JP2003028364A - 差込式管継手 - Google Patents

差込式管継手

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JP2003028364A JP2001220432A JP2001220432A JP2003028364A JP 2003028364 A JP2003028364 A JP 2003028364A JP 2001220432 A JP2001220432 A JP 2001220432A JP 2001220432 A JP2001220432 A JP 2001220432A JP 2003028364 A JP2003028364 A JP 2003028364A
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bellows
retainer
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pipe joint
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智之 南
Fumitaka Sato
文隆 佐藤
Yasushi Fujinawa
靖志 藤縄
Minoru Fujiyoshi
稔 藤吉
Shinya Kasai
伸哉 河西
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Sanko Gas Seiki Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
Sanko Gas Seiki Ltd
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  • Quick-Acting Or Multi-Walled Pipe Joints (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛇腹管を継手本体内に挿入するだけで確実に
シールして装着することができ、しかも、構造が簡単で
安全な差込式管継手を提供する。 【解決手段】 外周面が波山状になされた凹凸部18,
20を有する蛇腹管Fを接続する差込式管継手におい
て、前記蛇腹管を挿入するための管挿入孔が形成されて
内壁面が段部状になされた継手本体26と、前記継手本
体の先端に連結されたリング状のナット部材30と、前
記継手本体の内壁面に摺動可能に設けられたリング状の
パッキン部材31と、前記ナット部材と前記パッキン部
材との間に設けられて、その内径が前記蛇腹管の外径よ
りも大きくなされると共に内側に前記蛇腹管を挿通させ
て縮径可能になされたリテーナ部材48と、前記パッキ
ン部材の基端部に設けられて挿入される前記蛇腹管の凹
部と係合してこれを係止させるストップ部材44とを備
え、前記ナット部材には、前記蛇腹管に引き抜き方向に
力を付与した時に前記リテーナ部材を縮径方向へ変形さ
せて前記蛇腹管の凹部へ押圧する抜け防止テーパ面が形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シール性が良好な
差込式管継手に関するものであり、主として蛇腹管を継
手本体内に差し込むだけで、良好なシール性と抜け止め
が行える差込式管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガス等の流体を流すフレキシブ
ル管を接続する差込式管継手としては、例えば実用新案
公報第2565469号公報等にて開示されている継手
が知られている。図11は上記公報にて開示されている
管継手を示す断面図であり、図示するようにこの管継手
は、フレキシブルになされた蛇腹管Fが挿入される接続
孔2が形成されたソケット4と、このソケット4の開口
端に螺合された締付け部材6と、上記締付け部材6がね
じ込み初期位置に位置決めするために上記ソケット4と
上記締付け部材6の両端部間に装着した略C字状の位置
決め部材8と、上記ソケット4の接続孔2の内部に放射
状に配置されて内周面が上記蛇腹管Fの外周面に対応し
て凹凸状に形成された複数のリテーナ10と、この複数
のリテーナ10を内径が拡大縮小するように弾性的に保
持する保持部材12を備えている。そして、上記蛇腹管
Fを複数のリテーナ10間に挿入した後、位置決め部材
8を外して締付け部材6をねじ込んで締め付けることに
より、このリテーナ10を接続孔2の底部側へ押圧し
て、この蛇腹管Fをソケット4に固定するようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の管継手では、蛇腹管Fを接続孔2内へ挿入した後、
位置決め部材8を外してから締付け部材6をソケット4
に締め付けるに際して、図示しない工具を用いて、これ
を行なうようになっている。このため、依然として工具
を用いて締め付ける作業が有り、このため、例えば蛇腹
管Fを挿入した後この締付けを忘れて漏れを発生させて
しまう場合があるなどの問題がある。また、位置決め部
材を外す手間が有り、簡単に接続できない。更に、複数
のリテーナを保持する弾性保持部材が必要で、構造が複
雑である。
【0004】そこで、本出願人は、先の出願(特願平1
1−316155号)において、蛇腹管を差し込むだけ
で簡単に接続できる差込式管継手を開示した。しかしな
がら、この管継手の場合には、差し込むだけで接続でき
る、という利点は有するが、内部にスプリング等を設け
ていることからやや構造が複雑化する、という改良点を
有していた。また、他の従来の管継手として、特開平5
−164280号公報、特開平5−312289号公
報、特開平6−58474号公報及び特開平6−584
75号公報等に開示されているものも知られている。こ
れらの各公知例に示される管継手にあっては、いずれも
リング状になされてその直径が弾性的に拡縮可能になさ
れたリングスプリングを用い、これを蛇腹管の凹部に嵌
め込んでロック状態とすることにより、蛇腹管が抜け落
ちて脱落することを阻止するようになっている。しかし
ながら、この場合には、上記リングスプリングは拡径さ
れた状態で管継手内へ装着する構造となっているため
に、拡径状態を保持するための部材が必要となり、部品
点数が増大する、といった問題があった。本発明は、以
上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創
案されたものである。本発明の目的は、蛇腹管を継手本
体内に挿入するだけで確実にシールして装着することが
でき、しかも、構造が簡単で安全な差込式管継手を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に規定する発明
は、外周面が波山状になされた凹凸部を有する蛇腹管を
接続する差込式管継手において、前記蛇腹管を挿入する
ための管挿入孔が形成されて内壁面が段部状になされた
継手本体と、前記継手本体の先端に連結されたリング状
のナット部材と、前記継手本体の内壁面に摺動可能に設
けられたリング状のパッキン部材と、前記ナット部材と
前記パッキン部材との間に設けられて、その内径が前記
蛇腹管の外径よりも大きくなされると共に内側に前記蛇
腹管を挿通させて縮径可能になされたリテーナ部材と、
前記パッキン部材の基端部に設けられて挿入される前記
蛇腹管の凹部と係合してこれを係止させるストップ部材
とを備え、前記ナット部材には、前記蛇腹管に引き抜き
方向に力を付与した時に前記リテーナ部材を縮径方向へ
変形させて前記蛇腹管の凹部へ押圧する抜け防止テーパ
面が形成されていることを特徴とする差込式管継手であ
る。
【0006】これによれば、蛇腹管が挿入されるとこの
先端は、ナット部材内、リテーナ部材内をそれ程抵抗な
く通り、更にパッキン部材内はその内壁面を押圧しつつ
通り、最終的にストッパ部材が蛇腹管の先端部の凹部と
係合することにより装着されることになる。そして、蛇
腹管に引き抜き方向に力を付与すると、この蛇腹管に係
止されているストッパ部材にも引き抜き方向に力がかか
ってパッキン部材にも力が付与されてこれがスライド移
動し、先端側に抜け防止テーパ面との間で挟まれている
リテーナ部材が縮径して蛇腹管の凹部に嵌まり込んだ状
態となる。このように、ナット部材に形成した抜け防止
テーパ面の作用により蛇腹管の引き抜きが阻止されるよ
うに作用するので、蛇腹管を継手本体内に十分に差し込
んで挿入するだけで、良好なシール性を維持した状態で
蛇腹管の接続を行うことができる。従って、差込式管継
手の構造をそれ程複雑化させることなく蛇腹管の接続操
作を簡単に且つ確実に行なうことが可能となる。
【0007】この場合、例えば請求項2に規定するよう
に、前記リテーナ部材は、その直径が弾性的に拡縮可能
になされたリング状のコイル部材よりなる。また、例え
ば請求項3に規定するように、前記ストッパ部材は、内
径が前記蛇腹管の外径よりも大きくなされたリング部
と、このリング部より内径方向へ向けて突出されて前記
蛇腹管の挿入時に前記蛇腹管の外周面と摺接しつつ弾性
的に変形して前記蛇腹管の凹部と係合する係合片とより
なる。
【0008】また。例えば請求項4に規定するように、
前記継手本体の先端部と前記ナット部材の基端部とに
は、それぞれ互いに螺合するネジ部と、このネジ部に続
いて前記継手本体と前記ナット部材とを遊嵌状態で移動
可能に結合する平坦盲部とがそれぞれ形成されている。
これによれば、上記ナット部材と継手本体とは遊嵌状態
で結合されて、これらを分離するには互いに反対方向へ
引っ張った状態で解除方向へ回転させなければならない
ので、不注意でナット部材や継手本体を回転しても両者
の結合が不用意に緩んでしまうことを防止することが可
能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る差込式管継
手の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本
発明の差込式管継手と蛇腹管を示す断面図、図2はコイ
ルリング状のリテーナ部材を示す平面図、図3はストッ
パ部材を示す側面図、図4はストッパ部材を示す平面
図、図5は差込管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工
程図である。図示するように、この差込式管継手16
は、例えばステンレスよりなるフレキシブルな蛇腹管F
を接続するためのものであり、この蛇腹管Fの外周面は
波山状に凹部18及び凸部20が形成され、また、接続
される先端部を除いて、軟質塩化ビニールなどの軟質樹
脂等よりなる被覆層22により覆われている。また、こ
の被覆層22の一部には、挿入すべき長さ位置を示すマ
ーカ23が予め設けられている。
【0010】上記差込式管継手16は、上記蛇腹管Fを
挿入するために内壁面が複数段に段部状になされて管挿
入孔24が形成された継手本体26と、中心に管挿通孔
28が形成されたリング状のナット部材30と、継手本
体26の内壁面に摺動可能に設けられたリング状のパッ
キン部材31とにより主に構成されている。上記ナット
部材30は、例えば黄銅等によりリング状に形成されて
おり、上記蛇腹管Fを挿通し得る大きさの管挿通孔28
を中心に有する。このナット部材30の外面は、例えば
円柱状或いは六角柱状になされている。このナット部材
30の基端部側は、上記継手本体24の先端に、ネジ部
32によって螺合させて連結固定されており、この接合
部には円形リング状の弾性体よりなる水密Oリング34
を介在させて内部に水分が浸入しないようにしている。
【0011】このナット部材30の先端側の内周面に
は、円形リング状の弾性体よりなる水密パッキン36が
その周方向に沿って装着されており、この水密パッキン
36の内側突部36Aが挿入された蛇腹管Fの被覆層2
2と密接してシールし、外部より管継手内に腐食水等が
浸入することを防止するようになっている。そして、上
記継手本体26の一部にはこの半径方向へ抜ける貫通孔
を設け、この貫通孔に内部から外部へ気体を透過する
が、固体や液体は透過しない選択透過性部材38(商品
名:サンマップ)を装着してある。この選択透過性部材
38は継手内部から外部へ気体が透過するので、万が一
蛇腹管Fに釘打ち等で穴が開けられてガス漏れした際、
蛇腹管Fの表面とこの外面に被覆した樹脂の被覆層22
との間の間隙を伝わってガスが継手内に進入し、このガ
スが選択透過性部材38を透過して管継手16の外部に
噴出することになる。このため蛇腹管Fを配管した後、
この管継手16の選択透過性部材38の部分にガス漏れ
検出器を近づけることで、蛇腹管Fの穴開き不良を容易
に検出することができ、未然にガス事故を防止できる。
【0012】上記継手本体26の略中央部には、上記し
たリング状のパッキン部材31がその内壁面に沿って摺
動移動可能に設けられている。このパッキン部材31は
円形リング状になされた弾性体よりなる耐火パッキン部
材40と、これに連設されて円形リング状の弾性体より
なる気密パッキン部材42とよりなる。この耐火パッキ
ン部材40は、例えば熱膨張性黒鉛とゴム材とを一体成
形したものよりなり、火災時等の高温に晒されるとこの
耐火パッキン42の体積が膨張して内部を密閉するよう
になっている。また、上記気密パッキン部材42は例え
ばNBR(ニトリルゴム)等のゴム部材よりなる。これ
らの耐火パッキン部材40及び気密パッキン部材42の
内径は、それぞれ上記蛇腹管Fの凸部20における直径
と凹部18における直径との略中間の大きさとなるよう
に設定されており、蛇腹管Fの挿入時に、上記両パッキ
ン部材40、42の内周面を弾性的に押圧しつつこの蛇
腹管Fを挿入し得るようになっている。
【0013】そして、上記パッキン部材31の基端部側
には、上記挿入されてくる蛇腹管Fの先端側の凹部18
と係合してこれを係止させるストッパ部材44が設けら
れている。このストッパ部材44の全体は、或る程度の
弾性はあるが、比較的硬い例えば樹脂等よりなり、具体
的には図3及び図4にも示すように内径L1が上記蛇腹
管Fの凸部20の外径より大きくなされたリング部44
Aを有し、このリング部44Aからはその内径方向に向
けて傾斜された複数の係合片44Bが略均等に配置され
ている。各係合片44Bは、継手本体26の中心方向へ
向かって延びると共に、継手本体26の基端部方向へ傾
斜している。そして、各係合片44Bは、弾性的に変形
可能になされると共に各係合片44Bの先端位置で形成
される内径L2は、上記蛇腹管Fの凹部18の外径より
も僅かに小さくなされており、この結果、上記蛇腹管F
の先端の外周面と摺接しつつ上記各係合片44Bが弾性
的に変形して蛇腹管Fの凹部18と係合し得るようにな
っている。そして、このストッパ部材44は、上記継手
本体26の内壁面に設けた第1の段部26Aで支持され
ており、これ以上、基端部側へスライド移動することが
防止されている。また、この継手本体26の第1の段部
26Aの更に奥には、より内径が小さくなされた第2の
段部26Bが形成されており、少なくともこの第2の段
部26Bよりも奥へ蛇腹管Fが挿入されることを防止し
ている。
【0014】また、上記ナット部材30の後端部と上記
パッキン部材31の先端部との間にはリング状にリテー
ナ収容空間46が形成されており、このリテーナ収容空
間46内に、コイル部材をリング状に成形してなる図2
に示すようなコイルリング状のリテーナ部材48が嵌め
込んで設けられている。従って、このコイルリング状の
リテーナ部材48は、その半径方向へ弾性的に拡縮して
その直径を弾性的に変化し得るようになっている。ここ
で、このリテーナ部材48は、その半径方向へ拡大、或
いは縮小していない略自然な状態でこのリテーナ収容空
間46内に嵌め込まれている。そして、このリテーナ部
材48の内径D2(図2参照)は、上記蛇腹管Fの凸部
20の外径よりも、少し大きく設定されており、上記蛇
腹管Fが挿入される時にこのリテーナ部材48とほとん
ど接触することなくこの内側を通ることができるように
なっている。
【0015】そして、上記ナット部材30の基端部に
は、所定の角度で先端方向に沿ってこの軸心方向に所定
の角度で傾斜する抜け防止テーパ面50が形成されてお
り、挿入完了した蛇腹管Fを引き抜き方向に力を付与し
た時に上記リテーナ部材48を縮径方向へ変形させて蛇
腹管Fの凹部18へ押圧してこの蛇腹管Fの抜けを阻止
し得るようになっている。また、上記パッキン部材31
の先端部には、上記リテーナ部材48と直接接触する円
形リング状のリテーナ押え52が設けられている。この
リテーナ押え52は、例えば金属等の硬質材料よりな
り、その前面のリテーナ接触面52Aは、上記抜け防止
テーパ面50とは反対方向、すなわち継手本体26の後
端部側に向けて僅かに傾斜するテーパ面として形成され
ており、上記蛇腹管Fに対して引き抜き方向へ力が付与
された時に上記リテーナ部材48に対してこの縮径方向
へ力を付与し得るようになっている。
【0016】次に、以上のように構成された差込式管継
手の使用方法について図5も参照して説明する。まず、
作業者は、図1に示す状態から、蛇腹管Fの先端部を、
ナット部材30の管挿通孔28及び継手本体26の管挿
入孔24内に挿通させてこれを差し込んで行く。この時
の状態は図5(A)に示されている。この時、リテーナ
収容空間46に収容される弾発性のリテーナ部材48の
内径は、蛇腹管Fの外径よりも僅かに大きく設定されて
いるので、蛇腹管Fはほとんど無抵抗でこの中を通過す
る。これに対して、パッキン部材31の内径は上記蛇腹
管Fの外径よりも僅かに小さく設定されているので、上
記蛇腹管Fの外周面は、弾性体よりなる上記両パッキン
部材40、42の内周面と接触してこれを弾性的に押圧
変形させながら内部を挿通されて行く。そして、蛇腹管
Fの先端は、気密パッキン部材42の後端部側に設けた
ストッパ部材44と当接することになる。また、蛇腹管
Fの挿入と同時に、水密パッキン36のリング状の内側
突部36Aは、蛇腹管Fの被覆層22の外周面と当接し
て折り曲がった状態で接しており、その気密性が保たれ
ることになる。
【0017】この状態で、更に蛇腹管Fを押し込むと、
蛇腹管Fの先端の凸部20は、上記ストッパ部材44の
各係合片44Bの弾発力に抗してこれを押し拡げつつ進
み、この1山の凸部20が通過すると、図5(B)に示
すように凹部18の部分で係合片44Bが弾性的に復帰
して凹部18に嵌まり込み、これを係止することにな
る。図5(B)では蛇腹管Fは1山の凸部20のみが通
過した状態を示すが、蛇腹管Fが継手本体26の第2の
段部26Bに接するまでは押し込むことができ、また、
操作者は蛇腹管Fの1山の凸部20を通過させる毎にク
リック感を認識することができる。これにより、蛇腹感
Fは管継手16に完全に装着された状態となる。
【0018】ここで、蛇腹管Fに引き抜き方向に力P
(図5(C)参照)が付与された場合には、蛇腹管Fの
先端部の凹部18に嵌まり込んでいる係合片44Bを有
するストッパ部材44にもこの引き抜き方向に力が加わ
り、この結果、パッキン部材31の全体が、図5(C)
に示すように一体的に継手本体26の先端方向へ距離Δ
L1だけスライド移動することになる。この結果、リン
グ状のリテーナ部材48はナット部材30の抜け防止テ
ーパ面50とリテーナ押え52との間に挟み込まれて、
このリング状のリテーナ部材48を縮径方向へ押圧する
ことになる。従って、このリテーナ部材48がこの抜け
防止テーパ面50と蛇腹管Fの凹部18とリテーナ押え
52との間に挟まれてそれ以上の移動がブロックされた
状態となり、この蛇腹管Fは管継手16から抜けて脱落
することはない。
【0019】このようにして、管継手16の構造をそれ
程複雑化させることなく、蛇腹管Fを管継手16内へ挿
入して押し込むだけで確実なシール性を維持しつつ装着
することができる。しかも蛇腹管Fが管継手16から抜
け出て脱落することも防止することができる。また、ス
トッパ部材44の係合片44Bが蛇腹管Fの凹凸部1
8、20を1つ乗り越える毎に、操作者はクリック感を
感じることができるので、挿入状態を感覚的に把握する
ことができる。ここで、上記リテーナ部材48の直径が
縮径する時の抵抗力、すなわち縮径抵抗力をW1、スト
ッパ部材44の各係合片44Bを押し拡げてここを通過
する時の荷重、すなわち通過荷重をW2、上記ストッパ
部材44の蛇腹間Fに対する抜け防止用の力、すなわち
抜け防止力をW3とした場合、各力関係は下記の関係式
のようになる。 W3>W1>W2 すなわち、抜け防止力W3を最も大きくし、次に、縮径
抵抗力W2を大きくし、そして、通過荷重W2を最も小
さくなるように設定する。尚、上記実施例では、リテー
ナ部材48としては、図2に示すように円形リング状に
成形したコイル部材を用いたが、これに限定されず、例
えば図6に示すように例えばステンレス等の比較的薄い
金属材料をリング状に成形し、その内の一部に切り欠き
60を入れて切断するようにしてもよい。そして、この
縮径抵抗力が上記したW1となるように設計する。
【0020】上記実施例では、リテーナ部材48として
円形リング状のコイル部材を用いたが、これに限定され
ず、図7に示すような構造のリテーナ部材を用いてもよ
い。図7はこのようなリテーナ部材の他の変形例を示す
斜視図、図8は他の変形例のリテーナ部材を用いた本発
明の差込式管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程
図、図9は他の変形例のリテーナ部材を示す断面図であ
る。図示するように、この他の変形例のリテーナ部材6
4は、これを主として気密パッキン部材42に支持させ
ることによって芯出し状態を維持するようにしている。
尚、ここでは図1にて説明した場合と異なり、図8に示
すように気密パッキン部材42と耐火パッキン部材40
は、互いに前後逆転させて設けている。
【0021】具体的には、このリテーナ部材64は、全
体が例えば黄銅材、ステンレス鋼材等の金属によって成
形されており、図7(A)にも示すように、円筒体状の
前方突部66とこの一端に、一体的になされて上記気密
パッキン部材40に支持される後方つば部68とにより
構成される。具体的には、上記円筒体状の後方つば部6
8の長さL2は例えば7mm程度に設定されている。こ
の後方つば部68の後端部は、上記気密パッキン部材4
0の先端部に嵌め込んで装着され、或いは埋め込まれて
固設されており、このリテーナ部材64の全体を支持固
定するようになっている。この後方つば部68に一体的
に成形されている円形リング状の前方突部66は、やや
肉厚になされており、その先端部側には半径方向の内方
に向けて延びるリング状の突起70(図9参照)が形成
されている。このリング状の突起70の内径は、上記蛇
腹管Fの凸部20の外径よりも大きく設定されている。
【0022】そして、このリテーナ部材64には、上記
前方突部66の端面側から後方つば部68に向けて延び
るようにして、すなわち後方つば部68の長さ方向に沿
って切り込むようにして、複数の切り込み溝72が設け
られている。この切り込み溝72は、上記後方つば部6
8の端部の一部を残して形成されているので、従って、
分割された各後方つば部68や前方突部66は、上記切
り残された端部P2(図9参照)を支点として半径方向
へ拡縮変形できるようになっている。図示例では上記切
り込み溝72はリテーナ部材64の周方向に等間隔で6
本形成して、後方つば部68の一部を残してこのリテー
ナ部材64の全体を6分割しているが、この切り込み溝
58の数はこれに限定されず、増減するようにしてもよ
い。
【0023】そして、上記分割された各前方突部66の
外面側の前方には、蛇腹管Fに引き抜き方向に力を付与
した時に、上記ナット部材30に設けた抜け防止テーパ
面50と当接してこの前方突部66及び分割されている
後方つば部68を縮径方向、すなわちこの管継手の中心
軸方向へ弾性的に屈曲変形させる縮径テーパ面66Cが
形成されている。また、ここでは図8に示すようにスト
ッパ部材44を、上記気密パッキン部材42と耐火パッ
キン部材40との間に介在させて設けてあり、また、継
手本体26のストッパ段部26Cからは上記蛇腹管Fの
凹部18の内径よりも僅かに小さく設定された外径を有
する円筒体状の案内筒73が前方へ延びるようにして設
けられている。尚、上記リテーナ部材64を、図7
(B)に示すように気密パッキン部材42と一体成形す
るようにしてもよい。
【0024】次に、以上のように構成された他の実施例
の差込式管継手の使用方法について説明する。尚、図8
中の上半分は蛇腹管の挿入を完了した時の状態を示し、
下半分は蛇腹管に引き抜き方向に力を付与した時の状態
を示す。まず、作業者は、蛇腹管Fの先端部を、前述し
たと同様に差込式管継手のナット部材30の管挿通孔2
8及び継手本体26の管挿入孔24内に挿通させてこれ
を差し込んで行く。
【0025】この状態で、更に蛇腹管Fを押し込むと、
蛇腹管Fの外周面は、弾性体よりなる上記両パッキン部
材42、40の内周面と接触してこれを弾性的に押圧変
形させながらスライド移動して行く。また、蛇腹管Fの
先端が曲がっている時には案内筒46がその挿入方向を
矯正することになる。図8の上半分に示す例では1つの
凸部20がリング状のストッパ部材44内を通った状態
を示しており、また、蛇腹管Fの挿入と同時に、水密パ
ッキン36のリング状の内側突部36Aは、蛇腹管Fの
被覆層22の外周面と当接して折り曲がった状態で接し
ており、その気密性が保たれることになる。この時、ス
トッパ部材44の係合片44Bは、蛇腹管Fの凹部18
に嵌まり込んでおり、ロック状態となっている。これに
より、蛇腹管Fは管継手に完全に装着された状態とな
る。これ以上、蛇腹管Fを挿入しようとすると、その先
端は継手本体26の内部のストッパ段部26Cに当接し
て、それ以上の挿入が阻止される。
【0026】ここで、蛇腹管Fに引き抜き方向に力が付
与された場合には、図5(C)で説明した場合と同様に
作用する。すなわち、蛇腹管Fに引き抜き方向に力が付
与された場合には、蛇腹管Fの先端部の凹部18に嵌ま
り込んでいる係合片44Bを有するストッパ部材44に
もこの引き抜き方向に力が加わり、この結果、パッキン
部材40、42の全体が、一体的に継手本体26の先端
方向(引き抜き方向)へ僅かな距離だけスライド移動す
ることになる。この結果、このリテーナ部材64の前方
突部66の縮径テーパ面66Cがナット部材30の抜け
防止テーパ面50と接触し、この前方突部66を縮径方
向、すなわち管継手の中心軸方向へ押圧することにな
る。この結果、この前方突部66の突起70が蛇腹管F
の凹部18内に益々強固に押し付けられるので、それ以
上の移動がブロックされた状態となり、この蛇腹管Fは
管継手から抜けて脱落することはない。
【0027】このようにして、管継手の構造をそれ程複
雑化させることなく、蛇腹管Fを管継手内へ挿入して押
し込むだけで確実なシール性を維持しつつ装着すること
ができる。しかも蛇腹管Fが管継手から抜け出て脱落す
ることも防止することができる。また、ストッパ部材4
4が蛇腹管Fの凹凸部18、20を1つ乗り越える毎
に、操作者はクリック感を感じることができるので、挿
入状態を感覚的に把握することができる。ここで、上記
リテーナ部材64の直径が縮径する時の抵抗力、すなわ
ち縮径抵抗力をW1、ストッパ部材44の各係合片44
Bを押し拡げてここを通過する時の荷重、すなわち通過
荷重をW2、上記ストッパ部材44の蛇腹間Fに対する
抜け防止用の力、すなわち抜け防止力をW3とした場
合、各力関係は下記の関係式のようになる。W3>W1
>W2すなわち、抜け防止力W3を最も大きくし、次
に、縮径抵抗力W2を大きくし、そして、通過荷重W2
を最も小さくなるように設定する。また、リテーナ部材
64の基端部側は気密パッキン部材42に嵌め込んで装
着され、或いは固定的に支持されているので、このリテ
ーナ部材64は、管継手の半径方向へ位置ずれすること
がなく、これを常に芯出し状態で保持することが可能と
なる。
【0028】また、上記実施例に示す管継手にあって
は、継手本体26とナット部材30とを互いにネジ部3
2によって螺合させて強固に固定的に接合したが、これ
に限定されず、図10に示すように構成してもよい。こ
こでは、図1に示す管継手を変形した場合を示すが、継
手本体26のネジ部32Aとナット部材30のネジ部3
2Bとを互いにその長さ方向において部分的に設け、各
ネジ部30A、30Bに続いて、平坦になされて各ネジ
部30A、30Bが遊嵌できるような平坦盲部62A、
62Bを所定の幅だけ形成している。従って、互いのネ
ジ部32A、32Bの螺合を進めて行くと、螺合状態が
解除されるようになっている。そして、継手本体26と
ナット部材30とは、互いの軸方向に沿って距離ΔL2
の遊びをもって遊嵌状態で結合されている。
【0029】これによれば、上記ナット部材30と継手
本体26とは遊嵌状態で結合されて、これらを分離する
には互いに反対方向へ引っ張った状態で解除方向へ回転
させなければならないので、不注意でナット部材30や
継手本体26を回転しても両者の結合が不用意に緩んで
しまうことを防止することが可能となる、という利点を
有する。尚、上記各実施例における各部材の材料は、単
に一例を示したに過ぎず、これらに限定されないのは勿
論である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の差込式管
継手によれば、次のように優れた作用効果を発揮するこ
とができる。請求項1〜3に規定する発明によれば、蛇
腹管が挿入されるとこの先端は、ナット部材内、リテー
ナ部材内をそれ程抵抗なく通り、更にパッキン部材内は
その内壁面を押圧しつつ通り、最終的にストッパ部材が
蛇腹管の先端部の凹部と係合することにより装着される
ことになり、そして、蛇腹管に引き抜き方向に力を付与
すると、この蛇腹管に係止されているストッパ部材にも
引き抜き方向に力がかかってパッキン部材にも力が付与
されてこれがスライド移動し、先端側に抜け防止テーパ
面との間で挟まれているリテーナ部材が縮径して蛇腹管
の凹部に嵌まり込んだ状態となるので、この結果、ナッ
ト部材に形成した抜け防止テーパ面の作用により蛇腹管
の引き抜きが阻止されるように作用するので、蛇腹管を
継手本体内に十分に差し込んで挿入するだけで、良好な
シール性を維持した状態で蛇腹管の接続を行うことがで
きる。従って、差込式管継手の構造をそれ程複雑化させ
ることなく蛇腹管の接続操作を簡単に且つ確実に行なう
ことができる。請求項4に規定する発明によれば、ナッ
ト部材と継手本体とは遊嵌状態で結合されて、これらを
分離するには互いに反対方向へ引っ張った状態で解除方
向へ回転させなければならないので、不注意でナット部
材や継手本体を回転しても両者の結合が不用意に緩んで
しまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差込式管継手と蛇腹管を示す断面図で
ある。
【図2】コイルリング状のリテーナ部材を示す平面図で
ある。
【図3】ストッパ部材を示す側面図である。
【図4】ストッパ部材を示す平面図である。
【図5】差込管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程
図である。
【図6】リテーナ部材の変形例を示す斜視図である。
【図7】リテーナ部材の他の変形例を示す斜視図であ
る。
【図8】他の変形例のリテーナ部材を用いた本発明の差
込式管継手に蛇腹管を挿入する過程を示す工程図であ
る。
【図9】他の変形例のリテーナ部材を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の差込式管継手の更に他の変形例を示
す図である。
【図11】従来の一般的な差込式管継手を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
16 差込式管継手 18 凹部 20 凸部 22 被覆層 26 継手本体 30 ナット部材 31 パッキン部材 32A,32B ネジ部 40 耐火パッキン部材 42 気密パッキン部材 44 ストッパ部材 44A リング部 44B 係合片 48 リテーナ部材 50 抜け防止テーパ面 62A,62B 平坦盲部 F 蛇腹管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 智之 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 佐藤 文隆 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 藤縄 靖志 埼玉県川口市栄町1丁目17番14号 サンコ ー瓦斯精機株式会社内 (72)発明者 藤吉 稔 三重県桑名市大福二番地 日立金属株式会 社桑名工場内 (72)発明者 河西 伸哉 三重県桑名市大福二番地 日立金属株式会 社桑名工場内 Fターム(参考) 3H017 CA03 CA06 CA07 3J106 AA02 AB01 AB09 BA01 BB01 BC04 BD01 BE12 BE13 BE32 CA16 EA03 EB05 EC01 ED18 EE03 EE04 EF04 EF05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面が波山状になされた凹凸部を有す
    る蛇腹管を接続する差込式管継手において、 前記蛇腹管を挿入するための管挿入孔が形成されて内壁
    面が段部状になされた継手本体と、 前記継手本体の先端に連結されたリング状のナット部材
    と、 前記継手本体の内壁面に摺動可能に設けられたリング状
    のパッキン部材と、 前記ナット部材と前記パッキン部材との間に設けられ
    て、その内径が前記蛇腹管の外径よりも大きくなされる
    と共に内側に前記蛇腹管を挿通させて縮径可能になされ
    たリテーナ部材と、 前記パッキン部材の基端部に設けられて挿入される前記
    蛇腹管の凹部と係合してこれを係止させるストップ部材
    とを備え、 前記ナット部材には、前記蛇腹管に引き抜き方向に力を
    付与した時に前記リテーナ部材を縮径方向へ変形させて
    前記蛇腹管の凹部へ押圧する抜け防止テーパ面が形成さ
    れていることを特徴とする差込式管継手。
  2. 【請求項2】 前記リテーナ部材は、その直径が弾性的
    に拡縮可能になされたリング状のコイル部材よりなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の差込式管継手。
  3. 【請求項3】 前記ストッパ部材は、内径が前記蛇腹管
    の外径よりも大きくなされたリング部と、 このリング部より内径方向へ向けて突出されて前記蛇腹
    管の挿入時に前記蛇腹管の外周面と摺接しつつ弾性的に
    変形して前記蛇腹管の凹部と係合する係合片とよりなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の差込式管継
    手。
  4. 【請求項4】 前記継手本体の先端部と前記ナット部材
    の基端部とには、それぞれ互いに螺合するネジ部と、こ
    のネジ部に続いて前記継手本体と前記ナット部材とを遊
    嵌状態で移動可能に結合する平坦盲部とがそれぞれ形成
    されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の差込式管継手。
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