JP4263319B2 - 錠付ドアガード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、錠付ドアガードに係り、特に、シリンダ錠及び合鍵を介して室外側から室内のドアガードの作動、及び解除を制御することができる錠付ドアガードに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドアガードは、例えば図1に示すように、扉1の自由側端縁部内面に垂直軸の回りを回動可能に設けられた細長い門形の連結杆2と、扉枠3の内面に設けられた膨出頭部4付の受杆5とを有している。
【0003】
そして、使用時、扉1を閉鎖した状態で、連結杆2を起こしてその基端の幅広の挿通部6に受杆5の膨出頭部4を潜らせ、その状態で扉1を開けると、受杆5は連結杆の挿通部6に連設されたこれよりも幅か狭い案内長孔7と摺動可能に係合するに致る。
【0004】
図1に示すドアガードの使用状態では、膨出頭部4の存在により連結杆2は受杆5との係合を解くことができないので、扉の開角度を一定以下に保つことができ、安全に来訪者の確認及び郵便物等の受け渡しをすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のドアガードは、簡単な構造で、解錠状態における扉の開角度を一定以下に確実に保ち、もって来訪者の確認や郵便物の受け渡し等を行えるが、その機能は居住者が屋内に居るときにのみ発揮され、外出時には何の役にも立たない、という恨みが残る。
【0006】
そこで、この発明は、シリンダ錠及び合鍵を介して室外側から室内のドアガードの作動、及び解除を制御することができる新規な錠付ドアガードを提供し、もって扉口の防犯上の安全性を向上させることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、全体の形状が細長い門形で、内側に案内長孔を備えると共に、扉枠の内面において、基端を鉛直軸の回りを回動可能に支承された連結杆と、扉の自由側端縁部内面に垂設され、回動可能に支承された支軸、及びこの支軸の内端に突設され、扉面とほぼ平行な係合片を有し、全体の形状がT字形に成形された受杆と、扉面においてこの受杆の支軸と同軸に装着されたシリンダ錠とを有し、連結杆を扉面に近接する方向に回動させたとき、受杆の係合片が連結杆の案内長孔を潜り抜けることができるように受杆と連結杆との相対関係位置を設定すると共に、支軸を遊動クラッチを介してシリンダ錠の内筒に連結し、ドアガードを室内側から作動させるとき、連結杆を扉面に近接する方向に回動させ、室外側から合鍵及びシリンダ錠の内筒を介して受杆の係合片を連結杆と交差する角度位置にまで回動させ、ドアガードを室内側から作動させるときには、手指により受杆の係合片を連結杆と交差する角度位置に迄回動させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【実施例】
以下、図2乃至図11を参照して、この発明について説明する。
図2及び図3において符号2は連結杆を示し、この連結杆2は、従来のものと同様に、全体の形状が細長い門形で、内側に案内長孔7を形成すると共に、扉枠3の内面において、基端(図3において左端)を連結杆座8によって鉛直軸の回りを回動可能に支承されている。
【0009】
なお、図示の実施例ではこの連結杆2の水平面への投影形状が略J字形に成形されている(図2参照)が、これはこの発明の必須の構成ではなく、図2に鎖線で示すように、このドアガードが作動するとき後述の受杆5との間に抉りが生じ難いようにしただけである。
【0010】
一方、扉の自由側端縁部内面には図2及び図4に示すように、受杆5が回動可能に装着されている。
【0011】
この受杆5は、扉1の内面に垂設され、回動可能に支承された支軸51と、この支軸の内端に突設され、扉面とほぼ水平な係合片52とを一体に形成した部材である。
【0012】
図示の実施例では、この支軸の係合片52は扉面に平行な棒状体の中央を支軸51に結合した全体の形状がT字状の部材として示されている。
【0013】
この係合片52の室内側から見た幅は、図3及び図5に示すように、連結杆の案内長孔7の幅より小さく設定されており、また、受杆5の連結杆2に対する相対位置は、図2に実線で示すように連結杆2を扉内面に向けて倒したとき、水平な角度位置にある係合片52が案内長孔7を潜り抜けることができるように設定されている。
【0014】
なお、受杆5は扉内面にねじ止めされた台座9を介して扉1に装着されており、図示の実施例では、受杆5の嵌合部53(図6参照)の外側に突設された係止爪54を、台座の受け孔11(図7参照)の周辺に形成された挿通切欠12を潜り抜けさせてから回し、抜け止めとする。
【0015】
その後受杆5の外端部にEリング等の止め輪13を嵌着する。止め輪13を嵌着した後は、受杆5は嵌合部53(図6参照)と受け孔11との嵌合、及び嵌合部53に連設されたフランジ55(図6参照)と台座表面との摺接により回動可能に支承される。
【0016】
ちなみに、受杆5はその外周面に90度の角度間隔で形成された4つの平面部56、56(図6参照)、及び台座9の裏面側に形成された一対のばね溝14、14に挿入された(図8参照)細長い板ばね15、15との係合によってクリック作用が生じるように構成されている。
【0017】
他方、図2及び図4に示すように、扉1には受杆の支軸51と同軸にシリンダ錠15が装着されており、このシリンダ錠の図示しない内筒が、後述する遊動クラッチを介して、支軸51に連結されている。
【0018】
すなわち、図9乃至図11に示すように、シリンダ錠の内端部を覆うように装着された(図2及び図4参照)保持筒16内にはクラッチ軸17及びクラッチ盤18を一体に結合したクラッチ体が回動可能に収納されている。
【0019】
上記クラッチ軸17の横断面が十字形の内端部は、外端面に同形の受け孔を凹設した(図8参照)支軸51に相対回動を拘束された状態で挿入されている。
【0020】
また、図10及び図11に示すように、クラッチ盤18の外面には所謂ダルマ形の凹陥部19が形成されており、この凹陥部19にシリンダ錠の内筒の内端面に突設されたテールピース21が遊動可能に係合している。
【0021】
図9乃至図11に示す遊動クラッチは通常のシリンダ錠のクラッチと同じ構造であるから、更に詳細な説明は省略する。
【0022】
上記のように構成されたこの発明の一実施例による錠付ドアガードは、使用しないときには、従来のものと同様に、連結杆2を扉1から離間する方向に倒しておく(図2に鎖線で示す角度位置)。
【0023】
或いは、受杆の係合片52を水平にした状態で、図2に実線で示すように連結杆2を扉面に重合するように倒しておく。
【0024】
何れの場合も、扉を開けるとき連結杆2と受杆5とは相互に干渉しないので、ドアガードは作動しない。
【0025】
室内側からこの発明による錠付ドアガードを作動させるときには、例えば手指で係合片52を水平にしてから図2に実線で示すように連結杆2を扉面側に倒して係合片52に案内長孔7を潜らせ、その後図2に示すように、手指で係合片52を鉛直な角度位置に置く。
【0026】
この状態で扉1を開けると、図12に示すように、また図2に鎖線で示すように、連結杆2と受杆の係合片52とが係合した状態で、連結杆2を室外側に回動させる。
【0027】
その為、扉1の開角度が小さく制限され、安全に来訪者の確認や郵便物の受け渡し等を行うことができる。
【0028】
受杆5は遊動クラッチを介してシリンダ錠に連結されているから、シリンダ錠が施錠され、その内筒が外筒に係止されている状態でも手指による受杆の回動操作は可能である。
【0029】
外出するときには、必要に応じて、受杆の係合片52を手指で水平な角度位置に置き、その後連結杆を扉面に重合するように倒してから扉を開いて外に出て扉を閉める。
【0030】
このとき、扉の開け閉めによって受杆の係合片52は連結杆の案内長孔に入ったり出たりするだけで、両者が干渉することはない。
【0031】
扉口通過後室外側からシリンダ錠に合鍵を挿入して内筒を所定の方向に回せば、係合片52を室外側から操作して鉛直な角度位置に置くことができる。
【0032】
このようにこの発明による錠付ドアガードを外出時作動状態にすれば、例え悪意の第三者がピッキングによってデッドボルト操作用の主シリンダ錠を不正解錠しても、扉を開けると前記したようにドアガードが作用し、扉の開角度が一定以下に制限されるので室内に侵入することができない。
【0033】
一方、正規の合鍵を所有する居住者が帰宅後主シリンダ錠とドアガード制御用のシリンダ錠を解錠すれば、係合片は水平になって連結杆の案内長孔から干渉することなく抜去されるので、ドアガードの存在に拘らず扉を開けることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、連結杆の案内長孔を潜り抜け可能な係合片を有する受杆の角度位置を遊動クラッチを介して扉面に装着されたシリンダ錠の内筒の連結し、連結杆と受杆との係脱を室外側から行えるようにしたので、外出時ドアガードを作動させればこれを一種の付加的な錠前として機能させることができ、扉口の錠前の安全性を各段に向上させることができる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のドアガードの構成の一例を示す外観斜視図。
【図2】この発明の一実施例による錠付ドアガードの平面図。
【図3】連結杆の正面図。
【図4】受杆及びその角度位置制御用のシリンダ錠の側面図。
【図5】受杆及び台座の正面図。
【図6】受杆の側面図。
【図7】台座の裏面図。
【図8】受杆を装着した状態における台座の裏面図。
【図9】遊動クラッチの内端面図。
【図10】遊動クラッチの一部断面側面図。
【図11】遊動クラッチの一部断面外端面図。
【図12】この発明の一実施例によるドアガードの作動状態を示す斜視図で、扉及び扉枠を省略して示す。
【符号の説明】
1 扉
2 連結杆
3 扉枠
5 受杆
7 案内長孔
15 シリンダ錠
16 保持筒
17 クラッチ軸
18 クラッチ盤
51 支軸
52 係合片

Claims (1)

  1. 全体の形状が細長い門形で、内側に案内長孔を備えると共に、扉枠の内面において、基端を鉛直軸の回りを回動可能に支承された連結杆と、扉の自由側端縁部内面に垂設され、回動可能に支承された支軸、及びこの支軸の内端に突設され、扉面とほぼ平行な係合片を有し、全体の形状がT字形に成形された受杆と、扉面においてこの受杆の支軸と同軸に装着されたシリンダ錠とを有し、連結杆を扉面に近接する方向に回動させたとき、受杆の係合片が連結杆の案内長孔を潜り抜けることができるように受杆と連結杆との相対関係位置を設定すると共に、支軸を遊動クラッチを介してシリンダ錠の内筒に連結し、ドアガードを室内側から作動させるとき、連結杆を扉面に近接する方向に回動させ、室外側から合鍵及びシリンダ錠の内筒を介して受杆の係合片を連結杆と交差する角度位置にまで回動させ、ドアガードを室内側から作動させるときには、手指により受杆の係合片を連結杆と交差する角度位置に迄回動させるようにしたことを特徴とする錠付ドアガード。
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