JP4026900B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法等を利用した、記録方法に用いられる画像形成方法に関する。更に詳しくは、予め静電潜像担持体上にトナー像を形成後、記録材上に転写させて画像形成する、複写機、プリンター、ファックスに用いられる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像して可視像とし、必要に応じて紙等の転写材にトナー像を転写した後、熱や圧力等WP利用した定着装置によりトナー画像を定着して複写物を得ている。
そして、従来の定着装置では、オフセット現象を防止するために、定着ローラーへ、オイルを塗布、或いは供給することが行なわれている。特に、複数色の現像剤を溶融混色させる場合には、定着装置によって現像剤に加えられる熱や圧力が十分高くしなければならないが、このことは、必然的にオフセット現象を起こし易いことを意味し、このような場合には定着ローラーへのオイル塗布は避けられなかった。
【0003】
又、記録材としてOHP用紙等を用いた場合は、定着画像を透過光によりスクリーン等に投影させるが、カラー画像として投影させるためには、記録材上の現像剤が、定着後に光を散乱等しないよう十分に溶融されるようにことが必要である。従って、この場合にも必然的にオフセット現象を起こし易い構成となるので、ローラーへのオイル塗布は避けられなかった。
しかし、オフセット現象を防止するためにローラー表面にオイルを塗布すると、定着後、記録材や画像にオイルが付着し、画像品位が損なわれるという問題が生じる場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記のような従来技術の課題を鑑みてなされたものであって、ローラー表面にオイル等の離型剤を塗布することなく、定着ローラー硬度とトナー物性とを改良することによって、定着ローラーに対するトナーの離型性を高めることによって、オフセット現象を生じない良好な定着性を実現し得る画像形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程と、該静電潜像担持体上のトナー像を、電圧が印加されている転写部材を記録材に接触させながら該記録材上へ転写する転写工程と、転写されたトナー像を定着器で記録材上に定着して定着画像を得る定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、
上記定着工程において、使用する定着器が、夫々熱源を内包する定着ローラーと、該定着ローラーに圧接された加圧ローラーとを備え、且つ定着ローラーと加圧ローラーの夫々の表面層がフッ素系樹脂で形成され、これら表面層の下側に耐熱性ゴム層を有し、該定着ローラーの耐熱性ゴム層の厚さが1.5〜2.5mm、加圧ローラーの耐熱性ゴム層の厚さが1.5〜2.5mmであり、更に、定着ローラーの耐熱性ゴム層に使用する耐熱ゴムの硬度がJIS−A規格で5゜以下であって、記録材上に転写されたトナー像が上記定着ローラー表面及び定着ローラーと加圧ローラーとの圧接部を通過することにより定着され、
上記転写工程において使用するトナーが、少なくとも着色剤、結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子と外添剤とを有する静電荷像現像用トナーであって、上記ワックスが、そのDSC吸熱メインピークが60〜120℃の範囲にあり、且つワックスの重量平均分子量Mwと個数平均分子量Mnの比の値Mw/Mnが1.0〜2.0であり、上記結着樹脂が、THF不溶分が5質量%以下で、且つTHF可溶分のGPCの分子量分布において、分子量5万未満の成分の含有量(M1)が40〜70%であり、分子量5万乃至50万の成分量(M2)が25〜45%であり、分子量50万を超える成分の成分量(M3)が2〜25%であり、更に、M1≧M2>M3の関係を満足し、且つ、これらからなるトナーの100℃における粘弾性tanδの値Cと、150℃における粘弾性tanδの値Dとの比D/Cの値がD/C≧1であり、且つ150℃〜190℃の範囲における粘弾性tanδ値Eが3.0≧E≧0.5であることを特徴とする画像形成方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明の画像形成方法で使用する定着器は、定着ローラー及び該定着ローラーに圧接される加圧ローラーの表面層をフッ素系樹脂で夫々形成し、これら定着ローラー及び加圧ローラーの表面層の下側に基層として耐熱性ゴム層を設けると共に、定着ローラーの耐熱性ゴム層に使用する耐熱性ゴム材料の硬度をJIS−A規格で5゜以下としているので、ローラーの表面が硬くなり過ぎず、且つより小さい線圧でもニップを確保することができ、定着性が向上し、トナーの定着ローラーに対する離型性が高められる。即ち、ゴム硬度がJIS−A規格で5°以下のものを使用することにより、定着ローラーと加圧ローラーとの間の加圧力を50〜60kgfにすることができるが、この結果、現像された場合の現像剤の表面が平滑化されることがなく、現像剤の形状を残したままの状態とすることができるので、トナーの定着ローラーに対する離型性が高められる。
【0007】
この際に使用する耐熱製ゴム層の形成材料としては、例えば、定着ローラー用には、メチル系、メチルビニル系の液体シリコーンゴムのRTV(常温加硫型)、LTV(低温加硫型)の適度な弾性を備えているものが好適である。具体的には、例えば、ゴム硬度(JIS A規格)1°のジメチルシリコーンゴムのLTVタイプのものや、メチルフェニル系シリコーンゴムが挙げられる。又、加圧ローラーの耐熱ゴム層の材料としては、上記と同様のものを使用してもよいが、定着ローラーの耐熱製ゴム層に比べて弾性が小さくてもよいので、熱に強いシリコーンゴムのHTV(高温加硫型)のものやフッ素ゴム等を用いることができる。更に、これらの材料からなる耐熱製ゴム層の上側に設ける表面層の形成材料としては、耐熱性及び離型性に優れるフッ素系樹脂を用いる。フッ素系樹脂としては、例えば、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)や、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等を用いることができる。
【0008】
本発明で使用する定着器の定着ローラー及び該定着ローラーに圧接される加圧ローラーは、上記のような材料を使用して具体的には下記のような方法で形成される。例えば、定着ローラーは、アルミニウム等の芯金上にゴム硬度(JISA規格)1°のジメチルシリコーンゴムのLTVタイプの耐熱性ゴム層を設け、その上にPFAチューブ層よりなる離型性を有する表面層を設けるとよい。加圧ローラーは、例えば、アルミニウム等の芯金の芯軸に、シリコーンゴムのHTVタイプのものや、フッ素ゴム等で耐熱性ゴム層を設け、その上にPFAチューブ層よりなる離型性を有する表面層を設けるとよい。
【0009】
又、本発明においては、その際に、定着ローラーの耐熱性ゴム層の厚さを1.5〜2.5mmとし、且つ加圧ローラーの耐熱性ゴム層の厚さを1.5〜2.5mmとすることが好ましい。このようにすれば、定着性を損なうことなく、ローラーに対するトナーの離型性を高めることができる。これに対し、定着ローラーの耐熱性ゴム層の厚さが1.5mm未満、又は加圧ローラーの耐熱性ゴム層の厚さが1.5未満の場合には、ニップが確保できず定着性が損なわれる。又、定着ローラーの耐熱性ゴム層の厚さが2.5mmよりも厚く、又は加圧ローラーの耐熱性ゴム層の厚さが2.5mmよりも厚い場合には、熱応答性が悪くなり、基層である耐熱性ゴム層内部と表面層との温度差が大きくなるため、ゴムが劣化を生じ易い傾向にある。更に、耐熱性ゴム層の上部にフッ素系樹脂によって設ける表面層の厚みは、30〜100μm程度とすればよい。
【0010】
更に、本発明の画像形成方法においては、上記したような材料で構成される定着器の定着ローラー及び加圧ローラーの製品硬度を、定着ローラーの製品硬度をアスカーCで65゜以下、及び加圧ローラーの製品硬度をアスカーCで65゜以下とすることが好ましい。このような態様の定着器を使用することによって、より良好に、定着性を損なうことなくトナーの定着ローラーに対する離型性を高めることができる。これに対し、定着ローラーの製品硬度をアスカーCで65゜より大きく、又は加圧ローラーの製品硬度をアスカーCで65゜より大きくした場合は、ローラーが堅くなってしまうので、ニップがとりにくくなって定着性が損なわれる場合がある。又、ニップ部での圧力が高くなるため、永久ひずみが生じ易い。
【0011】
本発明の画像形成方法においては、少なくとも着色剤と結着樹脂とワックスとを含有するトナー粒子と、外添剤とを有する静電荷像現像用トナーを使用する。以下、本発明で使用するトナーの構成材料について説明する。
先ず、トナー粒子の形成材料として用いるワックスとしては、DSC吸熱メインピークが60〜120℃の範囲にあり、且つワックスの重量平均分子量Mwと個数平均分子量Mnの比の値Mw/Mnが1.0〜2.0のものを用いる。又、結着樹脂としては、THF不溶分が5質量%以下であり、且つTHF可溶分のGPCの分子量分布において、分子量5万未満の成分の含有量(M1)が40〜70%であり、分子量5万乃至50万の成分量(M2)が25〜45%であり、分子量50万を超える成分の成分量(M3)が2〜25%であり、更に、M1≧M2>M3を満足するものを使用する。
【0012】
即ち、本発明で使用するトナー粒子に含まれるワックスにおいて、そのDSC吸熱メインピークが60〜120℃の範囲にない場合には、十分な定着性が得られない。この場合に、使用するワックスは、DSCにおける吸熱ピークが60〜120℃の範囲に少なくとも一つあれば効果があり、同時に、例えば、120℃を超えるところにDSCにおける吸熱ピークがあるものを使用しても構わない。しかし、本発明においては、DSCにおける吸熱ピークが、60℃よりも小さい部分には存在しないワックスを使用することが好ましい。DSCにおける吸熱ピークが60℃よりも小さい領域に存在する場合には、このよう構成のトナーを使用して画像を形成した場合には、画像濃度が低くなる傾向があるので好ましくない。更に、トナーの保存性が不安定になる傾向もある。
【0013】
又、DSCにおける吸熱ピークが、60〜120℃の範囲に一つ以上ある本発明において好適に使用し得るワックスとしては、具体的には、下記のものが挙げられる。例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体等が挙げられる。ここで、誘導体には、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物が含まれる。更に、例えば、高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物、酸アミド、エステル、硬化ひまし油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス等も、DSCにおける吸熱ピークが60〜120℃の範囲にあり、これらも本発明で使用するワックスとして有用である。
【0014】
又、本発明においては、上記に挙げた種々のワックスの中でも、GPC測定での重量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)との比の値(Mw/Mn)が1.0〜2.0のものを使用する。このようなものを使用すると、定着部においてトナーがシャープに溶けるため、定着性が更に良好となる。
【0015】
本発明で使用するワックスの分子量測定は、以下の測定条件で測定した。
・装置;GPC−150C(ウォーターズ社)
・カラム;GMH−HT30cm、2連(東ソー社製)
・測定温度;135℃
・溶媒;o−ジクロロベンゼン(0.1wt%アイオノール添加)
・流速;1.0ml/min
・試料;0.15wt%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては、単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成した分子量校正曲を使用する。更に、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することで算出する。
【0016】
次に、本発明の画像形成方法において、上記で説明したワックスと共にトナー粒子を構成するために用いられる結着樹脂について説明する。本発明においては、結着樹脂としては、GPC分子量分布において、分子量5万未満の成分の含有量(M1)が40〜70%であり、分子量5万乃至50万の成分量(M2)が20〜45%であり、分子量50万を超える成分量(M3)が2〜25%であり、且つM1≧M2>M3を満足するものを使用する。
即ち、分子量5万未満の成分の含有量(M1)が40%未満の場合は、低温定着性が悪化し、70%を超えると高温オフセット性、耐久性が劣化する。更に、分子量50万を超える成分量(M3)が2%未満の場合は、高温オフセット性、耐久性が劣化し、25%を超えると低温定着性、トナーの定着ローラーに対する離型性が悪化する。これに対し、分子量5万乃至50万の成分量(M2)が20〜45%であり、且つM1≧M2>M3を満足させることにより、より広い定着幅を維持しつつトナーの定着ローラーに対する離型性を高めることができる。
【0017】
本発明では、分子量をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定した。具体的なGPCの測定法法としては、予めトナーをソックスレー抽出器に入れ、これを用いてTHF(テトラヒドロフラン)溶剤で20時間抽出を行ったものを測定用サンプルとし、カラムに昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結して用い、標準ポリエチレン樹脂の検量線から分子量分布を測定した。
【0018】
本発明においては、トナー粒子を構成する結着樹脂として上記のような特性を有する結着樹脂を使用するが、結着樹脂の材料としては以下のものが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合対体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、てるぺん樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等を用いることができる。又、架橋されたスチレン系樹脂も、本発明で好適に用いられる結着樹脂である。
【0019】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸若しくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル、等のような二重結合を有するジカルボン酸、及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が、単独若しくは組み合わせて用いられる。
【0020】
又、本発明において、上記の結着樹脂を得るために使用する架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独若しくは混合物として使用できる。
【0021】
本発明の画像形成方法においては、上記したような成分を含有し、且つ100℃における粘弾性tanδの値Cと、150℃における粘弾性tanδの値Dとの比D/Cの値がD/C≧1であり、150℃〜190℃の範囲における粘弾性tanδ値Eが3.0≧E≧0.5の関係を有する静電荷像現像用トナーを使用する。
即ち、D/C値とE値が上記の範囲を満足する場合は、幅広い定着温度範囲において、トナーの定着ローラーに対する高い離型性が得られる。これに対し、D/C値が1未満の場合、或いはE値が3.0を超える場合や0.5未満では、トナーの定着ローラーに対する離型性が悪化する。又、本発明の画像形成方法においては、E値が2.0≧E≧1.0の範囲にある場合に、上記特性が更に良好となる。
【0022】
本発明においては、トナーの粘弾性tanδの値を、粘弾性測定装置RDA−II型(レオメトリックス社製)を用い、測定治具として直径25mmのパラレルプレートを使用し、測定周波数6.28ラジアン/秒、測定温度は100℃から200℃まで毎分1℃で昇温して測定した。
【0023】
本発明の画像形成方法においては、先に説明した特定の構成を有する定着器を用い、これに、先に説明した特定の分子量構成を有する結着樹脂と、特定のワックスとから得られる特定の粘弾性特性を有するように調製されたトナーを組み合わせることにより、トナーの定着ローラーに対する高い離型性を実現する。
即ち、上記の構成によれば、定着ローラーと加圧ローラーの硬度が適度に柔らかいため、本発明で使用するような特定の粘弾性を有する弾性力の強いトナーは、その弾性力によって定着ローラー及び加圧ローラーに付着しにくくなって、定着ローラーに対する離型性に優れるのみならず、本発明で使用するトナー中に含有させるワックスが、重量平均分子量Mwと個数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)の値が1.0〜2.0である特定のワックスを使用しているので、ある特定の温度でワックスがシャープに溶けるため、トナーの定着ローラーに対する離型性が向上して一層の効果がもたらされる。又、示差熱分析における吸熱ピークが60〜120℃の範囲にあるワックスを用いることで、トナーの定着性を向上させる一方、GPC分子量分布において、分子量5万未満の成分の含有量(M1)が40〜70%であり、分子量5万乃至50万の成分量(M2)が20〜45%であり、分子量50万を超える性分量(M3)が2〜25%であり、且つM1≧M2>M3の関係を満足する特定の結着樹脂をトナーの構成材料とすることで、幅広い温度領域で十分な定着性を実現する。更に、定着器の定着ローラーと加圧ローラーの硬度が柔らかいため、定着の際にトナー形状を変えることなく定着できるため、幅広い温度領域において、トナーの定着ローラーに対する優れた離型性が達成される。
【0024】
本発明の画像形成方法において用いられるトナーに含有させる着色剤としては、黒色着色剤として、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い、黒色に調色されたものが利用される。
【0025】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が挙げられる。
【0026】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、 C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等が特に好ましい。
【0027】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、 C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適である。
【0028】
これらの着色剤は、単独又は混合し、更には固溶体の状態で用いることができる。本発明において使用するこれらの着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から適宜に選択される。着色剤のトナー中への添加量は、樹脂100質量部に対して1〜20質量部である。
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤を用いた場合と異なり、樹脂100質量部に対し30〜200質量部程度用いるとよい。
【0029】
この際に使用し得る磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、硅素等の元素を含む金属酸化物等が挙げられる。中でも、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものが好ましい。又、トナーの帯電性をコントロールする観点から、硅素元素又はアルミニウム元素等、他の金属元素を含有していてもよい。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましく2〜3m2/g、特に3〜28m2/g、更にモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。
【0030】
磁性体の形状としては、8面体、6面体、球状、針状、鱗片状等があるが、8面体、6面体、球体、不定形型の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。磁性体の平均粒径としては0.05〜1.0μmが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.6μm、更には0.1〜0.4μmが好ましい。
【0031】
これらの磁性体のトナー中における含有量は、結着樹脂100質量部に対し30〜200質量部、好ましくは40〜200質量部、更には50〜150質量部とするのが好ましい。30質量部未満では、トナー搬送に磁気力を用いる現像器においては搬送性が不十分であり、現像剤担持体上の現像剤層にムラが生じ画像ムラとなる傾向があり、更に、現像剤トリボの上昇に起因する画像濃度の低下が生じ易い傾向がある。一方、200質量部を超えると定着性に問題が生ずる傾向がある。
【0032】
又、本発明の画像形成方法において使用するトナーは、上記で説明したようなトナー粒子に、以下で説明するような外添剤を添加したものを用いる。外添剤としては従来公知のものが用いられるが、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上のため、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機微粉体、或いはその複酸化物の中から選ばれることが好ましい。更に、外添剤がシリカであることがより好ましい。外添剤として用いるシリカとしては、例えば、硅素ハロゲン化合物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法、又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド、水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残滓の少ない乾式シリカを用いることが好ましい。又、乾式シリカにおいては、製造工程において、例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等、他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
【0033】
本発明において用いる無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、特に、50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果を与え、トナー100質量部に対して、シリカ微粉末0.1〜8質量部、好ましくは0.5〜5質量部、更に好ましくは1.0を超えて3.0質量部までの範囲で使用するのが特に好ましい。この際、比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出した。
【0034】
又、本発明において、トナーの外添剤に用いる無機微粉末は、必要に応じ、疎水化、帯電性制御等の目的で、シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物等の処理剤で、或いは、種々の処理剤で併用して処理されていもよい。安定したトナーの保存性を維持するためには、外添させる無機微粉体が、少なくともシリコーンオイルで処理されたものあることが好ましい。
【0035】
本発明で使用するトナー中には、必要に応じて、上記で挙げたシリカ微粉体以外の外部添加剤を更に添加してもよい。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子を添加してもよい。
【0036】
その際に使用する樹脂微粒子としては、その平均粒径が0.03〜1.0μmのものが好ましく、その樹脂を構成する重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のメタクリル酸類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類、その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。
【0037】
これらの材料によって樹脂微粒子を得るための重合方法としては、懸濁重合、乳化重合、リープフリー重合等、が使用可能であるが、より好ましくは、ソープフリー重合によって得られる粒子を用いるとよい。特に、上記特徴を有する樹脂微粒子は、一次帯電装置としてローラー、ブラシ或いは、ブレード等の接触帯電系において、ドラム融着に多大な効果をもたらすことが確認されている。
【0038】
又、無機微粒子としては、例えば、テフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。或いは、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或いは、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは、例えば、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0039】
又、本発明で使用するトナー中には、必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることもできる。荷電制御剤の添加によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能である。
【0040】
トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等が挙げられる。
【0041】
又、正荷電性に制御するものとして下記物質がある。
例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドリキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては燐タングステン、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0042】
上述した荷電制御剤は微粒子状として用いることが好ましく、この場合、これらの荷電制御剤の個数平均粒径が4μm以下のもの、更には3μm以下のものを使用することが特に好ましい。これらの荷電制御剤をトナーに内添する場合は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.2〜10質量部使用することが好ましい。
【0043】
一般的にトナーを作成するには、従来公知の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料、染料、又は磁性体、必要に応じて、金属塩や金属錯体、荷電制御剤その他の添加剤等の材料を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器によって十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練することによって、樹脂類をお互いに相溶せしめた中に、着色剤や必要に応じて添加した金属化合物等を分散又は溶解させて混練物を得た後、冷却固化、粉砕後、必要に応じて分級及び表面処理を行ってトナー粒子を得、更に、必要に応じて、得られたトナー粒子に無機微粉体等を添加混合して製造する方法が用いられる。
又、必要に応じて、トナー粒子に熱をかけて粉砕したり、更に、補助的に機械的衝撃力を加えて粒子表面を処理をすることも可能であるが、画像特性、耐久性等の面から、機械的衝撃力によって表面処理する方法が好ましい。トナー粒子表面に機械的衝撃力を加える場合は、トナーの微粉砕工程の後、或いは更に分球行程を経た後に行なうことが好ましい。
【0044】
【実施例】
以下、トナーの製造例及びこれを用いた本発明の実施例比較例及び参考例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て質量部である。
〔トナー製造例1〕
・(磁性体:平均粒径0.22μm) 100質量部
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体
(ピーク分子量約45,000、分子量<5万の比率55%、5万〜50万
の比率35%、>50万の比率10%) 100質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2質量部
・低分子量ポリエチレン(ワックス DSC吸熱ピーク106.7℃、
Mw/Mn=1.08) 4質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物を機械式粉砕器で微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子を得た。
次いで得られた磁性トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルとで疎水化処理した一次粒径12nmの乾式シリカを1.2質量%を添加し、混合機にて混合して磁性トナー1を得た。得られた磁性トナー1についてのその他の物性を表1に示す。
【0045】
〔トナー製造例2〕
・磁性体(平均粒径0.22μm) 100質量部
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体
(ピーク分子量約41,000、分子量<5万の比率60%、5万〜50万
の比率30%、>50万の比率10%) 100質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 3質量部
・低分子量ポリエチレン(ワックス DSC吸熱ピーク106.7℃、
Mw/Mn=1.08) 3質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物を機械式粉砕器で微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子を得た。
次いで得られた磁性トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルとで疎水化処理した一次粒径12nmの乾式シリカを1.2質量%を添加し、混合機にて混合して磁性トナー2を得た。得られた磁性トナー2についてのその他の物性を表1に示す。
【0046】
〔トナー製造例3〕
トナー製造例1と同様にして表1に示す物性の磁性トナー3を得た。得られた磁性トナー3についてのその他物性を表1に示す。
【0047】
〔トナー製造例4〕
・磁性体(平均粒径0.22μm) 100質量部
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体
(ピーク分子量約50,000、分子量<5万の比率56%、5万〜50万
の比率26%、>50万の比率23%) 60質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2質量部
・低分子量炭化水素ワックス(ワックス DSC吸熱ピーク111℃、
Mw/Mn=1.70) 4質量部
上記材料を使用することを除いてはトナー製造例1と同様にして磁性トナー4を得た。得られた磁性トナー4の物性を表1に示す。
【0048】
〔トナー製造例5〕
トナー製造例1と同様にして表1に示す物性の磁性トナー5を得た。得られた磁性トナー5についてのその他物性を表1に示す。
【0049】
〔トナー比較製造例1〕
・スチレン−アクリル酸ブチル−ジビニルベンゼン共重合体(低分子量側
ピーク約48,000、分子量<5万の比率41%、5万〜50万の比
率44%、>50万の比率15%) 100質量部
・磁性体(平均粒径0.22μm) 50質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2質量部
・低分子量ポリプロピレン(ワックス DSC吸熱ピーク145℃、
Mw/Mn=8.8) 4質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子を得た。得られた磁性トナー粒子100質量部に対して1.0質量部のヘキサメチルジシラザンで疎水化処理した一次粒径16nmの乾式シリカ(BET比表面積100m2/g)を1.2質量%を添加し、混合機にて混合し磁性トナー6を得た。得られた磁性トナー6の物性を表1に示す。
【0050】
〔トナー比較製造例2〕
・スチレン−アクリル酸ブチル−ジビニルベンゼン共重合体(低分子量側
ピーク約20,000、分子量<5万の比率62%、5万〜50万の比
率16%、>50万の比率32%) 100質量部
・磁性体 80質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2質量部
・低分子量ポリプロピレン(ワックス DSC吸熱ピーク145℃、
Mw/Mn=8.8) 4質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子を得た。得られた磁性トナー粒子100質量部に対して1.0質量部のヘキサメチルジシラザンで疎水化処理した一次粒径16nmの乾式シリカ(BET比表面積100m2/g)を1.2質量%を添加し、混合機にて混合し磁性トナー7を得た。得られた磁性トナー7の物性を表1に示す。
【0051】
実施例1
トナーとしては磁性トナー1を使用し、画像形成装置としてはキヤノン製LBP−930(A4横、24枚/分)の定着装置の部分を変えた改造機を用い、15℃10%RH環境下で画だしを行った。転写紙としては、80g/m2、炭酸カルシウム含有量15重量%の紙を用い、15℃10%RH環境下に一日放置しておいたものを使用した。
【0052】
次に、本実施例で用いた定着器について説明する。図1は、本発明に関わる定着器の構成を示す図である。図1において、1Aは定着ローラー、11はアルミニウム等の円筒管からなる芯金である。12は、芯金11の表面に形成された耐熱性ゴム層であり、1.5〜2.5mmの層厚を有している。この耐熱性ゴム層12において弾性が小さいと、トナー画像エッジ部若しくは凹部において、ローラー表面の形状が最適な状態でこれらに追随できずに、未定着やトナーのつぶれによる解像低下をもたらす。このため、耐熱性ゴム層12の材質としては、メチル系、メチルビニル系の液体シリコーンゴムのRTV、LTVタイプの適度な弾性を備えているものが好適である。
13は、耐熱性ゴム層12を基層とし、この上に形成された表面層である離型層であり、該表面層は、フッ素系樹脂を用いて形成される。又、このような表面層13と耐熱性ゴム層12の間に、熱に強いHTVタイプの高温硬化型のシリコーンゴム層を設け、耐熱性ゴム層12を多層構成としてもよい。このようにすれば、離型層裏面の熱劣化や剥がれを有効に防止することができる。
【0053】
ここで、実施例で用いた定着器の形態は、アルミニウム製のφ41.8mmの芯金11上に、ゴム硬度(JISA規格)1°のジメチルシリコーンゴムのLTVタイプの耐熱性ゴム層12を2.1mmの厚みで設け、その上に50μmのPFAチューブ層よりなる離型層13をφ46mmに形成して用いた。このようにして形成した定着ローラーの製品硬度(アスカーC)は63°であった。
【0054】
一方、図1中の2Aは、上記の着ローラー1Aに圧接された状態で使用される加圧ローラーであり、11aは芯金、12aは、該芯金11a上に設けられた耐熱性ゴム層である。ここで、この耐熱性ゴム層12aは、上記の定着ローラー1Aの耐熱性ゴム層12に比べて弾性が小さくてもよいので単純化が可能であり、例えば、アルミニウム芯軸にHTV、フッ素ゴムなどの層を設けることによっても形成できる。勿論、上記した定着ローラーと略同一構成のものを用いてもよい。
【0055】
本実施例では、加圧ローラー2Aとして、φ=41.4mmのアルミニウム製の芯金11a上に、ゴム硬度(JIS A規格)1°のジメチルシリコーンゴムのLTVタイプの耐熱性ゴム層を2.3mm設け、その上に50μmのPFAチューブ層よりなる離型層13aをφ46mmに成形して用いた。このようにして形成した加圧ローラーの製品硬度(アスカーC)は64°であった。本実施例で使用した定着器において、各ローラの耐熱ゴム層の形成材料のゴム硬度、各ローラーの製品硬度及び耐熱ゴム層厚を夫々表2に示した。
【0056】
評価
定着ローラーに対するトナーの離型効果の評価方法としては、印字率4%の画像パターンを10,000枚まで画だしした後、べた白画像を一枚画だしし、定着ローラーへのトナーの付着物によってべた白画像に黒ポチとなって現れる数を数えて評価を行った。得られた評価結果を表3に示す。
【0057】
実施例2
トナーとして、先に示したようにして得られた磁性トナー2を用い、その他は実施例1と同様にして、トナーの離型性を評価した。その結果を表3に示す。
【0058】
実施例3
トナーとして、先に示したようにして得られた磁性トナー3を用い、その他は実施例1と同様にして、トナーの離型性を評価した。その結果を表3に示す。
【0059】
実施例4
トナーとして、先に示したようにして得られた磁性トナー4を用い、その他は実施例1と同様にして、トナーの離型性を評価した。その結果を表3に示す。
【0060】
実施例5
トナーとして、先に示したようにして得られた磁性トナー5を用い、その他は実施例1と同様にして、トナーの離型性を評価した。その結果を表3に示す。
【0061】
実施例6
トナーとして磁性トナー1を用い、図1における定着ローラー1Aの耐熱性ゴム層12の層厚を1.6mm、定着ローラーの製品硬度(アスカーC)が65°とし、加圧ローラー2Aの耐熱性ゴム層12aの層厚を1.7mm、加圧ローラーの製品硬度(アスカーC)を65°とする以外は実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表3に示す。
【0062】
参考
トナーとしてはトナー1を用い、図1における定着ローラー1Aの耐熱性ゴム層12を1.4mm、定着ローラーの製品硬度(アスカーC)が66°、加圧ローラー2Aの耐熱性ゴム層12aを1.5mm、加圧ローラーの製品硬度(アスカーC)を66°にする以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
【0063】
比較例1
トナーとして、先に示したようにして得られた磁性トナー6を用い、その他は実施例1と同様にして、トナーの離型性を評価した。その結果を表3に示す。
【0064】
比較例2
トナーとして、先に示したようにして得られた磁性トナー7を用い、その他は実施例1と同様にして、トナーの離型性を評価した。その結果を表3に示す。
【0065】
比較例3
トナーとして磁性トナー7を用い、図1における定着ローラー1Aの耐熱性ゴム層12の層厚を1.3mm、及び定着ローラーの製品硬度(アスカーC)を72°とし、加圧ローラー2Aの耐熱性ゴム層12aの層厚を1.4mm、及び加圧ローラーの製品硬度(アスカーC)を73°とした以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
【0066】
表1:トナーの構成成分の特性及びトナーの特性
Figure 0004026900
【0067】
Figure 0004026900
【0068】
Figure 0004026900
【0069】
【発明の効果】
上記で説明したように、本発明によれば、定着ローラー表面にオイル等の離型剤を塗布することなく、特定の定着器の定着ローラーの硬度とトナー物性との組み合わせによって、定着ローラーに対するトナーの離型性を向上させることができるため、オフセット現象を生じることな良好な定着性が実現し、高品位画像が得られる画像形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する定着器の概略断面図である。
【符号の説明】
1A:定着ローラー
2A:加圧ローラ
3、3’:ヒーター
4、4’:サーミスタ
8:ガイド
9:分離爪
11、11a:芯金
12、12a:耐熱性ゴム層
13、13a:表面層
20:未定着トナー
20’:定着トナー
24:転写紙
25:バイヤス

Claims (5)

  1. 静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程と、該静電潜像担持体上のトナー像を、電圧が印加されている転写部材を記録材に接触させながら該記録材上へ転写する転写工程と、転写されたトナー像を定着器で記録材上に定着して定着画像を得る定着工程とを少なくとも有する画像形成方法において、
    上記定着工程において、使用する定着器が、夫々熱源を内包する定着ローラーと、該定着ローラーに圧接された加圧ローラーとを備え、且つ定着ローラーと加圧ローラーの夫々の表面層がフッ素系樹脂で形成され、これら表面層の下側に耐熱性ゴム層を有し、該定着ローラーの耐熱性ゴム層の厚さが1.5〜2.5mm、加圧ローラーの耐熱性ゴム層の厚さが1.5〜2.5mmであり、更に、定着ローラーの耐熱性ゴム層に使用する耐熱ゴムの硬度がJIS−A規格で5゜以下であり、且つ、記録材上に転写されたトナー像が上記定着ローラー表面及び定着ローラーと加圧ローラーとの圧接部を通過することにより定着され、
    上記転写工程において使用するトナーが、少なくとも着色剤、結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子と外添剤とを有する静電荷像現像用トナーであって、上記ワックスが、そのDSC吸熱メインピークが60〜120℃の範囲にあり、且つワックスの重量平均分子量Mwと個数平均分子量Mnの比の値Mw/Mnが1.0〜2.0であり、上記結着樹脂が、THF不溶分が5質量%以下で、且つTHF可溶分のGPCの分子量分布において、分子量5万未満の成分の含有量(M1)が40〜70%であり、分子量5万乃至50万の成分量(M2)が25〜45%であり、分子量50万を超える成分の成分量(M3)が2〜25%であり、更に、M1≧M2>M3の関係を満足し、且つ、これらからなるトナーの100℃における粘弾性tanδの値Cと、150℃における粘弾性tanδの値Dとの比D/Cの値がD/C≧1であり、且つ150℃〜190℃の範囲における粘弾性tanδ値Eが3.0≧E≧0.5であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 定着ローラーの製品硬度がアスカーCで65゜以下、加圧ローラーの製品硬度がアスカーCで65゜以下である請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 定着器が、定着ローラー又は加圧ローラーに対するオイル供給又はオイル塗布を行わないオイルレス定着器である請求項1に記載の画像形成方法。
  4. トナーの100℃における粘弾性tanδの値Cと、150℃における粘弾性tanδの値Dとの比D/Cの値がD/C≧1であり、150℃から190℃の範囲における粘弾性tanδ値Eが2.0≧E≧1.0である請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 外添剤が無機微粉末である請求項1に記載の画像形成方法
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