JP4629277B2 - 差込式管継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シール性が良好な差込式管継手に関するものであり、主として蛇腹管を継手本体内に差し込むだけで、良好なシール性と抜け止めが行える差込式管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガス等の流体を流すフレキシブル管を接続する差込式管継手としては、例えば実用新案公報第2565469号公報等にて開示されている継手が知られている。図11は上記公報にて開示されている管継手を示す断面図であり、図示するようにこの管継手は、フレキシブルになされた蛇腹管Fが挿入される接続孔2が形成されたソケット4と、このソケット4の開口端に螺合された締付け部材6と、上記締付け部材6がねじ込み初期位置に位置決めするために上記ソケット4と上記締付け部材6の両端部間に装着した略C字状の位置決め部材8と、上記ソケット4の接続孔2の内部に放射状に配置されて内周面が上記蛇腹管Fの外周面に対応して凹凸状に形成された複数のリテーナ10と、この複数のリテーナ10を内径が拡大縮小するように弾性的に保持する保持部材12を備えている。そして、上記蛇腹管Fを複数のリテーナ10間に挿入した後、位置決め部材8を外して締付け部材6をねじ込んで締め付けることにより、このリテーナ10を接続孔2の底部側へ押圧して、この蛇腹管Fをソケット4に固定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の管継手では、蛇腹管Fを接続孔2内へ挿入した後、位置決め部材8を外してから締付け部材6をソケット4に締め付けるに際して、図示しない工具を用いて、これを行なうようになっている。このため、依然として工具を用いて締め付ける作業が有り、このため、例えば蛇腹管Fを挿入した後この締付けを忘れて漏れを発生させてしまう場合があるなどの問題がある。また、位置決め部材を外す手間が有り、簡単に接続できない。更に、複数のリテーナを保持する弾性保持部材が必要で、構造が複雑である。
【0004】
そこで、本出願人は、先の出願(特願平11−316155号)において、蛇腹管を差し込むだけで簡単に接続できる差込式管継手を開示した。しかしながら、この管継手の場合には、差し込むだけで接続できる、という利点は有するが、内部にスプリング等を設けていることからやや構造が複雑化する、という改良点を有していた。
また、他の従来の管継手として、特開平5−164280号公報、特開平5−312289号公報、特開平6−58474号公報及び特開平6−58475号公報等に開示されているものも知られている。これらの各公知例に示される管継手にあっては、いずれもリング状になされてその直径が弾性的に拡縮可能になされたリングスプリングを用い、これを蛇腹管の凹部に嵌め込んでロック状態とすることにより、蛇腹管が抜け落ちて脱落することを阻止するようになっている。
しかしながら、この場合には、上記リングスプリングは拡径された状態で管継手内へ装着する構造となっているために、拡径状態を保持するための部材が必要となり、部品点数が増大する、といった問題があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、蛇腹管を継手本体内に挿入するだけで確実にシールして装着することができ、しかも、構造が簡単で安全な差込式管継手を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に規定する発明は、外周面が波山状になされた凹凸部を有する蛇腹管を接続する差込式管継手において、前記蛇腹管を挿入するための管挿入孔が形成されて内壁面が段部状になされた継手本体と、前記継手本体の先端に連結されたリング状のナット部材と、前記継手本体の内壁面に摺動可能に設けられたリング状のパッキン部材と、前記ナット部材と前記パッキン部材との間に設けられて、その内径が前記蛇腹管の外径よりも大きくなされると共に内側に前記蛇腹管を挿通させて縮径可能になされたリテーナ部材と、前記パッキン部材の基端部に設けられて挿入される前記蛇腹管の凹部と係合してこれを係止させるストップ部材とを備え、前記ナット部材には、前記蛇腹管に引き抜き方向に力を付与した時に前記リテーナ部材を縮径方向へ変形させて前記蛇腹管の凹部へ押圧する抜け防止テーパ面が形成されていることを特徴とする差込式管継手である。
【0006】
これによれば、蛇腹管が挿入されるとこの先端は、ナット部材内、リテーナ部材内をそれ程抵抗なく通り、更にパッキン部材内はその内壁面を押圧しつつ通り、最終的にストッパ部材が蛇腹管の先端部の凹部と係合することにより装着されることになる。
そして、蛇腹管に引き抜き方向に力を付与すると、この蛇腹管に係止されているストッパ部材にも引き抜き方向に力がかかってパッキン部材にも力が付与されてこれがスライド移動し、先端側に抜け防止テーパ面との間で挟まれているリテーナ部材が縮径して蛇腹管の凹部に嵌まり込んだ状態となる。
このように、ナット部材に形成した抜け防止テーパ面の作用により蛇腹管の引き抜きが阻止されるように作用するので、蛇腹管を継手本体内に十分に差し込んで挿入するだけで、良好なシール性を維持した状態で蛇腹管の接続を行うことができる。従って、差込式管継手の構造をそれ程複雑化させることなく蛇腹管の接続操作を簡単に且つ確実に行なうことが可能となる。
【0007】
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記リテーナ部材は、その直径が弾性的に拡縮可能になされたリング状のコイル部材よりなる。
また、例えば請求項3に規定するように、前記ストッパ部材は、内径が前記蛇腹管の外径よりも大きくなされたリング部と、このリング部より内径方向へ向けて突出されて前記蛇腹管の挿入時に前記蛇腹管の外周面と摺接しつつ弾性的に変形して前記蛇腹管の凹部と係合する係合片とよりなる。
【0008】
また。例えば請求項4に規定するように、前記継手本体の先端部と前記ナット部材の基端部とには、それぞれ互いに螺合するネジ部と、このネジ部に続いて前記継手本体と前記ナット部材とを遊嵌状態で移動可能に結合する平坦盲部とがそれぞれ形成されている。
これによれば、上記ナット部材と継手本体とは遊嵌状態で結合されて、これらを分離するには互いに反対方向へ引っ張った状態で解除方向へ回転させなければならないので、不注意でナット部材や継手本体を回転しても両者の結合が不用意に緩んでしまうことを防止することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る差込式管継手の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の差込式管継手と蛇腹管を示す断面図、図2はコイルリング状のリテーナ部材を示す平面図、図3はストッパ部材を示す側面図、図4はストッパ部材を示す平面図、図5は差込管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程図である。
図示するように、この差込式管継手16は、例えばステンレスよりなるフレキシブルな蛇腹管Fを接続するためのものであり、この蛇腹管Fの外周面は波山状に凹部18及び凸部20が形成され、また、接続される先端部を除いて、軟質塩化ビニールなどの軟質樹脂等よりなる被覆層22により覆われている。また、この被覆層22の一部には、挿入すべき長さ位置を示すマーカ23が予め設けられている。
【0010】
上記差込式管継手16は、上記蛇腹管Fを挿入するために内壁面が複数段に段部状になされて管挿入孔24が形成された継手本体26と、中心に管挿通孔28が形成されたリング状のナット部材30と、継手本体26の内壁面に摺動可能に設けられたリング状のパッキン部材31とにより主に構成されている。上記ナット部材30は、例えば黄銅等によりリング状に形成されており、上記蛇腹管Fを挿通し得る大きさの管挿通孔28を中心に有する。このナット部材30の外面は、例えば円柱状或いは六角柱状になされている。このナット部材30の基端部側は、上記継手本体24の先端に、ネジ部32によって螺合させて連結固定されており、この接合部には円形リング状の弾性体よりなる水密Oリング34を介在させて内部に水分が浸入しないようにしている。
【0011】
このナット部材30の先端側の内周面には、円形リング状の弾性体よりなる水密パッキン36がその周方向に沿って装着されており、この水密パッキン36の内側突部36Aが挿入された蛇腹管Fの被覆層22と密接してシールし、外部より管継手内に腐食水等が浸入することを防止するようになっている。
そして、上記継手本体26の一部にはこの半径方向へ抜ける貫通孔を設け、この貫通孔に内部から外部へ気体を透過するが、固体や液体は透過しない選択透過性部材38(商品名:サンマップ)を装着してある。
この選択透過性部材38は継手内部から外部へ気体が透過するので、万が一蛇腹管Fに釘打ち等で穴が開けられてガス漏れした際、蛇腹管Fの表面とこの外面に被覆した樹脂の被覆層22との間の間隙を伝わってガスが継手内に進入し、このガスが選択透過性部材38を透過して管継手16の外部に噴出することになる。このため蛇腹管Fを配管した後、この管継手16の選択透過性部材38の部分にガス漏れ検出器を近づけることで、蛇腹管Fの穴開き不良を容易に検出することができ、未然にガス事故を防止できる。
【0012】
上記継手本体26の略中央部には、上記したリング状のパッキン部材31がその内壁面に沿って摺動移動可能に設けられている。このパッキン部材31は円形リング状になされた弾性体よりなる耐火パッキン部材40と、これに連設されて円形リング状の弾性体よりなる気密パッキン部材42とよりなる。この耐火パッキン部材40は、例えば熱膨張性黒鉛とゴム材とを一体成形したものよりなり、火災時等の高温に晒されるとこの耐火パッキン42の体積が膨張して内部を密閉するようになっている。また、上記気密パッキン部材42は例えばNBR(ニトリルゴム)等のゴム部材よりなる。これらの耐火パッキン部材40及び気密パッキン部材42の内径は、それぞれ上記蛇腹管Fの凸部20における直径と凹部18における直径との略中間の大きさとなるように設定されており、蛇腹管Fの挿入時に、上記両パッキン部材40、42の内周面を弾性的に押圧しつつこの蛇腹管Fを挿入し得るようになっている。
【0013】
そして、上記パッキン部材31の基端部側には、上記挿入されてくる蛇腹管Fの先端側の凹部18と係合してこれを係止させるストッパ部材44が設けられている。このストッパ部材44の全体は、或る程度の弾性はあるが、比較的硬い例えば樹脂等よりなり、具体的には図3及び図4にも示すように内径L1が上記蛇腹管Fの凸部20の外径より大きくなされたリング部44Aを有し、このリング部44Aからはその内径方向に向けて傾斜された複数の係合片44Bが略均等に配置されている。各係合片44Bは、継手本体26の中心方向へ向かって延びると共に、継手本体26の基端部方向へ傾斜している。そして、各係合片44Bは、弾性的に変形可能になされると共に各係合片44Bの先端位置で形成される内径L2は、上記蛇腹管Fの凹部18の外径よりも僅かに小さくなされており、この結果、上記蛇腹管Fの先端の外周面と摺接しつつ上記各係合片44Bが弾性的に変形して蛇腹管Fの凹部18と係合し得るようになっている。
そして、このストッパ部材44は、上記継手本体26の内壁面に設けた第1の段部26Aで支持されており、これ以上、基端部側へスライド移動することが防止されている。また、この継手本体26の第1の段部26Aの更に奥には、より内径が小さくなされた第2の段部26Bが形成されており、少なくともこの第2の段部26Bよりも奥へ蛇腹管Fが挿入されることを防止している。
【0014】
また、上記ナット部材30の後端部と上記パッキン部材31の先端部との間にはリング状にリテーナ収容空間46が形成されており、このリテーナ収容空間46内に、コイル部材をリング状に成形してなる図2に示すようなコイルリング状のリテーナ部材48が嵌め込んで設けられている。従って、このコイルリング状のリテーナ部材48は、その半径方向へ弾性的に拡縮してその直径を弾性的に変化し得るようになっている。ここで、このリテーナ部材48は、その半径方向へ拡大、或いは縮小していない略自然な状態でこのリテーナ収容空間46内に嵌め込まれている。そして、このリテーナ部材48の内径D2(図2参照)は、上記蛇腹管Fの凸部20の外径よりも、少し大きく設定されており、上記蛇腹管Fが挿入される時にこのリテーナ部材48とほとんど接触することなくこの内側を通ることができるようになっている。
【0015】
そして、上記ナット部材30の基端部には、所定の角度で先端方向に沿ってこの軸心方向に所定の角度で傾斜する抜け防止テーパ面50が形成されており、挿入完了した蛇腹管Fを引き抜き方向に力を付与した時に上記リテーナ部材48を縮径方向へ変形させて蛇腹管Fの凹部18へ押圧してこの蛇腹管Fの抜けを阻止し得るようになっている。
また、上記パッキン部材31の先端部には、上記リテーナ部材48と直接接触する円形リング状のリテーナ押え52が設けられている。このリテーナ押え52は、例えば金属等の硬質材料よりなり、その前面のリテーナ接触面52Aは、上記抜け防止テーパ面50とは反対方向、すなわち継手本体26の後端部側に向けて僅かに傾斜するテーパ面として形成されており、上記蛇腹管Fに対して引き抜き方向へ力が付与された時に上記リテーナ部材48に対してこの縮径方向へ力を付与し得るようになっている。
【0016】
次に、以上のように構成された差込式管継手の使用方法について図5も参照して説明する。
まず、作業者は、図1に示す状態から、蛇腹管Fの先端部を、ナット部材30の管挿通孔28及び継手本体26の管挿入孔24内に挿通させてこれを差し込んで行く。この時の状態は図5(A)に示されている。
この時、リテーナ収容空間46に収容される弾発性のリテーナ部材48の内径は、蛇腹管Fの外径よりも僅かに大きく設定されているので、蛇腹管Fはほとんど無抵抗でこの中を通過する。これに対して、パッキン部材31の内径は上記蛇腹管Fの外径よりも僅かに小さく設定されているので、上記蛇腹管Fの外周面は、弾性体よりなる上記両パッキン部材40、42の内周面と接触してこれを弾性的に押圧変形させながら内部を挿通されて行く。そして、蛇腹管Fの先端は、気密パッキン部材42の後端部側に設けたストッパ部材44と当接することになる。また、蛇腹管Fの挿入と同時に、水密パッキン36のリング状の内側突部36Aは、蛇腹管Fの被覆層22の外周面と当接して折り曲がった状態で接しており、その気密性が保たれることになる。
【0017】
この状態で、更に蛇腹管Fを押し込むと、蛇腹管Fの先端の凸部20は、上記ストッパ部材44の各係合片44Bの弾発力に抗してこれを押し拡げつつ進み、この1山の凸部20が通過すると、図5(B)に示すように凹部18の部分で係合片44Bが弾性的に復帰して凹部18に嵌まり込み、これを係止することになる。図5(B)では蛇腹管Fは1山の凸部20のみが通過した状態を示すが、蛇腹管Fが継手本体26の第2の段部26Bに接するまでは押し込むことができ、また、操作者は蛇腹管Fの1山の凸部20を通過させる毎にクリック感を認識することができる。これにより、蛇腹感Fは管継手16に完全に装着された状態となる。
【0018】
ここで、蛇腹管Fに引き抜き方向に力P(図5(C)参照)が付与された場合には、蛇腹管Fの先端部の凹部18に嵌まり込んでいる係合片44Bを有するストッパ部材44にもこの引き抜き方向に力が加わり、この結果、パッキン部材31の全体が、図5(C)に示すように一体的に継手本体26の先端方向へ距離ΔL1だけスライド移動することになる。この結果、リング状のリテーナ部材48はナット部材30の抜け防止テーパ面50とリテーナ押え52との間に挟み込まれて、このリング状のリテーナ部材48を縮径方向へ押圧することになる。従って、このリテーナ部材48がこの抜け防止テーパ面50と蛇腹管Fの凹部18とリテーナ押え52との間に挟まれてそれ以上の移動がブロックされた状態となり、この蛇腹管Fは管継手16から抜けて脱落することはない。
【0019】
このようにして、管継手16の構造をそれ程複雑化させることなく、蛇腹管Fを管継手16内へ挿入して押し込むだけで確実なシール性を維持しつつ装着することができる。しかも蛇腹管Fが管継手16から抜け出て脱落することも防止することができる。また、ストッパ部材44の係合片44Bが蛇腹管Fの凹凸部18、20を1つ乗り越える毎に、操作者はクリック感を感じることができるので、挿入状態を感覚的に把握することができる。
ここで、上記リテーナ部材48の直径が縮径する時の抵抗力、すなわち縮径抵抗力をW1、ストッパ部材44の各係合片44Bを押し拡げてここを通過する時の荷重、すなわち通過荷重をW2、上記ストッパ部材44の蛇腹間Fに対する抜け防止用の力、すなわち抜け防止力をW3とした場合、各力関係は下記の関係式のようになる。
W3>W1>W2
すなわち、抜け防止力W3を最も大きくし、次に、縮径抵抗力W2を大きくし、そして、通過荷重W2を最も小さくなるように設定する。
尚、上記実施例では、リテーナ部材48としては、図2に示すように円形リング状に成形したコイル部材を用いたが、これに限定されず、例えば図6に示すように例えばステンレス等の比較的薄い金属材料をリング状に成形し、その内の一部に切り欠き60を入れて切断するようにしてもよい。そして、この縮径抵抗力が上記したW1となるように設計する。
【0020】
上記実施例では、リテーナ部材48として円形リング状のコイル部材を用いたが、これに限定されず、図7に示すような構造のリテーナ部材を用いてもよい。
図7はこのようなリテーナ部材の他の変形例を示す斜視図、図8は他の変形例のリテーナ部材を用いた本発明の差込式管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程図、図9は他の変形例のリテーナ部材を示す断面図である。
図示するように、この他の変形例のリテーナ部材64は、これを主として気密パッキン部材42に支持させることによって芯出し状態を維持するようにしている。尚、ここでは図1にて説明した場合と異なり、図8に示すように気密パッキン部材42と耐火パッキン部材40は、互いに前後逆転させて設けている。
【0021】
具体的には、このリテーナ部材64は、全体が例えば黄銅材、ステンレス鋼材等の金属によって成形されており、図7(A)にも示すように、円筒体状の前方突部66とこの一端に、一体的になされて上記気密パッキン部材40に支持される後方つば部68とにより構成される。具体的には、上記円筒体状の後方つば部68の長さL2は例えば7mm程度に設定されている。この後方つば部68の後端部は、上記気密パッキン部材40の先端部に嵌め込んで装着され、或いは埋め込まれて固設されており、このリテーナ部材64の全体を支持固定するようになっている。この後方つば部68に一体的に成形されている円形リング状の前方突部66は、やや肉厚になされており、その先端部側には半径方向の内方に向けて延びるリング状の突起70(図9参照)が形成されている。このリング状の突起70の内径は、上記蛇腹管Fの凸部20の外径よりも大きく設定されている。
【0022】
そして、このリテーナ部材64には、上記前方突部66の端面側から後方つば部68に向けて延びるようにして、すなわち後方つば部68の長さ方向に沿って切り込むようにして、複数の切り込み溝72が設けられている。この切り込み溝72は、上記後方つば部68の端部の一部を残して形成されているので、従って、分割された各後方つば部68や前方突部66は、上記切り残された端部P2(図9参照)を支点として半径方向へ拡縮変形できるようになっている。図示例では上記切り込み溝72はリテーナ部材64の周方向に等間隔で6本形成して、後方つば部68の一部を残してこのリテーナ部材64の全体を6分割しているが、この切り込み溝58の数はこれに限定されず、増減するようにしてもよい。
【0023】
そして、上記分割された各前方突部66の外面側の前方には、蛇腹管Fに引き抜き方向に力を付与した時に、上記ナット部材30に設けた抜け防止テーパ面50と当接してこの前方突部66及び分割されている後方つば部68を縮径方向、すなわちこの管継手の中心軸方向へ弾性的に屈曲変形させる縮径テーパ面66Cが形成されている。
また、ここでは図8に示すようにストッパ部材44を、上記気密パッキン部材42と耐火パッキン部材40との間に介在させて設けてあり、また、継手本体26のストッパ段部26Cからは上記蛇腹管Fの凹部18の内径よりも僅かに小さく設定された外径を有する円筒体状の案内筒73が前方へ延びるようにして設けられている。尚、上記リテーナ部材64を、図7(B)に示すように気密パッキン部材42と一体成形するようにしてもよい。
【0024】
次に、以上のように構成された他の実施例の差込式管継手の使用方法について説明する。尚、図8中の上半分は蛇腹管の挿入を完了した時の状態を示し、下半分は蛇腹管に引き抜き方向に力を付与した時の状態を示す。
まず、作業者は、蛇腹管Fの先端部を、前述したと同様に差込式管継手のナット部材30の管挿通孔28及び継手本体26の管挿入孔24内に挿通させてこれを差し込んで行く。
【0025】
この状態で、更に蛇腹管Fを押し込むと、蛇腹管Fの外周面は、弾性体よりなる上記両パッキン部材42、40の内周面と接触してこれを弾性的に押圧変形させながらスライド移動して行く。また、蛇腹管Fの先端が曲がっている時には案内筒46がその挿入方向を矯正することになる。図8の上半分に示す例では1つの凸部20がリング状のストッパ部材44内を通った状態を示しており、また、蛇腹管Fの挿入と同時に、水密パッキン36のリング状の内側突部36Aは、蛇腹管Fの被覆層22の外周面と当接して折り曲がった状態で接しており、その気密性が保たれることになる。この時、ストッパ部材44の係合片44Bは、蛇腹管Fの凹部18に嵌まり込んでおり、ロック状態となっている。これにより、蛇腹管Fは管継手に完全に装着された状態となる。これ以上、蛇腹管Fを挿入しようとすると、その先端は継手本体26の内部のストッパ段部26Cに当接して、それ以上の挿入が阻止される。
【0026】
ここで、蛇腹管Fに引き抜き方向に力が付与された場合には、図5(C)で説明した場合と同様に作用する。すなわち、蛇腹管Fに引き抜き方向に力が付与された場合には、蛇腹管Fの先端部の凹部18に嵌まり込んでいる係合片44Bを有するストッパ部材44にもこの引き抜き方向に力が加わり、この結果、パッキン部材40、42の全体が、一体的に継手本体26の先端方向(引き抜き方向)へ僅かな距離だけスライド移動することになる。この結果、このリテーナ部材64の前方突部66の縮径テーパ面66Cがナット部材30の抜け防止テーパ面50と接触し、この前方突部66を縮径方向、すなわち管継手の中心軸方向へ押圧することになる。この結果、この前方突部66の突起70が蛇腹管Fの凹部18内に益々強固に押し付けられるので、それ以上の移動がブロックされた状態となり、この蛇腹管Fは管継手から抜けて脱落することはない。
【0027】
このようにして、管継手の構造をそれ程複雑化させることなく、蛇腹管Fを管継手内へ挿入して押し込むだけで確実なシール性を維持しつつ装着することができる。しかも蛇腹管Fが管継手から抜け出て脱落することも防止することができる。また、ストッパ部材44が蛇腹管Fの凹凸部18、20を1つ乗り越える毎に、操作者はクリック感を感じることができるので、挿入状態を感覚的に把握することができる。
ここで、上記リテーナ部材64の直径が縮径する時の抵抗力、すなわち縮径抵抗力をW1、ストッパ部材44の各係合片44Bを押し拡げてここを通過する時の荷重、すなわち通過荷重をW2、上記ストッパ部材44の蛇腹間Fに対する抜け防止用の力、すなわち抜け防止力をW3とした場合、各力関係は下記の関係式のようになる。
W3>W1>W2
すなわち、抜け防止力W3を最も大きくし、次に、縮径抵抗力W2を大きくし、そして、通過荷重W2を最も小さくなるように設定する。
また、リテーナ部材64の基端部側は気密パッキン部材42に嵌め込んで装着され、或いは固定的に支持されているので、このリテーナ部材64は、管継手の半径方向へ位置ずれすることがなく、これを常に芯出し状態で保持することが可能となる。
【0028】
また、上記実施例に示す管継手にあっては、継手本体26とナット部材30とを互いにネジ部32によって螺合させて強固に固定的に接合したが、これに限定されず、図10に示すように構成してもよい。ここでは、図1に示す管継手を変形した場合を示すが、継手本体26のネジ部32Aとナット部材30のネジ部32Bとを互いにその長さ方向において部分的に設け、各ネジ部30A、30Bに続いて、平坦になされて各ネジ部30A、30Bが遊嵌できるような平坦盲部62A、62Bを所定の幅だけ形成している。従って、互いのネジ部32A、32Bの螺合を進めて行くと、螺合状態が解除されるようになっている。そして、継手本体26とナット部材30とは、互いの軸方向に沿って距離ΔL2の遊びをもって遊嵌状態で結合されている。
【0029】
これによれば、上記ナット部材30と継手本体26とは遊嵌状態で結合されて、これらを分離するには互いに反対方向へ引っ張った状態で解除方向へ回転させなければならないので、不注意でナット部材30や継手本体26を回転しても両者の結合が不用意に緩んでしまうことを防止することが可能となる、という利点を有する。
尚、上記各実施例における各部材の材料は、単に一例を示したに過ぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の差込式管継手によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
請求項1〜3に規定する発明によれば、蛇腹管が挿入されるとこの先端は、ナット部材内、リテーナ部材内をそれ程抵抗なく通り、更にパッキン部材内はその内壁面を押圧しつつ通り、最終的にストッパ部材が蛇腹管の先端部の凹部と係合することにより装着されることになり、そして、蛇腹管に引き抜き方向に力を付与すると、この蛇腹管に係止されているストッパ部材にも引き抜き方向に力がかかってパッキン部材にも力が付与されてこれがスライド移動し、先端側に抜け防止テーパ面との間で挟まれているリテーナ部材が縮径して蛇腹管の凹部に嵌まり込んだ状態となるので、この結果、ナット部材に形成した抜け防止テーパ面の作用により蛇腹管の引き抜きが阻止されるように作用するので、蛇腹管を継手本体内に十分に差し込んで挿入するだけで、良好なシール性を維持した状態で蛇腹管の接続を行うことができる。従って、差込式管継手の構造をそれ程複雑化させることなく蛇腹管の接続操作を簡単に且つ確実に行なうことができる。
請求項4に規定する発明によれば、ナット部材と継手本体とは遊嵌状態で結合されて、これらを分離するには互いに反対方向へ引っ張った状態で解除方向へ回転させなければならないので、不注意でナット部材や継手本体を回転しても両者の結合が不用意に緩んでしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差込式管継手と蛇腹管を示す断面図である。
【図2】コイルリング状のリテーナ部材を示す平面図である。
【図3】ストッパ部材を示す側面図である。
【図4】ストッパ部材を示す平面図である。
【図5】差込管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程図である。
【図6】リテーナ部材の変形例を示す斜視図である。
【図7】リテーナ部材の他の変形例を示す斜視図である。
【図8】他の変形例のリテーナ部材を用いた本発明の差込式管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程図である。
【図9】他の変形例のリテーナ部材を示す断面図である。
【図10】本発明の差込式管継手の更に他の変形例を示す図である。
【図11】従来の一般的な差込式管継手を示す断面図である。
【符号の説明】
16 差込式管継手
18 凹部
20 凸部
22 被覆層
26 継手本体
30 ナット部材
31 パッキン部材
32A,32B ネジ部
40 耐火パッキン部材
42 気密パッキン部材
44 ストッパ部材
44A リング部
44B 係合片
48 リテーナ部材
50 抜け防止テーパ面
62A,62B 平坦盲部
F 蛇腹管

Claims (4)

  1. 外周面が波山状になされた凹凸部を有する蛇腹管を接続する差込式管継手において、
    前記蛇腹管を挿入するための管挿入孔が形成されて内壁面が段部状になされた継手本体と、
    前記継手本体の先端に連結されたリング状のナット部材と、
    前記継手本体の内壁面に摺動可能に設けられたリング状のパッキン部材と、
    前記ナット部材と前記パッキン部材との間に設けられて、その内径が前記蛇腹管の外径よりも大きくなされると共に内側に前記蛇腹管を挿通させて縮径可能になされたリテーナ部材と、
    前記パッキン部材の基端部に設けられて挿入される前記蛇腹管の凹部と係合してこれを係止させるストップ部材とを備え、
    前記ナット部材には、前記蛇腹管に引き抜き方向に力を付与した時に前記リテーナ部材を縮径方向へ変形させて前記蛇腹管の凹部へ押圧する抜け防止テーパ面が形成されていることを特徴とする差込式管継手。
  2. 前記リテーナ部材は、その直径が弾性的に拡縮可能になされたリング状のコイル部材よりなることを特徴とする請求項1記載の差込式管継手。
  3. 前記ストッパ部材は、内径が前記蛇腹管の外径よりも大きくなされたリング部と、
    このリング部より内径方向へ向けて突出されて前記蛇腹管の挿入時に前記蛇腹管の外周面と摺接しつつ弾性的に変形して前記蛇腹管の凹部と係合する係合片とよりなることを特徴とする請求項1または2記載の差込式管継手。
  4. 前記継手本体の先端部と前記ナット部材の基端部とには、それぞれ互いに螺合するネジ部と、このネジ部に続いて前記継手本体と前記ナット部材とを遊嵌状態で移動可能に結合する平坦盲部とがそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の差込式管継手。
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