JP4261642B2 - 現像用磁性トナー及び現像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット法等における現像に用いられる現像用磁性トナー及び現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては、米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載されている如く多数の方法が知られている。一般には、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、次いでこの静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙の如き被転写材上にトナー画像を転写させた後、加熱、圧力、加熱加圧、或いは溶剤蒸気等により定着して複写物又はプリントを得ている。更に、感光体上に転写されずに残ったトナーは、種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年、コンピュータの出力装置としてのプリンターも、電子写真方式のLEDやレーザービームを光源とするプリンターが市場の主流になっており、小型化、軽量化、そして高速化、高信頼性が厳しく追求され、更にフルカラー化の需要が急速に高まってきている。このような背景から、電子写真装置では様々な点で、よりシンプルな構成で、高画質を与え、高耐久性を有することが求められている。その結果、トナーに要求される性能はより高度になってきている。
具体的には、例えば、現像工程においては、装置の小型化及び軽量化という観点から、特に最近の小型複写機や小型プリンターでは、キャリヤを必要としない一成分現像方式を採用したものが主流になっている。又、トナー粒子の粒径においては、グラフィック画像等の細線再現性に対する要求から、特開平1−112253号公報、特開平2−284158号公報等に提案されているような、粒径の小さいトナーが主流となってきている。更に、最近は、デジタル化及びフルカラー化の流れが進み、銀塩写真と同程度の画像再現性を達成するために、ハーフトーンの均一性が強く求められるようになってきている。
【0004】
現像工程において、ハーフトーンの均一性が損なわれる要因としては、トナー供給部におけるトナーの供給及び帯電の不均一が挙げられる。
従来より、トナー供給及び帯電の均一化のためには、例えば、特開昭54−43038号公報に記載されているように、現像剤担持体(トナー担持体)である現像スリーブに、ゴム又は金属製の弾性ブレードを当接させ、この弾性ブレードと現像スリーブとの当接部間にトナーを通過させてトナー層厚を規制させることが、現像スリーブ上に均一なトナーの薄層を形成し、しかも該当接部で起こる摩擦によってトナーに充分なトリボを付与できる手段として有効であることが知られている。しかしながら、この場合に、トナーの充分な帯電、及びトナーの均一で安定した薄層コートを得ようとすると、トナーの層厚規制部材(弾性ブレード)での拘束、押圧によるトナー薄層化の際の機械的・熱的ストレスの繰り返しが必要になるため、トナー担持体やトナー規制部材等へのトナーの融着や、トナーの凝集固着が発生するという問題が生じ、又、現像スリーブを回転させるために高いトルクが必要となる。この場合にトルクが不足すると、ピッチムラが発生し易くなるため、高いトルクを実現し得る装置が必要となり、上記の方式は、この点で最近の装置の小型化及び簡素化の傾向に対しては不利である。
【0005】
一方、トナーの構成面からは、トナー粒子への外添剤として様々な有機及び/又は無機の微粉体を添加することが提案されている。しかしながら、現像スリーブ上へのトナー層の形成は、環境状態、トナーの物性、トナー担持体(現像剤担持体)やトナー規制部材等の表面の物性等に依存するため、環境変動にかかわらず、或いは、繰り返し画像を形成する耐久を通じてトナー層を均一に保つことは非常に困難であり、ハーフトーンの濃度むらやゴーストが発生しない状態を維持させることは難しく、近年の、写真画像に近い画質の画像再現性や、耐久に対する高度な要求に対しては、未だ改良の余地がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決したトナー及び現像方法を提供することにある。
即ち、本発明の目的は、現像の際のトナー供給部において、現像スリーブを回転させる回転部にかかる抵抗が軽減され、トナー担持体やトナー規制部材等へのトナーの融着や凝集固着が発生することなく、低いトルクで、均一で安定したトナーの薄層コートが得られ、しかもトナーに対して充分な帯電を達成できる結果、ハーフトーンの濃度むらやゴーストの発生が抑えられた、環境変動に対しても、耐久においても、高画質画像が安定して得られる優れたトナー及び現像方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、現像装置内に収容された現像用トナーをトナー担持体上に担持し、トナー規制部材により、該トナー担持体上に現像用トナーの薄層を形成し、感光体と対向する現像領域へと搬送し、該感光体上の潜像を現像用トナーにより現像する現像方法において、上記現像用トナーが、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナー粒子100質量部に対して、疎水化処理された水酸化マグネシウム微粒子0.03〜0.5質量部と、ジメチルシリコーンオイルとヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された疎水性シリカ0.5〜5質量部と、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなる球状の樹脂微粒子0.01〜0.5質量部が外添されている磁性トナーであり、且つ、上記トナー規制部材が弾性ブレードであることを特徴とする現像方法及び現像用磁性トナーである。
【0008】
本発明者らは、現像の際のトナー供給部において、現像スリーブの回転部にかかる抵抗を軽減し、現像スリーブを回転させるために高いトルクを要さずに、均一で安定したトナーの薄層コートと、充分な帯電が与えられることを達成し得るトナーの開発を目的として鋭意検討した結果、トナー粒子表面に、水酸化マグネシウム微粒子を外添したトナーとすることにより上記の目的が達成できることを見いだして本発明に至った。即ち、上記のような構成を有するトナーによれば、ハーフトーンの濃度むらやゴーストの発生が抑えられ、環境変動や耐久によっても安定した高画質画像の形成が可能となることがわかった。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい形態を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
本発明で用いる現像用磁性トナー(以下、「本発明の現像用トナー」とも称す場合がある)は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子に、水酸化マグネシウム微粒子を外添させたことを特徴とする。
従来、現像装置のトナー供給部において現像スリーブの回転部にかかる抵抗を軽減させるためには、単にトナーの流動性を上げればよいと考えられていた。しかしながら、本発明者らの検討によれば、トナーの流動性を上げても、所望の均一なトナーコート状態と、充分なトナーへの帯電を得るためには、結局、トナー層の規制の強さを強める必要が生じる等、バランスをとることが難しかった。そこで、本発明者らは、現像スリーブの回転部にかかる抵抗を軽減させる方法として、トナーがトナー層厚規制部材とトナー担持体の間を通過する際に生じる、これらの部材との間の摩擦を低下させることに着目して、種々な検討を行なった。この結果、水酸化マグネシウム微粒子をトナー粒子に外添させれば、トナーが、トナー規制部材とトナー担持体の間を通過する際に生じる摩擦を適度に低下させることができると共に、トナー担持体上に均一で安定した薄層コートが得られ、且つ、トナーに充分な帯電が与えられることがわかった。
【0010】
本発明者らは、そのメカニズムを以下のように考えている。水酸化マグネシウム微粒子が外添されたトナーが、トナー規制部材とトナー担持体との間を通過すると、通過の際にトナー表面に付着している水酸化マグネシウム微粒子がトナー規制部材とトナー担持体にコートされる。ここで、本発明において使用されている水酸化マグネシウム微粒子は、非常に、潤滑性及び展延性に富んでいるため、トナーと、トナー規制部材及びトナー担持体の両部材との間の摩擦抵抗が適宜に軽減されると共に、安定したトナーの薄層コートが得られる。更に、水酸化マグネシウム微粒子は、トナーの帯電特性を高める効果もあるので、充分な帯電量を有するトナーが安定に供給される。以上の結果、ハーフトーンの濃度むらや、ゴーストの発生が抑制され、環境変動に対しても、耐久においても、高画質画像が安定して得られるものと考えられる。従って、特に、本発明の現像用トナーは、弾性ブレードとトナー担持体とを当接させ、その間にトナーを通過させてトナー層厚を規制する方式の現像方法に用いられた場合に、大きな効果が得られる。
【0011】
本発明の現像用トナーで外添剤として使用する水酸化マグネシウム微粒子は、平均粒径が0.3〜1.2μmの範囲内のものであることが好ましい。即ち、平均粒径が0.3μm未満である場合には、トナー担持体や潜像担持体への汚染が発生する傾向がある。一方、1.2μmを超える場合には、トナー供給部において、トナー担持体の回転部の抵抗を適宜に軽減させる効果が低下してしまう傾向があり、又、トナーの帯電量を高める効果も低下し、本発明の効果が充分に発揮されない場合がある。
【0012】
又、本発明で使用する水酸化マグネシウム微粒子は、有機脂肪酸、有機脂肪酸塩、シランカップリング剤類、チタネート系カップリング剤類、アルミニウム系カップリング剤類等で疎水化処理されていることが帯電の環境安定性等の点で好ましく、特に有機脂肪酸又は有機脂肪酸塩を用いた疎水化処理であると前述の効果が大きく、より好ましい。
水酸化マグネシウム微粒子の疎水化処理に用いる有機脂肪酸又は有機脂肪酸塩としては、例えば、オレイン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、又はオレイン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸でC10乃至C25程度のもの、又はそのアルカリ金属塩類が挙げられる。又、疎水化処理に用いられるこれらの化合物の使用量としては、水酸化マグネシウム微粒子100質量部当たり、約0.1〜10質量部が好ましい。
【0013】
又、本発明の現像用磁性トナーにおいて外添される水酸化マグネシウム微粒子の添加量は、磁性トナー粒子100質量部に対して0.03〜0.5質量部の範囲内であることが好ましい。即ち、0.03質量部未満の場合には、本発明の効果が小さく、又、0.5質量部を超える場合には、カブリや感光体汚染を生じる傾向がある。
【0014】
又、本発明の現像用トナーでは、上記の水酸化マグネシウム微粒子に加えて、平均一次粒径30nm以下のシリカ、アルミナ、チタニア、或いはその複酸化物の中から選ばれる第2の無機微粉体が更に外添されている形態が、前述した本発明の効果がより効果的に発揮され、現像性、流動性及び保存性を向上できる点から好ましい。
更に、上記で用いる第2の無機微粉体が、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物等の処理剤で、或いは、これらの種々の処理剤を併用して、疎水化処理されていることが、帯電の環境安定性、耐久安定性等の点で好ましい。中でも、少なくともシリコーンオイルで疎水化処理された無機微粉体を第2の外添剤として用いることが、特に好ましい。
【0015】
又、本発明の現像用トナーに用いることのできる上記に挙げたような第2の無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が、30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが好ましく用いられる。又、第2の無機微粉体の添加量は、磁性トナー粒子100質量部に対して、0.1〜8質量部、好ましくは0.5〜5質量部の範囲で使用するとよい。
【0016】
本発明の現像用トナーでは、上記の構成に更に、平均粒径0.1〜1.0μmの樹脂微粒子を外添した形態とすると、本発明の効果がより効果的に発揮されるので好ましい。即ち、本発明の現像用トナーでは、トナー粒子に、水酸化マグネシウム微粒子が外添されているが、これに加えて更に、平均粒径0.1〜1.0μmの樹脂微粒子を外添させることが好ましい。より好ましくは、トナー粒子に、水酸化マグネシウム微粒子、及び上記で説明した特定の第2の無機微粉体、更に、上記の樹脂微粒子が外添された形態とすることが好ましい。又、この際に使用する樹脂微粒子の形状は、球形であることがより好ましい。即ち、樹脂微粒子の形状が球形であれば、外添された場合に、トナーの流動性及び帯電安定性に対して有効に働くが、不定形の樹脂微粒子を外添させた場合には、トナーの流動性、帯電安定性が損われ、現像性に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。又、本発明の現像用トナーでは、平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲の樹脂微粒子を使用する。即ち、この範囲外の大きさのものを用いると、現像性に悪影響を及ぼす場合があるからである。又、樹脂微粒子の添加量は、磁性トナー粒子100質量部に対して、0.01〜0.5質量部の範囲とすることが好ましい。
【0017】
本発明の現像用トナーにおいては、特に、窒素原子を含有する高分子化合物からなる球状の樹脂微粒子を用いることが、前述の本発明の効果をより効果的に発揮できるので好ましい。窒素原子を含有する高分子化合物としては、例えば、アミノ基等の窒素元素を側鎖に有する重合体、アミド結合を有する樹脂共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂共重合体等が挙げられる。又、窒素原子を含有する高分子化合物からなる樹脂微粒子は、それ自体が正帯電性を有するものが好ましい。窒素原子を含有する高分子化合物からなる球状の樹脂微粒子が正帯電性を有する場合には、本発明の効果がより高まる。本発明においては、上記の中でも、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂共重合体からなる球状の樹脂微粒子を用いることが、特に好ましい。
【0018】
本発明において用いる上記で説明した水酸化マグネシウム粒子、無機微粒子、及び樹脂微粒子の平均粒径の測定は、先ず、電子顕微鏡で1万倍以上に拡大したこれらの粒子の写真を撮り、その写真上で、100個以上の粒子を無作為に抽出して粒径を測定し、これら値の平均値として求めた。
又、本発明の現像用トナーの重量平均粒径は、10.0μm以下、より好ましくは8.0μm以下であることが好ましい。トナーの重量平均粒径が、10.0μm以下であると、高精細画像に対する再現性が高く、前述の本発明の効果が更に高まる。尚、本発明においては、トナーの重量平均粒径は、コールター社製マルチサイザーにより測定した。
【0019】
本発明の現像用トナーを構成するトナー粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有する。トナー粒子を構成する結着樹脂には、下記の樹脂が用いられる。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレンブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。中でも、特に好ましい結着物質としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂である。
【0020】
上記スチレン系共重合体に使用されるスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のように二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が挙げられ、これらが単独もしくは2つ以上用いられる。
上記スチレン系重合体又はスチレン系共重合体は架橋されていてもよく、又、他の樹脂と混合してもよい。
【0021】
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば,エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられ、これらが単独もしくは混合物として用いられる。
【0022】
又、本発明の現像用トナーを構成するトナー粒子に用いられる着色剤としては、下記のものが挙げられる。黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
【0023】
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が挙げられ、これらが好適に用いられる。
【0024】
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等が挙げられ、これらが好適に用いられる。
【0025】
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられ、これらが好適に用いられる。
【0026】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明に用いる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から適宜に選択すればよい。
又、着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部の範囲で添加して用いられる。但し、黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤とは異なり、樹脂100質量部に対して、好ましくは30〜200質量部の範囲で添加して用いる。
【0027】
磁性体としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素等の元素を含む金属酸化物等が挙げられる。中でも、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものが好ましい。又、トナー帯電性コントロールの観点から、硅素元素又はアルミニウム元素等、他の金属元素を含有していてもよい。これらの磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が、好ましくは2〜3m2/g、より好ましくは3〜28m2/gの範囲、更に、モース硬度が5〜7の範囲である磁性粉を用いるとよい。
又、磁性体の形状は、8面体、6面体、球体、針状、鱗片状等、種々の形状があるが、本発明においては8面体、6面体、球体、不定型等の異方性の少ないものを用いることが、画像濃度を高める上で好ましい。
又、磁性体の平均粒径は、0.05〜1.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.6μmの範囲、更に好ましくは0.1〜0.4μmの範囲である。
【0028】
又、本発明の現像用トナーには、加熱加圧、定着時の定着部材からの離型性の向上、及び定着性の向上の点から、次のようなワックス類をトナー粒子中に含有させることが好ましい。例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、グラフト変性物が挙げられる。その他、長鎖アルコール、長鎖脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0029】
本発明において好適に使用し得るこれらの低分子量ワックスとしては、重量平均分子量が、好ましくは3万以下、より好ましくは1万以下、更に好ましくは800〜9,000の範囲のものである。又、本発明の現像用トナー中におけるこれらの低分子量ワックスの添加量としては、バインダー重合体成分100重量部に対し、約1〜20重量部程度とすることが好ましい。
これらの低分子量ワックスは、トナー製造に際し、予め結着樹脂の形成成分中に添加、混合させておいてもよい。特に、重合体成分の調製時に、低分子量ワックスと高分子量重合体とを溶剤に予備溶解した後、低分子量重合体溶液と混合する方法でもよい。
【0030】
本発明の現像用トナーには、更に、荷電制御剤をトナー粒子中に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)させることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記物質が挙げられる。例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等が挙げられる。
【0031】
又、正荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記物質が挙げられる。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;が挙げられ、これらを単独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0032】
上述した荷電制御剤は、微粒子状として用いることが好ましく、この場合には、これらの荷電制御剤の個数平均粒径が、好ましくは4μm以下、より好ましくは3μm以下のものを用いるとよい。又、これらの荷電制御剤をトナーに内添させる場合には、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜10質量部の範囲で使用する。又、荷電制御剤をトナーに外添させる場合には、トナーに対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.05〜2質量部の範囲で使用する。
【0033】
本発明の現像用トナーには、実質的に悪影響を与えない範囲内で、更に、下記に挙げるような他の添加剤を添加させてもよい。例えば、テフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末、チタン酸カルシウム粉末の如き研磨剤;ケーキング防止剤、或いは、例えば、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤が挙げられる。
【0034】
上記に説明したような構成を有する本発明の現像用トナーは、従来公知の粉砕法或いは重合法の何れの方法によっても作製できる。粉砕法では、例えば、結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料或いは磁性体、その他必要に応じて、ワックス、金属塩或いは金属錯体、荷電制御剤、その他の添加剤等からなるトナーの形成材料をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により充分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂類をお互いに相溶せしめた中に、金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化、粉砕後、分級、更に必要に応じて表面処理を行なってトナー粒子を得、ヘンシェルミキサー等の混合機により、水酸化マグネシウム微粒子、更に、必要に応じて第2の無機微粉体、樹脂粒子等のその他の添加剤を添加混合して外添させることによって本発明の現像用トナーが得られる。
【0035】
本発明の現像用トナーは、重合法によってトナーを製造することも可能である。懸濁重合法トナーでは、例えば、重合性単量体、顔料又は染料、磁性体、重合開始剤(更に必要に応じて架橋剤及びその他の添加剤)、その他必要に応じて添加させる帯電制御剤等の各種添加剤を、均一に溶解又は分散せしめて、トナー形成材料である重合性単量体組成物を調製した後、該単量体組成物、或いは、この単量体組成物を予め重合したものを、分散安定性を含有する連続相中(例えば、水中)に適当な撹拌機を用いて分散させて造粒し、同時に重合反応を行わせて所望の粒径を有するトナー粒子が得られる。更に、得られたトナー粒子に、上述の粉砕法トナーの調製の場合と同様にして、水酸化マグネシウム微粒子等を添加混合して外添させることによって、本発明の現像用トナーが得られる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例、参考例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
・スチレン−nブチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(ピーク分子量
=3万、Tg=60℃) 100質量部
・磁性体(酸化鉄) 100質量部
・低分子量ポリエチレンワックス 3質量部
・負帯電性制御剤(アゾ系鉄錯体) 2質量部
上記材料を、130℃に加熱された二軸エクストルーダで溶融混練し、冷却固化した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、該粗粉砕物をジェットミルで微粉砕した後、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成した。更に、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去し、重量平均粒径(D4)6.7μmの負帯電性磁性トナー粒子を得た。
【0037】
次に、上記磁性トナー粒子100質量部に対し、ステアリン酸により表面処理された水酸化マグネシウム微粒子(平均粒径0.7μm)を0.2質量部、ジメチルシリコーンオイルとヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された疎水性シリカ(一次平均粒径16nm)を1.2質量部、及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなる球状の樹脂微粒子(平均粒径0.2μm)を0.1質量部、夫々添加してヘンシェルミキサーで混合し、本実施例の現像用トナー1を調製した。
【0038】
上記で作製したトナー1を、図2に示すような構成の現像装置140に搭載し、該現像装置140を有する図1に示した画像形成装置によって画像を作成して評価を行った。
具体的な現像装置の構成について、図2を参照しながら説明する。先ず、トナー担持体(現像スリーブ)102としては、引き抜き加工したままのアルミ円筒素管(外径:20mm)のスリーブ表面に導電性の樹脂被膜が設けられ、その内部に、現像極の磁束密度が90mTの4極マグネット104を内蔵させたものを用いた。このトナー担持体102の平均表面粗さは、Ra=1.1μmであった。又、上記のトナー担持体102上に当接されて、トナーの薄層コートを形成させるためのトナー規制部材103には、厚さ1.5mmのシリコーンゴムブレードをニップエンド1.0mmに設定して用いた。
【0039】
上記の構成を有する現像装置140のトナー容器105内に、上記で得られたトナー1を200g充填し、トナー担持体102を120mm/secの周速で空回転させたところ、低トルクでも充分に安定したムラのない回転とトナーの薄層が形成されることを確認できた。又、空回転1分後のスリーブ上のトナーの帯電量を測定したところ、−13.5mC/kgであり、充分に帯電されていることが確認できた。
【0040】
又、図1及び図2に示したように、感光体100は、上記で説明したトナー担持体102に対峙して配置されているが、該感光体100には、直径が40mmのOPCドラムを用い、トナー担持体102との最近接距離が300μmになるように設定した。又、図1に示したように、感光体100には、一次帯電ローラー117、露光手段121、転写ローラー114が配置されている。露光手段121としてはレーザー光123を用い、これにより、感光体100上へ600dpiで潜像を形成した。この際、感光体100上の潜像の電位が、暗部電位が−500V、明部電位が−150Vとなるように設定した。
上記感光体100は95mm/sec、トナー担持体102は120mm/secの周速度で夫々回転させ、現像バイアスとして直流成分−350V、Vpp=1600V、周波数2300Hzの交流電圧を矩形波で印加した。
【0041】
上記条件で、23℃/60%の環境下において3,000枚の印字テストを行い、以下の項目について現像用トナー1を評価した。この結果、評価結果を表2にまとめて示したが、いずれの項目においても良好な結果が得られた。
【0042】
<ハーフトーン画像の均一性評価>
上記現像装置を用い、図4に示したような、印字比率50%、25%、13%のハーフトーン画像を夫々出力させ、ハーフトーン画像の均一性を目視で観察して、下記の基準で評価した。評価結果は、表2に示した。
(目視評価基準)
ハーフトーン画像を目視で観察した場合に、ピッチムラ、もやもや等の濃度ムラが、全く気にならないものを◎、殆ど気にならないものを○、少し気になるものを△とし、かなり気になるものを×として評価した。
【0043】
<スリーブゴーストの評価>
図5に示すような、トナー担持体1周分の長さのブロック状ベタ黒画像の下に、ハーフトーンの全面ベタが続く画像をプリントし、その際のスリーブゴーストの濃度差を求め、その値で評価した。即ち、濃度差の値が大きいもの程、スリーブゴーストの発生が顕著であることを示している。
【0044】
<現像スリーブ及び感光体の汚染>
印字テスト後の現像スリーブ及び感光体の汚染を目視でチェックし、下記のランクで評価した。
◎:全く発生しない
○:ごく軽微な汚染があるが、画像への影響は全くない
△:僅かに汚染による画像への影響があるが、実用上問題ないレベル
×:汚染による画像の劣化が顕著
【0045】
(実施例2)
実施例1で使用した水酸化マグネシウム微粒子を、シランカップリング剤により表面処理された水酸化マグネシウム微粒子(平均粒径0.2μm)0.05質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、トナー2を調製した。得られたトナー2を用い、実施例1と同様の方法で評価を行ったところ、表2に示す通り、実施例1と遜色ない良好な結果が得られたが、3,000枚プリント後の感光体にトナー融着の発生が見られた。しかし、画像への影響なく、実用レベルであった。
【0046】
(参考例1)
分級後のトナー粒子の重量平均径を10.4μmとする以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1で使用した水酸化マグネシウム微粒子を、表面処理を施していない水酸化マグネシウム微粒子(平均粒径1.5μm)0.4質量部に変更し、球状樹脂粒子を添加しない以外は実施例1と同様にして、トナー3を調製した。得られたトナー3を用い、実施例1と同様の方法で評価を行ったところ、表2に示す通り、実施例1の場合と比較すると若干劣るが、充分に良好な結果が得られた。
【0047】
(比較例1)
実施例1で使用した水酸化マグネシウム微粒子、及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなる球状の樹脂微粒子を添加せず、トナーの重量平均粒径(D4)を10.4μmとした以外は実施例1と同様にして比較トナー1’を調製した。
上記で得られた比較トナー1’を用い、実施例1と同様の方法で評価を行ったところ、実施例1と同じ低いトルク域では現像スリーブが回転しなかった。そこで、トルクを1.5倍にしたが、充分に安定したムラのない回転とはならず、安定したトナーの薄層を得ることができなかった。又、空回転1分後のスリーブ上のトナーの帯電量を測定したところ、−5.2mC/kgと、トナー1と比べて帯電量も不充分であった。画像の評価においても、表2に示したように、ハーフトーン画像の均一性、ゴーストともに不充分な結果であった。
【0048】
(比較例2〜4)
実施例1で使用した水酸化マグネシウム微粒子の代わりに、それぞれ表1に示すようにシリカ、アルミナ、酸化マグネシウムを添加し、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなる球状微粒子を添加せず、トナーの重量平均粒径(D4)を10.4μmとした以外は、実施例1と同様にして、比較トナー2’〜4’を調製した。
上記で得られた比較トナー2’〜4’を用い、実施例1と同様の方法で評価を行ったところ、いずれも実施例1と同じ低いトルク域では現像スリーブが回転しなかった。そこで、トルクを1.5倍にしたが、比較例1と同様に充分に安定したムラのない回転とはならず、安定したトナーの薄層を得ることができなかった。又、空回転1分後の現像スリーブ上のトナーの帯電量を測定したところ、表2に示す通り、トナー1と比べて、帯電量も不充分であった。画像の評価においても表2に示したように、ハーフトーン画像の均一性及びゴーストともに不充分な結果であった。
【0049】
(参考例2)
・ポリエステル樹脂(ピーク分子量=2万、Tg=67℃) 100質量部
・カーボンブラック 8質量部
・低分子量ポリプロピレンワックス 4質量部
・負帯電性制御剤(サリチル酸金属化合物) 2質量部
上記材料を、130℃に加熱された二軸エクストルーダで溶融混練し、冷却固化した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、該粗粉砕物をジェットミルで微粉砕した後、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して、分級粉を生成した。更に、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で、超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去し、重量平均粒径(D4)9.2μmの非磁性トナー粒子を得た。
【0050】
上記非磁性トナー粒子100質量部に対し、ステアリン酸により表面処理された水酸化マグネシウム微粒子(平均粒径0.7μm)0.2質量部、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された疎水性酸化チタン(一次平均粒径12nm)0.6質量部を夫々添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、本参考例の現像用トナー4を調製した。
【0051】
上記で作製したトナー4を、図3に示すような構成の現像装置140に搭載し、該現像装置140を有する図1に示した画像形成装置によって画像を作成して評価を行った。
具体的な現像装置の構成について、図3を参照しながら説明する。先ず、トナー担持体(現像スリーブ)102としては、発泡ウレタンからなる中抵抗ゴムローラー(外径:20mm)を用いた。又、トナー塗布手段として直流バイアスを印加した塗布ローラー142を用いた。更に、上記のトナー担持体102上に当接されて、トナーの薄層コートを形成させるためのトナー規制部材103には、樹脂コートしたステンレス製弾性ブレードを用いた。
【0052】
上記の構成を有する現像装置140のトナー容器105内に、上記で得られたトナー1を200g充填し、トナー担持体102を120mm/secの周速で空回転させたところ、低トルクでも、実用レベルの安定したムラのない回転と、均一なトナーの薄層が形成されることが確認できた。又、空回転1分後のスリーブ上のトナーの帯電量を測定したところ、−19.7mC/kgであり、トナーが充分に帯電されていることを確認できた。
更に、トナー担持体102と感光体100を図3に示すように当接して配置した状態で画像形成を行なう以外は、実施例1と同様にして画像を形成し、実施例1と同様の評価を行った。その結果、表2に示す通り、実施例1に比較すると若干劣るが、充分に良好な結果が得られた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、水酸化マグネシウム微粒子を外添したトナーを用いることによって、現像のトナー供給部において回転部にかかる抵抗を軽減し、低いトルクでも、均一で安定したトナーの薄層コートの形成が可能で、しかもトナーへの充分な帯電が達成される結果、ハーフトーンの濃度ムラやゴーストの発生が抑制された高い再現性の高画質画像が安定して得られる現像用トナー及び現像方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の現像用トナーの画出し評価に用いた画像形成装置の概略図である。
【図2】 実施例1、2及び参考例1の現像用トナーの画出し評価に用いた磁性一成分現像器の概略図である。
【図3】 参考例2の現像用トナーの画出し評価に用いた非磁性一成分現像器の概略図である。
【図4】 現像用トナーの評価に用いたハーフトーン画像パターンである。
【図5】 現像用トナーの評価に用いたゴースト評価パターンである。
【符号の説明】
100:感光体
102:トナー担持体(現像スリーブ)
103:トナー規制部材(弾性ブレード)
104:4極マグネット
105:トナー容器
114:転写ローラー
116:クリーニング手段
117:一次帯電ローラー
121:露光手段
123:レーザー光
126、127:定着ローラー
129:トナー像
140:現像装置
142:塗布ローラー
Claims (5)
- 現像装置内に収容された現像用トナーをトナー担持体上に担持し、トナー規制部材により、該トナー担持体上に現像用トナーの薄層を形成し、感光体と対向する現像領域へと搬送し、該感光体上の潜像を現像用トナーにより現像する現像方法において、
上記現像用トナーが、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナー粒子100質量部に対して、
疎水化処理された水酸化マグネシウム微粒子0.03〜0.5質量部と、
ジメチルシリコーンオイルとヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された疎水性シリカ0.5〜5質量部と、
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなる球状の樹脂微粒子0.01〜0.5質量部
が外添されている磁性トナーであり、且つ、上記トナー規制部材が弾性ブレードであることを特徴とする現像方法。 - 前記水酸化マグネシウム微粒子の平均粒径が、0.3〜1.2μmの範囲内にある請求項1に記載の現像方法。
- 前記疎水化処理が、有機脂肪酸を用いた処理である請求項1又は請求項2に記載の現像方法。
- 前記現像用トナーが、10.0μm以下の重量平均粒径を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の現像方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の現像方法に用いられる現像用磁性トナー。
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