JP4263259B2 - 主軸捕捉器軸独立駆動型ミシン - Google Patents

主軸捕捉器軸独立駆動型ミシン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主軸を駆動するミシンモータと、糸輪捕捉器をミシンモータとは独立に駆動する駆動手段の駆動モータの少なくとも一方を同期制御する主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンに関し、特に糸輪捕捉器の剣先が縫針と出会う出会い位置を手動操作を介して精度良く設定するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、糸輪を捕捉する糸輪捕捉用釜を駆動する下軸を、縫針や天秤を上下駆動する主軸に連結させて駆動する上下軸駆動型に代えて、糸輪捕捉用釜を専用の釜駆動モータで主軸とは独立に駆動することにより、糸輪捕捉用釜を主軸に同期駆動させつつ、縫製条件に応じて糸輪捕捉用釜の時々刻々の回転状態を制御するようにした釜軸独立駆動型のミシンが、特開昭60−21750号公報、特開平3−234291号公報などで提案されている。
【0003】
このように、糸輪捕捉用釜をミシンモータとは独立に釜駆動モータで駆動する釜軸独立駆動型のミシンを組み立てる際には、ミシンモータと主軸とを連結し、主軸の原点位置でミシンモータの基準位置を検出するように主軸原点センサを設ける一方、糸輪捕捉用釜を釜駆動モータに連結し、糸輪捕捉用釜の原点位置が主軸の原点位置に対して所定位置関係となる位置で、釜駆動モータの基準位置を検出するように釜軸原点センサを設けるようにすることで、縫製に際して、釜駆動モータをミシンモータに同期するように駆動制御するときには、釜駆動モータがその基準位置から所定量回転した出会い位置のときに、剣先と縫針とが出会うようになり、縫針に形成された糸輪ループが剣先で確実に捕捉されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、糸輪捕捉用釜をミシンモータとは独立に釜駆動モータで駆動する釜軸独立駆動型のミシンにおいては、釜軸原点センサで検出される釜駆動モータの基準位置を、主軸原点センサで検出されるミシンモータの基準位置に対して所定位置となるように設け、釜駆動モータの基準位置から所定量回転した位置に出会い位置が設定されているので、釜軸の原点位置を決める釜軸原点センサの取付け如何では、取付け位置誤差が生じることになり、また釜軸原点センサの感度の違い等により、主軸に対する糸輪捕捉用釜の回転位置に検出誤差が生じることに起因して、糸輪捕捉用釜の出会い位置にも誤差が生じることになり、縫い調子が安定しないという問題がある。
【0005】
そこで、釜軸原点センサの感度の違いや釜軸原点センサの取付け位置誤差による検出誤差を解消するように、主軸を出会い位置に対応する位置に回転させた状態で、調整用のゲージを用いて糸輪捕捉用釜が出会い位置となるように、釜軸原点センサの取付け位置を微調整することになり、調整作業が複雑化するとともに、多大の調整作業時間を要するという問題がある。本発明の目的は、糸輪捕捉器を駆動する駆動モータの基準位置を検出する第2検出手段の検出誤差に関係なく、剣先が縫針に出会う出会い位置を簡単に且つ精度よく設定できるような主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンは、ミシンモータで主軸を介して駆動される針棒及び縫針を装備したヘッド部と、縫針と協働して上糸の糸輪を捕捉する糸輪捕捉器を装備したベッド部と、糸輪捕捉器を主軸とは独立に駆動する駆動手段と、ミシンモータの基準位置及び回転位置とを検出する第1検出手段と、駆動手段の駆動モータの基準位置及び回転位置を検出する第2検出手段と、第1,第2検出手段からの検出信号を用いて糸輪捕捉器が主軸に同期して回転するように駆動モータとミシンモータの少なくとも一方を制御する同期制御手段とを備えた主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンにおいて、主軸と糸輪捕捉器とを夫々独立に手動回転させる出会い位置設定モードを設定する為のモード設定手段と、出会い位置設定モードにおいて、糸輪捕捉器の剣先が縫針と出会ったときの、ミシンモータの基準位置を基準とする回転位置と、駆動モータの基準位置を基準とする回転位置とを第1,第2検出手段の検出信号に基づいて検知する出会い位置検知手段と、出会い位置検知手段で検知されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置とを記憶する出会い位置データ記憶手段とを備えたものである。
【0007】
第1検出手段はミシンモータの基準位置及び回転位置とを検出し、また第2検出手段は駆動手段の駆動モータの基準位置及び回転位置を検出するので、モード設定手段で設定された出会い位置設定モードにおいて、主軸を出会い位置まで手動で低速回転させ、また糸輪捕捉器を出会い位置まで手動で低速回転させたとき、出会い位置検知手段は、糸輪捕捉器の剣先が縫針と出会ったときの、ミシンモータの基準位置を基準とする回転位置と、駆動モータの基準位置を基準とする回転位置とを第1,第2検出手段の検出信号に基づいて検知する。このとき、出会い位置データ記憶手段は、出会い位置検知手段で検知されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置とを記憶する。
【0008】
即ち、第検出手段で検出する検出信号に検出誤差が生じている場合でも、出会い位置設定モードで設定した糸輪捕捉器の出会い位置は主軸の出会い位置に対応する絶対的な位置であり、縫製時には、出会い位置データ記憶手段に記憶された記憶データを用いることで、縫い調子が安定する。
請求項2の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンは、請求項1の発明において、前記出会い位置データ記憶手段に記憶されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置とを読み出してディスプレイに数値にて表示可能な表示手段を備えたものである。
【0009】
この場合、表示手段により、出会い位置データ記憶手段に記憶されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置とを読み出してディスプレイに数値にて表示されるので、これらミシンモータや駆動モータの出会い位置における回転位置を数値表示により容易に確認することができる。その他、請求項1と同様の作用を奏する。
請求項3の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンは、請求項1または2の発明において、前記表示手段のディスプレイに表示されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置の数値を変更可能で且つその変更した数値で出会い位置データ記憶手段の記憶データを変更可能な出会い位置データ変更手段を備えたものである。
【0010】
この場合、出会い位置データ変更手段は、表示手段のディスプレイに表示されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置の数値を変更できるとともに、その変更した数値で出会い位置データ記憶手段の記憶データを変更することができる。その他、請求項1または2と同様の作用を奏する。
請求項4の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンは、請求項3の発明において、前記同期制御手段は、出会い位置データ記憶手段に記憶された記憶データを用いて、ミシンの駆動開始時に駆動モータを駆動開始する駆動開始タイミングを決定するものである。
【0011】
この場合、同期制御手段は、ミシンの駆動開始時に、出会い位置データ記憶手段に記憶された記憶データに基づいて、糸輪捕捉器の剣先が出会い位置で縫針と出会うように駆動モータの駆動開始タイミングを決定し、その駆動開始タイミングのときに駆動モータの駆動制御を開始する。その他、請求項3と同様の作用を奏する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態は、3台の刺繍ミシンを備え、各刺繍ミシンにおいては、糸輪捕捉用の全回転釜をミシンモータとは独立に釜駆動モータで回転駆動するようにしたシリンダベッド部を有する多頭式刺繍ミシンに本発明を適用した場合のものである。
【0013】
この多頭式刺繍ミシンMについて説明すると、図1に示すように、左右方向に延びるベースフレーム1の上面の後部側には、左右方向に所定長さを有する平面視略矩形状のミシン支持板2が配設され、このミシン支持板2の後端部分には、左右方向に延びる支持フレーム3が立設され、この支持フレーム3に、3つのヘッド部4〜6が所定間隔毎に左右方向に並設されるとともに、ミシン支持板2の前端部に位置するベースフレーム1には、これらヘッド部4〜6の各々に対応させて、ベッドユニット10〜12に構成されたシリンダ状のベッド部7〜9の各後端部が夫々支持されている。
【0014】
即ち、支持フレーム3に設けられたへッド部4〜6と、独立構造のベッドユニット10〜12とからなる3台の多針式刺繍ミシンM1〜M3が並設されている。これら刺繍ミシンM1〜M3のヘッド部4〜6の各々の前端部には、左右方向に1列状に配列された12本の針棒21を上下動可能に支持するとともに、12個の天秤23を揺動可能に支持する針棒ケース20が左右方向移動可能に夫々支持され、各針棒ケース20は、針棒変更モータ115(図8参照)で駆動される針棒変更機構(図示略)により、一斉に左右方向に移動されて、糸色の異なる別の上糸に同時に変更可能になっている。
【0015】
また、ミシン支持板2の前側でベッドユニット10〜12の上面と同一高さになるように、作業用テーブル13が水平に配設され、この作業用テーブル13を含み、この作業用テーブル13の左右両側に設けられた1対の補助テーブル14・15に亙って、左右方向に延びる平面視矩形枠状の可動枠16が載置されている。
【0016】
そして、この可動枠16の左端部の駆動枠部16aがX軸駆動機構(図示略)によりX軸方向(左右方向)に移動駆動されるとともに、その右端部の駆動枠部16bと駆動枠部16aとがY軸駆動機構(図示略)によりY軸方向(前後方向)に移動駆動される。従って、可動枠16は、X軸駆動モータ117(図8参照)で駆動されるX軸駆動機構とY軸駆動モータ119(図8参照)で駆動されるY軸駆動機構とにより、XY平面上を移動可能になっている。また、補助テーブル15の後側には、刺繍縫製に関するメッセージを表示するディスプレイ18aを備えた操作パネル18が設けられている。
【0017】
次に、各刺繍ミシンM1〜M3毎に設けられ、針棒21を上下駆動する針棒上下駆動機構25について、図2に基づいて簡単に説明する。各ヘッド部4〜6の先端部には、上下方向に延びる基針棒26が配設され、この基針棒26はその上端部及び下端部においてフレームに支持されている。この基針棒26には、後述の連結ピン34と係合する係合溝27aを有する上下動部材27が上下動可能に挿嵌され、この上下動部材27の下端部に設けられた針棒抱き28は、基針棒26に上下動可能且つ回転不能に挿嵌されるとともに、上下動部材27の下端部に、上下動部材27を回転可能に連結している。そして、この針棒抱き28は、枢支軸29に揺動可能に枢支された揺動レバー30に連結されたリンク31に連結されている。
【0018】
一方、各ヘッド部4〜6を挿通して左右方向向きに配設された主軸17に偏心カム32が固着されており、この偏心カム32に外嵌された偏心レバー33の下端部が揺動レバー30に連結されている。ところで、前記12本の針棒21の各々には、その下端部に縫針22が装着されるとともに、その高さ方向の略中段部に連結ピン34が夫々固着されるとともに、この連結ピン34と針棒ケース20の支持フレームとの間に圧縮バネ35が外嵌されており、針棒21はこの圧縮バネ35により常に上方の針上位置に弾性付勢されている。更に、針棒ケース20が左右方向に移動したときに、上下動部材27に対向する針棒21の連結ピン34が、上下動部材27の係合溝27aに選択的に係合されるようになっている。
【0019】
これにより、ミシンモータ110の所定回転方向への回転駆動により主軸17が回転されて、偏心レバー33と揺動レバー30とリンク31とを介して、上下動部材27と針棒抱き28とが一体的に上下動するのに伴って、連結ピン34を介して上下動部材27に連結されている針棒21だけが主軸17に調時して上下に往復駆動される。次に、各刺繍ミシンM1〜M3毎に設けられ、針棒21をその最上位置(上死点位置)にジャンプさせる針棒ジャンプ機構40について、図2に基づいて説明する。針棒ケース20内には、水平向きの針棒ジャンプ用ソレノイド41が設けられるとともに、平面視略L字状の回動レバー42が鉛直軸回りに回動可能に針棒ケース20に取付けられている。そして、その回動レバー42の駆動部42aが針棒ジャンプ用ソレノイド41のプランジャーに当接するとともに、その従動部42bに取付けた上下方向向きの操作軸43が、上下動部材27に一体形成された突出状の係合部27bに係合可能になっている。
【0020】
更に、上下動部材27は、その上端部に設けた巻きバネ44により、2点鎖線で示す回動したジャンプ位置から実線で示す通常の連結位置に回動するように、常に弾性付勢されている。これにより、針棒21が連結ピン34を介して上下動部材27に連結されているときに、針棒ジャンプ用ソレノイド41が所定時間だけ駆動されて、そのプランジャーが右方に進出したときには、回動レバー42が平面視にて時計回転回りに回動して、操作軸43と係合部27bとを介して、上下動部材27が2点鎖線で示すジャンプ位置に回動して、連結ピン34と係合溝27aとの係合が解除され、これと同時に、針棒21は圧縮バネ35により針上位置に一気に移動(ジャンプ作動)するようになっている。
【0021】
一方、針棒21がその針上位置にジャンプした状態で且つ上下動部材27が連結位置に復帰しているときに、上下動部材27が下方からその略最上位置の方向に上昇するときには、上下動部材27は連結ピン34に下側から当接して、一時的にジャンプ位置に回動するが、巻きバネ44により直ぐに連結位置に回動復帰し、連結ピン34は係合溝27aに自動的に連結するようになっている。ここで、各ベッド部7〜9に設けられた押え足45は、押え足駆動ソレノイド106で駆動される図示外の押え足駆動機構により、ベッド部7〜9上の加工布Wを押圧する押え位置と、所定距離上昇した退避位置とに亙って上下に位置切換え可能になっている。
【0022】
次に、ベッドユニット10〜12について、図3〜図6に基づいて説明する。ここで、3つのベッドユニット10〜12は同様の構成なので、左端のベッドユニット10について説明する。前後方向に延びる断面略U字状のベッドケース50は、その後端部において、ミシン支持板2の前端部に位置する左右方向に延びるベースフレーム1に固着した1対の支持ブラケット51に取付けられ、ベッドケース50の前端部分には、釜モジュール55が着脱可能に固定されている。ここで、ベッドケース50の上側は、その前端部分において針板52で覆われるとともに、針板52に連続するカバー板53で覆われている。
【0023】
次に、釜モジュール55について説明する。図4〜図5に示すように、ベッドケース50の前端部には、取付けブロック56がビス57により着脱可能に固着され、この取付けブロック56の後端側には、パルスモータからなる釜駆動モータ58が取付けられている。一方、取付けブロック56の前端側には、糸輪捕捉用の全回転釜59が設けられ、この全回転釜59に固着された釜軸60(捕捉器軸に相当する)は、前後方向に位置調節可能に取付けブロック56に枢支されている。そして、釜軸60の後端部に取付けた第1連結部材62と、釜駆動モータ58の駆動軸58aの前端部に取付けた第2連結部材63とが相互に連結されている。つまり、これら釜軸60と駆動軸58aとは、両連結部材62,63からなるカップリング61で連結されている。
【0024】
ここで、全回転釜59について簡単に説明すると、図7に示すように、ボビンを収容するボビンケース67を保持する内釜59aと、この内釜59aの外側を回転する外釜59bとからなり、その外釜59bには、上糸47を引っかけて上糸ループ47aを形成する為の剣先59cが形成されている。そして、主軸18が約「200°」のときに、剣先59cと縫針22の目孔とが出合う出合いタイミング(図17参照)となり、剣先59cはこの出合いタイミングのときに、縫針22の目孔から延びる針側の上糸47を引っかけて、外釜59bの回転により、内釜59aと外釜59bとの間を移動する上糸ループ47aを形成する。
【0025】
更に、その第2連結部材63には、ディスクエンコーダ64が取付けられ、このディスクエンコーダ64に形成された複数のスリットを光学的に検出して、釜軸回転信号を出力するフォトセンサからなる第2エンコーダセンサ65が取付けブロック56に取付けられている。そして、釜駆動モータ58の駆動により、駆動軸58aとカップリング61とを介して釜軸60が回転駆動されて、全回転釜59が所定の回転方向に、主軸17に対して2倍の回転速度で回転駆動される。ここで、ベッドユニット10の前端部は、ベッドケース50の前端部の下端にヒンジ機構を介して開閉可能に枢支された保護カバー66で覆われている。
【0026】
ここで、全回転釜59を前後方向に位置調節可能に枢支する枢支構造について簡単に説明する。前記取付けブロック56の円筒状部分の直ぐ内側には、円筒状のベアリングケース70が前後方向に摺動可能に設けられ、このベアリングケース70内には、ベアリング71が圧入されている。そして、取付けブロック56の左側壁部には、偏心ピン72が取付けられるとともに、その偏心ピン72の先端のピン部がベアリングケース70の左側壁に形成された縦長のピン孔に係合している、一方、取付けブロック56の右側壁部には、ベアリングケース70を固定可能なセットビス73が取り外し可能に設けられている。
【0027】
即ち、セットビス73を緩める一方、偏心ピン72を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることにより、ピン孔を介してベアリングケース70を前方又は後方に微小距離(例えば、1〜2mm)だけ移動して、同時に全回転釜59の位置を前後方向に微調節でき、針隙を調節することができる。次に、各ベッドユニット10〜12に設けられ、上糸47と下糸48とを切断する糸切り機構80について、図3、図6に基づいて簡単に説明する。前記針板52の下面には、可動刃81が、図6に実線で示す待機位置と、2点鎖線で示す回動位置とに亙って揺動可能に枢支されている。
【0028】
そして、この可動刃81と協働して上糸47と下糸48とを切断する為の固定刃82は、可動刃81の上側に対向するように針板52の下側に取付けられている。一方、可動刃81に連結された糸切り作動レバー83は、ベッドケース50内を挿通して後方に延びている。そして、ベースフレーム1の左端部に設けられた糸切りモータ84が駆動されると、その駆動ギヤ85に噛合する扇形の揺動部材86の揺動を介して糸切り作動軸87が左右方向に移動し、回動板88を介して糸切り作動レバー83が前後方向に移動され、可動刃81の回動により上下両糸47,48が同時に切断される。
【0029】
次に、多頭式刺繍ミシンMの制御系の概要について、図8のブロック図に基づいて説明する。釜駆動制御以外の刺繍ミシンM全体の制御を司るミシン制御装置100は、CPU101とROM102及びRAM103とを含むマイクロコンピュータと、そのマイクロコンピュータにデータバスなどのバスを介して接続された入力インターフェース(図示略)及び出力インターフェース(図示略)とから構成されている。
【0030】
このミシン制御装置100には、ヘッド部4に関して、針棒ジャンプ用ソレノイド41の為の駆動回路105と、押え足駆動ソレノイド106の為の駆動回路107と、糸切れセンサ108が夫々接続され、他のヘッド部5,6についても同様に接続されている。また、ミシン制御装置100には、ミシンモータ110を駆動する駆動回路111と、ミシンモータ110に設けられたディスクエンコーダの1回転で1000個のスリット信号を出力する第1エンコーダセンサ112と、この第1エンコーダセンサ112の1回転で1個の主軸同期信号(主軸原点信号、ミシンモータ110の基準位置信号に相当する)を出力する主軸原点センサ113が接続されている。
【0031】
更に、ミシン制御装置100には、針棒21の停止位置(主軸17の約100°の回転位置)を検出する停止位置センサ114と、針棒ケース20を移動させて駆動する針棒21を変更する針棒変更モータ115の為の駆動回路116と、X軸駆動モータ117の為の駆動回路118と、Y軸駆動モータ119の為の駆動回路120と、縫製開始や種々の指令を指示する為の複数のスイッチが設けられるとともに、ディスプレイ18aを有する操作パネル18とが夫々接続されている。ここで、これら第1エンコーダセンサ112や主軸原点センサ113などで第1検出手段が構成されている。
【0032】
一方、ミシン制御装置100に接続され、全回転釜59の駆動制御や糸切断制御を司る釜軸制御装置150は、CPU151とROM152及びRAM153とを含むマイクロコンピュータと、そのマイクロコンピュータにデータバスなどのバスを介して接続された入力インターフェース(図示略)及び出力インターフェース(図示略)とから構成されている。この釜軸制御装置150には、ベッドユニット10に関して、釜駆動モータ58の為の駆動回路154と、ディスクエンコーダ64の1回転で50個のスリット信号を出力する第2エンコーダセンサ65と、このディスクエンコーダ64の1回転で1個の釜軸同期信号(釜軸原点信号、釜駆動モータ58の基準位置信号に相当する)を出力する釜軸原点センサ155が夫々接続され、他のベッドユニット11,12についても同様に接続されている。
【0033】
更に、釜軸制御装置150には、可動刃81の移動位置を検出する移動位置検出センサ156と、糸切りモータ88の為の駆動回路157とが夫々接続されている。また、ミシンモータ110は、インダクションモータからなり、インバータ制御される。そして、ミシンモータ110に設けられたディスクエンコーダの1回転で第1エンコーダセンサ112から出力される1000個の主軸回転信号(スリット信号)は、4000パルスに細分化され、主軸制御パルスとしてモータの駆動制御に用いられる。ここで、これら第2エンコーダセンサ65や釜軸原点センサ155などで第2検出手段が構成されている。
【0034】
一方、釜駆動モータ58は、ステッピングモータからなり、500パルスを受けて1回転し、同時に全回転釜59も1回転する。そして、釜駆動モータ58は、主軸17が1回転する間に2回転するように倍速で駆動制御される。次に、釜軸制御装置150で実行される縫製制御のルーチンについて、図9〜図15のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中符号Si(i=10、11、12・・・・)は各ステップである。
【0035】
ここで、縫製制御に関する駆動信号やタイミングについてその概略を説明すると、図16、図17に示すように、縫製開始時には、通常、主軸17は約100°の回転位置で停止しており、更に針棒21は針棒ジャンプ機構40により、その最上位置にジャンプして停止している。そして、N針分の針落ちデータを有する刺繍データを刺繍縫いする場合、ミシン制御装置100からの主軸駆動信号が「H」レベルに切換えられると同時に、ミシンモータ110の駆動が開始される。
【0036】
ところで、針棒21は、1針目において、主軸17の0°のとき、つまり針棒21の最上位置のときに、自動的に上下動部材27に連結されるので、縫い始めにおける上糸47の引き込み動作(ピッカー動作)をしない場合には、2針目以降から縫目が形成される。そして、N針目の最終縫目において、主軸17の約260°のときに、主軸駆動信号が「L」レベルに切換えられるとともに、糸切り信号が出力され、その後主軸17の270°〜440°(88°)に亙って糸切り動作が実行され、その直後の主軸17の460°(100°)のときに、主軸17の回転が実際に停止される。
【0037】
前記操作パネル18の縫製開始スイッチが操作されると、この制御が開始され、先ず主軸・釜軸初期設定処理(図10参照)が実行される(S10)。この制御が開始されると、先ず停止位置センサ114からの停止位置信号が読み込まれて、主軸17が停止位置、つまり、前回の縫製処理が終了して糸切断した状態のときには、通常「100°」の初期設定位置のときであり、この停止位置のときには(S26:Yes )、釜軸60の回転位置は、主軸17の約13°(193°)に相当する回転位置なので、釜軸同期信号が釜軸原点センサ155から出力されるときの回転位置に戻す為に、釜駆動モータ58が1パルス分だけ逆転駆動され(S27)、釜軸原点センサ155から釜軸同期信号が出力されないときには(S28:No)、S27〜S28が繰り返して実行され、釜軸60が、図16に示すように、主軸17の回転開始位置である初期設定位置「180°」に対応する初期設定位置に回動したときには(S28:Yes )、この制御を終了して、釜軸駆動制御のS11にリターンする。
【0038】
ところで、主軸17が停止位置でないときには(S26:No)、ミシン制御装置100により、ディスプレイ18aに、その旨のエラーメッセージが表示されるので、オペレータが主軸17の端部に設けられた手動操作用のプーリを手動にて手回しすることで、主軸17を所定の停止位置まで回転させる。次に、縫製制御において、操作パネル18に設けられた出会い位置設定キーが操作されないとき(S11:No)、またミシン制御装置100から「H」レベルの主軸駆動信号が出力されないとき、つまり縫製を開始しないときには(S12:No)、このS11〜S12を繰り返して待機される。
【0039】
ここで、出会い位置設定キーが操作されて、ミシン制御装置100から出会い位置設定制御の開始が指示されたときには(S11:Yes )、出会い位置設定処理制御(図11参照)が実行される(S24)。この制御が開始されると、先ず出会い位置設定選択画面がディスプレイ18aに表示される(S30)。例えば、図18R>8に示すように、ディスプレイ18aには、出会い位置設定を選択する選択肢として、主軸17と全回転釜59とを独立に手動にて低速回転させる手回しモード(出会い位置設定モードに相当する)である「直接設定モード」と、「位置変更モード」とが表示される。
【0040】
次に、これら2つの選択肢のうちから1つを選択する選択処理が実行される(S31)。例えば、図1818に示すように、選択記号「◆」を移動させて、「直接設定モード」又は「位置変更モード」を選択する。次に、直接設定モードが選択されたときには(S32:Yes )、主軸17と釜軸60(全回転釜59)とを夫々独立に手動にて低速回転させる手回しモードが設定され(S33)、出会い位置直接設定処理制御(図12参照)が実行される(S34)。ここで、S33がモード設定手段に相当する。この制御が開始されると、先ず主軸原点センサ113から主軸同期信号が入力されていないときには(S40:No)、主軸17を手動操作して所定の回転方向に略1回転、低速回転で手回しされる(S48)。
【0041】
そして、主軸原点センサ113から主軸同期信号が入力されたときには(S40:Yes )、ミシンモータ110の基準位置からのパルス数PUで回転位置として表示される(S41)。次に、同様にして、釜軸原点センサ155から釜軸同期信号が入力されていないときには(S42:No)、釜軸60を手動操作して所定の回転方向に略1回転、低速回転で手回しされる(S49)。そして、釜軸原点センサ155から釜軸同期信号が入力されたときには(S42:Yes )、釜駆動モータ58の基準位置からのパルス数PDで回転位置として表示される(S43)。
【0042】
次に、手動操作により、先ず縫針22が針板の上側に退避するように主軸17を手回ししておき、次に剣先59cが縫針22と出会う出会い位置付近に位置するように釜軸60を手回し、最終的に目視により、剣先59cが縫針22と出会うように、主軸17と釜軸60とを手回しする(S44)。即ち、この主軸17と釜軸60とを手動にて手回しするのに応じてパルス数PU,PDが夫々カウントされているので、出会い位置のパルス数PU,PDが夫々ディスプレイ18aに表示される(S45)。例えば、図19に示すように、ミシンモータ110の出会い位置における回転位置がその基準位置からのパルス数「1100」で表示され、釜駆動モータ58の出会い位置における回転位置がその基準位置からのパルス数「1080」で表示される。
【0043】
次に、その出会い位置のパルス数PU,PDがRAM153の出会い位置データメモリ153aに記憶される(S46)。そして、終了キーを操作するなどの設定終了処理が実行され(S47)、この制御と出会い位置設定処理制御を終了して、縫製制御のS10にリターンする。ここで、出会い位置データメモリ153aが出会い位置データ記憶手段に相当する。一方、位置変更モードが選択されたときには(S32:No)、出会い位置変更処理制御(図13参照)が実行される(S34)。
【0044】
この制御が開始されると、先ず出会い位置データメモリ153aに記憶している出会い位置におけるパルス数PU,PDが読み出されてディスプレイ18aに表示される(S60)。例えば、図20に示すように、ミシンモータ110のパルス数PUと、釜駆動モータ58のパルス数PDとが表示される。このとき、選択記号「◆」は、ミシンモータ110のパルス数PU側に表示されている。次に、項目変更キーが操作されたときには(S61・S62:Yes )、選択記号「◆」を移動させる項目変更処理が実行され(S65)、▲キーや▼キーなどの数値変更キーが操作されたときには(S61:Yes 、S62:No、S63:Yes )、選択された項目のパルス数PU,PDを増減させる数値変更処理が実行される(S66)。
【0045】
最終的に、設定キーが操作されたときには(S61:Yes 、S62・S63:No、S64:Yes )、変更されたパルス数PU,PDで出会い位置データメモリ153aの記憶データ(パルス数PU,PD)が変更され(S67)、この制御と出会い位置設定処理制御を終了して、前記S10にリターンする。即ち、図21に示すように、ミシンモータ100を手動にて手回しすることで、主軸同期信号が入力されるミシンモータ110の基準位置(主軸17の170°の回転位置)から出会い位置までのパルス数PDを記憶する一方、釜駆動モータ58を手動にて手回しすることで、釜軸同期信号が入力される釜駆動モータ59の基準位置(主軸17の180°の回転位置)から出会い位置までのパルス数PDを記憶する。
【0046】
そして、縫製制御において、縫製開始スイッチが操作された縫製開始に際して、ミシン制御装置100から「H」レベルの主軸駆動信号が出力されたときには(S12:Yes )、ミシンモータ110が同時に回転駆動され、主軸17が100°の回転位置から駆動される。そして、図17に示すように、縫製開始後の1針目において、主軸17が約170°まで回転して、主軸原点センサ113から主軸同期信号が入力されたときには(S13:Yes )、釜駆動モータ58の駆動開始タイミング演算処理が実行される(S14)。
【0047】
即ち、図21に示すように、ミシンモータ110の回転位置を基準として、このミシンモータ110に同期させて釜駆動モータ58を駆動することから、主軸同期信号が入力される「170°」や「出会い位置」は絶対的な回転位置である。一方、主軸17の「170°」のときの主軸基準位置から10°遅れた釜駆動モータ58の基準位置は、釜軸原点センサ155の取付け位置誤差などにより絶対的なものではないが、「出会い位置」の回転位置は絶対的なものであることから、パルス数PDに対応する第1エンコーダセンサ112のパルス数に変換したパルス数だけパルス数PUから引き算することで、釜駆動モータ58の駆動開始タイミングが精度良く求められる。
【0048】
そして、第1エンコーダセンサ112から出力される主軸回転信号を常にカウントすることで、主軸17の回転位置が読み込まれ(S15)、主軸17の回転位置がS14で求めた駆動開始タイミングになったときには(S16:Yes )、各刺繍ミシンM1〜M3のベッドユニット10〜12設けられた釜駆動モータ58を主軸17に同期させて駆動することで縫製処理制御(図14参照)が実行される(S17)。この制御が開始されたときに、ミシン制御装置100からの主軸駆動信号が「H」レベルで、縫製中のときには(S70:Yes )、1針目から最終のN針目の縫い動作のときまで、つまり主軸駆動信号が「L」レベルになって縫製処理が終了するまで、釜軸同期駆動処理制御(図15参照)が繰り返して実行されて、縫い動作が1針毎に順々に行われる(S71)。
【0049】
次に、その釜軸同期駆動処理制御について説明する。この制御が開始されると、第1エンコーダセンサ112から出力される主軸回転信号を常にカウントすることで、主軸17の回転位置が読み込まれ(S80)、その主軸17の回転に同期させる為に、釜軸60を1ステップ分駆動するタイミングのときには(S81:Yes )、釜駆動モータ58を1ステップ分回転駆動される(S82)。
【0050】
次に、釜軸60の回転を確認するために、釜駆動モータ58の駆動ステップ数をカウントするカウンタのカウント値Iが1つインクリメントされ(S83)、釜軸回転信号が変化したときには(S84:Yes )、釜軸60が確実に駆動していることから、そのカウント値Iがクリアされ(S86)、この制御を終了して縫製制御のS70にリターンする。また、第2エンコーダセンサ65からの釜軸回転信号が変化しないときに(S84:No)、カウント値Iが所定カウント値P(例えば、10〜15)以下で許容できる範囲内のときには(S85:Yes )、この制御を終了して同様にS70にリターンする。
【0051】
ところで、これらベッドユニット10〜12の何れかにおいて糸噛みなどが発生したことにより、その糸噛みが発生した全回転釜59を駆動する釜駆動モータ58の同期がズレることで、カウント値Iが所定カウント値Pよりも大きくなったときには(S85:No)、両モータ110,58の駆動を緊急に停止する緊急停止処理が実行される(S87)。そして、最終縫目のときに、ミシン制御装置100からの指令で、糸切断を実行しないときには(S18:No)、主軸17が「360°」になるまで釜軸同期駆動処理制御が実行され(S20、S21:No)、剣先59cが縫針22に衝突しないように、主軸17が「360°」の回転位置になったときには(S21:Yes )、S10に戻る。
【0052】
一方、縫製の終了に際して、糸切断を実行するときには(S18:Yes )、主軸17の「270°」の回転位置から、前述した糸切り機構80により糸切断処理が実行され(S19)、S10に戻る。ここで、S20やS71の釜軸同期駆動処理制御が同期制御手段に相当する。出会い位置設定処理制御が出会い位置検知手段に相当する。出会い位置変更処理制御が出会い位置データ変更手段に相当する。
【0053】
このように、釜駆動モータ58の基準位置は、釜軸原点センサ155の取付け位置誤差などにより絶対的なものではないが、手回しモードで設定した釜駆動モータ58の「出会い位置」の回転位置は絶対的なものであることから、その出会い位置における各モータ58,110の回転位置をパルス数PU,PDとして記憶しておき、パルス数PDに対応する第1エンコーダセンサ112のパルス数に変換したパルス数だけパルス数PUから引き算することで、釜駆動モータ58の駆動開始タイミングが精度良く求められ、出会い位置を簡単に且つ精度よく設定できるとともに、その駆動開始タイミングのときに釜駆動モータ58を駆動することで、剣先59cが縫針22に出会う出会い位置の設定精度が向上し、安定した縫い調子で縫製することができる。
【0054】
また、出会い位置データメモリ53aに記憶された、出会い位置におけるミシンモータ110のパルス数PU(回転位置)と、釜駆動モータ58のパルス数PD(回転位置)とを読み出してディスプレイ18aに表示するようにしたので、これらミシンモータ110や釜駆動モータ58の出会い位置における回転位置を表示を介して確認することができる。更に、ディスプレイ18aに表示されたミシンモータ110の回転位置と釜駆動モータ58の回転位置のパルス数PU,PDを変更できるようにし、その変更したパルス数PU,PDで出会い位置データメモリ53a記憶データを変更できるようにしたので、各モータ110,58の出会い位置における回転位置を、パルス数PU,PD表示により容易に確認でき且つ変更することができる。
【0055】
ここで、前記実施形態の変更態様として、ミシンモータ110を全回転釜59に対して同期駆動制御するようにしてもよい。前記釜モジュール55は、全回転釜59に代えて半回転釜を用いたものでもよい。また、前記実施形態においては、手回しモードで主軸17と全回転釜59とを独立に手動にて低速回転させるように構成されているが、例えば、キー操作等により1パルスずつミシンモータ110や釜駆動モータ58を低速回転させるようにしてもよい。
【0056】
更に、前記実施形態に関し、既存の技術や当業者に自明の技術に基づいて種々の変更を加えることもあり得る。また、刺繍ミシン以外の本縫いミシン、ルーパーなどの糸輪捕捉器を有するミシンなど、糸輪捕捉器とミシンモータの少なくとも一方を同期制御するようにした各種の主軸糸輪捕捉器軸独立駆動型ミシンに本発明を適用し得ることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】
請求項1の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンによれば、手回しモードを設定する為のモード設定手段と、糸輪捕捉器の剣先が縫針に出会ったときのミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置とを検知する出会い位置検知手段と、出会い位置データ記憶手段とを設けたので、第2検出手段で検出する検出信号に検出誤差が生じている場合でも、手回しモードで設定した糸輪捕捉器の出会い位置は主軸の出会い位置に対応する絶対的な位置であり、その出会い位置における各モータの回転位置を記憶しておくことから、出会い位置を簡単に且つ精度よく設定できるとともに、縫製時に、出会い位置データ記憶手段に記憶された記憶データを用いることで、安定した縫い調子で縫製することができる。
【0058】
請求項2の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンによれば、請求項1と同様の効果を奏するが、前記出会い位置データ記憶手段に記憶されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置とを読み出してディスプレイに数値にて表示可能な表示手段を備えたので、これらミシンモータや駆動モータの出会い位置における回転位置を数値表示により容易に確認することができる。請求項3の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンによれば、請求項1または2と同様の効果を奏するが、前記表示手段のディスプレイに表示されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置の数値を変更可能で且つその変更した数値で出会い位置データ記憶手段の記憶データを変更可能な出会い位置データ変更手段を備えたので、各モータの出会い位置における回転位置を、表示を介して容易に変更することができる。また、縫製物の状態によって目飛び等が発生した際等に、出会いタイミングを微妙に変更して対応することができる。しかも、数値設定なので、再び、値を元に戻した際の再現性も高い。
【0059】
請求項4の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンによれば、請求項3と同様の効果を奏するが、前記同期制御手段は、出会い位置データ記憶手段に記憶された記憶データを用いて、ミシンの駆動開始時に駆動モータを駆動開始する駆動開始タイミングを決定するので、変更された出会い位置となるように駆動モータを駆動する駆動制御が簡単化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】多頭式刺繍ミシンの斜視図である。
【図2】針棒ジャンプ機構を含む針棒上下動機構の概略斜視図である。
【図3】作業用テーブル及びベッドユニットを示す要部平面図である。
【図4】釜モジュールを設けたベッドユニットの部分平面図である。
【図5】釜モジュールを設けたベッドユニットの部分縦断側面図である。
【図6】ベッドユニットの先端部の部分拡大平面図である。
【図7】主軸が約300°のときの全回転釜の正面図である。
【図8】多頭式刺繍ミシンの制御系のブロック図である。
【図9】縫製制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図10】主軸・釜軸初期設定処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図11】出会い位置設定処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図12】出会い位置直接設定処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図13】出会い位置変更処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図14】縫製処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図15】釜軸同期駆動処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図16】N針分の刺繍データの縫製に関して出力される各種の信号のタイムチャートである。
【図17】針棒と天秤の運動曲線と釜糸糸量曲線と全回転釜の回転位置とを主軸の回転位置に対応して示す説明図である。
【図18】出会い位置設定選択画面の表示例を示す図である。
【図19】直接設定画面の表示例を示す図である。
【図20】位置変更画面の表示例を示す図である。
【図21】出会い位置と釜駆動モータの駆動開始タイミングとの関係を説明する説明図である。
【符号の説明】
M 多頭式刺繍ミシン
M1〜M3 刺繍ミシン
17 主軸
18a ディスプレイ
22 縫針
58 釜駆動モータ
59 全回転釜
65 第2エンコーダセンサ
100 ミシン制御装置
110 ミシンモータ
112 第1エンコーダセンサ
113 主軸原点センサ
150 釜軸制御装置
151 CPU
152 ROM
153 RAM
153a 出会い位置データメモリ
155 釜軸原点センサ

Claims (4)

  1. ミシンモータで主軸を介して駆動される針棒及び縫針を装備したヘッド部と、縫針と協働して上糸の糸輪を捕捉する糸輪捕捉器を装備したベッド部と、糸輪捕捉器を主軸とは独立に駆動する駆動手段と、ミシンモータの基準位置及び回転位置とを検出する第1検出手段と、前記駆動手段の駆動モータの基準位置及び回転位置を検出する第2検出手段と、第1,第2検出手段からの検出信号を用いて糸輪捕捉器が主軸に同期して回転するように駆動モータとミシンモータの少なくとも一方を制御する同期制御手段とを備えた主軸捕捉器軸独立駆動型ミシンにおいて、
    前記主軸と糸輪捕捉器とを夫々独立に手動回転させる出会い位置設定モードを設定する為のモード設定手段と、
    前記出会い位置設定モードにおいて、糸輪捕捉器の剣先が縫針と出会ったときの、ミシンモータの基準位置を基準とする回転位置と、駆動モータの基準位置を基準とする回転位置とを第1,第2検出手段の検出信号に基づいて検知する出会い位置検知手段と、
    前記出会い位置検知手段で検知されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置とを記憶する出会い位置データ記憶手段と、
    を備えたことを特徴とする主軸捕捉器軸独立駆動型ミシン。
  2. 前記出会い位置データ記憶手段に記憶されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置とを読み出してディスプレイに数値にて表示可能な表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシン。
  3. 前記表示手段のディスプレイに表示されたミシンモータの回転位置と駆動モータの回転位置の数値を変更可能で且つその変更した数値で出会い位置データ記憶手段の記憶データを変更可能な出会い位置データ変更手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシン。
  4. 前記同期制御手段は、出会い位置データ記憶手段に記憶された記憶データを用いて、ミシンの駆動開始時に駆動モータを駆動開始する駆動開始タイミングを決定することを特徴とする請求項3に記載の主軸捕捉器軸独立駆動型ミシン。
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