JP4263036B2 - 軽量盛土構造物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡合成樹脂ブロックを複数個敷き並べて形成した層を複数層積み重ねることによって構築した盛土を含む軽量盛土構造物に関するもので、更に詳しくは、圧縮剛性が高く、且つ構築作業性及び解体作業性が共に良好な軽量盛土構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、発泡合成樹脂ブロックを用いた盛土は、軟弱地盤上や傾斜地での盛土や、庭園の築山での盛土、更には地下構造物の埋込み、埋戻し等に広く用いられている。
【0003】
このような発泡合成樹脂ブロックを用いた盛土は、一般に圧縮剛性が小さく、また歪みも生じ易いため、例えば鉄道等の構造物には、列車の走行による大きな輪荷重を受けること、また鉄道のレールの許容変形量は極めて小さいこと等から、その使用が躊躇されていた。
【0004】
そこで、特許文献1には、発泡合成樹脂ブロックを用いた盛土の特性である軽量性及び施工性を損なわず、しかも圧縮剛性が高く、且つ変形量が僅かと成る道路、鉄道等の構造物にも使用可能な、軽量盛土構造物の構築方法が提案されている。
【0005】
この発泡合成樹脂ブロックを用いた軽量盛土構造物の構築方法は、具体的には、発泡合成樹脂ブロックの板面に表面から裏面に貫通する穴を形成し、該貫通穴が上下方向に連通するように前記発泡合成樹脂ブロックを積み重ね、該上下方向に連通する貫通穴にコンクリート、モルタル等を打設することにより、或いは塩ビパイプ、鋼管等を挿入することにより、圧縮剛性の高い杭体を発泡合成樹脂ブロックの積層体から成る盛土内部に構築したものである(特許文献1の第4図、第5図参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−87417号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術において、上下方向に連通する貫通穴にコンクリート、モルタル等を打設することにより上記杭体を構築したものにあっては、該杭体が発泡合成樹脂ブロックの貫通穴に強固に接着した状態となっており、該構法により構築された構造物の解体時においては、杭体を発泡合成樹脂ブロックの貫通穴から引き抜くことはできず、発泡合成樹脂ブロックを破壊しなければ構造物の解体ができないと言う課題があった。
【0008】
また、特許文献1に記載された技術において、上下方向に連通する貫通穴に塩ビパイプ、鋼管等を挿入することにより上記杭体を構築したものにあっては、解体時に該杭体を発泡合成樹脂ブロックの貫通穴から引き抜き、杭体による発泡合成樹脂ブロックの拘束を解除することができるために構造物の解体作業は容易なものとはなり得るが、逆に構造物の構築時においては、長尺な塩ビパイプ、鋼管等の搬送、貫通穴への挿入等の作業が煩雑なものとなり、施工性が悪いと言う課題があった。また、上記したコンクリート、モルタル等を打設することにより構築したコンクリート製の杭体に比して、塩ビパイプ、鋼管等から成る杭体は、圧縮剛性に劣り、またコスト的にも課題を有するものであった。
【0009】
本発明は、上述した従来の技術が有する課題に鑑み成されたものであって、その目的は、圧縮剛性が高く、しかも構築作業性及び解体作業性が共に良好な軽量盛土構造物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明の軽量盛土構造物は、発泡合成樹脂ブロックを複数個敷き並べて形成した層を複数層積み重ねることによって構築した盛土を含む軽量盛土構造物において、前記盛土の少なくとも一部が、前記発泡合成樹脂ブロックの板面に形成された表面から裏面に至る貫通穴に、コンクリート製の杭状部材が非接着状態で配設された複合ブロック体で構成されており、前記発泡合成樹脂ブロックに形成された貫通穴の空間形状が逆円錐台形状部を有し、前記コンクリート製杭状部材が前記貫通穴の空間形状に対応する逆円錐台形状部を有するものであることを特徴としている。尚、ここでいう非接着状態とは、上記貫通穴と上記杭状部材とが非接着状態である場合と、接着してはいるが、前記発泡合成樹脂ブロックを破壊することなく上記杭状部材を上記貫通穴から引抜くことができる程度の弱い接着状態である場合をも包含するものである。
【0011】
この本発明に係る軽量盛土構造物によれば、発泡合成樹脂ブロックを積み重ねることにより構築した盛土の少なくとも一部が、圧縮剛性の高いコンクリート製の杭状部材が配設された複合ブロック体で構成されているため、該複合ブロック体で構成された部分の盛土は圧縮剛性が高く、且つ変形量が僅かと成るため、強い圧縮荷重を受ける部分、或いは歪みの生じ易い部分等を該複合ブロック体で構成することにより、道路や鉄道等の構造物にも好適に使用し得る軽量盛土構造物となると共に、基本的には発泡合成樹脂ブロックの積み重ねにより構築されているため、構築作業性も良好な軽量盛土構造物となる。
【0012】
また、本発明に係る軽量盛土構造物によれば、上記圧縮剛性を高めるためのコンクリート製杭状部材は、発泡合成樹脂ブロックの板面に形成された貫通穴に非接着状態で配設されているため、解体時においては、該コンクリート製杭状部材を発泡合成樹脂ブロックの貫通穴から引き抜き、杭状部材による発泡合成樹脂ブロックの拘束を解除することができるため、構造物の解体作業は容易なものとなると共に、解体後の発泡合成樹脂ブロックの再使用も可能となる。
更に、本発明に係る軽量盛土構造物によれば、上記発泡合成樹脂ブロックの貫通穴の空間形状が逆円錐台形状部を有し、上記コンクリート製杭状部材が前記貫通穴の空間形状に対応する逆円錐台形状部を有するものとしたため、コンクリート製杭状部材に掛かる荷重の一部を発泡合成樹脂ブロックに負担させることができ、荷重のコンクリート製杭状部材への集中を防止できると共に、地下水や湧き水などの影響で発泡合成樹脂ブロックに浮力が生じた場合にも、重量のあるコンクリート製杭状部材が抵抗になって発泡合成樹脂ブロックの浮上を阻止することができ、軽量盛土構造物の安定性を高めることができる。
【0013】
ここで、上記本発明において、上記盛土の少なくとも一部が、上記複合ブロック体を上下方向に複数層積み重ねた多層複合ブロック体で構成され、該多層複合ブロック体は下層の複合ブロック体のコンクリート製杭状部材と上層の複合ブロック体のコンクリート製杭状部材とが上下方向に連なって配設されているものとすることができる。
このような構造の盛土を含む軽量盛土構造物は、上下方向に働く圧縮荷重を上下方向に連なって配設された圧縮剛性の高いコンクリート製杭状部材により効率的に受けることができ、より圧縮剛性の高い軽量盛土構造物を提供できる。
【0014】
また、上記盛土を構築する発泡合成樹脂ブロックを、表面と裏面のそれぞれの面が長辺と短辺の寸法比が略2対1の長方形形状である直方体形状とし、該直方体形状の発泡合成樹脂ブロックの相対向する短辺の二等分線と相対向する長辺の四等分線とが交差する三つの位置のうち長辺方向両側の二つの位置の板面に上記表面から裏面に至る貫通穴を形成した構造としても良い。
このような構造の発泡合成樹脂ブロックとした場合、該発泡合成樹脂ブロックを複数個敷き並べて形成した層を複数層積み重ねて盛土を構築する際、容易に全ての貫通穴を上下方向に連通した状態で該発泡合成樹脂ブロックを積み重ねることができる。
【0015】
また、上記本発明において、上記発泡合成樹脂ブロックを発泡ポリスチレンから成るものとしても良く、この場合には、軽量性、耐水性、耐久性、更には経済性等にも優れた軽量盛土構造物を提供することができる。
【0016】
更に、上記本発明において、上記多層複合ブロック体を上下方向に連なるコンクリート製杭状部材が複数個の短長なプレキャストコンクリート製杭状部材を上下方向に積み重ねることにより構成されているものとしても良く、この場合には、盛土の構築作業性及び解体作業性を更に良好なものとすることができる。
なお、上記の場合、短長なプレキャストコンクリート製杭状部材の上下面に、該杭状部材を上下方向に積み重ねた際の位置ズレを防止する係合部を各々形成することは好ましい。
【0017】
また、上記本発明において、上記短長なプレキャストコンクリート製杭状部材の下側が先細に形成されているものとすると、発泡合成樹脂ブロックの貫通穴への挿入作業が容易なものとなるために好ましい
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、上記した本発明に係る軽量盛土構造物の実施の形態を、図面等を示して詳細に説明する。
【0019】
図1に示したように、本発明において使用する発泡合成樹脂ブロック1は、例えば、発泡合成樹脂により長辺と短辺の寸法比L対Mが略2対1の長方形形状の表面1a、裏面1b、相対向する2つの長辺側側面1c,1c、並びに相対向する2つの短辺側側面1d,1dを備えた直方体形状に成形されている。
なお、「上記長辺と短辺の寸法比L対Mが略2対1」で言う「略」とは、盛土を構築するために発泡合成樹脂ブロックを積み重ねた時に上下方向に連通する貫通穴が形成され、該貫通穴に支障なくコンクリート製杭状部材が配置可能であれば多少の誤差は許容できることを意味するものであるが、「略」を数値として示した場合、上記長辺Lを上記短辺Mで除した時の値の小数点以下3桁目を四捨五入した時の値が、1.95〜2.04であることが好ましく、1.96〜2.03であることがより好ましく、1.97〜2.02であることが更に好ましく、1.98〜2.01であることが最も好ましい。
【0020】
上記発泡合成樹脂ブロック1の成形に使用する発泡合成樹脂としては、例えば、発泡ポリスチレン等の発泡ポリスチレン系樹脂、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の発泡ポリオレフィン系樹脂、発泡ポリ塩化ビニル、発泡フェノール樹脂、発泡ポリアミド、発泡ポリウレタン等の各種のものが使用できるが、中でも、軽量性、耐水性、耐久性等の特性並びにコスト等から、発泡ポリスチレンを使用することが好ましい。
また、発泡ポリスチレンを使用した場合、その見掛け密度は10〜35kg/mが好ましく、15〜25kg/mがより好ましい。また、成形方法としては、型内成形、押出成形等の各種の成形方法を採用することができるが、通常は、型内成形法を用いることが好ましい。
【0021】
図1に示した発泡合成樹脂ブロック1には、相対向する短辺の二等分線Xと相対向する長辺の四等分線Yとが交差する三つの位置A,B,Cのうち、長辺方向両側の二つの位置A,Cの板面に、表面1aから裏面1bに至る貫通穴2,2が各々形成されている。
【0022】
上記発泡合成樹脂ブロック1の長辺寸法Lは、1000〜3000mm程度、短辺寸法Mは、500〜1500mm程度、厚み寸法Nは、100〜1000mm程度が各々適当である。また、該発泡合成樹脂ブロック1に形成する上記貫通穴2の直径Φは、100〜300mm程度が適当である。これらは、発泡合成樹脂ブロック1の積層作業の利便性及び効率、成形加工性等を考慮し、上記発泡合成樹脂ブロック1の寸法L,M,Nが前記範囲内で適宜決定されることが好ましい。また、貫通穴2の直径Φも、要求される圧縮剛性等に応じて前記範囲内で適宜決定されることが好ましい。
【0023】
なお、好ましい例としては、発泡合成樹脂ブロック1の長辺寸法Lを2000mm、短辺寸法Mを1000mm、厚み寸法Nを500mmとしたサイズのものが適している。また好ましい貫通穴2の直径Φとしては、200mmとした例を挙げることができるが、これらの寸法に限定されるものではない。
また、発泡合成樹脂ブロック1に形成する上記貫通穴2の形成位置も、発泡合成樹脂ブロック1の板面を貫通する穴であれば、何ら上記の位置に限定されず、また該貫通穴2の数、更には形状等も、何ら上記のものに限定されるものではない。
【0024】
また、本発明において使用するコンクリート製杭状部材3としては、例えば、図2に示したような円柱状のプレキャストコンクリート製杭状部材3を使用することができる。このプレキャストコンクリート製杭状部材3の直径φは、上記発泡合成樹脂ブロック1の板面に形成された貫通穴2の直径Φよりも若干(数mm〜数十mm)小さく、且つ高さHは、上記発泡合成樹脂ブロック1の厚み寸法Nの0.3〜1.7倍、好ましくは0.4〜1.6倍、より好ましくは0.5倍又は/及び1.5倍と、1倍との組合せとされている。
【0025】
上記プレキャストコンクリート製杭状部材3の上面には、該杭状部材3を上方へ積み重ねた場合の位置ズレを防止する一方係合部となる凸部4が形成され、下面には、下方の杭状部材3に形成された上記凸部4が嵌挿する他方係合部となる凹部5が形成されている。このプレキャストコンクリート製杭状部材3は、中空状でも非中空状でも良い。
【0026】
上記発泡合成樹脂ブロック1及びコンクリート製杭状部材3を用いて、例えば鉄道に使用する軽量盛土構造物Pを構築する場合には、図3に示したように、先ず地盤Gを所定の深さまで掘削し、そこに構造物Pの荷重を地盤Gに均一に伝える目的で底版コンクリート6を施工する。この底版コンクリート6の剛性は、地盤Gの強度と構築する構造物P全体の荷重等を勘案して決定する。
【0027】
続いて、上記底版コンクリート6上に、発泡合成樹脂ブロック1を複数層に積層すると共に、該発泡合成樹脂ブロック1の積層体から成る盛土Sの内部に剛性を高めるためのコンクリート製杭状部材3を配設した複合ブロック体Mを構築する。この発泡合成樹脂ブロック1とコンクリート製杭状部材3とから成る複合ブロック体Mの構築方法の一例を、図1に示した発泡合成樹脂ブロック1、及び図2に示したプレキャストコンクリート製杭状部材3を用いて行う場合を例に挙げて以下に説明する。
【0028】
先ず、図4に実線で示したように、複数の発泡合成樹脂ブロック1を、長辺方向を図4の上下方向と一致させ、短辺同士を向かい合わせて密着状態で1列に敷き並べたものを、横方向に複数列密着状態で敷設して第1層とする。この場合、第1層の隣接する2列において、発泡合成樹脂ブロック1が互いに長辺寸法Lの2分の1だけずれるように敷設する。
【0029】
次に、前記第1層上に点線で示したように、第2層の各発泡合成樹脂ブロック1を、長辺方向を第1層の長辺方向と直交させて図4の左右方向とし、また第2層においても、隣接する2列の発泡合成樹脂ブロック1を互いに長辺寸法Lの2分の1だけずらして密着状態で敷設する。これによって、第2層の各発泡合成樹脂ブロック1に形成された貫通穴2が、第1層の各発泡合成樹脂ブロック1に形成された貫通穴2と上下に連通する状態で2層の発泡合成樹脂ブロック1が積層される。
【0030】
以下、第3層以上の各奇数層は、発泡合成樹脂ブロック1の長辺方向を図4の上下方向として、第1層の各発泡合成樹脂ブロック1と上下にオーバーラップするように敷設すれば良く、また、第4層以上の各偶数層は、発泡合成樹脂ブロック1の長辺方向を図4の左右方向として、第2層の各発泡合成樹脂ブロック1と上下にオーバーラップするように敷設すれば良い。
なお、発泡合成樹脂ブロック1の積層高さが3mを越えない位置、例えば4〜6層発泡合成樹脂ブロック1を積み重ねた上に、図3にも示したように、中間床版コンクリート7を施工することが好ましい。
【0031】
上記のように発泡合成樹脂ブロック1を積層するに際し、図5の斜視図及び図6の縦断面図に示したように、発泡合成樹脂ブロック1の敷き並べと共に、発泡合成樹脂ブロック1に形成された貫通穴2に上記図2に示したプレキャストコンクリート製杭状部材3を配設し、順次、発泡合成樹脂ブロック1の積み重ねと共に、上記杭状部材3の配設も繰り返すことにより、発泡合成樹脂ブロック1とコンクリート製杭状部材3とから成る複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mを構築する。
【0032】
このようにして構築された複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mは、各層を構成する発泡合成樹脂ブロック1に形成された貫通穴2が上下方向に連通し、該連通する貫通穴2内に、上下方向に積み重ねられた複数個の短長なプレキャストコンクリート製杭状部材3が非接着状態で配設された構造となる。
また、上記複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mは、上下に隣接する2層の発泡合成樹脂ブロック1の目地が揃わないものとなり、構造物全体としての強度が高く、且つ振動等に起因する発泡合成樹脂ブロック1の左右前後の位置ズレが生じ難いものとなる。
【0033】
また、上記のように短長なプレキャストコンクリート製杭状部材3を使用し、発泡合成樹脂ブロック1の積み重ねと共に該杭状部材3を配設していく溝法を採用した場合、構築作業性に優れると共に、発泡合成樹脂ブロック1の敷設時に周囲に存在するコンクリート製杭状部材3が連結具としての作用を果たし、発泡合成樹脂ブロック1がズレ難くなり、従来において使用していた発泡合成樹脂ブロック1同士を固定するためのジベルと呼ばれる金具を減らす又は無くすことができる。
【0034】
なお、上記したように長辺と短辺の寸法比が略2対1の長方形形状の表面1aと裏面1bをもつ直方体形状の発泡合成樹脂ブロック1を上記したように積層した場合、発泡合成樹脂ブロック1の上記短辺を一辺とする正方形形状の空間が生じるが、その場合には、直方体形状の上記発泡合成樹脂ブロック1を長手方向に半分のサイズに切断して使用すれば良い。また、盛土のサイズによっては、特に盛土の端部において他の形状の発泡合成樹脂ブロックが必要になる場合があるが、その場合には、上記発泡合成樹脂ブロック1又は別な発泡合成樹脂ブロックを相応の形状に切断加工して使用しても良く、或いは相応の形状の発泡合成樹脂ブロックを成形して準備しておいても良い。
【0035】
上記のような複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mの構築方法の場合、特に上記短長なプレキャストコンクリート製杭状部材3は、発泡合成樹脂ブロック1の厚み寸法Nの0.5倍の高さ寸法の杭状部材3A(及び/又は1.5倍の高さ寸法の杭状部材3C)と、発泡合成樹脂ブロック1の厚み寸法Nの1倍の高さ寸法の杭状部材3Bとを組合わせて使用することが最も好ましく、その場合の複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mの構築方法を、図6に基づいて詳細に説明する。
【0036】
図6に示したように、底版コンクリート6上に第1層の発泡合成樹脂ブロック1を敷設し、敷設した発泡合成樹脂ブロック1の貫通穴2に発泡合成樹脂ブロック1の厚み寸法Nの0.5倍の高さ寸法の杭状部材3Aを先ず挿入し、その上方に発泡合成樹脂ブロック1の厚み寸法Nの1倍の高さ寸法の杭状部材3Bを積み重ねる状態で挿入(或いは図示はしていないが、前記杭状部材3A,3Bに変えて、発泡合成樹脂ブロック1の厚み寸法Nの1.5倍の高さ寸法の杭状部材3Cを挿入)する。
【0037】
続いて、第2層の発泡合成樹脂ブロック1を上記第1層の発泡合成樹脂ブロック1上に積み重ねる。その際、図5にも示されているように、第1層の発泡合成樹脂ブロック1の上面から突出する上記杭状部材3が位置決め及び連結具としての作用を果たし、その積層作業性は良好なものとなる。
【0038】
第2層の発泡合成樹脂ブロック1を積層した後、貫通穴2に杭状部材3Bを先に挿入した杭状部材3B上に更に積み重ねる状態で挿入し、その後、第3層の発泡合成樹脂ブロック1の積層、及び貫通穴2への杭状部材3Bの挿入を繰り返し、第4層の発泡合成樹脂ブロック1の積層を行う。
【0039】
第4層の発泡合成樹脂ブロックの貫通穴2には、図6に示したように発泡合成樹脂ブロック1の厚み寸法Nの0.5倍の高さ寸法の杭状部材3Aを挿入し、第4層の発泡合成樹脂ブロック1の上面と杭状部材3の上端とを面一とする。
【0040】
続いて、面一とした第4層の発泡合成樹脂ブロック1の上方に中間床版コンクリート7を施工する。この中間床版コンクリート7は、載荷重の分散、不陸整地等の目的で発泡合成樹脂ブロック1の積層高さが3mを越えない範囲の位置において適宜配設することが好ましい。
【0041】
中間床版コンクリート7上には、更に上記底版コンクリート6上への発泡合成樹脂ブロック1の積層、及び貫通穴2への杭状部材3A,3Bの挿入と同様の方法で、複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mを構築していく。
【0042】
なお、図2に示した上下部が同一外径の円柱状のプレキャストコンクリート製杭状部材3に変えて、図7(a)及び(b)に示したように、下側が先細に形成されたプレキャストコンクリート製杭状部材3Dを使用することもでき、この場合には、発泡合成樹脂ブロック1に形成された貫通穴2への杭状部材3Dの挿入がスムーズに行え、より複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mの構築作業を容易なものとすることができる。
【0043】
また、図8(a)及び(b)に示したように、発泡合成樹脂ブロック1に形成された貫通穴2を、その空間形状が逆円錐台形状部を有する貫通穴2Aとし、上記杭状部材3を、前記貫通穴2Aの空間形状に対応する逆円錐台形状部を有するプレキャストコンクリート製杭状部材3Eとすると、上記と同様に発泡合成樹脂ブロック1に形成された貫通穴2Aへの杭状部材3Eの挿入作業が容易なものとなると共に、杭状部材3Eに掛かる荷重の一部を発泡合成樹脂ブロック1に負担させることができ、荷重の杭状部材3Eへの集中を防止できる。また、地下水や湧き水などの影響で発泡合成樹脂ブロック1に浮力が生じた場合にも、杭状部材3Eの重量が抵抗になって発泡合成樹脂ブロック1の浮上を阻止することができ、構築された軽量盛土構造物Pの安定性を高めることもできる。
【0044】
なお、発泡合成樹脂ブロック1の積層方法は、何ら上記の積層方法に限定されず、発泡合成樹脂ブロック1の板面に形成された上記貫通穴2が、上下方向に連通するような積層方法であれば、その方法は問わない。
また、コンクリート製杭状部材3の配設方法も、上記した溝法に限らず、発泡合成樹脂ブロック1の板面に形成された上記貫通穴2にコンクリート製杭状部材3を非接着状態で配設することができれば、その方法は問わず、例えば、図示は省略するが、発泡合成樹脂ブロック1を複数層(例えば4層)を先ず積層して発泡合成樹脂ブロック1のみから成る盛土Sを構築した後、該盛土Sを上下方向に連通する貫通穴2に長尺なプレキャストコンクリート製杭状部材3Fを上方から嵌挿する、或いは盛土Sを上下方向に連通する貫通穴2に袋状の離型シートを配置した後、又は離型剤を塗布した後に、コンクリート、モルタルを打設することにより、両者が非接着状態の発泡合成樹脂ブロック1とコンクリート製杭状部材3とから成る複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mを構築しても良い。
【0045】
続いて、上記のようにして構築された複合ブロック体Mの両側及び最上層に、図3に示したように、発泡合成樹脂ブロック1を保護、載荷重の分散、不陸整地等の目的で各々壁版コンクリート8、床版コンクリート9を施工し、前記床版コンクリート9上に、通常の鉄道軌道の構築方法で砂利10、枕木11、レール12を敷設し、また高欄13を設けることによって鉄道に使用することができる軽量盛土構築物Pを完成する。
【0046】
上記したようにして構築された軽量盛土構築物Pは、床版コンクリート9を介して列車の走行による大きな輪荷重等の動的な鉛直荷重のほとんどを圧縮剛性の高いコンクリート製杭状部材3に分担させることができ、圧縮剛性が高く、且つ変形量が僅かな盛土と成ると共に、基本的には発泡合成樹脂ブロック1を積層した盛土Sにより構成されているため、軽量性及び施工の容易性を兼ね備えた軽量盛土構造物となる。
【0047】
また、上記したように荷重のほとんどをコンクリート製杭状部材3に分担させるため、発泡合成樹脂ブロック1には差ほどの強度を要求されず、低密度(高発泡)の発泡合成樹脂ブロック1の使用、またリサイクル原料を使用した発泡合成樹脂ブロック1の使用も可能となり、経済的に鉄道にも使用することができる軽量盛土構築物を構築することができる。
【0048】
更に、上記したようにして構築された構造物Pは、上記圧縮剛性を高めるためのコンクリート製杭状部材3が、発泡合成樹脂ブロック1の板面に形成された貫通穴2に非接着状態で配設されているため、解体時においては、該杭状部材3を発泡合成樹脂ブロック1の貫通穴2から引き抜き、杭状部材3による発泡合成樹脂ブロック1の拘束を解除することができるため、構造物の解体作業は容易なものとなると共に、解体後の発泡合成樹脂ブロック1の再使用も可能となる。
【0049】
以上、本発明に係る軽量盛土構造物の実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想、即ち、圧縮剛性を高めるためにコンクリート製の杭状部材を発泡合成樹脂ブロックを積層することにより構築した盛土内部に配設すると共に、該コンクリート製杭状部材を、解体作業の容易性を確保するために発泡合成樹脂ブロックの板面に形成された貫通穴に非接着状態で配設すると言う技術的思想の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0050】
例えば、上記実施の形態においては、盛土の全域を発泡合成樹脂ブロック1とコンクリート製杭状部材3との複合ブロック体(多層複合ブロック体)Mで構成した軽量盛土構造物Pにつき説明したが、図9乃至図18に示したように、盛土の一部を発泡合成樹脂ブロックとコンクリート製杭状部材との複合ブロック体(図において斜線を付した部分)で構成したものとしても良い。
【0051】
なお、図9は、前面壁版コンクリート102と背面傾斜地103との空所に発泡合成樹脂ブロック101を盛土材として用いた傾斜地の拡幅盛土構造物において、空所の最下層を含む少なくとも一層(図9の例では最下層とそのすぐ上の層)に用いる発泡合成樹脂ブロックをコンクリート製杭状部材との複合ブロック体(多層複合ブロック体)101aとしたものを示し、図10は、前面壁版コンクリート102の背面直後に用いる発泡合成樹脂ブロックをコンクリート製杭状部材との複合ブロック体(多層複合ブロック体)101bとしたものを示し、更に図11は、最上層に用いる発泡合成樹脂ブロックをコンクリート製杭状部材との複合ブロック体101cとしたものを示す。また図12は、前記最下層を含む少なくとも一層(図12の例では最下層とそのすぐ上の層)及び前面壁版コンクリート102の背面直後の部分を多層複合ブロック体101a,101bとしたものを示し、図13は、前記最下層を含む少なくとも一層(図13の例では最下層とそのすぐ上の層)及び最上層の部分を多層複合ブロック体101a,101cとしたものを示し、図14は、前記前面壁版コンクリート102の背面直後及び最上層の部分を多層複合ブロック体101b,複合ブロック体101cとしたものを示し、更に図15は、前記最下層を含む少なくとも一層(図15の例では最下層とそのすぐ上の層),前面壁版コンクリート102の背面直後及び最上層の部分を多層複合ブロック体101a,101b,複合ブロック体101cとしたものを示す。
【0052】
また、図16は、壁版コンクリート104,104間の空所に発泡合成樹脂ブロック101を盛土材として用いた自立壁の盛土構造物において、壁版コンクリート104,104の背面直後に用いる発泡合成樹脂ブロックをコンクリート製杭状部材との複合ブロック体(多層複合ブロック体)101d,101dとしたものを示し、図17は、最上層に用いる発泡合成樹脂ブロックをコンクリート製杭状部材との複合ブロック体101eとしたものを示す。また図18は、前記壁版コンクリート104,104の背面直後及び最上層の部分を複合ブロック体101d,101d,101eとしたものを示す。
なお、図9乃至図18中、105は底版コンクリート、106は中間床版コンクリート、107は床版コンクリート、108は前記床版コンクリート107上に形成された道路舗装体である。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明した本発明に係る軽量盛土構造物によれば、発泡合成樹脂ブロックを積み重ねることにより構築した盛土の少なくとも一部が、圧縮剛性の高いコンクリート製杭状部材が配設された複合ブロック体で構成されているため、該複合ブロック体で構成された部分の盛土は圧縮剛性が高く、且つ変形量が僅かと成るため、強い圧縮荷重を受ける部分、或いは歪みの生じ易い部分等を該複合ブロック体で構成することにより、道路や鉄道等の構造物にも好適に使用し得る軽量盛土構造物となると共に、基本的には発泡合成樹脂ブロックの積み重ねにより構築されているため、構築作業性も良好な軽量盛土構造物となる効果がある。
【0054】
また、本発明に係る軽量盛土構造物によれば、上記圧縮剛性を高めるためのコンクリート製杭状部材は、発泡合成樹脂ブロックの板面に形成された貫通穴に非接着状態で配設されているため、解体時においては、該杭状部材を発泡合成樹脂ブロックの貫通穴から引き抜き、杭状部材による発泡合成樹脂ブロックの拘束を解除することができるため、構造物の解体作業は容易なものとなると共に、解体後の発泡合成樹脂ブロックの再使用も可能となる効果がある。
更に、本発明に係る軽量盛土構造物によれば、上記発泡合成樹脂ブロックの貫通穴の空間形状が逆円錐台形状部を有し、上記コンクリート製杭状部材が前記貫通穴の空間形状に対応する逆円錐台形状部を有するものとしたため、コンクリート製杭状部材に掛かる荷重の一部を発泡合成樹脂ブロックに負担させることができ、荷重のコンクリート製杭状部材への集中を防止できる効果があると共に、地下水や湧き水などの影響で発泡合成樹脂ブロックに浮力が生じた場合にも、重量のあるコンクリート製杭状部材が抵抗になって発泡合成樹脂ブロックの浮上を阻止することができ、軽量盛土構造物の安定性を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軽量盛土構造物の構築に使用する発泡合成樹脂ブロックの一例を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る軽量盛土構造物の構築に使用するコンクリート製杭状部材の一例を示した斜視図である。
【図3】本発明に係る軽量盛土構造物の一実施の形態を示した斜視図である。
【図4】図1の発泡合成樹脂ブロックを積層する状態の一例を示した平面図である。
【図5】図1の発泡合成樹脂ブロック、及び図2のコンクリート製杭状部材を用いて複合ブロック体を構築する方法の一例を示した斜視図である。
【図6】図1の発泡合成樹脂ブロック、及び図2のコンクリート製杭状部材を用いて複合ブロック体を構築する方法の一例を示した縦断面図である。
【図7】先細に形成されたコンクリート製杭状部材を用いて複合ブロック体を構築する方法を示した概念的な縦断面図であって、(a)は全体が先細に形成されたコンクリート製杭状部材を用いた場合、(b)は下部のみが先細に形成されたコンクリート製杭状部材を用いた場合を各々示す。
【図8】発泡合成樹脂ブロックに形成された貫通穴の空間形状が逆円錐台形状部を有し、コンクリート製杭状部材が前記貫通穴の空間形状に対応する逆円錐台形状部を有するものを用いて複合ブロック体を構築する方法を示した概念的な縦断面図であって、(a)は全体が逆円錐台形状である場合、(b)は下部のみが逆円錐台形状である場合を各々示す。
【図9】本発明に係る軽量盛土構造物の他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図10】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図11】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図12】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図13】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図14】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図15】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図16】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図17】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【図18】本発明に係る軽量盛土構造物の更に他の実施の形態を模式的に示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 発泡合成樹脂ブロック
1a 表面
1b 裏面
1c 長辺側側面
1d 短辺側側面
2 貫通穴
2A 逆円錐台形状部を有する貫通穴
3 コンクリート製杭状部材
3A 発泡合成樹脂ブロックの厚み寸法の0.5倍の高さ寸法のコンクリート製杭状部材
3B 発泡合成樹脂ブロックの厚み寸法の1倍の高さ寸法のコンクリート製杭状部材
3C 発泡合成樹脂ブロックの厚み寸法の1.5倍の高さ寸法のコンクリート製杭状部材
3D 先細に形成されたコンクリート製杭状部材
3E 逆円錐台形状部を有するコンクリート製杭状部材
3F 長尺なコンクリート製杭状部材
4 コンクリート製杭状部材に形成された凸部(係合部)
5 コンクリート製杭状部材に形成された凹部(係合部)
6 底版コンクリート
7 中間床版コンクリート
8 壁版コンクリート
9 床版コンクリート
10 砂利
11 枕木
12 レール
13 高欄
S 盛土
M 複合ブロック体(多層複合ブロック体)
P 軽量盛土構造物
101 発泡合成樹脂ブロック
101a,101b,101c,101d,101e 複合ブロック体(多層複合ブロック体)
102 前面壁版コンクリート
103 背面傾斜地
104 壁版コンクリート
105 底版コンクリート
106 中間床版コンクリート
107 床版コンクリート
108 道路舗装体

Claims (8)

  1. 発泡合成樹脂ブロックを複数個敷き並べて形成した層を複数層積み重ねることによって構築した盛土を含む軽量盛土構造物において、前記盛土の少なくとも一部が、前記発泡合成樹脂ブロックの板面に形成された表面から裏面に至る貫通穴に、コンクリート製杭状部材が非接着状態で配設された複合ブロック体で構成されており、前記発泡合成樹脂ブロックに形成された貫通穴の空間形状が逆円錐台形状部を有し、前記コンクリート製杭状部材が前記貫通穴の空間形状に対応する逆円錐台形状部を有するものであることを特徴とする、軽量盛土構造物。
  2. 上記盛土の少なくとも一部が、上記複合ブロック体を上下方向に複数層積み重ねた多層複合ブロック体で構成され、該多層複合ブロック体は下層の複合ブロック体のコンクリート製杭状部材と上層の複合ブロック体のコンクリート製杭状部材とが上下方向に連なって配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の軽量盛土構造物。
  3. 上記多層複合ブロック体を上下方向に連なるコンクリート製杭状部材が複数個の短長なプレキャストコンクリート製杭状部材を上下方向に積み重ねることにより構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の軽量盛土構造物。
  4. 上記軽量盛土構造物が前面壁と背面傾斜地との空所に発泡合成樹脂ブロックを盛土材として用いた傾斜地の拡幅盛土構造物であり、該構造物の最下層を含む少なくとも一層に用いる発泡合成樹脂ブロックを上記複合ブロック体としたことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の軽量盛土構造物。
  5. 上記軽量盛土構造物が前面壁と背面傾斜地との空所に発泡合成樹脂ブロックを盛土材として用いた傾斜地の拡幅盛土構造物であり、該構造物の前面壁の背面直後に用いる発泡合成樹脂ブロックを上記複合ブロック体としたことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の軽量盛土構造物。
  6. 上記軽量盛土構造物が前面壁と背面傾斜地との空所に発泡合成樹脂ブロックを盛土材として用いた傾斜地の拡幅盛土構造物であり、該構造物の最上層を含む少なくとも一層に用いる発泡合成樹脂ブロックを上記複合ブロック体としたことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の軽量盛土構造物。
  7. 上記軽量盛土構造物が壁体間の空所に発泡合成樹脂ブロックを盛土材として用いた自立壁の盛土構造物であり、該構造物の壁体の背面直後に用いる発泡合成樹脂ブロックを上記複合ブロック体としたことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の軽量盛土構造物。
  8. 上記軽量盛土構造物が壁体間の空所に発泡合成樹脂ブロックを盛土材として用いた自立壁の盛土構造物であり、該構造物の最上層を含む少なくとも一層に用いる発泡合成樹脂ブロックを上記複合ブロック体としたことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の軽量盛土構造物。
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