方突部54は、やや肉厚になされており、その基端部側には半径方向の内方に向けて延びる突起56が形成されている。この突起56の内径は、上記蛇腹管Fの凸部20の外径よりも大きく設定されている。そして、この後方突部54の基端部側の端面54A(図6参照)は平面状態になされて、この端面54Aが上記耐火パッキン42Bの先端側の端面と当接するようになっている。そして、各後方突部54は、上記リング状の前方つば部52を支点として半径方向へ拡縮変形できるようになっている。
【0025】
そして、上記各後方突部54の内側面には、この縮径時に上記蛇腹管Fの凹部18に嵌まり込む拡開テーパ面54B(図6参照)が形成されている。そして、この各後方突部54の外面側の前方には、ナット部材30を押し込んだ時及び蛇腹管Fに引き抜き方向に力を付与した時に、上記ナット部材30に設けた後述する抜け防止テーパ面60と当接してこの各後方突部54を縮径方向、すなわちこの管継手16の中心軸方向へ弾性的に屈曲変形させる縮径テーパ面54Cが形成されている。尚、ここでこのナット部材30の端部は、リテーナ部材50を押圧した時にリテーナ部材50を縮径させる機能を有する構造ならば、抜け防止テーパ面60に限定されずにどのような形状でもよく、例えばテーパ面でなくてRを付けた曲面形状にしてもよく、或いは多段に段加工された端面にしてもよく、更には単に端部を垂直に切り落としたような直角形状の端面としてもよい。
そして、図1に戻って、上記ナット部材30の基端部には、所定の角度で先端方向に沿ってこの軸心方向に所定の角度で傾斜する抜け防止テーパ面60が形成されており、挿入完了した蛇腹管Fを引き抜き方向に力を付与した時に上記リテーナ部材50の上記縮径テーパ面54Cがこの抜け防止テーパ面60に当接して後方突部54を軸心方向へ移動し得るようになっている。
【0026】
また、継手本体26の先端側の内壁には、ナット部材30の未挿入(押し込み前)時におけるストップリング部材40の位置に対応させてストップリング収容凹部62が形成されており、このストップリング収容凹部62とこれに対向するナット部材30の溝部38との両者間を跨がるようにして上記ストップリング部材40が収容されている。そして、上記ストップリング収容凹部62の後方側面は、継手本体26の奥に行くに従って中心方向へ傾斜するテーパ面62Aが形成されており、ナット部材30の押し込みと共に、このストップリング部材40を上記テーパ面62Aに沿って移動させつつこれを弾性的に縮径するようになっている。そして、このテーパ面62Aの後端より僅かに離れた位置の継手本体26の内壁には、拡径されたリング状のストップリング保持段部64が形成されており、このストップリング保持段部64にて上記弾性的に縮径されていたストップリング部材40が再度拡径して広がり、このナット部材30を固定するようになっている(図7(B)参照)。
【0027】
この時、ストップリング保持段部64の深さは、上記ストップリング収容凹部62の深さとほぼ同じとなるように設定されており、また、ナット部材30の押し込み量であるストローク長さSL1(図1参照)は、上記ストップリング収容凹部62と上記ストップリング保持段部64との間の距離とほぼ同じになるように設定されている。
また、この継手本体26の一部にはこの半径方向へ抜ける貫通孔を設け、この貫通孔に内部から外部へ気体を透過するが、固体や液体は透過しない選択透過性部材66を装着してある。尚、上記選択透過性部材66は、必ずしも継手本体26側に設ける必要はなく、ナット部材30側に貫通孔を設けたり、継手本体26とナット部材30の間に挟むようにして設けてもよい。
この選択透過性部材66は継手内部から外部へ気体が透過するので、万が一蛇腹管Fに釘打ち等で穴が開けられてガス漏れした際、蛇腹管Fの表面とこの外面に被覆した樹脂の被覆層22との間の間隙を伝わってガスが継手内に進入し、このガスが選択透過性部材66を透過して管継手16の外部に噴出することになる。このため蛇腹管Fを配管した後、この管継手16の選択透過性部材66の部分にガス漏れ検出器を近づけることで、蛇腹管Fの穴開き不良を容易に検出することができ、未然にガス事故を防止できる。
【0028】
次に、以上のように構成された差込式管継手の使用方法について説明する。
まず、作業者は、図1に示す状態から、蛇腹管Fの先端部を、ナット部材30の管挿通孔28及び継手本体26の管挿入孔24内に挿通させてこれを差し込んで行く。そして、更に蛇腹管Fを押し込んで行くと、図6(A)及び図7(A)に示すように、蛇腹管Fの先端はリング状のリテーナ部材50内を挿通し、更にパッキン部材42の内周と弾性的に接しつつ、その先端はストッパ部材44に至る。そして、更に蛇腹管Fを挿入することにより、その先端は、ストッパ部材44の複数の係合片48を弾性的に押し広げつつその中に挿通されることになり、更に、蛇腹管Fの先端は、継手本体26の縮径された部分に当接してその挿入が停止される。図7(A)では、蛇腹管Fの先端の凸部20の1山が挿入された状態を示しており、この状態で蛇腹管Fはストッパ部材44により仮固定されている。尚、継手本体26の縮径段部の位置をもっと後退させれば、複数の凸部(山)が挿入されることになるが、その数は限定されない。
【0029】
この時、蛇腹管Fの凸部20が、ストッパ部材44に対して1山挿通される毎に、作業者はクリック感触を受けるので、蛇腹管Fが所定の位置まで挿入されたことが判り、従って、蛇腹管Fに挿入量を確認するためのマーキング等を施す必要がない。
この状態で、蛇腹管Fを引き抜き方向に軽く引っ張ってみて、これがストッパ部材44により仮固定されていることを確認する。
【0030】
次に、図7(B)に示すように、ナット部30を、継手本体26側に、両者の隙間がほぼなくなるまで挿入方向へ押し込む。この時、ナット部材30の先端部の抜け防止テーパ面60は、図6(B)にも示すようにリテーナ部材50の縮径テーパ面54Cに当接して、この後方突起54を弾性的に中心方向へ変形させて押し込むように作用し、この結果、後方突起54は蛇腹管Fの凹部18に嵌まり込んで、この部分を強固に押圧して固定することになる。また、この時、リテーナ部材50は、押し込み方向にある程度移動して、この端面54A(図6参照)がパッキン部材42を圧縮方向へ押圧することになるので、このパッキン部材42が蛇腹管Fの外周面と圧接することになり、その分、シール性を向上させることができる。
【0031】
また、ナット部材30の押し込みと同時に、ストップリング部材40は、溝部38内に一部が収容された状態で、テーパ面62Aと摺接しつつ移動して次第にその直径が弾性的に縮径され、そして、このナット部材30が継手本体26内に完全に押し込まれて挿入された時点で、この縮径されたストップリング部材40がストップリング保持段部64に至って拡径することになる。これにより、ナット部材30と継手本体26とが、このストップリング部材40を介して互いに拘束するように固定されてロック状態となり、組み付け操作が完了することになる。
また、蛇腹管Fの挿入と同時に、水密パッキン36のリング状の内側突部36Aは、蛇腹管Fの被覆層22の外周面と当接して折り曲がった状態で接しており、その水密性が保たれることになる。
【0032】
ここで、蛇腹管Fに引き抜き方向に力が付与された場合には、この蛇腹管Fの凹部18に嵌まり込んでこれとロック状態になっているリテーナ部材50は、一体的に僅かな距離だけ引き抜き方向へ移動するが、すると、このリテーナ部材50の後方突部54の縮径テーパ面54Cがナット部材30の抜け防止テーパ面60と接触しているので、この後方突部54を更に縮径方向、すなわち管継手の中心軸方向へ押圧することになる。この結果、この後方突部54の突起56が蛇腹管Fの凹部18内に益々強固に押し付けられるので、それ以上の移動がブロックされた状態となり、この蛇腹管Fは管継手16から抜けて脱落することはない。このようにして、管継手16の構造をそれ程複雑化させることなく、蛇腹管Fを管継手16内へ挿入して、その後、ナット部材30を押し込むだけで確実なシール性を維持しつつ装着することができる。しかも蛇腹管Fが管継手16から抜け出て脱落することも防止することができる。また、ストッパ部材44が蛇腹管Fの凸部20を1つ乗り越える毎に、操作者はクリック感を感じることができるので、挿入状態を感覚的に把握することができる。
【0033】
<第2実施例>
次に、本発明の第2実施例について説明する。
先の第1実施例においては、ナット部材30を押し込んで一旦ロック状態にした場合には、再施工するために、この管継手16を分解するのはやや困難であったが、この第2実施例では、簡単な操作により蛇腹管F及びナット部材30を継手本体26から外すことができる構造とする。
図8は本発明の第2実施例を示す断面図、図9はスペーサ部材を示す斜視図、図10は差込式管継手の分解工程を示す図である。尚、図1〜図7において説明した部分と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図8においては、上半分の図はナット部材30の押し込み前の状態(施工前)を示し、下半分の図は押し込み後の状態(施工後)を示す。
【0034】
ここでは、図8に示すように、継手本体26の内壁において、前記ストップリング保持段部64に隣接させて、このリング状のストップリング保持段部64の内径よりも、一段大きい、すなわち、ストップリング部材40をその中に完全に収容できる内径を有するリング状の分解用拡径段部70を設ける。この分解用拡径段部70を、蛇腹管Fの押し込み方向側に隣接させる。従って、継手本体26の内壁は、この部分においてストップリング保持段部64と分解用拡径段部70とで、段差が2段形成された状態となる。
【0035】
そして、ナット部材30の拡径されたヘッド部30Aと継手本体26側へ挿入される摺動部30Bとの接合段部には、前記水密Oリング34よりも先端側に、図9にも示すようなC字状に成形された弾性体よりなる断面矩形のスペーサ部材72を介在している。このスペーサ部材72は、上述のように例えば樹脂のような弾性体により形成されて着脱可能になされており、しかも、ナット部材30の押し込み時に、このヘッド部30Aと継手本体26の先端との間にこのスペーサ部材72が介在されて、この厚さに相当する分だけ、それ以上ナット部材30を押し込めないようになっている。すなわち、このスペーサ部材72により、ナット部材30は継手本体26内へ所定量以上挿入されることを防止している。
そして、本実施例の場合には、溝部38からナット部材30のヘッド部30Aまでの摺動部30Bの長さを、上記スペーサ部材72の厚さT1に相当する距離だけ長く設定している。
【0036】
さて、このように構成された第2実施例においては、通常の施工時には、図8に示すように上記スペーサ部材72をナット部材30へ装着したまま行えば、先に説明した第1実施例の場合と同様に、継手本体26内へ蛇腹管Fを挿入し、その後、ナット部材30を押し込むことにより、全体の組み付けを完了させることができる。この場合、ナット部材30のヘッド部30Aと継手本体26の端面との間には、スペーサ部材72が介在されている。
【0037】
さて、このような状態において、何らかの理由により再施工を行う必要が生じた場合には、まず、図10(A)に示すように弾性体よりなるスペーサ部材72をナット部材30から取り外し、次に、ナット部材30を、図10(B)に示すように上記スペーサ部材72の厚さT1に相当する長さだけ、更に押し込む。すると、今までスプリング保持段部64に位置していたストップリング部材40は僅かな距離だけ更に押し込まれて、より内径の大きな分解用拡径段部70内に完全に収容されることになり、これにより、ナット部材30と継手本体26との係合が解除されることになる。
次に、図10(C)に示すように、係合が解除されたナット部材30を引き抜けば、両者を分解することができる。従って、リテーナ部材50は、フリーな状態となって、蛇腹間Fはこの先端に嵌め込まれているストッパ部材44やパッキン部材42と一体的に引き抜くことが可能となる。
【0038】
<第3実施例>
次に、本発明の第3実施例について説明する。
先の第1及び第2実施例では、火災時等においては、例えばゴム製の気密パッキン42Aは焼失する一方、耐火パッキン42Bは熱膨張して、この部分に発生した空隙を埋めて充填することによりシール性を維持するように作用するが、充填スペースが焼失した気密パッキン42Aの占有スペースまで広がり、その分、大きな耐火パッキン42Bを必要とするが、この第3実施例では、充填すべきスペースをより小さくできる構造とする。
【0039】
図11は本発明の第3実施例を示す部分断面図、図12は円環状の拡張ストップリングを示す斜視図、図13は先の実施例と第3実施例の火災時の動作の相異を説明する図である。尚、図1〜図10において説明した部分と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
ここでは図11に示すように、パッキン42において、気密パッキン42Aと耐火パッキン42Bとの間に、図12に示すような円環状の拡張ストップリング74を介在させる。この拡張ストップリング74は、耐火性のある金属板、例えばステンレス鋼、黄銅、鉄系材料等により形成すればよい。また、これに対応させて、継手本体26の内壁には、上記拡張ストップリング74の移動を阻止するために、内径が縮径された移動阻止段部76がリング状に設けられている。この場合、パッキン部材42の非圧縮状態においては、上記拡張ストップリング74が、上記移動阻止段部76よりも、先端側、すなわちナット部材30側に所定の距離L3、例えば0〜5mm程度だけ離れて位置するように設定する。
【0040】
さて、このように構成された第3実施例においては、通常の施工時には、図11(A)及び図11(B)に示すように、ナット部材30が押し込められると、リテーナ部材50に当接したパッキン部材42の全体は圧縮されてこれと共に、上記拡張ストップリング74は継手本体の奥にスライド移動し、これが略移動阻止段部76の近傍まで後退移動した時に、ナット部材30と継手本体26とがストップリング部材40を介して、互いに結合されてロック状態となる(図11(B)参照)。
ここで、火災等が発生して、この管継手が高温に晒されると、ゴム等の気密パッキン42Aは焼失してこの部分が空隙になり、耐火パッキン42Bは体積膨張することになる。この場合、上記拡張ストップリング74を設けていない場合には、図13(A)に示すように、膨張した耐火パッキン42Bは、焼失した気密パッキン42Aが占有していた部分へも大きく広がって充填スペースが大きくなり、十分なシール性を維持するにはその分、大きな耐火パッキン42Bを必要とするか、或いは、最悪の場合には、シール性が大幅に低下してしまう。
【0041】
これに対して、図13(B)に示すように、拡張ストップリング74を設けている場合には、この作用により充填スペースが小さくなり、その分、小さな耐火パッキン42Bでも高いシール性を維持することができる。また、この場合、図13(B)に示す状況において、拡張ストップリング74の周囲端が蛇腹管Fの凸部(山部)20に対向して位置するように設定しておけば、両者間の隙間が非常に少なくなって熱膨張する耐火パッキン42Bが焼失した気密パッキンの占有エリア側へ漏れ出る量をその分少なくでき、シール性を一層向上させることができる。
尚、ここでは、蛇腹間Fの先端部外周面と、継手本体26の内壁面との隙間78を非常に僅かなものとしておくことにより、シール性に対する信頼性も向上させることができる。
【0042】
<第4実施例>
次に、本発明の第4実施例について説明する。
先の第1から第3実施例では、蛇腹間Fに引き抜き方向に力を付与した場合には、それに伴ってリテーナ部材50が僅かに引き抜き方向に移動してリテーナ部材50の突起56(図6参照)に食い込むことになるが、このリテーナ部材50の僅かな移動のために、今まで圧縮されていたパッキン部材42の圧縮力が僅かに低下し、このシール性を低下させる恐れが生ずる。そこで、この第4実施例ではこのシール性の低下を防止することができる構造とする。
図14は本発明の第4実施例を示す部分断面図、図15はリング状のパッキン押圧部材を示す断面図、図16は先の実施例と第4実施例の引き抜き力付与時の動作の相異を説明する図である。
尚、図1〜図13において、説明した部分と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
ここでは、図14に示すように、パッキン部材42を形成する耐火パッキン42Bの先端面に、これを略覆うようにしてリング状のパッキン押圧部材80を設けている。このパッキン押圧部材80は、例えば樹脂や金属材料よりなり、図15にも示すように断面逆L字状になされて先端方向へ突出した屈曲突部82が形成されている。この屈曲突部82の長さは、ナット部材30を押し込んだ施工後の状態において、このナット部材30の先端と接した状態となるように設定するのが、シール性低下の防止の上から好ましい。尚、この断面形状は必ずしも逆L字状である必要はない。
【0044】
さて、このように構成された第4実施例においては、ナット部材30が継手本体26内に押し込まれて施工が完了した時には、図14に示すようになっており、パッキン部材42は、パッキン押圧部材80を介してリテーナ部材50の端面54Aに押圧されて、圧縮状態で固定されている。この時、ナット部材30の先端面も上記パッキン押圧部材80の屈曲突部82に先端に接しているか、或いはこれに非常に接近した状態となっている。
ここで蛇腹管Fに引き抜き方向に大きな力が付与されると、図16に示すようにリング状のリテーナ部材50も僅かに引き抜き方向に移動しつつ縮径するので、蛇腹管Fをより強固に保持し、また、引き抜き力がかなり大きい時には、蛇腹管Fの基端部側も延びてその凹凸がなくなってしまう。
【0045】
この時、図16(A)に示すように上記パッキン押圧部材80を設けていない場合には、上記リテーナ部材50の僅かな動作に伴ってパッキン部材42の押圧力は減少するので、今まで圧縮されていたパッキン部材42は元の形状に復帰し、このため蛇腹管Fの外周面との間に隙間が発生するなどしてそのシール性が低下する恐れが生ずる。
これに対して、図16(B)に示すように上記パッキン押圧部材80を設けている場合には、上述のようにリテーナ部材50が僅かに引き抜き方向に移動しても、上記パッキン押圧部材80の屈曲突部82が上記ナット部材30の先端面と当接して移動しないように固定されるので、上記パッキン部材42の圧縮状態が開放されることがない。従って、パッキン部材42は圧縮状態が維持されるので、このシール性が低下することを防止することが可能となる。
【0046】
<第5実施例>
次に、本発明の第5実施例について説明する。
この第5実施例は、先の第4実施例と同様に、シール性の低下を防止することができる構造としたものである。
図17は本発明の第5実施例の動作を示す部分断面図、図18はC字状の弾性パッキン押圧部材を示す斜視図である。
先の第4実施例ではリング状のパッキン押圧部材80を設けたが、これに代えて、この第5実施例では弾発力を付与するためにC字状に成形された樹脂製、或いは金属製の弾性パッキン押圧部材84を用いる。これにより、この弾性パッキン押圧部材84は弾性的に縮径可能になされている。
【0047】
この弾性パッキン押圧部材84は、上記パッキン部材42の先端とリテーナ部材50との間に介在されており、この部分における継手本体26の内壁面には、上記パッキン部材42側に向けて順次その半径が小さくなるようになされたリング状の縮径用テーパ面86が形成されている。これにより、ナット部材30がリテーナ部材50を介して上記弾性パッキン押圧部材84を押圧すると、これはこのテーパ面86に沿って縮径しつつ移動するようになっている。
また更に、この継手本体26の内壁面には、ナット部材30が完全に押し込まれた時の上記弾性パッキン押圧部材84が位置する所に対応させて、断面矩形の押圧部材固定溝88がリング状に形成されており、この溝88内に上記弾性パッキン部材84を拡径させて、収容して固定し得るようになっている。
【0048】
さて、このように構成された第5実施例においては、施工時には、図17(A)に示すように、ナット部材30が継手本体26内へ押し込まれるに従って、リテーナ部材50の先端が上記弾性パッキン押圧部材84を介して上記パッキン部材42を押圧して圧縮して行く。この時、上記弾性パッキン押圧部材84は、上記縮径用テーパ面86に沿って摺動しつつ縮径して行く。そして、図17(B)に示すようにナット部材30が完全に押し込まれた時に、この弾性パッキン押圧部材84は押圧部材固定溝88に到ってここで拡径し、この溝88内に固定されることになる。
【0049】
ここで、図17(C)に示すように、蛇腹管Fに引き抜き方向に力が付与されてリテーナ部材50が僅かに引き抜き方向に移動しても、上記のように押圧部材固定溝88内に上記弾性パッキン押圧部材84は嵌まり込んで固定された状態になっているので、上記パッキン部材42の圧縮状態が開放されることがない。従って、パッキン部材42は圧縮状態が維持されるので、このシール性が低下することを防止することが可能となる。
【0050】
また、上記第5実施例の変形例として、図19に示すように、上記弾性パッキン部材84を、気密パッキン42Aと耐火パッキン42Bとの間に、予め弾性的に縮径させた状態で介在させるようにしてもよい。そして、このパッキン部材42の圧縮時における上記弾性パッキン部材84の位置に対応させて、上記押圧部材固定溝88を設けておくようにすればよい。
この場合にも、図19(B)に示すように上記固定溝88に嵌まり込んだ弾性パッキン部材84によってパッキン部材42は圧縮状態が維持されるので、前記第5実施例の場合と同様に、蛇腹管Fに引き抜き方向に力が付与されてもシール性を高く維持することが可能となる。
【0051】
<第6実施例>
次に、本発明の第6実施例について説明する。
上記各実施例においては、蛇腹管Fを挿入する施工前に、誤ってナット部材30を継手本体26側へ押し込んでしまうと、ストップリング部材40がストップリング保持段部70に嵌まり込んでしまって、ナット部材30と継手本体26とが上記ストップリング部材40を介して互いに係合してしまい(例えば図7(B)参照)、ナット部材30が抜けなくなって蛇腹管Fを挿入できなくなってしまう。そこで、この第6実施例ではナット部材30の誤挿入を防止するようにしている。
【0052】
図20は本発明の第6実施例を示す断面図である。図20において上半分はナット部材を挿入前の状態(ロック前)を示し、下半分はナット部材を挿入してロック状態(ロック後)となった時を示している。また、図21は誤挿入防止用カラー部材を示す平面図、図22は誤挿入防止用カラー部材を示す断面図、図23は分解用リング部材を示す平面図、図24は分解用リング部材を示す断面図である。尚、先に説明した各実施例と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。また、ここでは選択的透過性部材66が、継手本体26ではなく、ナット部材30側に設けられているが、この取り付け位置は、前述したように特には限定されない。
【0053】
さて、この第6実施例においては、図20に示すように、ナット部材30のヘッド部30Aと継手本体26の先端部との間には、図21及び図22にも示すような誤挿入防止用カラー部材90が着脱可能に介設されている。尚、図20の下半分ではこの誤挿入防止用カラー部材90が取り外されて除去されているので図示されていない。
この誤挿入防止用カラー部材90は、円形リングの一部を切り欠いてなる略リング状、すなわちC字形状の弾発性を有する材料、例えばポリエチレン樹脂よりなるカラー本体90Aと、このカラー本体90Aに取り付けられた把手90Bとにより構成されている。そして、その半径が弾性的に拡縮可能になったカラー本体90Aの部分が、上記ヘッド部60Aと継手本体26の先端部との間、すなわちナット部材30の摺動部30Bの外周側の部分に嵌め込んで装着されている。このカラー本体90Aの幅W1は、施工前のヘッド部60Aと継手本体26との間の初期間隔の長さに設定されており、これにより、施工前に誤ってナット部材30を押し込んでも、これが継手本体26側へ挿入されることを防止するようになっている。
【0054】
また、図22にも示すように、上記C字形状のカラー本体90Aの一端の内周側には切り欠き段部90Cがその周方向へリング状に形成されている。そして、この切り欠き段部90Cには、図23及び図24にも示すように円環状になされた分解用リング部材92が予め嵌め込まれている。この分解用リング部材92は、厚みが薄い、例えばポリエチレン樹脂等よりなって切断が容易になされている。この分解用リング部材92は、図9で示したスペーサ部材72と同様な機能、すなわち再施工を可能とする機能を有するものであり、この幅W2は僅か2mm程度であり、この幅W2はストップリング保持段部64に位置するストップリング部材40を、このストップリング保持段部64に隣設された分解用段部70へ落とし込めるのに十分な長さである。
【0055】
特に、この分解用リング部材92の一部には、その厚さをより薄くした薄肉部92Aが形成されており、この薄肉部92Aに力を集中させることによってこれを容易に切断できるようになっている。更に、この薄肉部92Aの隣には、円形リング状に外周側へ突出させた引っ張り耳部92Bが形成されており、この引っ張り耳部92Bを引っ張ることにより、上記薄肉部92Aにこの切断力を集中させるようになっている。ここで、この分解リング部材92を誤挿入防止用カラー部材90の切り欠き段部90Cへ嵌め込む時には、上記引っ張り耳部92Bの部分を、カラー本体90Aの切断部分94(図21参照)に位置させるようにして嵌め込むようにする。
【0056】
そして、上記継手本体26の内壁には、この中に設置される上記パッキン部材42の位置に対応させて、このパッキン部材42の抜けを防止するための抜け防止係合部96が設けられている。本実施例では、図20に示すように継手本体26の内壁から中心方向に僅かに突出した突出部を形成することで、上記抜け防止係合部96を形成しており、この部分で気密パッキン42Aの一部と係合させるようになっている。尚、継手本体26の内壁に突部ではなく、凹部を設けることで抜け防止係合部96を形成するようにしてもよい。この場合には、この凹部状の抜け防止係合部96に気密パッキン42Aの一部を係合させることになる。
【0057】
更に、膨張する耐火パッキン62Bの気密性を向上させるために用いる拡張ストップリング74は、図11〜図13に示すような単なる平板リング状に形成されているのではなく、断面L字状に形成されている。これにより、この拡張ストップリング74と蛇腹管Fとが僅かな間隔を隔てて対向する面積部分が広くなり、結果的にこの耐火パッキン42Bが熱膨張した時の膨張パッキンの漏れを一層抑制することができ、その分、気密性を高めることができる。このような拡張ストップリング74は例えば真鍮等の金属板よりなり、このパッキン部材42を成形する際に、気密パッキン42Aと耐火パッキン42Bとの間にこの拡張ストップリング74を挟み込むようにして金型によりインサート成形することにより一体的に形成することができる。
【0058】
このような第6実施例の差込式管継手にあっては、不使用時にはナット部材30へ誤挿入防止用カラー部材90が常に装着されているので、このナット部材30が誤って押されても上記誤挿入防止用カラー部材90によりナット部材30が継手本体26内へ誤って挿入されることを防止することができる。
また、このような第6実施例の差込式管継手を用いて施工を行うには、まず、誤挿入防止用カラー部材90をナット部材30へ装着した状態で、このナット部材30及び継手本体26内へ蛇腹管Fを挿通乃至挿入させる。この際、蛇腹管Fの被覆層22の先端が上記ナット部材30に当接しても、上述したように誤挿入防止用カラー部材90が介在されているので、早目に、すなわち蛇腹管Fが完全に奥まで挿入される前にこのナット部材30が継手本体26側へ摺動移動することを未然に防止することができる。
【0059】
このようにして、蛇腹管Fが継手本体26の奥まで十分に、且つ完全に挿入されたならば(図20の上半分の状態)、次に、把手90Bを手で持って、これを引っ張ることにより、誤挿入防止用カラー部材90をナット部材30から取り外す。尚、この場合、分解用リング部材92は、ナット部材30の摺動部30Bに装着された状態で残留している。そして、この状態でナット部材30を継手本体26内へその奥まで挿入し、図20の下半分に示すようにリテーナ部材50により蛇腹管Fを完全に固定することによりロック状態となり、これにより施工作業を完了することになる。
【0060】
ここで、家屋のリフォーム等のために配管の位置を変更するような場合には、この差込式菅継手を分解して再度施工を行う必要が生ずる。このような場合には、この差込式菅継手は、図20の下半分に示すような状態となっており、まず、ナット部材30のヘッド部30Aと継手本体26の先端部との間に介在している分解用リング部材92を切断し、これを取り除く。この分解用リング部材92は、この外側を覆う上記誤挿入防止用カラー部材90を取り外した時に、孔付きの引っ張り耳部92が外側へ露出した状態となるので、この孔92Cにドライバ等を差し込んで外側へ引っ張ることにより、特に薄肉部92Aが容易に切断されることになり、この分解用リング部材92を容易に取り外して除去することができる。
【0061】
このように、この分解用リング部材92を取り外したならば、これが装着されていた部分に隙間ができるので、ナット部材30を更に継手本体26の奥へ押し込む。すると、今までストップリング保持段部64に位置していたストップリング部材40が僅かに奥に押し込まれて移動して分解用拡張段部70に拡開するようにして落ち込み、この結果、ナット部材30と継手本体26との係合が解除されるので、ナット部材30を外側へ抜き出すことが可能となる。これにより、リテーナ部材50が拡開するように復元して蛇腹管Fとの係合が断たれ、この蛇腹管Fを外側へ抜き出すことができる。尚、この時の操作は、図10を参照して説明した時と同じである。
また、この再施工の場合、蛇腹管Fの先端がストッパ部材44と係合されている場合にあっても、少し大きな引き抜き力を要するが、ストッパ部材44、パッキン部材42、リテーナ部材50等を伴ってこの蛇腹管Fを外側へ抜き出すことができる。
【0062】
また、施工時に蛇腹管Fの先端がストッパ部材44に係合されるまでは達していないが、パッキン部材42まで達している場合において、操作者が挿入確認のために蛇腹管Fを引き抜こうとする場合があるが、この場合、先に説明した実施例にあっては、パッキン部材42と蛇腹管Fとが摩擦力により係合状態となっているので、蛇腹管Fの引き抜きによってパッキン部材42も一体的に引き抜き方向に移動し、その結果、このパッキン部材42の先端部、すなわち耐火パッキン42Bがリテーナ部材50に当接してこれを縮径方向へ変形させるので蛇腹管Fをロック状態としてこれが抜けなくなってしまう。
これに対して、本実施例の場合には、パッキン部材42は継手本体26の内壁に設けた突状の抜け防止係合部96に引っ掛かってその移動が阻止されるので、リテーナ部材50を縮径することがなくなるので蛇腹管Fを外側へ抜き出すことができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の差込式管継手によれば、次のような優れた作用効果を発揮することができる。
請求項1〜5、12の発明によれば、蛇腹管が継手本体内へ挿入されるとこの蛇腹管はリング状のリテーナ部材及びパッキン部材内を挿通されてその先端はストッパ部材に当接してパッキン部材の直径を拡縮させながら1山或いは複数山挿通し、ストッパ部材の内周端部は蛇腹管の凹部に嵌まり込んだ状態になり、この状態でナット部材を更に押し込むとこの先端がリテーナ部材と当接してこれを縮径させ、このリテーナ部材の一端部が蛇腹管の凹部へ嵌まり込んだ状態となり、しかもストップリング部材によりナット部材が継手本体側へ固定され、これで挿入固定が完了する。この状態で、蛇腹管に引き抜き方向に力を付与すると、ストッパ部材及びパッキン部材は一体となって引き抜き方向に僅かに移動してリテーナ部材を引き抜き方向へ移動させる力が付与され、或いはリテーナ部材の一端部が蛇腹管の凹部に嵌まり込んでいるので、リテーナ部材を引き抜き方向へ移動させる力が付与され、この時、ナット部材に当接したリテーナ部材はこれが縮径するように力が付与されて蛇腹管の引き抜きが阻止されるように作用するので、蛇腹管を継手本体内に十分に差し込んで挿入し、ナット部材を押し込むだけで、良好なシール性を維持した状態で蛇腹管の接続を行うことができる。従って、差込式管継手の構造をそれ程複雑化させることなく蛇腹管の接続操作を簡単に且つ確実に行なうことができる。
請求項6の発明によれば、再施行を行うために一旦組み付けられた差込式管継手を分解する場合には、前記スペーサ部材を前記ナット部材から取り外してこのナット部材を更に継手本体側へ押し込むことにより、内部のストップリング部材が拡径段部に嵌まり込んでこれ自体が拡径し、これによりナット部材と継手本体との係合を解除することができる。
請求項7及び8の発明によれば、パッキン部材が火災時のような高温に晒されると、この一部の耐火パッキンが膨張するが、この時、移動阻止段部で固定される円環状の拡張ストップリングの作用により、耐火パッキンが蛇腹管と差込式管継手との間の隙間を無秩序に広がることを防止して、これを一箇所に集中させることができ、これにより火災時等においてもシール性を高く維持することができる。
請求項9の発明によれば、蛇腹管の組み付け完了後に、この蛇腹管に引き抜き方向に力が付与された場合、前記リテーナ部材が或る程度、引き抜き方向に移動しても前記パッキン押圧部材が前記ナット部材に当接してこのパッキン押圧部材はほとんど動くことなく、従って、パッキン部材は押圧されて圧縮された状態が維持されるので、シール性が劣化することはなく、高いシール性を維持することができる。
請求項10の発明によれば、ナット部材を押し込んだ時に、弾性パッキン押圧部材がパッキン部材を押圧圧縮した状態で押圧部材固定溝に嵌まり込んで固定されるので、蛇腹管の組み付け完了後に、この蛇腹管に引き抜き方向に力が付与された場合でも、上記弾性パッキン押圧部材の作用により、パッキン部材は押圧されて圧縮された状態が維持されるので、シール性が劣化することはなく、高いシール性を維持することができる。
請求項11の発明によれば、ナット部材を押し込んだ時に、拡径弾性パッキン押圧部材がパッキン部材を押圧圧縮した状態で拡径押圧部材固定溝に嵌まり込んで固定されるので、蛇腹管の組み付け完了後に、この蛇腹管に引き抜き方向に力が付与された場合でも、上記拡径弾性パッキン押圧部材の作用により、パッキン部材は押圧されて圧縮された状態が維持されるので、シール性が劣化することはなく、高いシール性を維持することができる。
請求項13、14の発明によれば、ナット部材のヘッド部と継手本体の先端部との間に誤挿入防止用カラー部材を着脱可能に装着するようにしたので、施工時以外等にナット部材を誤って継手本体内に押し込めてしまうことを防止することができる。
請求項15〜17の発明によれば、家屋のリフォーム等のために差込式管継手を再施工等するためにこれを分解する場合には、ナット部材のヘッド部と継手本体の先端部との間に介在される分解用リング部材を切断して取り外すことにより、上記分解用リング部材の幅に相当する長さだけ上記ナット部材を更に継手本体側へ押し込むことができ、そして、この更なる押し込みが行われるとストップリング部材が分解段部に落とし込められることになるので、継手本体とナット部材との間のロック状態が解除されて、この結果、ナット部材を引き抜き方向へ後退させることが可能となるので蛇腹管も引き抜くことができる。
請求項18の発明によれば、蛇腹管の挿入過程でこの先端がパッキン部材まで達した時に確認のために挿入途中でこの蛇腹管を引き抜いて確認する場合に、上記パッキン部材は抜け防止係合部に引っ掛かるので、パッキン部材が抜け方向へ移動することを防止でき、結果的に、蛇腹管のみを単独で引き抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の差込式管継手と蛇腹管を示す断面図である。
【図2】C字状のストップリング部材を示す斜視図である。
【図3】リング状のストッパ部材を示す斜視図である。
【図4】ストッパ部材を示す図である。
【図5】リテーナ部材を示す斜視図である。
【図6】リテーナ部材の動作を説明する図である。
【図7】本発明の第1実施例の差込式管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程図である。
【図8】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図9】スペーサ部材を示す斜視図である。
【図10】差込式管継手の分解工程を示す図である。
【図11】本発明の第3実施例を示す部分断面図である。
【図12】円環状の拡張ストップリングを示す斜視図である。
【図13】先の実施例と第3実施例の火災時の動作の相異を説明する図である。
【図14】本発明の第4実施例を示す部分断面図である。
【図15】リング状のパッキン押圧部材を示す断面図である。
【図16】先の実施例と第4実施例の引き抜き力付与時の動作の相異を説明する図である。
【図17】本発明の第5実施例の動作を示す部分断面図である。
【図18】C字状の弾性パッキン押圧部材を示す斜視図である。
【図19】本発明の第5実施例の変形例を示す図である。
【図20】本発明の第6実施例を示す断面図である。
【図21】誤挿入防止用カラー部材を示す平面図である。
【図22】誤挿入防止用カラー部材を示す断面図である。
【図23】分解用リング部材を示す平面図である。
【図24】解用リング部材を示す断面図である。
【図25】従来の管継手を示す断面図である。
【符号の説明】
16 差込式管継手
18 凹部
20 凸部
26 継手本体
30 ナット部材
40 ストップリング部材
42 パッキン部材
42A 気密パッキン
42B 耐火パッキン
44 ストッパ部材
46 リング部
48 係合片
50 リテーナ部材
52 前方つば部
54 後方突部
54B 拡開テーパ面
54C 縮径テーパ面
70 拡張段部
72 スペーサ部材
74 拡張ストップリング
76 移動阻止段部
80 パッキン押圧部材
84 弾性パッキン押圧部材
86 縮径用テーパ面
88 押圧部材固定溝
90 誤挿入防止用カラー部材
90A カラー本体
90B 把手
92 分解用リング部材
92A 薄肉部
92B 引っ張り耳部
96 抜け防止係合部
F 蛇腹管

Claims (18)

  1. 外周面が波山状になされた凹凸部を有する蛇腹管を接続する差込式管継手において、
    前記蛇腹管を挿入するための管挿入孔が形成されて内壁面が段部状になされた継手本体と、
    前記継手本体の先端にその長手方向へ摺動可能に取り付けられたリング状のナット部材と、
    前記継手本体の内壁面の前記段部に設けられたパッキン部材と、
    前記パッキン部材の基端部側に設けられて前記蛇腹管が挿入された時に前記蛇腹管の先端に当接して一部が前記蛇腹管の半径方向に弾性的に拡縮しながら前記蛇腹管を内側に挿通させるリング状のストッパ部材と、
    前記ナット部材と前記パッキン部材との間に介在されて前記ナット部材の挿入時に前記パッキン部材を押圧すると共に一端側が前記蛇腹管の中心方向へ弾性的に拡縮可能になされたリング状のリテーナ部材と、
    前記ナット部材に設けられて、前記ナット部材が前記継手本体側に挿入された時に前記ナット部材を固定するストップリング部材とを備え、
    前記ナット部材は、これを前記継手本体へ挿入した時に前記リテーナ部材と当接してこれを縮径方向へ変形させることを特徴とする差込式管継手。
  2. 前記リテーナ部材は、前記ナット部の内壁に摺接する円筒状の前方つば部と、無負荷時に外側へ拡径された状態となる肉厚な後方突部とよりなることを特徴とする請求項1記載の差込式管継手。
  3. 前記後方突部の内面側には、縮径時に前記蛇腹管と当接する拡開テーパ面が形成されると共に、外面側には前記ナット部材と接する縮径テーパ面が形成されることを特徴とする請求項1または2記載の差込式管継手。
  4. 前記後方突部と前記前方つば部には、前記前方つば部の端部の一部を残してその長さ方向へ切り込むようにして形成された複数の切り込み溝が設けられることを特徴とする請求項2または3記載の差込式管継手。
  5. 前記ストッパ部材は、
    前記継手本体側へ固定されるリング部と、
    このリング部の内側に設けられて、前記挿入される蛇腹管の外周面と接触して弾性的に変形する複数の係合片とよりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の差込式管継手。
  6. 前記ナット部材には、前記継手本体への挿入時に、所定量以上挿入されることを防止するために着脱可能になされたスペーサ部材が設けられると共に、前記継手本体の内壁には、前記スペーサ部材を取り外した状態で前記ナット部材を挿入した時に前記ストップリング部材の拡径を許容して前記ナット部材と前記継手本体との係合を解除する拡径段部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の差込式管継手。
  7. 前記パッキン部材は、高温により膨張する耐火パッキンと気密性を有する気密パッキンとよりなり、前記耐火パッキンと前記気密パッキンとの間には円環状の拡張ストップリングが設けられると共に、前記継手本体の内壁には、前記耐火パッキンの膨張時における前記拡張ストップリングの移動を阻止するための移動阻止段部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の差込式管継手。
  8. 前記拡張ストップリングは、断面L字状に形成されていることを特徴とする請求項7記載の差込式管継手。
  9. 前記パッキン部材の一端面には、前記ナット部材が挿入された時に前記ナット部材の先端、或いは前記リテーナ部材の後端と当接して前記パッキン部材を押圧すると共に押圧状態で前記ナット部材と接した、或いは近接した状態となるリング状のパッキン押圧部材が設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の差込式管継手。
  10. 前記パッキン部材の一端面には、前記ナット部材が挿入された時に前記ナット部材の先端、或いは前記リテーナ部材の後端と当接して前記パッキン部材を押圧しつつ縮径する弾性パッキン押圧部材が設けられ、前記継手本体の内壁には、前記弾性パッキン押圧部材を縮径させるための縮径用テーパ面と、前記パッキン部材が押圧された状態で前記弾性パッキン押圧部材を拡径させて固定する押圧部材固定溝が設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の差込式管継手。
  11. 前記パッキン部材は、高温により膨張する耐火パッキンと気密性を有する気密パッキンとよりなり、前記耐火パッキンと前記気密パッキンとの間には円環状の拡張ストップリングが設けられると共に、前記継手本体の内壁には縮径方向へ圧縮された拡径弾性パッキン押圧部材が設けられると共に、前記継手本体の内壁には、前記パッキン部材が押圧された状態で前記拡径弾性パッキン押圧部材を拡径させて固定する拡径押圧部材固定溝が設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の差込式管継手。
  12. 前記ナット部材の端部には、抜け防止テーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の差込式管継手。
  13. 前記ナット部材は、外径の大きなヘッド部と、前記ヘッド部より外径が小さくなされて前記継手本体内へ実質的に挿入される摺動部とよりなり、前記ヘッド部と前記継手本体の先端部との間には所定の幅を有して着脱可能になされた誤挿入防止用カラー部材が介設されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の差込式管継手。
  14. 前記誤挿入防止用カラー部材は、円形リングの一部を切り欠いてなる略リング状の弾発性を有する材料製のカラー本体と、該カラー本体に取り付けられた把手とよりなることを特徴とする請求項13記載の差込式管継手。
  15. 前記ヘッド部と前記継手本体の先端部との間には、前記摺動部を前記継手本体内へ挿入させた際に、前記ヘッド部を前記継手本体の先端部から僅かな距離だけ離間させるために微小な幅を有して切断が容易になされた分解用リング部材が介設され、前記継手本体の内周面には、分解時に前記分解用リング部材を除去して前記ナット部材を更に前記継手本体内へ挿入した時に前記ストップリング部材を落とし込めるための分解用拡径段部が形成されていることを特徴とする請求項13または14記載の差込式管継手。
  16. 前記分解用リング部材の一部には、切断が容易なように厚さが薄くなされた薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項15記載の差込式管継手。
  17. 前記分解用リング部材の一部には、該分解用リング部材を除去する時に引っ張るための引っ張り耳部が形成されていることを特徴とする請求項15または16記載の差込式管継手。
  18. 前記継手本体の内壁には、前記パッキン部材と係合して前記パッキン部材の抜けを阻止するための抜け防止係合部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の差込式管継手。
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