JP6734559B2 - 温度センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
上記特許文献1には、感熱素子として ビードサーミスタやチップサーミスタの他に、アルミナ等の絶縁基板の一面に感熱膜が形成された薄膜サーミスタが採用されている。
定着ローラに温度センサを押し当てて温度測定する場合、リードフレームを定着ローラの周方向に撓ませた状態で定着ローラへ押し付けているが、近年、特に定着ローラの内周面に温度センサを接触させる場合に、押し付け圧力の低減が要望されている。しかしながら、直線状に延在したリードフレームを上記周方向に撓ませて押し付ける方法では、押し付け圧力を低減することが難しいという不都合があった。たとえ、先端側を細くしてもリードフレームが硬い金属製であるために、押し付け圧力を大幅に低減することが困難であった。
すなわち、この温度センサでは、サーミスタ部が、パターン形成された薄膜サーミスタであり、前記湾曲した部分に沿って湾曲しているので、薄膜サーミスタのサーミスタ部も湾曲することで、センサ部全体がより滑らかにカーブし、測定対象物に対してさらに良好な面接触をさせることが可能になる。
例えば、チップサーミスタをリードフレームに接続した状態でリードフレームを湾曲させる曲げ加工を行うと、チップサーミスタだけが湾曲せず、凸部となって測定対象物と点接触してしまうと共に、チップサーミスタ又はその接続部分に破損が生じてしまうおそれがある。しかしながら、本発明では、絶縁性フィルム上に薄膜サーミスタのサーミスタ部をパターン形成したフレキシブルなセンサ部を、リードフレームの湾曲した部分に取り付けるため、センサ部及びサーミスタ部自体が容易に湾曲し、予め湾曲した状態のまま測定対象物に面接触させることができる。
すなわち、この温度センサでは、湾曲した部分の曲率半径が、定着ローラの内周面の曲率半径よりも小さく設定されているので、リードフレームの先端が定着ローラの内周面に当たらず、先端で定着ローラを傷つけるおそれがない。
すなわち、この温度センサでは、定着ローラの内周面に接触する部分の曲率半径に比べて、先端側の曲率半径が小さく設定されているので、接触する部分の広い面接触と先端側の非接触とを両立させることができる。
すなわち、この温度センサの製造方法では、固定した一対のリードフレームの先端側を、センサ部と共に曲げ加工し湾曲させる曲げ工程を有しているので、絶縁性フィルム上にサーミスタ部を形成したセンサ部を、リードフレームと共に柔軟にかつ同時に湾曲させることができる。
すなわち、この温度センサの製造方法では、固定工程において、サーミスタ部よりも先端側と基端側とで一対のリードフレームを一対の接続電極に溶接し、曲げ工程において、絶縁性フィルムを凸面側に配して曲げ加工し湾曲させるので、曲げ工程でリードフレームと共に湾曲させられた際に、前後の溶接部分の間で引っ張られ、センサ部が緩まずにリードフレームに密着した状態で湾曲形状が得られる。
すなわち、本発明に係る温度センサ及びその製造方法によれば、一対のリードフレームの先端側が湾曲しており、湾曲した部分にその湾曲形状に沿ってセンサ部が湾曲して取り付けられるので、極めて弱い押し付け圧力であっても測定対象物の凹曲面に、予め湾曲した状態のセンサ部を面接触させることができる。
したがって、本発明の温度センサによれば、低い押し付け圧力で測定対象物に押し当てても正確な温度測定ができ、複写機やプリンタ等の定着ローラの温度測定用、特に定着ローラの内側から内周面に接触して温度測定する温度センサとして好適である。
なお、保持部4には、取付孔4aが形成されている。
なお、本実施形態では、絶縁性フィルム5においてリードフレーム2が接着された面を上面として記載している。
本実施形態の温度センサ1は、図6及び図7に示すように、画像形成装置の定着ローラRの内側において定着ローラRの内周面に対してその周方向に沿ってセンサ部3の凸面側を接触させた状態で配置される。また、湾曲した部分Wの曲率半径は、定着ローラRの内周面の曲率半径よりも小さく設定されている。
なお、定着ローラR内には、センサ支持部材24が挿入状態で配置されており、保持部4の取付孔4aを用いて温度センサ1がセンサ支持部材24上にねじ止め等で設置されている。
上記センサ部3は、一対のリードフレーム2とセンサ部3とを上下から挟んで互いに接着された一対の絶縁性の保護テープ9A,9Bを備えている。
すなわち、絶縁性フィルム5、サーミスタ部6、対向電極7及び接続電極8によって感熱素子が構成されている。
一対の上記接続電極8の先端側には、リードフレーム2の先端部2aに対応して幅広なパッド部8aが形成されている。これらのパッド部8aに、一対のリードフレーム2が、抵抗溶接、スポット溶接、ハンダ材又は導電性樹脂接着剤等の接着剤により接着されている。
なお、センサ部3では、パッド部8aを除いた接続電極8,サーミスタ部6及び対向電極7を覆う絶縁性の保護膜10が絶縁性フィルム5上に形成されている。
このサーミスタ部6も、湾曲した部分Wに沿って湾曲している。
一対の対向電極7は、互いに対向状態に配されて交互に櫛部7aが並んだ櫛型パターンとされている。
上記保護膜10は、絶縁性樹脂膜等であり、例えば厚さ20μmのポリイミド膜が採用される。
上記保護テープ9A,9Bは、テフロン(登録商標)等のフッ化炭素樹脂で形成されている。
本実施形態の温度センサ1の製造方法は、絶縁性フィルム5の表面にサーミスタ部6をパターン形成するサーミスタ部形成工程と、互いに対向した一対の対向電極7をサーミスタ部6上に配して絶縁性フィルム5の表面に一対の接続電極8をパターン形成する電極形成工程と、絶縁性フィルム5上に保護膜10を形成する保護膜形成工程と、センサ部3にリードフレーム2を固定するリードフレーム固定工程と、リードフレーム2及びセンサ部3を上下から保護テープ9A,9Bで挟んで互いに接着する保護テープ接着工程と、リードフレーム2の先端側を曲げ加工し湾曲させる曲げ工程とを有している。
次に、成膜した電極層の上にレジスト液をスピンコーターで塗布した後、110℃で1分30秒プリベークを行い、露光装置で感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃で5分のポストベークにてパターニングを行う。その後、不要な電極部分を市販のAuエッチャント及びCrエッチャントの順番でウェットエッチングを行い、図4の(b)に示すように、レジスト剥離にて所望の対向電極7及び接続電極8を形成する。
次に、絶縁性フィルム5の表面にポリイミドワニスを印刷法により所定部分に塗布して、180℃、30分でキュアを行い、図3に示すように、20μm厚のポリイミド保護膜10を形成する。
なお、保護テープ9A,9Bで挟む前の複数のセンサ部3を同時に作製する場合、絶縁性フィルム5の大判シートに複数のサーミスタ部6、対向電極7、接続電極8、保護膜10及びパッド部8aを上述のように形成した後に、大判シートから各センサ部3に切断する。
さらに、センサ部3とリードフレーム2の先端側とを上下から一対の保護テープ9A,9Bで挟んで、保護テープ9A,9Bの互いの両側部をプレスして接着する。
次に、固定した一対のリードフレーム2の先端側を、絶縁性フィルム5を凸面側に配して曲げ加工し湾曲させる。これにより、図1に示すように、温度センサ1が作製される。
なお、リードフレーム2の先端側を予め曲げ加工した後に、湾曲した部分Wに湾曲させたセンサ部3を抵抗溶接等により取り付けても構わない。
すなわち、絶縁性フィルム5上に薄膜サーミスタのサーミスタ部6をパターン形成したフレキシブルなセンサ部3を、リードフレーム2の湾曲した部分に取り付けるため、センサ部3及びサーミスタ部6自体が容易に湾曲し、予め湾曲した状態のまま測定対象物に面接触させることができる。
また、湾曲した部分Wの曲率半径が、定着ローラRの内周面の曲率半径よりも小さく設定されているので、リードフレーム2の先端が定着ローラRの内周面に当たらず、先端で定着ローラRを傷つけるおそれがない。
さらに、図8の(b)に示すように、固定した一対のリードフレーム2の先端側を、絶縁性フィルム5を凸面側に配して曲げ加工し湾曲させる。なお、図8の(b)においては、保護テープ9A,9Bの図示を省略している。
なお、接触する部分W1と先端側W2との曲率半径が変わる接続部分については、漸次曲率半径が変わるようにするか、もしくは互いの接線を合わせるように設定されている。少なくとも上記接続部分で折り曲げた角部が生じないように設定することが好ましい。
このように第3実施形態の温度センサ31では、定着ローラRの内周面に接触する部分W1の曲率半径に比べて、先端側W2の曲率半径が小さく設定されているので、接触する部分W1の広い面接触と先端側W2の非接触とを両立させることができる。
Claims (6)
- 開放端である先端を有した一対のリードフレームと、前記一対のリードフレームの先端側に接続され感熱素子を有するセンサ部と、前記一対のリードフレームの基端側に固定されて前記一対のリードフレームを保持する絶縁性の保持部とを備え、
前記センサ部が、上面に前記一対のリードフレームが接着された絶縁性フィルムと、
前記絶縁性フィルムの上面にサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部と、
前記サーミスタ部に接続された一対の対向電極と、
一端が前記一対の対向電極に接続されていると共に他端が前記一対のリードフレームに接続され前記絶縁性フィルムの上面に形成された一対の接続電極とを備え、
前記一対のリードフレームの先端側が前記絶縁性フィルムの上下面のうち一方の側に湾曲しており、前記湾曲した部分にその湾曲形状に沿って前記センサ部が湾曲して取り付けられ前記センサ部が前記リードフレームの延在方向に前記リードフレームと同じ曲率を有して曲がっていることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1に記載の温度センサにおいて、
前記サーミスタ部が、パターン形成された薄膜サーミスタであり、前記湾曲した部分に沿って湾曲していることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1又は2に記載の温度センサにおいて、
画像形成装置の定着ローラの内側において前記定着ローラの内周面に対してその周方向に沿って前記センサ部の凸面側を接触させた状態で配置され、
前記湾曲した部分の曲率半径が、前記定着ローラの内周面の曲率半径よりも小さく設定されていることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の温度センサにおいて、
画像形成装置の定着ローラの内側において前記定着ローラの内周面に対してその周方向に沿って前記センサ部の凸面側を接触させた状態で配置され、
前記湾曲した部分が、前記定着ローラの内周面に接触する部分と前記接触する部分よりも先端側とを少なくとも有し、前記接触する部分の曲率半径に比べて、前記接触する部分よりも先端側の曲率半径が小さく設定されていることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の温度センサを製造する方法であって、
直線状の一対のリードフレームを前記センサ部に固定する固定工程と、
固定した前記一対のリードフレームの先端側を、前記センサ部と共に曲げ加工し湾曲させる曲げ工程とを有していることを特徴とする温度センサの製造方法。 - 請求項5に記載の温度センサの製造方法において、
前記固定工程において、前記サーミスタ部よりも先端側と基端側とで前記一対のリードフレームを前記一対の接続電極に溶接し、
前記曲げ工程において、前記絶縁性フィルムを凸面側に配して曲げ加工し湾曲させることを特徴とする温度センサの製造方法。
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