JP4261144B2 - 車両用サンバイザ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミラー付き車両用サンバイザに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遮光等を目的として車室内に設置される車両用サンバイザとして、種々の付属品(バニティミラー、カードホルダ等)が取り付けられた車両用サンバイザが知られている。その中でも、遮光部分となるサンバイザ本体にバニティミラーが取り付けられた車両用サンバイザとして、図12に示すような車両用サンバイザ100が知られている。
【0003】
図12に示す車両用サンバイザ100は、一端部が車室天井面に接続された支軸101によって、サンバイザ本体102が回動可能に装着される。そして、サンバイザ本体102が支軸101の軸回りに回動操作されることで、フロントガラスに沿った遮光位置(図12中のAに示す位置)と、車室天井面に沿った格納位置(図12中のBに示す位置)とで配置切換がされるようになっている。
このような車両用サンバイザ100は、サンバイザ本体102が遮光位置にまで降ろされたときに、バニティミラー103の鏡面が車室内側に指向するように配置される。前席に着座した乗員は、サンバイザ本体102を遮光位置まで降ろすことにより、自身の顔面等をバニティミラー103の鏡面に映し出すことができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の車両用サンバイザ100において、例えば事故時等に乗員の頭部がバニティミラー103の鏡面に不測に衝突した場合には、バニティミラー103サンバイザ本体102から脱落してしまうおそれがあるので問題であった。
【0005】
本願発明はこのような問題に鑑みて創案されたものであり、サンバイザ本体に取り付けられたミラーの鏡面に荷重や衝撃等が作用した場合でも、そのミラーがサンバイザ本体から脱落するのを防止できる車両用サンバイザを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、特許請求の範囲の各請求項に記載した発明が構成される。
請求項1に記載の車両用サンバイザによれば、
ミラーの鏡面側に所定以上の荷重が作用すると、そのミラーが保持手段から外れてサンバイザ本体に設けられた落込部に落ち込むようになっている。また、前記ミラーの裏面には、該ミラーの剛性を向上させるため、例えば鉄またはアルミニウム等の金属板、あるいは、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂により形成された補強板が固着されている。
したがって、例えば乗員の頭部等がミラーの鏡面側に不測に衝突した場合であっても、ミラーの鏡面が少なくともサンバイザ本体の表面よりも深い位置にまで落ち込むことになる。すると、ミラーの鏡面に作用する荷重や衝撃等が緩衝されるとともに、サンバイザ本体に取り付けられたミラーの脱落が有効に防止されるとともに、金属あるいは合成樹脂等により形成された補強板によってそのミラーの破損等が有効に防止される。
【0007】
また、保持手段は、ミラーを保持する保持クリップにより構成されており、前記保持クリップと落込部の側壁部との間には、前記保持クリップから前記ミラーが外れるようにその保持クリップが前記ミラーの外縁部から離間する方向へ変形可能とするための所要の隙間が設けられる。これにより、ミラーの鏡面側に荷重や衝撃等が作用した際に、保持クリップが容易に変形してミラーが円滑に外れるようになっており、サンバイザ本体からのミラーの脱落や破損等をより効果的に防止することができる。
【0009】
請求項に記載の車両用サンバイザによれば、
ミラーの鏡面側に所定以上の荷重が作用すると、そのミラーが保持手段から外れてサンバイザ本体に設けられた落込部に落ち込むようになっている。また、前記ミラーの裏面には、該ミラーの剛性を向上させるため、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂により形成された補強板が固着されている。
したがって、例えば乗員の頭部等がミラーの鏡面側に不測に衝突した場合であっても、ミラーの鏡面が少なくともサンバイザ本体の表面よりも深い位置にまで落ち込むことになる。これにより、ミラーの鏡面に作用する荷重や衝撃等が緩衝されてサンバイザ本体からの脱落が有効に防止されるとともに、合成樹脂により形成された補強板によってそのミラーの破損等が有効に防止される。
また、ミラーは、該ミラーの裏面に固着された補強板を介して保持手段により保持される。したがって、ミラーを保持手段により直接的に保持するよりも該ミラーの破損等が有効に防止される。
【0010】
請求項に記載の車両用サンバイザによれば、
前記ミラーの裏面と前記落込部の底部との間には、前記ミラーの鏡面側に作用する荷重を吸収するクッション体が配設されている。
したがって、例えば乗員の頭部等がミラーの鏡面側に不測に衝突した場合であっても、ミラーの鏡面が少なくともサンバイザ本体の表面よりも深い位置にまで落ち込むことになり、さらに、そのミラーの鏡面側に作用する荷重や衝撃等がクッション体によって速やかに吸収されるので、サンバイザ本体に取り付けられたミラーの脱落がより有効に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における車両用サンバイザ1の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、車両用サンバイザ1は、車室内に差し込む日光等を遮るための部分であるサンバイザ本体2と、略L字型でかつ棒状に形成された支軸3と、サンバイザ本体2の表面略中央部付近に取り付けられるバニティミラー4(ミラー)とを備えている。
支軸3は、縦軸部3aと横軸部3bとを備え、その縦軸部3aの一端がブラケット11を介して車室天井部の所定箇所に取り付けられ、その横軸部3bの一端がサンバイザ本体2に内設された金属製の軸受部材5の軸受孔に回動可能に挿入される。これにより、サンバイザ本体2は支軸3を介して車室天井部に連結され、このサンバイザ本体2が横軸部3bの軸周りに回動操作されることにより、車室天井面に沿う格納位置と、フロントガラスに沿う遮光位置との間で配置切換が行なわれるようになっている。また、サンバイザ本体2の左端側の上部にはサポート軸12が設けられており、このサポート軸12が車室内の所要箇所に設けられた掛止フックに回動可能な状態で掛け止めされるようになっている。
【0013】
図2は、バニティミラー4を取り付ける前の状態におけるサンバイザ本体2の斜視図である。ただし、図2では、サンバイザ本体2及びそのサンバイザ本体2の外表面に被覆される表皮材6の一部を破断した状態を示している。
図2に示すように、サンバイザ本体2は、例えばポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂のブロー成形により中空状に形成されたものであり、その外表面には表皮材6が被覆されている。表皮材6は、例えば、塩化ビニル、織布、不織布、レザー等の伸縮性を有するシート状の部材が袋状に形成されたものであり、サンバイザ本体2の外表面全体に密着状に被覆されている。
【0014】
図3は、バニティミラー4を裏面側から見た斜視図である。このバニティミラー4は、運転席や助手席に着座した乗員等が例えば化粧用鏡として使用するために、サンバイザ本体2の略中央部に対して取り付けられるものである。バニティミラー4の裏面側には、このバニティミラー4が万一破損した場合に破片が飛散するのを防止するための粘着テープ(図示していない)が貼着されている。
図3に示すように、バニティミラー4は、熱可塑性合成樹脂の射出成形により方形枠状に形成された外枠体7を介してサンバイザ本体2に取り付けられる。この外枠体7は、バニティミラー4をサンバイザ本体2に取り付けるための役割を果たすとともに、バニティミラー4の外周を縁取ることで意匠的な効果を得るための装飾部材としての役割をも果たしている。
外枠体7の裏面側には、複数個の係止クリップ13が一体状に設けられている。また、外枠体7の裏面側には、この係止クリップ13以外にも、外枠体7の裏面にバニティミラー4を保持しておくための複数個の保持クリップ15と、保持クリップ15によって保持されたバニティミラー4の上下への移動を規制するための板状片である複数個のストッパ片16とが設けられている。保持クリップ15が、本発明における「保持手段」に対応している。
また、バニティミラー4の裏面には、このバニティミラー4の大きさよりも若干小さく形成された熱可塑性合成樹脂製(ポリプロピレン等)の補強板17が接着剤により固着されている。
【0015】
図4は、図1に示す車両用サンバイザ1のA−A線断面図であり、図5は、図1に示す車両用サンバイザ1のB−B線断面図である。
図2、図4及び図5に示すように、サンバイザ本体2の表面(遮光位置に配置したサンバイザ本体2の車室内側に指向する側の面)の略中央部には、バニティミラー4をサンバイザ本体2に対して取り付けるための取付部8が段差状に凹設されている。この取付部8には、外枠体7の下面に設けられた複数個の係止クリップ13を挿入するための係止孔14が設けられている。そして、係止クリップ13がこの係止孔14に挿入されてその孔縁部に弾性的に係止することによって、外枠体7が凹状の取付部8に嵌め込まれるようにしてバニティミラー4の取り付けが行なわれるようになっている。
【0016】
また、図2、図4及び図5に示すように、サンバイザ本体2の表面には、取付部8よりも更に深くなるようにして落込部9が段差状に凹設されている。この落込部9は、その深さD(バニティミラー4の下面から落込部9の底部までの深さD)がバニティミラー4の厚みT以上となるようにしてサンバイザ本体2の表面に対して凹状に設けられている。これにより、取付部8に外枠体7が取り付けられると、バニティミラー4の裏面側には深さDを有する落込空間18(隙間)が形成される。
なお、落込部9は、保持クリップ15の下面から該落込部9の底部までの深さがバニティミラー4の厚みT以上となるようにして設けられてもよい。この場合には、保持クリップ15の下面側に厚みT以上の深さを有する落込空間18が形成される。
【0017】
落込空間18が形成された状態において、バニティミラー4の鏡面に対して所定以上の大きさの荷重Xが作用すると、図5に示すように、外枠体7の裏面に設けられた複数個の保持クリップ15からバニティミラー4が外れて脱落し、バニティミラー4は落込部9の底部にまで落ち込むことになる。これにより、バニティミラー4の鏡面側に作用する衝撃や荷重が緩衝されるとともに、バニティミラー4のサンバイザ本体2からの脱落が有効に防止される。
なお、図5に示すように、保持クリップ15と落込部9の側壁部との間には所要の隙間Cが確保されており、バニティミラー4の鏡面側に荷重Xが作用すると、この隙間Cを利用して保持クリップ15がバニティミラー4の外縁部から離間する方向に広がるように変形し、これによってバニティミラー4が保持クリップ15から比較的容易に外れるようになっている。
【0018】
バニティミラー4を保持するための保持クリップ15は、乗員がバニティミラー4の鏡面を布で拭いたりする程度の荷重では変形しないけれども、バニティミラー4が破壊され得るような所定以上の荷重Xが作用したときには弾性的に変形してバニティミラー4の外縁部から外れる程度の所要の弾性を有する合成樹脂材料により形成されるのが好ましい。なお、ここでいう「荷重X」には、ミラーの鏡面にゆっくりと作用する静的な荷重だけでなく、例えば衝撃等のように瞬間的に作用する動的な荷重をも含む。乗員がバニティミラー4の鏡面を布で拭いたりする荷重は、およそ6〜7kgf/cm2程度であることが確認されている。バニティミラー4が破壊され得る荷重は、およそ140〜150kgf/cm2程度であることが確認されている。
【0019】
前述したように、バニティミラー4の裏面には、例えばポリプロピレンやポリカーボネイト等の熱可塑性合成樹脂で形成された補強板17が接着剤により固着されている。これにより、バニティミラー4の破損自体が有効に防止されるだけでなく、仮にバニティミラー4が破損した場合であっても、そのバニティミラー4の破片が補強板17によって保持されるので車室内への脱落等が有効に防止される。なお、補強板17は、荷重や衝撃等が作用したときにバニティミラー4に固着したまま破損して複数の破片とならないように、バニティミラー4に作用した荷重に追従して柔軟に変形することのできる材料により形成されるのが好ましい。
【0020】
図6は、図1に示す車両用サンバイザ1のB−B線断面図であり、バニティミラー4が落込部9の底部にまで落ち込んだ状態を示している。
図6に示すように、落込部9の底部にまでバニティミラー4が落ち込んだ後は、仮に乗員の頭部等が車両用サンバイザ1に再び衝突した場合であっても、その乗員の頭部がバニティミラー4の鏡面に到達することが防止される。
このとき、落込部9の深さDは、直径165mmの球体Sを外枠体7に接触するまで近接させたときに、その球体Sの表面と、落ち込んだ後のバニティミラー4の鏡面とが接触しない程度の深さに設定されるのが好ましい。直径165mmの球体Sというのは、人間の頭部の模擬形状として使われるものである。この球体Sとバニティミラー4の鏡面とが接触しないということは、乗員の頭部がバニティミラー4の鏡面へ到達しないということであり、乗員の頭部をより確実に保護することができる。
【0021】
本発明の車両用サンバイザ1は、図7に示すようにして実施することもできる。
図7は、図1における車両用サンバイザ1のB−B線断面図であり、バニティミラー4の裏面と落込部9の底部との隙間である落込空間18にクッション体30を配設した実施例を示している。このクッション体30は、例えば発泡ウレタンやポリエチレンフォーム等の合成樹脂発泡体により略直方体形状に形成されたものであり、バニティミラー4に作用した荷重Xを体積変化により吸収する役割を果たす。
落込空間18にクッション体30が配設された状態において、バニティミラー4の鏡面側に所定以上の荷重Xが作用した場合には、バニティミラー4が保持クリップ15から外れて落込部9に向けて落ち込むことになる。このとき、バニティミラー4に作用した荷重や衝撃はクッション体30によって速やかに吸収されるので、バニティミラー4の破損や脱落等が有効に防止される。
なお、クッション体30には、合成樹脂発泡体以外にも、例えば軟らかいシリコンゴムや木綿のような繊維の集合体等、その他の衝撃吸収体を採用することもできる。
【0022】
また、本発明の車両用サンバイザ1は、図8及び図9に示すようにして実施することもできる。
図8及び図9は、図1に示す車両用サンバイザ1のB−B線断面図であり、保持クリップ15に切欠部20が設けられた実施例を示している。この切欠部20は、外枠体7の下面から延出して形成された合成樹脂製の保持クリップ15の一部をカッター等の切断具により略V字型に切り欠いた部分であり、本発明における「脆弱部」に対応する部分である。なお、図8及び図9では、外枠体7とバニティミラー4と補強板17以外の部分を省略して表している。
図8(a)に示すように、切欠部20が、外枠体7の下面に対する保持クリップ15の付け根付近の位置に形成された場合には、バニティミラー4の鏡面側に所定以上の荷重Xが作用すると、その保持クリップ15が外枠体7との付け根付近を中心として外側に広がるようにして変形する。これにより、図8(b)に示すように、バニティミラー4に比較的小さな荷重Xが作用した場合であっても、そのバニティミラー4が保持クリップ15から容易に外れることになる。バニティミラー4が保持クリップ15から外れると、バニティミラー4は落込部9の底部にまで落ち込むことになり、これによってバニティミラー4に作用する荷重や衝撃等がより確実に緩衝される。
【0023】
図9(a)に示すように、切欠部20が、保持クリップ15の下端に設けられてバニティミラー4を直接的に保持する爪部21付近に形成された場合には、バニティミラー4の鏡面側に所定以上の荷重Xが作用すると、保持クリップ15が切欠部20付近においてちぎれるようして破断する。これにより、図9(b)に示すように、バニティミラー4に比較的小さな荷重Xが作用した場合であっても、そのバニティミラー4は保持クリップ15から容易に外れることになる。バニティミラー4が保持クリップ15から外れると、バニティミラー4は落込部9の底部にまで落ち込むことになり、これによってバニティミラー4に作用する荷重や衝撃等がより確実に緩衝される。
【0024】
このように、保持クリップ15に切欠部20を設けることにより、バニティミラー4が保持クリップ15から外れる際の荷重Xの大きさを任意に設定することができる。さらに、切欠部20の位置、深さ、角度等を調整すれば、バニティミラー4が外れる際の荷重Xの大きさをより柔軟に設定することも可能である。
例えば、バニティミラー4がより小さい荷重Xによって保持クリップ15から外れるようにしたい場合には、切欠部20をより深く形成して保持クリップ15が容易に破断あるいは変形するようにすればよい。反対に、バニティミラー4がより大きい荷重Xによって保持クリップ15から外れるようにしたい場合には、切欠部20を保持クリップ15の厚肉部分に設けたり、あるいは、切欠部20をより浅く形成して保持クリップ15が容易に破断あるいは変形しないようにすればよい。
なお、バニティミラー4が保持クリップ15から外れるようにするための「脆弱部」は、切欠部20以外の態様によって実現することも可能である。例えば、保持クリップ15を射出成形等する際に予め薄肉で変形しやすい部分を設けたり、あるいは、保持クリップ15の一部を軟らかい材料や脆い材料により形成して変形あるいは破断が容易であるようにしてもよい。
【0025】
さらに、本発明の車両用サンバイザ1は、図10及び図11に示すようにして実施することもできる。
図10は、バニティミラー4を裏面から見た斜視図であり、バニティミラー4が補強板17を介して保持クリップ15により保持された実施例を示している。また、図11は、図10におけるバニティミラー4の横断面図である。
図10及び図11に示すように、バニティミラー4の裏面には、このバニティミラー4よりも若干大きく形成された熱可塑性合成樹脂性の補強板17が固着されている。そして、この補強板17の外縁部が保持クリップ15の爪部21によって挟持され、この補強板17が保持クリップ15によって保持されることで、バニティミラー4が落込部9の底部との間に隙間を有した状態で間接的に保持されている。バニティミラー4の鏡面側に所定以上の荷重Xが作用すると、補強板17の外縁部付近が屈曲部22において上側に屈曲し、これにより、補強板17が保持クリップ15から外れて落込部9の底部に向けて落ち込むことになる。すると、バニティミラー4のサンバイザ本体2からの脱落が防止されるとともに、バニティミラー4に作用した荷重や衝撃が緩衝されて該バニティミラー4の破損等が有効に防止される。
このように、バニティミラー4を保持する保持クリップ15は、別部材である補強板17を間に介して該バニティミラー4を間接的に保持するようにしてもよい。そうすれば、荷重Xに抗するための保持クリップ15からの反力がバニティミラー4に対して直接的に作用しないので、バニティミラー4の破損がより有効に防止される。
なお、図10及び図11に示す上記実施例では、補強板17が屈曲部22において上側に屈曲して保持クリップ15から外れる例を示したが、保持クリップ15が破断あるいは変形して該保持クリップ15から補強板17が外れるように構成してもよい。その場合、保持クリップ15に対して前記切欠部20を形成してもよい。
【0026】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、サンバイザ本体2が熱可塑性合成樹脂のブロー成形により成形されるものである例を示したが、その他の成形法、例えば、熱可塑性合成樹脂のビーズ発泡成形、射出成形等によりサンバイザ本体2を成形した場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0027】
また、上記実施の形態では、外枠体7を介してバニティミラー4がサンバイザ本体2に取り付けられる例を示したが、外枠体7が無くても本発明を実施することができる。例えば、落込部9の側壁面に対して保持クリップ15を一体状に設け、その保持クリップ15によりバニティミラー4を保持するようにすれば、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
また、上記実施の形態では、バニティミラー4の鏡面が主にガラスで構成される例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、バニティミラー4の鏡面がポリカーボネイト等の透明合成樹脂材料で構成されるような場合であっても、上記実施の形態と同様な作用効果を達成することができる。
また、上記実施の形態では、サンバイザ本体2表面に表皮材6が被覆される例を示したが、表皮材6が被覆されていないサンバイザ本体に対しても本発明を適用できる。
また、上記実施の形態では、補強板17が熱可塑性合成樹脂で形成される例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、補強板17が鉄やアルミニウム等の金属により形成される場合であっても本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態では、バニティミラー4の裏面に補強板17が接着剤により固着される例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、バニティミラー4の裏面に、補強板17を加熱溶着や両面粘着テープ等の他の手段により固着するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、バニティミラー4の裏面に補強板17が固着される例を示したが、バニティミラー4の裏面に補強板17が固着されていない場合であっても本発明を適用できる。
また、上記実施の形態では、落込空間18にクッション体30が配設される例を示したが、クッション体30が配設されていない場合であっても本発明を適用できる。
また、例えば、バニティミラー4の鏡面を覆うためのスライド蓋やカバー等が取り付けられている場合であっても、本発明を同様に適用することができる。
【0029】
また、上記実施の形態では、説明を分かり易くするために、補強板17、クッション体30、切欠部20(脆弱部)を備えた車両用サンバイザ1をそれぞれ別の実施例を用いて説明したが、それらの一部又は全部を備えた車両用サンバイザ1を実施できることは勿論であり、この場合、バニティミラー4の脱落や破損等をより相乗的かつ効果的に防止することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、サンバイザ本体に取り付けられたミラーの鏡面に荷重や衝撃等が作用した場合でも、そのミラーのサンバイザ本体からの脱落を有効に防止することのできる車両用サンバイザを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における車両用サンバイザの概略構成を示す斜視図である。
【図2】バニティミラーを取り付ける前の状態におけるサンバイザ本体の斜視図である。
【図3】バニティミラーを裏面側から見た斜視図である。
【図4】図1に示す車両用サンバイザのA−A線断面図である。
【図5】図1に示す車両用サンバイザのB−B線断面図である。
【図6】図1に示す車両用サンバイザのB−B線断面図であり、バニティミラーが落込部の底部にまで落ち込んだ状態を示している。
【図7】図1における車両用サンバイザのB−B線断面図であり、バニティミラーの裏面と落込部の底部との隙間である落込空間にクッション体を配設した実施例を示す図である。
【図8】図1における車両用サンバイザのB−B線断面図であり、保持クリップに切欠部が設けられた実施例を示している。
【図9】図1における車両用サンバイザ1のB−B線断面図であり、保持クリップに切欠部が設けられた実施例を示している。
【図10】バニティミラーを裏面から見た斜視図であり、バニティミラーが補強板を介して保持クリップにより保持された実施例を示している。
【図11】図10におけるバニティミラーの横断面図である。
【図12】従来の車両用サンバイザを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車両用サンバイザ
2 サンバイザ本体
4 バニティミラー(ミラー)
6 表皮材
7 外枠体
8 取付部
9 落込部
15 保持クリップ(保持手段)
18 落込空間(隙間)
20 切欠部(脆弱部)
21 爪部
30 クッション体

Claims (3)

  1. サンバイザ本体にミラーが取り付けられた車両用サンバイザであって、
    前記サンバイザ本体には、前記ミラーの裏面に対応する位置に該ミラーの厚み以上の深さを有する落込部が設けられており、前記ミラーは、前記落込部の底部との間に隙間を有した状態で保持手段により保持されており、
    前記保持手段は、ミラーを保持する合成樹脂製の保持クリップにより構成されており、
    保持クリップは、前記ミラーの鏡面側に所定以上の荷重が作用したときにそのミラーが外れるように弾性変形が可能に形成されており、
    前記保持クリップと落込部の側壁部との間には、前記保持クリップから前記ミラーが外れるようにその保持クリップが前記ミラーの外縁部から離間する方向へ変形可能とするための所要の隙間が設けられており、
    前記ミラーが前記保持手段から外れると前記落込部に落ち込むように構成されており、
    前記ミラーの裏面には、該ミラーの剛性を向上させる補強板が固着されており、
    該補強板は、前記ミラーよりも小さく形成されたことを特徴とする車両用サンバイザ。
  2. サンバイザ本体にミラーが取り付けられた車両用サンバイザであって、
    前記サンバイザ本体には、前記ミラーの裏面に対応する位置に該ミラーの厚み以上の深さを有する落込部が設けられており、前記ミラーは、前記落込部の底部との間に隙間を有した状態で保持手段により保持されており、
    前記ミラーの鏡面側に所定以上の荷重が作用すると、前記ミラーが前記保持手段から外れて前記落込部に落ち込む構成とされており、
    前記ミラーの裏面には、該ミラーの剛性を向上させる補強板が固着されており、
    該補強板は、合成樹脂によって前記ミラーよりも大きく形成されており、
    前記ミラーは、該ミラーの裏面に固着された該補強板を介して保持手段により保持されており、
    前記ミラーが前記落込部に落ち込む構成は、前記補強板の外縁部が屈曲して補強板が保持手段から外れて前記落込部に落ち込む構成であることを特徴とする車両用サンバイザ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用サンバイザであって、
    前記ミラーの裏面と前記落込部の底部との間には、前記ミラーの鏡面側に作用する荷重を吸収するクッション体が配設されていることを特徴とする車両用サンバイザ。
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