JP4263274B2 - 温度センサ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接触形の温度センサに関し、特に複写機、プリンタなどの定着装置に使用される加熱ローラ等の回転体または静止体からなる被検知体表面に接触させて、その表面温度を検知するための温度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の接触形の温度センサの一つとして、例えば本出願人が提案した特公平6−29793号公報に記載の温度センサがある。これは、一対の金属板の先端間に感熱素子を載置して、この先端部を加熱ローラ表面に前記金属板の弾性力を利用して接触させて温度検知する温度センサである。
【0003】
この温度センサは、図6(a),(b)に示したように、帯状で平行な一対の金属板からなる幅広部20の一端に保持体21が設けられ、幅広部20の先端部分の隙間に感熱素子23が配設され、感熱素子23のリード線が幅広部20に接続されており、保持体21にコネクタ24を接続することによって、コネクタ24のピン25が保持体21の幅広部20の外部引出線部と電気的に接続される構造である。そして、この一対の金属板の少なくとも片面に絶縁シートが設けられた温度センサである。
【0004】
この温度センサは、このように金属板間の隙問に感熱素子23を配設し、感熱素子23が幅広部20の金属板に接触しない構造であるために熱容量が小さく熱応答性に優れ、この金属板の弾性力によって安定した圧接力が得られる効果がある。その他帯状の金属板をリードフレームで構成し、さらに保持体21をリードフレームの状態で成形することができるので、その寸法精度が優れた温度センサを製造することが可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の温度センサは、感熱素子23として、通常ビードサーミスタ素子が使用されている。このビードサーミスタ素子を用いた感熱素子は、約lmm程度の球状もしくは楕円の形状であるために、例えば、温度センサを加熱定着ローラの表面に圧接したときに、感熱素子23の感熱部がローラに対して点接触することになる。そのために保持体21を固定するときの僅かな取付角度や取付位置のずれによって感熱素子23がローラ表面からずれた状態となったり、あるいはローラ表面から浮き上がって取り付けられることがあり、正確な温度検知が難しい欠点があった。
【0006】
また、感熱素子23の感熱部が点接触していることから加熱定着ローラ表面に対する圧接力が高まり、回転するローラ表面のテフロン面に傷を付けるおそれがある。このことは、コピー品質の低下を招くこととなり、好ましくない。上記従来例の温度センサのように、点接触で回転体のような被検知体の温度を検知することは、温度検知の安定性において不十分であったり、熱応答特性の改善が必要であったりする欠点があり、十分に満足できるものではなく、改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、温度検知が安定しており、熱応答特性に優れ、さらに感熱素子取付部の機械的強度に優れた耐久性のある温度センサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を達成するためになされたものであり、請求項1の発明は、外部引出線を接続する一対の端子部から延在する弾性を有する一対の細幅金属板部と、
該細幅金属板部の端子部側の一部に形成した保持体と、
前記一対の細幅金属板部間に取り付けられ、少なくとも被検知体に接する面側が平面で構成された感熱部とリード部からなる感熱素子と、
該感熱素子の周囲を取り囲むように前記一対の細幅金属板部の先端部分に対向するように太幅に形成された張出部と、
前記感熱素子の感熱部を含む前記金属板部の少なくとも被検知体に接触する面に設けられた絶縁シートとからなることを特徴とする温度センサである。
この構成によれば、一対の細幅金属板部の先端部分が感熱素子を周囲を取り囲むように張り出した張出部を形成していること、また感熱素子の感熱部の被検知体側の面が平面状に形成されていることから、感熱素子と被検知体に接触する側に絶縁シートを貼着したときに幅の細い細幅金属板部が歪んだりすることなく、温度センサの被検知体との接触面側が平面になるために、被検知体との接触が確実になり、正確な温度検出が可能となり、被検知体の正確な温度コントロールができる。
【0009】
また、請求項2の発明は、外部引出線を接続する一対の端子部から延在する弾性を有する一対の細幅金属板部と、
該細幅金属板部の端子部側の一部に形成された保持体と、
前記一対の細幅金属板部間に取り付けられ、少なくとも被検知体に接する面側が平面で構成された感熱部とリード部からなる感熱素子と、
該感熱素子の周囲を取り囲むように前記一対の細幅金属板部の先端部分に対向するように太幅に形成された張出部と、
前記リード部が接続される該細幅金属板部の前後に形成した孔と、
前記感熱素子の感熱部を含む前記金属板部の少なくとも被検知体に接触する面に設けられた絶縁シートとからなることを特徴とする温度センサである。
この構成によれば、保持体からの延びる平板状の金属板(細幅金属板部)の幅を細くして、この細幅金属板部の先端部分に設けられる感熱素子のリード線が接続される部分の前後に孔を形成して、細幅金属板部の熱抵抗を大きくし、感熱素子に集熱された熱が散逸されるのを防止し得る作用を有する。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記細幅金属板部の先端部分のリード部の取付部分に対応する部分にハーフエッチングによって形成した凹部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の温度センサである。
この構成によれば、細幅金属板部の先端部分に凹部を形成することによって、細幅金属板部の熱抵抗を大きくし、感熱素子に集熱された熱が細幅金属板部から散逸するのを防止することができる。また、感熱素子のリード部が溶接される細幅金属板部と感熱素子の感熱部との間の前記リード部の長さを長くとることができ、細幅金属板部の被検知体(加熱定着ローラ)に接触する部分は、凹部を含む細幅金属板部の全幅である。凹部の形成によって、リード部が感熱部近傍まで溶接されることがなく、前記溶接時の細幅金属板部の歪みを防止できるとともに、前記感熱部にかかる被検知体からの力は、前記リード部と細幅金属板部との接合部と感熱部までの距離が長くなり、リード部自体の弾性を損なうことがないので、リード部自体の弾性によって感熱素子全体で分散することができ、使用時における前記リード部の断線等の事故を防止できる利点がある。
【0011】
また、請求項4の発明は、前記保持体に突出部および/または凹部並びにネジ孔を形成したことを特徴とする請求項1,2または3に記載の温度センサであり、この構成によれば、温度センサを実装すると、その感熱部が被検知体に確実に配置され、被検知体が回転体であったとしても検知部の位置ズレが抑制される。
【0012】
また、請求項5の発明は、前記保持体の一部に、前記細幅金属板部から延在する端子部を露出するための一対の孔を設けるとともに、前記端子部に接続して外部引出線を導出するための前記一対の孔に連続した溝を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の温度センサであり、この構成によれば、一対の孔から端子部が露出しており、前記孔に連続した溝に外部引出線を挿入することで、この端子部に外部引出線を溶接等により接続するときの位置決めが確実にでき、これらの孔と溝を樹脂で埋めることによって、外部引出線を強固に固定することができる。
【0013】
また、請求項6の発明は、前記感熱素子の少なくとも被検知体に接触する側の面に金属膜を形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の温度センサであり、さらに、請求項7の発明で、前記金属膜が銀または銀合金からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の温度センサである。感熱素子は、被検知体に接触する側の面に金属膜を形成することによって、集熱効果を高めることが可能であり、これらの材質は集熱効果を高めるのに好ましい。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の温度センサにおいて、
前記被検知体が加熱定着ローラであり、前記感熱素子の両リード部が導出される方向が該加熱定着ローラの回転軸に対して平行になるように装着されることを特徴とする温度センサである。
この構成によれば、リード部を有する感熱素子が加熱定着ローラの回転軸に対して平行に配置されるように温度センサが装着されると、加熱定着ローラからの熱は、感熱素子の感熱部を加熱するとともに、リード部をも加熱する。従って、感熱部とリード部との間に温度勾配が発生し難いので、感熱部に集熱した熱がリード部を伝播して散逸され難くなり、温度センサとしての温度検出精度と感度並びに熱応答特性が向上する。
【0015】
以下、本発明に係る温度センサの理解を容易とするために、本発明の温度センサについて説明する。本発明の温度センサは、一対の細幅金属板部の先端部に感熱素子が接続され、感熱素子の感熱部とリード部を通る軸は、被検知体である加熱定着ローラの回転軸に対して平行となるように構成されている。被検知体表面からの熱は、感熱素子の感熱部で受熱し、感熱部を構成するサーミスタの抵抗値を変化させるとともに、リード部へも伝達される。しかし、感熱素子の感熱部とリード部を通る軸は、加熱定着ローラの回転軸に対して平行となるように構成されている。感熱素子が加熱され、かつリード部も被検知体から加熱されるためにリード部から細幅金属板部への熱の散逸が少なく、感熱素子は、被検知体の表面温度を正確に検知することができる作用を有する。
【0016】
また、感熱素子のリード部が接続された細幅金属板部の前後に孔を設けることによって、細幅金属板部の熱抵抗を大きくすることが可能であり、リード部から加熱定着ローラの回転軸に対して直角方向に延びる細幅金属板部への熱の逃げを小さくすることができることから前記と同様に温度検知が正確にできる作用を有する。さらに、感熱素子のリード部が細幅金属板部に接続される部分と隣接する部分にハーフエッチングした凹部を形成することによって、リード部と細幅金属板部との間に空間が形成され、前記と同様にリード部と細幅金属板部との熱抵抗が大きくなり、リード部から細幅金属板部への熱の逃げを小さくすることができることから前記と同様に温度検知が正確にできる作用を有する。
【0017】
さらに、温度センサの細幅金属部分がリードフレームで形成されており、感熱素子の形成と保持部の形成がリードフレームにより、一体成形で製作することができ、形状のバラツキが少なくなるとともに、上記のように細幅金属板部に凹部を設け、さらに感熱素子のリード部を接続する前記細幅金属板部の接続位置の前後に孔を設けることによって、細幅金属板部に熱が伝達されるのを抑制することで、熱抵抗を大きくして、被検知体からの熱の放散が小さくなり、熱応答特性に優れ、形状バラツキに依存する熱応答特性のバラツキも小さくすることができる。
【0018】
また、感熱素子の被検知体に接触する側が平面であり、温度センサの取り付け位置が多少ずれたとしても加熱定着ローラ面には正確に接触するために、従来のような点接触による温度検知とは異なり、温度センサの位置ずれに起因する熱応答特性のバラツキが改善できる。また、感熱素子の感熱部には、その被検知体側の表面に金属膜が設けられていることによって、被検知体からの集熱効果が高められ、熱応答特性が改善される作用を有する。
【0019】
さらに、本発明の温度センサは、その感熱素子のリード部が熱伝導率の低い材料、例えばコバールのようなリードフレームで作られ、かつ細幅金属板部との接続部分を除いて金属膜が形成されている。細幅金属板部とリード部とを溶接する場合に、溶接圧を高めることなく信頼性の高い接合が得られる。従って、溶接によって細幅金属板部が変形するなどの欠陥が発生し難く、細幅金属板部のエッジによる加熱定着ローラ等の回転体表面に傷を付けたり、細幅金属板部の変形に起因する浮き上がりによる温度の誤検知を防ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る温度センサの実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の温度センサの実施例を示す斜視図であり、図2はそのリードフレームの形状を示すものである。
【0021】
先ず、本実施例の温度センサの概要について、図1を参照して説明する。同図において、一対の細幅金属板部3aと3bの先端部には、張出部3cが形成されている。感熱素子9のリード部10は、これら張出部3cで囲まれた空間部に配置されるように、細幅金属板部3aと3bに接続されている。細幅金属板部3aと3bが延在した部分が端子部であり、細幅金属板部3aと3bの端子部側に保持体7が設けられている。保持体7は、ネジ孔6と、突出部8と、孔13と、孔13と連なる外部引出線12を挿入するための溝13′とが形成され、保持体7に段差部7aを形成することによって、この段差部7aが突出部8を被検知体の装置に係合するのに十分な長さとしている。感熱素子9が形成された感熱部分には、被検知体側に絶縁シート11が設けられている。細幅金属板部3aと3bは適度な弾性を有する材質で形成されている。
【0022】
次に、本実施例の温度センサについて、図1,図2を参照して詳細に説明する。図2は、図1の温度センサのリードフレームの形状を示している。同図において、Aはリードフレームであり、ステンレス、またはコバール、ニッケル合金等の帯状の金属板を化学エッチングやプレス等の手段で形成したものである。このリードフレームAには、スプロケット用孔1が一定間隔で長手方向に形成された帯状部2と、帯状部2から直角方向に外部引出線を接続するための端子部3とこれに連なる一対の細幅金属板部3aと3bとが形成され、さらに細幅金属板部3aと3bの先端部には、張出部3cと、細幅金属板部3aと3b部にハーフエッチングによって形成した凹部4と、その凹部4の前後に熱抵抗を高めるために形成した少なくとも一つ以上の孔5,5′とが形成されている。この細幅金属板部3aと3bは、弾性を有する素材で形成されている。
【0023】
このリードフレームAには、同図の二点鎖線で示したように、ネジ孔6を設けた保持体7が形成される。保持体7は、リードフレームAの帯状部2から延びる端子部3と細幅金属板部3a,3bとの一部を絶縁性樹脂材料等によるトランスファー成形等の手段によって樹脂成形して形成される。図1に示したように、保持体7には、端子部3が露出する一対の円弧状切欠部(以下、孔)13と、これに連続して溝13′が形成されている。なお、この溝13′には、端子部3に接続された外部引出線12が挿入されて引き出される。さらに、保持体7には、突出部8が形成されているが、突出部8に限ることなく、凹陥部を保持体7に形成してもよいし、それらの両方を形成してもよい。
【0024】
この保持体7に設けられた突出部8や凹陥部は、温度センサを装置に実装する際に、保持体7の突出部8(または凹陥部)を温度センサの回り止めとして使用することが可能である。即ち、突出部8(または凹陥部)を、装着側に設けた図示しない孔または突起部に嵌合させて、ネジ孔6でネジ止めすることにより、温度センサは2点で支持固定することができる。従って、温度センサの検出位置を正確に位置決めすることができる。
【0025】
一方、温度センサの製造時、リードフレームに形成された保持体7に突出部8とその反対面に凹陥部(図示なし)が形成されていれば、各リードフレームを積み重ねた場合、突出部と凹陥部とが嵌合し合い、規則正しく積み重ねることができる。従って、温度センサの製造時の作業性が改善され、しかも運送時にはリードフレーム同志がぶつかり合って、損傷するのを防止することができる。
【0026】
本実施例の温度センサでは、リードフレームAに保持体7が樹脂成形によって形成された後、感熱素子9の組み込みがなされる。弾性を有するリード部10を備えた感熱素子9は、リードフレームAの細幅金属板部3a,3bの先端部分に形成された張出部3cによって取り囲まれた空間部分に感熱素子の感熱部を配置し、かつ前記感熱部の平面部分が被検知体側となるように前記一対の細幅金属板部3a,3b間に前記リード部10を架け渡してリード部10のそれぞれを溶接等の方法で細幅金属板部3a,3bに電気的に接続されている。そして、少なくとも被検知体と接触する面側には、ポリイミドフィルム等の耐摩耗性および耐熱性のある絶縁シート11が貼着され、細幅金属板部3a,3bと、張出部3cと、感熱素子9の感熱部の平面とが接している。
【0027】
なお、細幅金属板部3a,3bの露出面の電気的絶縁が要求される場合や塵等が発生する環境下で使用される場合は、図1に示したように、両面に絶縁シートを貼着するとよいが、特に、電気的絶縁が要求されない場合は、被検知体と接触する側のみに絶縁シートを貼着してもよい。
【0028】
続いて、上記のように、リードフレームAに保持体7、感熱素子9、そして絶縁シート11が形成された後、リードフレームAの帯状部2から保持体7の部分が切断される。さらに、図1に示したように、外部引出線12は、保持体7に形成した溝13に挿入され、端子部3と外部引出線12とを溶接または半田付け等の方法によって電気的に接続固定される。そして、端子部3と外部引出線12との接続強度を増すために外部引出線12を接続した後、必要に応じて、孔13と溝13′の部分に樹脂を注入硬化してもよい。このようにして、図1の温度センサが形成される。
【0029】
このように、リードフレームAの状態で保持体7をまとめて樹脂成形することで、従来の単品毎の成形、加工に比べ著しく作業性が向上するばかりでなく、リードフレームAの加工精度が向上するので、寸法のバラツキによる不良品の発生率を減少させることができる。なお、保持体7は、前述のトランスファ成形に限定されるものではなく、予め樹脂成形された保持体を用いて、リードフレームA上で組み立てるようにしてもよい。
【0030】
次に、図3を参照して、本実施例の温度センサの感熱部分の詳細を説明する。図3は、図2の温度センサの先端部分を示し、同図(a)はその拡大斜視図、同図(b)はその矢印X,Y方向からみた拡大断面図を示している。
【0031】
同図において、平板状の細幅金属板部3a,3bの先端部には、張出部3cが形成されているとともに、凹部4が形成され、その部分の板厚が他の部分よりも薄くなっており、凹部4を形成した側に感熱素子9が配置されている。感熱素子9のリード部10は、一対の細幅金属板部3a,3bの最も離れた位置に接続され、リード部10の接続部に隣接した内側部分に凹部4が形成されている。感熱素子9は、そのリード部10を細幅金属板部3a,3bに接続して、感熱素子9の平面状の感熱部が被検知体側となるように、それぞれの凹部4上に架け渡されて配置されている。感熱素子9は、被検知面側が平面となっており、その面が絶縁シート11に接着して、細幅金属板部3a,3bの裏面と一致するように構成されている。また、リード部10は、細幅金属板部3a,3bに溶接した際に、凹部4には溶接されないので、溶接されないリード部10部分が長く、リード部10の弾力性は失われない。従って、本実施例の温度センサは、この感熱部分が被検知体と点接触することなく、被検知体と面接触する形状とすることができる。
【0032】
続いて、図4を参照して、本実施例に用いられる感熱素子9について、詳細に説明する。図4は、感熱素子の一例である薄膜サーミスタの側面図を示している。同図において、薄膜サーミスタである感熱素子9は、絶縁基板14の一面に感熱膜16が形成され、感熱膜16上にそれぞれ電極面17が形成され、その裏面には金属膜15が形成され、電極面17には、リード部10が電気的に接続されて、さらに保護膜18で覆われている。
【0033】
この薄膜サーミスタは、厚さが100〜300μm、縦1.0×横0.5mm程度のアルミナ等の絶縁基板14の一面に、銀、アルミニウム、ニッケル等の金属膜15が形成され、他面に炭化珪素(SiC)やマンガン,コバルト,ニッケル等の金属酸化物からなる感熱膜16を、スパッタリング等の公知の薄膜形成技術によって形成され、この感熱膜16の両端面に電極面17が形成されている。そして、電極面17からは、リード部10が導出されている。リード部10は、ステンレスまたはコバール,ニッケル合金等の帯状の金属板を化学エッチングやプレス等の手段で形成したリードフレームから形成されており、リード部10と電極面17との接合は、一般的に導電性ペースト19を用いて行うのが最も簡単であるが、パラレル溶接等の公知の技術を用いてもよいことはもちろんである。
【0034】
さらに、リード部10の剥離強度を大きくするとともに、感熱膜16を外気から保護するために、絶縁基板14の感熱膜側全体をガラス等の絶縁性材料でコーティングした保護膜18が形成されている。
【0035】
なお、感熱素子9は、上記実施例の薄膜サーミスタに限定されるものではなく、感熱素子の被検知体側が平面形状であって、電気的な接続が可能な構造であればよい。例えば、側面に電極を形成した長方形状のチップサーミスタを使用してもよい。このようなチップサーミスタを使用する場合、被検知体側との接触面側に金属膜を形成して、集熱効果を高めるようにする。また、金属膜15を形成するかわりに、金属箔を絶縁基板14の裏面に貼った構造であっても同様な効果が得られる。
【0036】
なお、上記細幅金属板部3a,3bの先端部分に、メッシュ状の多数の小孔を設けることによって、このリード部が接続された部分の熱抵抗を大きくすることができことは明らかであり、リード部を通して細幅金属板部へ逃げる熱を少なくすることができる。このような形状によっても熱応答特性を改善することができる。
【0037】
本発明の温度センサは、例えば定着装置の加熱定着ローラに取り付ける場合、その保持体7に設けた突出部8(または凹陥部)が、前記装置の温度センサ取付部に形成された図示しない孔または突起部に嵌合して、ネジ孔6にネジを挿通してネジ止めして固定される。このように装着することによって、感熱素子9の平面部分が接触する絶縁シート11の感熱部分が、正確に加熱定着ローラの表面に圧接され、加熱定着ローラの表面温度を正確に検出し得る。
【0038】
以下、本実施例の温度センサの熱応答特性について、図5を参照して説明する。図5は、本実施例の温度センサの熱応答特性を示し、そのオーバーシュート特性とリップルを測定した結果が示されている。なお、オーバーシュートToは、小さく、立ち上がり時間Ttが短いほど、設定温度に到達するまでの時間が短くなる。また、リップルTrは、小さいほど設定温度における制御特性が良く熱応答特性が優れているといえる。
【0039】
本実施例の温度センサの熱応答特性の測定は、加熱定着ローラの表面温度を180℃に設定して実施した。その結果、本実施例の温度センサは、オーバーシュートToが8.0℃、立ち上がり時間Ttが1.0秒、リップルTrが2.5℃であった。一方、先に本出願人が提案した特公平6−29793号公報記載の温度センサでは、本実施例の温度センサと同一条件でオーバーシュートToが8.8℃、立ち上がり時間Ttが31秒、リップルTrが2.9℃であり、従来の温度センサの特性に比べて、本実施例の温度センサが優れた熱応答特性を得ることが判った。
【0040】
また、温度センサの取付時の位置ずれに関して行った試験では、感熱素子の中心部からリード部方向への取付位置のずれについては、±lmmの位置ずれに対し、本実施例の温度センサでは、オーバーシュートToが+3℃、リップルTrが+0.7℃の変動であったのに対して、従来の温度センサでは、オーバーシュートToが+8℃,リップルTrが+4℃であり、本実施例の温度センサが優れていることが実証された。
【0041】
【発明の効果】
上述したように、本発明の温度センサは、リードフレームAの細幅金属板部の先端部分に形成された張出部によって取り囲まれた空間部分に感熱素子の感熱部を配置した構造とし、リード部を有する感熱素子を、例えば加熱定着ローラ等の回転軸に対して、実質的に平行になるように取り付けられる。そして、細幅金属板部先端部の感熱素子を接続する部分に凹部を形成して、かつ凹部の前後の細幅金属板部に多数の孔を設けた構造とすることにより、リード部の熱抵抗が大きくなり、感熱素子のリード部から細幅金属板部を通って逃げる熱を小さくでき、感熱素子と被検知体との接触する側に絶縁シートを貼着したときに幅の細い細幅金属板部が歪んだりすることがなく、温度センサの被検知体との接触が安定確実に維持されるために、被検知体の温度変化を正確に検知することができるとともに、熱応答性に優れた温度センサを提供できる効果を奏する。
【0042】
また、感熱素子が被検知体に接触する側が平面で構成され、かつ感熱素子の平面部に金属膜を形成することによって、温度センサの取り付け位置がずれても加熱定着ローラ面には正確に接触して、従来のような位置ずれに起因する熱応答特性のバラツキを改善できる効果を有する。さらに、被検知体からの熱を効率的に集熱できるので、熱応答特性が優れ、正確な温度検知ができる利点がある。
【0043】
また、本発明の温度センサは、リードフレームAの細幅金属板部に凹部が形成され、リード部を細幅金属板部に溶接する際に凹部を跨ぐように接続されており、リード部が凹部には溶接されないので、溶接部から感熱部までのリード部の長さを長くすることができ、リード部の弾性が損なわれないので、感熱部が絶縁シートを介して被検知体に歪むことなく密着させて接触させることができる。さらに、被検知体が加熱定着ローラである場合、感熱部から導出されるリード部が平行になるように、その回転軸に対して装着されて、その感熱部が絶縁シートを介して被検知体に接触しており、被検知体からの熱が感熱部とリード部をともに加熱されるので、感熱部からの熱の散逸を防止することが可能であり、熱応答特性が優れ、正確な温度検知ができる利点がある。
【0044】
しかも、本発明の温度センサは、これら一連の製造工程が、リードフレームの状態で行うことができ、リードフレームにすべてを形成した後に、帯状部から細幅金属板部を切り離すことにより、容易に製造することができるので、組立工程の自動化がしやすい利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度センサの一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の温度センサのリードフレームを示す平面図である。
【図3】(a)は図1の感熱部分の拡大斜視図、(b)はその矢印XY方向からみた拡大断面図である。
【図4】図1の温度センサで使用する感熱素子の一例を示す側面図である。
【図5】本実施例の温度センサの特性を示す図である。
【図6】従来の温度センサを示す図である。
【符号の説明】
2 帯状部
3a,3b 細幅金属板部
3c 張出部
4 凹部
5 孔
6 ネジ孔
7 保持体
7a 段差部
8 突出部
9 感熱素子
10 リード部
11 絶縁シート
12 外部引出線
13 円弧状切欠部(孔)
13′ 溝
14 絶縁基板
15 電極面
16 感熱膜
17 電極面
18 保護膜
19 導電性ペースト

Claims (8)

  1. 外部引出線を接続する一対の端子部から延在する弾性を有する一対の細幅金属板部と、
    該細幅金属板部の端子部側の一部に形成した保持体と、
    前記一対の細幅金属板部間に取り付けられ、少なくとも被検知体に接する面側が平面で構成された感熱部とリード部からなる感熱素子と、
    該感熱素子の周囲を取り囲むように前記一対の細幅金属板部の先端部分に対向するように太幅に形成された張出部と、
    前記感熱素子の感熱部を含む前記金属板部の少なくとも被検知体に接触する面に設けられた絶縁シートとからなることを特徴とする温度センサ。
  2. 外部引出線を接続する一対の端子部から延在する弾性を有する一対の細幅金属板部と、
    該細幅金属板部の端子部側の一部に形成された保持体と、
    前記一対の細幅金属板部間に取り付けられ、少なくとも被検知体に接する面側が平面で構成された感熱部とリード部からなる感熱素子と、
    該感熱素子の周囲を取り囲むように前記一対の細幅金属板部の先端部分に対向するように太幅に形成された張出部と、
    前記リード部が接続される該細幅金属板部の前後に形成した孔と、
    前記感熱素子の感熱部を含む前記金属板部の少なくとも被検知体に接触する面に設けられた絶縁シートとからなることを特徴とする温度センサ。
  3. 前記細幅金属板部の先端部分のリード部の取付部分に対応する部分にハーフエッチングによって形成した凹部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の温度センサ。
  4. 前記保持体に突出部および/または凹部並びにネジ孔を形成したことを特徴とする請求項1,2または3に記載の温度センサ。
  5. 前記保持体の一部に、前記細幅金属板部から延在する端子部を露出するための一対の孔を設けるとともに、前記端子部に接続して外部引出線を導出するための前記一対の孔に連続した溝を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の温度センサ。
  6. 前記感熱素子の少なくとも被検知体に接触する側の面に金属膜を形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の温度センサ。
  7. 前記金属膜が銀または銀合金からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の温度センサ。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の温度センサにおいて、
    前記被検知体が加熱定着ローラであり、前記感熱素子の両リード部が導出される方向が該加熱定着ローラの回転軸に対して平行になるように装着されることを特徴とする温度センサ。
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