JP3713475B2 - サンバイザー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動車の乗員の防眩用のサンバイザーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の乗員室内において、乗員がフロントウインド方向やサイドウインド方向からの日射や他車からの灯火などの過度の光源に曝されて目が眩むのを防止するために、防眩(遮光)具としてのサンバイザーが乗員室内に取り付けられている。この種のサンバイザーは、不透明な板状のバイザー本体を、自動車の天井部の、フロントウインドに近い位置に固定された支持軸によって回動可能に軸支して構成されている。バイザー本体は、非使用時には天井に沿うように回動させて収容位置に位置させることができ、使用時には支持軸を中心に下方に回動させて、乗員とフロントウインド、および場合によってはサイドウインドの間に垂れ下がるように位置させ、すなわち使用位置に位置させることができる。バイザー本体を使用位置に位置させることによって、乗員の目に入る光の一部を遮り、防眩の作用を得ることができる。
【0003】
このようなサンバイザーは、通常、乗員がバイザー本体の一部を持って手動で回動操作する構成とされる。このため、バイザー本体は、この操作時に乗員によって力が加えられても折れが生じないように、ある程度の剛性を有するものとする必要がある。サンバイザーの操作性についてのこのような要求を満たすために、バイザー本体には、一定の剛性を有する板状芯材(木質ボード、熱可塑性樹脂成形体、樹脂発泡成形体、樹脂粒子発泡成形体など)が用いられる。
【0004】
また、サンバイザーは自動車の乗員室内において目立つ位置にあるため、意匠性も同時に要求される。この意匠性についての要求を満たすために、板状芯材を被覆する、ファブリック、レザーなどの表皮材が用いられるのが一般的である。
【0005】
このように、一定の剛性を有する板状芯材を用いることによって、バイザー本体を非使用位置から使用位置まで(逆に使用位置から非使用位置まで)曲がりや折れを生じること無く手早く動かすことが可能である。また、板状芯材を各種の表皮材で被覆することによって、自動車の乗員室内にある内装材としてふさわしい意匠性を与えることができ、さらに一定のクッション性も与えることができる。
【0006】
また、サンバイザーは、乗員の目に入る強い外光を低減するというその機能のために、自動車の乗員室内において、乗員、特に前席列に着座する乗員の頭部に非常に近い位置にあり、すなわち、乗員から容易に手が届く位置にある。このため、従来から、サンバイザーには、バニティミラー、チケットホルダ、小物入れなどの各種のアクセサリーが設けられており、それによって高い利便性が得られる。
【0007】
【特許文献1】
実公昭54−19617号公報
【特許文献2】
実開昭60−53624号公報
【特許文献3】
特開平9−193658号公報
【特許文献4】
特開平7−137063号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の自動車用サンバイザーは、防眩具としての機能を得ることを主目的とし、さらに、内装材としての意匠性の向上や、各種アクセサリーを設けることによる利便性の向上がもっぱら追求されてきた。これに対して本発明者らは、自動車の乗員室内における音場環境に関する詳細な解析を行ってきた結果、自動車の乗員室内において、サンバイザーを乗員に対する音場環境を改善する吸音材として好適に機能させることができる可能性があることを見出し、サンバイザーを吸音材として機能させるのに最適な構成について検討して発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、従来かえりみられていなかった、サンバイザーによる、自動車乗員に対する音場環境の改善に着目してなされたものであり、本発明の目的は、これに適した、吸音性に優れるサンバイザーを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明者らは、実車両を用いた実験と詳細な解析とを行い、その結果、サンバイザーを吸音性の素材、特に、高い通気性を有する素材を主体として構成することにより、自動車乗員に対する音場環境を有意に改善できることを見出した。すなわち、本発明によるサンバイザーは、自動車の乗員室内の、乗員の頭部の近くに配置される、板状の遮光体であるバイザー本体を有するサンバイザーにおいて、バイザー本体は、一定の剛性を有し、かつ一定の通気性を有する板状芯材と、該板状芯材の表面を覆って配置された、一定の通気性を有する表皮材とから構成されていることを特徴とする。
【0011】
サンバイザーをこのように構成することによって、サンバイザーの自動車乗員室内に対する投影面積が比較的小さいにもかかわらず、自動車乗員に対する音場環境を有意に改善でき、すなわち、乗員の耳位置における騒音を有意に低減する作用が得られる。これは、乗員室内においてサンバイザーの配置が、特に前席列に着座する運転者などの乗員の頭部に非常に近いことに起因しているものと考えられる。
【0012】
実験の結果、板状芯材の通気度は2.0cc/cm2/秒以上あるのが、音場環境を改善する上で特に有効であることが分かった。一方、サンバイザーの板状芯材は、操作性を良好に保つために一定の剛性を有することが好ましく、特に、曲げ弾性率が3.0MPa以上であることが好ましい。
【0013】
一般に通気性の高い素材は剛性が弱く、上記のように、一定の通気性と一定の剛性を有する板状芯材を得るのには困難を伴う。これについて、本発明者らは、通気度と剛性の要求を同時に満たすことが可能な素材として、連通した空隙を有するポリオレフィン系樹脂発泡成形体を好適に用いることができることを見出した。
【0014】
このように板状芯材として用いるのに好適な、連通した空隙を有するポリオレフィン系樹脂発泡成形体としては、特開平7−137063号に記載された発泡粒子成形体が特に好ましいものである。この発泡粒子成形体は、中空円筒状などに形成したポリオレフィン系樹脂の発泡粒子を相互に融着させて得られた剛直な(曲げ弾性率3.0〜8.0MPaの)成形体であり、この発泡粒子の形状のために、得られる成形体には連通する空隙を容易に形成することができる。ここで、発泡成形体の上記曲げ弾性率は、JIS K 7221−1:1999に従って測定されたものである。ただし、曲げ弾性率を測定する際の試験片の厚みについては、発泡成形体の厚みが20mmを越える場合には、下面だけに表面スキンを有する、厚み20mmの試験片とするが、発泡成形体の厚みが20mm以下の場合には、試験片の厚みは発泡成形体の厚みそのままとする(試験片の上下面のみに表面スキンを有する)。なお、発泡成形体の厚みが20mmを超える場合、どうしても下面だけに表面スキンを残すことが困難なときは、全面に表面スキンの無い、厚み20mmの試験片とする。
【0015】
発泡成形体の上記曲げ弾性率は、発泡成形体のみかけ密度が大きいほど、発泡成形体における発泡粒子間の融着力が強いほど、発泡成形体における空隙率が小さいほど、発泡成形体の厚みが厚いほど、大きな値を示す傾向にある。
【0016】
また、成形体に形成される連通する空隙の割合は、10〜70体積%であることが好ましい。それによって、成形体に、通気度2.0cc/cm2/秒以上の高い通気性を付与することができる。
【0017】
上記以外で通気度2.0cc/cm2/秒以上の高い通気性を有する板状芯材として用いることができる可能性があるものとしては、連通性のウレタンフォーム成形体、高密度繊維成形体、ヘルムホルツ機構を有する樹脂成形体などが考えられる。
【0018】
バイザー本体の吸音性(通気性)を高く維持するためには、板状芯材を被覆する表皮材としても高い通気性を有するものを用いることが好ましく、特に、通気度5.0cc/cm2/秒以上のものを用いることが好ましい。このような表皮材としては、裏打ち加工のなされていないファブリック、ニット、不織布などを用いるのが好ましい。
【0019】
このような表皮材によって板状芯材を被覆するにあたっては、熱可塑性樹脂からなる裏打ちを施してもよく、それによって溶着による取り付けが可能となり、また表皮材に一定の形状保持性を与えて取り扱いを容易にすることができる。この場合、裏打ちは、板状芯材に面して配置される面の部分領域にのみ形成し、この裏打ちどうし、および/またはこの裏打ちと板状芯材とを溶着させて取り付ける。このようにすることによって、裏打ちのために通気性が損なわれない部分を残し、バイザー本体全体として充分な通気性を確保し、充分な吸音性を得ることができる。
【0020】
あるいは、表皮材を、発熱性樹脂繊維を含んで組織してもよい。この場合、発熱性樹脂繊維を微溶融させて融着させることによって、表皮材を取り付けることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態のサンバイザーを設けるのに適した乗用自動車20の前部の一部を模式的に示している。乗用自動車20は、運転者などの乗員30用のキャビン、すなわち乗員室21を有しており、乗員室21の前方にエンジンルーム29が備えられている。乗員室21とエンジンルーム29はダッシュパネル28によって区切られており、ダッシュパネル28の乗員室21側には乗員30用のハンドル27や各種計器類を支持するインストルメントパネル22が装着されている。インストルメントパネル22の上方はフロントウインド(風防)23になっており、フロントガラスが嵌められて、乗員30の視界が確保されている。乗員30の側方は、フロントウインド23との間に、天井部26を支持するピラー(支柱)25を挟んでサイドウインド24になっている。
【0023】
天井部26の、フロントウインド23に近い位置には、サンバイザー10が設けられている。サンバイザー10は、天井部26に固定された、L字形の支持軸12と、板状の形状を有し、一縁を支持軸12の実質的に水平方向に延びる軸に取り付けられ、その周りに回動可能に支持されているバイザー本体11を有している。これによって、バイザー本体11は、天井部26に沿うように回動させた収容位置と、乗員30とフロントウインド23およびサイドウインド24との間で下方に垂れ下がるように回動させた使用位置とに位置させることができる。バイザー本体11を使用位置に回動させることによって、自動車の外部、特に前方から乗員30の目に入る光の一部を遮蔽して、防眩の作用を得ることができる。
【0024】
バイザー本体11を収容位置と使用位置との間で回動させる操作は、乗員30が走行環境に応じて適宜手動で行うことができるようになっている。この際、乗員30が力を加えることによって、バイザー本体11が折れたり曲がったりすることなくスムーズに回動するように、バイザー本体11の中心には、一定の剛性を有する板状芯材13が設けられている。さらに、バイザー本体11は、その意匠性を乗員室21の内装材としてふさわしいものとするために、板状芯材13を表皮材14によって被覆して構成されている。
【0025】
乗用自動車20の走行にともなって乗員室21、特に運転者が着座する前部に侵入してくる主な騒音としては、エンジンルーム29にある原動機が発するエンジン音S1と、乗用自動車20の周り、特にフロントウインド23の周りで生じる気流の摩擦によって生じる風切り音S2がある(図1では、これら乗員室内に侵入するエンジン音S1、風切り音S2を矢印によって模式的に示している。)。エンジン音S1は、主として、ダッシュパネル28、インストルメントパネル22を透過して乗員室21内に到り、風きり音S2は、主として、フロントウインド23、サイドウインド24を介して乗員室21内に到る。いずれの音波も各種の防音材、遮音材によって乗員室へ伝播する音圧を相当程度まで低くできるものの、完全に遮断するのは困難である。
【0026】
本発明者らは、バイザー本体11の構成を工夫することによって、乗員室21内における音場環境を改善する、すなわち、具体的には、乗員30の耳位置30aにおける騒音の音圧を低減することができることを見出した。本実施形態におけるバイザー本体11は、このように乗員室21内の音場を改善することができる構成を有している。すなわち、バイザー本体11は、板状芯材13として、十分な剛性を保持しつつ、高い通気性を有する部材を用いており、また、表皮材14としても高い通気性を有するものを用いている。また、本発明者らは、板状芯材13として、種々の通気度を有するものを用いて検討した結果、特に、通気度が2.0cc/cm2/秒以上のものを用いるのが、音場環境の有意な改善効果を得る上で有効であることを見出した。
【0027】
以下に、本実施形態のサンバイザー10によって、乗員30の耳位置30aにおける騒音を低減させることができる仕組みについて説明する。
【0028】
乗用自動車20の乗員室21の前部において、騒音の入射経路については、下方のインストルメントパネル22方向からエンジン音S1が多く侵入し、上方のフロントウインド23、サイドウインド24、天井部26から風切り音S2が多く侵入する。侵入した音波は乗員室21内で乱反射して、乗員30の耳位置30aに至る。
【0029】
本実施形態において、バイザー本体11は、前述のように使用位置と収容位置とに適宜回動させられるが、いずれの場合でも、バイザー本体11は乗員30の頭部、したがって耳位置30aに非常に近い位置にある。このため、乗員室21内に侵入し乱反射して乗員30の耳位置30aへと向かう音波は、高い比率で乗員30の耳位置30aの近くに位置するバイザー本体11にも入射する。
【0030】
このようにしてバイザー本体11に入射した音波は、表皮材14、板状芯材13が高い通気性を有しているために、高い比率で表皮材14内に伝播し、さらに、表皮材14の内側の板状芯材14の内部に深く伝播し、一部は板状芯材13を透過することが可能である。このようにバイザー本体11に入射した音波の大半は反射されることなくバイザー本体11の内部に至り、そのエネルギーが芯材13の内部において減衰され、すなわちバイザー本体11によって吸音される。本実施形態によれば、このようなメカニズムで、乗員30の耳位置30aにおける騒音を低減することができる効果が得られるものと考えられる。
【0031】
なお、板状芯材13を表皮材14によって被覆するにあたっては、表皮材14に、熱可塑性樹脂の裏打ちを施してもよい。それによって、この裏打ちどうし、および/またはこの裏打ちと板状芯材13を溶着させることによる取り付けが可能となり、また、取り付け前の表皮材に一定の形状保持性を与えて、取り扱いを容易にすることができる。
【0032】
図2(a)〜図2(c)は、この裏打ちの好ましい構成例を示している。これらの図は、板状芯材13上に配設する前の表皮材14,14’,14’’を、板状芯材13に面して配される側、すなわち裏面14a,14a’,14a’’側から見た模式図である。これらの表皮材14,14’,14’’は、折線14b,14b’,14b’’に沿って2つに折って板状芯材13上に配されるものであり、この折線14b,14b’,14b’’を挟んだ両側は、板状芯材13の両面を覆う対称な形状を有している。
【0033】
図2(a)に示す例では、裏打ち15が、表皮材14の裏面14aの外周に沿った部位に施されている。この構成によれば、表皮材14を板状芯材13上に配設した後、裏打ち15による溶着部は、板状芯材13の端縁のみに位置することになる。したがって、裏打ち15のために通気性が損なわれ、そのために吸音性が損なわれる部位は、バイザー本体11の端縁のみとなり、この部分の乗員室21内への投影面積は小さいので、裏打ち15を施すことによる吸音性への影響は非常に小さく抑えることができる。
【0034】
次に、図2(b)に示す例では、裏打ち15’が、表皮材14’の裏面14a’の外周に沿った部位に加えて、外周部より内側にも格子状に施されている。この構成では、外周部より内側に格子状に裏打ち15’を施すことによって、表皮材15’を板状芯材13上に溶着させてより丈夫に配設することができる。この際、外周部より内側に施した裏打ち15’を格子状にしているために、バイザー本体11には、通気性を保った部分が残され、バイザー本体11全体で見て、十分な通気性、吸音性を保つことができる。
【0035】
図2(c)に示す例では、裏打ち15’’が、表皮材14’’の裏面14a’’に斑状に施されている。この構成においても、バイザー本体11の通気性、吸音性を十分に高く保ちつつ、板状芯材13上に表皮材14’’を比較的丈夫に配設することができる。裏打ち15’’の斑点の密度は、特に、バイザー本体11の吸音性への影響が比較的小さい、外周に沿う部位で密にしており、外周部より内側では疎にしている。
【0036】
また、表皮材15は、裏打ちを施さずに、発熱性樹脂繊維を含ませたニット、不織布等の形態に組織することも可能であり、この場合、加工時には、超音波ウェルドにより、発熱性樹脂繊維を微溶融させて、相互に融着させ、それによって表皮材15を取り付けることができる。
【0037】
(実施例)
次に、本発明に基づいて作成した実施例のサンバイザーを乗員室内に設けた場合の、乗員室内の音場環境の改善について評価した結果について説明する。
【0038】
実施例のサンバイザーとして、約40.0cm×16.0cmの実質的に長方形の外形で、厚さ2.0cmの板状のバイザー本体を有するものを作成し、評価試験に供した。
【0039】
板状芯材としては、ポリプロピレン系樹脂、より具体的には、融点147℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂からなり、平均外径3.7mm、平均内径2.2mm、平均長さ3.0mmの円筒状の形状を有し、嵩密度が0.038g/cm3の発泡粒子を型内に充填し、飽和スチームで加熱し、冷却し、次いで離型し、乾燥して製造したものを用いた。得られた乾燥後の板状芯材は、約39.8cm×15.8cmの実質的に長方形の外形で、厚さ1.8cmであり、みかけ密度0.04g/cm3、空隙率17体積%、通気度5.0cc/cm2/秒であった。なお、板状芯材のみかけ密度は板状芯材の質量(g)を板状芯材のみかけ体積(板状芯材を構成する発泡体部分のみかけ体積と、板状芯材の発泡粒子間に形成された空隙の体積の総和)(cm3)で除した値である。
【0040】
この板状芯材の外側を目付量が800g/cm2、通気度が200cc/cm2/秒の不織布からなる表皮材で被覆した。この際、表皮材には、その外周縁沿いにのみ、塩化ビニル樹脂を用いて0.50mm幅で裏打ちを施し、この裏打ちを溶着させて表皮材を板状芯材上に取り付けた。
【0041】
一方、この実施例のサンバイザーと対比させるため、実施例のサンバイザーと同様の形状、大きさであるが、通気性の無い板状芯材を用いた、比較例のサンバイザーを作製し、評価試験に供した。
【0042】
比較例のサンバイザーの板状芯材としては、融点147℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂からなり、平均外径3.7mm、平均長さ3.0mmの円柱状の形状を有し、嵩密度0.038g/cm3の発泡粒子を型内に充填し、飽和スチームで加熱し、冷却し、次いで離型し、乾燥して製造したものを用いた。得られた乾燥後の板状芯材は、約39.8cm×15.8cmの実質的に長方形の外形で、厚さ1.8cmであり、みかけ密度0.04g/cm3、空隙率0体積%、通気度0cc/cm2/秒であった。この板状芯材の外側を実施例と同様に目付量が800g/cm2、通気度が200cc/cm2/秒の不繊布表皮材で被覆して比較例のサンバイザーとした。
【0043】
(評価方法)
実施例、比較例のサンバイザーを取り付けた試験車両を半無響室内に配置し、試験車両の車外、より具体的には、Aピラーの前方0.8m、高さ1.2mの位置にスピーカーを配置し、このスピーカーから、あらかじめ採取した実車走行時相当の走行騒音(ランダムノイズ)を発生させた。この発生音を、実施例および比較例サンバイザーを乗員とフロントウインドの間の使用位置に下した状態で、自動車の乗員室内の乗員の耳位置においたマイクで測定し、発生音の音圧とマイクで観測された音圧の差によって吸音性能を評価した。
【0044】
(評価結果)
図3に、上記のように評価を行って得られた、吸音性についての測定結果を示す。図3では、横軸には観測周波数、縦軸には実施例および比較例のサンバイザーを配置した乗員室内で観測された騒音の音圧(dBA)をとり、実施例の測定結果は破線、比較例の測定結果は実線で示している。
【0045】
同図より、実施例のサンバイザーを用いることによって、比較例のサンバイザーを用いた場合に比べて、騒音レベルを低く抑えることができることが分かる。特に、1000〜5000Hzの領域で、実施例が比較例を1〜3dBA下まわり、実施例のサンバイザーを用いることによって、優れた吸音効果が得られることが確認された。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高い通気性を有する板状芯材上に高い通気性を有する表皮材を被覆して形成したバイザー本体を有するサンバイザーを用いることによって、自動車乗員に対する音場環境を改善する、すなわち、特に、乗員の耳位置での騒音を低減することができる。
【0047】
従来、サンバイザーは防眩を主目的として設けられており、日常的には使用する頻度が少なく、非使用時には冗長な印象を与えるものであった。これに対して、本発明によれば、サンバイザーに、吸音性という従来かえりみられていなかった機能を付加することができ、防眩の必要がない日常の走行時にもサンバイザーを有意に機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の乗用自動車の乗員室の前部の模式図である。
【図2】本発明の実施形態の表皮材の裏面への熱可塑性樹脂の裏打ちの様々な構成例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例のサンバイザーを用いた場合と、これに対する比較例のサンバイザーを用いた場合の、吸音性についての測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 サンバイザー
11 バイザー本体
12 支持軸
13 板状芯材
14,14’,14’’ 表皮材
14a,14a’,14a’’ 裏面
15,15’,15’’ 裏打ち
20 自動車
21 乗員室
22 インストルメントパネル
23 フロントウインド
24 サイドウインド
25 ピラー
26 天井部
27 ハンドル
28 ダッシュパネル
29 エンジンルーム
30 乗員
30a 耳位置
1 エンジン音
2 風切り音

Claims (3)

  1. 自動車の乗員室内の、乗員の頭部の近くに配置される、板状の遮光体であるバイザー本体を有するサンバイザーにおいて、
    前記バイザー本体は、一定の剛性を有し、かつ一定の通気性を有する板状芯材と、該板状芯材の表面を覆って配置された、一定の通気性を有する表皮材とから構成されており、
    前記板状芯材は、連通した空隙を有するポリオレフィン系樹脂発泡成形体からなるサンバイザー。
  2. 自動車の乗員室内の、乗員の頭部の近くに配置される、板状の遮光体であるバイザー本体を有するサンバイザーにおいて、
    前記バイザー本体は、一定の剛性を有し、かつ一定の通気性を有する板状芯材と、該板状芯材の表面を覆って配置された、一定の通気性を有する表皮材とから構成されており、
    前記表皮材は、前記板状芯材に面して配置される面の部分領域に熱可塑性樹脂からなる裏打ちが施され、該裏打ちどうし、および/または該裏打ちと前記板状芯材とが溶着されて前記板状芯材を被覆するように取り付けられているサンバイザー。
  3. 自動車の乗員室内の、乗員の頭部の近くに配置される、板状の遮光体であるバイザー本体を有するサンバイザーにおいて、
    前記バイザー本体は、一定の剛性を有し、かつ一定の通気性を有する板状芯材と、該板状芯材の表面を覆って配置された、一定の通気性を有する表皮材とから構成されており、
    前記表皮材は、発熱性樹脂繊維を含んで組織されているサンバイザー。
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