JP4262051B2 - 溶接熱影響部の高温クリープ強度に優れた低合金フェライト系耐熱鋼 - Google Patents

溶接熱影響部の高温クリープ強度に優れた低合金フェライト系耐熱鋼 Download PDF

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Description

本発明は、石油化学プラント、あるいは発電プラントなどの400℃を超える高温、200気圧を超える高圧力で使用される圧力機器および配管の素材となる鋼材に関し、詳しくは高温高圧下で10万時間以上の長時間耐久性、すなわち高いクリープ強度およびクリープ疲労強度を発揮する鋼材に関する。
400℃以上の高温で使用する圧力容器用鋼には、使用目的によらず共通の特性が求められる場合が多い。すなわち、10万時間以上に及ぶ長期使用時の強度と加工性であり、前者はクリープ強度およびクリープ疲労強度として評価され、後者は耐脆化特性として評価される。高温クリープ特性を確保するには、高温にあっても材料中の組織が回復しがたいこと、換言すれば容易に転位が移動できない組織であることが必要であり、すなわち低い応力では変形しがたい材料が求められる。
一方で脆化とは鋼材中の組織が外力に対して変形できなくなって、組織上の一部に応力が集中して破壊に至る現象であり、ミクロ組織の観点からは両者は全く相反する特性となる。特に入熱量、方法にかかわらず鋼材同士を突き合わせて溶接する継ぎ手においては、幅こそ変化はするもののAc1 点以上に加熱された部位では溶接ボンド近傍で結晶粒径が粗大化し、ここのクリープ破断強度は増加するが靭性は確保困難となる。
通常はそのような溶接継ぎ手、ここでは1400℃以上に加熱された溶接熱影響部中における、旧γ結晶粒径150μm以上の粗大結晶粒部位での靭性を確保する為、化学成分の調整ではなく後熱処理(応力除去焼鈍、以降SR処理と略記する。)によって材料を軟化させ、脆化を防止することが一般的な構造材料の対処方法である。
ところが、SRは材料中の可動転位密度を下げると同時に炭化物の析出も促進する為、SRの条件、すなわち温度と施工時間は慎重に検討して選出しなければならない。それでも炭化物の析出促進を完全に防止することは理論上不可能であって、旧γ粒径が粗大化した場合、高Crフェライト鋼のように粒内にもフェライト組織が複雑かつ微細に発達していれば析出核の増大によって析出物の微細均一分散を実現できるが、低合金鋼のように比較的焼き入れ性の低いフェライト系耐熱鋼では微細なラス組織が発達しがたく、粒界の析出脆化を避けることは難しい。特に溶接入熱が2万J/cmを超えると、多層盛りのTIG、MAG、SAW、SMAW等の一般に実用化されている溶接方法では、後続パスの熱影響による軟化よりもむしろ脆化しやすい傾向にある。
低合金フェライト系耐熱鋼は500℃前後の高温で使用され、一部には580℃の高温使用にまで耐えうる高強度材料も実用化されている。例えば特許文献1、特許文献4では、WとMgを複合添加し、この脆化と高温クリープ特性両立を図った材料に関する発明の記載がある。また特許文献2、特許文献3には、WではなくMoを主要な固溶強化元素とする高強度低合金フェライト系耐熱鋼の発明の記載がある。
特公平06−002926号公報 特許第02684109号掲載公報 特許第02767009号掲載公報 特公平06−013728号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献4に記載の発明は、その適用温度は550℃前後にあって、主にクリープ破断強度の向上を意図したものであり、靭性、特に溶接熱影響部についてはその両立に関する記述がない。すなわち特許文献1、特許文献4に記載の発明では、高クリープ強度と溶接熱影響部の靭性確保を同時に達成することは困難である。
また特許文献2、特許文献3に記載の発明も、母材の靭性獲得に関する記述はあるものの、溶接熱影響部のクリープ強度と靭性の両立を実現する技術に関する記載が無く、特に、靭性を確保すべく材料の室温強度を低下させた場合でもクリープ破断強度を維持する為の技術が開示されていない。そのためこれらの従来技術には、本発明が意図する、550℃、10万時間のクリープ破断強度が120MPa以上で、溶接熱影響部の同じく10万時間使用後の粗粒域靭性が0℃における2mmVノッチシャルピー吸収エネルギーで50J以上という、構造物としての優れた特性を満足することは不可能である。
そこで本発明は、上記のような低合金フェライト系耐熱鋼の溶接熱影響部のクリープ破断強度が、550℃、10万時間でも120MPa以上と高く、さらに同じくクリープ環境下でも溶接熱影響部粗粒域、特にボンドの靭性が50J以上と優れた、低合金フェライト系耐熱鋼を提供することを目的とするものである。
上記の問題を解決する為になされた本発明の要旨は下記のとおりである。
(1) 質量%で、
C :0.12〜0.15%、 Si:0.01〜0.10%、
Mn:0.30〜0.60%、 P :0.02%以下、
S :0.005%以下、 Al:0.005〜0.040%、
N :0.010%以下、 Cr:2.00〜2.50%、
Ni:0.05〜0.25%、 Mo:0.90〜1.20%、
V :0.20〜0.35%、 Nb:0.01〜0.06%、
B :0.0003〜0.0020%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、溶接熱影響部結晶粒内にクリープ時に存在する炭化物の内、Vを主体とする炭化物(Mo,V)Cの割合を50%以上とするために、固溶状態にあるBが0.0003%以上で、かつ、下記式のFB値が0.0003以上であることを特徴とする、溶接熱影響部の高温クリープ強度に優れた低合金フェライト系耐熱鋼。
FB=(B%)−0.78×{(N%)−(Al%)/4−(Ti%)/3}
−{2×(Mn%)+(Ni%)}/1000
(2) さらに質量%で、Ti:0.002〜0.030%を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の溶接熱影響部の高温クリープ強度に優れた低合金フェライト系耐熱鋼。
(3) さらに質量%で、
Y :0.0005〜0.010%、 Ce:0.0005〜0.010%、
La:0.0005〜0.010%、 Ca:0.0005〜0.010%、
Mg:0.0005〜0.010%、 Ba:0.0005〜0.010%、
Zr:0.0005〜0.010%、 Cu:0.16〜0.25%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の溶接熱影響部の高温クリープ強度に優れた低合金フェライト系耐熱鋼。
これらの鋼材はいずれも、2.0〜2.5%Crフェライト系耐熱鋼に1%Moを含有させ、Moによる固溶強化で鋼材の高温特性をまず確保し、さらに粒内にVを主要構成元素とする(Mo,V)C型炭化物をB,Al,N,Mn,Niの制御で、透過型電子顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡による観察にて、結晶粒内において視野内で確認できる炭化物(EDX等の分析装置を備えている電子顕微鏡を使用することが望ましい)の存在割合、すなわち個数の割合が50%以上であるように析出させ、加えてクリープ条件下で鋼中に固溶しているB量を少なくとも0.0003%以上確保し、フェライト粒界の再結晶に起因する組織回復を抑制することでクリープ破断強度を高めることが、本発明者らの詳細な研究で明らかとなった。
ここでBは溶接熱影響部において、N等と反応して析出した場合には粒内に析出する (Mo,V)Cの析出核となってしまい、その結果必要な炭化物個々が大きくなる為に個数密度が低下して50%以下になる場合がある。このときには微細な(Mo,V)Cによる析出強化能が低下し、その結果溶接熱影響部のクリープ破断強度は低下してしまうこともまた、本発明者らの研究で明らかとなった。
Bはまた一方、1450℃程度まで加熱されるボンドにおいて、その冷却中に旧γ粒界に偏析して粒界からの核生成を効果的に抑制し、粒内からのフェライト変態、あるいは塑性的過冷度が十分に高い場合にはベイナイト変態を生じせしめ、粗大化したγ粒内部に亜結晶粒界を多数導入する点で溶接熱影響部靭性向上に有効である。
すなわち、Bが鋼中に存在するNと結合してBNとなって析出すると、室温の強度は若干高まる場合もあるが、高温(ここでは400℃以上を意味する)のクリープ強度については粒内析出物の個数密度低下のために確保困難となり、さらにBNが粗大化した場合には靭性の確保も困難となる。従ってBは固溶状態で活用し、(Mo,V)Cの微細析出を阻害せず、粒界の安定化と溶接熱影響部の微細フェライト組織獲得に活用しなければならない。
Bを以上の目的で十分に活用する為の目安は、添加したBのうち少なくとも0.0003%が完全に固溶状態にあって、その結果としてBN析出が少なく(Mo,V)Cが微細析出し、B自体は旧γ粒界へ偏析し、組織微細化効果を発揮する。Bを0.0003%以上固溶状態にとどめおくことは、Cr含有低合金鋼では必然的に混入する不純物としてのNの固定が重要で、これはCrを1%未満含有する構造用炭素鋼でのBの活用と概念的には違わないものの、長時間クリープの後も固溶状態を維持しうるためには、化学成分をことさら厳密に規制しないと達成することができない。
そのための手段として、専ら耐熱鋼ではクリープ破断強度低下の悪影響があると考えられているAlを積極的に利用してNを固定し、あるいはさらにTiを窒素固定補助剤として利用することで添加する。さらに、窒化物析出促進元素であるMn,Niは、溶接熱影響部で微細組織を得る上で必要ではあるが、過多となった場合には同様にBNの析出を増加させてしまう働きを有することが、本発明者らの研究で明らかとなった。
そこで、従来は顧みられなかったこれら元素の添加量まで本発明では規制することで、初めて0.0003%以上のBを完全に安定して確保することが可能となり、課題とする特性を安定して得ることが可能となった。
すなわち、本発明の核心は微細組織達成と微細炭化物獲得の為の固溶Bの有効活用であり、その厳密な化学成分設計指針にある。
図1はこの固溶B量を表す実験式FB値と本発明に類似する鋼成分でFB値が連続的に変化する低合金フェライト系耐熱鋼の550℃10万時間クリープ破断強度(3万時間までのクリープ破断強度からLarson−Miller法で3時曲線にて外挿した推定値)との関係を示しており、FB値が向上し、0.0003%を超えるとクリープ破断強度は120MPaを超えることが明らかである。
FB=(B%)−0.78×{(N%)−(Al%)/4−(Ti%)/3}
−{2×(Mn%)+(Ni%)}/1000
図2は600℃で3700時間、促進時効試験(550℃約10万時間に相当)を実施した場合の、2mmVノッチ衝撃試験の0℃における吸収エネルギーの関係を示す図である。
試験片は時効処理前に、1450℃×10秒保持、1℃/s冷却の溶接ボンド相当熱処理を実施してあり、旧γ粒径は250〜350μmに達していることを光学顕微鏡で確認した。
FB値と吸収エネルギーには相関があって、0.002%までのB添加ではFB値0.0003以上で50J以上の吸収エネルギーが得られていることが判る。なお、このFB値は固溶B量を推定する計算上の値であって、実際の固溶B量とは、AlおよびTiをNの当量以上に添加した場合、添加B量よりも高い数値を示す場合がある。しかし、溶接継ぎ手では元素が十分に拡散できる時間的余裕が与えられないことから、必ずしもAlあるいはTiは化学平衡論的にNとは化合せず、その窒素固定能力が減じられることから、FB値は実際の固溶B量そのものを表さない場合でも高いほど良い。ただし、B添加量そのものは、後の熱処理でのB化合物の分解等を考慮すれば、後述するように最大で0.002%を超えて添加してはならない。
図3はFB値と550℃、1万時間クリープ試験後の材料組織中における結晶粒内炭化物に占める、Vを主要構成元素とする(Mo,V)C(VのEDXのKα線ピーク高さがMoのLα線ピーク比高さを超える場合を本発明では便宜的にこのように呼称する)の個数密度比(電子顕微鏡視野内で1万倍以上の倍率で観察測定した全炭化物個数に占める比率で、全てVを主要構成元素とする(Mo,V)Cでは1.0)の関係を示した図である。
FB値が0.0003以上であるときに、Vを主要構成元素とする(Mo,V)Cの粒内個数密度は50%以上であることが判り、FB値の制御は炭化物の微細分差に同時に寄与している。
本発明により、400℃以上の高温、特に、550℃、10万時間という過酷な環境で120MPa以上のクリープ破断強度を有し、さらに溶接熱影響部の靭性が、クリープ後でも0℃で50J以上という優れた高温特性を有する低合金フェライト系耐熱鋼を提供することが可能となる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を示す。
本発明に記載の鋼材は、通常の高炉−転炉−連続または単発の造塊工程−熱間圧延ないしは鍛造−熱処理の工程を経て鋼板、鋼管、その他配管用部品などとすることができ、特殊な製造工程を必要としない。鋼材はCrを含有する為その鉱石中ないしは冷鉄源としてのスクラップ中に不純物としてのSあるいはPが含有されていて、これらの脱燐、脱硫処理、さらには他の真空脱ガス等の二次精錬工程を付加することもできる。さらには純度を高める為に真空溶解炉や不活性ガス溶解炉などの電気炉製鋼法、一度鋳造したインゴットを電極として再熔解するElectric Slag Remelting (ESR炉)なども適用が可能であり、本発明の効果を何ら阻害することはない。
本発明に記載の鋼材はこれまで縷々述べてきたごとく、化学成分の厳密な管理による固溶Bの獲得が必要である。フェライト系耐熱鋼であるが故に、本発明で示したFB値なる特殊な専用パラメータを用いるが、その化学成分に関する規制は以下の理由で決定した。
C:鋼材の組織を制御する為に添加し、また炭化物を析出させてクリープ温度域における転位の移動を妨げる点で、鋼材のクリープ破断強度向上に資する。2〜2.5%Cr鋼では十分な転位密度の組織を得る為に0.12%が必要で、0.15%を超えて添加すると部材が大型化した際に組織が不均一になって、部分的に必要とする機械的特性を満たさない場合があることから、添加上限は0.15%とした。
Si:鋼の脱酸を助けるとともに、鋼材中にあって材料の高温酸化を抑制する。0.01%の添加で効果が発現し、0.10%を超えて添加するとクリープ破断強度を低下させる為、その添加範囲を0.01〜0.10%とした。
Mn:鋼材の初期組織を形成する為の、いわゆる焼き入れ正確補の為に添加する。0.30%未満では効果が無く、0.60%を超えて添加する場合、炭化物と窒化物の析出を促進して粗大化に至り、析出強化に起因するクリープ破断強度を低下させる為、その添加範囲を0.30〜0.60%とした。
Cr:本鋼を高温で使用する際に、大気酸化、水蒸気酸化、水素浸食性等の特性を向上させる重要な元素である。さらに炭化物として析出し、長時間にわたってCr233C6 を鋼中に形成し、クリープ時の転位移動障害となる。2.0%未満では400℃以上の高温で耐酸化性および水素浸食性が確保できず、2.50%を超えて添加すると、長時間使用後の炭化物による脆化を促進する為、その添加範囲を2.0〜2.5%に制限した。
Mo:固溶強化でクリープ破断強度を向上させる元素である。析出した場合には(Mo,V)Cとして結晶粒内に安定に微細分散する。平均析出粒径は100nmを超えず、析出間隔は500nm未満である。またMoの一部はCrを一部置換してM236 の形態をとり、その高温安定性を向上させる。0.90%未満では効果が少なく、1.20%を超えて添加すると今度はMo6 C炭化物となって粒界析出脆化を招く場合があることから、その添加範囲を0.90〜1.20%と制限した。従来の鋼ではこのMo6 C析出こそがクリープ破断強度低下の主因であったが、本鋼では化学成分の適正制御によってMo6 Cは析出しない。
Nb:鋼中にあって主にCと結合してNbCとして析出し、高温での転位の滑り面上での移動障害となる。微細に析出するほど効果は大きく、0.01%の添加で効果が発現するが、0.06%を超えて添加すると粗大化し、長時間使用後に脆化因子となる為、その添加量を0.01〜0.06%に制限した。
V:Vは主に(Mo,V)CすなわちMC型炭化物の形態および一部M2 Cとして析出し、高温クリープ特性に析出強化で寄与する。加えて、V含有炭化物は水素原子のトラップ能を有しており、容器内に保持している加圧流体が原子状水素を放出する際に水素浸食性を向上させる。0.20%の添加で効果が発現し、0.35%を超えて添加すると炭化物が粗大化して材料が脆化する可能性があることから、添加範囲を0.20〜0.35%に制限した。
Ni:Cr含有鋼では冷鉄源、あるいは鉱石中に含まれる場合があるが、本発明では材料の焼き入れ性を確保して材料の組織制御による靭性確保のために積極的に添加する。0.05%から効果があり、0.25%を超えて添加すると先述した窒化物の析出、特にBNの析出まで促進させてしまう場合がある為、その添加範囲を0.05〜0.25%に限った。その意味からNi添加上限は0.20%以下である方がより好ましい。
Al:フェライト系耐熱鋼では従来、Alの添加は避けることが通例であった。Alの添加は大きなクリープ破断強度低下を来すことが知られている。通常、0.005%未満に制限しないとクリープ特性に影響がある。本発明では従来の概念を踏襲せず、むしろAlを積極的に添加してAlNを析出させ、鋼中の固溶Nを減少させることを主眼に添加する。添加したAlの90%以上はAlNとして析出するように、添加範囲を実験的に求め、0.005〜0.040%とした。これ以上のAl添加はむしろクリープ破断強度への影響が大きく、Bの有効活用、(Mo,V)C微細分散による特性改善効果が減殺されてしまう。添加Alは酸化物として生成することは好ましくない。従って、二次精錬あるいは鋳造直前の工程、例えば出鋼時あるいは鋳造中の溶鋼など酸素濃度を0.005%以下とした状態で添加することが好ましく、AlNを析出させる為に必要である。
B:本発明で技術の中心をなす元素であり、固溶Bの状態で鋼中にとどめおくことでその効果を初めて発揮する。従って、その添加量は、0.0003〜0.0020%にあって、
FB=(B%)−0.78×{(N%)−(Al%)/2−(Ti%)/3}
−{2×(Mn%)+(Ni%)}/1000
なるFB値が0.0003以上であることが必要である。
0.0020%超のB添加は効果がないばかりでなく、BNないしはM23(CB)6 の粗大析出を招き、析出脆化を促進する場合がある。
N:Nは本発明でBの効果を発揮する上で阻害要因となる元素である。NはBとの親和力が高いためにBNを形成する可能性があって、固溶Bを低下させる懸念がある。従ってFB値を示す式中にはNの濃度の項があり、これを減少させることが必要である。材料中にNは不可避的に存在するが、これをBと結合させないことが本発明の重要な技術である。そのためにNの添加量を最大0.010%と低く制限した。
以上が本発明の骨子であるが、さらにBNの析出を抑制して効果的に固溶Bを活用すべくTiを追加して添加できる。0.002%からN固定効果があり、TiNの析出が確認できた。0.030%を超えて添加する場合、TiCが粗大析出してクラスターを形成する為母材の靭性が劣化することから、その添加範囲を0.002〜0.030%に制限した。Tiの添加で固溶Bの増加は確実に達成されるようになるが、反面TiはNとの親和力が強すぎる為、他の炭窒化物の粒界析出を阻害する傾向もある。本発明の上限値は、本発明鋼に限っては超えることは脆化の観点から危険である。
さらに、材料の脆化にはSが関与する場合がある。特に中心偏析部に濃化したSはMnと化合してMnSを形成し、粗大化して板厚中心部の靭性を劣化させる。これを防止する目的で本発明ではY,Ce,La,Mg,Ba,Zr、Cuの硫化物形態制御元素を選択して1種または2種以上添加することが可能であり、本発明の効果をさらに高める。
その添加はCuについては効果が顕在化する0.16%以上、Cu添加による熱間加工時の粒界赤熱脆性が問題となる0.25%まで、その他は何れも0.0005%から有効であり、酸化物のクラスターを形成しないように0.010%の添加までにとどめる必要がある。従って添加範囲をCuについては0.16〜0.25%、Cu以外のY,Ce,La,Mg,Ba,Zrについては0.0005〜0.010%に制限した。
なお、CuはNi,Mnと同様にオーステナイト形成元素ではあるが、本発明鋼の使用温度では材料がフェライト構造となっている為にほとんど材料中に固溶できず、ε−Cuとして析出状態にあって、FB値には何ら影響を与えない。
PとSは、本発明鋼の不純物成分である。鋼のクリープ破断強度と溶接継ぎ手ボンドにおける靭性を考慮すれば、Pは0.02%以下、Sは0.005%以下に制限する必要があり、材料の高清浄度化に必要な制限である。
なお、本発明鋼の熱処理については、耐熱鋼として一般的に適用される、焼準し−焼き戻し、焼入れ−焼戻し、焼準まま、などの熱処理を選択することができ、特段の制限を設ける必要はない。焼戻しに至っては複数回実施しても良く、十分な可動転位除去を実施することはフェライト系耐熱鋼では初期歪みを避ける上で重要である。また残留オーステナイトによる事後変形を防止する意味から深冷処理も有効で、材料組織を下部ベイナイトよりも高い焼入れ性の組織とする場合には適用することができ、また本発明の効果をさらに高めることができる。
請求項1〜3に記載の化学成分からなる表1に示す鋼を、高炉−転炉−二次精錬(真空脱ガス設備付き再加熱脱硫粉体吹き込み設備)を経て連続鋳造でスラブとなし、1100〜1250℃に再加熱して10〜20%厚減比の粗圧延、20〜50%厚減比の仕上げ圧延を実施して25〜160mmの鋼板となした。該鋼板はさらに、900〜1150℃に再加熱して10分〜360分の均熱保持の後冷却して焼準処理し、材料組織を形成した後に600〜750℃の範囲で1時間〜28時間、適宜焼き戻しおよび応力除去焼鈍模擬の加熱を実施し、その後機械的特性を板厚中心部から採取したJIS Z 2201で規定されているA4号引張り試験片、あるいは2mmVノッチ4号シャルピー衝撃試験を実施して母材諸特性を評価した。
続いて、この母材から評点間距離30mm、測定部直径6mmφのクリープ試験片を採取し、450〜650℃の間で30〜450MPaの応力下で短軸のクリープ試験を実施して、母材クリープ特性を評価した。
さらに、鋼板を20000〜70000J/cmの入熱で、V字45゜開先の突き合わせでTIG溶接し、その熱影響部を組織観察で特定してボンド線が試験片板厚中央に位置するように2mmVノッチ4号シャルピー衝撃試験片を採取して、板厚中央線とボンド線の交点を目安にして、この位置にノッチを加工し、ボンドの衝撃特性を測定した。
なお、この溶接熱影響部ボンドの衝撃特性については、溶接後に600℃で3700時間促進時効処理を実施した継ぎ手について実施している。
評価の際の目安は、本発明鋼が使用される450〜550℃近傍の温度のプラントを想定し、550℃10万時間相当のクリープ特性として破断強度120MPa以上、同じく促進時効試験後に溶接熱影響部ボンドの靭性が、0℃のピー吸収エネルギーで50J以上とした。なお、分析装置付帯の透過型電子顕微鏡によって結晶粒内にVを主要構成元素 (主要構成元素であるという判断基準はEDXによる特性X線最大ピークのMoとVの比で、VがMoよりも高い場合を意味する。)とする(Mo,V)Cが数密度で50%を超えていることも同時に確認した。
表1には化学成分に併せて、上記の評価結果も併せて示した。
表2は本発明鋼に対しての比較となる従来鋼の評価結果である。
第20番鋼はB添加量が過多となり、Bを含む炭硼化物、窒化物が多量に析出し、特に溶接熱影響部靭性が低下した例であり、この場合でも炭硼化物あるいはBNが安定化する為に粒内炭化物に占める(Mo,V)Cの割合VC(%)は50を下回っている。
第21番鋼ではB添加量が不足した為、組織の焼き入れ性が低下してベイナイト組織が十分に発達せず、転位密度が低下して厚鋼板の板厚中心部におけるクリープ強度が確保できなかった例で、第22番鋼はN量が過多となり、BNが粗大に生成して炭化物の核生成サイトとして機能し、その結果粒内炭化物の微細分散を実現できず、クリープ破断強度が確保できなかった例である。この場合FB値が0.0003未満となった。
第23番鋼はMnが過多となって窒化物の析出促進があり、このために(Mo,V)Cの微細分散が達成できず、FB値は確保できたものの、VCの値が50未満となって材料のクリープ破断強度、溶接熱影響部の靭性が低下した例である。
第24番鋼はNiが高い為に第23番鋼と同様にクリープ破断強度、溶接熱影響部靭性が確保できなかった例、第25番鋼はAl,Ti添加が不足し、FB値は負の値まで低下して粒内炭化物の微細分散未達成、加えてBNの粗大析出、固溶Bの活用不十分が重畳してクリープ破断強度低下、溶接熱影響部の靭性低下が生じた例、第26番鋼はAlが過多となり、AlNの粗大析出とAl酸化物クラスター生成によりクリープ破断強度が低下した例、第27番鋼はTiの過剰添加でTiCの粗大析出が生じ、溶接熱影響部の靭性が低下した例である。第27番鋼では母材の板厚中心部靭性も室温で41Jと低値であった。
第28番鋼はV添加量が不足し、本発明の中核をなすVを主要構成元素となす(Mo,V)Cの析出量が減少してクリープ破断強度が低下した例、第29番鋼では逆にVが過多となり、(Mo,V)Cは凝集粗大化して析出強化に寄与しなくなり、同時に靭性にも影響を及ぼして溶接熱影響部の靭性劣化を来した例、第30番鋼では化学成分は請求項1〜3に記載の各元素添加範囲を満足するものの、FB値で規定される化学成分範囲にはないためにFB値が0.0003を下回り、クリープ破断強度低下、溶接熱影響部靭性劣化に至った例であり、このときVC%は必然的に50以上に達しなかった。
Figure 0004262051
Figure 0004262051
FB値と550℃10万時間推定クリープ破断強度の関係により本発明のFB値の範囲を示す図である。 FB値と600℃、3700時間促進時効時の0℃溶接熱影響部シャルピー衝撃吸収エネルギーとの関係により本発明のFB値の範囲を示す図である。 FB値とVC値(Vを主要構成元素とする(Mo,V)Cの炭化物に占める結晶粒内個数比)の関係により本発明のFB値の範囲を示す図である。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C :0.12〜0.15%、
    Si:0.01〜0.10%、
    Mn:0.30〜0.60%、
    P :0.02%以下、
    S :0.005%以下、
    Al:0.005〜0.040%、
    N :0.010%以下、
    Cr:2.00〜2.50%、
    Ni:0.05〜0.25%、
    Mo:0.90〜1.20%、
    V :0.20〜0.35%、
    Nb:0.01〜0.06%、
    B :0.0003〜0.0020%
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、溶接熱影響部結晶粒内にクリープ時に存在する炭化物の内、Vを主体とする炭化物(Mo,V)Cの割合を50%以上とするために、固溶状態にあるBが0.0003%以上で、かつ、下記式のFB値が0.0003以上であることを特徴とする、溶接熱影響部の高温クリープ強度に優れた低合金フェライト系耐熱鋼。
    FB=(B%)−0.78×{(N%)−(Al%)/4−(Ti%)/3}
    −{2×(Mn%)+(Ni%)}/1000
  2. さらに質量%で、
    Ti:0.002〜0.030%
    を含有することを特徴とする、請求項1に記載の溶接熱影響部の高温クリープ強度に優れた低合金フェライト系耐熱鋼。
  3. さらに質量%で、
    Y :0.0005〜0.010%、
    Ce:0.0005〜0.010%、
    La:0.0005〜0.010%、
    Ca:0.0005〜0.010%、
    Mg:0.0005〜0.010%、
    Ba:0.0005〜0.010%、
    Zr:0.0005〜0.010%、
    Cu:0.16〜0.25%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の溶接熱影響部の高温クリープ強度に優れた低合金フェライト系耐熱鋼。
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